JP6920865B2 - 印刷版用感光性樹脂構成体 - Google Patents
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Description
フレキソ印刷版用感光性樹脂構成体は、一般的には、支持体とカバーフィルムの間に狭置された感光性樹脂組成物層を有する。
第一工程の方法としては、接着剤を所定の溶媒に溶解させた後、支持体上にコーティングし、乾燥して製造される方法が挙げられる。
第二工程の方法としては、プレス成型やカレンダー成型等が一般的である。
バック露光とレリーフ露光は順序が入れ替わってもよい。
表面に赤外線感受性物質を含む赤外線感受性層(紫外線非感受性層ともいう)を配置した感光性樹脂構成体の場合は、バック露光の後、カバーフィルムを剥離し、赤外線レーザーにより表面の赤外線感受性層に目的とするネガ画像を焼きつけ、ネガの代わりに利用し、レリーフ露光を実施する。以降の工程は上述したネガフィルムを使用する場合と同様である。
印刷版用感光性樹脂構成体のパッケージング容器は、一般的に、矩形の形状である。スタックをより良好に保護するために、印刷版用感光性樹脂構成体間にフォーム層が配置されている場合もある。また、前記パッケージング容器の中には、通常、5〜20枚の印刷版用感光性樹脂構成体が存在する。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
少なくとも支持体、感光性樹脂組成物層、及びカバーフィルムが、この順に積層してなる印刷版用感光性構成体であって、
前記支持体と、前記カバーフィルムの、縦延伸方向(MD)における湿度膨張係数(CME)比(C1)(=カバーフィルムのMDのCME/支持体のMDのCME)、
及び、
前記支持体と、前記カバーフィルムの、横延伸方向(TD)における湿度膨張係数(CME)の比(C2)(=カバーフィルムのTDのCME/支持体のTDのCME)が、
0.6〜1.4であり、
前記支持体の縦延伸方向(MD)と、横延伸方向(TD)の、湿度膨張係数(CME)比(C3)(=支持体のMDのCME/支持体のTDのCME)、
及び、
前記カバーフィルムの縦延伸方向(MD)と、横延伸方向(TD)の、湿度膨張係数(CME)の比(C4)(=カバーフィルムのMDのCME/カバーフィルムのTDのCME)が、
0.8〜1.4である、印刷版用感光性樹脂構成体。
〔2〕
前記湿度膨張係数の比(C1)〜(C4)が、0.8〜1.2である、前記〔1〕に記載の印刷版用感光性樹脂構成体。
〔3〕
前記支持体、及び/又は前記カバーフィルムの結晶長周期が、12.4〜13.9nm
である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の印刷版用感光性樹脂構成体。
〔4〕
前記支持体、及び/又は前記カバーフィルムの結晶化度が、37〜40%である、
前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の印刷版用感光性樹脂構成体。
〔5〕
前記支持体、及び/又は前記カバーフィルムの水蒸気の拡散係数が3.4×10-13〜
4.7×10-13m2/sである、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の印刷版用感光性樹脂構成体。
〔6〕
前記支持体、及び/又は前記カバーフィルムの、縦延伸方向(MD)の熱収縮率が0.
8〜2.0であり、かつ、横延伸方向(TD)の熱収縮率が0.1〜2.0である、
前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の印刷版用感光性樹脂構成体。
〔7〕
前記支持体、及び/又は前記カバーフィルムの、縦延伸方向(MD)のヤング率が2.
