JP6432283B2 - ドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

ドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム Download PDF

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Description

本発明は、ドライフィルムレジスト支持体用ポリエステルフィルムに関する。
ドライフィルムレジスト(以下DFR)は、プリント配線基板、半導体パッケージ、フレキシブル基板などの回路を形成するために用いられている製造法である。
DFRは、感光層(フォトレジスト層)を、支持体としてのポリエステルフィルム上に積層させた後、LDPE(低密度ポリエチレン)フィルムなどからなる保護フィルム(カバーフィルム)で挟んだ構造をしている。このDFRを用いて導体回路を作成するには、一般的に次のような工程で行われる。
1)DFRから保護フィルムを剥離し、露出したレジスト層の表面と、基板上の銅箔などの導電性基材層の表面とが密着するように、基板・導電性基材層とラミネートする工程。
2)次に、導体回路パターンを焼き付けたフォトマスクを、ポリエステルフィルムからなる支持体上に置き、その上から、感光性樹脂を主体としたレジスト層に紫外線(例えば365nmにピークを有するI線、405nmにピークを有するH線)を照射して、露光させる工程。
3)その後、フォトマスクおよびポリエステルフィルムを剥離した後、溶剤によってレジスト層中の未反応分を溶解、除去する工程。
4)次いで、酸などでエッチングを行い、導電性基材層中の露出した部分を溶解、除去する工程。
4)の工程の後には、レジスト層中の光反応部分とこの光反応部分に対応する導電性基材層部分がそのまま残る。その後、残ったレジスト層を除去する工程を経て、基板上の導体回路が形成されることになる。このため、支持体であるポリエステルフィルムには、紫外線を効率的に透過できることが要求される。これにより、導体回路パターンが、正確にレジスト層上に反映される。とくに近年では、IT機器など小型化、軽量化などに伴い、透過性に優れ、ヘイズが低く、高解像化を達成できるドライフィルムレジスト支持体用ポリエステルフィルムが要求されている。しかしながら、ポリエステルフィルムには、走行性や巻き特性を付与するために易滑材としての粒子を含有させているため、露光工程時の紫外線照射の際、粒子による光散乱が透過、反射共に引き起こされ、レジストの解像度を低下させてしまうという問題が生じていた。
そこで、フィルムの表面を高平滑にして、かつ、ヘイズ値を低くすること(例えば、特許文献1、2、4)や、波長365nmにおける透過率を一定範囲内とすることを特徴とするドライフィルムレジスト支持体用ポリエステルフィルムが提案されている(特許文献3)。また、基材フィルム剥離時の劈開や伸びによる剥離不良のない、基材フィルム自身の巻き性に優れたフォトレジスト用ポリエステルフィルム(特許文献5)や、易滑層を設けることで、透明性と易滑性を同時に達成したフォトレジスト用ポリエステルフィルムが提案されている(特許文献6)。
特開1995−333853号公報 特開2002−341546号公報 特開2005−059285号公報 特開2008−239743号公報 特開2000−35671号公報 特開2004−361446号公報
しかしながら、これら前記の提案でも、一層の高解像度化の要求を満足することは難しく、現像後のレジストのパターニングにゆがみや、抜け、レジストパターン壁面の状態が悪いなどの欠点が十分に解消できず、依然として、高解像度化への品質向上が求められている。さらには、高解像度化への対応結果、滑剤としてベースフィルムに添加する、あるいはベースフィルム上に付与する粒子の量が減った結果フィルム製造工程や上記DFR製造工程にて収率低下、特に巻きに関わる問題が目立って発生しているため、生産性(フィルム巻き取り性)向上の要求がある。この事情に鑑み、本発明はレジストの高解像度を達成するとともに、欠点が少なく、品質向上、生産性向上に対応できるドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルムを提供することを課題とする。
本発明は、以下の特徴を有する。
(1)3層以上の積層構造を有するポリエステルフィルムであり、フィルム全体厚みT(μm)が24.50〜50μmであり、フィルムヘイズが1.0%未満であり、一方の面(該面を表面(A)とする)の表面粗さSRa(A)が7nm以下且つSRz(A)が100nm未満であり、もう一方の面(該面を表面(B)とする)は表面粗さSRa(B)が3nm以上10nm未満で且つSRz(B)が100nm以上700nm未満であり、表面(B)側から光を入射させたときの365nm及び405nmでの反射率が14%未満であることを特徴とするドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
(2)表面(A)有するポリエステル層(該層をA層とする)に粒子が含まれており、当該粒子の最大粒子径DAがDA<0.4μmであり、表面(B)を有するポリエステル層(該層をB層とする)に粒子が含まれており、当該粒子の最大粒子径DBが0.4μm≦DB<1.0μmであり、かつフィルム全体厚みT(μm)としたとき、DB/T≦0.05であることを特徴とする(1)に記載のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
(3)表面(A)上にレジスト層を積層して用いる(1)または(2)に記載のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
