JP4248923B2 - 熱硬化性粉体塗料組成物 - Google Patents

熱硬化性粉体塗料組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱硬化性粉体塗料組成物に関し、さらに詳細には、本発明は優れた外観特性(平滑性、光沢等)、物理特性(硬度、耐擦傷性等)、化学特性(耐候性、耐酸性、耐溶剤性等)を有し、特に自動車等の車体、及び車両用部品の塗装用途に好適な、焼付塗膜を与えることのできる熱硬化性粉体塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱硬化性粉体塗料は、溶剤排出量の極めて少ない環境対応型塗料であり、従来より、特にVOC(Volatile Organic Compound、揮発性有機化合物)排出規制の厳しい欧米を中心に市場が拡大している。
【0003】
このような熱硬化性粉体塗料は、水性又は溶剤型塗料と比較して一回の塗装操作で高膜厚な塗膜が得られるという特長がある反面、塗料コストの削減を目指した薄膜化には限界があった。これは、塗料が粒子状態であり、かつ、溶剤等が存在しない為、塗膜面の平滑化を促進する希釈・揮発成分が存在しないことによる。この薄膜化の要求が最も強い用途が自動車トップクリア塗装であり、現時点では、50μm厚以下の膜厚で実用可能な、十分な平滑性、塗膜性能を与え得る硬化性塗料を調製することは非常に困難であると考えられている。事実、55〜60μm厚が現在の実用レベルの主流となっている。
【0004】
このような状況にあって、溶剤型トップクリア塗料の標準膜厚である40μm厚までの薄膜化に向けて、種々の努力が見られ、そのアプローチは大きく3つに大別される。
【0005】
第一は、機械的粉砕による塗料粒子の微小化による薄膜化であるが、粉体としての流動性の悪化、凝集による塗膜面のブツブツ(スピット)、静電塗装での塗着効率の悪化が問題となり、これらに対し、微粉、及び粗粉を除去する方法(特開平10−231446号公報)、疎水性シリカ微粒子を混合する方法(DE19712765)等が提案されている。
【0006】
第二は、塗料粒子の球状化による薄膜化であり、摩滅型粉砕による半球状化(特開平8−209033号公報、特開平9−100414号公報等)、さらに、溶融状態にある塗料粒子の媒体中での懸濁分散技術を利用した球状化(EP1055694)等が検討されている。但し、これら2つのアプローチは製造プロセス上大幅な変更を伴う。
【0007】
第三は、塗料組成を調整し、溶融、硬化特性を制御することにより薄膜化を図る方法である。
【0008】
一例を挙げれば、特開平11−140379号公報に開示されているように、β−メチル−グリシジルメタクリレート(β−メチルGMA)を用いることで、熱硬化反応速度自体を遅らせ、塗料の流動時間を長くすることにより、塗膜の平滑化を推進する方法がある。また、同号報には、塗膜の外観、光沢度の改良を裏付ける一つの推定指標として、粉体塗料のペレットフローについての記載がある。これは、一定重量で一定形状の、粉体塗料よりなる円筒状のペレットを打錠し、これを、所定温度で溶融させた際の水平方向の広がり直径を測定する方法で、当該研究開発者等にとって非常に簡便な推定指標である。一般に、ペレットフローが大きい程、塗膜の外観、光沢度は良い。一方、US−5663240等では、複素弾性率の絶対値(η*)の最低値の上限を規定し、塗膜の平滑化を推進しており、また、同時に、平滑化の推定指標として、粉体塗料のゲルタイムを使用している。ゲルタイムは、塗料の熱硬化速度を実測する一つの簡便法であり、一定重量の粉体塗料を、一定温度のホットプレート上に投下し、流動性を完全に失うまでの時間を測定するものである。一般に、ゲルタイムが長い程、塗膜の平滑度、光沢度は良い。また、さらに、色材,74[11],546−550(2001)には、複素弾性率の絶対値(η*)と焼付け時間の積分値に相当する値に関する記載があり、塗料の流動可能な粘度と時間との両方を平滑化の良否の推定指標としている。このように、種々の推定指標が提案、併用されている事実は、言い換えれば、推定指標が絶対的なものでない事を意味するし、これらいずれの先行技術についても、40μm厚の膜厚では十分な平滑性は得られていない。例えば、硬化速度を加速する目的で、適切な硬化触媒を配合した場合、上記の複素弾性率の絶対値(η*)と焼付け時間の積分値に相当する値は、急激に減少するが、複素弾性率の絶対値(η*)の最低値は大きく変化せず、せいぜい、メインバインダー樹脂の分子量低下で再現できるレベルのものに留まる。つまり、複素弾性率の絶対値(η*)の最低値や、複素弾性率の絶対値(η*)と焼付け時間の積分値、ペレットフロー、さらには、ゲルタイム等の従来の指標は、いずれもが、平滑性を推定するパラメーターとして不充分であり、特に、本願の目標とする40μm厚レベルの塗膜では、実用的でないと考えられる。
【0009】
これに対し本願発明者らは、粉体塗料の溶融過程での粘度減少速度だけに注目し、特定の複素弾性率の絶対値(η*)の減少に要する時間を規定することで、40μm厚への薄膜化の必要条件が規定できること、さらに、このような特定の規定によれば、自動車等の車両塗装に対しても実用レベルで遜色のない塗料組成物を提供できることなどを見出して、本発明を完成するに至った。
【0010】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、粉体塗料の薄膜化の要求に対して適応でき、平滑性に優れた焼付け塗膜が得られるような熱硬化性粉体塗料組成物(例えば、アクリル系熱硬化性粉体塗料組成物)を提供することを目的としている。
【0011】
特に、本発明は、自動車等の車体及び車両用部品の塗装、特に、上塗り塗装において、40μmの膜厚で十分な平滑性(Lw値=4.0以下)を与え得るような熱硬化性粉体塗料組成物を提供することを目的としている。
【0012】
【発明の概要】
本発明に係る熱硬化性粉体塗料組成物は、重量平均分子量Mwが2500〜4500の範囲にある、常温で固形の熱硬化反応可能な官能基を含有するアクリルコポリマー成分(A)と、
