JP2001219489A - 離型フィルム - Google Patents

離型フィルム

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JP2001219489A
JP2001219489A JP2000029148A JP2000029148A JP2001219489A JP 2001219489 A JP2001219489 A JP 2001219489A JP 2000029148 A JP2000029148 A JP 2000029148A JP 2000029148 A JP2000029148 A JP 2000029148A JP 2001219489 A JP2001219489 A JP 2001219489A
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release film
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JP2000029148A
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Kimihiro Izaki
公裕 井崎
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Mitsubishi Polyester Film Corp
Original Assignee
Mitsubishi Polyester Film Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適度な剥離性、識別性、寸法安定性を有する
離型フィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
にフィルムの長手(縦)方向と平行に一定の幅を有する
着色層が複数設けられ、当該着色層が離型層で被覆され
てなり、下記式およびを同時に満足する離型フィル
ム。 【数1】0.2≦OD … −0.1≦Sh≦0.1 … (上記式中、ODは着色層の透過濃度、Shは180
℃、5分間熱処理後の離型フィルムの横方向の加熱収縮
率(%)を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は離型フィルムに関
し、詳しくはシート成形用(グリーンシート製造用
等)、粘着用(ラベル用、医療用、事務用品用等)等に
好適な各種離型フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各分野において成形用、粘着用等
に離型フィルムが使用されているが、使用上の問題点と
して、離型フィルムの剥離力が重すぎる場合には部分的
に剥がれない等の問題がある。一方、剥離力が軽すぎる
場合には、剥離するきっかけを与えると必要以上に剥離
してしまい、その制御が困難なことが挙げられる。
【0003】粘着テープ用セパレータの場合には、剥離
した部分を再度貼り合わせても気泡、異物の混入等によ
り、剥離前の状態を再現できなくなる場合がある。一
方、グリーンシート成形用の場合には、後工程中でグリ
ーンシートの剥がれが生じて、多層積層化が困難である
等の問題がある。
【0004】また、加工現場において、ロール状の離型
フィルムを使用し、各加工を行う場合、外観より製品グ
レードを識別しやすくすることが望まれている。
【0005】さらに離型フィルムを使用する用途におい
ては寸法安定性を厳しく要求され、その一例として、セ
ラミック積層コンデンサー製造における、電極印刷層を
設けたグリーンシートが挙げられる。
【0006】電極印刷層を設けたグリーンシートを積層
する際にシートの上下間において電極印刷の位置が極力
揃っている方が、より高精度のセラミック積層コンデン
サーが得ることができるが、離型フィルムの寸法安定性
が不十分な場合には、当該製造工程において電極の位置
ずれが大きく、高精度のセラミック積層コンデンサーを
得るのが困難となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実状に
鑑みなされたものであって、その解決課題は、適度な剥
離性、識別性、寸法安定性を有する離型フィルムを提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
鑑み鋭意検討した結果、ある特定の構成からなる離型フ
ィルムによれば、剥離不具合の発生が極力抑えられ、剥
離させる際には適度の剥離性を持って剥離する可能であ
り、かつ識別性、寸法安定性を有することを見いだし、
本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、ポリエステルフィルムの少なく
