JP2003344038A - 塗膜の厚さ測定方法および測定装置と塗膜形成部材の製造方法 - Google Patents
塗膜の厚さ測定方法および測定装置と塗膜形成部材の製造方法Info
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Abstract
膜形成直後のウエットの膜厚分布を非接触で安定して高
精度に測定する方法および測定装置、ならびにこれらの
装置および方法を使用した塗膜形成部材の製造方法やプ
ラズマディスプレイ用部材の製造方法を提供する。 【解決手段】基板表面と平行な方向における任意の位置
Xでの塗膜形成前の基板表面の高さをHa(x)、塗膜
形成後の基板表面の高さをHb(x)とし、その差から
塗膜の厚さを求める塗膜の厚さ測定方法であって、位置
Xから一定範囲内における少なくとも2箇所以上の塗膜
形成前の基板表面の高さの平均値をHam(x)、位置
Xから一定範囲内における少なくとも2箇所以上の塗膜
形成後の基板表面の高さの平均値をHbm(x)とした
とき、Ha(x)としてHam(x)を、Hb(x)と
してHbm(x)を用いて塗膜の厚さを求めることを特
徴とする塗膜の厚さ測定方法。
Description
ディスプレイパネル、カラー液晶ディスプレイ用カラー
フィルタ、光学フィルタ、プリント基板、集積回路、半
導体等の製造分野に使用されるものであり、詳しくはガ
ラス基板などの被塗膜形成表面に塗膜を形成する際に、
非接触で膜厚を測定する方法および測定装置、ならびに
これらの装置および方法を使用した塗膜形成部材の製造
方法、ならびにプラズマディスプレイパネルの製造方法
に関するものである。
次第に多様化してきているが、現在注目されているもの
の一つが、従来のブラウン管よりも大型で薄型軽量化が
可能なプラズマディスプレイである。これは、ガラス基
板に一定ピッチでストライプ状に一方向にのびる溝をも
つ隔壁をガラス基板上に構成し、さらにこの隔壁の溝に
R、G、Bの蛍光体を充填し、充填した任意の部位を紫
外線により発光させ、所定のカラーパターンを写し出す
ものである。通常、隔壁のある方が背面板、発光させる
部位を決める電極がある方が前面板と呼ばれており、両
者を貼りあわせてプラズマディスプレイとして構成され
る。
成方法としては、隔壁ペーストを均一に塗布して塗膜を
形成し、乾燥後に、所定ピッチのストライプ状の溝を、
サンドブラスト法やフォトリソグラフィー法等の後加工
によって彫り込み、焼成することが主流である。隔壁の
塗膜の厚さは、焼成後でも100〜200μmと厚く、
この膜厚に千〜数万cpsの隔壁ペーストを均一に塗布
する手段としては、スクリーン印刷法、ロール法やダイ
コート法等が使用されている。
壁膜の形成を連続して行う時には、最初に塗膜の膜厚分
布を測定して塗膜形成条件の確認をするが、通常は乾燥
後に塗膜の厚さ分布を測定するために、乾燥終了まで3
0分程度待たねばならない。したがって、生産性を向上
させるためには、塗膜形成直後のウェット状態で膜厚分
布を測定できるようにして、待機時間を大幅に削減させ
ることが必要である。特開2000-197844号公報には、待
機時間を大幅に削減するために、ガラス基板の載置台上
からの高さを塗膜形成前とウェット塗膜形成直後に検出
し、両者の差分により膜厚を算出する手段が記載されて
いる。
膜厚を算出する手段を隔壁用塗膜形成工程に適用する
と、隔壁塗膜形成直後では塗膜がウェットの状態である
ので、隔壁塗膜が形成された背面板表面の高さの検出は
レーザなどの非接触の手段で行う必要がある。
面板基板の表面には誘電体の層が形成されている。この
誘電体層の表面には数μmの段差の凹凸がある。このよ
うに表面が凹凸形状であるとレーザ反射光の光軸が変動
