JP2003342520A - 熱硬化性粉体塗料組成物 - Google Patents

熱硬化性粉体塗料組成物

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JP2003342520A JP2002154406A JP2002154406A JP2003342520A JP 2003342520 A JP2003342520 A JP 2003342520A JP 2002154406 A JP2002154406 A JP 2002154406A JP 2002154406 A JP2002154406 A JP 2002154406A JP 2003342520 A JP2003342520 A JP 2003342520A
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    • C09D129/00Coating compositions based on homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an alcohol, ether, aldehydo, ketonic, acetal, or ketal radical; Coating compositions based on hydrolysed polymers of esters of unsaturated alcohols with saturated carboxylic acids; Coating compositions based on derivatives of such polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D163/00Coating compositions based on epoxy resins; Coating compositions based on derivatives of epoxy resins

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】一般的な粉体塗料の製造プロセス、つまり、溶
融混練、冷却固化、粉砕、分級のプロセスを変更するこ
となく、粉体塗料を構成する成分、特に樹脂成分と硬化
剤成分との混合・分散性を改良することにより、得られ
る熱硬化性粉体塗料組成物からなる塗膜を熱硬化させた
場合に、外観特性(高光沢等)、物理特性(硬度、擦傷
性等)、化学特性(耐酸性、耐溶剤性等)、とりわけ擦
傷性が改善された熱硬化塗膜が得られ、自動車等の車
体、及び車両用部品の塗装用塗に好適に用いられる熱硬
化性粉体塗料組成物を提供する。 【解決手段】グリシジル基及び/又はβ−メチルグリシ
ジル基を有するエチレン性不飽和単量体を含むモノマー
を(共)重合することにより得られるグリシジル基含有
アクリル樹脂(A)、多価カルボキシル硬化剤(B)、
スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加体
(C)を含有してなり、得られる硬化塗膜の60度光沢
値が80以上を示す熱硬化性粉体塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性粉体塗料
組成物に関し、さらに詳細には、本発明は、得られる熱
硬化塗膜が優れた外観特性(高光沢等)、物理特性(硬
度、擦傷性等)、化学特性(耐酸性、耐溶剤性等)を有
し、とりわけ擦傷性が改良されており、自動車等の車
体、及び車両用部品の塗装用途に好適であるような熱硬
化性粉体塗料樹脂組成物、特にアクリル系粉体塗料組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱硬化性粉体塗料は、溶剤排出の極めて
少ない環境対応型塗料であり、特にVOC(Volatile O
rganic Compound、揮発性有機化合物)排出規制の厳し
い欧米を中心に市場が拡大している。熱硬化性粉体塗料
は、大きくポリエステル粉体塗料、エポキシ粉体塗料、
ポリエステル・エポキシハイブリッド粉体塗料、及びア
クリル粉体塗料の4つに分類されるが、それぞれの価
格、性能に応じた様々な用途で市場展開が図られてい
る。これらの粉体塗料のうちで、一般に、アクリル粉体
塗料は、アクリル樹脂が本来有する高い透明性と耐候性
を生かして、車両外装等の屋外使用を想定した意匠用塗
料として利用されている。
【0003】車両外装用塗料として用いる場合には、得
られる熱硬化塗膜には、高光沢を有することに加え、各
種の高い性能が要求される。例えば、洗車ブラシや砂、
ホコリによって生じる傷つきに対する抵抗性(擦傷
性)、酸性雨に対し化学的に変質しない性質(耐酸
性)、ガソリン、等の有機溶剤に対し犯されない性質
(耐溶剤性)等、が重要な性能となる。代表的なこれら
の性能について、残念ながら、アクリル粉体塗料は、従
来から使用されてきたアクリル溶剤型塗料に比べ必ずし
も優れていない。特に、擦傷性の改良が大きな課題とし
て存在する。アクリル粉体塗料に於ける塗膜の擦傷性の
改良は、グリシジル基含有アクリル樹脂と多価カルボキ
シル硬化剤とからなる熱硬化性粉体塗料を中心に種々検
討されている。その理由としては、この組み合わせ(グ
リシジル基含有アクリル樹脂と多価カルボキシル硬化剤
との組み合わせ)が、平滑で高光沢な塗膜を得易いこと
と、グリシジル基/カルボキシル基との硬化形式が、本
質的に耐酸性に優れること等が挙げられる。
【0004】熱硬化性粉体塗料において、これまで行わ
れてきた擦傷性を改良するためのアプローチは、大きく
は3つに分類され、第1は、特定の硬化剤の選定により
塗膜の架橋密度を向上させる方法であり、第2は、特定
の硬質粒子を添加剤として配合し、塗膜の硬度を向上さ
せる方法であり、第3は、グリシジル基含有アクリル樹
脂の変性等により、塗膜表面にスリップ機能を付与する
方法である。
【0005】まず、擦傷性を改良する第1の方法であ
る、特定の硬化剤の選定により塗膜の架橋密度を向上さ
せる方法としては、例えば、(A):EP696622
が挙げられ、該公報(A)では、脂肪族二塩基酸硬化剤
と、その脱水縮合により得られる線状ポリ酸無水物硬化
剤とを併用している。ここでは、グリシジル基含有アク
リル樹脂中のグリシジル基が、脂肪族二塩基酸及びその
無水物中のカルボキシル基とが一段目に反応し、この時
生成した2級水酸基が、線状ポリ酸無水物中のカルボン
酸無水物基と二段目に反応することで、架橋密度の向上
が達成されている。また、(B):特開平9−1370
83号公報では、TGIC(トリグリシジルイソシアヌ
レート)とドデカン二酸との反応により得られる2〜3
官能のカルボキシル硬化剤が用いられ、架橋密度の向上
が達成されている。
【0006】また、擦傷性を改良する第2の方法であ
る、特定の硬質粒子を添加剤として配合し、塗膜の硬度
を向上させる方法では、粉体塗料の種類に特に制限はな
く、例えば、(C):EP853095では、平均粒子
径5.5ミクロン以下のアルファアルミナ微粒子が添加
剤として配合され、また、DE19857316では、
平均粒子径100ナノメーター以下のナノスケールセラ
ミックス微粒子が添加剤として配合されており、いずれ
も塗膜の硬度が向上されている。
【0007】次に、擦傷性を改良する第3の方法として
は、グリシジル基含有アクリル樹脂の変性等により、塗
膜表面にスリップ機能を付与する方法が挙げられる。こ
のような方法としては、例えば、(D):特開平8−2
311894号公報や(E):WO9515347が挙
げられる。これら公報では、グリシジル基含有アクリル
樹脂を構成するエチレン性不飽和単量体としてシリコン
系のマクロモノマーが共重合されている。また、
(F):EP897962では官能性を有するシロキサ
ンポリマーにより、グリシジル基含有アクリル樹脂中の
グリシジル基が部分的に変性されている。これらはいず
れも塗膜の擦傷性の改良に効果を有するが、実用面で
は、未だ、解決すべき多くの問題を残しており、充分で
ない。
【0008】そこで本発明者らは、これらの何れとも異
なる第4のアプローチである、粉体塗料を構成する成分
の相互溶解性の改善、特に樹脂成分と硬化剤成分との相
互溶解性の改善を図り、これら成分の混合・分散性の改
良を図ることにより、熱硬化性粉体塗料組成物の熱硬化
反応率を最大限高めれば、擦傷性などに著しく優れた熱
硬化塗膜が得られるのではないかと想定し、鋭意研究を
重ねた。
【0009】その理由をさらに詳説すれば、一般に、粉
体塗料は、原料である常温で固形の樹脂成分と、常温で
固形の硬化剤成分、及び適当な添加剤とを押出し混練機
(エクストルーダー)等により、加熱溶融状態で機械的
に溶融混練し、さらに、冷却固化、粉砕、分級の工程を
経て製造される。この溶融混練操作は、通常、熱硬化反
応が実質的に生じない温度および滞留時間で行われ、例
えば、アクリル粉体塗料の場合、通常60〜130℃の
範囲で行われる。しかしながら、この温度範囲では、樹
脂成分、硬化剤成分、及び添加剤成分の全てが、必ずし
も完全に融解された状態にはなく、分子レベルまでの十
分な混合・分散状態にまでは達していないと思われる。
【0010】これに対して、VOC排出規制などの点で
の問題は存在するものの、アクリル溶剤型塗料では、有
機溶媒の使用により、樹脂成分、硬化剤成分が分子レベ
ルで混合・分散されている。このために、熱硬化性粉体
塗料から得られる塗膜の擦傷性等の塗膜性能が、溶剤型
のアクリル塗料から得られる塗膜などに比して劣る原因
の一つではないかと想定された。
【0011】なお、樹脂成分と硬化剤成分の混合・分散
状態を改良する為の製造プロセス面からのアプローチと
しては、例えば、(G):GB2326883に記載の
方法のように、樹脂成分、硬化剤成分の両方を溶解する
ターシャリーブタノールを用いて配合成分を完全に溶解
し、その後、凍結乾燥によりタ−シャリーブタノールを
除去する方法が挙げられる。さらに(H):US611
4414、(I):WO9534606等では、混合・
分散を促進する溶媒媒体として超臨界状態にある不活性
流体が用いられている。また、(J):特開2001−
192604号公報では、有機溶媒の存在下に配合成分
の溶融混練を行ない、押出し機に設けた減圧設備によ
り、溶融混練と同時に溶媒を回収する方法も提案されて
いる。これらの技術は、いずれも、大きな効果が期待で
きようが、製造プロセス・設備上の変更を伴い、現時点
で実用化に至っているとは言い難い。
【0012】本発明者らは、かかる状況下にあって、鋭
意研究および検討を重ねた結果、グリシジル基含有アク
リル樹脂、及び多価カルボキシル硬化剤からなるアクリ
ル粉体塗料について、分散助剤(Dispersion
Promoter)としてスチレン−無水マレイン酸
共重合体のアルコール付加体を配合・使用することで、
配合成分、特にグリシジル基含有アクリル樹脂と多価カ
ルボキシル硬化剤との混合・分散性を著しく高めること
ができ、従来の粉体塗料の製造プロセスを変更せず、得
られる熱硬化塗膜の外観特性(高光沢等)、物理特性