とも片面にフィルムの長手(縦)方向と平行に一定の幅
を有する着色層が複数設けられ、当該着色層が離型層で
被覆されてなり、下記式およびを同時に満足する離
型フィルムに存する。
【0010】
【数2】0.2≦OD … −0.1≦Sh≦0.1 … (上記式中、ODは着色層の透過濃度、Shは180
℃、5分間熱処理後の離型フィルムの横方向の加熱収縮
率(%)を表す)
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。
【0012】本発明で言うポリエステルとは、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のような
芳香族ジカルボン酸またはそのエステルとエチレングリ
コール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノールのようなグリコールとを重縮合させて製造
されるポリエステルである。
【0013】これらの酸成分とグリコール成分とからな
るポリエステルは、通常行われている方法を任意に採用
して製造することができる。例えば、芳香族ジカルボン
酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステ
ル交換反応を行わせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸
とグリコールとを直接エステル化して実質的に芳香族ジ
カルボン酸のビスグリコールエステル、またはその低重
合体を形成させ、次いでこれを減圧下240℃以上の温
度で重縮合させる方法が採用される。この際、通常の触
媒、安定剤、各種添加剤等は任意に使用することができ
る。
【0014】ポリエステルの代表例としては、ポリ(エ
チレンテレフタレート)やポリ(エチレンナフタレー
ト)あるいはポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレ
ンテレフタレート)等が挙げられる。これらのポリエス
テルはホモポリマーであっても第三成分を少量共重合さ
せたものでもよく、また、これらのポリエステルを混合
したものであってもよい。
【0015】なお、本発明におけるポリエステルフィル
ム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来より公知
の酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を添加
することができる。
【0016】本発明における離型フィルムを構成するポ
リエステルフィルムの厚みはフィルムとして製膜可能な
範囲であれば特に限定されるものではないが、通常6〜
350μm、好ましくは12〜188μmの範囲がよ
い。
【0017】次に、本発明の離型フィルムを構成するポ
リエステルフィルムの製造例について具体的に説明する
が、以下の製造例に何ら限定されるものではない。
【0018】すなわち、先に述べたポリエステル原料を
使用し、ダイから押し出された溶融シ−トを冷却ロ−ル
で冷却固化して未延伸シ−トを得る。この場合、シ−ト
の平面性を向上させるためシ−トと回転冷却ドラムとの
密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法または
液体塗布密着法が好ましく採用される。
【0019】次に得られた未延伸シートを二軸方向に延
伸される。その場合、まず、前記の未延伸シ−トを一方
向にロ−ルまたは、テンタ−方式の延伸機により延伸す
る。延伸温度は、通常130〜170℃であり、延伸倍
率は、通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍であ
る。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸を
行う延伸温度は、通常130〜170℃であり、延伸倍
率は、通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍であ
る。そして、引き続き、180〜270℃の温度で緊張
下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向
フィルムを得る。
【0020】延伸工程中にフィルム表面を処理する、い
わゆる塗布延伸法(インラインコーティング)を施すこ
とができる。それは以下に限定するものではないが、特
に1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前にコーティ
ング処理を施すことができる。
【0021】上記の延伸においては、一方向の延伸を2