して検出が不安定になり、検出誤差を生じやすい。実際
にレーザ反射光方式の検出器により高さを検出すると数
μmの凹凸が数10μmに拡大されてしまう。
厚分布の測定はμm単位で高精度に行う必要があるにも
関わらず、単純に既存の方法で測定すると数10μm程
度の誤差が生じ、正確に膜厚分布を測定できない。
凹凸形状をしているものでも、μm単位の高精度で安定
して短時間に塗膜の膜厚分布を測定できる手段が望まれ
ていた。
基づいて行ったもので、その目的とするところは、基板
の表面が凹凸形状をなすものであっても、塗膜形成直後
のウエットの膜厚分布を非接触で安定して高精度に測定
する方法および測定装置、ならびにこれらの測定方法お
よび測定装置を使用した塗膜形成部材の製造方法ならび
にプラズマディスプレイ用部材の製造方法を提供するこ
とにある。
段によって達成される。本発明の塗膜の厚さ測定方法
は、基板表面と平行な方向における任意の位置Xでの塗
膜形成前の基板表面の高さをHa(x)、塗膜形成後の
基板表面の高さをHb(x)とし、その差から塗膜の厚
さを求める塗膜の厚さ測定方法であって、位置Xから一
定範囲内における少なくとも2箇所以上の塗膜形成前の
基板表面の高さの平均値をHam(x)、位置Xから一
定範囲内における少なくとも2箇所以上の塗膜形成後の
基板表面の高さの平均値をHbm(x)としたとき、H
a(x)としてHam(x)を、Hb(x)としてHb
m(x)を用いて塗膜の厚さを求めることを特徴とす
る。
間の長さを、前記平均値Hbm(x)を求める区間の長
さよりも長くすることが好ましい。
成前後における基板表面の高さを検出する高さ検出手段
と、前記基板と高さ検出手段とを基板の表面と平行な方
向に相対的に移動させる手段と、基板の表面と平行な方
向における任意の位置Xにおけるその基板表面の塗膜形
成前の高さHa(x)および塗膜形成後の高さHb
(x)をそれぞれ位置Xから一定範囲内における少なく
とも2箇所以上の塗膜形成前の基板表面の高さの平均値
Ham(x)、位置Xから一定範囲内における少なくと
も2箇所以上の塗膜形成後の基板表面の高さの平均値H
bm(x)に置換する手段と、(Hbm(x)−Ham
(x))を演算する手段とを設けたことを特徴とする。
の厚さ測定装置を有することを特徴とする。
する塗膜形成部材の製造方法は前記した塗膜の厚さ測定
方法を用いることを特徴とする。塗膜形成部材はプラズ
マディスプレイ用部材であることが好ましい。
態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明
のダイコータ1の概略正面図である。ダイコータ1は塗
膜の厚さ測定装置2と、塗布部3と、基板50を移動さ
せる基板移動装置4とから構成されており、全体コント
ローラ60によってそれぞれの動作が制御される。
50を載置する載置台41がナット状の連結部43を介
してボールネジ42に連結されており、ACサーボモー
タ44の駆動によって載置台41は位置Aと位置Bの間
を所定の速度で往復移動できる。
液を吐出するダイである塗布器30が、塗布器支持部3
1により支柱45に支持されており、また塗布器30は
図示しない昇降手段によって自在に上下移動できる。
リアランスを設け、一定速度で基板50を位置Aから位
置Bへ基板移動装置4で移動させる時に、図示しない供
給装置より塗液を塗布器30に供給すると、塗布器30
より塗液が基板50に向かって吐出され、基板50上に
塗膜が形成される。
置台41からの高さを検出する高さ検出器10と、高さ
検出器10で検出した高さデータを収集して記憶するデ
ータ収集器11と、高さデータを平均処理する平均処理
器12と、平均処理したデータから膜厚分布を算出する