(硬度、擦傷性等)、化学特性(耐酸性、耐溶剤性
等)、とりわけ物理特性と化学特性とが顕著に改良でき
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、一般的な粉体
塗料の製造プロセス、つまり、溶融混練、冷却固化、粉
砕、分級のプロセスを変更することなく、粉体塗料を構
成する成分、特に樹脂成分と硬化剤成分との混合・分散
性を改良することにより、得られる熱硬化性粉体塗料組
成物からなる塗膜を熱硬化させた場合に、外観特性(高
光沢等)、物理特性(硬度、擦傷性等)、化学特性(耐
酸性、耐溶剤性等)、とりわけ擦傷性が改善された熱硬
化塗膜が得られ、自動車等の車体、及び車両用部品の塗
装用途に好適に用いられる熱硬化性粉体塗料組成物を提
供することを目的としている。
【0014】
【発明の概要】本発明に係る熱硬化性粉体塗料組成物
は、グリシジル基及び/又はβ−メチルグリシジル基を
有するエチレン性不飽和単量体を含むモノマーを(共)
重合することにより得られるグリシジル基含有アクリル
樹脂(A)、多価カルボキシル硬化剤(B)、スチレン
−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加体(C)を
含有してなり、得られる硬化塗膜の60度光沢値が80
以上を示すことを特徴としている。
【0015】本発明においては、上記のスチレン−無水
マレイン酸共重合体のアルコール付加体(C)が、数平
均分子量Mnが3000以下のスチレン−無水マレイン
酸共重合体に、炭素数1〜18のモノアルコール類を付
加反応させて得られたものであることが好ましい。本発
明においては、上記のスチレン−無水マレイン酸共重合
体のアルコール付加体(C)が、数平均分子量Mnが3
000以下のスチレン−無水マレイン酸共重合体と、炭
素数4〜14のモノアルコール類との付加反応物であ
り、上記スチレン―無水マレイン酸共重合体中の酸無水
物基に対して上記モノアルコール類が、下記式(1)で示
される付加反応率が5〜50%となる量で付加している
ことが好ましい。 付加反応率(%)= [{(Ia/I’a)−(Ib/I’b)}/(Ia/I’a)]×100・・・・(1) [式(1)中、Iは酸無水物基の1780cm-1の赤外吸
収強度を表し、I’は該吸収ピーク近傍の2000cm
-1の赤外吸収強度を表し、添え字a、bはそれぞれ反応
前、反応後を意味する。] 本発明においては、上記のスチレン−無水マレイン酸共
重合体のアルコール付加体(C)が、グリシジル基含有
アクリル樹脂(A)及び、多価カルボキシル硬化剤
(B)の合計重量((A)+(B))100部に対し、
0.3〜15重量部の量で含まれていることが好まし
く、さらに好ましくは、0.3〜5重量部の量で含まれ
ていることが望ましい。
【0016】本発明においては、上記スチレン−無水マ
レイン酸共重合体のアルコール付加体(C)が、多価カ
ルボキシル硬化剤(B)と、予め、溶融状態で均一に混
合されていることが好ましい。すなわち、このような態
様の熱硬化性粉体塗料組成物は、スチレン−無水マレイ
ン酸共重合体のアルコール付加体(C)の少なくとも一
部、好ましくは全量が多価カルボキシル硬化剤(B)に
対し、予め、溶融状態で均一に混合されたマスターバッ
チ硬化剤(B’)、及びグリシジル基含有アクリル樹脂
(A)を必須成分として含有している。
【0017】本発明においては、上記のグリシジル基含
有アクリル樹脂(A)が、グリシジルメタクリレート及
び/又はβ−メチルグリシジルメタクリレート:10〜
60重量%と、スチレン:5〜45重量%(含まれる全
ての共重合性モノマーの合計を100重量%とする。)
とを含む共重合性モノマーを共重合してなる共重合体で
あり、且つ、上記多価カルボキシル硬化剤(B)が、炭
素数8〜20の脂肪族または脂環族二塩基酸類、または
その脱水縮合により得られる酸無水物類、または、カル
ボキシル基を主たる官能基とする常温で固形のポリエス
テル樹脂、のうち少なくとも1種類以上であることが好
ましい。
【0018】本発明のさらに好ましい態様では、上記の
グリシジル基含有アクリル樹脂(A)が、グリシジルメ
タクリレート及び/又はβ−メチルグリシジルメタクリ
レート:10〜60重量%と、スチレン:5〜45重量
%(含まれる全ての共重合性モノマーの合計を100重
量%とする。)とを含む共重合性モノマーを共重合して
なる共重合体であり、且つ、多価カルボキシル硬化剤
(B)が、炭素数8〜20の脂肪族または脂環族二塩基
酸類、またはその脱水縮合により得られる酸無水物類、
のうち少なくとも1種類以上であることが望ましい。本
発明においては、上記のスチレン−無水マレイン酸共重
合体のアルコール付加体(C)が、数平均分子量Mnが
3000以下のスチレン−無水マレイン酸共重合体と、
炭素数4〜14のモノアルコール類との反応により、付
加反応率5〜50%で付加反応されており、しかも、上
記熱硬化性粉体塗料組成物中には、さらに未反応のモノ
アルコール類が含まれ、共存していても構わない。
【0019】本発明に係る硬化塗膜は、グリシジル基及
び/又はβ−メチルグリシジル基を有するエチレン性不
飽和単量体を含むモノマーを(共)重合することにより
得られるグリシジル基含有アクリル樹脂(A)、多価カ
ルボキシル硬化剤(B)、スチレン−無水マレイン酸共
重合体のアルコール付加体(C)を含有してなる熱硬化
性粉体塗料組成物から熱硬化により得られた塗膜の60
度光沢値が80以上であることを特徴としている。
【0020】本発明に係る熱硬化性粉体塗料組成物の製
造方法では、グリシジル基及び/又はβ−メチルグリシ
ジル基を有するエチレン性不飽和単量体を含むモノマー
を(共)重合することにより得られるグリシジル基含有
アクリル樹脂(A)と、多価カルボキシル基含有硬化剤
(B)と、スチレン―無水マレイン酸共重合体のアルコ
ール付加体(C)とを含む熱硬化性粉体塗料組成物を製
造するに際して、スチレン−無水マレイン酸共重合体の
アルコール付加体(C)の少なくとも一部と、多価カル
ボキシル硬化剤(B)とを、予め、溶融状態で均一に混
合し、次いで、得られたマスターバッチ硬化剤(B’)
と、グリシジル基及び/又はβ−メチルグリシジル基を
有するエチレン性不飽和単量体を含むモノマーを(共)
重合することにより得られるグリシジル基含有アクリル
樹脂(A)と、残部のスチレン―無水マレイン酸共重合
体のアルコール付加体(C)とを、混合することを特徴
としている。
【0021】本発明によれば、優れた外観特性(高光沢
等)、物理特性(硬度、擦傷性等)、化学特性(耐酸
性、耐溶剤性等)を有し、とりわけ擦傷性が改良された
熱硬化塗膜が得られ、自動車等の車体、及び車両用部品
の塗装用途に好適であるような熱硬化性粉体塗料樹脂組
成物、特にアクリル系粉体塗料組成物が提供される。ま
た、本発明に係る熱硬化性粉体塗料組成物の上記製造方
法によれば、このマスターバッチ操作により、スチレン
−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加体(C)が
本来有する混合・分散性の改良機能を、実用レベルで安
定的に再現しやすくなり、得られる熱硬化性粉体塗料組
成物から優れた上記性能の熱硬化塗膜が安定的に得られ
る傾向がある。
【0022】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係わる熱硬化性粉
体塗料組成物について具体的に説明する。[熱硬化性粉体塗料組成物] 本発明に係る熱硬化性粉体
塗料組成物は、グリシジル基及び/又はβ−メチルグリ
シジル基を含有するエチレン性不飽和単量体を必須の単
量体として含むモノマーを(共)重合することにより得
られるグリシジル基含有アクリル樹脂(A)、多価カル
ボキシル硬化剤(B)、及びスチレン−無水マレイン酸
共重合体のアルコール付加体(C)を必須成分として含
有してなる。また、該熱硬化性粉体塗料組成物から硬化
して得られる硬化塗膜の60度光沢値は、80以上を示
すことが好ましい。
【0023】以下、該熱硬化性粉体塗料組成物に含まれ
るグリシジル基含有アクリル樹脂(A)、多価カルボキ
シル硬化剤(B)、スチレン―無水マレイン酸共重合体
のアルコール付加体(C)についてはじめに説明する。 [グリシジル基含有アクリル樹脂(A)]グリシジル基
含有アクリル樹脂(A)は、「グリシジルメタクリレー
ト及び/又はβ−メチルグリシジルメタクリレート」
(a)を、これら(a)と共重合可能な他のエチレン性
不飽和単量体(b)と共重合することで得られる。グリ
シジルメタクリレート及び/又はβ−メチルグリシジル
メタクリレート(a)の配合量は特に制限されないが、
本発明では、使用される全てのエチレン性不飽和単量体
成分((a)+(b))100重量%のうち、10〜6
0重量%が好ましく、20〜50重量%がより好まし
い。成分(a)が10重量%未満では、得られる熱硬化
塗膜の物理特性、化学特性が不十分となることがあり、
また60重量%を超えるとコスト高の為、実用性に欠け
る。
【0024】これらモノマー(a)と共重合可能なエチ
レン性不飽和単量体(b)としては、具体的には、例え
ば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプ
ロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アク
リレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert
−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)ア
クリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘ
キシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ド
デシル(メタ)アクリレート、ステアリルメタクリレー
ト、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウロイル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、イソボロニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ジ
メチルアモノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル
酸エステル類;アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン
酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有ビニル類及びこ
れらのモノエステル化物;スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン等の芳香族ビ
ニル類;ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)ア
