JP2003191424A - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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JP2003191424A
JP2003191424A JP2001399704A JP2001399704A JP2003191424A JP 2003191424 A JP2003191424 A JP 2003191424A JP 2001399704 A JP2001399704 A JP 2001399704A JP 2001399704 A JP2001399704 A JP 2001399704A JP 2003191424 A JP2003191424 A JP 2003191424A
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photoresist
less
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JP2001399704A
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Shunsuke Okuyama
俊介 奥山
Hikari Takeuchi
光 竹内
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Toyobo Film Solutions Ltd
Original Assignee
Teijin DuPont Films Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高解像度DFRに使用し得る透明性、UV透
過性と取扱い製(滑り性)を満足し、フォトレジスト層
の上に保護フィルムを設ける工程を省略し、かつ産業廃
棄物の軽減に寄与するドライフィルムフォトレジスト
(DFR)、いわゆるカバーレスDFRに有用な積層フ
ィルムを提供する。 【解決手段】 重縮合金属触媒残渣が150ppm未満
であり、アンチモン金属が全酸成分に対し15mmol
%以下であり、かつ固有粘度が0.52〜1.50dl
/gであるポリエステルを主要構成成分とするポリエス
テルフィルムの一方の表面に離型層が設けられているこ
とを特徴とする積層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層フィルムに関
し、更に詳しくはその製造及び取扱いが簡便で、特にプ
リント配線板の製造に有用なドライフィルムフォトレジ
スト用の積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】電子産業分野での主要な部品の一つであ
るプリント配線板は、ドライフィルムフォトレジスト
(DFR)を用いて、写真法によって基板上に回路を形
成する方法で製造されることが多い。このDFRは、従
来、厚み15〜5μmのフォトレジスト層(3)を、厚
み10〜25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルムからなるベースフィルム(1)と厚み20〜
40μmのポリエチレンフィルムからなる保護フィルム
(2)でサンドイッチした三層構造からなり(図1参
照)、通常幅1m以上、長さ120〜150mのものを
ロール状に巻いて取り引きされている。
【0003】DFRは、プリント配線板の製造におい
て、保護フィルムを剥離しながらフォトレジスト層側を
ラミネーター装置により銅箔基板に熱圧着させる。その
後、ベースフィルム上に回路を印刷したガラス版を密着
させ、このガラス板側から光を照射することで露光し、
次いで該ベースフィルムを剥離して現像するのが一般的
である。
【0004】この保護フィルムにはインフレーション延
伸方式により製膜された中密度ポリエチレンフィルムな
どのポリオレフィンフィルムが使用されており、フォト
レジスト層(光硬化性樹脂層)の保護と同時に、DFR
をロール状に巻いたときベースフィルムの裏面とフォト
レジスト層とが粘着するのを防止する機能をも兼備す
る。また、露光には波長365nm付近の紫外線(UV
光)が用いられるので、ベースフィルムには高透明でU
V透過性に優れた二軸延伸ポリエステルフィルムが使用
されている。
【0005】DFRは、プリント配線板の製造におい
て、銅箔基板の規格に対応して保護フィルムを備えたま
まスリットされる。このため、剥がされた保護フィルム
やベースフィルムは再使用することができず、使用後の
フィルムは産業廃棄物として捨てられる。
【0006】従って、DFRの透明ベースフィルムとし
て用いられるポリエステルフィルムは極力薄膜化し、か
つ保護フィルムも薄膜化して、ロール状巻取りをコンパ
クトにするのが理想的であるが、近年ロールの広幅化が
進み、高品質のDFRを1.6m以上の広幅で安定生産
するにはベースフィルムの厚みは10〜25μmを必要
とし、そして該ベースフィルムと保護フィルムの総厚み
では50〜100μm程度とする構成がとられている。
【0007】そこで、従来のフォトレジスト層の上の保
護フィルムを無くし、保護フィルムを剥離する工程を省
略し、かつ産業廃棄物の軽減に寄与するDFRとして、
透明ベースフィルムの一方の表面にフォトレジスト層を
塗設し、かつベースフィルムの他方の表面にフォトレジ
スト層に対して離型性を奏するオレフィン系樹脂の離型
層を積層した複合フィルムからなり、該複合フィルムを
ロール状に巻いてフォトレジスト層を離型層で保護する
ようにしたドライフィルムフォトレジスト用ポリエステ
ルフィルム、いわゆるカバーレスフィルムが特許第28
82953号により知られている。
【0008】最近では、特開平9−96907号公報に
より、感光性組成物層を含み前記感光性組成物層に積層
されたフィルムと前記感光性組成物層とが剥離可能で可
撓性を有する感光性フィルムにおいて、二軸延伸ポリエ
ステルフィルムとポリエチレンフィルムからなる積層フ
ィルムの何れかの面に前記感光性組成物層が塗布され、
この感光性組成物層が形成された積層フィルムを巻き取
って形成されてなることを特徴とする感光性フィルムが
提唱されている。
【0009】しかし、特開平9−96907号公報に記
載のものではベースフィルムとして使用するポリエステ
ルフィルムはUV透過性を上げる為の特別な工夫が成さ
れておらず、近年の高解像度DFRに使用するには十分
ではない。
【0010】また、ドライフィルムフォトレジスト用フ
ィルムを製造する際の取扱い性、あるいはドライフィル
ムフォトレジスト自体の取扱い性が良好なものとするた
めに、支持体層のポリエステルフィルムは、適度な滑り
性と巻取り性および引裂き強度を有していることが要求
される。従来、かかる両方の特性を満足させようとし
て、ポリエステルフィルム中に微細粒子を含有させ、フ
ィルム表面に微細な突起を形成させる方法が用いられて
おり、例えば、特開平7−333853号公報には、少
なくとも片側の最外層に、平均粒径0.01〜3.0μ
mの粒子(球状または不定形シリカ粒子、球状架橋高分
子粒子等)を含有し、該最外層表面のRa(中心線平均
粗さ)が0.005μm以上、Rt(最大高さ)が1.