段階以上で行う方法を用いることもできる。その場合、
最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となる様
に行うのが好ましい。また、前記の未延伸シ−トを面積
倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸を行うこ
とも可能である。さらに、必要に応じて熱処理を行う前
または後に再度縦および/または横方向に延伸してもよ
い。
【0022】本発明において、離型フィルムを構成する
ポリエステルフィルム上に設けられる着色層とは、従来
公知のコーティング法、蒸着法等を用いてポリエステル
フィルム上に積層可能なものであれば、特に限定される
わけではない。
【0023】中でもコーティング法を利用するのが、色
の選択肢が多い点で好ましく、その中でも印刷技術、例
えばグラビア、グラビアオフセット、シルクスクリー
ン、フレキソ等の方式を用いて、ポリエステルフィルム
に着色層が設けられるのがよい。
【0024】着色層の構成材料に関してはポリエステル
フィルム上に積層可能な材料であれば特に限定されるも
のではなく、接着剤、帯電防止剤、印刷用各種インキ
類、粒子を含有する塗布層などで構成されているもので
あってもよい。
【0025】例えば、グラビアインキを一例に挙げる
と、次のような構成からなる。
【0026】すなわち、グラビアインキは主として顔
料、バインダー、添加剤からなる。使用する顔料として
は、有機系・無機系とに分類される。有機系顔料として
は、ニトロソ系、ニトロ系、アゾ系、縮合多環系等があ
り、一方、無機顔料としては、酸化物、水酸化物、硫化
物、フェロシアン化物、クロム酸塩、硫酸塩、炭酸塩、
ケイ酸塩、リン酸塩、セレン化合物等に分類される。
【0027】バインダーとしては、天然樹脂、合成樹脂
を問わず、溶剤に溶解してワニス化が可能な樹脂は全て
対象となる。具体例としては、エチルセルロース誘導
体、ロジン誘導体、塩ビ・酢ビ共重合体、アクリル樹
脂、ポリウレタン樹脂、マレイン酸樹脂、アルキッド樹
脂等が挙げられる。
【0028】添加剤としては、印刷時の帯電防止として
界面活性剤が、インキパン内の消泡を目的としてシリコ
ーン系オイル等、硬化後の皮膜に対する耐擦傷性、スリ
ップ性、離型性付与等を目的としてワックス類等が目的
に応じて添加される。
【0029】また、着色層に関しては一定の幅を有して
いれば連続していてもよいし、部分的に着色層が存在し
ない領域が含まれていてもよい。
【0030】本発明における離型フィルムを構成する着
色層がポリエステルフィルム上に積層される方向に関し
てはフィルムの長手(縦)方向と平行であることが必要
であり、フィルムの幅方向の両端部のみに設けることに
より、例えばグリーンシ−ト成形用等、製品採取のため
に有効塗工幅を予め確保する必要がある用途に対応可能
となるので好ましい。
【0031】なお、本発明で言うフィルム幅方向の両端
部とは、フィルムの端と着色層との間に一定の距離があ
ってもなくてもいずれでもよい。
【0032】本発明において、着色層の厚みは通常0.
01〜2μm、好ましくは0.1〜2μm、最も好まし
くは0.5〜2μmの範囲が好ましい。着色層の厚みが
0.01μm未満の場合には、着色層を設ける時に着色
層の厚みを均一化させるのが困難となる場合があり、一
方、2μmを超える場合には、フィルムをロール状に巻
き取った際に着色層が存在する領域が極端に盛り上が
り、その結果、フィルムの平面性が損なわれたり、ある
いはブロッキングが発生する等の不具合を生じたりする
場合がある。
【0033】また、着色層の幅に関しては特に限定され
るわけではないが、好ましくはグリーンシ−ト製造用
等、製品採取のために有効塗工幅を確保する必要がある
場合には0.5〜50mm、さらには1〜40mmの範
囲がよい。当該範囲が0.5mm未満の場合には、着色
層をポリエステルフィルムに積層しても、幅が狭くなり
すぎて剥離しやすくなり、一方、50mmを超える場合
には着色層の幅が広くなりすぎて、フィルム幅に対して
着色層の幅の占める割合が大きくなり、例えばグリーン
シート成形用として必要な有効塗工幅を確保するのが困
難な場合があり、その際には剥離力が重くなりすぎる場
合がある。
【0034】本発明においては、上述の着色層の幅の範
囲を満足した上で離型フィルム全幅に対して着色層の幅
の占める割合が0.1〜50%の範囲であることが好ま
しい。着色層の幅の占める割合が0.1%未満では、剥
離不具合が発生する場合があり、一方、50%を超える
場合には、製品採取のために必要な有効塗工幅を確保で
きない、あるいは剥離力が重くなりすぎる場合がある。
【0035】本発明において、ポリエステルフィルムに
