JPH0859950A - 高い濃度増粘率を有する水性樹脂組成物およびそれを含む水性塗料組成物 - Google Patents

高い濃度増粘率を有する水性樹脂組成物およびそれを含む水性塗料組成物

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JPH0859950A
JPH0859950A JP19556194A JP19556194A JPH0859950A JP H0859950 A JPH0859950 A JP H0859950A JP 19556194 A JP19556194 A JP 19556194A JP 19556194 A JP19556194 A JP 19556194A JP H0859950 A JPH0859950 A JP H0859950A
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JP
Japan
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parts
resin composition
unsaturated monomer
group
weight
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Application number
JP19556194A
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English (en)
Inventor
Koji Adachi
宏治 足立
Shiyousuke Tsuboniwa
章介 坪庭
Satoru Urano
哲 浦野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)式 【化1】 [式中、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基
であり、nは1〜10の整数である。]で示すアミドモノ
マー5〜45重量%と;(b)酸性基を有するエチレン性不
飽和モノマー3〜15重量%と;(c)水酸基を有するエチ
レン性不飽和モノマー10〜40重量%と;(d)残量のその
他のエチレン性不飽和モノマーとを共重合し、得られる
分子量2000〜50000のアミド基含有ポリマーの酸性基を
少なくとも一部中和することにより得られる水溶性ポリ
マーを、10〜30重量%(固形分)含有する水性樹脂組成
物。 【効果】 高湿度条件下(すなわち、低い水分蒸発条件
下)でも有効な粘度上昇が得られるより一層高い濃度増
粘率を有する水性樹脂組成物が提供された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水性樹脂組成物に関し、
特に、非常に小さな濃度変化で大きな粘度変化を示す、
高い濃度増粘率を有する水性樹脂組成物に関する。尚、
本明細書において「濃度増粘率」とは、濃度の増大に対す
る粘度上昇の割合をいう。
【0002】
【従来の技術】近年、塗料の分野でも、有機溶剤を溶剤
として用いる有機溶剤型塗料から人体に対する毒性およ
び環境に対する悪影響の少ない媒体を溶剤として用いる
水性塗料が求められている。しかしながら、一般に水性
塗料は溶剤系塗料と比較して乾燥し難い。その結果、塗
布後の粘度上昇が遅れ、粘度が低いままで放置されるの
で、タレのような外観不良が生じ易い。
【0003】この問題を解決するために、例えば、特開
平3-47875号公報および特開平4-25582号公報には、5〜
40重量%のアクリルアミドまたはメタクリルアミドを含
んだ水性樹脂組成物が記載されている。この水性樹脂組
成物は、塗布の際の水分蒸発による濃度の上昇につれ
て、粘度が増大する性質を有している。
【0004】しかしながら、この水性樹脂組成物は比較
的低い湿度の塗装環境下における水分乾燥状態では、有
効に粘度上昇が達成されるが、高い湿度(特に90%程度)
の塗装環境下では水分蒸発量が非常に低く、組成物濃度
の上昇も小さいので、タレ等の外観不良を抑制する程十
分な粘度上昇が得られない。
【0005】上記問題を解決するために、アクリルアミ
ドまたはメタクリルアミドの樹脂中への配合量を40重量
%を越えて増やしても十分な粘度上昇効果を得ることは
できない。アクリルアミドまたはメタクリルアミドの配
合量の増加は上記問題点をある程度解消するものの、塗
料の安定性および仕上がり時の外観不良等の問題を新た
に生じさせる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題を解決するものであり、その目的とするところは、高
湿度条件下(すなわち、低い水分蒸発条件下)でも有効な
粘度上昇が得られるより一層高い濃度増粘率を有する水
性樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、式
【0008】
【化2】
【0009】[式中、Rは水素原子または炭素数1〜4
のアルキル基であり、nは1〜10の整数である。]で示
すアミドモノマー5〜45重量%と; (b)酸性基を有するエチレン性不飽和モノマー3〜15重
量%と; (c)水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー10〜40重
量%と; (d)残量のその他のエチレン性不飽和モノマーとを;共