5μm未満であり、かつフィルムヘーズが1.5%以下
であるフォトレジスト用二軸配向積層ポリエステルフィ
ルムが提案されている。
【0011】しかしながら、このポリエステルフィルム
では、十分な取扱い性が得られる程度に微細粒子を添加
すると、配向時にボイドが発生することとあいまって透
明性が低下してしまい、波長365nm近辺の光透過性
が不十分になる場合があり、解像度が低下して細密な回
路パータンが得られ難いという問題がある。また、上記
のような積層ポリエステルフィルムでは、その製造コス
トが高くなるという問題もある。
【0012】また、最近の家電リサイクル法の制定によ
り電気製品及びそれを製造する為の製品のリサイクルを
促進する為、それらを構成する材料は、アンチモン、
錫、鉛が含まれないことが要求されている。従来、ポリ
エステルフィルムを構成するポリエステルポリマーを製
造する為の重縮合触媒としてアンチモン化合物が用いら
れているが、アンチモン化合物以外の重縮合触媒を用い
ることが望まれている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の問題点を解消し、高解像度DFRに使用し
得る透明性、UV透過性と取扱い性(滑り性)を満足
し、フォトレジスト層の上に保護フィルムを設ける工程
を省略し、かつ産業廃棄物の軽減に寄与するドライフィ
ルムフォトレジスト(DFR)、いわゆるカバーレスD
FRに有用な積層フィルムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、本発明
によれば、重縮合金属触媒残渣が150ppm未満であ
り、アンチモン金属が全酸成分に対し15mmol%以
下であり、かつ固有粘度が0.52〜1.50dl/g
であるポリエステルを主要構成成分とするポリエステル
フィルムの一方の表面に離型層が設けられていることを
特徴とする積層フィルムにより達成できる。
【0015】更に、本発明の積層フィルムは、以下の態
様をとることが好ましい。 1.積層フィルムの波長365nmにおける光線透過率
が80%以上である。 2.積層フィルムのヘーズが5%以下である。 3.ポリエステルが、平均粒径が0.05μm以上3.
0μm以下の不活性粒子50ppm以上1000ppm
以下含む。 4.離型層がシリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、オレフ
ィン系樹脂、ワックス類、ポリビニルカルバメート類お
よびクロム錯体よりなる群から選ばれる少なくとも1種
を含む。 5.積層フィルムの厚みが2μm以上200μm以下で
ある。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0017】<ポリエステル>本発明において基材フィ
ルム(透明ベースフィルム)を構成するポリエステル
は、ポリエチレンテレフタレートホモポリマーまたはエ
チレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする共重
合体(共重合ポリエステル)である。ポリエチレンテレ
フタレートホモポリマーは、特に機械的強度が高く、短
波長可視光線やそれに近い近紫外線の透過率が高い点
で、DFR用フィルムに適している。
【0018】本発明において、ポリエステルが共重合ポ
リエステルの場合の共重合成分は、ジカルボン酸成分で
もジオール成分でもよい。ジカルボン酸成分としては、
イソフタル酸、フタル酸等の如き芳香族ジカルボン酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカル
ボン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジ
カルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸等が例示でき、ま
たジオール成分としては、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等の
如き脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールの如き脂環族ジオール、ビスフェノールAの如き芳
香族ジオールが例示できる。これらは単独または二種以
上を使用することができる。これらの中では、イソフタ
ル酸が透明性、引裂き強度が共に高く、特に好ましい。
【0019】共重合ポリエステルにおける共重合成分の
割合は、その種類にもよるが結果として、ポリマー融点
が245〜258℃(ホモポリマーの融点)の範囲にな
る割合である。融点が245℃未満では耐熱性が劣るこ
とになる。また熱収縮率が大きく、フィルムの平面性が
低下する。
【0020】ここで、ポリエステルの融点測定は、Du
Pont Instruments 910 DSC