クリレート、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)
アクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ラク
トン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水
酸基含有ビニル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、ふっ
化ビニル、モノクロロトリフルオロエチレン、テトラフ
ルオロエチレン、クロロプレン等のハロゲン含有ビニル
類;その他アクリロニトリル、メタクリルニトリル、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、メチロールアクリルアミド、及びメチロ
ールメタクリルアミド、エチレン、プロピレン、C4〜
C20のα−オレフィン、ビニルピロリドン等が挙げら
れる。
【0025】また、本発明では、上記単量体の他に、上
記単量体を含むモノマーを共重合してなる共重合体をセ
グメントに有し、末端にビニル基を有するマクロモノマ
ー類も単量体として使用できる。なお、本明細書では、
メチル(メタ)アクリレートのような記載は、メチルア
クリレート及び/又はメチルメタアクリレートを示す。
【0026】上記モノマーは、1種単独で、或いは2種
以上併用してもよい。これら「グリシジルメタクリレー
ト及び/又はβ−メチルグリシジルメタクリレート」
(a)と、このモノマー(a)と共重合可能な他のエチ
レン性不飽和単量体(b)との組み合わせ、それらモノ
マーの重量濃度(配合比)等に、特に制限はないが、使
用される全てのエチレン性不飽和単量体成分((a)+
(b))100重量%のうち、スチレンが、5〜45重
量%の量で用いられることが好ましい。このスチレン
は、安価で入手容易であり、グリシジル基含有アクリル
樹脂(A)を安価に製造できるが、45重量%を超える
量で使用した場合、得られる熱硬化塗膜の耐候性が悪化
し、暴露下で長期間優れた光沢を保持でき難くなる傾向
がある。
【0027】グリシジル基含有アクリル樹脂(A)の製
造方法は、実質的に所望の特性を有するものが得られる
限り、特に限定されず、例えば、乳化重合法、懸濁重合
法、塊状重合法、溶液重合法等の従来より公知の重合法
が挙げられ、とりわけ溶液重合法が好適に用いられる。
溶液重合法の場合、所定のエチレン性単量体すなわち、
グリシジルメタクリレート及び/又はβ−メチルグリシ
ジルメタクリレート」(a)および、このモノマー
(a)と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体
(b)と、重合開始剤とを、加熱した有機溶媒中にフィ
ードすることで、有機溶媒中で共重合反応が行われる。
【0028】得られた共重合ポリマー溶液は、続いて減
圧下に有機溶媒を留去することで、溶媒を含まないグリ
シジル基含有アクリル樹脂(A)を製造することができ
る。得られたグリシジル基含有アクリル樹脂の重量平均
分子量Mwは、特に制限はないが、通常、2500〜2
0000、特に3000〜10000の範囲であること
が好ましい。共重合体(A)の重量平均分子量Mwが2
500より小さい場合、得られる熱硬化塗膜の物理特
性、化学特性が低下してしまい、また20000を超え
ると得られる塗膜の外観特性が損なわれてしまうことが
ある。
【0029】重量平均分子量Mwはゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン
を標準として測定することができる。一方、得られたグ
リシジル基含有アクリル樹脂(A)の実測ガラス転移温
度Tgにも特に制限はないが、30〜70℃であること
が好ましい。このTgが30℃未満では、粉体塗料粒子
同士の固着・凝集が顕著となり、またTgが70℃を超
えると得られる塗膜の外観特性が損なわれてしまうこと
がある。
【0030】なお、ガラス転移温度Tgは、DSC(示
差走査熱量計)等により実測できる。また、グリシジル
基含有アクリル樹脂(A)の過塩素酸滴定法により分析
されたエポキシ当量(EEQ)は、通常、230〜14
00g/eq.であり、好ましくは280〜700g/
eq.であることが、得られる熱硬化塗膜の物性、製造
コストとのバランスの点で望ましい。 [多価カルボキシル硬化剤(B)]本発明の熱硬化性粉
体塗料に使用する多価カルボキシル硬化剤(B)として
は、炭素数8〜20の脂肪族または脂環族二塩基酸とそ
の脱水縮合物、及びカルボキシル基を主たる官能基とす
る常温で固形のポリエステル樹脂が使用され、特に、炭
素数8〜20の脂肪族または脂環族二塩基酸とその脱水
縮合物が好ましい。脂肪族二塩基酸としては、例えば、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二
酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、テトラデカン二酸、ペ
ンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二
酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、等の直鎖状脂
肪族二塩基酸類が挙げられ、脂環族二塩基酸としては、
例えば、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
【0031】これらの中では、ドデカン二酸が特に好ま
しい。また、これらの脱水縮合物は、これらの脂肪族ま
たは脂環族二塩基酸を1種単独、或いは2種以上で用い
て、無水酢酸を用いた脱水縮合反応等を行うことにより
製造され、特に、ドデカン二酸単独の線状ポリ酸無水物
が好ましく、市販品としては、「Additol VX
L1381」(ソルーシア社製)等が挙げられる。
【0032】一方、カルボキシル基を主たる官能基とし
て有する常温で固形のポリエステル樹脂としては、1分
子中に少なくとも平均1.0個以上のカルボキシル基を
有し、酸価が20〜200(mgKOH/g)であり、
ガラス転移温度Tgが20〜80℃であり、数平均分子
量Mnが100〜10000のポリエステル樹脂を用い
ることができ、所望のものが容易に入手できる。このよ
うなポリエステル樹脂としては、市販品では、例えば、
「Albester2230」(イーストマン社製)等
が挙げられる。[スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加
体(C)] 本発明で使用されるスチレン−無水マレイン
酸共重合体のアルコール付加体(C)は、スチレン―無
水マレイン酸共重合体と、下記モノアルコール(類)と
の付加反応物である。
【0033】このスチレン―無水マレイン酸共重合体の
アルコール付加体(C)を製造する際に、原料として使
用されるスチレン−無水マレイン酸共重合体としては、
数平均分子量Mn(測定法:ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー(GPC)、ポリスチレン標準)が30
00以下、好ましくは2500以下(なお、下限値は通
常、800又はそれ以上)であることが好ましい。
【0034】スチレン―無水マレイン酸共重合体の数平
均分子量Mnが3000以上の場合、得られる熱硬化塗
膜の60度光沢値を80以上とすることが難しくなる。
数平均分子量が3000以下のスチレン−無水マレイン
酸共重合体としては、商品名「SMA1000」、「S
MA2000」、「SMA3000」(何れも、エルフ
アトケム社製)等が挙げられる。
【0035】一方、このようなスチレン−無水マレイン
共重合体に付加反応され、アルコール付加体(C)を製
造する際に用いられるモノアルコール類としては、炭素
数が1〜18のものが利用でき、例えば、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアル
コール、ターシャリーブチルアルコール、n−アミルア
ルコール、イソアミルアルコール、ヘキシルアルコー
ル、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、カプリ
ルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、
ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシ
ルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルア
ルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコー
ル、ステアリルアルコール等の直鎖状または分岐状の脂
肪族飽和アルコール類;及び、グリコール酸、乳酸、ヒ
ドロアクリル酸、アルファオキシ酪酸、タルトロン酸、
リンゴ酸、クエン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等
の脂肪族オキシ酸類;などが挙げられる。
【0036】これらモノアルコール類は、単独或いは2
種以上併用して用いることができる。これらの中では、
炭素数4〜14の直鎖状脂肪族飽和アルコール類が好ま
しい。このような炭素数4〜14の直鎖状脂肪族飽和ア
ルコールとして、具体的には、ブチルアルコール、n−
アミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアル
コール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシ
ルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコ
ール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコールが
使用でき、ヘプチルアルコールが特に好ましい。なお、
炭素数19以上のモノアルコール類では、得られる熱硬
化塗膜の濁りが顕著になり、光沢が低下する傾向があ
る。
【0037】次に、上記のスチレン−無水マレイン酸共
重合体とモノアルコール類とから製造されるアルコール
付加体(C)の製造方法について説明する。上記のスチ
レン−無水マレイン酸共重合体とモノアルコール類とを
反応させると、開環付加反応が進行し、スチレン―無水
マレイン酸共重合体のアルコール付加体(C)が得られ
る。
【0038】このような反応は、スチレン−無水マレイ
ン酸共重合体と上記モノアルコール類とを、無溶媒下に
直接加熱溶融することで容易に行うことができる。スチ
レン−無水マレイン酸共重合体が有する酸無水物基は、
アルコール性水酸基との開環付加反応により、ハーフエ
ステル、つまりカルボキシル基と、アルキルエステル側
鎖とを併有する構造体を生成する。
【0039】本発明では、スチレン−無水マレイン酸共
重合体に対して付加反応に使用されるモノアルコール類
は、スチレン−無水マレイン酸共重合体中の酸無水物基
の量に対して、本発明者らの経験によれば1.0〜5.