上記アクリルコポリマー成分(A)中の官能基と反応して熱硬化可能な別の官能基を有する硬化剤成分(B)とを含有し、
動的粘弾性測定装置により下記の条件下に測定される複素弾性率の絶対値(η*)が10万Pa・sから5Pa・sまで低下するのに要する時間ΔTが200秒以下であり、
上記アクリルコポリマー成分(A)中の置換基を有していてもよいグリシジル基量(a)に対する硬化剤成分(B)中の酸基量(b)が、モル比((b)/(a))で、1.05〜1.3/1.0であり、
上記アクリルコポリマー成分(A)が、グリシジルメタクリレート及び/又はβ−メチル−グリシジルメタクリレート(A−1)20〜60重量%と、
イソボロニルメタクリレート、イソボロニルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、及びイソブチルメタクリレートからなる群から選択された少なくとも1種類以上のエチレン性不飽和単量体(A−2)10〜50重量%と、
スチレン、メチルメタクリレートからなる群から選択された少なくとも1種類以上のエチレン性不飽和単量体(A−3)0〜30重量%(これら共重合成分の合計:100重量%)とを共重合して得られる樹脂であり、
上記硬化剤成分(B)は、平均縮合度2〜6のドデカン二酸線状ポリ酸無水物、または、平均縮合度2〜6のテトラデカン二酸線状ポリ酸無水物のいずれかであることを特徴としている。
[複素弾性率の絶対値(η*)測定条件]
昇温速度:10℃/min、昇温開始温度:60℃、昇温終了温度:150℃、プレート:直径20mmのパラレルプレート、プレート間距離:1mm、周波数:1Hz。
【0013】
本発明においては、上記複素弾性率の絶対値(η*)が10万Pa・sから5Pa・sまで低下するのに要する時間ΔTが180秒以下であることが好ましい。
【0014】
本発明においては、上記測定条件に従い動的粘弾性測定装置により測定される複素弾性率の絶対値(η*)の最低値が2.0Pa・s以下であることが好ましく、さらに、1.0Pa・s以下であることが望ましい。
【0015】
記アクリルコポリマー成分(A)中の置換基を有していてもよいグリシジル基量(a)に対する硬化剤成分(B)中の酸基量(b)が、モル比((b)/(a))で、特に、1.1〜1.3/1.0であることが好ましい。
【0016】
上記硬化剤成分(B)は、上記縮合度のテトラデカン二酸線状ポリ酸無水物であることがより好ましい。
【0017】
本発明で使用される上記官能基を含有するアクリルコポリマー成分(A)の重量平均分子量Mwは、上記したように2500〜4500の範囲にあることが好ましいが、2800〜4000の範囲であることがより好ましい。
【0018】
本発明で使用される上記官能基を含有するアクリルコポリマー成分(A)の実測ガラス転移温度Tgは40℃以下であることが好ましい。
【0020】
本発明においては、上記何れの態様においても、上記熱硬化性粉体塗料組成物が、体積平均粒子径18μm以上の、非球状不定形粒子状であり、且つ、上記熱硬化性粉体塗料組成物を塗装、焼き付け硬化して得られる、厚さ40μmのクリア塗膜の平滑度Lw値が4.0以下となることが好ましい。
【0021】
上記本発明に係る熱硬化性粉体塗料組成物(例えば、アクリル系熱硬化性粉体塗料組成物)は、貯蔵安定性に優れ、しかも該組成物によれば、平滑性に優れた焼付け塗膜が得られる。
【0022】
特に、本発明に係る熱硬化性粉体塗料組成物によれば、自動車等の車体、及び車両用部品の焼付け塗装、特に、上塗り塗装において、40μmの膜厚で十分な平滑性(Lw値=4.0以下)を与え得る塗膜が得られる。
【0023】
しかも、得られた焼付け塗膜は、優れた外観特性(平滑性、光沢等)、物理特性(硬度、耐擦傷性等)、化学特性(耐候性、耐酸性、耐溶剤性等)を有している。従って、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物は、特に自動車等の車体、及び車両用部品の焼付け塗装用途に好適である。
【0024】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る熱硬化性粉体塗料組成物について具体的に説明する。
【0025】
[熱硬化性粉体塗料組成物]
本発明に係る熱硬化性粉体塗料組成物は、下記の官能基含有アクリルコポリマー成分(A)と、該樹脂成分(A)中の官能基と反応して熱硬化可能な硬化剤成分(B)とを含有している。該アクリルコポリマー成分(A)の重量平均分子量Mw(測定法:GPC)は2500〜4500、更に好ましくは2800〜4000である。
【0026】
このような熱硬化性粉体塗料組成物は、下記の条件下に、動的粘弾性測定装置(Haake社製)により測定される複素弾性率の絶対値(η*)が10万Pa・sから5Pa・sまで低下するのに要する時間ΔTが200秒以下であることが好ましく、さらには、180秒以下であることが好ましい。この時間ΔTが上記範囲にあると、熱硬化性粉体塗料組成物の粉体塗装、特に上塗り粉体塗装を行った場合に、40μmの膜厚で十分な平滑性(例:Lw値=4.0以下)を有する硬化膜を形成できる。
【0027】
なお、この熱硬化性粉体塗料組成物の複素弾性率の絶対値(η*)が10万Pa・sから5Pa・sまで低下するのに要する時間ΔTの決定要因は、官能基を含有するアクリルコポリマー成分(A)の共重合体構成成分比(あるいはモノマー組成比)、その分子量Mw、実測ガラス転移温度Tg、硬化剤成分(B)の種類、その縮合度、融点、あるいは成分(A)中の官能基と成分(B)中の官能基の配合比などである。
【0028】
従って、上記時間ΔT(熱硬化性粉体塗料組成物の複素弾性率の絶対値(η*)が10万Pa・sから5Pa・sまで低下するのに要する時間ΔTを上記範囲に設定するには、下記のようなモノマー成分を下記のような組成比で共重合させた官能基を含有するアクリルコポリマー成分(A)を下記硬化剤成分(B)と組み合わせて用いればよい。
[動的粘弾性測定装置による、複素弾性率の絶対値(η * )測定条件]
動的粘弾性測定装置(Haake社製、型番:Rheostress RS75)、
昇温速度:10℃/min、
昇温開始温度:60℃、