を用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求める方法
による。尚サンプル量は約20mgとする。
【0021】ポリエステルの固有粘度(オルトクロロフ
ェノール、35℃)は0.52〜1.50dl/gであ
ることが必要であり、更に好ましくは0.57〜1.0
0dl/g、特に好ましくは0.60〜0.80dl/
gである。この固有粘度が0.52dl/g未満の場合
には引裂き強度が不足する。他方、固有粘度が1.50
dl/gを超える場合には、原料製造工程およびフィル
ム製膜工程における生産性が損なわれる。
【0022】本発明におけるポリエステルはその製法に
より限定されることはないが、ポリエチレンテレフタレ
ートの場合は、テレフタル酸、エチレングリコール、共
重合ポリエステルの場合は更に共重合成分を加えてエス
テル化反応させ、次いで得られた反応生成物を目的とす
る重合度になるまで重縮合反応させてポリエチレンテレ
フタレート、または共重合ポリエステルとする方法があ
る。
【0023】あるいはポリエチレンテレフタレートの場
合は、テレフタル酸ジメチルエステル、エチレングリコ
ールを、共重合ポリエステルの場合は更に共重合成分を
加えてエステル交換反応させ、次いで得られた反応生成
物を目的とする重合度になるまで重縮合反応させてポリ
エチレンテレフタレート、または共重合ポリエステルと
する方法を好ましく挙げることができる。
【0024】また、上記の方法(溶融重合)により得ら
れたポリエチレンテレフタレートまたは共重合ポリエス
テルは、必要に応じて固相状態での重合方法(固相重
合)により、更に重合度の高いポリマーとすることがで
きる。
【0025】前記重縮合反応に使用する触媒としては、
チタン化合物(Ti化合物)、ゲルマニウム化合物(G
e化合物)などが好ましく挙げられる。特に好ましくは
ゲルマニウム化合物である。
【0026】本発明の積層フィルムに用いるポリエステ
ル中の重縮合金属触媒残渣は、150ppm未満である
ことが必要であり、更に120ppm未満、特に100
ppm未満であることが好ましい。また、アンチモン金
属の割合が全酸成分1mol当り15mmol%以下で
あることが必要であり、更に10mmol%以下、特に
5mmol%以下であることが好ましい。
【0027】ポリエステルの重縮合金属触媒残渣が15
0ppmを超えると、波長365nm近辺の光線透過率
が80%未満になり易く好ましくない。ポリエステルの
重縮合金属触媒残渣を150ppm以下にするために
は、アンチモン系の触媒を避ける必要があり、家電リサ
イクル法の見地からも好ましい。
【0028】好ましい重縮合触媒の具体例としては、チ
タン化合物、例えばチタンテトラブトキシド、酢酸チタ
ンなどが好ましく挙げられる。また、ゲルマニウム化合
物としては、(イ)無定形酸化ゲルマニウム、(ロ)微
細な結晶性酸化ゲルマニウム、(ハ)酸化ゲルマニウム
をアルカリ金属またはアルカリ土類金属もしくはそれら
の化合物の存在下にグリコールに溶解した溶液、(ニ)
酸化ゲルマニウムを水に溶解した溶液などが好ましく挙
げられる。更に、10mmol%以下のアンチモン化合
物および/またはチタン化合物と組み合わせて使用する
と、解像性の改善と共に、製造コストを低減することも
できるので好ましい。
【0029】尚、本発明におけるポリエステルには、必
要に応じて酸化防止剤、熱安定剤、粘度調整剤、可塑
剤、色相改良剤、滑剤、核剤などの添加剤を加えること
ができる。
【0030】<添加微粒子>本発明においてポリエステ
ルフィルムを構成するポリエステルには、滑剤微粒子を
添加してフィルムの作業性(滑り性)を確保することが
好ましい。滑剤微粒子としては任意のものが選べるが、
無機系滑剤としては、シリカ、アルミナ、二酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が例示でき、有機
系滑剤としてはシリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン
粒子等が例示できる。これらの中では、一次粒子の凝集
粒子である多孔質シリカ粒子が特に好ましい。多孔質シ
リカ粒子はフィルムの延伸時に粒子周辺にボイドが発生
しにくいため、フィルムの透明性を向上させる特長を有
する。
【0031】この多孔質シリカ粒子を構成する一次粒子
の平均粒径は、0.001〜0.1μmの範囲にあるこ
とが好ましい。一次粒子の平均粒径が0.001μm未
満ではスラリー段階で解砕により極微細粒子が生成し、
これが凝集体を形成して、透明性低下の原困となるので
不適当である。一方、一次粒子の平均粒径が0.1μm
を超えると、粒子の多孔性が失われ、その結果、ボイド
発生が少ない特徴が失われる。更に、凝集粒子の細孔容
積は0.5〜2.0ml/g、好ましくは0.6〜1.