(4)共押し出しにより溶融製膜されたポリエステルフィルムであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
本発明によれば、レジストの高解像度を達成するとも、欠点が少なく、品質向上、生産性向上に対応できるドライフィルムレジスト支持体用ポリエステルフィルムを提供できる。
本発明にかかるフォトレジスト支持体用ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂を主成分とする3層以上の積層構造を有する。そして、一方の面(該面を表面(A)とする)の表面粗さSRa(A)が7nm以下且つSRz(A)が100nm未満であり、もう一方の面(該面を表面(B)とする)は表面粗さSRa(B)が3nm以上10nm未満で且つSRz(B)が100nm以上700nm未満であることが必要である。本発明のポリエステルフィルムは、フォトレジスト支持体用に用いるときには、A面側にレジスト層を積層して用いることが好ましい。
ポリエステルフィルムに高い透明性を付与するためには、A面を有する層およびB面を有する層の反射率を個別にコントロールしながら、A層とB層の間に存在する層(中間層)を例えば実質的に粒子を含まない構成にすることが好ましい。
また、本発明のポリエステルフィルムは、二軸配向していることが必要である。本発明における、二軸配向とは、未延伸(未配向)フィルムを、常法により、二次元方向に延伸された状態(広角X線回折で二軸配向のパターンを示すもの)を指す。延伸は、逐次二軸延伸、同時二軸延伸を採ることができる。逐次二軸延伸は、長手方向(縦)および幅方向(横)に延伸する工程を、縦−横の1回ずつ実施することもできるし、縦−横−縦−横など、2回ずつ実施することもできる。
本発明において、ポリエステル樹脂を主成分とするとは、少なくとも70モル%以上が、ジカルボン酸とジオール、およびそれらのエステル形成性誘導体を主たる構成成分とする単量体または低重合体からの重合により得られるポリエステルである。本発明では、ジカルボン酸としては、芳香族ジカルボン酸を用いることが好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、などであり、とくにはテレフタル酸が好ましい。これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、イソフタル酸など他の芳香族ジカルボン酸、あるいは脂肪酸を一部共重合してもよい。
また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、などを挙げることができる。中でもエチレングリコールが好ましく用いられる。これらのジオール成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルムに用いられるポリエステルとして、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、およびその共重合体、ポリブチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンナフタレートおよびその共重合体、さらにはポリヘキサメチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリヘキサメチレンナフタレートおよびその共重合体等を挙げることができ、とくに、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
本発明に使用するポリエステルは、従来から知られている方法で製造することができる。例えば、酸成分をジオール成分と直接エステル化反応させた後、この反応の生成物を減圧下で加熱して余剰のジオール成分を除去しつつ重縮合させることによって製造する方法や、酸成分としてジアルキルエステルを用い、これとジオール成分とでエステル交換反応させた後、上記と同様に重縮合させることによって製造する方法などが採用できる。この際、必要に応じて、反応触媒として従来公知のアルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物などを用いることもできる。
上記ポリエステルの固有粘度は下限0.5dl/g、上限 0.8dl/gが好ましい。さらに好ましくは下限0.55dl/g、上限0.70dl/gである。
本発明のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルムにおいて、一方の面(A面)の表面粗さSRa(A)が7nm以下且つSRz(A)が100nm未満であり、もう一方の表面(B面)は表面粗さSRa(B)が3nm以上10nm未満で且つSRz(B)が100nm以上700nm未満であることが必要である。そして、本発明のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルムは、A面側にレジスト層を積層することが好ましい。該範囲の表面粗さを達成することにより、露光時にフィルム表面での反射の影響を抑える適切な平滑性が得られ、界面高精細なレジストパターンを形成することが可能であり、同時に加工時のハンドリング性を得られる。A面の表面粗さSRa(A)が7nmを超える若しくはSRz(A)が100nmを超える場合、フィルムよりレジスト面に転写される凹凸と凹凸による露光工程での光の入射角が不均一になるにことによる光の反射や散乱の影響により、レジストパターンの抜けが生じることがあり不適である。A面の表面粗さSRa(A)は3nm以上6nm以下であることがより好ましく、SRz(A)は50nm以上100nm以下であることがより好ましい。