昇温終了温度:150℃、
プレート:直径20mmのパラレルプレート、
プレート間距離:1mm、
周波数:1Hz。
【0029】
また、本発明においては、上記熱硬化性粉体塗料組成物は、動的粘弾性測定装置により測定される複素弾性率の絶対値(η*)の最低値が2.0Pa・s以下であることが好ましく、さらには、1.0Pa・s以下であることが、平滑な塗膜を得るという点で望ましい。
[官能基を含有するアクリルコポリマー成分(A)]
上記のような熱硬化性粉体塗料組成物の複素弾性率の絶対値(η*)の10万Pa・sから5Pa・sまで低下するのに要する時間ΔTが上記のように200秒以下、好ましくは180秒以下を達成可能な粉体塗料として、グリシジル基含有アクリル樹脂系の粉体塗料が挙げられる。
<設計Tg、実測Tg、及び、設計溶解性パラメーターSP>
このグリシジル基含有アクリル樹脂系粉体塗料に代表される粉体塗料の複素弾性率の絶対値(η*)の低下時間を極限まで短くするためには、第一に、官能基を含有するアクリルコポリマー成分(A)のガラス転移温度Tgを実用可能な下限界まで低下させる必要がある。ここで、実用性の意味する所は、粉体塗料粒子の固着・凝集の問題であり、最低限この問題を回避する必要がある。第二に、40μmの薄膜での平滑性を達成する為の一つの条件として、アクリルコポリマー成分(A)の重量平均分子量Mwを限界まで低下する必要がある。本発明では、これら2つを実現する為に、Foxの式により求められる「設計Tg」、及び、例えばDSC(示差走査熱量計)で実測される「実測Tg」を、適切に設計する必要がある。より具体的には、「設計Tg」が65℃以上、「実測Tg」が40℃以下、さらには40〜35℃がより好ましい。
【0030】
また、該アクリルコポリマー成分(A)は、下記に示す硬化剤成分(B)との相溶性の観点からは、Fedorsの方法により決定される「設計溶解性パラメーター(SP)」が、好ましくは10.0以下、さらには9.3以下であることが好ましい。また、その下限値は8.5またはそれ以上が好ましい。
【0031】
なお、「設計Tg」の計算方法は、Foxの式により決定され、「Bulletin of the American Physical Society,Series2,1巻,3号,123ページ以降(1956年)」に記載され、また「設計SP」の計算方法は、Fedorsの方法により決定され、「Polymer Engineering and Science,14巻,2月号,147〜154ページ,1974年」に記載されている。
<重量平均分子量Mw>
また、官能基を含有するアクリルコポリマー成分(A)は、重量平均分子量Mwは2500〜4500が好ましく、更に好ましくは2800〜4000である。官能基を含有するアクリルコポリマー成分(A)の分子量Mwが2500より小さい場合、得られる塗膜の物理特性(硬度、耐擦傷性等)、化学特性(耐候性、耐酸性、耐溶剤性等)等が低下してしまい、また分子量Mwが4500以上では複素弾性率の絶対値(η*)の低下時間を十分に短くすることができず、得られる塗膜の平滑性を損なう恐れがある。
【0032】
上記官能基を含有するアクリルコポリマー成分(A)の重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレンを標準として測定することができる。
【0033】
官能基を含有するアクリルコポリマー成分(A)としてのグリシジル基含有アクリル樹脂は、グリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステル(例:グリシジルメタクリレート、β−メチル−グリシジルメタクリレート等)等の各種ビニルエステルなどを共重合させることにより容易に製造できる。
【0034】
本発明では、上記アクリルコポリマー成分(A)としては、グリシジルメタクリレート及び/又はβ−メチル−グリシジルメタクリレート(A−1)と、他のエチレン性不飽和基を有する単量体とを共重合して得られるものが好ましい。
【0035】
しかも、この場合、単量体(A−1)は、通常、20〜60重量%、好ましくは30〜50重量%の量で、他のエチレン性不飽和基を有する単量体は、残部量すなわち、通常、80〜40重量%、好ましくは70〜50重量%(共重合成分の合計100重量%)の量で用いることが、塗膜の平滑性、物理特性、化学特性を向上させる点で、より好ましい。
【0036】
上記エチレン性不飽和基を有する単量体(エチレン性不飽和単量体)として、具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリルメタクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウロイル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジメチルアモノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有ビニル類;
アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有ビニル類及びこれらのモノエステル化物;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン等の芳香族ビニル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ふっ化ビニル、モノクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロプレン等のハロゲン含有ビニル類;
その他アクリロニトリル、メタクリルニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミド、及びメチロールメタクリルアミド、エチレン、プロピレン、C4〜C20のα−オレフィン、ビニルピロリドン等が挙げられる。
【0037】
また、上記単量体から誘導される成分単位、あるいは上記単量体を共重合してなる共重合体をセグメントに有し、分子末端にビニル基を有するマクロモノマー類等も使用できる。
【0038】