一定の幅を有する着色層を積層する目的は、製造工程中
において、何らかの外力が作用した結果、本来剥離する
必要のない所において剥離する不具合を極力抑えること
にある。併せて、本来の剥離工程においても適度の剥離
性をもって剥離可能なことにある。離型層を積層する前
に、予め一定の幅を有する着色層を積層することによ
り、同一面上において、剥離力が重い領域と剥離力が軽
い領域とを確保することが可能となる。これは、着色層
が存在しない離型層と比較して着色層が存在する離型層
の方が離型層の厚みが薄くなるため、あるいは不均一に
形成されたために結果的に重剥離化することによると考
えられる。これにより、着色層の存在する離型層が適度
の接着性を持つ形となり、本来の剥離工程以外の所では
剥離することがなく、かつ本来の剥離工程においては適
度な剥離性を持って剥離することが可能となる。
【0036】本発明の離型フィルムを構成する着色層が
顔料あるいは染料を含有する層から構成されれば、同一
離型面上で剥離力の異なる領域を目視で識別できるよう
になるので好ましい。さらに離型フィルムをロール状に
巻き取った際に、製品グレードを外観から容易に識別で
きるようになる。
【0037】本発明の離型フィルムを構成する離型層
は、離型性を有する材料を含有していれば、特に限定さ
れるものではない。その中でも、硬化型シリコーン樹脂
が離型性が良好となるので好ましい。硬化型シリコーン
樹脂を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、
エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフ
ト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよ
い。
【0038】硬化型シリコーン樹脂の種類としては付加
型・縮合型・紫外線硬化型・電子線硬化型・無溶剤型等
いずれの硬化反応タイプでも用いることができる。
【0039】具体例を挙げると、信越化学工業(株)製
KS−774、KS−775、KS−778、KS−7
79H、KS−847H、KS−856、X−62−2
422、X−62−2461、ダウ・コーニング・アジ
ア(株)製DKQ3−202、DKQ3−203、DK
Q3−204、DKQ3−205、DKQ3−210、
東芝シリコーン(株)製YSR−3022、TPR−6
700、TPR−6720、TPR−6721、東レ・
ダウコーニング・シリコーン(株)製SD7223、S
D7226、SD7229、LTC750A等が挙げら
れる。さらに離型層の剥離性等を調整するために剥離コ
ントロール剤を併用してもよい。
【0040】本発明において、着色層が存在しない部分
における離型層と粘着テープとの剥離力FAと、着色層
が存在する部分における離型層と粘着テープとの剥離力
FBとの比(FB/FA)は1.1〜400の範囲、さ
らには1.1〜300にあるのが好ましい。剥離力の比
が1.1未満の場合には、着色層が存在する部分の剥離
力が軽く、成形したシート等が剥がれやすくなったりす
ることがあり、一方、400を超える場合には着色層が
存在する部分の剥離力が重くなりすぎて、着色層が存在
する部分だけが剥離しない等の不具合が生じる場合があ
る。
【0041】本発明において、離型層の剥離力FAは特
に限定されるわけではないが、好ましくは2〜100
(mN/cm)、さらに好ましくは5〜80(mN/c
m)の範囲である。FAが2(mN/cm)未満では、
剥離力が軽くなりすぎて、本来剥離する必要のない場面
においてグリーンシートが容易に剥離する等の不具合を
生じる場合があり、一方、100(mN/cm)を超え
る場合には着色層が存在しない領域における離型層の剥
離力が重くなり過ぎて、グリーンシ−ト剥離時に不具合
を生じる場合がある。
【0042】本発明において、ポリエステルフィルムに
離型層を設ける方法として、バーコート、リバースロー
ルコート、グラビアコート等、従来公知の塗工方式を用
いることができる。
【0043】離型層はポリエステルフィルムの片面に設
けてもよいし、両面に設けてもよい。離型層をポリエス
テルフィルムの片面にのみ設ける場合には、反対面側に
帯電防止層、接着層等を設けてもよい。
【0044】離型層の塗工量(乾燥後)は塗工性の面か
ら、0.01〜5μm、さらには0.05〜2μmの範
囲が良い。離型層の塗工量(乾燥後)が0.01μm未
満の場合、塗工性の面での安定性に欠け、均一な塗膜を
得るのが難しくなる場合がある。一方、塗工量が5μm
を超える場合、離型層自体の塗膜密着性、硬化性等が低
下する場合がある。
【0045】本発明における離型フィルムは加工時にお
いて製品グレードを容易に識別できるようにするために
