JP2008094964A - 粉体塗料用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
粉体塗料から得られる塗膜は、平滑性等の仕上がり外観が溶剤型塗料より劣ることが問題であり、高顔料包括性で仕上がり外観に優れた粉体塗料の開発が要望されている。
【解決手段】
【請求項1】以下の工程で製造されるビニル系重合体を含む粉体塗料用組成物が、上記課題を解決する。
工程1:リン酸化合物および/または亜リン酸化合物の存在下に、グリシジル基含有単量体とその他のビニル系単量体を、温度150〜300℃、滞留時間5〜60分の条件で連続重合させて、ビニル系重合体を製造する工程。
工程2:工程1で得られたビニル系重合体から、未反応単量体および有機溶剤を連続的に除去する工程。
【選択図】なし

Description

本発明は、粉体塗料用組成物に関し、さらに詳しくは、平滑性に優れた塗膜を与える粉体塗料用組成物に関するものである。
粉体塗料は溶剤を使用しないため、環境への影響が少ない塗料であり、近年使用量が増加している。しかしながら、粉体塗料から得られる塗膜は、平滑性等の仕上がり外観が溶剤型塗料より劣ることが問題であり、また、塗膜の薄膜化の要望もあり、高顔料包括性で仕上がり外観に優れた粉体塗料の開発が要望されている。
粉体塗料の平滑性等の仕上がり外観の問題を解決する目的で、特公昭62−26676号公報(特許文献1)では、グリシジル基含有単量体とその他のビニル系単量体にアリールリン酸エステルまたはアラリキルリン酸エステルビニル系モノマーを塗面改良成分化合物として用いた組成物を粉体塗料とすれば、塗膜の平滑性が改善されると提案している。
また、特公平7−26042号公報(特許文献2)には、少量の亜リン酸エステルの存在下に、グリシジル基含有単量体とその他のビニル系単量体を溶液重合して得られる共重合体と、二塩基酸からなる粉体塗料が、飛躍的に顔料抱活性が向上し、仕上がり外観の優れた塗膜が得られると提案されている。
しかしながら、上記の技術はいずれも、粉体塗料を製造するためには、115〜140℃のバッチ製法で5時間以上反応を行い、その後、溶剤を除去するものであり、そのため、生産効率が悪いという問題があり、また、得られる塗膜に関しても平滑性が多少改善されるものの、依然として溶剤型粉体塗料に比べ塗膜の平滑性が劣るものであった。
特公昭62−26676号公報 特公平7−26042号公報
本発明の目的は、生産効率に優れた製造方法で、平滑性に優れた塗膜を与える粉体塗料用組成物を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明者は、粉体塗料用組成物の構成成分であるビニル系重合体の製造方法に注目し、鋭意検討を重ねてきた。その結果、ビニル系単量体を高温および短い滞留時間で反応させ、さらに得られた重合体から溶剤などの揮発成分を短い滞留時間で連続的に除去することで、生産効率がよく、さらに、高い平滑性を有する熱硬化性粉体塗料用組成物を製造できることを見出し、本発明を完成した。
上記課題を解決する発明は、以下に記載するものである。
(1)以下の工程で製造されたビニル系重合体を含む粉体塗料用組成物。
工程1:リン酸化合物および/または亜リン酸化合物の存在下に、グリシジル基含有単量体とその他のビニル系単量体を、温度150〜300℃、滞留時間5〜60分の条件で連続重合させて、ビニル系重合体を製造する工程。
工程2:工程1で得られたビニル系重合体から、未反応単量体および有機溶剤を連続的に除去する工程。
そして、本発明は、
(2)リン酸化合物および/または亜リン酸化合物が、モノフェニルホスフェートまたはジフェニルホスフェートである前記(1)の粉体塗料用組成物である。
(3)グリシジル基含有単量体が(メタ)アクリル酸グリシジルである前記(1)または(2)の粉体塗料用組成物である。
(4)ビニル系重合体の構成単量体としてスチレンおよび(メタ)アクリル酸エステルを含む前記(1)〜(3)のいずれかの粉体塗料用組成物である。
本発明の、特定の工程で製造されるビニル系重合体を含む粉体塗料用組成物は、生産効率に優れ、かつ得られる塗膜が高い平滑性を有する優れた粉体塗料用組成物である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において(メタ)アクリルとは、アクリルおよびメタクリルを意味する。