0倍モル、好ましくは1.0〜3.0倍モル相当量で使
用される。通常、スチレン−無水マレイン酸共重合体の
酸価は、1つの酸無水物基がカルボキシル基2個相当と
して実測されるので、言い換えれば、実測酸価に対し
て、好ましい態様では0.5〜1.5モルのモノアルコ
ール類を使用することが好ましい。
【0040】本発明では、上記反応の付加反応率は、1
00%(すなわち、全部付加)あるいはそれより低いが
0%を超える範囲(すなわち部分付加)で任意に選択可
能であるが、5〜50%であることが好ましい。付加反
応率が5%より小さいと、得られる熱硬化塗膜の擦傷性
の改良は認められなくなる傾向があり、また、50%を
超えると擦傷性の改良は見られるが、60度光沢値を8
0以上とすることが難しくなる傾向がある。
【0041】付加反応の「反応率」は、スチレン−無水
マレイン酸共重合体中の酸無水物基が、ハーフエステル
に転換された転換率と言い換えることができ、赤外分光
分析により実測された、付加反応前後におけるスチレン
―無水マレイン酸共重合体中の酸無水物基の吸収ピーク
である1780cm-1の赤外吸収強度(Ia、Ib)と、
同じく付加反応前後における該吸収ピーク近傍の200
0cm-1の赤外吸収強度(I’a、I’b)とから、下記
式(1)により計算される。 付加反応率(%)= [{(Ia/I’a)−(Ib/I’b)}/(Ia/I’a)]×100・・・・(1) [式(1)中、Iは酸無水物基の1780cm-1の赤外吸
収強度を表し、I’は該吸収ピーク近傍の2000cm
-1の赤外吸収強度を表し、添え字a、bはそれぞれ反応
前、反応後を意味する。]ところで、例えば、本発明で
言う「反応率」がX%(例:50%)の場合、スチレン
−無水マレイン酸共重合体中の酸無水物基(全体で10
0%:1モル)のうち、X%(上記例では50%)すな
わちX/100モルがハーフエステル化されており、残
り(100−X)%すなわち(1−X/100)モル
(上記例では50%:0.5モル)が酸無水物基として
残存する。
【0042】また、モノアルコール類は、スチレン―無
水マレイン酸共重合体中の酸無水物基のモル数に対して
2倍のモル数で使用される場合、反応過程でモノアルコ
ール類の揮発分が無いならば、反応生成物中には、(2
−X/100)倍モル相当分(=1.5倍モル)のモノ
アルコール類が、未反応で残存し、共存してもよい。本
発明では、このようにして得られたスチレン−無水マレ
イン酸共重合体のアルコール付加体(C)、あるいは該
付加体(C)と未反応のモノアルコール類とを含む反応
生成物(該付加体(C)含有物とも言う。)は、そのま
ま、粉体塗料の構成成分として、直接、成分(A)、
(B)と共に配合して熱硬化性粉体塗料組成物として使
用することができるが、その少なくとも一部または全量
を、多価カルボキシル硬化剤(B)に、予め溶融状態で
一体化し、マスターバッチ硬化剤(B’)として使用す
ることもできる。
【0043】このマスターバッチ操作により、スチレン
−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加体(C)が
本来有する混合・分散性の改良機能を、実用レベルで安
定的に再現しやすい。[グリシジル基含有アクリル樹脂(A)、多価カルボキ
シル硬化剤(B)、及びスチレン−無水マレイン酸共重
合体のアルコール付加体(C)の配合比] 本発明で使用
されるグリシジル基含有アクリル樹脂(A)と多価カル
ボキシル硬化剤(B)との配合比には、特に制限はない
が、グリシジル基含有アクリル樹脂(A)中のグリシジ
ル基とβ−メチルグリシジル基の総量(ep)に対し、
多価カルボキシル硬化剤(B)中のカルボキシル基と酸
無水物基の総量(ac)が、当量比(ac)/(ep)
として、0.7〜1.3/1.0であることが好まし
く、さらには0.8〜1.2/1.0であることが塗膜
の外観特性、物理特性、化学特性がバランス良く優れる
点でより好ましい。
【0044】一方、スチレン−無水マレイン酸共重合体
のアルコール付加体(C)の使用量は、グリシジル基含
有アクリル樹脂(A)及び多価カルボキシル硬化剤
(B)の合計重量100部に対し、0.3〜15重量部
であることが好ましく、さらには、0.3〜5重量部で
あることがより好ましい。スチレン―無水マレイン酸共
重合体のアルコール付加体(C)の配合量がグリシジル
基含有アクリル樹脂(A)及び多価カルボキシル硬化剤
(B)の合計重量100部に対して、0.3重量部を下
回る場合には、スチレン−無水マレイン酸共重合体のア
ルコール付加体(C)が付与できる混合・分散機能が不
十分となる傾向があり、擦傷性の改良はあまり見られな
い。一方、15重量部を越える場合には、得られる塗膜
の光沢値の低下が激しくなる傾向がある。[塗料用添加剤] 本発明の熱硬化性粉体塗料組成物(塗
料)には、必要により、塗膜の平滑性、物性を損なわな
い範囲で、通常の粉体塗料に配合可能な種々の添加剤を
配合してもよい。例えば、該塗料の使用目的などに応じ
て、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂
などの合成樹脂等を適宜配合して、塗膜物性を向上させ
ることができる。また、顔料、流動調整剤、粘性調整剤
(チクソトロピー調整剤)、帯電調整剤、表面調整剤、
光沢付与剤、ブロッキング防止剤、可塑剤、紫外線吸収
剤、脱ガス剤、酸化防止剤等の添加剤を適宜配合しても
よい。本発明の熱硬化性粉体塗料組成物を、特に、クリ
アコート塗料として使用する場合には、該組成物に少量
の顔料を配合し、例えば、透明性が損なわれない範囲で
着色してもよい。[既存技術との本願発明との差異] さらに上記以外の先
行技術などを挙げ、これら先行技術と本願発明との差異
をより明確にする。本発明の目的は、上述したように粉
体塗料を構成する成分、特に樹脂成分と硬化剤成分との
混合・分散性を改良することにより、得られる熱硬化塗
膜の特性、特に擦傷性を改良することにあり、その技術
的手段として、樹脂成分であるグリシジル基含有アクリ
ル樹脂(A)と硬化剤成分である多価カルボキシル硬化
剤(B)に対し、スチレン−無水マレイン酸共重合体の
アルコール付加体(C)を分散助剤として配合して、上
記目的を達成している。
【0045】本発明と同様に、このスチレン−無水マレ
イン酸のアルコール付加体(C)そのものを使用した技
術は、例えば特開2000−345076号公報(イ)
に見られる。この公報(イ)では、ビスフェノールタイ
プのいわゆる狭義のエポキシ樹脂と、本願発明でも使用
できるカルボキシル基を主たる官能基とするポリエステ
ル樹脂とからなる、いわゆるポリエステル・エポキシハ
イブリッド粉体塗料に対し、スチレン−無水マレイン酸
共重合体のアルコール付加体(C)を艶消し剤(Mat
ting agent)として利用している。
【0046】このような公報(イ)と、本願発明との差
異は、本願の樹脂成分(A)が広義にはエポキシ樹脂に
属するものの、狭義にはアクリル樹脂であるという樹脂
成分の差、及び、本願発明で得られる硬化塗膜の60度
光沢値が80以上であり、艶消し粉体塗料ではないとい
う点にある。本発明の好ましい態様では、特に、スチレ
ン−無水マレイン酸の数平均分子量Mn、さらにこれに
付加させるモノアルコール類の種類とその反応率を特定
の範囲に規定することなどにより、高光沢の熱硬化塗膜
を得ている。
【0047】次に、WO9916838(公報(ロ)と
も言う。)には、本願発明と同様の、グリシジル基含有
アクリル樹脂(A)と、多価カルボキシル硬化剤(B)
との組み合わせに対し、モノアルコール類で変性してい
ないスチレン−無水マレイン酸共重合体を使用する艶消
し粉体塗料について記載がある。この公報(ロ)で得ら
れる硬化塗膜の60度光沢値は、上記公報(イ)と同様
に、80を下回り、本発明のように、成分(A)と成分
(B)とに、スチレン―無水マレイン酸共重合体へのモ
ノアルコール類の付加反応物(C)を配合することによ
る、塗膜の擦傷性等の顕著な向上効果など、熱硬化性粉
体塗料組成物中における付加反応物(C)の特異的な機
能についても何ら記載も示唆もされていない。
【0048】これら2つの先行技術(イ)、(ロ)で
は、スチレン−無水マレイン酸共重合体またはそのアル
コール付加体が、マトリックスを形成する樹脂成分、硬
化剤成分の相互溶解性に寄与せず、むしろ、非相溶であ
ることを利用し、艶消し塗料を得ている。これに対し、
本願発明では、これら成分(A)、(B)を相互溶解で
きる分散助剤として成分(C)を使用しており、その結
果、60度光沢値は80以上であって、しかも、硬度、
擦傷性、耐酸性、耐溶剤性等、多くの物理特性、化学特
性が改良された熱硬化塗膜が得られている。
【0049】このような硬化塗膜が得られる理由は、明
らかではないが、本願発明者等は、恐らくは、本発明の
熱硬化性粉体塗料組成物中に含まれているスチレン−無
水マレイン酸共重合体のアルコール付加体(C)中のス
チレンブロックが、グリシジル基含有アクリル樹脂
(A)と、無水マレイン酸ブロックが多官能カルボキシ
ル硬化剤(B)と相互溶解性を示し、さらに、モノアル
コール類の付加により生成したハーフエステルが、塗膜
の架橋密度を向上させ、その結果、上記のような優れた
効果が得られているのであろうと推定している。
【0050】ところで、本発明で用いられるスチレン−
無水マレイン酸共重合体とモノアルコール類との付加反
応では、過剰量のモノアルコール類を使用すると、スチ
レン−無水マレイン酸共重合体とモノアルコール類との
付加反応率が100%に達していても、未反応のモノア
ルコール類が残存し、共存する場合があり、残存率はモ
ノアルコール類の沸点に大きく左右される。
【0051】アルコール性水酸基を有する化合物を積極
的に利用する先行技術としては、DE4227580
(先行技術(ハ))等が挙げられる。この先行技術
(ハ)では、本願発明と同様のグリシジル基含有アクリ
ル樹脂(A)と、多価カルボキシル硬化剤(B)として
脂肪族二塩基酸ポリ酸無水物が選択され、第三成分とし
てポリオールが使用されている。この先行技術(ハ)で
ポリオールを使用する理由は、硬化反応速度の加速であ
る。一般に、グリシジル基と酸無水物基との反応速度は
小さく、これを加速する為に、酸無水物基は一旦、アル
コール性水酸基との反応で開環させる必要があると考え
られており、ポリオールが好適に用いられる。
【0052】しかしながら、本発明の場合、残存するア
ルコールは上記先行技術(ハ)のようなポリオールでは
なくモノアルコール類であり、さらに本発明では、スチ
レン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加体
(C)が必須であり、この点で先行技術(ハ)とは異な
る。ところで、本願発明で使用されるスチレン−無水マ