下記式を満足する必要がある。
【0046】
【数3】0.2≦OD … (上記式中、ODは離型フィルムの着色層の透過濃度を
表す) 離型フィルムのODは0.3以上がさらに好ましい。離
型フィルムのODが0.2未満の場合、離型フィルムの
識別性という点で不十分である。
【0047】さらに本発明における離型フィルムは寸法
安定性を良好とする必要があるため、下記式を満足す
る必要がある。
【0048】
【数4】−0.1≦Sh≦0.1 … (上記式中、Shは180℃、5分間熱処理後の離型フ
ィルムの幅(TD)方向の加熱収縮率を表す) 離型フィルムのShは、−0.05〜0.05(%)の
範囲がさらに好ましい。Shが上記式の範囲から外れ
る場合、離型フィルムのTD方向の寸法変化が大きくな
り、寸法安定性を必要とする用途、例えばセラミック積
層コンデンサー製造工程中の電極印刷層を設けたグリー
ンシ−トを多層積層する工程において、上下間において
電極の位置ズレを生じるようになり、より高精度のセラ
ミック積層コンデンサーを製造するのが困難になる。
【0049】また、本発明の離型フィルムを用いること
により、以下の利点が挙げられる。
【0050】グリーンシート製造用に用いた場合、ドク
ターブレード法によるシート成形においては多層化に伴
う該シート厚みの増加により、グリーンシート上面とド
クターブレードとが部分接触することにより、グリーン
シートの両端部が剥離する等本来剥離する必要がない箇
所で剥離するという不具合が発生するのを極力抑えるこ
とが可能となる。
【0051】各種粘着用に用いた場合にも剥離不具合の
発生を極力抑え、かつ適度な剥離性をもって剥離させる
ことができる。
【0052】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例および比較例中「部」とあるのは固型
分としての「重量部」を示す。また、本発明で用いた評
価方法は次のとおりである。 (1)着色層の透過濃度(OD)の測定 サカタインクス社製のマクベス濃度計(型式:「TD−
904型」)を用いて、フィルターを白色に設定し、離
型フィルムの離型面側を測定面として着色層が設けられ
た領域の透過濃度を任意に5カ所選択し、その平均値を
以て透過濃度(OD)とした。なお、透過濃度の値が大
きいほど、隠蔽性が高いことを示す。 (2)離型フィルムの加熱収縮率(Sh)の測定 測定試料を15mm幅でフィルムTD方向に15cmの
短冊状に切り出し、無張力状態にて180℃に設定され
たオーブン中で5分間熱処理を行い、熱処理後の離型フ
ィルム横方向の長さを測微計を用いて測定し、下記式に
て熱収縮率を求めた。
【0053】
【数5】熱収縮率(%)=[(a−b)/a]×100 (上記式中、aは熱処理前の試料フィルムのTD方向の
長さ、bは熱処理後の離型フィルムのTD方向の長さを
表す) (3)離型層と粘着テープとの剥離力評価 測定試料の幅方向において着色層が存在する部分と着色
層が存在しない部分とを含むように離型層に両面粘着テ
ープ(日東電工製「No.502」)を貼り付けて、室
温にて1時間放置後の剥離力を測定した。
【0054】剥離力は引張試験機((株)インテスコ製
「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度
300mm/min.の条件下180°剥離を行っ
た。
【0055】測定チャートより着色層が存在する部分の
離型層と粘着テープとの剥離力(FB)と着色層が存在
しない部分の離型層と粘着テープとの剥離力(FA)を
読み取り、その比(FB/FA)を求めた。 (4)着色層の厚み測定 安立電気社製連続フィルム厚さ測定器(電子マイクロメ
ーター使用)により、離型フィルムの幅方向に沿って測
定し、着色層が存在する部分の離型フィルム厚み(μ
m)から着色層が存在しない部分の離型フィルム厚み
(μm)を減じて着色層厚みとした。 (5)グリーンシートの剥離性評価 離型フィルムの離型面上に以下に示す組成からなるセラ
ミックスラリーを塗布し、シート厚みが5μm(乾燥
後)のグリーンシートを得た。
【0056】その後、離型フィルム上のグリーンシート
を剥離させ、その際の剥離状態を下記判定基準により判
定を行った。 《セラミックスラリー組成》 セラミック原料粉体(チタン酸バリウム) 100部 バインダー(ポリビニルブチラール樹脂) 10部 可塑剤 (フタル酸ジブチル) 10部 トルエン/MEK混合溶媒(配合比率は1:1)100部 《判定基準》 ○:グリーンシートが適度の剥離性を持って剥離可能 △:グリーンシートが剥離可能であるがやや剥離力が重
い ×:グリーンシートの剥離不良が発生する、剥離力が軽
すぎて剥がれやすい、 あるいは部分的に剥離力が重すぎて剥がれない領域があ