1.ビニル系単量体の連続重合方法(工程1)
本発明におけるグリシジル基含有単量体としては、アクリル酸グリシジル、アクリル酸β−メチルグリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸β−メチルグリシジル等の(メタ)アクリル酸のグリシジルエステル、アリルアルコールの(メチル)グリシジルエーテル、メタアリルアルコールの(メチル)グリシジルエーテル、N−グリシジルアクリル酸アミド、ビニルスルフォン酸グリシジル等を例示することができる。これらは1種または2種以上の混合物として使用できる。これらの中でも、アクリル酸グリシジルおよびメタクリル酸グリシジルが好ましい。
本発明におけるその他のビニル系単量体としては、前記グリシジル基含有単量体と共重合するものであれば、特に限定なく使用可能であるが、特に、エチレン系不飽和単量体でグリシジル基との反応性が低く、グリシジル基含有単量体とラジカル的に共重合する単量体が好適に使用される。例えば、スチレン、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアクリルエステル、およびその他のエチレン系不飽和単量体を例示することができる。これらは単独もしくは混合物として使用される。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルオクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソボルニルなどが挙げられ、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアクリルエステルとしては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルおよび(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどが挙げられる。
また、その他のエチレン系不飽和単量体としては、フマル酸ジアルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミド、アルコキシメチロールアミドなどのアミド類、ビニルオキサゾリン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリルビニルエーテル、ハロゲン含有ビニル単量体およびケイ素含有ビニル単量体等が挙げられる。
これらの中でも、スチレンおよび(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、特に好ましくはスチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルおよび(メタ)アクリル酸n−ブチルである。
本発明におけるグリシジル基含有単量体とその他のビニル系単量体の割合は、グリシジル基含有単量体5〜50重量%、その他のビニル系単量体95〜50重量%であることが好ましく、グリシジル基含有単量体15〜40重量%、その他のビニル系単量体85〜60重量%であることがさらに好ましい。グリシジル基含有単量体が5重量%未満であると塗膜強度および金属密着性が低下する恐れがあり、50重量%を超えると硬化反応が進み過ぎて塗膜の平滑性が低下する恐れがある。
本発明におけるリン酸化合物および亜リン酸化合物としては、リン酸、リン酸のモノエステルおよびジエステル、亜リン酸、亜リン酸のモノエステルおよびジエステルが挙げられ、リン酸化合物および/または亜リン酸化合物の存在化で、上記グリシジル基含有単量体とその他のビニル系単量体を、150〜300℃の温度で、5〜60分の滞留時間で連続重合させることにより、リン酸化合物または亜リン酸化合物がグリシジル基と反応し共重合体の一部に取り込まれるため、塗膜としての顔料包括性、仕上がり外観が向上するものと考えられる。
リン酸のモノエステルおよびジエステルを例示すれば、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノラウリルホスフェート、モノステアリルホスフェート、モノフェニルホスフェート、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジラウリルホスフェート、ジステアリルホスフェート、ジフェニルホスフェートなどが挙げられる。