重合し、得られる分子量2000〜50000のアミド基含有ポ
リマーの酸性基を少なくとも一部中和することにより得
られる水溶性ポリマーを、10〜30重量%(固形分)含有す
る水性樹脂組成物を提供するものであり、そのことによ
り上記目的が達成される。
【0010】本発明で用いるアミドモノマーの中で、n
が1のものはジャーナル・オブ・ポリマー・サイエン
ス、第37巻、第317頁、1959年に記載されているよう
に、クロロアセトアミドとメタクリル酸を無機塩基の存
在下で反応させることによって得ることができる。nが
2以上のものについては、一般に、式
【0011】
【化3】
【0012】[式中、Xは塩素原子、水酸基または低級
アルコキシ基であり、nは2〜10の整数であり、Rは上記
と同意義である。]で示す化合物と、式
【0013】
【化4】
【0014】[式中、Yは塩素原子または水酸基であ
り、nは2〜10の整数であり、Rは上記と同意義であ
る。]で示す化合物とを反応させることにより得られ
る。
【0015】例えば、式
【0016】
【化5】
【0017】[式中、nは2〜10の整数であり、Rは上記
と同意義である。]で示す反応により本発明で用いるア
ミドモノマーを得る場合は、塩基触媒の存在下で溶媒中
にて0〜100℃、好ましくは10〜40℃の温度で反応さ
せ、蒸留、再結晶およびクロマトグラフィーのような常
法を用いて本発明で用いるアミドモノマーを単離する。
【0018】用いうる塩基触媒としては、トリエチルア
ミンのような脂肪族3級アミン、ピリジンのような芳香
族アミン、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムのような
無機塩基等が挙げられる。用いうる溶媒は、炭化水素、
ハロゲン化炭化水素、エーテルおよびエステルのような
活性水素を有しないものであれば特に限定されない。
【0019】具体的には、ペンタン、ヘキサンおよびヘ
プタンのような脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエンお
よびキシレンのような芳香族炭化水素、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサンおよびデカリンのような脂環
式炭化水素、石油エーテルおよび石油ベンジンのような
石油系炭化水素、四塩化炭素、クロロホルムおよび1,2-
ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素、エチルエ
ーテル、イソプロピルエーテル、アニソール、ジオキサ
ンおよびテトラヒドロフランのようなエーテル、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、アセトフェノンおよびイソホロンのよ
うなケトン、酢酸エチルおよび酢酸ブチルのようなエス
テル、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、N-メチ
ルピロリドンおよびジメチルスルホキシドなどが挙げら
れる。これらは単独で用いても2種以上を混合して用い
ても良い。
【0020】尚、式
【0021】
【化6】
【0022】で示す化合物は公知であり、例えば、ジャ
ーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ、
第73巻、第3168頁、1951年にはn=2の化合物が記載され
ており、同第73巻、第4794および4798頁、1951年にはn=
4の化合物が記載されており、そして日本化学会誌、第
1013および1015頁、1977年にはn=5の化合物が記載され
ている。nが6および7の化合物も公知である。
【0023】同様に、式
【0024】
【化7】
【0025】[式中、nは2〜10の整数であり、Rは上記
と同意義である。]で示す反応により本発明で用いるア
ミドモノマーを得ることができる。この場合は、酸触媒
の存在下で溶媒中にて50〜200℃、好ましくは80〜150℃
の温度で脱水反応させる。なお、生成する水を系外に除
くために減圧下で反応を行ってもよい。
【0026】用いうる酸触媒としては、p-トルエンスル
ホン酸のような有機プロトン酸、塩酸および硫酸のよう
な無機プロトン酸、および三フッ化ホウ素のようなルイ
ス酸等が挙げられる。用いうる溶媒としては、上述の活
性水素を有しないものが挙げられる。また、脱水剤とし
て、ジシクロヘキシルカルボジイミドのようなカルボジ
イミド化合物、オキシ塩化リン、三塩化リンおよび五塩
化リンなどのリン化合物、およびモレキュラーシーブス
などを添加してもよい。
【0027】同様に、式
【0028】
【化8】
【0029】[式中、R'は低級アルキル基であり、nは
2〜10の整数であり、Rは上記と同意義である。]で示
す反応により本発明で用いるアミドモノマーを得ること
ができる。この場合は、塩基触媒または酸触媒の存在下
で溶媒中にて50〜200℃、好ましくは80〜150℃の温度で
エステル交換反応させる。
【0030】用いうる塩基触媒としては、メトキシナト
リウムおよびt-ブトキシカリウムのようなアルカリ金属
アルコラート、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム
のような金属塩基等が挙げられる。用いうる酸触媒とし
ては、p-トルエンスルホン酸および硫酸のようなプロト