8ml/gの範囲であることが好ましい。細孔容積が
0.5ml/g未満では、粒子の多孔性が失われ、ボイ
ドが発生し易くなり、透明性が低下するので不適当であ
る。他方細孔容積が2.0ml/gより大きいと解砕、
凝集が起こり易く、粒径の調整を行うことが困難であ
る。前記多孔質シリカ粒子の平均粒径は、0.05μm
以上3.0μm未満の範囲内にあることが好ましく、更
には0.1μm以上、2.5μm以下であることが好ま
しい。添加量は、50ppm以上1000ppm未満、
更には100ppm以上800ppm以下の範囲内にあ
ることが好ましい。平均粒径が0.05μm以下では、
フィルムの作業性すなわち滑り性を得るために添加量を
多くせねばならず、透明性が損なわれる。平均粒径が
3.0μmを超えると解像度が低下することがあり、回
路を形成する導体の縁辺が直線的にならず、ギザギザに
なり易い。添加量が50ppm未満では滑り性付与に効
果が無く、1000ppm以上になると透明性が損なわ
れる。
【0032】また、多孔質シリカは粗大(例えば10μ
m以上)凝集粒子を形成することが有り、粗大凝集粒子
の個数が多いと解像度低下や破れの原因となる。粗大凝
集粒子の個数を減らすには、製膜時のフィルターとして
線径15μm以下のステンレス鋼細線よりなる平均目開
き10〜30μm、好ましくは13〜28μm、更に好
ましくは15〜25μmの不織布型フィルターを用い、
溶融ポリマーを濾過することが好ましい。
【0033】多孔質シリカ粒子またはその他の滑剤粒子
は、通常、ポリエステルを製造するための反応時、例え
ばエステル交換法による場合、エステル交換反応中ない
し重縮合反応中の任意の時期、または直接重合法による
場合の任意の時期に、反応系中に添加(好ましくはグリ
コール中のスラリーとして)される。特に、重縮合反応
の初期、例えば固有粘度が約0.3に至るまでの間に多
孔質シリカ粒子を反応系中に添加するのが好ましい。
【0034】<ポリエステルフィルム>本発明において
ベースフィルムに用いるポリエステルフィルムは、前記
ポリエステルを主要構成成分とするフィルムであって、
通常、二軸配向フィルムとして用いられる。ポリエステ
ルは、従来から知られている方法で製造できる。例え
ば、滑剤微粒子を含むポリエチレンテレフタレートまた
は共重合ポリエステルを乾燥、溶融、押出し、冷却ドラ
ム上で急冷固化させ、未延伸フィルムを得た後、二軸延
伸、熱固定する方法を挙げることができる。離型層は、
この製膜の過程で、或いは製膜後にポリエステルフィル
ムの片面に積層する。
【0035】尚、製膜条件としては、上記の未延伸フィ
ルムを70℃〜130℃で3〜5倍に縦延伸した後、8
0〜130℃で3〜5倍に横延伸し、190〜240℃
で熱固定することを挙げることができる。
【0036】<積層フィルムの厚み>本発明の積層フィ
ルムの厚みは2μm以上、200μm以下であることが
好ましく、更に8μm以上100μm以下、特に10μ
m以上25μm以下の範囲内であることが好ましい。厚
みが200μmを超えると積層フィルムをドライフィル
ムフォトレジスト用に用いた際に解像度が低下するので
好ましくない。一方、厚みが2μm未満では強度が不足
し、特に剥離作業時の破れが頻発することがある。
【0037】<積層フィルムのエア抜け速度>本発明の
積層フィルムは、フィルム−フィルム間のエア抜け速度
が10〜120mmHg/hrであることが好ましい。
エア抜け速度が、上記範囲を外れるとフィルムの巻取り
性が低下するので好ましくない。
【0038】尚、フィルム−フィルム間のエア抜け速度
は、あらかじめ8cm×5cmに切り取ったフィルム片
を20枚重ね、うち下19枚には中央に1辺2mmの正
三角形の穴を明け、デジタルベック平滑度試験機(東洋
精機製)を用いて単位時間あたり何mmHg低下するか
を測定した値である。
【0039】かかるエア抜け速度を得るためには、添加
微粒子の項で述べた粒径および量の不活性粒子をポリエ
ステルに添加し、二軸配向させることによって得ること
ができる。
【0040】<積層フィルムの紫外線透過率>本発明の
積層フィルムは、波長365nmの紫外線透過率が80
%以上であることが好ましい。紫外線透過率が80%未
満であると、本発明の積層フィルムをドライフィルムフ
ォトレジスト用に使用した際にフォトレジスト層の露
光、硬化工程が円滑に完了しないことがある。
【0041】本発明の積層フィルムは、150℃で測定
した縦方向の熱収縮率が1.0〜5.0%であることが
好ましい。縦方向の熱収縮率を1.0%未満に抑える
と、フィルムの平面性が悪化し易く、また透明性が低下
することがあり、本発明のポリエステルフィルムをドラ
イフィルムフォトレジスト用に使用した際に製造工程や
電子回路製造工程で不具合を生じる原因となる。また、
縦方向の熱収縮率が5.0%を超えると、各工程での熱
や溶剤によって収縮変形を生じ易く、不適当である。
【0042】<離型層>本発明において透明ベースフィ
ルムの一方の表面に積層する離型層は、下記の特性を有
することが好ましい。 (1)フォトレジスト層(光硬化性樹脂層)に対して離
型性を有し、剥離力(180度、低速剥離)で1〜10
0g/インチの範囲にある。 (2)剥離時の静電気の発生が少なく、ゴミ、異物等を