レイン酸のアルコール付加体(C)を使用せず、モノア
ルコール類のみを使用した場合の作用効果について説明
する。
【0053】モノアルコール類が、塗料用添加剤あるい
は第3成分として、ポリ酸無水物硬化剤との組み合わせ
で用いられた場合、硬化剤が有する酸無水物基の開環速
度自体を加速する作用が期待できる。しかしながら、モ
ノアルコール類は、ポリオールと異なり架橋密度の向上
には貢献できず、また、非架橋性希釈剤としての作用を
併有する為、塗膜硬度の向上や、塗料のゲル化時間の短
縮は生じない。つまり、先述の通り、塗膜の擦傷性を改
良する技術アプローチの前者二つ、「塗膜の架橋密度の
向上」、「塗膜硬度の向上」には該当せず、これらの方
策による擦傷性の改良は達成されない。さらに硬化剤が
本発明で使用できる酸無水物基を有さないものである場
合、架橋密度、硬度はむしろ低下する。過去の技術アプ
ローチの第3、つまり「塗膜表層のスリップ機能」につ
いては、例えば、特開平9−291229号公報に記載
のように、炭素数15以上の高級モノアルコールを使用
し、塗膜の平滑性を改良する技術が、参考例として挙げ
られる。
【0054】この参考例では、塗膜外観の改良が目的と
なってはいるが、使用される高級モノアルコールの殆ど
はワックス状であり、塗膜表面に存在することで、塗膜
にスリップ機能を付与し得る。しかしながら、このよう
な非架橋性のスリップ剤を使用しても、本願のように、
耐擦傷性と同時に、耐酸性、耐溶剤性、等の諸物性を改
良することはない。なぜなら、かかる塗膜物性は、架橋
密度とその均質性に大きく左右される為である。
【0055】また、本願発明の付加反応に使用できるモ
ノアルコール類が、比較的低級のモノアルコール類を含
んでも構わないという事実は、塗膜表層のスリップ機能
が、塗膜の擦傷性改善の主要因でないことを示唆する。
以上のことから、本願発明に於いて、塗膜の硬度、耐酸
性、耐溶剤性等の改良を同時に達成しつつ、擦傷性を改
良する役割を中心的に果たしているものが、成分
(A)、(B)と共に配合されるスチレン−無水マレイ
ン酸共重合体のアルコール付加体(C)であることは明
白である。言い換えれば、成分(C)を製造するために
使用され、未反応のために熱硬化性粉体塗料組成物中に
残存するモノアルコール類の量、種類については特に制
限はなく、特に重要な点は、スチレン−無水マレイン酸
共重合体に付加するモノアルコール類の種類、付加反応
率であると言える。そして、本発明では、このような特
定のスチレン―無水マレイン酸共重合体のアルコール付
加体(C)と、成分(A)と(B)とを組み合わせて用
いているので、何れの先行技術によっても達成され得な
かったような、上記のような優れた効果が得られている
のである。[熱硬化性粉体塗料組成物の調製]本発明に
おいては、グリシジル基含有アクリル樹脂(A)、多価
カルボキシル硬化剤(B)、及び、スチレン−無水マレ
イン酸共重合体のアルコール付加体(C)を含む熱硬化
性粉体塗料組成物を調製する方法としては、従来より公
知の一般的な溶融混練方法を採用でき、各成分の配合方
法、溶融混練方法には特に制限はない。
【0056】通常、溶融混練操作には、加熱ロール機、
加熱ニーダー機、押出し混練機(エクストルーダー)、
等の公知の混練機が適宜使用される。また、これら混練
機の運転の際には、混練条件(温度、回転数、雰囲気、
等)を適宜、設定すればよい。但し、本発明において
は、グリシジル基及び/又はβ−メチルグリシジル基を
有するエチレン性不飽和単量体を含むモノマーを(共)
重合することにより得られるグリシジル基含有アクリル
樹脂(A)と、多価カルボキシル硬化剤(B)と、スチ
レン―無水マレイン酸共重合体のアルコール付加体
(C)とを含む熱硬化性粉体塗料組成物を製造するに際
して、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール
付加体(C)の少なくとも一部、好ましくは全量と、多
価カルボキシル硬化剤(B)とを、予め、溶融状態で均
一に混合し、次いで、得られたマスターバッチ硬化剤
(B’)と、グリシジル基及び/又はβ−メチルグリシ
ジル基を有するエチレン性不飽和単量体を含むモノマー
を(共)重合することにより得られるグリシジル基含有
アクリル樹脂(A)と、残部のスチレン―無水マレイン
酸共重合体のアルコール付加体(C)とを、混合するこ
とが好ましい。
【0057】この場合、上記スチレン―無水マレイン酸
共重合体のアルコール付加体(C)に代えて、該付加体
(C)とともに、該付加体(C)調製時の未反応モノア
ルコール(類)を含む付加体(C)含有物を用いてもよ
い。このようにして本発明の熱硬化性粉体塗料組成物を
製造すると、成分(C)が添加されたことによる、成分
(A)と(B)との混合・分散性が良好に発揮され、上
記したような優れた性能の塗膜が実用スケールで再現性
良く得やすい。
【0058】上記工程を経て得られた溶融混練物は、さ
らに、冷却固化、粉砕・分級を経て、粉末状の粉体塗料
組成物にされる。このような粉砕物(粉末状物)を得る
には、従来より公知の方法を採用することができる。例
えば、平均粒径が10〜90μm程度の粉砕物を得るに
は、ハンマーミル等を使用することができる。本発明に
おいては、熱硬化性粉体塗料組成物(粉体塗料)の粉砕
粒度に制限はなく、例えば、体積平均粒子径20〜40
μm程度のものが挙げられる。[塗装方法および焼付け
方法]上記のようにして得られた本発明の粉体塗料(熱
硬化性粉体塗料組成物)は、静電塗装法、流動浸漬法等
の塗装方法によって、粉体塗料粉末を塗装対象物(基材
あるいは下塗塗膜表面など)に付着せしめ、加熱して熱
硬化させることにより、塗膜(熱硬化塗膜)を形成させ
ることができる。上記塗装対象物としての基材として
は、アルミ、スチール、等の金属製基材でもよく、ま
た、これら基材の表面に下地塗装が施されたものであっ
ても構わない。
【0059】なお、本発明に係る熱硬化性粉体塗料組成
物からなる未硬化塗膜の焼付けは、通常、約100〜1
80℃、より好ましくは120〜160℃の温度で、1
0〜60分間程度行われる。また、本発明の熱硬化性粉
体塗料組成物を上塗り塗料として用いる場合、その下塗
り塗料として、従来の溶剤型塗料のみならず、水性塗料
を用いた場合においても、焼付け後の本発明の熱硬化性
粉体塗料組成物から成る上塗塗膜は、上塗塗料としてア
クリル溶剤型塗料を用いた場合と同様に、優れた特性を
有する。即ち、水性下塗り塗料(顔料入り及び/又は金
属粉入りを含む)を塗装し、所定の時間乾燥させた後、
得られた下塗塗膜の表面に、本発明の熱硬化性粉体塗料
組成物を上記の方法によって塗装し、加熱して熱硬化さ
せ上塗塗膜を形成させると、上記したような優れた特性
の塗膜を形成できる。
【0060】本発明に係る熱硬化性粉体塗料組成物は、
自動車等の車体、及び車両用部品(アルミホイール、ワ
イパー、ピラー、ドアハンドル、フェンダー、ボンネッ
ト、エアスポイラー、スタビライザー、フロントグリル
等)等の被塗物基材表面の塗装に好適に用いられる。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、一般的な粉体塗料の製
造プロセス、つまり、溶融混練、冷却固化、粉砕、分級
のプロセスを変更することなく、粉体塗料を構成する成
分、特に樹脂成分と硬化剤成分として特定の成分を組み
合わせて用い、含まれる成分の混合・分散性を改良する
ことにより、熱硬化性粉体塗料組成物を製造可能であ
り、しかも該熱硬化性粉体塗料組成物から外観特性(高
光沢等)、物理特性(硬度、擦傷性等)、化学特性(耐
酸性、耐溶剤性等)、とりわけ擦傷性が改善された硬化
塗膜を形成可能であり、自動車等の車体、及び車両用部
品の塗装用途に好適に用いられる熱硬化性粉体塗料組成
物が提供される。
【0062】
【実施例】以下、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物につ
いてその製法および各種試験例を挙げ、更に具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例等により何ら限定さ
れるものではない。以下において、「部」および「%」
は特記していない限り重量基準である。 [グリシジル基含有アクリル樹脂(A)の製造例(a
1)]攪拌機、温度計、還流冷却機、及び窒素導入管・
排気管を備えた4口フラスコに、キシレン溶剤70部を
仕込み、気相部を窒素パージしながら、攪拌下に、還流
温度まで加熱昇温した。
【0063】次いで、表1の(a1)に示すように、グ
リシジルメタクリレート40部、スチレン20部、メチ
ルメタクリレート35部、ノルマルブチルメタクリレー
ト5部(単量体合計100部)、及び、重合開始剤とし
てt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
6.5部からなる混合溶液をこのフラスコ内に、5時間
にわたりフィードし、さらにその後100℃で5時間保
持し、これらモノマーの共重合反応を行った。得られた
樹脂溶液からキシレンを留去することにより、グリシジ
ル基含有アクリル樹脂(a1)を得た。
【0064】得られたグリシジル基含有アクリル樹脂
(a1)の重量平均分子量Mw[ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレンを
標準として測定。]は4950であり、DSC(示差走
査熱量計)により測定される実測ガラス転移温度Tgは
49℃であり、過塩素酸滴定法により分析されるエポキ
シ当量は366(g/eq.)であった。
【0065】共重合体製造用原料の組成比、及び、得ら
れたグリシジル基含有アクリル樹脂(a1)の特性値な
どを合わせて表1に示す。 [グリシジル基含有アクリル樹脂(A)の製造例(a
2)]上記のグリシジル基含有アクリル樹脂の製造例
(a1)において、使用する単量体の種類、量、及び、
重合開始剤の量のみを表1に示すように変更した以外
は、上記製造例(a1)と同様とした。
【0066】すなわち、攪拌機、温度計、還流冷却機、
及び窒素導入管・排気管を備えた4口フラスコに、キシ
レン70部を仕込み、気相部を窒素パージしながら、攪
拌下に、還流温度まで加熱昇温した。次いで、表1の
(a2)に示すように、β−メチルグリシジルメタクリ
レート32部、スチレン15部、メチルメタクリレート
35部、ノルマルブチルメタクリレート18部(単量体
合計100部)、及び、重合開始剤としてt−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート5.0部からなる
混合溶液を、このフラスコ内に、5時間にわたりフィー
ドし、さらにその後100℃で5時間保持し、これらモ