また、亜リン酸のモノエステルおよびジエステルを例示すれば、モノメチルホスファイト、モノブチルホスファイト、モノラウリルホスファイト、モノステアリルホスファイト、モノフェニルホスファイト、ジメチルホスファイト、ジブチルホスファイト、ジラウリルホスファイト、ジステアリルホスファイト、ジフェニルホスファイトなどが挙げられる。
これらの中でも、モノブチルホスフェート、ジブチルホスフェート、モノステアリルホスフェート、モノフェニルホスフェートおよびジフェニルホスフェートが好ましい。
さらに好ましくは、モノフェニルホスフェートおよびジフェニルホスフェートである。
リン酸化合物または亜リン酸化合物の使用量は、グリシジル基含有単量体およびその他のビニル系単量体の合計量100重量部に対して、0.01〜1.0部であることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.5部である。リン酸化合物または亜リン酸化合物の使用量が0.01部以下では粉体塗料組成物において顔料包括性の効果が得られず、1.0部以上使用すると粉体塗料塗膜の耐候性および貯蔵安定性等が低下する恐れがある。
本発明のビニル系重合体は、高温および短い滞留時間の連続重合で製造するが、有機溶剤中で行う溶液重合と、無溶剤で行う塊状重合を用いることができる。
有機溶剤を用いる場合、有機溶剤としては有機炭化水素系化合物が適当であり、テトラヒドロフランおよびジオキサン等の環状エーテル類、ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素化合物、酢酸エチルおよび酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノン等のケトン類等、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類が例示され、これらの1種または2種以上を用いることができる。有機溶剤の使用量は、全単量体100重量部に対して0〜50重量部であることが好ましい。更に好ましくは0〜25重量部である。50重量部以上では得られたビニル系重合体から、未反応単量体および有機溶剤を連続的に除去する脱溶剤工程にて除去すべき未反応単量体、および有機溶剤が残存し粉体塗料用組成物として調製した場合、塗膜の平滑性低下、ブロッキング性低下を招き好ましくない。
前記連続重合には、必要に応じて連鎖移動剤を使用することが出来る。連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類、チオグリコール酸、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコールなどのアルコール類、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコールなどのグリコール類が挙げられる。
重合に使用する重合開始剤としては、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルオキシジカーボネート、ターシャリーブチルパーオキシピバレート、ジターシャリーブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドおよびラウロイルパーオキサイド等の過酸化物、または2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)および2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が使用できる。重合開始剤の使用量は全単量体100重量部に対して0.01〜10重量部であることが好ましく、更に好ましくは0.01〜5重量部である。0.01部以下では反応率が低下する恐れがあり、10重量部以上では得られる重合体が着色する等の問題が発生する。