一方で、B面の中心線粗さSRa(B)は3nm以上10nm以下で且つSRz(B)が100nm以上700nm未満であることが必要である。本発明のポリエステルフィルムのA面側にレジスト層を積層したとき、B面は、レジスト層と接する面であり、カバーフィルムを貼合し巻き取った際には、カバーフィルムと接する面となる。B面の中心線粗さSRa(B)が3nmを下回る若しくはSRz(B)が100nmを下回ると、レジスト塗布工程にてハンドリング性が悪化し、塗布が不安定となり、塗布斑が発生することや、塗布後の巻き取り時に、噛み込んだ空気が抜けにくくなることによる、巻きズレを起こすことがあるため、不適である。また、B面の中心線粗さSRa(B)が10nmを超える若しくはSRz(B)が700nmを超える場合は、表面に形成された凹凸により露光工程での光の入射角が不均一になるにことによる光の反射や散乱の影響により、レジストパターンを形成する際のノイズとなるため、不適である。B面の表面粗さSRa(B)は6nm以上10nm以下であることがより好ましく、SRz(B)は100nm以上500nm以下であることがより好ましい。A層、B層の表面粗さを上述の範囲とするには、A面を有する層(A層)およびB面を有する層(B層)を構成するポリエステル樹脂に、後述する特定の有機粒子あるいは無機粒子を特定量含有させることによって達成出来る。
本発明のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルムの全厚みが10〜50μmであることが好ましい。とくに好ましくは12μmから38μmである。全厚みが10μm未満では、強度が不足し加工工程での取り扱いが難しくなることがあり、50μmを越えると、光線透過率およびヘイズ値を本発明範囲内にすることが難しくなる場合がある。
本発明におけるポリエステルフィルムにおいては、寸法変化率が、下記の範囲内であるとDFR加工工程での熱収縮による歪みやシワの発生を抑制できるため好ましい。寸法変化率は、製膜条件における弛緩・熱処理等の条件を公知の方法により適宜調整することにより達成出来る。150℃における寸法変化率は長手方向で2%以下、幅方向で2.5%以下が好ましく、長手方向で0.5%以上1.7%以下、幅方向で1%以上2%以下がさらに好ましい。また、100℃における寸法変化率は長手方向、幅方向ともに1%以下が好ましく、0.2%以上0.8%以下の範囲であるとさらに好ましい。該寸法変化率において上記範囲の下限を下回ると、レジスト層を塗布する際にタルミによる平面性不良が発生し、上限を上回ると、レジスト層を塗布する際に収縮によりトタン状に収縮斑が発生し平面性不良となり、いずれの場合もレジスト層の塗布厚みに斑を生じさせることがある。
また、長手方向のフィルムが5%伸張したときの強度(以降この値のことをF−5値と称する)が70〜150MPaであることが好ましい。長手方向のF−5値が70MPa未満では強度不足により傷の発生などにより加工特性が悪くなる場合がある。一方、長手方向のF−5値が160MPaを越えると幅方向のF−5値との両立が困難となる場合がある。長手方向のF−5値は、好ましくは、70〜140MPa、さらに好ましくは80〜130MPaである。
さらに、幅方向のF−5値が80〜160MPaであることが好ましい。幅方向のF−5値が80MPa未満では強度不足による傷の発生などによる加工特性が悪くなる場合があり、160MPaを越えると長手方向のF−5値との両立が難しくなる場合がある。好ましくは80〜150MPaであり、さらに好ましくは90〜140MPaである
また、縦方向のF−5値と長手方向のF−5値の和は200〜270MPaであることが好ましく、とくに220〜250MPaが好ましい。また幅方向のF−5値は、長手方向のF−5値よりも同等以上であることが好ましく、その差が10〜20MPaの場合がさらに好ましい。
また、長手方向の破断強度は200〜360MPaであるのが好ましく、220〜304MPaの場合がさらに好ましい。幅方向の破断強度については260〜420MPaであるのが好ましく、とくに好ましくは280〜400MPaである。
上記、F−5値および破断強度は縦方向および横方向の延伸温度、延伸倍率を適宜調整することで達成できる。
さらに、本発明のポリエステルフィルムでは、フィルムヘイズは1.0%以下であることが必要である。1.0%を越えると、ポリエステルフィルムにレジスト層を積層した後、紫外線を照射して露光するにあたってのレジスト層の支持体であるポリエステルフィルムによる紫外光線の散乱が大きくなるため、現像後のレジストのパターニングにゆがみや、抜け、レジストパターン壁面の状態が悪化する。また、ポリエステルフィルムの透過率を阻害する。
また、本発明のポリエステルフィルムは、B面から光を入射させたときの波長365nm及び405nmにおける反射率は14%未満であることが必要である。なお、本発明でいう反射率とは、後述する測定方法により求められる、硫酸バリウム白色標準板の反射率を100%としたときの相対反射率を表す。レジスト層を露光させる工程で用いられる紫外線は、主に、365nmにピークを有するI線、405nmにピークを有するH線が使用される。そのため、波長365nm及び405nm波長における反射率を低下させることで、現像後のレジストのパターニングにゆがみや、抜け、レジストパターン壁面の状態が悪化するのを抑制することができる。
フィルムヘイズ、B面から光を入射させたときの365nm及び405nmでの反射率を所定の範囲内に達成するためには、フィルムを構成するポリエステル樹脂に含有する粒子などによる光線透過の阻害を抑制し、さらにフィルム表面の凹凸による散乱を抑制することが必要である。このためには、フィルム中に含有する粒子の粒子径を小さくし、含有量を減少することが有効であるが、このようにすると、フィルム表面が平滑化し過ぎ、易滑性、走行性が悪くなり、加工特性が劣ることになる。フィルムヘイズ、反射率を悪化させないで加工特性を保持するという、相反する機能の両立が必要である。