膜厚算出器13とからなる。高さ検出器10は高さ検出
器支持部材14を介して支柱45に固定されている。
始、終了、データ収集器11へのデータの収集開始、終
了など、厚さ測定装置2の動作は、基板移動装置4の載
置台41の位置をリアルタイムで監視し、所定の位置に
到着するタイミングで全体コントローラ60によって制
御される。
塗布器30の昇降、および塗液供給開始、終了の制御も
行う。
レーザ方式、静電容量方式、超音波式など非接触方式が
好ましいが、特にレーザフォーカス式のものが非接触で
外乱の影響を受けにくいので好ましい。レーザフォーカ
ス式とは、レーザの反射光が通過する対物レンズを常時
高速で往復動させておき、反射光をピンポイントで受光
できる受光部で検知した時の対物レンズの位置より、対
象物との距離を知る原理のものである。高さ検出器10
からのデータの出力形式としては、デジタル信号形式、
アナログ電圧信号形式、アナログ電流信号形式などがい
ずれでもよいが、アナログ形式が出力応答性が高く好ま
しい。レーザ方式による高さ検出器では、レーザを放射
開始した直後はレーザの放射や検出回路が不安定であ
り、誤検出しやすい。誤検出を回避するために、レーザ
は常時放射すると共に、高さ検出データも常時出力して
おき、必要な時にのみデータ収集器11で高さデータを
取り込むことが好ましい。
出した高さデータを収集して記憶する機能があれば良い
が、さらに外部からの信号により高さデータの収集開
始、終了処理を行う機能と、高さデータの収集周期と回
数をあらかじめ全体コントローラ60から自在に設定で
きる機能を備えていることが、より好ましい。
された高さデータを取り出し、所定位置Xを含む前後の
区間の高さデータから平均値を演算し、演算結果を所定
位置Xの高さデータとして記憶する。
0から塗布前と塗布後とで個別に平均処理器12に設定
される。
処理された塗布前後の高さデータを取り出し、その差を
演算して膜厚を算出する。
用の単能機器であってもよいが、汎用性とコスト面から
コンピュータで構成されることが好ましく、ノート型ま
たはデスクトップ型のパソコンと汎用のソフトウェア言
語によって作られた専用ソフトで駆動されるものであれ
ばさらに好ましい。このようにパソコンで構成した場
合、データ収集器11はパソコンと簡便に接続できるも
のが好ましい。
45に塗布器30を含む塗布部3と塗膜の厚さ測定装置
2を取り付ける構成にしているので、載置台41の移動
ストロークが短くて済み、省スペース化が可能となる。
また同じ載置台41に基板50を載置したまま塗布と測
定を行うようにしているので、基板載置替えによる高さ
変動が無く、高い精度で測定が行える。
コータ1に適用した場合について説明する。この塗膜の
厚さ測定方法は(1)塗布前の基板表面高さ分布の測
定、(2)塗布、(3)塗布後の基板表面高さ分布の測
定、(4)塗布厚さ算出、の工程からなる。以下、順に
説明する。
の所定の位置に載置し、図示しない吸着孔からの吸引力
により載置台41に密着させておく。つぎにACサーボ
モータ44の駆動によりボールネジ42を回転させて、
載置台41を図1の位置Aより所定速度で高さ検出器1
0の下を通過するようにして、位置Bまで移動させる。
いるときに、高さ検出器10から出力される基板50表
面の各位置における高さデータを、データ収集器11に
収集記憶する。
に記憶された高さデータを、各位置ごとに定められた区
間で平均処理した値に置換し、塗布前の高さ分布S1と
して記憶する。以上の処理の間に、載置台41は基板5
0を載置したまま位置Aに移動する。
塗布器30の先端と基板50表面との間に一定の隙間を
設ける。
を、図1の位置Aから位置Bに向かって一定速度で移動
させる。
に到達した時に、塗布器30の吐出口から塗液を吐出し