ノマーの共重合反応を行った。
【0067】得られた樹脂溶液からその溶剤を除去する
ことにより、グリシジル基含有アクリル樹脂(a2)を
得た。得られたグリシジル基含有アクリル樹脂(a2)
の重量平均分子量Mwは7100であり、実測Tgは4
8℃であり、過塩素酸滴定法により分析されるエポキシ
当量は501(g/eq.)であった。
【0068】共重合体製造用原料の組成比、及び、得ら
れたグリシジル基含有アクリル樹脂(a2)の特性値な
どを合わせて表1に示す。 [スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加
体(C)含有物の製造例(c1)]攪拌機、温度計、還
流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4口フラスコに、
スチレン−無水マレイン酸共重合体「SMA1000」
(エルフアトケム社製;スチレン/無水マレイン酸共重
合モル比=1/1、酸価480mgKOH/g、軟化点
160℃、数平均分子量Mn=1110)50部、ヘプ
チルアルコール50部を仕込み、窒素をパージしながら
170℃まで加熱昇温し、90分間攪拌し、スチレン―
無水マレイン酸共重合体のヘプチルアルコール付加体
(c1)含有物を得た。
【0069】得られたヘプチルアルコール付加体(c
1)含有物は常温で固形であり、前記赤外分光分析(測
定装置:日本分光(株)製、型番:FT/IR−30
0)により実測されたスチレン―無水マレイン酸共重合
体への上記ヘプチルアルコールの付加反応前の1780
cm-1と2000cm-1の赤外吸収強度比(Ia/I’a
=65.0/42.5)と、付加反応後の同強度比(I
b/I’b=62.5/54.0)とから、前記式(1)に
より算出されるアルコール付加反応率は24.3%であ
った。
【0070】さらにガスクロマトグラフィー(島津製作
所(株)製、GC−14A)測定により、(c1)含有
物中のヘプチルアルコールの残存率は20重量%であっ
た。下記粉体塗料組成物を製造する際、この残存するヘ
プチルアルコールを含むスチレン−無水マレイン酸共重
合体のヘプチルアルコール付加体(c1)含有物を用い
た。
【0071】用いた原料組成と、得られたスチレン−無
水マレイン酸共重合体のヘプチルアルコール付加体(c
1)含有物の特性値などを合わせて表2に示す。 [スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加
体(C)含有物の製造例(c2)]攪拌機、温度計、還
流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4口フラスコに、
スチレン−無水マレイン酸共重合体「SMA2000」
(エルフアトケム社製;スチレン/無水マレイン酸共重
合モル比=2/1、酸価355mgKOH/g、軟化点
150℃、数平均分子量Mn=1754)50部、12
−ヒドロキシステアリン酸95部を仕込み、窒素をパー
ジしながら170℃まで加熱昇温し、90分間攪拌し
て、スチレン−無水マレイン酸共重合体の12−ヒドロ
キシステアリン酸付加体(c2)含有物を得た。
【0072】得られた(c2)含有物は常温で固形であ
り、上記と同様にして求めた12−ヒドロキシステアリ
ン酸の付加反応率は20.1%であり、(c2)含有物
中の12−ヒドロキシステアリン酸の残存率は58重量
%であった。下記粉体塗料組成物を製造する際、この残
存する12−ヒドロキシステアリン酸を含むスチレン−
無水マレイン酸共重合体の12−ヒドロキシステアリン
酸付加体(c2)含有物を用いた。
【0073】用いた原料組成と、得られたスチレン−無
水マレイン酸共重合体の12−ヒドロキシステアリン酸
付加体(c2)含有物の特性値などを合わせて表2に示
す。 [スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加
体(C)含有物と、多価カルボキシル硬化剤(B)との
マスターバッチ硬化剤(B’)の製造例(b’1)]攪
拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた
フラスコに、上記製造例(c1)で得られた、残存する
ヘプチルアルコールを含むスチレン―無水マレイン酸共
重合体のヘプチルアルコール付加体(c1)含有物15
部及び、多価カルボキシル硬化剤(B)としてドデカン
二酸100部を仕込み、気相部を窒素をパージしながら
130℃まで加熱昇温し、15分間攪拌し、マスターバ
ッチ硬化剤(b’1)を得た。
【0074】得られたマスターバッチ硬化剤(b’1)
中のヘプチルアルコール付加体(c1)のアルコール付
加反応率は24.5%であり、若干進行した付加反応と
少量のヘプチルアルコールの揮発分から、ヘプチルアル
コールの残存率を製造例(c1)、(c2)と同様に換
算すると18重量%であった。使用原料と、マスターバ
ッチ硬化剤(b’1)の特性値を合わせて表2に示す。 [比較例用スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコ
ール付加体(C)含有物の製造例(c3)]攪拌機、温
度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4口フラ
スコに、スチレン−無水マレイン酸共重合体「SMA1
000」(エルフアトケム社製;スチレン/無水マレイ
ン酸共重合モル比=1/1、酸価480mgKOH/
g、軟化点160℃)50部、エイコシルアルコール1
28部を仕込み、窒素をパージしながら170℃まで加
熱昇温し、90分間攪拌し、スチレン−無水マレイン酸
共重合体のエイコシルアルコール付加体(c3)含有物
を得た。
【0075】上記と同様にして求めた、スチレン―無水
マレイン酸共重合体へのアルコール付加反応率は10.
2%であり、(c3)含有物中のエイコシルアルコール
の残存率は67重量%であった。下記粉体塗料組成物を
製造する際、この残存するエイコシルアルコールを含む
スチレン−無水マレイン酸共重合体のエイコシルアルコ
ール付加体(c3)含有物を用いた。
【0076】使用原料と、スチレン―無水マレイン酸共
重合体のエイコシルアルコール付加体(c3)含有物の
特性値などを合わせて表2に示す。 [比較例用スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコ
ール付加体(C)含有物の製造例(c4)]攪拌機、温
度計、還流冷却機、及び窒素導入管・排気管を備えた4
口フラスコに、「ニューフロンティアMI−400P」
(第一工業製薬製;スチレン―無水マレイン酸共重合体
の1−プロピルアルコール付加体、スチレン−無水マレ
イン酸共重合モル比=1/1、軟化点160℃、数平均
分子量Mn=10500)50部、キシレン30部、ジ
ブチル錫オキサイド0.1部を仕込み、脱エステル化に
より生成する1−プロピルアルコールを留去しながら、
110℃で10時間加熱攪拌した。得られた反応液から
キシレンを留去することにより、実質的にアルコールが
付加反応されていないスチレン―無水マレイン酸共重合
体(数平均分子量Mnは9500、酸価465mgKO
H/g)を得た。
【0077】次に、あらためて、攪拌機、温度計、及び
窒素導入管を備えたフラスコに、得られたスチレン―無
水マレイン酸共重合体50部、ヘプチルアルコール48
部を仕込み、窒素をパージしながら170℃まで加熱昇
温し、90分間攪拌し、スチレン−無水マレイン酸共重
合体のヘプチルアルコール付加体(c4)含有物を得
た。
【0078】上記と同様にして求めたスチレン―無水マ
レイン酸共重合体のヘプチルアルコールによる付加反応
率は22.6%であり、(c4)含有物中のヘプチルア
ルコールの残存率は21重量%であった。下記粉体塗料
組成物を製造する際、この残存するヘプチルアルコール
を含むスチレン−無水マレイン酸共重合体のヘプチルア
ルコール付加体(c4)含有物を用いた。原料組成と、
スチレン―無水マレイン酸共重合体のヘプチルアルコー
ル付加体(c4)含有物の特性値などを表2に示す。 [比較例用スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコ
ール付加体(C)含有物の製造例(c5)]攪拌機、温
度計、還流冷却機、及び窒素導入管・排気管を備えた4
口フラスコに、スチレン―無水マレイン酸共重合体「S
MA2000」(エルフアトケム社製;スチレン/無水
マレイン酸共重合モル比=2/1、酸価355mgKO
H/g、軟化点150℃、数平均分子量Mn=175
4)50部、ヘプチルアルコール37部、トルエン10
0部、及びジブチル錫オキサイド0.2部とを仕込み、
窒素をパージしながら還流温度まで加熱昇温し、その後
24時間攪拌した後、トルエンを留去し、スチレン−無
水マレイン酸共重合体のヘプチルアルコール付加体(c
5)含有物を得た。
【0079】上記と同様にして求めたスチレン―無水マ
レイン酸共重合体のヘプチルアルコールによる付加反応
率は51.3%であり、(c5)含有物中のヘプチルア
ルコールの残存率は26重量%であった。下記粉体塗料
組成物を製造する際、この残存するヘプチルアルコール
を含むスチレン−無水マレイン酸共重合体のヘプチルア
ルコール付加体(c5)含有物を用いた。
【0080】原料組成と、スチレン―無水マレイン酸共
重合体のヘプチルアルコール付加体(c5)含有物の特
性値などを表2に示す。 [熱硬化性粉体塗料組成物の製造実施例1]上記製造例
(a1)で得たグリシジル基含有アクリル樹脂(a1)
78部とドデカン二酸22部、(以下、グリシジル基含
有アクリル樹脂(A)と多価カルボキシル硬化剤(B)
の重量合計を100部として記載する)、上記製造例
(c1)で得た、未反応のヘプチルアルコールを含むス
チレン−無水マレイン酸共重合体のヘプチルアルコール
付加体(c1)含有物3部、さらに添加剤として、紫外
線吸収剤「チヌビン CGL1545」(チバスペシャ
リティーケミカル社製)2部、ヒンダードアミン系光安
定剤「チヌビン 144」(チバスペシャリティーケミ
カル社製)1部、ベンゾイン0.5部、及び、流動調整
剤0.7部の全てを、ヘンシェルミキサ−(三井鉱山社
製)に一括投入し、室温(23℃)下、3分間ドライ混
合し、さらに、1軸押出し混練機(コペリオン社製)に
より、115℃で溶融混練した。
【0081】その後、溶融混練物の固化、粉砕、分級操
作を実施した。得られた塗料組成物の粒度は、島津製作
所製のレーザー回折式粒度分布測定装置「SALD−2
000A」により測定され、体積平均粒子径として27
ミクロンであった。尚、上記流動調整剤としては、製造
例(a1)に準拠して、イソブチルメタクリレートの固
形ホモポリマー(重量平均分子量Mw=12200)を