表面を構成するポリエステル層に含有する粒子としては、有機、無機の粒子を用いることができるが、例えば、酸化珪素、炭酸カルシウム、凝集アルミナ、珪酸アルミニウム、マイカ、クレー、タルク、硫酸バリウムなどを、有機系としては、例えば、ポリイミド系樹脂、オレフィンあるいは変性オレフィン系樹脂、架橋ポリスチレン系樹脂、シリコーン樹脂などを挙げることができる。これらの粒子の採用にあたっては、光線透過率およびヘイズ値の上昇を抑制するため、粒子表面を界面活性剤などで表面改質し、ポリエステルとの親和性を改善すること方法が添加粒子周辺でのボイド発生を抑制する点で好ましく採用できる。また、粒子形状が球状に近く、さらに、ポリエステルとの屈折率の差が少ない方が、フィルム層内を紫外線が通過時の散乱光を抑制することができ好ましく、コロイダルシリカ、有機粒子がとくに好ましく、さらに、シリコーン粒子、架橋ポリスチレン粒子が好適である。
中でも、乳化重合で調整された、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体からなる架橋ポリスチレン粒子は粒子形状が真球に近く、粒子径分布が均一であり、均一な突起形成を図ることが可能で好ましい。
さらに具体的には、一方の面(A面)を有するポリエステル層(A層)に含まれる粒子の最大粒子径DAがDA<0.4μmであり、もう一方の表面(B面)を有するポリエステル層(B層)に含まれる最大粒子径DBが0.4μm≦DB<1.0μmであることが好ましい。本発明でいう最大粒子径とは、後述する方法で求められる粒子の円相当径のことを表す。A面の上に、レジスト層が積層することになると、A層に含有する粒子によって露光工程で照射される光の反射や散乱の影響を受けると、レジスト層の形成に影響を与える。A層に含まれる最大粒子径DAが0.4μm以上の場合、粒子による影響がレジストパターンを形成する際のノイズとなり、レジストパターンの欠けを誘発することがある。また、B面はレジスト層と反対面を構成することになるが、B層に含有する粒子によって露光工程で照射される光の反射や散乱の影響を受けるとレジスト層の形成に影響を与える。B層に含まれる最大粒子径DBが1.0μm以上では、粒子による影響がレジストパターンを形成する際のノイズとなり、レジストパターンの欠けを誘発する場合がある。また、平均粒子径DBが0.4μm未満では、レジスト塗布工程にてハンドリング性が悪化し、最大が不安定となり、塗布斑が発生することや、塗布後の巻き取り時に、噛み込んだ空気が抜けにくくなることによる、巻きズレを起こすことがある。
また、フィルム全体厚みTとしたときDB/T≦0.05であることが好ましい。DB/Tが0.05より大きい場合、粒子による影響がレジストパターンを形成する際のノイズとなり、レジストパターンの欠けを誘発する場合がある。
本発明のポリエステルフィルムは、3層以上の積層構造を有するポリエステルフィルムであることが必要である。3層の積層構造を有するフィルムとしては、A層/C(中間層)/B層からなるものが挙げられる。4層以上の積層構造を有するフィルムとしては、中間層が積層構造を有するものが挙げられる。表層部であるA層およびB層に含有する粒子種、平均粒子径、含有量は、異なっても良い。表層を構成するポリエステル層には、粒子を塗布工程にて添加してもよいが、粒子の分散性の観点から、粒子を含有するポリエステル樹脂組成物を用いて、共押出し法により溶融製膜して得ることが好ましい。
上記構成において、フィルムの表面を構成する層(A層、B層)の積層厚さは0.1〜2μmが好ましく、更に好ましくは0.2〜1.0μm、更に更に好ましくは0.4〜0.8μmである。0.1μm未満の場合にはポリエステル層に添加した粒子の脱落が大きくなり、2μmを越えると前述したヘイズを達成するためには添加している粒子の平均径および添加量をさらに減少することが必要になり、加工特性との両立が難しくなる場合がある。
A層、B層には、さらに、前記した粒子とともに、凝集アルミナを含有させることもできる。ここで、凝集アルミナは、平均一次粒子径が5〜30nmの粒子が数個から数百個凝集したものを表す。凝集アルミナの平均一次粒子径は、8〜15nmの平均一次粒子径であることがより好ましい。当該凝集アルミナは、無水塩化アルミニウムを原料として火焔加水分解法、あるいはアルコシドアルミナの加水分解などによって製造されたものが採用できる。凝集アルミナは、結晶型としてδ型、θ型、γ型などが知られているが、とくにδ型アルミナが好適に使用できる。これらの凝集アルミナについて、ポリエステル重合時に添加することで使用に供せるが、例えば、ポリエステル重合時の原料の一部であるエチレングリコールのスラリーとして、サンドグラインダーなどの粉砕、分散を行い、精密濾過を行うことによって、平均二次粒子径が0.01〜0.2μmの凝集アルミナを得ることができる。このようにして得られた凝集アルミナをフィルム中に添加した場合、二軸延伸によって、面方向に配置されるため、実質的突起を形成せず、表面粗さへの影響が少なく、また、透過性が良いため、光線透過率およびヘイズ値の劣化を抑制できる。凝集アルミナを含有せしめることにより、フィルム表面の地肌補強効果が大きく得られ、耐摩耗性が向上し、延伸時のロールとの接触時に発生する窪み欠点の抑制するという効果が得られる。凝集アルミナは表層(A層、B層)を構成するポリエステル樹脂組成物に含有させることが好ましく、その含有量はポリエステル樹脂組成物全体に対して0.1〜1重量%が好ましい。