これらの単量体(マクロモノマーも含む)は、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0039】
なお、メチル(メタ)アクリレート等のような記載は、メチルアクリレート及び/又はメチルメタアクリレートを示す。
【0040】
さらにその好ましい態様においては、上記アクリルコポリマー成分(A)としては、グリシジルメタクリレート及び/又はβ−メチル−グリシジルメタクリレート(A−1)20〜60重量%と、
イソボロニルメタクリレート、イソボロニルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、及びイソブチルメタクリレートからなる群から選択された少なくとも1種類以上のエチレン性不飽和単量体(A−2)10〜50重量%と、
スチレン、メチルメタクリレートからなる群から選択された少なくとも1種類以上のエチレン性不飽和単量体(A−3)0〜30重量%(これら共重合用モノマー成分は、全量((A−1)+(A−2)+(A−3))で100重量%とする。)とを共重合して得られる樹脂が望ましい。
【0041】
特に本発明においては、上記エチレン性不飽和単量体(A−2)としては、共重合用モノマーの全量を100重量%とするとき、上記エチレン性不飽和単量体(A−2)として、イソボロニルメタクリレートを0〜25重量%の量で、イソボロニルアクリレートを0〜10重量%の量で、シクロヘキシルメタクリレートを0〜20重量%の量で、及びイソブチルメタクリレートを0〜50重量%の量で含み、かつこれらエチレン性不飽和単量体(A−2)を合計で10〜50重量%の量で含み、
上記エチレン性不飽和単量体(A−3)としてスチレンを0〜30重量%の量で、メチルメタクリレートを0〜10重量%の量で含み、かつこれらエチレン性不飽和単量体(A−3)を合計で0〜30重量%(これら共重合用モノマー成分は、全量((A−1)+(A−2)+(A−3))で100重量%とする。)の量で含むことが望ましい。
【0042】
このように単量体(A−1)と(A−2)と(A−3)とを組み合わせて使用する場合、単量体(A−1)は、通常、20〜60重量%、好ましくは30〜50重量%の量で、
単量体(A−2)は通常、10〜50重量%、好ましくは20〜50重量%の量で、また、単量体(A−3)は、通常0〜30重量%、好ましくは10〜30重量%の量で用いることが塗膜の平滑性、物理特性、化学特性を向上させる点で望ましい。但し、これら共重合すべき全成分の合計((A−1)+(A−2)+(A−3))を100重量%とする。なお、得られた共重合体中において、上記各モノマー由来の各成分単位は、理論的には、それぞれ用いられたモノマー量(重量%)に対応する量で含まれているが、現実的には、重合転化率の差、熱分解の程度などにより、製品樹脂中の各ユニット(成分単位)の組成は、原料モノマー組成と最大で5%程度ずれる場合がある。
【0043】
このような官能基含有樹脂(共重合体)の合成方法としては、実質的に所望の特性を有するものが得られる限り特に限定されず、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法が用いられ、とりわけ溶液重合法が好適に用いられる。
【0044】
例えば、このような官能基を含有するアクリルコポリマー(A)を溶液重合法にて合成するには、キシレン等の有機溶剤存在下、窒素をパージしながら、上記共重合用モノマー(単量体)と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの重合開始剤を、例えば、80〜150℃程度の温度で、1〜10時間程度反応させればよい。
[硬化剤成分(B)]
硬化剤成分(B)としては、多塩基酸化合物、例えば、ドデカン二酸酸無水物、テトラデカン二酸無水物等のような(線状=直鎖状)ポリ酸無水物等が挙げられるが、本発明で使用される硬化剤成分(B)としては、その融点、縮合度、官能基を含有するアクリルコポリマー成分(A)中の官能基であるグリシジル基との硬化反応性等を考慮する必要があり、複素弾性率の絶対値(η*)が10万Pa・sから5Pa・sまで低下するのに要する時間ΔTを上記範囲にするとの観点から、ポリ酸無水物が好ましく、なかでも、ドデカン二酸線状ポリ酸無水物、テトラデカン二酸線状ポリ酸無水物等のような線状ポリ酸無水物が好適であり、平均縮合度2.0〜6.0のドデカン二酸線状ポリ酸無水物、平均縮合度2.0〜6.0のテトラデカン二酸線状ポリ酸無水物がさらに好ましく、平均縮合度2.0〜6.0のテトラデカン二酸線状ポリ酸無水物が特に好ましい。この理由は、同一縮合度での比較で、ドデカン二酸線状ポリ酸無水物に対し、テトラデカン二酸線状ポリ酸無水物は、約5℃融点が高い為、アクリルコポリマー成分(A)のガラス転移温度Tgの低下に伴って生じる粉体塗料粒子の固着・凝集の問題を緩和できること、メチレン鎖が長い(炭素数が多い)為に、下に記載する樹脂成分(A)と酸硬化剤(B)とのモル比を同一に設計した場合、樹脂成分(A)に対する酸硬化剤(B)の配合重量が増加し、その希釈効果により複素弾性率(η*)の最低値を低下させやすい事、さらに、経時的な加水分解速度がやや小さく、塗料の保存安定性により優れる為である。
【0045】
また、テトラデカン二酸線状ポリ酸無水物は、特に後述する本発明で好ましい酸基(b)過剰の配合での使用時に、得られる硬化塗膜を柔軟化し、特異的に優れた擦傷性を与える事ができ、この点からもドデカン二酸線状ポリ酸無水物よりもより好ましい。
【0046】
例えば、平均縮合度3.0のテトラデカン二酸線状ポリ酸無水物の融点は、約100℃であり、理想的な温度であること、さらに、貯蔵中の加水分解による縮合度低下の安定化領域が、この縮合度3.0近辺にあることによる。
ところで、テトラデカン二酸線状ポリ酸無水物の場合、原料となるテトラデカン二酸が、微生物の発酵を利用したバイオプロセスで製造されることが一般的であり、このような製法によりテトラデカン二酸線状ポリ酸無水物を得る場合、該テトラデカン二酸線状ポリ酸無水物中における、微生物のタンパク質に由来する残留窒素濃度は、通常、150ppm以下、好ましくは120ppm以下であることが塗膜形成後の黄変が抑制される点で望ましい。その精製方法については、特開2000−302724号公報に記載されている。