本発明のビニル系重合体を製造する重合方法は、150〜300℃の温度で、5〜60分の滞留時間の条件で行う連続重合である。この連続重合によりビニル系重合体、未反応単量体および溶液重合の場合に使用する有機溶剤の混合物が得られるが、これらのうち、蒸留等により、揮発性の未反応単量体および有機溶剤を連続的に除去することが必要である。なお、ここで連続的に留出される未反応単量体および有機溶剤の全部または一部を反応器に戻し、再利用するのが、経済性の面から好ましい。留出液のうち、反応器に戻す割合は、好ましくは、30〜98%であり、さらに好ましくは、50〜95%である。98%を超える場合は、反応器内に開始剤分解物等の副生成物が増加し好ましくない。30%未満の場合は、経済性の効果が小さいものとなる。
高温連続反応法としては攪拌混合槽式反応器、ループ式反応器、チューブ式反応器等が挙げられ、これらの中でも、攪拌混合槽式反応器を使用することが好ましい。
詳細には特表昭57−502171号、特開昭59−6207号、60−215007号等に開示された公知の方法に従えば良く、例えば、加圧可能な攪拌槽式反応器を加圧下で所定温度に設定した後、各ビニル単量体および必要に応じて重合溶媒からなる単量体混合物を一定の供給速度で反応器へ供給し、単量体混合物の供給量に見合う量の重合液を抜き出す方法が挙げられる。また、単量体混合物には、必要に応じて重合開始剤を配合することもできる。
重合温度は150〜300℃であるが、好ましくは160〜270℃、より好ましくは170〜230℃である。重合温度が150℃未満であると、添加するリン酸化合物または亜リン酸化合物とグリシジル基との反応が不十分となり、粉体塗料に使用した場合、塗膜の平滑性の低下、耐候性の低下の恐れがあるので好ましくない。一方、300℃以上であると、添加するリン酸化合物および/または亜リン酸化合物とグリシジル基との反応およびグリシジル基の架橋反応が進行し、不溶解成分(ゲル)が増加するため、粉体塗料用組成物に使用できない。
平均滞留時間は5〜60分であり、好ましくは5〜40分である。平均滞留時間が5分未満であると、添加するリン酸化合物または亜リン酸化合物とグリシジル基との反応が不十分であり、粉体塗料に使用した場合、塗膜の平滑性の低下、耐候性の低下を招くので好ましくない。一方、60分を越えると、添加するリン酸化合物または亜リン酸化合物とグリシジル基との反応およびグリシジル基の架橋反応により不溶解成分(ゲル)が生成するため、塗膜の平滑性が低下するので好ましくない。
2.未反応単量体および有機溶剤の除去(工程2)
上記製造方法で得られたビニル系重合体には、未反応単量体および有機溶剤が含まれるので、これを連続的に留出除去することが必要であり、前記工程1に引き続く工程2において薄膜蒸発機、二軸押出機、スプレードライ等の公知な方法を単独または複数組み合わせて、未反応単量体および有機溶剤を除去することが好ましい。
工程2における温度は150〜300℃であることが好ましく、より好ましくは200〜280℃である。温度が150℃未満であると除去すべき未反応単量体および有機溶剤が残存するため、粉体塗料用組成物に調製した場合、塗膜の平滑性低下、ブロッキング性の低下が発生するため好ましくない。一方、温度が300℃以上では、リン酸化合物または亜リン酸化合物とグリシジル基との反応およびグリシジル基の架橋反応が進行して、不溶解成分(ゲル)が増加するため、粉体塗料の塗膜の平滑性が低下する恐れがある。
工程2における滞留時間は0.1〜60分であり、好ましくは0.5〜20分である。滞留時間が0.1分未満であると除去すべき未反応単量体および有機溶剤が残存し、粉体塗料用組成物に調製した場合、塗膜の平滑性低下、ブロッキング性の低下が発生するので好ましくない。滞留時間が60分を超えると、添加するリン酸化合物または亜リン酸化合物とグリシジル基との反応およびグリシジル基の架橋反応により不溶解成分(ゲル)が生成し塗膜の平滑性が低下するので好ましくない。また、工程2における圧力は0.1〜90kPaの範囲であることが好ましい。
本発明の粉体塗料用組成物には、前記ビニル系重合体の他に、硬化剤、充填剤、レベリング調整剤、前記ビニル系重合体以外の合成樹脂および流動調整剤などを含むことが望ましい。
硬化剤としては、脂肪族および芳香族の二塩基カルボン酸が挙げられる。具体例として、グルタン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン2酸、1,20−アイコサン2酸、1,24−テトラアイコサン2酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、シクロヘキセン1,2−ジカルボン酸等である。