次に本発明のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法について説明する。共押出し法による溶融製膜におけるポリエステルに不活性粒子を含有せしめる方法としては、例えばジオール成分であるエチレングリコールに不活性粒子を所定割合にてスラリーの形で分散せしめ、例えば3μm以上の粗大粒子を95%以上捕集できる高精度濾過を行った後、このエチレングリコールスラリーをポリエステル重合完結前の任意段階で添加する。ここで、粒子を添加する際には、例えば、粒子を合成時に得られる水ゾルやアルコールゾルを一旦乾燥させることなく添加すると粒子の分散性が良好であり、粗大突起の発生を抑制でき好ましい。また粒子の水スラリーを直接、所定のポリエステルペレットと混合し、ベント方式の2軸混練押出機に供給しポリエステルに練り込む方法も本発明の効果に有効である。
このようにして、各層のために準備した、粒子含有マスターペレットと粒子などを実質的に含有しないペレットを所定の割合で混合し、乾燥したのち、公知の溶融積層用押出機に供給する。本発明のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルムの製造における押出機は、1軸、2軸の押出機を用いることができる。また、ペレットの乾燥工程を省くために、押出機に真空引きラインを設けた、ベント式押出機を用いることもできる。また、中間層を設ける場合には、最も押出量が多くなるため、ペレットを溶融する機能と、溶融したペレットを一定温度に保つ機能をそれぞれの押出機で分担する、いわゆるタンデム押出機を用いることができる。本発明のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルムにおける表面を構成する層の押し出しには、二軸式ベント式押出機を用いることが、粒子の分散性を良好に保てるので好ましい。
押出機で溶融して押出したポリマーは、フィルターにより濾過する。ごく小さな異物もフィルム中に入ると粗大突起欠陥となるため、フィルターには例えば5μm以上の異物を95%以上捕集する高精度のものを用いることが有効である。続いてスリット状のスリットダイからシート状に押し出し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを作る。すなわち、複数の押出機、複数層のマニホールドまたは合流ブロック(例えば矩形合流部を有する合流ブロック)を用いて積層し、口金からシートを押し出し、キャスティングロールで冷却して未延伸フィルムを作る。この場合、背圧の安定化および厚み変動の抑制の観点からポリマー流路にスタティックミキサー、ギヤポンプを設置する方法は有効である。
延伸方法は同時二軸延伸であっても逐次二軸延伸であってもよい。
逐次延伸の場合、最初の長手方向の延伸が重要であり延伸温度は好ましくは90〜130℃、更に好ましくは105〜120℃である。延伸温度が90℃よりも低くなるとフィルムが破断しやすく、延伸温度が130℃よりも高くなるとフィルム表面が熱ダメージを受けやすくなるため好ましくない。また、延伸ムラ、およびキズを防止する観点からは延伸は2段階以上に分けて行うことが好ましく、トータル倍率は長さ方向に好ましくは3〜4.5倍、更に好ましくは3.2〜4.2倍であり、幅方向に好ましくは3.2〜5倍、更に好ましくは3.9〜4.5倍である。目標とするフィルムの破断強度を達成するため、適時倍率を選択できるが、幅方向の破断強度を高くするため、幅方向の延伸倍率を長手方向よりも高めに設定することがさらに好ましい。かかる温度、倍率範囲をはずれると延伸ムラあるいはフィルム破断などの問題を引き起こし、本発明の特徴とするフィルムが得られにくいため好ましくない。再縦または横延伸した後、好ましくは200〜230℃、更に好ましくは210〜230℃で好ましくは0.5〜20秒、更に好ましくは1〜15秒熱固定を行う。とくに熱固定温度が200℃よりも低くなるとフィルムの結晶化が進まないために構造が安定せず、目標とする熱収縮率などの特性が得られず好ましくない。その後、長手及び/又は幅方向に0.1〜7.0%の弛緩処理を施すことが好ましい。
延伸過程では、フィルムとロールの接触が避けられず、ロールの周速とフィルムの速度差を極力抑えるようにするとともに、延伸ロールとしては、表面の粗さなどを制御しやすい非粘着性のシリコーンロールが好ましい。従来技術のようにセラミックスや“テフロン”(登録商標)さらには金属のロールを用いても可能であるが、フィルム表面のみが局所的に加熱されて粘着が発生し、フィルム表面に傷を発生する場合があり、好ましくない。
さらに延伸ロールの表面粗さRaは好ましくは0.005〜1.0μm、更に好ましくは0.1〜0.6μmである。Raが1.0μmよりも大きいと延伸時ロール表面の凸凹がフィルム表面に転写するため好ましくなく、一方0.005μmよりも小さいとロールとフィルム地肌が粘着し、フィルムが熱ダメージを受けやすくなるため好ましくない。延伸ロールの表面粗さを制御するためには、延伸ロールを研磨する研磨剤の粒度や、延伸ロールを研磨する回数などを適宜調整することが有効である。とくに延伸ロールについては、フィルム表面の窪み欠点の原因と懸念されるポリエステルの分解物、オリゴマーの付着、蓄積を回避するため、延伸ロールの研磨の回数を高くすることが好ましい。
さらに、延伸部におけるロールとフィルムのトータルの接触時間は好ましくは0.1秒以下、更に好ましくは0.08秒以下にすることがフィルムを製造する上で特に有効である。延伸ロールとフィルムの接触時間が0.1秒よりも大きくなると、延伸ロールの熱によりフィルム表面のみが局所的に加熱され、引いては熱負荷時の微小平面性悪化を引き起こすこともあり、あるいは、フィルムに傷を発生する場合がある。接触時間を短くする方法としては、例えばフィルムを延伸ロールに巻き付けず、ニップロール間で平行に延伸する方法が有効である。