る ○、△は実用上問題ないレベルであり、×は実用上問題
あるレベルである。 (6)粘着剤による剥離性評価 東洋インキ製「オリバインBPS5127」を塗布厚み
が5μmになるように塗布した後、ポリエステルフィル
ム25μmをゴムローラーにて圧着させ、24時間放置
後に剥離させる。その時の剥離状態を評価した。 《剥離性評価》 ○:フィルムが適度の剥離性を持って剥離可能 ×:グリーンシートの剥離不良が発生する、剥離力が軽
すぎて剥がれやすい、あるいは部分的に剥離力が重すぎ
て剥がれない領域がある (7)離型フィルムの識別性評価 離型フィルムをロール状に巻き取り、外観より識別の可
否を判定した。 《判定基準》 ○:識別可能(実用上問題ないレベル) ×:識別困難(実用上問題あるレベル) 〈ポリエステルの製造〉 製造例1(ポリエチレンテレフタレートA1) ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール
60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反
応器にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留去し、
エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して
230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了し
た。次いでエチレングリコールスラリーエチルアシッド
フォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04
部、平均粒径0.25μmのシリカ粒子を0.3部添加
した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmH
gとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mm
Hgとした。4時間後、系内を常圧に戻し、固有粘度
0.61のポリエチレンテレフタレートA1を得た。 〈ポリエステルフィルムの製造〉 製造例2(PETフィルムF1) 製造例1で製造したポリエチレンテレフタレートA1を
180℃で4時間不活性ガス雰囲気中で乾燥し、溶融押
出機により290℃で溶融し、口金から押出し静電印加
密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール
上で冷却固化して未延伸シートを得た。得られたシート
を85℃で3.5倍縦方向に延伸した。
【0057】次いで、下記組成からなる塗布剤を塗布し
た後、フィルムをテンターに導き100℃で3.7倍横
方向に延伸した後、230℃にて10%の弛緩下、熱固
定を行い、厚さ38μmのPETフィルムF1を得た。
【0058】製造例3(PETフィルムF2) 製造例1で製造したポリエチレンテレフタレートA1を
180℃で4時間不活性ガス雰囲気中で乾燥し、溶融押
出機により290℃で溶融し、口金から押出し静電印加
密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール
上で冷却固化して未延伸シートを得た。得られたシート
を85℃で3.5倍縦方向に延伸した。
【0059】次いで、下記組成からなる塗布剤を塗布し
た後、フィルムをテンターに導き100℃で3.7倍横
方向に延伸した後、230℃にて熱固定を行い、厚さ3
8μmのPETフィルムF2を得た。
【0060】実施例1 予めグラビア印刷により、幅600mmのPETフィル
ムF1(38μm)の片面に幅20mm、厚み(乾燥
後)が1μmの一定の幅を有する着色層をフィルムの長
手(縦)方向と平行になるように両端部に設けた。
【0061】さらに着色層を設けたフィルム面上に下記
組成からなる離型層を塗布量(乾燥後)が0.1μmに
なるように設けて離型フィルムを得た。次に得られた離
型フィルムをさらに200℃、5秒間アニ−ル処理を施
した。 《着色層組成》 主剤:東洋インキ製造製NEW LP スーパーR233
(黄色系顔料含有タイプ)100部 硬化剤:東洋インキ製造製専用硬化剤3部 溶剤:東洋インキ製造製専用溶剤(SL−3J)30部 《離型層組成》 硬化型シリコーン樹脂(信越化学製:KS−847H)
100部 硬化剤(信越化学製:cat−PLー50T)5部 トルエン/MEK混合溶媒(混合比率は1:1)200
0部 実施例2 実施例1において、200℃、5秒間アニ−ル処理を施
さない以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得
た。