その他の硬化剤としては、脂肪族二塩基カルボン酸の直鎖線状酸無水物、無水コハク酸、無水セバシン酸、無水フタル、無水イタコン酸などのような二塩基カルボン酸無水物、1,3,5−トリス(2−カルボキシエチル)−イソシアヌレートも使用できる。
これらの中でも、1,12−ドデカン2酸および1,20−アイコサン2酸が諸性能のバランスがとりやすいので好ましい。また、これら硬化剤を1種または2種以上使用することもできる。硬化剤の使用量は、特に限定はないが、ビニル系重合体のエポキシ当量に対し0.8〜1.5当量を添加することが好ましい。
充填剤としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、カーボンブラック、合成ケイ酸、タルク、ゼオライト、シリカ、ベントナイオト、水酸化アルミニウムおよび硫酸バリウムなどが例示され、これらの中でも炭酸カルシウムおよび酸化チタンが好ましい。
他の合成樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂およびポリアミド樹脂等が挙げられ、エポキシ樹脂は金属などの素材に対する密着性が向上するため特に使用することが好ましい。
その他、顔料、レベリング調整剤、流動調整剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、ベンゾイン、帯電防止剤、酸化防止剤等の通常用いられる塗料用添加物を必要に応じて1種または2種以上加えることができる。
本発明の粉体塗料用組成物を調整するには、従来周知されたいずれの方法も採用する
こともできるが、通常、前記成分を混合した後、加熱ロール、エクストルーダーなどの溶融混練機により80〜120℃程度で充分溶融混合し、冷却の後粉砕して粉体塗料とする方法がとられる。また塗装方法については静電吹付法、流動浸漬法等の周知の塗装方法によって被塗物を塗装し、これを150〜210℃の温度条件の焼付炉で焼付を行い、粉体塗装による塗膜を得ることができる。
<合成例1>
オイルジャケットを備えた容量1000mLの加圧式攪拌槽型反応器のオイルジャケットの温度を220℃に保ち、原料タンクに下記に示す比率で単量体、リン酸化合物、有機溶剤および重合開始剤を混合した。
スチレン 42重量部
メタクリル酸メチル 25重量部
アクリル酸n−ブチル 8重量部
メタクリル酸グリシジル 25重量部
モノブチルホスフェート(リン酸化合物) 0.15重量部
メチルエチルケトン(有機溶剤) 15重量部
ジターシャリーブチルパーオキサイド(重合開始剤) 0.2重量部
原料タンクの単量体などの混合液を48g/分の供給速度で、反応器に供給を開始し、反応器内の重量が580gになるように保ちながら、混合液の供給量に相当する反応物を出口から連続的に抜き出した。その時の内温は、210℃に保たれ、内圧は、1.0MPaであった。次に、抜き出した反応物を、30kPaに減圧し、250℃に保った薄膜蒸発機に供給し、連続的に未反応の単量体等の揮発成分とビニル系重合体を分離した。
混合液の供給開始後に温度が安定してから36分後を反応液の回収開始点とし、これから60分間反応を継続した結果、共重合体2040g、揮発成分840gを回収した。
合成例1における、平均滞留時間は12分であった。
<合成例2>
モノブチルホスフェートの代わりにジブチルホスフェート0.2重量部を使用した以外は、合成例1と同様な操作を行い、共重合体2045g、揮発成分835gを得た。
<合成例3>
モノブチルホスフェートの代わりにステアリルホスフェート0.3重量部を使用した以外は、合成例1と同様な操作を行い、共重合体2045g、揮発成分835gを得た。
<合成例4>
モノブチルホスフェートの代わりにモノフェニルホスフェート0.2重量部を使用した以外は、合成例1と同様な操作を行い、共重合体2050g、揮発成分830gを得た。
<合成例5>
モノブチルホスフェートの代わりにジフェニルホスフェート0.2重量部を使用した以外は合成例1と同様な操作を行い、共重合体2040g、揮発成分840gを得た。
<合成例6>
モノブチルホスフェートの代わりにジフェニル(2−メタクリロイルオキシエチル)ホスフェート0.2重量部を使用した以外は、合成例1と同様な操作を行い、共重合体2040g、揮発成分840gを得た。
<比較合成例1>