9〜4.6であり、かつ、横延伸方向(TD)のヤング率が3.5〜5.3である、
前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載の印刷版用感光性樹脂構成体。
本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂構成体は、
少なくとも支持体、感光性樹脂組成物層、及びカバーフィルムが、この順に積層してなる印刷版用感光性構成体であって、
前記支持体と、前記カバーフィルムの、縦延伸方向(MD)における湿度膨張係数(CME)比(C1)(=カバーフィルムのMDのCME/支持体のMDのCME)、及び、
前記支持体と、前記カバーフィルムの、横延伸方向(TD)における湿度膨張係数(CME)の比(C2)(=カバーフィルムのTDのCME/支持体のTDのCME)が、0.6〜1.4である。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂構成体を構成する支持体及びカバーフィルムとしては、公知の支持体及びカバーフィルムを使用できる。以下に限定されるものではないが、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドシート、金属版等を使用できる。好ましくは厚みが75〜300μmの寸法安定なポリエステルフィルムであり、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等、全ての芳香族ポリエステルフィルムが挙げられる。
ジカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸等が挙げられる。
ジオールとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトレメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
まず、十分乾燥されたポリエステル原料ペレットを公知の押出機に供給し、必要に応じて選ばれたフィルターを通過させた後、T型口金により、回転する金属キャスティングドラム上にシート状に押し出し、冷却固化させる。もしくは未乾燥ペレットをベント式押出機に供給し同様にして無配向状態のフィルムを得る。
なお、ガラス転移温度(Tg)とは、樹脂のTgである。また、縦延伸を行うに際して前記延伸温度、倍率の範囲であれば、1段階の延伸でも、2段階以上の温度勾配をつけた多段階延伸でもよい。
横方向への延伸方法としては、特に限定はされないが、公知のテンターを用いて行うことができる。
延伸温度は先の縦延伸温度と同様にポリエステルのガラス転移温度(Tg)からTg+60℃の範囲とし、延伸倍率は3倍〜4倍の範囲として延伸することが好ましい。
結晶化速度の速い原料を用いた場合や、二軸延伸後の配向が高い場合には、表面の結晶が強固なものとなっており、フィルム表面が到達する温度として高温の熱固定が必要であるが、長時間高温にさらすとフィルムの力学特性が低下する。このため、フィルムが到達する温度は高く、高温での処理時間は短くすることが好ましい。
一方、結晶化速度の遅い原料を用いた場合や、二軸延伸後の配向が低い場合は、熱固定時の熱でフィルムの結晶化が起こりにくいため、高温での熱固定ではフィルムが溶融する等が起こり、フィルムの力学特性が低下する。このため、低温かつ長時間での熱固定が必要であるが、あまりにも低温かつ長時間の処理ではフィルムの力学特性の改善や表面の結晶の溶融等が起こらない。そのため、フィルムの物性を確認した上で、適宜、熱固定温度を高めつつ高温での熱固定時間を短くする調整を行うことが好ましい。
各ゾーンの熱固定温度の上限は好ましくは260℃である。260℃を超えると表面の結晶のみならず、フィルム全体の配向が崩壊し、力学特性の低下が起こることがある。
熱固定時間の下限は好ましくは1.5秒である。1.5秒未満であると生産性が低下する。
熱固定時間の上限は好ましくは50秒である。50秒を超えると生産性が低下する。