ン酸、チタンテトラエトキシドおよびチタンテトライソ
プロポキシドのようなチタニウムアルコキシド、ジブチ
ルスズオキシド、ジブチルスズジラウレートおよびジブ
チルスズオクトエートなどのスズ化合物などのルイス酸
等が挙げられる。用いうる溶媒としては、上述の活性水
素を有しないものが挙げられる。
【0031】酸性基含有エチレン性不飽和モノマーは、
水性塗料組成物に水溶性を付与するものであり、一般に
炭素数3〜17、好ましくは3〜8のカルボキシル基また
はスルホン酸基等の酸性基を有するモノマーをいう。カ
ルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマーの例と
しては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エタ
アクリル酸、プロピルアクリル酸およびイソプロピルア
クリル酸等が挙げられ、又、スルホン酸基を有するエチ
レン性不飽和モノマーの例としてはt-ブチルアクリルア
ミドスルホン酸等が挙げられる。硬化剤としてメラミン
樹脂を使用する際には、酸性基を有するエチレン性不飽
和モノマーの酸性基の一部はスルホン酸基であるのが好
ましい。スルホン酸基は硬化促進効果があるからであ
る。
【0032】酸性基含有エチレン性不飽和モノマーは二
塩基酸モノマーのハーフエステル、ハーフアミドおよび
ハーフチオエステルであってもよい。そのようなものの
例としてはマレイン酸、フマール酸、イタコン酸のハー
フエステル、ハーフアミドおよびハーフチオエステルで
ある。エステルを形成するアルコールは炭素数1〜12の
もの、例えば、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノ
ール、アセトール、アリルアルコール、プロパギルアル
コール等がある。好ましくはブタノール、ジメチルアミ
ノエタノール、ジエチルアミノエタノール、アセトー
ル、アリルアルコールおよびプロパギルアルコールであ
る。ハーフチオエステルを形成するメルカプタンとして
は炭素数1〜12のもの、例えばエチルメルカプタン、プ
ロピルメルカプタンおよびブチルメルカプタン等があ
る。ハーフアミドを形成するアミンとしては炭素数1〜
12のもの、例えばエチルアミン、ジエチルアミン、ブチ
ルアミン、ジブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ア
ニリンおよびナフチルアミン等がある。これらのうちで
ハーフチオエステル化物は臭気の点でやや問題があり、
好適に用いられるのはハーフエステルおよびハーフアミ
ドである。ハーフエステル化、ハーフチオエステル化ま
たはハーフアミド化の反応は通常の方法に従い、室温か
ら120℃の温度で、場合によっては3級アミンを触媒と
して用いて行われる。
【0033】水酸基含有エチレン性不飽和モノマーは、
水性塗料組成物を硬化させるための硬化反応点であり、
一般に炭素数5〜36、好ましくは5〜18のモノマーをい
う。具体的には例えばアクリル酸ヒドロキシエチル、ア
クリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブ
チル、メタクリル酸ヒドロキシメチル、メタクリル酸ヒ
ドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メ
タクリル酸ヒドロキシブチル、2-ヒドロキシエチルメタ
クリレートにε-カプロラクトンを1〜5モル付加させ
たものおよびアリルアルコール等が挙げられる。
【0034】上記モノマーと共重合し得る他のエチレン
性不飽和モノマー(以下、単に「他のエチレン性不飽和モ
ノマー」という。)は、カルボキシル基または水酸基と反
応性を有しないモノマーであれば特に限定されないが、
一般に炭素数4〜22、特に4〜16のモノマーが好まし
い。具体的には、アクリル酸アルキルエステル(アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピ
ル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アク
リル酸t-ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリ
ル酸n-オクチルおよびアクリル酸ラウリルなど)、メタ
クリル酸アルキルエステル(メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリ
ル酸n-プロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸
イソブチル、メタクリル酸t-ブチル、メタクリル酸2-エ
チルヘキシル、メタクリル酸n-オクチル、メタクリル酸
ラウリル、メタクリル酸ステアリルおよびメタクリル酸
トリデシルなど)、油脂脂肪酸とオキシラン構造を有す
るアクリル酸またはメタクリル酸エステルモノマーとの
付加反応物(例:ステアリン酸とグリシジルメタクリレー
トの付加反応物)、C3以上のアルキル基を含むオキシラ
ン化合物とアクリル酸またはメタクリル酸との付加反応
物(例:日本特許第583185号および同第609322号)、スチ
レン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチ
ルスチレン、p-メチルスチレン、p-tert-ブチルスチレ