[樹脂成分(A)と酸硬化剤(B)の配合比]
官能基を含有するアクリルコポリマー成分(A)と硬化剤成分(酸硬化剤)(B)との配合比率は、理論的には、成分(A)中の置換基を有していてもよいグリシジル基量(a)に対する成分(B)中の酸基量(b)とのモル比((b)/(a))が1/1となるような量で用いればよいが、本発明では、通常、成分(A)中の置換基を有していてもよいグリシジル基(すなわちグリシジル基、β−メチル−グリシジル基等の合計)量(a)に対する、成分(B)中の酸基量(b)がモル比((b)/(a))で、1.00〜1.30/1.0、さらには1.05〜1.30/1.0、1.10〜1.30/1.0、さらに特には1.15〜1.25/1.0であることがより好ましく、得られる塗膜の表面平滑性、表面光沢、硬度、耐擦傷性、耐酸性、耐溶剤性などの点で望ましい。
【0047】
[塗料用添加剤]
本発明の熱硬化性粉体塗料組成物(塗料)には、必要により、通常の粉体塗料に添加可能な種々の添加剤を配合してもよい。例えば、該塗料の使用目的などに応じて、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などの合成樹脂、繊維素又は繊維素誘導体などを包含する天然樹脂又は半合成樹脂などを適宜配合して、塗膜物性等を向上させることもできる。また、目的に応じ、硬化触媒、顔料、流動調整剤、チクソ剤(チクソトロピー調整剤)、帯電調整剤、表面調整剤、光沢付与剤、ブロッキング防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、ワキ防止剤、酸化防止剤等の添加剤を適宜配合してもよい。また、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物をクリアコート用として使用する場合には、該組成物に少量の顔料を配合し、例えば、完全に隠ぺい性が発現しない程度に着色してもよい。
[既存技術との塗料組成上の差異]
上述した先行技術と、本発明との差異についてさらに付言にする。
【0048】
本発明は、特開平9−78010号公報、US5663240と異なり、動的粘弾性測定装置により特定条件下に測定される複素弾性率の絶対値(η*)が、10万Pa・sから5Pa・sまで低下するのに要する時間ΔTが200秒以下であるとの技術的思想を有する点で、これら公報に記載の発明と全く異なる。
【0049】
なお、上記特開平9−78010号公報、US5663240に記載の発明においても、本発明と同様に、粉体塗料用樹脂製造用のモノマーとして、β−メチル−グリシジルメタクリレート(β−メチルGMA)、イソボロニルメタクリレートなどを用いている点で共通するが、これら公報には、上記ΔTが特定の範囲となるように、共重合体(樹脂)及びその硬化剤を組み合わせるとの技術的思想は全く存在しない。
【0050】
さらに、本発明は、特開平9−78010号公報、US5663240に記載の発明のようにイソボロニルアクリレート等を共重合させてなるポリマーに限るものではなく、上記ΔTが特定の範囲(200秒以下)にある限り、それ以外の低SP値のホモポリマーを与える単量体(モノマー)を用いたポリマーで代替できるという点で区別ができる。
【0051】
通常、このような低SP値のホモポリマーを与えるモノマーを用いたアクリルコポリマーは、同一溶融粘度を与える高SP値のアクリルコポリマーに対し、相対的に高分子量化するため、薄膜化に不利であると考えられてきた。今回、本発明においては、低SP値のホモポリマーを与える単量体を用いたアクリルコポリマーにおいても、塗膜の平滑性が維持でき、むしろ改善されている。このように塗膜の平滑性が改善された要因について、本発明者等は、塗料の疎水的な設計が、塗料粒子表面の表面張力を低下させ、塗装された塗料粒子の融着速度・造膜速度が速まること、さらに、樹脂と硬化剤とのSP値差バランスで生じるミクロ相分離の結果、樹脂相に対する硬化剤相の潤滑効果が高まり、その平坦化に有利であることと推測され、特に、熱硬化反応の影響が無視できるこれら溶融開始直後時の現象が、最終的な塗膜の平滑性を決定づけるものと考えられる。特に、従来では、樹脂−硬化剤の相溶性については、粉体塗料の過去の長い開発経緯の中で、十分に議論されておらず、その均質化について、塗料製造プロセス上で達成する試み(WO9534606、GB2326883、等)が数多く存在するものの、基礎的解析が全く行われていないのが現状である。
【0052】
そこで、本発明者らは、この現象を数値的に証明する一つの方法として複素弾性率(η*)の低下速度の解析を実施した。その結果、本発明の如き、設計SP値の低いアクリルコポリマーなどを特定の硬化剤と組み合わせて使用した場合、昇温開始初期の粘度減少速度が極めて早いこと、この粘度(複素弾性率の絶対値(η*))の低下が早い(ΔTが一定値以下(200秒以下))と、40μm(厚)の塗膜であっても、平滑性、光沢等に優れた焼付け塗膜が得られることなどを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0053】
特に本発明の好ましい態様では、脂肪族二塩基酸に対し融点が低く、複素弾性率(η*)の最低値の低下効果が大きいポリ酸無水物硬化剤、特にテトラデカン二酸線状ポリ酸無水物を使用し、グリシジル基に対して酸を過剰当量で使用し、さらに徹底的な樹脂分子量低下を図り、これらを組み合わせ、しかも特定条件下で測定される粘度減少速度でのパラメーターΔTを特定範囲に限定することにより、従来技術で到達できなかったレベルの塗膜の平滑性、光沢などを有する薄膜化塗膜(例:40μm(厚))を実用レベルで達成可能となっている。
【0054】
このように本発明では、アクリルコポリマーと硬化剤とを選定し、初期の粘度減少速度などを特定範囲に設定しており、これにより膜厚が40μmにおいても優れた平滑性を有する塗膜の形成が可能となっている。
[粉体塗料組成物の調製]