前記湿度膨張係数の比(C1)〜(C4)は、前記支持体、及び/又はカバーフィルムのそれぞれの縦延伸方向(MD)、及び/又は横延伸方向(TD)の湿度膨張係数(CME)の値を一定の範囲内に揃えることで(C1)〜(C4)の数値を前記数値範囲内に制御することができる。その湿度膨張計数(CME)の値を一定に揃えるためには、製造時の縦延伸と横延伸の倍率や熱固定温度を適正に制御することにより可能となる。湿度膨張係数(CME)値の好ましい範囲としては1.0〜2.5であり、より好ましくは1.0〜1.9でり、さらに好ましくは1.1〜1.8である。
前記結晶長周期は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
前記支持体、カバーフィルムの結晶長周期は、カバーフィルムの製造時の熱固定温度を適正に制御することにより、前記数値範囲に制御することができる。
前記結晶化度は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
前記支持体、カバーフィルムの結晶化度は、カバーフィルムの製造時の熱固定温度を適正に制御することにより、前記数値範囲に制御することができる。
前記水蒸気の拡散係数は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
前記支持体、カバーフィルムの水蒸気の拡散係数は、カバーフィルムの製造時の熱固定温度を適正に制御することにより、前記数値範囲に制御することができる。
また、前記支持体、及び/又は前記カバーフィルムの横延伸方向(TD)の熱収縮率が、端部に発生する波うち皺抑制の観点から、0.1〜2.0%であることが好ましい。より好ましくは0.4〜2.0%であり、さらに好ましくは0.6〜2.0%である。
前記縦延伸方向(MD)の熱収縮率、及び前記横延伸方向(TD)の熱収縮率は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
前記支持体、カバーフィルムの縦延伸方向(MD)の熱収縮率、及び横延伸方向(TD)の熱収縮率は、カバーフィルムの製造時の熱固定温度を適正に制御することにより、前記数値範囲に制御することができる。
また、前記支持体、及び/又は前記カバーフィルムの横延伸方向(TD)のヤング率が、端部に発生する波うち皺抑制の観点から、3.5〜5.3GPaであることが好ましい。より好ましくは3.5〜5.0GPaであり、さらに好ましくは3.5〜4.8GPaである。
前記縦延伸方向(MD)のヤング率、及び前記横延伸方向(TD)のヤング率は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
前記支持体、カバーフィルムの縦延伸方向(MD)のヤング率、及び横延伸方向(TD)のヤング率は、カバーフィルムの製造時の熱固定温度を適正に制御することにより、前記数値範囲に制御することができる。
本実施形態の印刷版用感光性樹脂構成体は、前記支持体と、カバーフィルムとの間に、感光性樹脂組成物層を有している。
スリップ層は保護層と呼ばれることもある。
ネガフィルムを用いる場合には、露光後にネガフィルムを取り外し、その後、未露光部を現像液により除去するものとし、スリップ層を赤外線感受性層とする場合は、露光が終了してから現像液により未露光部を洗い出しする際に、スリップ層を同時に除去する。
スリップ層や、前記赤外線感受性層を、感光性樹脂組成物層の表面に設ける場合には、これらの材料を適当な溶剤に溶かした溶液を、直接感光性樹脂組成物層にコーティングしてもよく、あるいはポリエステル、ポリプロピレン等のフィルムにコーティング(保護フィルム)し、その後、この保護フィルムを感光性樹脂組成物層にラミネート又はプレス圧着して転写させてもよい。
前記バインダーポリマーに、赤外線吸収性材料、例えばカーボンブラック等を、赤外線レーザー感度と紫外線遮蔽性(黒化濃度)とのバランスを考慮して添加する。
前記赤外線感受性層に用いるバインダーポリマーは、全体として、感光性樹脂組成物層の現像剤で、溶解、膨潤、又は除去可能なポリマーであることが好ましい。
具体的には、アクリル系ポリマーに、帯電防止剤として、スルフォン酸系界面活性剤を含有させたものをコーティングして得られた静電防止処理ポリエチレンテレフタレートフィルムの上に、吸油性材料を含み、赤外線感受性を有するスリップ層を直接塗工することで、スリップ層に帯電防止剤がブリードしてくるため、帯電防止剤と吸油性材料を含む、紫外線遮蔽性能を有する赤外線感受性層を形成することができる。