モノブチルホスフェートを使用しなかった以外は、合成例1と同様な操作を行い、共重合体2035g、揮発成分845gを得た。
<比較合成例2>
オイルジャケットを備えた容量1000mLの加圧式攪拌槽型反応器のオイルジャケットの温度を220℃に保ち、原料タンクに下記に示す比率で単量体、リン酸化合物、有機溶剤および重合開始剤を混合した。
スチレン 42重量部
メタクリル酸メチル 25重量部
アクリル酸n−ブチル 8重量部
メタクリル酸グリシジル 25重量部
ジフェニルホスフェート(リン酸化合物) 0.2重量部
メチルエチルケトン(有機溶剤) 15重量部
ジターシャリーブチルパーオキサイド(重合開始剤)0.1重量部
原料タンクの単量体などの混合液を6.4g/分の供給速度で、反応器に供給を開始し、反応器内の重量が580gになるように保ちながら、混合液の供給量に相当する反応物を出口から連続的に抜き出した。その時の内温は、210℃に保たれ、内圧は、1.0MPaであった。次に、抜き出した反応物を、30kPaに減圧し、250℃に保った薄膜蒸発機に供給し、連続的に単量体等の揮発成分とビニル系重合体を分離した。
混合液の供給開始後に温度が安定してから270分後を反応液の回収開始点とし、これから270分間反応を継続した結果、共重合体1224g、揮発成分504gを回収した。
比較合成例2における、平均滞留時間は90分であった。
<比較合成例3>
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素導入口、温度制御装置を有したオイルバスを備えた反応器にキシレンおよびジフェニルホスファートを投入し、窒素で反応器内空気を置換した後、加熱還流(140℃)させた。
キシレン(有機溶剤) 66.7重量部
ジフェニルホスファート(リン酸化合物) 0.2重量部
次に反応器に、以下の単量体および重合開始剤を4時間かけて加え、更に加熱還流下(140℃)で1時間保持した。
スチレン 45.0重量部
メタクリル酸メチル 24.0重量部
アクリル酸n−ブチル 6.0重量部
メタクリル酸グリシジル 25.0重量部
アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤) 2.0部
その後、冷却し、アゾビスイソブチロニトリル0.5部を加え80℃で未反応モノマーを重合し反応液を回収した。
次いで、得られた反応液を30kPaに減圧し、250℃に保った薄膜蒸発機で、揮発成分と共重合体に分離した。
表1に合成例1〜6および比較合成例1〜3で得られたビニル系重合体の分析値を示す。各分析方法を以下に示す。
<共重合組成>
回収した揮発成分をガスクロマトグラフ(GC)より組成を求め、物質収支から共重合体の共重合組成を算出した。
<数平均分子量>
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用い、溶媒としてテトラヒドロフランを用いて、ポリスチレン換算数平均分子量(Mn)を測定した。
<エポキシ価>
ASTM(D1652-73 Standard Test Method for EPOXY CONTENT OF EPOXY RESINS)に基づき、共重合体のエポキシ価を測定した。
<ガラス転移温度>
DSC(示差走査熱量測定)により比容の温度変化から測定した。
Figure 2008094964
<実施例> 粉体塗料用組成物
下記に示す重量部の割合で、前記合成例1〜6および比較合成例1〜3に各添加物を配合して、三井三池製作所(株)製「FM10B型ヘンシェルミキサー」を用いて、3分間、乾式混合し、次いでBUSS社製エクストルーダー「PR46」を用いて110℃で溶融混練した後、冷却した。
なお、使用した添加物は以下のとおりである。
1)ドデカン二酸:デュポン社製 商品名「ドデカン二酸」
2)酸化チタン:石原産業(株)製 商品名「CR−90」
3)レベリング調整剤:BASF社製 商品名「アクロナール4F」
4)エポキシ樹脂:東都化成(株)製 商品名「エポトートYD-012」
さらに、流動性調整用粉末として「アエロジル200」(日本アエロジル(株)製を、前記配合物100重量部に対し0.2重量部、ドライブレンドして、ピンミルで常温粉砕した後、150メッシュの金網で分級して、実施例および比較例のアクリル系粉体塗料組成物を調製した。なお、合成例1〜5のビニル系重合体の組成物を実施例1〜5、比較合成例1〜3のビニル系重合体の組成物を比較例1〜3とする。