て、基板50上に塗布を開始する。そして基板50の塗
布終了位置が塗布器30の下に来たら、塗布器30から
の塗液の吐出を停止するとともに塗布器30を上昇させ
る。そして載置台41が位置Bに到着したら、位置Aに
移動して塗布工程は完了する。
様に、次のように塗布後の基板表面高さ分布の測定を行
う。
より移動開始して所定速度で高さ検出器10の下を通過
させ、位置Bまで移動させる。基板50が高さ検出器1
0の下を通過しているときに、基板50の表面高さデー
タをデータ収集器11に収集記憶する。
に記憶された高さデータを取り出し、各位置ごとに定め
られた区間で平均処理した値を塗布後の高さ分布S2と
して記憶する。
布後の基板表面高さ分布の測定、の工程で得たそれぞれ
の高さ分布S1とS2の差を膜厚算出器13で演算して
塗膜の厚さ分布を得る。算出した塗膜の厚さ分布は、必
要に応じて図示しない記憶器などに、例えば各基板に対
応した膜厚分布として記憶する。
布の測定(3)塗布後の基板表面高さ分布の測定(4)
塗布厚さ算出の工程における、「高さデータの収集」、
「平均処理」、「塗布膜厚の算出」の方法についてより
詳しく以下に説明する。
力される高さデータのデータ収集器11による収集は次
のようにして行う。図1の載置台41を位置Aを原点と
して位置Bに移動させるとき、ACサーボモータに備え
ている図示しないエンコーダでは、その移動量を検知し
て全体コントローラ60に逐次送る。基板50の先頭が
高さ検出器10の直下にくる時のエンコーダの移動量を
予め全体コントローラ60に設定しているので、全体コ
ントローラ60は基板50の先頭が高さ検出器10の直
下に来たと判断したら、データ収集器11に到着信号を
送る。データ収集器11は到着信号により高さデータの
収集と記憶を開始する。
するピッチp1と載置台41の移動速度v1とから、f
1=v1/p1より与える。移動速度v1は1〜20m
/minが望ましく、この範囲より小さいと生産タクト
が長くなり、逆に大きくなるとその速度に達するまでの
助走距離が長くなるために装置が大きくなってしまうと
いう不都合がある。ピッチp1は0.1〜1mm程度で
あることが望ましく、これより短いとデータ処理に時間
がかかったり記憶容量が膨大になってしまう。逆にこれ
より長いと測定間隔が大きすぎて正確な基板表面高さ分
布を得ることができない。以上の移動速度v1とピッチ
p1の望ましい範囲より、データ収集周期f1は好まし
くは10Hz〜4KHz、より好ましくは50Hz〜1
KHzである。
さLgと検出したいピッチp1とから、n=Lg/p1
より与えられる。
前の高さデータは、この基板位置Pti、i=1〜nに
対応する高さデータHa(Pti)、i=1〜nとして
記憶される。
行わない場合の塗布前の基板表面の高さ分布図である。
ここで、塗布前の基板表面が誘電体層が付与された状態
の基板表面高さHa(Pti)を、そのまま基板位置P
tiに対してプロットした分布S1’を線で示してい
る。分布S1’は数10μmの大きな凹凸となっている
が、実際には破線で表すような滑らから分布であり、数
μm程度の微細な凹凸が拡大されて誤差が大きくなって
いる。これは基板上の微細な凹凸によって、レーザ反射
光の光軸が変動して正しく受光できていないためであ
る。
iの前後位置の高さデータを用いて平均処理し、基板位
置Ptiでの高さ平均Ham(Pti)とする。
個数をj1、後方向の個数をj2とするので、基板位置
Ptiも含めると平均個数m=j1+j2+1となる。
そしてこのj1、j2、mをコントローラ60よりあら
かじめ設定しておく。
=1〜nを演算する方法は基板位置Ptiによって異な
り、式(1)〜式(3)に示す通りとなる。