二軸延伸後のフィルムは、搬送工程にて冷却させた後、エッジを切断後巻取り、中間製品を得る。この搬送工程にて、フィルムの厚みを測定し、該データをフィードバックして用いてダイ厚みなどの調整によってフィルム厚みの調整を行い、また、欠点検出器による異物検知を行う。
エッジの切断時には、切粉の発生を抑制することが、本発明のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルムにおいて好ましい。エッジの切断は丸刃、シェアー刃、ストレート刃を使用して行うが、ストレート刃を用いる場合は、刃がフィルムに当たる箇所を、常に同じ箇所にさせないことが、刃の摩耗を抑制できるため好ましい形態である。このため刃を上限までオシレーションする機構を有することが好ましい。また、フィルム切断箇所に吸引装置を設けて、発生した切り粉や、切断後のフィルム端部同士が削れて発生する削れ粉を吸引することが好ましい。
中間製品はスリット工程により適切な幅・長さにスリットして巻き取り、本発明の本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムのロールが得られる。スリット工程におけるフィルムの切断時も、先述のエッジの切断と同様な切断の方式から選定できる。
中間製品を所望の幅にスリットを行い、本発明のドライフィルムレジスト用二軸配向ポリエステルフィルムを得る。
以下、実施例で本発明を詳細に説明する。
本発明に関する測定方法、評価方法は次の通りである。
(1)粒子の最大粒子径
フィルム表面を構成する層については次のように測定する。フィルムからポリマーをプラズマ低温灰化処理法で除去し、粒子を露出させる。処理条件は、ポリマーは灰化されるが粒子は極力ダメージを受けない条件を選択する。処理後の試料を走査型電子顕微鏡(SEM;株式会社日立製作所製 S−4000型)で観察し、粒子画像をイメージアナライザ(株式会社ニレコ製 LUZEX_AP)に取り込み、等価円相当径を測定し、粒子の体積平均粒子径を求める。SEMの倍率は粒子径により、5000〜20000倍から適宜選択する。任意に観察箇所をかえて、少なくとも粒子数5000個の粒子の等価円相当径を測定し、測定した等価円相当径データの大きい方から上位2%の等価円相当径の中間値から最大粒子径を求める。
フィルム表面を構成しない層については、フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM;株式会社日立製作所製H−600型)を用いて、粒子径により、3000〜20000倍で観察する。TEMの切片厚さは約100nmとし、場所を変えて1000個の粒子の等価円相当径を測定し、測定した等価円相当径データの大きい方から上位2%の粒子の等価円相当径の中間値から最大粒子径を求める。
なお、粒子の体積平均粒子径を測定する際に、SEMおよびTEMで観察した際に5000倍で10視野確認しても、粒子が認められなかった場合には、粒子を実質的に含有しないと判断する。
(2)固有粘度
オルトクロロフェノール中、25℃ で測定した溶液粘度から、下式で計算した値を用いる。すなわち、
ηsp/C=[η]+ K[η] ・C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1であり、Cは、溶媒100ml あたりの溶解ポリマー重量(g/100ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.343 とする)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/g]で示す。
(3)フィルム積層厚み
透過型電子顕微鏡(TEM;日立(株)製H−600型)を用いて、加速電圧100kVで、フィルムの断面を、超薄切片(RuO染色)で観察する。その断面全体から全厚みを求め、積層厚みについては、その界面に観察される粒子の最も深い地点から表面からの深さ、つまり積層されている厚みを求める。倍率は測定するフィルムの全厚み、層厚みによって適宜倍率を設定すればよいが、一般的には全厚み測定には1000倍、積層厚み測定には1万〜10万倍が適当である。
粒子が少ない場合など、積層界面を判別するためにどのような倍率で粒子像を得るべきかを事前に想定するために、断面のSEM−XMAによって断面における元素の分布(マッピング)から想定される積層厚みの概算を行い、TEMでの設定倍率を定めると効率的である。
(4)破断伸度および破断強度、F−5値
JIS C2151−1990に準じ、インストロンタイプの引張試験機(オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装置“ テンシロン” 万能試験機RTC−1210)を用いて測定した。幅10mmの試料フィルムを、試長間100mm、引張り速度200mm/分の条件で引っ張り試験を行い、フィルムが5%伸張したときの強度をF−5値とし、フィルムが破断した時の応力を求めて破断強度とし、フィルムが破断した時の歪み(伸び率)を求めて破断伸度した。測定は23 ℃ 、湿度65%RHで行う。
(5)寸法変化率
フィルム表面に、幅10mm、測定長約100mmとなるように2本のラインを引き、この2本のライン間の距離を23℃で正確に測定しこれをL0とする。このフィルムサンプルを100℃ 又は150℃のオーブン中に30分間、1.5gの荷重下で放置した後、再び2本のライン間の距離を23℃で測定しこれをL1とし、下式によりそれぞれの温度での寸法変化率を求める。
寸法変化率(%)={(L0−L1)/L0]×100。
(6)フィルム表面粗さ(SRa、SRz値)