上記官能基を含有するアクリルコポリマー成分(A)および硬化剤成分(B)を含む熱硬化性粉体塗料組成物を調製する方法としては、実質的に均一な粉体塗料組成物を調製できれば、成分(A)、成分(B)等の配合方法には特に制限はない。
【0055】
このような成分(A)、(B)の配合・コンパウンド化(混合)の際には、通常、加熱ロール機、加熱ニーダー機、押出し機(エクストルーダー)、ミキサー(バンバリー型、トランスファー型等)、カレンダー設備等の従来より公知の混練機等を適宜組み合わせて用いることができる。また、これら混練機の運転の際には、混練条件(温度、回転数、雰囲気等)を適宜、設定すればよい。
【0056】
上記混練工程を経て得られた粉体塗料(粗粉体塗料)は、必要によりさらに微粉砕して、均一な微細粉末状態の粉体塗料組成物としてもよい。この微粉砕物を得るには、従来より公知の方法を採用することができる。例えば、平均粒径が10〜90μm程度で非球状不定形粒子状の微粉砕物を得るには、機械的に粉砕可能なハンマーミル等の破砕型粉砕機を使用することができる。
【0057】
本発明においては、特に、上記熱硬化性粉体塗料組成物が、体積平均粒子径18μm以上、好ましくは20〜30μmの粒子状であることが望ましく、該体積平均粒子径が20μm未満特に18μm未満では、塗装時の作業性、塗着効率が悪くなる傾向があり、また30μmを超えると塗膜の平滑性が損なわれることがある。
[塗装方法および焼付け方法]
上記のようにして得られた本発明の粉体塗料(熱硬化性粉体塗料組成物)は、静電塗装法、流動浸漬法等の塗装方法によって、粉体塗料粉末を塗装対象物(基材あるいは下塗塗膜表面、等)に付着せしめ、加熱して熱硬化させることにより、塗膜(硬化塗膜)を形成させることができる。
【0058】
このように上記熱硬化性粉体塗料組成物を塗布硬化して得られる塗膜(クリア塗膜)では、その厚さが40μmに於いても、溶剤型塗料に匹敵する平滑性(Lw値4.0以下)が得られる。
【0059】
なお、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物の焼付けは、通常、約100〜180℃、より好ましくは120〜160℃の温度で、10〜60分間程度行われる。
【0060】
また、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物を上塗り塗料として用いる場合、その下塗り塗料として、従来の溶剤型塗料のみならず、水性塗料を用いた場合においても、焼付け後の本発明の熱硬化性粉体塗料組成物からなる上塗塗膜は、上塗塗料として溶剤型塗料を用いた場合と同様に、優れた特性を有する。
【0061】
即ち、水性下塗り塗料(顔料入り及び/又は金属粉入りを含む)を塗装し、所定の時間乾燥させた後、得られた下塗塗膜の表面に、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物を上記の方法によって塗装し、加熱して熱硬化させ上塗塗膜を形成させると、上記したような優れた特性の塗膜を形成できる。
【0062】
本発明に係る熱硬化性粉体塗料組成物は、自動車等の車体、及び車両用部品(アルミホイール、ワイパー、ピラー、ドアハンドル、フェンダー、ボンネット、エアスポイラー、スタビライザー、フロントグリル等)等の被塗物基材表面の塗装に好適に用いられる。
【0063】
本発明に係る熱硬化性粉体塗料組成物は、実用レベルの貯蔵安定性(特に耐ブロッキング性等)を有しており、該熱硬化性粉体塗料組成物を、適当な又は公知・公用の塗装方法により被塗物基材表面に塗装して得られた塗膜は、外観特性(特に、平滑性、光沢等)、物理特性(特に硬度、耐擦傷性)、化学特性(特に耐候性、耐酸性、耐溶剤性等)の点で、優れた性能を有する。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、実用レベルの貯蔵安定性を有し、しかも優れた外観特性(平滑性、光沢等)、物理特性(硬度、耐擦傷性等)、化学特性(耐候性、耐酸性、耐溶剤性等)を有し、特に自動車等の車体、及び車両用部品の塗装用途に好適な焼付塗膜を与えることのできる熱硬化性粉体塗料組成物が提供される。
【0065】
【実施例】
以下、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物について、その製法および各種試験例を挙げ、更に具体的に説明するが、本発明は、それらの記載によって何ら限定されるものではない。以下の説明において、「部」および「%」は特記していない限り重量基準である。
【0066】
【実施例用樹脂成分(A)の製造例1】
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、キシレン66.7部を仕込み、窒素をパージしながら還流温度まで加熱昇温した。このフラスコ内に、表1に示すように、単量体単量体(A−1)としてグリシジルメタクリレート40部と、単量体(A−2)としてイソボロニルアクリレート38部と、単量体(A−3)としてスチレン20部、その他の単量体として、ノルマルブチルメタクリレート2部と、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート10部とが溶解した混合液を、5時間にわたりフィードして、さらにその後100℃で5時間保持し、これらモノマーの共重合反応を行った。得られた樹脂溶液からその溶剤を除去することによりグリシジル基含有アクリル樹脂を得た。
【0067】
得られたグリシジル基含有アクリル樹脂(官能基を含有するアクリルコポリマー成分(A))の数平均分子量Mn(GPCにて測定)は、1520であり、重量平均分子量Mw(GPCにて測定)は、3150であり、過塩素酸滴定法により測定されたエポキシ当量は、380(g/eq.)であった。また、Foxの式により求められる設計Tgは75℃であり、DSC(示差走査熱量計)で測定される実測Tgは、36℃であった。また、Fedorsの方法により決定される「設計溶解性パラメーター(SP)」は9.0である。
【0068】
【実施例用樹脂成分(A)の製造例2〜4】
上記製造例1において、表1に示すように、使用する単量体の組成比のみを変更し、上記製造例1と同じ操作により、グリシジル基含有アクリル樹脂(A)を得た。