製造し、これを平均粒度23ミクロンに微粉砕したもの
を使用した。ここで使用したグリシジル基含有アクリル
樹脂(A1)中のグリシジル基量(ep)に対するドデ
カン二酸中のカルボキシル基量(ac)は、当量比(a
c)/(ep)として0.9に設計されている。これら
の設計パラメーターと、得られた熱硬化性粉体塗料組成
物の特性値などを一括して表3に示す。 [熱硬化性粉体塗料組成物の製造実施例2]上記製造実
施例1における、未反応のヘプチルアルコールを含むス
チレン−無水マレイン酸共重合体のヘプチルアルコール
付加体(c1)含有物3部に変えて、上記製造例(c
2)で得られた、未反応の12−ヒドロキシステアリン
酸を含むスチレン―無水マレイン酸共重合体の12−ヒ
ドロキシステアリン酸付加体(c2)含有物5部を使用
した以外は、全て上記製造実施例1と同様にして、熱硬
化性粉体塗料組成物を得た。得られた熱硬化性粉体塗料
組成物の粒度は、島津製作所製レーザー回折式粒度分布
測定装置「SALD−2000A」により測定され、体
積平均粒子径として25ミクロンであった。
【0082】設計パラメーターと、得られた熱硬化性粉
体塗料組成物の特性値などを一括して表3に示す。 [熱硬化性粉体塗料組成物の製造実施例3]上記製造例
(a1)で得たグリシジル基含有アクリル樹脂(a1)
68部とドデカン二酸線状ポリ酸無水物「Addito
l VXL1381」(ソルーシア社製; 酸当量166
g/eq.)32部、上記製造例(c1)で得た、未反
応のヘプチルアルコールを含むスチレン−無水マレイン
酸共重合体のヘプチルアルコール付加体(c1)含有物
3部、さらに添加剤として、カーボンブラック(三菱化
学社製「MA−100」)3部、紫外線吸収剤「チヌビ
ン CGL1545」(チバスペシャリティーケミカル
社製)2部、ヒンダードアミン系光安定剤「チヌビン
144」(チバスペシャリティーケミカル社製)1部、
ベンゾイン0.5部、及び、流動調整剤0.7部、テト
ラブチルホスフォニウムブロマイド0.1部の全てを、
ヘンシェルミキサ−(三井鉱山社製)に一括投入し、室
温下、3分間ドライ混合し、さらに、1軸押出し混練機
(コペリオン社製)により、65℃で溶融混練した。
【0083】その後、溶融混練物の固化、粉砕、分級操
作を実施した。得られた塗料組成物の粒度は、島津製作
所製レーザー回折式粒度分布測定装置「SALD−20
00A」により測定され、体積平均粒子径として28ミ
クロンであった。尚、流動調整剤としては、製造例(A
1)に準拠して、イソブチルメタクリレートの固形ホモ
ポリマー(重量平均分子量Mw=12200)を製造
し、これを平均粒度23ミクロンに微粉砕したものを使
用した。
【0084】グリシジル基含有アクリル樹脂(A1)中
のグリシジル基量(ep)に対するドデカン二酸線状ポ
リ酸無水物中のカルボキシル基と酸無水物基の合計量
(ac)は、当量比(ac)/(ep)として1.05
に設計されている。これらの設計パラメーターと、得ら
れた熱硬化性粉体塗料組成物の特性値などを一括して表
3に示す。 [熱硬化性粉体塗料組成物の製造実施例4]上記製造例
(a2)で得たグリシジル基含有アクリル樹脂(a2)
37部と、多価カルボキシル硬化剤(B)「Albes
ter2230」(イーストマン社製;酸価51mgK
OH/g)63重量部、上記製造例(c2)で得た、未
反応の12−ヒドロキシステアリン酸を含むスチレン−
無水マレイン酸共重合体の12−ヒドロキシステアリン
酸付加体(c2)含有物4部、さらに添加剤として、酸
化チタン35部(デュポン社製「タイピュア R−96
0」)、紫外線吸収剤「チヌビン CGL1545
「(チバスペシャリティーケミカル社製)2部、ヒンダ
ードアミン系光安定剤「チヌビン 144」(チバスペ
シャリティーケミカル社製)1部、ベンゾイン0.5
部、及び、流動調整剤0.7部の全てを、ヘンシェルミ
キサ−(三井鉱山社製)に一括投入し、室温(23℃)
下、3分間ドライ混合し、さらに、1軸押出し混練機
(コペリオン社製)により、120℃で溶融混練した。
【0085】その後、溶融混練物の固化、粉砕、分級操
作を実施した。得られた塗料組成物の粒度は、島津製作
所製のレーザー回折式粒度分布測定装置「SALD−2
000A」により測定され、体積平均粒子径として29
ミクロン(μm)であった。尚、上記流動調整剤として
は、三井化学社製「レジミックス RL−4」を使用し
た。グリシジル基含有アクリル樹脂(A1)中のグリシ
ジル基量(ep)に対するポリエステル樹脂「Albe
ster2230」中のカルボキシル基量(ac)は、
当量比(ac)/(ep)として0.75に設計されて
いる。設計パラメーターと、得られた熱硬化性粉体塗料
組成物の特性値などを一括して表3に示す。 [熱硬化性粉体塗料組成物の製造実施例5]上記製造例
(a1)で得たグリシジル基含有アクリル樹脂(a1)
78部と、ドデカン二酸と、未反応のヘプチルアルコー
ルを含むスチレン−無水マレイン酸共重合体のヘプチル
アルコール付加物(c1)含有物とのマスターバッチ硬
化剤(b’1)25部、さらに添加剤として、紫外線吸
収剤「チヌビン CGL1545」(チバスペシャリテ
ィーケミカル社製)2部、ヒンダードアミン系光安定剤
「チヌビン 144」(チバスペシャリティーケミカル
社製)1部、ベンゾイン0.5部、及び、流動調整剤
0.7部の全てを、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社
製)に一括投入し、室温下、3分間ドライ混合し、さら
に、1軸押出し混練機(コペリオン社製)により、11
5℃で溶融混練した。
【0086】その後、溶融混練物の固化、粉砕、分級操
作を実施した。得られた塗料組成物の粒度は、島津製作
所製のレーザー回折式粒度分布測定装置「SALD−2
000A」により測定され、体積平均粒子径として24
ミクロンであった。なお、上記流動調整剤としては、製
造例(a1)に準拠して、イソブチルメタクリレートの
固形ホモポリマー(重量平均分子量Mw=12200)
を製造し、これを平均粒度23ミクロンに微粉砕したも
のを使用した。ここで使用したグリシジル基含有アクリ
ル樹脂(A1)中のグリシジル基量(ep)に対するド
デカン二酸中のカルボキシル基量(ac)は、当量比
(ac)/(ep)として0.9に設計されている。
【0087】設計パラメーターと、得られた熱硬化性粉
体塗料組成物の特性値などを一括して表3に示す。 [熱硬化性粉体塗料組成物の製造比較例1、2]上記製
造実施例1、3において、それぞれ未反応のヘプチルア
ルコールを含むスチレン−無水マレイン酸共重合体のヘ
プチルアルコール付加体(C)含有物を使用しなかった
以外は、実施例1、3と同様の方法で熱硬化性粉体塗料
組成物を得、比較例1,2とした。
【0088】設計パラメーターと、得られた熱硬化性粉
体塗料組成物の特性値などを一括して表3に示す。 [熱硬化性粉体塗料組成物の製造比較例3]上記製造実
施例1において、未反応のヘプチルアルコールを含むス
チレン―無水マレイン酸共重合体のヘプチルアルコール
付加体(c1)含有物に代えて、モノアルコール類で変
性されていないスチレン−無水マレイン酸共重合体「S
MA1000」を3部使用した以外は、全て実施例1と
同様の方法で熱硬化性粉体塗料組成物を得た。
【0089】設計パラメーターと、得られた熱硬化性粉
体塗料組成物の特性値などを一括して表3に示す。 [熱硬化性粉体塗料組成物の製造比較例4]上記製造実
施例1において、未反応のヘプチルアルコールを含むス
チレン―無水マレイン酸共重合体のヘプチルアルコール
付加体(c1)含有物に代えて、未反応のエイコシルア
ルコールを含むスチレン−無水マレイン酸共重合体のエ
イコシルアルコール付加体(c3)含有物を4部使用し
た以外は、全て実施例1と同様の方法で熱硬化性粉体塗
料組成物を得た。
【0090】設計パラメーターと、得られた熱硬化性粉
体塗料組成物の特性値などを一括して表3に示す。 [熱硬化性粉体塗料組成物の製造比較例5]上記製造実
施例3において、未反応のヘプチルアルコールを含むス
チレン―無水マレイン酸共重合体のヘプチルアルコール
付加体(c1)含有物に代えて、未反応のヘプチルアル
コールを含む、数平均分子量Mn9500のスチレン−
無水マレイン酸共重合体のヘプチルアルコール付加体
(c4)含有物を3部使用した以外は、全て実施例1と
同様の方法で熱硬化性粉体塗料組成物を得た。
【0091】設計パラメーターと、得られた熱硬化性粉
体塗料組成物の特性値などを一括して表3に示す。 [熱硬化性粉体塗料組成物の製造比較例6]上記製造実
施例1において、未反応のヘプチルアルコールを含むス
チレン―無水マレイン酸共重合体のヘプチルアルコール
付加体(c1)含有物に代えて、未反応のヘプチルアル
コールを含む、アルコール付加反応率51.3%のスチ
レン−無水マレイン酸共重合体のヘプチルアルコール付
加体(c5)含有物を4部使用した以外は、全て実施例
1と同様の方法で熱硬化性粉体塗料組成物を得た。
【0092】設計パラメーターと、得られた熱硬化性粉
体塗料組成物の特性値などを一括して表3に示す。 [熱硬化性粉体塗料組成物の製造比較例7]実施例3に
おいて、未反応のヘプチルアルコールを含むスチレン−
無水マレイン酸共重合体のヘプチルアルコール付加体
(c1)含有物を17部使用した以外は、実施例3と同
様の方法で熱硬化性粉体塗料組成物(塗料)を得た。
【0093】設計パラメーターと、得られた熱硬化性粉
体塗料組成物の特性値などを一括して表3に示す。得ら
れた上記各例で示される全ての熱硬化性粉体塗料組成物
の硬化塗膜の評価は、いずれも下塗塗装された鋼板上
に、コロナ帯電で静電塗装し、焼付け硬化後の平均膜厚
が70μmとなるように塗装した後、それぞれ表4に示
す温度で、30分間加熱することで焼き付け、塗膜を形
成させることで実施した。
【0094】なお、下塗り塗装された鋼板としては、電
着塗装された0.8mm厚のリン酸亜鉛処理鋼板上に、
ポリエステル−メラミン硬化型の溶剤系黒色塗料を20
ミクロン膜厚となるよう塗装し、170℃で30分間焼
付けして調製したものを用いた。得られた熱硬化性粉体
塗料組成物の特性と、焼付け硬化塗膜の評価結果を、表
4にまとめて示す。
【0095】ここで使用した各種評価方法については、
以下の通りである。[固着・凝集性]粉体塗料の貯蔵中の
固着・凝集性は、下記のようにして評価した。すなわ
ち、粉体塗料6.0gを内径20mm、高さ80mmの
円筒形容器に入れて密栓し、30℃で、7日間貯蔵した
後に粉体塗料を該容器より取出し、粉体塗料の凝集状態
を、指触により、下記評価基準(◎〜×)で評価した。
【0096】各評価結果をまとめて表4に示す。 ◎:全く凝集がない。 ○:僅かに凝集があるが、指で容易に崩れる。 ×:指で崩れない塊がある。 [光沢値]BYKガードナー社製の光沢計により、60度