三次元微細表面形状測定器( 小坂製作所製ET−350K)を用いて測定し、得られた表面のプロファイル曲線より、JIS・B0601に準じ、算術平均粗さSRa値、十点平均面粗さSRz値を求める。測定条件は下記のとおり。
X 方向測定長さ: 0.5mm、X方向送り速度: 0.1mm/ 秒。
Y 方向送りピッチ: 5μm、Y方向ライン数: 40本。
カットオフ: 0.25mm。
触針圧: 0.02mN。
高さ(Z方向) 拡大倍率: 5万倍。
(7)フィルムのヘイズ
JIS K7105−1981に準じ、フィルム幅方向の中央部から、長手4.0×幅3.5cmの寸法に切り出したものをサンプルとし、ヘイズを、ヘイズメータ(スガ試験機製HGM−2DP(C光源用))を用いて測定する。
(8)反射率
分光光度計((株)島津製作所UV2450)に積分球付属装置((株)島津製作所製ISR2200)を取り付け、硫酸バリウムを標準板とし、B面から光を入射した状態で測定を行い、標準板を100%とした365nm及び405nmの波長における相対反射率を測定した。
<標準板作成方法>
硫酸バリウム白色標準試薬(EASTMAN White Reflectance Standard Cat No.6091)34gを、直径50.8mm、深さ9.5mmの円柱形くぼみに入れ、ガラス板を用いて圧縮して、圧縮密度約2g/cmの硫酸バリウム白色標準板を作製した。
(9)レジスト解像度の目視検査
ドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルムによるレジストの解像度の目視評価方法は、以下のような手順で行った。
(i)片面鏡面研磨した6インチSiウエハー上に、東京応化(株)製のネガレジスト“PMER N−HC600”を塗布し、大型スピナーで回転させることによって厚み7μmのレジスト層を作製した。次いで、窒素循環の通風オーブンを用いて70℃の温度条件で、約20分間の前熱処理を行った。
(ii)ポリエステルフィルムをレジスト層と接触するように重ね、ゴム製のローラーを用いて、レジスト層上にポリエステルフィルムをラミネートし、その上に、クロム金属でパターニングされたフォトマスクを配置し、そのフォトマスク上からI線ステッパーを用いて露光を行った。
(iii)レジスト層からポリエステルフィルムを剥離した後、現像液N−A5が入った容器にレジスト層を入れ約1分間の現像を行った。その後、現像液から取り出し、水で約1分間の洗浄を行った。
(iv)現像後に作成されたレジストパターンのL/S(μm)(Line and Space )の状態を走査型電子顕微鏡SEMを用いて1000倍率で観察した。レジストの解像度の評価は、以下の基準に従った。
○:L/S=10/10μmが明確に確認できる。
△:L/S=10/10μmは明確に確認できないが、L/S=15/15μmは明確に確認できる。
×:L/S=15/15μmが明確に確認できない。
(10)巻き取り性能
幅1000mm、長さ5000mにフィルムをスリットし、長さ1100mm、内径6インチ、肉厚7mmのFWP製コアに巻き取り、巻き状態を観察し、シワなどの外観欠点の無いものを合格とした。各10回スリットを行い巻き取り性能は次の基準で判定した。
合格率90% 以上 : ◎
合格率80% 以上90%未満 : ○
合格率60% 以上80%未満 : △
合格率50% 以上60%未満 : ×
合格率50% 未満 : ××。
[参考例1]
(1)ポリエステルペレットの作成
(ポリエステルAの作成)
テレフタル酸86.5重量部とエチレングリコール37.1重量部を255℃で、水を留出しながらエステル化反応を行う。エステル化反応終了後、トリメチルリン酸0.02重量部、酢酸マグネシウム0.06重量部、酢酸リチウム0.01重量部、三酸化アンチモン0.0085重量部を添加し、引き続いて、真空下、290℃まで加熱、昇温して重縮合反応を行い、固有粘度0.63dl/gのポリエステルペレットを得た。
(ポリエステルB、CおよびポリエステルDの作成)
さらに別に、モノマーを吸着させる方法によって得た体積平均粒子径0.3μm、体積形状係数f=0.51のジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子の水スラリーを、上記の実質的に粒子を含有しないホモポリエステルペレットに、ベント式二軸混練機を用いて含有させ、体積平均粒子径0.3μmのジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子をポリエステルに対し1重量%含有するマスターペレットを得る(ポリエステルB)。
体積平均粒子径0.45μm、0.8μmのジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子含有マスターペレットは、ポリエステルに対しそれぞれ1重量%含有するマスターペレットを同様にして得た(それぞれポリエステルC、ポリエステルD)
(ポリエステルEの作成)
上記と同様にポリエステルを製造するにあたり、エステル交換後、体積平均粒子径0.2μm、体積形状係数f=0.51、体積平均粒子径0.06μm、体積形状係数f=0.51、モース硬度7の球状シリカをそれぞれ添加し、重縮合反応を行い、粒子をポリエステルに対し1重量%含有するシリカ含有マスターペレットを得た(ポリエステルE)。なお、用いる球状シリカは、エタノールとエチルシリケートとの混合溶液を攪拌しながら、この混合溶液に、エタノール、純水、および塩基性触媒としてアンモニア水からなる混合溶液を添加し、得られた反応液を攪拌して、エチルシリケートの加水分解反応およびこの加水分解生成物の重縮合反応を行なった後に、反応後の攪拌を行い、単分散シリカ粒子を得た。
(ポリエステルFの作成)