がある基板位置Ptiの場合、すなわちj1<i≦n−
j2の時は、式(1)により演算する。
tiの場合、すなわちi≦j1の時は、式(2)により
存在する個数の高さデータより演算する。
うにj1=j2=iとしてもよい。
Ptiの場合、すなわちi>n−j2の時は、式(3)
により存在する個数の高さデータより演算する。
うにj1=j2=n−iとしてもよい。
た高さ平均Ham(Pti)、i=1〜nを基板位置P
tiに対してプロットした分布S1を図3に示す。この
分布S1は平均化処理により、誤差の拡大化が防止され
ていることがわかる。
は5個から200個が好ましい。この範囲内であると適
正な精度と時間にて平均処理が行える。
板表面高さを検出した同じ基板位置Pti、i=1〜n
における塗布後の基板表面高さデータHb(Pti)、
i=1〜nをデータ収集器11で収集して記憶する。
対する塗布後の高さデータHb(Pti)をプロットし
て分布S2’としたものを図4に示す。分布S2’は実
際には破線で示す数μm程度の微細な凹凸であるものが
拡大されて実線で示す5μm程度の大きな凹凸となり、
誤差が大きくなる。
の、塗膜上の僅かなな凹凸によってレーザの反射光の光
軸が変動して正しく受光できていないためである。
板位置Ptiの位置の前後位置の高さデータを用いて平
均処理し、基板位置Ptiでの高さ平均Hbm(Pt
i)とする。平均個数は基板位置Ptiより前方向の個
数をj1、後方向の個数をj2、トータルの平均個数m
=j1+j2+1とし、これをあらかじめコントローラ
60により平均処理器12に設定しておく。具体的に高
さ平均Hbm(Pti)、i=1〜nを得る平均処理方
法は基板位置Ptiにより異なり、式(4)〜(6)に
示す通りとなる。
がある基板位置Ptiの場合、すなわちj1<i≦n−
j2の時は、式(4)により演算する。
tiの場合、すなわちi≦j1の時は、式(5)により
存在する個数の高さデータより演算する。
うにj1=j2=iとしてもよい。
Ptiの場合、すなわちi>n−j2の時は、式(6)
により存在する個数の高さデータより演算する。
うにj1=j2=n−iとしてもよい。
た高さ平均Hbm(Pti)、i=1〜nを基板位置P
tiに対してプロットした高さ分布S2を図5に示す。
この高さ分布S2より平均化処理により、誤差の拡大化
が防止されていることがわかる。
さは、前方向の個数j1、後方向の個数j2を変えるこ
とによって変わる。すなわち、j1,j2が大きくなれ
ば区間の長さは長くなりj1,j2が小さくなれば区間
の長さは短くなる。また、j1,j2は基板表面の状況
によって変えてもよい。誘電体層などがある基板の表面
などでは凹凸があると、高さデータは検知誤差により実
際の凹凸より大きくなっているので、j1,j2の値は
大きくし、平均個数を多くして実凹凸形状を得るように
する。このときのj1,j2の値はともに10〜100
の範囲であることが好ましい。
ので、j1,j2の回数は少なくして高速に実際の表面
高さを得る。このときのj1,j2の値はともに1〜1
0の範囲であることが好ましい。また、これによって平
均値を求める平均個数、すなわち区間長さは塗布後より
も塗布前の方を長くすることが好ましい。
布前と塗布後とで個別に平均個数、すなわち平均値を求
める区間長さを設定することで、過剰な平均処理による
高さ分布の変形や処理時間の増加、または過小な平均処
理により誤差が縮小されないと言った問題が解消され
る。
算出は、塗布前後の基板表面の高さ平均Hbm(Pt
i)、Ham(Pti)を用いて(式7)にて求める。
i)、i=1〜nから得た膜厚分布S3を図6に示す。
塗布前後の基板表面の高さを適正に平均処理をしている
ので、変動幅が小さく精度の高い膜厚分布が得られる。