【0062】実施例3 着色層の厚み(乾燥後)を0.5μmとする以外は実施
例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0063】実施例4 実施例3において、200℃、5秒間アニ−ル処理を施
さない以外は実施例3と同様にして離型フィルムを得
た。
【0064】実施例5 離型剤の組成を下記離型剤組成とする以外は実施例1と
同様にして離型フィルムを得た。 《離型層組成》 硬化型シリコーン樹脂(信越化学製:KS−847H)
100部 硬化剤(信越化学製:cat−PL−50T)5部 剥離コントロール剤(信越化学製:KS−3800)2
5部 トルエン/MEK混合溶媒(混合比率は1:1)200
0部 実施例6 着色層の厚み(乾燥後)を2.5μmとする以外は実施
例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0065】比較例1 実施例1において着色層を設けない以外は実施例1と同
様にして離型フィルムを得た。
【0066】比較例2 実施例2において、PETフィルムF1をPETフィル
ムF2に変更する以外は実施例2と同様にして離型フィ
ルムを得た。
【0067】以上、実施例および比較例で得られた各フ
ィルムの特性をまとめて下記表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】本発明における離型フィルムは適度な離
型性に加えて寸法安定性・識別性の機能を有するため、
例えば、セラミック製品製造分野(セラミック積層コン
デンサー等)に用いた場合、より高精度のセラミック製
品を得ることが可能となり、その工業的価値は極めて高
い。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    にフィルムの長手(縦)方向と平行に一定の幅を有する
    着色層が複数設けられ、当該着色層が離型層で被覆され
    てなり、下記式およびを同時に満足する離型フィル
    ム。 【数1】0.2≦OD … −0.1≦Sh≦0.1 … (上記式中、ODは着色層の透過濃度、Shは180
    ℃、5分間熱処理後の離型フィルムの横方向の加熱収縮
    率(%)を表す)
  2. 【請求項2】 着色層がフィルム幅方向の両端部のみに
    設けられてなる請求項1記載の離型フィルム。
  3. 【請求項3】 着色層の厚みが0.01〜2μmである
    請求項1または2記載の離型フィルム。
  4. 【請求項4】 離型層が硬化型シリコーン樹脂を含有す
    る請求項1〜3のいずれかに記載の離型フィルム。
  5. 【請求項5】 着色層が存在しない部分における離型層
    と粘着テープとの剥離力FAと着色層が存在する部分に
    おける離型層と粘着テープとの剥離力FBとの比(FB
    /FA)が1.1〜400の範囲であることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の離型フィルム。
  6. 【請求項6】 着色層が存在しない部分における離型層
    と粘着テープとの剥離力(FA)が2〜100(mN/
    cm)である請求項1〜5のいずれかに記載の離型フィ
    ルム。
  7. 【請求項7】 着色層が顔料または染料を含有する印刷
    層からなる請求項1〜6のいずれかに記載の離型フィル
    ム。
  8. 【請求項8】 グリーンシート成形用である請求項1〜
    7のいずれかに記載の離型フィルム。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10230576A (ja) * 1996-12-17 1998-09-02 Diafoil Co Ltd 離型フィルム
JP2010201717A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Mitsubishi Plastics Inc 離型フィルム
JP2011230435A (ja) * 2010-04-29 2011-11-17 Mitsubishi Plastics Inc 基材レス両面粘着シート用離型ポリエステルフィルム
JP2012111113A (ja) * 2010-11-24 2012-06-14 Lintec Corp セラミックグリーンシート成型用剥離フィルムおよびその製造方法
WO2014175312A1 (ja) * 2013-04-26 2014-10-30 富士フイルム株式会社 転写材料、転写層付き基材及びタッチパネル、それらの製造方法、並びに情報表示装置

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