【0069】
得られた樹脂(A)の数平均分子量Mn、重量平均分子量Mw、エポキシ当量などを表1に示す。
【0070】
【比較例用樹脂成分(A)の製造例1】
上記製造例1において、表1に示すように、使用する単量体の組成比のみを変更し、好ましい単量体群(A−2)を使用しなかった以外は、上記製造例1と同じ操作により、グリシジル基含有アクリル樹脂(A)を得た。
【0071】
得られた樹脂(A)の数平均分子量Mn、重量平均分子量Mw、エポキシ当量等を表1に示す。
【0072】
【比較例用樹脂成分(A)の製造例2】
上記製造例3において、表1に示すように、製造例3の重合開始剤量を7部に減少した以外は、上記製造例3と同じ操作により、グリシジル基含有アクリル樹脂(A)を得た。
【0073】
得られた樹脂(A)の数平均分子量Mn、重量平均分子量Mw、エポキシ当量等を表1に示す。
【0074】
【熱硬化性粉体塗料組成物の製造実施例1】
表1に記載の製造例1で得られたグリシジル基含有アクリル樹脂(A)62部、硬化剤(B)として、テトラデカン二酸線状ポリ酸無水物(平均縮合度は3.6、カルボキシル基+酸無水物基の合計当量192g/eq.、 融点98℃)38部、紫外線吸収剤「チヌビンCGL1545」(チバスペシャリテイケミカルス社製)2部、ヒンダードアミン系光安定剤「チヌビンCGL 052」(チバスペシャリティーケミカルス社製)1部、ベンゾイン0.5部、流動調整剤0.3部、硬化触媒としてテトラブチルホスフォニウムブロマイド0.2部、及び、スリップ剤としてN,N’−エチレンビスステアロアミド0.1部の全てを、ヘンシェルミキサ−(三井鉱山社製)に一括投入し、室温下、3分間ドライ混合し、さらに、1軸押出し機(コペリオン社製)により、70℃で溶融混練した。
【0075】
得られた混練物について、その後、固化、粉砕、分級操作を実施し、最後に、粉体としての十分な流動性を確保し、凝集を防止する目的で、シリカ微粒子添加剤'エアロジル RX300'(日本エアロジル社製)0.2部をドライ混合して熱硬化性粉体塗料組成物を得た(表2の実施例1)。
【0076】
得られた塗料組成物の粒度は、島津製作所製SALAD2000により測定し、体積平均粒子径が25ミクロン(μm)であり、粒度分布を有する非球状不定形の粒子であった。
【0077】
なお、流動調整剤としては、重量平均分子量Mwが12000であるイソブチルメタアクリレートの固形ホモポリマーを、グリシジル基を有するアクリル樹脂の製造例1に準拠して製造し、平均粒度0.5mmとなるよう粉砕したものを使用した。
【0078】
なお、表2中に示した「酸基(b)/グリシジル基(a)のモル比」の設計値は、1.20となっている。
【0079】
【実施例2〜4】
上記実施例1において、表2に示すように官能基を含有するアクリルコポリマー成分(A)の種類および量を変えた以外は、上記実施例1と同様にして、粉体塗料を製造した。
【0080】
得られた粉体塗料の「酸基(b)/グリシジル基(a)のモル比」、塗料の平均粒子径、塗料の粒子形状等を表2に示す。
【0081】
【実施例5】
実施例3において、表2に示すように硬化剤成分(B)をドデカン二酸線状ポリ酸無水物(平均縮合度3.6、カルボキシル基+酸無水物基の合計当量170g/eq.、融点92℃)に変更し、表2に示す量で用いた以外は、上記実施例3と同様にした。「酸基(b)/グリシジル基(a)のモル比」の設計値は、1.20である。
【0082】
得られた粉体塗料の「酸基(b)/グリシジル基(a)のモル比」、塗料の平均粒子径、塗料の粒子形状等を表2に示す。
【0083】
【比較例1〜2】
実施例1において、表2に示すように上記樹脂成分として、比較例用樹脂成分(A)の製造例1〜2で製造したアクリル樹脂を表2に示す量で用い、硬化剤として、上記ドデカン二酸線状ポリ酸無水物(B)を表2に示す量で用いた以外は、実施例例1と同様にして、熱硬化性粉体塗料組成物を製造した。
【0084】
得られた粉体塗料の「酸基(b)/グリシジル基(a)のモル比」、塗料の平均粒子径、塗料の粒子形状等を表2に示す。
【0085】
【比較例3】
実施例3において、「酸基(b)/グリシジル基(a)のモル比」の設計値を、1.0とした以外は、実施例3と同様にした。
【0086】
得られた粉体塗料の「酸基(b)/グリシジル基(a)のモル比」、塗料の平均粒子径、塗料の粒子形状等を表2に示す。
[粉体塗料の評価]
<塗料の溶融特性の評価>
実施例、比較例で調製された粉体塗料を、複素弾性率の絶対値(η*)の測定装置(Haake社製、型番:Rheostress RS75)に仕込み、下記条件にて複素弾性率の絶対値(η*)の測定を行った。
【0087】
得られた結果から、複素弾性率の絶対値(η*)が10万Pa・sから5Pa・sまで低下するのに要する時間ΔTを算出した。
【0088】
結果を表3に示す。また、複素弾性率の絶対値(η*)の最低値についても表3に示した。
(複素弾性率の絶対値(η*)の測定条件)
昇温速度:10℃/min、昇温開始温度:60℃、昇温終了温度:150℃、プレート:直径20mmのパラレルプレート、プレート間距離:1mm、周波数:1Hz。
<塗料の粉体特性の評価>
実施例、比較例で調製された粉体塗料の貯蔵下の固着・凝集性を評価した。粉体塗料6.0gを内径20mm、高さ80mmの円筒形容器に入れて密栓し、30℃で、7日間貯蔵した後に粉体塗料を該容器より取出し、粉体塗料の固着・凝集状態を、指触により、下記評価基準(◎〜×)で評価した。
結果を表3に記載する。
◎:全く凝集がない。○:僅かに凝集があるが、指で容易に崩れる。×:指で崩れない塊がある。
<塗料の粉膜特性の評価>
実施例、比較例で調製された粉体塗料を、下地処理鋼板上に静電スプレーにて加熱後の膜厚が40μmとなるように塗装した後、145℃、30分間加熱し、テスト板を得た。
【0089】
なお、下地処理鋼板としては、ポリエステル−メラミン架橋の黒色塗料を、りん酸亜鉛処理を施した0.8mm厚のボンデライト鋼板に20μm厚で塗装し、その後170℃、30分間焼付けをして調製したものを用いた。各種評価方法は以下の通りとした。