本発明による平均処理を行わないで算出した場合の膜厚
分布S3’を図7の実線で示す。膜厚分布S3’は数1
0μmの変動幅を有しており、点線で示す真の膜厚分布
と大きく異なる。
動することによって高さ分布を得たが、高さ検出器10
を移動させる方式であってもよい。さらに載置台41の
移動方向の基板表面の高さ分布を測定する時は載置台4
1を移動し、載置台41の移動方向の直行方向、すなわ
ち基板50の幅方向の基板表面の高さ分布を測定する時
は、高さ検出器10を移動させる組み合わせであっても
よい。
装置2をダイコータ1に適用した例であるが、塗膜の厚
さ測定装置2をロールコータやスクリーン印刷機に適用
し、塗膜形成前後の高さから膜厚分布を得ることもでき
る。また、特に2次元的な測定にとどまらず、3次元的
な測定に用いることもできる。
340mm×440mm×厚さ2.8mmのソーダガラ
ス基板上の全面に感光性銀ペーストを5μmの厚さにス
クリーン印刷した後で、フォトマスクを用いて露光し、
現像および焼成の各工程を経て、ピッチ220μmでス
トライプ状の1920本の銀電極を形成した。その電極
上にガラスとバインダーからなるガラスペーストをスク
リーン印刷した後に、焼成して10μm厚さの誘電体層
を形成した。
せて10m/minの速度で移動させ、基板の先頭から
終端部までの基板表面高さ分布を200Hz周期、すな
わち0.83mmピッチで検出し、これをj1=j2=
10に設定し平均個数21個で平均処理した結果を塗布
前の基板表面の高さ分布S1として記憶した。
mm、リップ間隙(シム厚さ)500μmのダイを用
い、ダイの下面とガラス基板上の誘電体層との隙間が3
50μmになるようにダイを下降させた後に、ガラス粉
末と感光性有機成分からなる粘度20000cpsの感
光性ガラスペーストを塗布厚さ300μmで塗布速度1
m/分にて塗布し、隔壁層を形成した。
10m/minの速度で移動させながら塗布面の高さ分
布を200Hzの周期、すなわち0.83mmピッチで
検出し、これをj1=j2=1とし、トータル平均個数
3個で、平均処理した結果を塗布後の高さ分布S2とし
て記憶した。
布S1、S2との差分をとって膜厚分布を算出したとこ
ろ、300±10μmとなり目標の300±5μmを大
きく上回った。初期のガラスペーストの粘度が不安定で
あることが原因と推定されたので、ガラスペーストを1
0リットルだけダイから吐出して廃棄し、再度(1)塗
布前の基板表面高さ分布の測定、(2)塗布、(3)塗
布後の基板表面高さ分布の測定、(4)塗布厚さ算出、
を3回繰り返した。その結果、3回とも塗布厚さが許容
値300μm±5μmとなった。塗布厚さ分布が許容値
内にあることを確認できたので、誘電体層を形成した基
板に連続してガラスペーストを塗布し、ついで輻射ヒー
タを用いた乾燥炉で、100℃で20分間乾燥した。乾
燥後の隔壁塗膜厚さ分布を基板全面にわたって塗布方向
に測定したところ、140μm±3μmの許容範囲以下
となった。ついで隣にあった電極間に隔壁が形成される
ように設計されたフォトマスクを用いて隔壁層を形成し
た基板を露光し、現像と焼成を行ってストライプ状の隔
壁を形成した。隔壁の形状はピッチ220μm、線幅3
0μm、高さ130μmであり、隔壁本数は1921本
であった。この後、R、G、Bの蛍光体ペーストを順次
スクリーン印刷によって塗布して、80℃15分で乾燥
後、最後に460℃15分で焼成し、欠陥のないプラズ
マディスプレイの背面板を作成できた。得られたプラズ
マディスプレイ背面板の表面品位は申し分ないものであ
った。つぎにこのプラズマディスプレイ背面板と前面板
を合わせ、封着後、Xe5%、Ne95%の混合ガスを
封入し、駆動回路を接続して、プラズマディスプレイパ