付着しない。 (3)フォトレジスト層を塗布した後の乾燥処理に耐え
る耐熱性や耐溶剤性を有する。耐熱性としては、例えば
120℃で1分間乾燥処理するのに耐えることが好まし
い。 (4)紫外線(UV光)をベースフィルム並に透過する
透明性を有することが好ましい。 (5)気泡抜け性を有することが好ましく、例えば離型
層の表面が0.1〜10μm程度の凹凸を有することが
好ましい。
【0043】離型剤を形成する成分としては、シリコー
ン系樹脂、フッ素系樹脂、オレフィン系樹脂、ワックス
類、ポリビニルカルバメート類、クロム錯体等を好まし
く例示することができる。
【0044】かかる離型層を形成する成分には、本発明
の目的を妨げない範囲で公知の各種添加剤を配合するこ
とができる。この添加剤としては、例えば紫外線吸収
剤、帯電防止剤、顔料、消泡剤等を例示することができ
る。
【0045】離型層の塗設は、特許第2882953号
と同様に押出ラミネート法で積層しても良いし、離型層
を形成する成分を含む塗液を、ポリエステルフィルムの
製膜時に塗布して形成させることができ、また、二軸配
向ポリエステルフィルムに塗布し、加熱乾燥させて塗膜
を形成させることにより行うこともできる。製膜時にお
いてはどの工程において実施しても良いが、ドラムキャ
スティングした直後、もしくはドラムへキャスティング
した後の縦延伸直後に行うことが好ましい。また、二軸
配向ポリエステルフィルムへの塗布においては、乾燥条
件としては70℃〜150℃で10〜120秒間、特に
80℃〜120℃で30〜60秒間が好ましい。何れも
塗布方法は、任意の公知の方法が使用でき、例えばバー
コート法、リバースロールコート法、ドクターブレード
法、グラビアロールコート法などを好ましく例示するこ
とができる。
【0046】かかる離型層の厚みは、0.01μm以上
0.5μm以下であることが好ましく、特に0.02μ
m以上0.2μm以下であることが好ましい。厚みが
0.01μm未満であると十分な剥離性を得ることがで
きず、また0.5μmより厚いとフィルムヘーズが高く
なってしまう。
【0047】<積層フィルム>このようにして得られた
本発明の積層フィルムは、少なくとも片面の中心線平均
粗さ(Ra)が0.005μm以上、好ましくは0.0
15μm以上、フィルムヘーズが5%以下であって、透
明性、滑り性が共に優れており、フォトレジスト用フィ
ルムとして好適に用いることができる。
【0048】更に、本発明の積層フィルムは、特開平7
―333853号公報に記載されているように、2層以
上の積層ポリエステルフィルム(図2参照)として、そ
の最外層を前記多孔質シリカ粒子を含有せしめたポリエ
ステルフィルムで構成してもよい。
【0049】本発明の積層フィルムを支持体層として使
用し、これにフォトレジスト層を定法により積層するこ
とによりドライフォトレジストカーバーレスフィルムと
することができる。
【0050】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に説明す
る。尚、本発明における種々の物性値および特性は、以
下の如く測定されたものであり、かつ定義される。
【0051】(1)アンチモンの定量分析 フィルムを溶融成形して5cmφ、厚み3mmのプレー
トを作成し、蛍光X線(理学電機製 RIX3000)
にて測定して定量分析する。使用するX線管球はCr、
Rhが好ましいが、アンチモンが定量可能ならばその限
りではない。定量分析は、あらかじめアンチモン量既知
のサンプルより検量線(横軸:アンチモン量、縦軸:ア
ンチモン分析時の検出量(単位cps))を作成し、未
知試料のアンチモンの検出量(単位cps)から判定す
る。
【0052】(2)固有粘度 オルトクロロフェノール溶液にて35℃で測定する。
【0053】(3)フィルム厚み 外付マイクロメータで100点測定し、平均値を求めて
フィルムの厚みとする。
【0054】(4)フィルムのエア抜け速度 フィルムの巻取り性は重なった時の空気の抜け時間で表
す。空気抜け速度はあらかじめ8cm×5cmに切り取
ったフィルム片を20枚重ね、うち下19枚には中央に
1辺2mmの正三角形の穴を明け、デジタルベック平滑
度試験機(東洋精機製)を用いて単位時間あたり何mm
Hg低下するかを測定する。
【0055】(5)紫外線透過率 (株)島津製作所製の分光光度計MPC−3100を用
いて波長365nmの紫外線透過率を測定する。
【0056】(6)ヘーズ値 日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH−20)を使
用してフィルムのヘーズ値を測定する。JIS P−8
116に準拠して測定した。
【0057】(7)熱収縮率 150℃に設定された恒温室の中にあらかじめ正確な長
さを測定したフィルムを無緊張状態で入れ、30分保持
処理した後取り出し、室温に戻してからその寸法の変化
を読み取る。熱処理前の長さL0と熱処理後の長さLよ
り、次式により熱収縮率を求める。
【0058】
【数1】熱収縮率=(L0−L)×100/L0(%)
【0059】(8)融点 Du Pont Instruments 910 D
SCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求める
方法によった。尚、サンプル量は約20mgとする。
【0060】(9)粒子の平均粒径 (株)島津製作所製CP−50型セントリフューグル
パーティクルサイズアナライザー(Centrifug
al Particle Analyzer)を用いて
測定した。得られた遼心沈降曲線を基に算出した各粒径
の粒子とその残存量との積算曲線から、50マスパーセ
ントに相当する粒径を読み取り、この値を上記平均粒径
とする(「粒度測定技術」日刊工業新聞社発行、197
5年、頁242〜247参照)。
【0061】尚、添加した滑剤としての不活性微粒子が
一次粒子の凝集による2次粒子である場合は上記に示す
方法での平均粒径測定で得られた粒径は実際の平均粒径
より小さくなる場合があるため、下記方法を採用する。
【0062】粒子を含有したフィルムを断面方向に厚さ
100nmの超薄切片とし、透過電子顕微鏡(例えば日
本電子製JEM−1200EX)を用いて、1万倍程度
の倍率で粒子を観察し、凝集粒子(2次粒子)を観察し
た。この写真を用いて個々の粒子の円面積相当の直径を
画像解析装置等を用いて粒子1000個について測定
し、数平均した粒子径を平均2次粒径とする。尚、粒子
種の同定はSEM−XMA、ICPによる金属元素の定
量分析などを使用して行うことができる。平均1次粒径
は透過電子顕微鏡の倍率を10万〜100万倍にて撮影
するほかは平均2次粒径粒径測定の方法に準じて測定す
る。
【0063】(10)フォトレジストフィルム特性 得られたフォトレジストフィルムを用い、プリント回路
を作成して、解像度および回路欠陥を評価した。即ち、
ガラス繊維含有エポキシ樹脂板上に設けた銅板に、保護
層を剥離したフォトレジストフィルムのフォトレジスト
層を密着させ、更にその上から回路を印刷したガラス板
を密着させて、ガラス板側から紫外線の露光を行った
後、フォトレジストフィルムを剥離し、洗浄、エッチン
グを行い、回路を作成して、目視および顕微鏡で解像度
および回路欠陥を観察し、下記の基準で評価した。
【0064】(a)解像度 ◎:解像度が非常に高く、鮮明な回路が得られる。 ○:解像度が高く、鮮明な回路が得られる。 △:鮮明性がやや劣り、線が太くなる等の現象が認めら
れる。 ×:鮮明性が劣り、実用に供し得る回路は得られない。
【0065】(b)回路欠陥 ○:回路の欠陥は認められない。 △:ところどころに回路の欠陥が認められる。 ×:回路の欠陥が多発し、実用に供し得ない。
【0066】(11)フォトレジスト層剥離性 ポリエステルフィルムの離型層が施されていないもう片
方の面にポリメチルメタクリレートをバインダーとし、
架橋剤としてトリメチロールプロパントリアクリレー
ト、光重合開始剤としてアントラキセノン、安定剤とし
てハイドロキノン、着色剤としてメチルバイオレットか
らなる感光性組成物(フォトレジスト)を暗室にて0.
02mmの厚みにて塗布した。これを離型面がフォトレ
ジスト面と接するように2枚のシートを重ね合わせ2k
gのローラーの自重で一往複、加圧ラミネートし剥離性
評価のためのサンプルを作成した。ラミネート直後の評
価サンプルに関し、離型処理ポリエステルフィルムの離
型処理面とフォトレジスト面を300mm/minの速
度で180°剥離し、剥離性を下記の基準で評価した。 ○:軽剥離力であり、ポリエステルフィルムにフォトレ
ジストが残留しない。 △:中剥離力であり、ポリエステルフィルムに若干のフ
ォトレジストが残留する。 ×:重剥離力であり、ポリエステルフィルムに殆どのフ
ォトレジストが残留する。
【0067】[実施例1] (離型層としてシリコーン系樹脂を設けた例)ジメチル
テレフタレートとエチレングリコールとを、エステル交
換触煤として酢酸マンガンを、重合触媒として酸化ゲル
マニウムを、安定剤として亜燐酸を、更に滑剤として凝
集粒子である平均粒径1.7μmの多孔質シリカ粒子を
ポリマーに対して0.066重量%になるように添加し
て常法により重合し、固有粘度(オルソクロロフェノー
ル、35℃)0.65dl/gのポリエチレンテレフタ
レートを得た。このポリエチレンテレフタレートのペレ
ットを170℃で3時間乾燥後、押出機に供給し、溶融
温度295℃で溶融し、線径13μmのステンレス細線
よりなる平均目開き24μmの不織布型フィルターで濾
過し、Tダイから押出し、表面仕上げ0.3s程度、表
面温度20℃の回転冷却ドラム上に押出し、225μm
厚みの未延伸フィルムを得た。このようにして得られた
未延伸フィルムを75℃に予熱し、低速ローラーと高速
ローラーの間で15mm上方より800℃の表面温度の
赤外線ヒーター1本にて加熱して3.6倍に延伸し、急
冷し、縦延伸フィルムを得た。
【0068】縦延伸終了後のフィルムの片面に離型層A
として下記の塗液を乾燥横延伸後の膜厚が0.1μmに
なるようにロールコーターで塗布した。
【0069】 <離型層Aを形成する塗液>(シリコーン系樹脂) 旭化成ワッカーシリコーン(株)製DEHESIVE3
9005VP(100部)、同DEHESIVE390
06VP(100重量部)、日本ユニカー(株)製A−
187(2重量部)を含む5%濃度水溶液 続いてステンターに供給し、120℃にて横方向に3.