また、感光性樹脂組成物層に水現像性を持たせ、水系の現像剤で現像を行うことを可能にする場合は、熱可塑性エラストマーの代わりに親水性ポリマーをバインダーポリマーとする。又は熱可塑性エラストマーと親水性ポリマーを併用した組成系とする。
熱可塑性エラストマーとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、共役ジエン系炭化水素を重合して得られる重合体、共役ジエン系炭化水素とモノオレフィン系不飽和化合物とを重合して得られる共重合体が挙げられる。また、2種以上のモノオレフィンの重合体等を併用してもよい。
これらの熱可塑性エラストマーは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。物性のバランスの観点から、2種以上をブレンドすることが好ましい。
熱可塑性エラストマーの含有量が著しく高い場合には高い成形温度が必要となる。従って常温と成形温度の差が大きくなり、成形温度が低い場合よりも内部ひずみを保有することになるので波打ち皺のリスクが高まる。そのため波打ち皺抑制の観点から熱可塑性エラストマーの含有量は、より好ましくは35質量%〜80質量%、さらに好ましくは40質量%〜75質量%、さらにより好ましくは45質量%〜70質量%である。
具体的には、特願昭63−131192号等に記載されているカルボキシル化スチレンブタジエンラテックス;特開昭61−128243号公報、特開平6−194837号公報、特開平7−134411号公報等に記載されたカルボキシル基を含有した脂肪族共役ジエンの重合体;特開平9−15860号公報に記載された燐酸基、又はカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物の乳化重合体;特開平3−206456号公報に記載されているスルフォン酸基含有ポリウレタン等が挙げられる。これらの親水性ポリマーは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ゲル分率は、親水性ポリマーの重合後の濃度が約30質量%の分散液をテフロン(登録商標)シート上に適当量滴下し、130℃で30分乾燥させ、乾燥物を0.5g取り、25℃のトルエン30mLに浸漬させ、振とう機を用いて3時間浸透させた後320SUSメッシュでろ過し、不透過分を130℃1時間乾燥させた後の質量を0.5gで割った質量分率(%)から求められる。
ゲル分率は、印刷版の強度の観点からも、80質量%以上が好ましい。
また、前記親水性ポリマーとしては、部分ケン化、又は完全ケン化したポリビニルアルコール、親水基、疎水基等で変性したポリビニルアルコール、水溶性セルロース類、水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸等、一般的な親水性ポリマー等も利用できる。
その他、例えば、文献「光硬化技術データブック(テクノネット社発行)」等に記載された化合物も利用できる。
また、ジオクチルフマレート等のアルコールとフマル酸のエステル;ラウリルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のN置換マレイミド誘導体等も使用できる。
より好ましくは2質量%〜15質量%であり、さらに好ましくは4質量%〜12質量%である。
((1)湿度膨張係数(CME))
日立ハイテクサイエンス社製 TMA/SS 6100型を用いて測定した。
測定用の試料は、長さ20mm×幅2mmのサイズに切断し、チャック間距離10mmになるようにセットした。
MD方向のCME(湿度膨張係数)は、サンプルのMD方向が長さ方向になるようにセットした。
またTD方向のCME(湿度膨張係数)は、サンプルのTD方向が長さ方向になるようにセットした。
荷重を10kgf加えた状態で、30℃、0%RHの条件下で、変位が安定するまで保持した。半日程度保持し、試料の変位が安定したことを確認して測定を開始した。
測定環境は30℃、0%RHの条件下で、約5分間保持した後に、30℃、90%RHに湿度を上昇させた。
初期の試料の長さをL0、30℃0%RH時の試料長さをA1、その変位量(%)をB1、30℃、90%RHの試料長さをA2、その変位量(%)をB2として、下記式より湿度膨張係数(CME)を算出した。