ネルを得た。
た時間は10秒であった。従来は輻射ヒータで乾燥して
冷却した後に測定するので30分かかっており、ほぼ3
0分の時間短縮が行えた。 (比較例)任意の位置の基板表面高さをその前後の位置
での基板表面高さを用いて平均化処理せずそのまま使用
して、塗布前後の基板表面高さ分布S1,S2を求めた
他は、全く実施例と同じようにしてプラズマディスプレ
イ背面板を製作した。
パターンが塗布直後と乾燥後の測定で大きく異なったた
めに、すべて乾燥後の塗膜の厚さ分布で塗布条件を確定
するようにした。
布条件を確定した場合と比べて約30分のロスとなっ
た。
差から塗膜厚さを求める時に、任意の位置での基板表面
の高さを、任意の位置を含む区間での基板表面の高さの
平均値で代表させるようにしたので、基板の表面に微細
な凹凸形状を有するものであっても、高い精度で基板に
形成される塗膜の厚さを導出することができる。
長さは、検出する対象の状況に合わせて塗布前の長さを
塗布後より長くするようにしたので、より精度よくしか
も効率的に膜厚を導出することができる。
凸形状を有する基板に塗布する場合でも、塗布直後に非
接触で安定して精度良く膜厚を測定することができるの
で、従来のように後工程の乾燥後に膜厚を測定する方法
に比べて大幅に塗布前の条件出し時間を短縮し、それに
より塗布運転時間が増加することで生産性を向上させる
ことができる。
方法および装置を用いてプラズマディスプレイ用部材を
製造するのであるから、高品質のプラズマディスプレイ
用部材を高い生産性で得ることができる。
の概略正面図である。
板表面の高さ分布図である。
表面の高さ分布図である。
板表面の高さ分布図である。
表面の高さ分布図である。
ある。
である。
Claims (6)
- 【請求項1】基板表面と平行な方向における任意の位置
Xでの塗膜形成前の基板表面の高さをHa(x)、塗膜
形成後の基板表面の高さをHb(x)とし、その差から
塗膜の厚さを求める塗膜の厚さ測定方法であって、位置
Xから一定範囲内における少なくとも2箇所以上の塗膜
形成前の基板表面の高さの平均値をHam(x)、位置
Xから一定範囲内における少なくとも2箇所以上の塗膜
形成後の基板表面の高さの平均値をHbm(x)とした
とき、Ha(x)としてHam(x)を、Hb(x)と
してHbm(x)を用いて塗膜の厚さを求めることを特
徴とする塗膜の厚さ測定方法。 - 【請求項2】Ham(x)を求める範囲を、Hbm
(x)を求める区間の範囲よりも広くすることを特徴と
する請求項1に記載の塗膜の厚さ測定方法。 - 【請求項3】塗膜の形成前後における基板表面の高さを
検出する高さ検出手段と、前記基板と高さ検出手段とを
基板の表面と平行な方向に相対的に移動させる手段と、
基板の表面と平行な方向における任意の位置Xにおける
その基板表面の塗膜形成前の高さHa(x)および塗膜
形成後の高さHb(x)をそれぞれ位置Xから一定範囲
内における少なくとも2箇所以上の塗膜形成前の基板表
面の高さの平均値Ham(x)、位置Xから一定範囲内
における少なくとも2箇所以上の塗膜形成後の基板表面
の高さの平均値Hbm(x)に置換する手段と、(Hb
m(x)−Ham(x))を演算する手段とを設けたこ
とを特徴とする塗膜の厚さ測定装置。 - 【請求項4】請求項3に記載の装置を有することを特徴
とするダイコータ。 - 【請求項5】請求項1または2の方法を用いて塗膜形成
部材を製造する塗膜形成部材の製造方法。 - 【請求項6】塗膜形成部材がプラズマディスプレイ用部
材であることを特徴とする請求項5に記載の塗膜形成部
材の製造方法。
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