【0090】
評価結果を表3にまとめて示す。
[外観/目視平滑度]
塗膜外観を目視判定にて、下記評価基準(◎〜×)で評価した。
【0091】
◎:非常に平滑。○:僅かにウネリがある。×:明らかにウネリがある。
[外観/Lw値]
BYKガードナー社製の測定機「ウエーブスキャン」にて測定される長波長値を計測し、実測値を記載。
[光沢値]
BYKガードナー社製の光沢計により、60°グロスを測定。
[塗膜硬度]
鉛筆引っ掻き試験(日本工業規格 JIS K5400 6.14 に準ずる)により評価した。表示は、鉛筆硬度記号で示した。
[耐擦傷性]
一定粒度の研磨剤を含有する、濃度30%のスラリーを用い、摩擦堅牢℃試験装置(大栄科学社製)により、20往復のラビング処理を行った後、ラビング前後の20度光沢値の保持率を計算し、下記の評価基準(◎〜×)で判定した。
◎:40%以上。○:20%以上40%未満。×:20%未満。
【0092】
なお、耐擦傷性の評価分類は、下記式により求められる、20°光沢値の保持率の計算値を用いて行った。
【0093】
「光沢保持率(%)={(ラビング後の20°光沢値)÷(ラビング前の20°光沢値)}×100」
[耐酸性]
10容積%の硫酸を、塗膜表面に1cc滴下し、室温にて1日放置した。その後、硫酸滴を拭き取り外観を観察して、下記評価基準(◎〜×)で判定した。
◎:痕跡なし。○:僅かに痕跡が認められる。×:明確な痕跡がある。
[耐溶剤性]
キシレンを含浸させたガーゼで塗膜表面を往復50回擦った後、塗膜を観察して、下記評価基準(◎〜×)で判定した。
【0094】
◎:痕跡なし。○:僅かに痕跡が認められる。×:明確な痕跡がある。
[耐候性]
QUVテスターによる2000時間の促進テストを行い、促進テスト前後の塗膜の20°光沢を測定し、光沢残存率(%)を求め、下記評価基準(◎〜×)で評価した。なお、光沢残存率は下記計算式により計算した。
光沢保持率(%)={(照射後の20°光沢度)÷(照射前の20°光沢度)}×100
◎:90%以上。 ○:90〜80%。 ×:80%以下。
【0095】
【表1】
Figure 0004248923
【0096】
【表2】
Figure 0004248923
【0097】
【表3】
Figure 0004248923

Claims (9)

  1. 重量平均分子量Mwが2500〜4500の範囲にある常温で固形の熱硬化反応可能な官能基を含有するアクリルコポリマー成分(A)と、該アクリルコポリマー成分(A)が有する官能基と熱硬化反応可能な別の官能基を有する硬化剤成分(B)とを含有し、
    動的粘弾性測定装置により下記条件下に測定される複素弾性率の絶対値(η*)について、10万Pa・sから5Pa・sまで低下するのに要する時間ΔTが200秒以下であり、
    該アクリルコポリマー成分(A)中のグリシジル基(a)に対する硬化剤成分(B)中の酸基(b)が、モル比((b)/(a))として、1.05〜1.30/1.0の量比で配合され、
    該アクリルコポリマー成分(A)が、グリシジルメタクリレート及び/又はβ−メチル−グリシジルメタクリレート(A−1)20〜60重量%と、
    イソボロニルメタクリレート、イソボロニルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、及びイソブチルメタクリレートからなる群から選択された少なくとも1種類以上のエチレン性不飽和単量体(A−2)10〜50重量%と、
    スチレン、メチルメタクリレートからなる群から選択された少なくとも1種類以上のエチレン性不飽和単量体(A−3)0〜30重量%(これら共重合成分の全量で100重量%とする。)とを共重合して得られる樹脂であり、
    該硬化剤成分(B)が、平均縮合度2〜6のドデカン二酸線状ポリ酸無水物、または平均縮合度2〜6のテトラデカン二酸線状ポリ酸無水物のいずれかであることを特徴とする熱硬化性粉体塗料組成物。
    [複素弾性率の絶対値(η*)測定条件]
    昇温速度:10℃/min、昇温開始温度:60℃、昇温終了温度:150℃、プレート:直径20mmのパラレルプレート、プレート間距離:1mm、周波数:1Hz。
  2. 複素弾性率の絶対値(η*)が10万Pa・sから5Pa・sまで低下するのに要する時間ΔTが180秒以下であることを特徴とする、請求項1に記載の熱硬化性粉体塗料組成物。
  3. 上記測定条件に従い動的粘弾性測定装置により測定される複素弾性率の絶対値(η*)の最低値が2.0Pa・s以下であることを特徴とする、請求項1〜2の何れかに記載の熱硬化性粉体塗料組成物。
  4. 上記測定条件に従い動的粘弾性測定装置により測定される複素弾性率の絶対値(η*)の最低値が1.0Pa・s以下であることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の熱硬化性粉体塗料組成物。
  5. 上記官能基を含有するアクリルコポリマー成分(A)中のグリシジル基(a)に対する硬化剤成分(B)中の酸基(b)が、モル比((b)/(a))として、1.10〜1.30/1.0の量比で配合されていることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の熱硬化性粉体塗料組成物。
  6. 上記硬化剤成分(B)が、平均縮合度2〜6のテトラデカン二酸線状ポリ酸無水物であることを特徴とする、請求項1〜の何れかに記載の熱硬化性粉体塗料組成物。
  7. 上記官能基を含有するアクリルコポリマー成分(A)の重量平均分子量Mwが、2800〜4000の範囲にある、請求項1〜の何れかに記載の熱硬化性粉体塗料組成物。
  8. 上記官能基を含有するアクリルコポリマー成分(A)の実測ガラス転移温度Tgが40℃以下である、請求項1〜の何れかに記載の熱硬化性粉体塗料組成物。
  9. 上記熱硬化性粉体塗料組成物が、体積平均粒子径18μm以上の非球状不定形粒子状であることを特徴とする、請求項1〜の何れかに記載の熱硬化性粉体塗料組成物。
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