光沢値を測定。
【0097】[鉛筆硬度]鉛筆引っ掻き試験(日本工業規
格 JIS K5400 6.14に準拠)により評
価。 [耐擦傷性]一定粒度の研磨剤を含有する濃度60%の水
分散スラリーを、塗膜面に1平方メートル当たり250
0g塗布し、次いで摩擦堅牢度試験装置(大栄科学社製
NR−100)により、接触するガーゼ面に垂直荷重2
00gを負荷して、20往復のラビング処理を行った
後、ラビング前後の20度光沢値の保持率を百分率で計
算した。
【0098】[耐酸性]10容積%の硫酸を、塗膜表面に
1cc滴下し、室温にて1日放置した。その後、硫酸滴
を拭き取り外観を観察して、下記評価基準(◎〜×)で
判定した。 ◎:痕跡なし。○:軽微な痕跡あり。×:明確な痕跡あ
り。 [耐溶剤性]キシレンを含浸させたガーゼで塗膜表面を往
復50回擦った後、塗膜を観察して、下記評価基準(◎
〜×)で判定した。 ◎:痕跡なし。○:軽微な痕跡あり。×:明確な痕跡あ
り。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
【表3】
【0102】
【表4】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年5月26日(2003.5.2
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】付加反応の「反応率」は、スチレン−無水
マレイン酸共重合体中の酸無水物基が、ハーフエステル
に転換された転換率と言い換えることができ、赤外分光
分析により実測された、付加反応前後におけるスチレン
―無水マレイン酸共重合体中の酸無水物基の吸収ピーク
である1780cm-1の赤外吸収強度(Ia、Ib)と、
同じく付加反応前後における該吸収ピーク近傍の200
0cm-1の赤外吸収強度(I'a、I'b)とから、下記式
(1)により計算される。 付加反応率(%)= [{(Ia/I'a)−(Ib/I'b)}/(Ia/I'a)]×100・・・・(1) [式(1)中、Iは酸無水物基の1780cm-1の赤外吸
収強度を表し、I'は該吸収ピーク近傍の2000cm
-1の赤外吸収強度を表し、添え字a、bはそれぞれ反応
前、反応後を意味する。]
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】本発明では、このようにして得られたスチ
レン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加体
(C)、あるいは該付加体(C)と未反応のモノアルコ
ール類とを含む反応生成物(該付加体(C)含有物とも
言う。)は、そのまま、粉体塗料の構成成分として、直
接、成分(A)、(B)と共に配合して熱硬化性粉体塗
料組成物として使用することができるが、その少なくと
も一部または全量を、多価カルボキシル硬化剤(B)
に、予め溶融状態で一体化し、マスターバッチ硬化剤
(B')として使用することもできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 163/00 C09D 163/00 Fターム(参考) 4J036 AK11 DB18 DB21 DB22 FB04 FB11 JA01 4J038 CG141 CH171 DD002 DD082 DG221 GA01 GA02 GA05 GA09 GA12 JA39 JA41 JA60 KA03 MA02 NA01 NA04 NA11 NA23 PA02 PA19 PB07

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グリシジル基及び/又はβ−メチルグリシ
    ジル基を有するエチレン性不飽和単量体を含むモノマー
    を(共)重合することにより得られるグリシジル基含有
    アクリル樹脂(A)、多価カルボキシル硬化剤(B)、
    スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加体
    (C)を含有してなり、得られる硬化塗膜の60度光沢
    値が80以上を示す熱硬化性粉体塗料組成物。
  2. 【請求項2】上記のスチレン−無水マレイン酸共重合体
    のアルコール付加体(C)が、数平均分子量Mnが30
    00以下のスチレン−無水マレイン酸共重合体に、炭素
    数1〜18のモノアルコール類を付加反応させて得られ
    たものであることを特徴とする、請求項1に記載の熱硬
    化性粉体塗料組成物。
  3. 【請求項3】上記のスチレン−無水マレイン酸共重合体
    のアルコール付加体(C)が、数平均分子量Mnが30
    00以下のスチレン−無水マレイン酸共重合体と、炭素
    数4〜14のモノアルコール類との付加反応物であり、 上記スチレン―無水マレイン酸共重合体中の酸無水物基
    に対して上記モノアルコール類が、下記式(1)で示され
    る付加反応率が5〜50%となる量で付加していること
    を特徴とする、請求項2に記載の熱硬化性粉体塗料組成
    物。 付加反応率(%)= [{(Ia/I’a)−(Ib/I’b)}/(Ia/I’a)]×100・・・・(1) [式(1)中、Iは酸無水物基の1780cm-1の赤外吸
    収強度を表し、I’は該吸収ピーク近傍の2000cm
    -1の赤外吸収強度を表し、添え字a、bはそれぞれ反応
    前、反応後を意味する。]
  4. 【請求項4】上記のスチレン−無水マレイン酸共重合体
    のアルコール付加体(C)が、グリシジル基含有アクリ
    ル樹脂(A)及び、多価カルボキシル硬化剤(B)の合
    計重量100部に対し、0.3〜15重量部の量で含ま
    れていることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記
    載の熱硬化性粉体塗料組成物。
  5. 【請求項5】上記のスチレン−無水マレイン酸共重合体
    のアルコール付加体(C)が、グリシジル基含有アクリ
    ル樹脂(A)及び、多価カルボキシル硬化剤(B)の合
    計重量100部に対し、0.3〜5重量部の量で含まれ
    ていることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載
    の熱硬化性粉体塗料組成物。
  6. 【請求項6】上記スチレン−無水マレイン酸共重合体の
    アルコール付加体(C)が、多価カルボキシル硬化剤
    (B)と、予め、溶融状態で均一に混合されていること
    を特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載の熱硬化性
    粉体塗料組成物。
  7. 【請求項7】上記のグリシジル基含有アクリル樹脂
    (A)が、グリシジルメタクリレート及び/又はβ−メ
    チルグリシジルメタクリレート:10〜60重量%と、
    スチレン:5〜45重量%(含まれる全ての共重合性モ
    ノマーの合計を100重量%とする。)とを含む共重合
    性モノマーを共重合してなる共重合体であり、且つ、上
    記多価カルボキシル硬化剤(B)が、炭素数8〜20の
    脂肪族または脂環族二塩基酸類、またはその脱水縮合に
    より得られる酸無水物類、または、カルボキシル基を主
    たる官能基とする常温で固形のポリエステル樹脂、のう
    ち少なくとも1種類以上であることを特徴とする、請求
    項1〜6の何れかに記載の熱硬化性粉体塗料組成物。
  8. 【請求項8】上記のグリシジル基含有アクリル樹脂
    (A)が、グリシジルメタクリレート及び/又はβ−メ
    チルグリシジルメタクリレート:10〜60重量%と、
    スチレン:5〜45重量%(含まれる全ての共重合性モ
    ノマーの合計を100重量%とする。)とを含む共重合
    性モノマーを共重合してなる共重合体であり、且つ、多
    価カルボキシル硬化剤(B)が、炭素数8〜20の脂肪
    族または脂環族二塩基酸類、またはその脱水縮合により
    得られる酸無水物類、のうち少なくとも1種類以上であ
    ることを特徴とする、請求項1〜7の何れかに記載の熱
    硬化性粉体塗料組成物。
  9. 【請求項9】上記のスチレン−無水マレイン酸共重合体
    のアルコール付加体(C)が、数平均分子量Mnが30
    00以下のスチレン−無水マレイン酸共重合体と、炭素
    数4〜14のモノアルコール類との反応により、付加反
    応率5〜50%で付加反応されており、上記熱硬化性粉
    体塗料組成物中には、さらに未反応のモノアルコール類
    が含まれ、共存していてもよいことを特徴とする、請求
    項1〜8の何れかに記載の熱硬化性粉体塗料組成物。
  10. 【請求項10】グリシジル基及び/又はβ−メチルグリ
    シジル基を有するエチレン性不飽和単量体を含むモノマ
    ーを(共)重合することにより得られるグリシジル基含
    有アクリル樹脂(A)、多価カルボキシル硬化剤
    (B)、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコー
    ル付加体(C)を含有してなる熱硬化性粉体塗料組成物
    から、熱硬化により得られた塗膜の60度光沢値が80
    以上であることを特徴とする硬化塗膜。
  11. 【請求項11】グリシジル基及び/又はβ−メチルグリ
    シジル基を有するエチレン性不飽和単量体を含むモノマ
    ーを(共)重合することにより得られるグリシジル基含
    有アクリル樹脂(A)と、多価カルボキシル基含有硬化
    剤(B)と、スチレン―無水マレイン酸共重合体のアル
    コール付加体(C)とを含む熱硬化性粉体塗料組成物を
    製造するに際して、スチレン−無水マレイン酸共重合体
    のアルコール付加体(C)の少なくとも一部と、多価カ
    ルボキシル硬化剤(B)とを、予め、溶融状態で均一に
    混合し、次いで、得られたマスターバッチ硬化剤
    (B’)と、グリシジル基及び/又はβ−メチルグリシ
    ジル基を有するエチレン性不飽和単量体を含むモノマー
    を(共)重合することにより得られるグリシジル基含有
    アクリル樹脂(A)と、残部のスチレン―無水マレイン
    酸共重合体のアルコール付加体(C)とを、混合するこ
    とを特徴とする、熱硬化性粉体塗料組成物の製造方法。
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