湿度膨張係数(1/%RH)=(B2−B1)×L0/{(A2−A1)×L0×100}
X線発生装置として、リガク社製 Nano Viwerを用いて測定した。
X線源の波長は0.154nm、出力100kV、1stスリット0.4mmφ、2stスリット0.8mmφとした。
撮影条件は、カメラ半径約360mmとした。
フィルムの縦延伸方向に平行な側面から入射した場合の縦延伸方向からの散乱をthrogh方向の散乱とした。
このthrogh方向の散乱角からBraggの式より求められる長周期をthrogh方向の結晶長周期とした。
TAインスツルメント社製 DSC Q2000を用いて、測定した。
試料6mgを窒素雰囲気下、0℃で5分間保持した後、10℃/minの昇温速度で3
00℃まで昇温させ、DSC曲線を得た。
このDSC曲線から、極点(符号の決め方により極小点又は極大点)の温度を融点とし、ピーク面積を融解熱量とした。
下式により結晶化度を求めた。
結晶化度(%)=(融解熱量)/(完全結晶物の融解熱量理論値)×100
JIS K7126−1に規定された方法に従って測定した。
装置はGTR社製の差圧式ガス・水蒸気透過度測定装置 GTR−3999XATAを用いた。
測定温度は25℃、相対湿度は70%RH、透過面積は50.24cm2とした。
水蒸気の拡散係数の評価は、フィルム両面にガスがない状態から、片側に水蒸気ガスを導入した際に観測される水蒸気ガス透過量の遅れ時間から評価した。
ガス導入後の水蒸気ガス透過速度に着目し、透過速度が平衡値に達するまでの挙動をFick則が成り立つとして計算し、実験結果に合うように拡散係数を算出した。
ASTM−D2318に規定された方法に従って測定した。
フィルムを幅10mm、測定長200mとなるように2本のラインを引き、この2本のライン間の距離を正確に測定し、これをL0とした。
このサンプルを100℃のオーブン中に30分間、無荷重下で放置した後、再び2本のライン間の距離を測定し、これをL1とし、下式により熱収縮率を求めた。
熱収縮率(%)={(L0−L1)/L0}×100
ASTEM−D882に規定された方法に従って測定した。
オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装置 テンシロンAMF/RTA−100を用いて、試料フィルム幅を幅10mm、試料間100mm、引張り速度200mm/分で引っ張った。
得られた張力―歪曲線の立ち上がりの接線の勾配からヤング率を求めた。
測定は23℃、65%RHの雰囲気下で行った。
1.0m×1.0mに切り出した印刷版用感光性樹脂構成体を、35℃、90%RHの条件下で1週間保管した。
保管後すぐに支持体を上にして平らで水平な面に置き、端部の波打ち皺のうち最も皺が高い部分を50mm四方角に切り出した。切り出したサンプルを3Dマッピング装置の触針式プロファイリングシステム(Bruker社製 Dektak XT)にて測定し、表面の最大高低差を皺の高さとして求めた。
下記の5段階で皺の高さを評価した。
なお目視で皺がない場合はランクAとし、ランクEを実用上問題となるレベルと評価した。
ランクA 目視で皺がない
ランクB 0.01mm未満
ランクC 0.01mm以上0.02mm未満
ランクD 0.02mm以上0.04mm未満
ランクE 0.05mm以上
後述する組成の単位に関しては、特に記載がない限り、質量部とする。
公知の方法により得られたポリエチレンテレフタレートのペレットを、180℃で3時間真空乾燥した後に、280℃に加熱された押出機に供給して溶融押出し、Tダイよりシート状に吐出した。
さらにこのシートを、表面温度25℃の冷却ドラム上に静電気力で密着させて冷却固化し、無配向状態のフィルムを得た。
このフィルムを表1に示す延伸倍率で延伸を行った。
まず数本のロールの配置された縦延伸機を用いて、ロールの周速差を利用して縦方向に延伸し、続いてテンターにより横延伸を行った。
その後、下記表1に示す熱固定温度で熱処理し、室温に冷却後、フィルムエッジを除去し、厚さ125μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸延伸フィルムの物性・構造特性を下記表1に示す。
上記により製造した二軸延伸フィルムは、後述する印刷版用感光性樹脂構成体のカバーフィルムとして用いた。