さらに、平均粒子径1.0μmの炭酸カルシウムを準備し、10%のエチレングリコールスラリーとした。このスラリーをジェットアジターで一時間分散処理を行い、5μm以上の捕集効率95%のフィルターで高精度濾過した。
ジメチルテレフタレートに1.9モルのエチレングリコールおよび酢酸マグネシウム・4水塩を0.05%、リン酸を0.015%加え加熱エステル交換を行い、前述した炭酸カルシウムを含むスラリーをエステル交換後に添加し、引き続き三酸化アンチモン0.025%を加え、加熱昇温し真空化で重縮合反応を行い、平均粒子径1.0μmの炭酸カルシウムを1%含む、固有粘度0.63dl/gの炭酸カルシウム含有マスターペレットを得た。(ポリエステルF)。
(ポリエステルGの作成)
さらに、凝集アルミナとしてδ型−アルミナを10%のエチレングリコールスラリーとし、サンドグラインダーを用い、粉砕、分散処理を行い、さらに捕集効率95%の3μmフィルターを用いて濾過し、これを前記と同様に調整したエステル交換反応物に添加し、引き続き三酸化アンチモンを加え、重縮合反応を行い、凝集アルミナを2%含有する、固有粘度0.62dl/gのマスターペレットを得た。(ポリエステルG)
(2)ポリエステルペレットの調合
A層、B層、C層それぞれの層の押出機に供給するポリエステルペレットは、以下の比率(組成)にて調合する。なお以下に記載する比率は、おのおのの層を構成するポリエステルペレットに対する重量比(単位:重量%)である。
A層
ポリエステルA:41.4
ポリエステルE:10.0
ポリエステルG:48.6。
B層
ポリエステルA:94.6
ポリエステルB: 2.4
ポリエステルD: 3.0。
C層
ポリエステルA:100
(3)二軸配向ポリエステルフィルムの製造
先述の、各層について調合した原料を、ブレンダー内で攪拌した後、A層、B層の原料は攪拌後の原料を、A層用、B層用のベント付き二軸押出機に供給し、C層の原料は160℃で8時間減圧乾燥し、B層用の一軸押出機に供給した。275℃で溶融押出し、5μm以上の異物を95% 以上捕集する高精度なフィルターにて濾過した後、矩形の3層用合流ブロックで合流積層し、層A、層B、層Cからなる3層積層とした。その後、285℃に保ったスリットダイを介し冷却ロール上に静電印可キャスト法を用いて表面温度23℃のキャスティングドラムに巻き付け冷却固化して未延伸積層フィルムを得る。
この未延伸フィルムを表面粗さRaが0.2μmの延伸ロールを用い、110℃で長手方向4.2倍に延伸した。この時、延伸部におけるロールとフィルムのトータルの接触時間は0.03秒とした。さらに、引き続いてステンタにて115℃の熱風下で幅方向に4.5倍延伸後、定長下、215℃で4秒間熱処理し、その後長手方向に0.1%、幅方向に3.2%の弛緩処理を施し、厚さ16μmの二軸延伸フィルムの中間製品を得た。この中間製品をスリッターにてスリットし、厚さ16μmの二軸延伸フィルムのロールを得る。この二軸延伸フィルムの積層厚みを測定した結果、A層:1.01μm、B層:14.36μm、C層:0.63μmであった。得られたフィルムの評価結果を表2に示した。
[実施例2〜4、比較例1〜4]
層A、層B、層Cの組成、長手方向の延伸倍率、長手方向の延伸時のロールとフィルムの接触時間を表1に記載のように変更する以外は参考例1と同様にして二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの積層厚みの結果を表1に、フィルムの評価結果を表2に示した。
Figure 0006432283
Figure 0006432283
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、良好な透過・反射特性と易滑性を有するため、ドライフィルムレジスト支持体用に好適に用いることができる。また、本発明の反射特性を用いて、窓貼り用フィルム、水無し平板用基材フィルム、液晶配向膜の支持体用フィルムなどの用途にも好適に使用することができる。

Claims (4)

  1. 3層以上の積層構造を有するポリエステルフィルムであり、
    フィルム全体厚みT(μm)が24.50〜50μmであり、
    フィルムヘイズが1.0%未満であり、
    一方の面(該面を表面(A)とする)の表面粗さSRa(A)が7nm以下且つSRz(A)が100nm未満であり、
    もう一方の面(該面を表面(B)とする)は表面粗さSRa(B)が3nm以上10nm未満で且つSRz(B)が100nm以上700nm未満であり、
    表面(B)側から光を入射させたときの波長365nm及び405nmにおける反射率がともに14%未満であることを特徴とするドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 表面(A)を有するポリエステル層(該層をA層とする)に粒子が含まれており、当該粒子の最大粒子径DAがDA<0.4μmであり、
    表面(B)を有するポリエステル層(該層をB層とする)に粒子が含まれており、当該粒子の最大粒子径DBが0.4μm≦DB<1.0μmであり、
    かつフィルム全体厚みT(μm)としたとき、DB/T≦0.05であることを特徴とする請求項1に記載のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 表面(A)上にレジスト層を積層して用いる請求項1または2に記載のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 共押出し法により溶融製膜して得ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
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