粉体塗料用組成物配合
ビニル系重合体 100重量部
ドデカン二酸 19重量部
酸化チタン 50重量部
レベリング調整剤 1重量部
エポキシ樹脂 5重量部
前記に示す割合で調製した実施例1〜6および比較例1〜3の粉体塗料用組成物を用いて、以下の性能試験を行った。その結果を表2に示す。なお、以下(1)〜(6)の性能試験においては0.8T×70×150mmのリン酸亜鉛処理板を被塗物として、実施例および比較例の粉体塗料用組成物を厚さ50〜70μに塗装した後、180℃×15min焼付けを実施したサンプルを用いて評価した。
(1)塗膜表面性
塗膜の表面状態を平滑性目視により評価した。
なお、表2において、○は良好、△はやや劣る、×は劣ることを表わす。
(2)60度 表面光沢
JIS K−5400 6.1の規定の方法により測定した。
(3)エリクセン値
JIS K−5400 8.2.1に規定する定距離法により測定した。
(4)耐衝撃性
JIS K−5400 8.3.2に準じ、ポンチ径0.5インチ、重さ500gの重りを使用し塗膜割れが発生しない高さを測定した。
(5)密着性
JIS K−5400 8.5.2の碁盤目テープ法による付着性試験を1mm角、100個で実施し塗膜の残存数を数えた。
(6)耐候性
JIS K−5400 9.8.1に規定するサンシャインカーボンアーク灯式に従い、500時間経過後の光沢保持率を測定した。
(7)ゲルタイム(sec)
JIS C2104に準じて行った。200℃に昇温したホットプレートに0.8Tの鋼板を置き、この上に実施例および比較例の粉体塗料用組成物0.2gをのせ、針で塗料を約15mmφに広げながらかき混ぜる。そして硬化が完了し、糸が引かなくなった時間を測定する。
(8)ペレットフロー
実施例および比較例の粉体塗料0.5g採取し、ペレット成形装置を使用して、直径10.9mmのペレットを作成する。200℃の雰囲気に設定した乾燥機に15分間水平に保持(予熱)した鋼板(0.8T×70×150mm)の上に上記ペレットをのせ、20分間保持する。
その後、鋼板を乾燥機から取り出して冷却する。そして、加熱後のペレットの長径と短径を測定し、その平均値を加熱後のペレット径とした。ペレットフローは次式により求めた。
ペレットフロー(%)=(加熱後のペレット径―10.9)×100/10.9
以上の試験を繰り返し3回行い、その平均値を評価値とする。
(9)45度傾斜フロー
実施例および比較例の粉体塗料0.5g採取し、ペレット成形装置を使用して、直径10.9mmのペレットを作成し、ペレットの厚み(mm)を測定する。200℃の雰囲気に設定した乾燥機に15分間、約45度に保持(予熱)した鋼板(0.8T×70×150mm)の上に上記ペレットをのせ、20分間保持する。その後、鋼板を乾燥機から取り出して冷却する。そして、鋼板上を溶融して流れたペレットの溶融長さ(mm)として測定した。45度傾斜フローは次式により求めた。
45度傾斜フロー=(溶融長さ―10.9)/ペレットの厚み
以上の試験を繰り返し3回行い、その平均値を評価した。
Figure 2008094964
本発明の粉体塗料用組成物は、平滑性に優れた塗膜を与える粉体塗料用組成物であり、各種塗料の用途に極めて有効に利用できる。

Claims (4)

  1. 以下の工程で製造されるビニル系重合体を含む粉体塗料用組成物。
    工程1:リン酸化合物および/または亜リン酸化合物の存在下に、グリシジル基含有単量体とその他のビニル系単量体を、温度150〜300℃、滞留時間5〜60分の条件で連続重合させて、ビニル系重合体を製造する工程。
    工程2:工程1で得られたビニル系重合体から、未反応単量体および有機溶剤を連続的に除去する工程。
  2. リン酸化合物および/または亜リン酸化合物が、モノフェニルホスフェートまたはジフェニルホスフェートである請求項1に記載の粉体塗料用組成物。
  3. グリシジル基含有単量体が(メタ)アクリル酸グリシジルである請求項1または請求項2に記載の粉体塗料用組成物。
  4. ビニル系重合体の構成単量体としてスチレンおよび(メタ)アクリル酸エステルを含む請求項1〜請求項3のいずれかに記載の粉体塗料用組成物。
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