9倍に延伸した。得られた二軸配向フィルムを205℃
の温度で5秒間熱固定し、16μm厚みの積層ポリエス
テルフィルムを得た。このフィルムを構成するポリエス
テルの固有粘度は0.61dl/gであった。
【0070】このようにして得られた積層ポリエステル
フィルムの離型層の積層されていない表面にフォトレジ
スト層を積層してプリント回路を作成し、そのフォトレ
ジストフィルム特性を評価した。その結果およびフィル
ム単体の特性を表1に示す。
【0071】[実施例2] (ポリエステルフィルムの固有粘度と厚みを変更した
例)溶融押出しに、固有粘度0.60dl/gのポリエ
チレンテレフタレートを用い、未延伸フィルムの厚みを
323μmとした以外は実施例1に準じて、フィルムを
構成するポリエステルの固有粘度が0.56dl/gの
ポリエチレンテレフタレートからなる23μm厚みの積
層ポリエステルフィルムを得た。
【0072】このようにして得られた積層ポリエステル
フィルムの離型層の積層されていない表面にフォトレジ
スト層を積層して、プリント回路を作成し、そのフォト
レジストフィルム特性を評価した。その結果及びフィル
ム単体の特性を表1に示す。
【0073】[実施例3] (ポリエステル中のアンチモン濃度を変更した例)触媒
に三酸化アンチモンを表1の量加えた以外は実施例1と
同様にして16μm厚みの二軸配向ポリエステルフィル
ムを得た。
【0074】このようにして得られた積層ポリエステル
フィルムの離型層の積層されていない表面にフォトレジ
スト層を積層して、プリント回路を作成し、そのフォト
レジストフィルム特性を評価した。その結果及びフィル
ム単体の特性を表1に示す。
【0075】[実施例4] (離型層としてフッ素系樹脂層を設けた例)実施例1と
同様にして得られた縦延伸フィルムの片面に離型層Bと
して旭硝子(株)製サーフロンS−112の10%濃度
水溶液を乾燥横延伸後0.05μmになるようにロール
コーターで塗布した以外は実施例1と同様にして積層ポ
リエステルフィルムを得た。
【0076】このようにして得られた積層ポリエステル
フィルムの離型層の積層されていない表面にフォトレジ
スト層を積層して、プリント回路を作成し、そのフォト
レジストフィルム特性を評価した。その結果及びフィル
ム単体の特性を表1に示す。
【0077】[実施例5] (離型層としてオレフィン系樹脂層を塗設した例)縦延
伸フィルムに塗液を塗布せず、実施例1と同様にして両
方の表面に離型層の積層されていない、16μm厚みの
二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0078】得られた二軸配向ポリエステルフィルムを
用い、特許第2882953号の実施例2と同様に、ポ
リエステルフィルムの片面に離型層Cとして、ポリエチ
レンイミンアルキル変性体(日本触媒化学(株)性PR
−10)をメチルエチルケトン/トルエンの混合溶剤に
溶解した固形分濃度1%の離型剤塗液を10g/m2
布し、乾燥した。離型層塗膜は0.1μmである。
【0079】このようにして得られた積層ポリエステル
フィルムの離型層の積層されていない表面にフォトレジ
スト層を積層して、プリント回路を作成し、そのフォト
レジストフィルム特性を評価した。その結果及びフィル
ム単体の特性を表1に示す。
【0080】[実施例6] (離型層としてポリビニルカルバメート類の層を設けた
例)実施例1と同様にして得られた縦延伸フィルムの片
面に離型層Dとして一方社油脂工業(株)製ピーロイル
406の5%水溶液を乾燥横延伸後0.05μmになる
ようにロールコーターで塗布した以外は実施例1と同様
にして積層ポリエステルフィルムを得た。
【0081】このようにして得られた積層ポリエステル
フィルムの離型層の積層されていない表面にフォトレジ
スト層を積層して、プリント回路を作成し、そのフォト
レジストフィルム特性を評価した。その結果及びフィル
ム単体の特性を表1に示す。
【0082】[実施例7] (離型層としてワックス類の層を設けた例)実施例1と
同様にして得られた縦延伸フィルムの片面に離型層Eと
して中京油脂(株)製EV−4(219重量部)、同ハ
イミクロンG−270(137重量部)を含む10%濃
度水溶液を乾燥横延伸後0.05μmになるようにロー
ルコーターで塗布した以外は実施例1と同様にして積層
ポリエステルフィルムを得た。
【0083】このようにして得られた積層ポリエステル
フィルムの離型層の積層されていない表面にフォトレジ
スト層を積層して、プリント回路を作成し、そのフォト
レジストフィルム特性を評価した。その結果及びフィル
ム単体の特性を表1に示す。
【0084】[実施例8] (離型層としてオレフィン系樹脂層を押出ラミネートで
設けた例)実施例5と同様にして得られた、両方の表面
に離型層が積層されていない二軸配向ポリエステルフィ
ルムの片面に、特許第2882953号の実施例1と同
様に、押出ラミネート法で中密度ポリエチレンを厚み1
5μmで積層した。
【0085】このようにして得られた積層ポリエステル
フィルムの離型層の積層されていない表面にフォトレジ
スト層を積層して、プリント回路を作成し、そのフォト
レジストフィルム特性を評価した。その結果及びフィル
ム単体の特性を表1に示す。
【0086】[実施例9、10] (滑剤の添加量を変えた例)滑剤の添加量を表1の通り
にする以外は実施例1と同様にして積層ポリエステルフ
ィルムを得た。
【0087】このようにして得られた積層ポリエステル
フィルムの離型層の積層されていない表面にフォトレジ
スト層を積層して、プリント回路を作成し、そのフォト
レジストフィルム特性を評価した。その結果及びフィル
ム単体の特性を表1に示す。
【0088】尚、表に記載しなかったが、実施例1〜1
0のフィルムのエア抜け速度は30〜100mmHg/
hrの範囲内にあり、また、熱収縮率も1.0%〜5.
0%の範囲内にあり、好適であった。
【0089】[比較例1]溶融押出しに、固有粘度0.