ネオペンチルグリコール624g、エチレングリコール93g、セバシン酸485g、イソフタル酸382gを、空気雰囲気中、反応温度180℃、10mmHgの減圧下で6時間縮合反応させた後、87gのトリレンジイソシアネートを加えて、さらに80℃で5時間反応させ、ポリオールを得た。
得られたポリオールの数平均分子量をゲルパーメーションクロマトグラフィーで測定したところ、ポリスチレン換算で約32000であった。
このポリオール100質量部と、2−ヒドリキシプロピルメタクリレート2質量部の混合物に対し、トリメチロールプロパン(1モル)のトリレンジイソシアネート(3モル)付加物17質量部を、バリファストイエロー(オリエンタル化成製)5質量部とともに酢酸エチル300質量部に加えて均一な溶液とし、前記〔製造例1〜11〕で製造した二軸延伸フィルム上に、乾燥後の塗布量が10〜14g/m2となるようにナイフコーターを用いて塗布した。
これを80℃で2分間乾燥させ、次に40℃雰囲気で3日間放置して、接着剤層を有する支持体1〜11を得た。
表2に示す組成の感光性樹脂組成物をニーダーで混練し、支持体1〜11と、製造例1
〜11の125μmの厚みをもつ二軸延伸フィルムとで挟み、1.2mmのスペーサーを
用いてプレス機で130℃の条件下で4分間、200kg/cm2の圧力をかけて加工成
形を行った。
支持体1〜11と、製造例1〜11で製造した二軸延伸フィルム(カバーフィルム)と
を用いて、下記表3に示す組み合わせにより、印刷版用感光性樹脂構成体を製造した。
これらの湿度膨張係数比、及び端部の波うち皺の評価結果を下記表3に示した。
表3から、実施例の印刷版用感光性樹脂構成体は、吸湿による皺の発生は全くないか、
極めて軽微であり、平面形状を維持することが確認された。
Claims (7)
- 少なくとも支持体、感光性樹脂組成物層、及びカバーフィルムが、この順に積層してなる印刷版用感光性構成体であって、
前記支持体と、前記カバーフィルムの、縦延伸方向(MD)における湿度膨張係数(CME)比(C1)(=カバーフィルムのMDのCME/支持体のMDのCME)、
及び、
前記支持体と、前記カバーフィルムの、横延伸方向(TD)における湿度膨張係数(CME)の比(C2)(=カバーフィルムのTDのCME/支持体のTDのCME)が、
0.6〜1.4であり、
前記支持体の縦延伸方向(MD)と、横延伸方向(TD)の、湿度膨張係数(CME)比(C3)(=支持体のMDのCME/支持体のTDのCME)、
及び、
前記カバーフィルムの縦延伸方向(MD)と、横延伸方向(TD)の、湿度膨張係数(CME)の比(C4)(=カバーフィルムのMDのCME/カバーフィルムのTDのCME)が、
0.8〜1.4である、印刷版用感光性樹脂構成体。 - 前記湿度膨張係数の比(C1)〜(C4)が、0.8〜1.2である、請求項1に記載の印刷版用感光性樹脂構成体。
- 前記支持体、及び/又は前記カバーフィルムの結晶長周期が、12.4〜13.9nm
である、
請求項1又は2に記載の印刷版用感光性樹脂構成体。 - 前記支持体、及び/又は前記カバーフィルムの結晶化度が、37〜40%である、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の印刷版用感光性樹脂構成体。 - 前記支持体、及び/又は前記カバーフィルムの水蒸気の拡散係数が3.4×10-13〜
4.7×10-13m2/sである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の印刷版用感光性
樹脂構成体。 - 前記支持体、及び/又は前記カバーフィルムの、縦延伸方向(MD)の熱収縮率が0.
8〜2.0であり、かつ、横延伸方向(TD)の熱収縮率が0.1〜2.0である、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の印刷版用感光性樹脂構成体。 - 前記支持体、及び/又は前記カバーフィルムの、縦延伸方向(MD)のヤング率が2.
9〜4.6であり、かつ、横延伸方向(TD)のヤング率が3.5〜5.3である、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の印刷版用感光性樹脂構成体。
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