55dl/gのポリエチレンテレフタレートを用い、未
延伸フィルムの厚みを112μmとした以外は実施例1
に準じて、フィルムを構成するポリエステルの固有粘度
が0.50dl/gのポリエチレンテレフタレートから
なる8μm厚みの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0090】比較例1のフィルムは、フォトレジストと
剥離する際に破れが多発し、プリント回路を作成できな
かった。
【0091】[比較例2]縮合触媒に三酸化アンチモン
を表1の量加えた以外は実施例1と同様にして、16μ
m厚みの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0092】このようにして得られた積層ポリエステル
フィルムの離型層の積層されていない表面にフォトレジ
スト層を積層して、プリント回路を作成し、そのフォト
レジストフィルム特性を評価した。その結果及びフィル
ム単体の特性を表1に示す。
【0093】[比較例3]実施例5と同様にして両方の
表面に離型層の積層されていない二軸配向ポリエステル
フィルムを得た。
【0094】このようにして得られた積層ポリエステル
フィルムの片面にフォトレジスト層を積層して、プリン
ト回路を作成し、そのフォトレジストフィルム特性を評
価した。また、得られた積層ポリエステルフィルムのも
う一方の表面にフォトレジスト層を積層し、フォトレジ
スト剥離性の評価を行った。その結果及びフィルム単体
の特性を表1に示す。
【0095】[比較例4〜6]三酸化アンチモンの添加
量、添加滑剤の種類、平均粒径、添加量を表1に示す通
りにする以外は実施例1と同様にして、16μm厚みの
積層ポリエステルフィルムを得た。
【0096】このようにして得られた積層ポリエステル
フィルムの離型層の積層されていない表面にフォトレジ
スト層を積層して、プリント回路を作成し、そのフォト
レジストフィルム特性を評価した。その結果及びフィル
ム単体の特性を表1に示す。
【0097】
【表1】
【0098】尚、表1の離型層欄で各略号は以下の離型
層が設けられていることを表わす。 A:離型層Aが積層されている。 B:離型層Bが積層されている。 C:離型層Cが積層されている。 D:離型層Dが積層されている。 E:離型層Eが積層されている。 F:離型層Fが積層されている。 無し:離型層が積層されていない。
【0099】表1に示す結果から明らかなように、本発
明の積層フィルムは、フォトレジスト層剥離性、紫外線
透過性、フォトレジストフィルム特性に優れたものであ
る。
【0100】
【発明の効果】本発明によれば、紫外線透過性、巻取り
や搬送の作業性を同時に満足し、ファインパターン用フ
ォトレジストに用いた場合、解像度が高く回路を欠陥な
く形成でき、高い生産歩留まりを得ることが可能とな
り、その工業的価値は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドライフィルムフォトレジスト(DFR)の一
例を示した説明図である。
【図2】ベースフィルムとして1層以上からなる積層ポ
リエステルフィルムを用いたドライフィルムフォトレジ
スト(DFR)の説明図である。
【符号の説明】
(1)ベースフィルム (2)保護フィルム (3)フォトレジスト層 (4)ベースフィルムとしての1層以上からなる積層ポ
リエステルフィルム (5)離型層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 67:00 C08L 67:00 (72)発明者 竹内 光 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人デュポンフィルム株式会社相模原研究セ ンター内 Fターム(参考) 2H025 AA16 AA17 AB11 AC01 AD01 DA19 DA21 DA33 EA08 4F006 AA35 AB13 AB19 AB39 BA11 DA04 4F100 AA20 AB22A AH08B AJ11B AK02B AK03B AK17B AK41A AK42 AK52B AK62B AK66B AR00B AR00C AR00D BA02 BA03 BA04 BA07 BA10A BA10B BA10C BA10D BA13 DE01A EH17 EH46 EJ38 GB43 JA06A JA20 JK16 JL02 JL05 JL08A JL14B JN01 JN08 JN17C JN17D YY00 YY00A

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重縮合金属触媒残渣が150ppm未満
    であり、アンチモン金属が全酸成分に対し15mmol
    %以下であり、かつ固有粘度が0.52〜1.50dl
    /gであるポリエステルを主要構成成分とするポリエス
    テルフィルムの一方の表面に離型層が設けられているこ
    とを特徴とする積層フィルム。
  2. 【請求項2】 波長365nmの光線透過率が80%以
    上である請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 【請求項3】 ヘーズが5%以下である請求項1または
    2に記載の積層フィルム。
  4. 【請求項4】 ポリエステルが、平均粒径0.05μm
    以上3.0μm以下の不活性粒子を50ppm以上10
    00ppm以下含む請求項1乃至3の何れか1項に記載
    の積層フィルム。
  5. 【請求項5】 離型層がシリコーン系樹脂、フッ素系樹
    脂、オレフィン系樹脂、ワックス類、ポリビニルカルバ
    メート類及びクロム錯体よりなる群から選ばれる少なく
    とも1種を含む請求項1乃至4の何れか1項に記載の積
    層フィルム。
  6. 【請求項6】 厚みが2μm以上200μm以下である
    請求項1乃至5の何れか1項に記載の積層フィルム。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れか1項に記載の積層
    フィルムの少なくとも片面にフォトレジスト層を積層し
    てドライフィルムフォトレジスト用に用いる積層フィル
    ム。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6の何れか1項に記載の積層
    フィルムの少なくとも片面にフォトレジスト層を積層し
    た感光性積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005007782A (ja) * 2003-06-20 2005-01-13 Mitsubishi Polyester Film Copp 感光性樹脂版ベース用ポリエステルフィルム
WO2005108071A1 (ja) * 2004-05-11 2005-11-17 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha ポリアミド系樹脂積層フィルム

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