ン、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、イタ
コン酸エステル(イタコン酸ジメチルなど)、マレイン酸
エステル(マレイン酸ジメチルなど)、フマール酸エステ
ル(フマール酸ジメチルなど)、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリルおよび酢酸ビニル等が挙げられる。
【0035】本発明のアミド基含有ポリマーを調製する
ためのモノマー混合物は、上記の4種のエチレン性不飽
和モノマーを少なくとも含有するものである。その組成
は、上記アミド基含有エチレン性不飽和モノマーは5〜
45重量%とすることが好ましい。5重量%より少ないと
高濃度において高い濃度増粘率が得られず、また45重量
%より多いと塗膜の耐水性が低下する。酸性基含有エチ
レン性不飽和モノマーは3〜15重量%とすることが好ま
しい。3重量%より少ないと本発明の水性塗装組成物の
水への分散溶解が不良で安定性が低下し、又15重量%よ
り多いと塗膜の耐水性が低下するので好ましくない。水
酸基含有エチレン性不飽和モノマーは10〜40重量%とす
ることが好ましい。10重量%より少ないと塗膜の硬化は
不十分でまた膜物性、例えば付着性、耐水性等も低下
し、また40重量%より多いと塗膜の耐水性が低下し好ま
しくない。他のエチレン性不飽和モノマーの量は、残り
の重量%の範囲内で加えることができる。
【0036】本発明のアミド基含有ポリマーは、数平均
分子量が2000〜50000、好ましくは3000〜30000のもの
で、上記のモノマー混合物を通常の方法で重合すること
により得られる。例えば、上記モノマー混合物を公知の
重合開始剤(例えば、過酸化ベンゾイル、t-ブチルパー
オキシドおよびクメンハイドロパーオキシドのような有
機過酸化物、アゾビスシアノ吉草酸およびアゾビスイソ
ブチロニトリルのような有機アゾ化合物等)と混合し、
重合可能な温度に加熱した溶剤(例えば、ベンゼン、キ
シレンおよびトルエンのような芳香族炭化水素、メチル
セロソルブアセテート、セロソルブアセテート、ブチル
セロソルブアセテートおよび酢酸エチルのようなエステ
ル、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ
およびブチルカルビトールのようなグリコールエーテ
ル、アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブ
チルケトンのようなケトン、およびt-ブタノール、イソ
ブタノール、n-ブタノール、イソプロパノール、n-プロ
パノールおよびエタノールのようなアルコールなどがあ
り特に限定はない。)を含む反応容器中へ滴加、熟成す
ることにより共重合体を得ることができる。2000より小
さいと作業性および硬化性が十分でなく、50000を越え
ると塗装時の不揮発分が低くすぎ、かえって作業性が悪
くなるからである。分子量はゲルパーミューションクロ
マトグラフィー法により測定した。
【0037】本発明の水溶性ポリマーは上記アミド基含
有ポリマーの酸性基を一部若しくは全部中和することに
より得られる。なお、本明細書中における水溶性とは、
水に対して均一に溶解した状態だけでなく、安定に分散
している状態も含まれる。
【0038】上記共重合体の中和は常法に従って、カル
ボキシル基の如き酸性基を塩基性物質、例えばモノメチ
ルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエ
チルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミ
ン、ジイソプロピルアミン、ジエチレントリアミン、ト
リエチレンテトラミン、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパ
ノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジメチルエ
タノールアミン、モルホリン、メチルモルホリン、ピペ
ラジン、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムおよび水酸化リチウム等と反応させることにより行な
われる。
【0039】上記中和に於いて使用される塩基性物質の
量は、上記共重合体の酸性基に対して、0.3〜1.2当量と
することが好ましい。
【0040】得られる本発明の水溶性ポリマーは、(メ
タ)アクリルアミドを用いる従来のポリマーと比較して
低いTgを有する。したがって、本発明の水溶性ポリマー
を水性塗料組成物に用いた場合は、適度な柔軟性を有す
る塗膜が提供される。
【0041】この水溶性ポリマーを水中に溶解もしくは
分散させることにより本発明の水性樹脂組成物が得られ
る。水溶性ポリマーは、10〜30重量%の量で水性樹脂組
成物中に含有させることが好ましい。水溶性ポリマーの
含有量が30重量%を上回ると水溶性ポリマーの粘度が高
くなりすぎ、10重量%を下回ると水溶性ポリマーの粘度
が低くなりすぎ好ましくない。
【0042】本発明の水性樹脂組成物は種々の用途に用
いうるが、通常硬化剤を配合して水性塗料組成物として
用いられる。使用できる硬化剤の例としては、酸性基ま
たは水酸基を有するポリマーを硬化させるものとして当
業者に知られているものであれば特に限定されないが、
好ましいものとして、少なくとも2官能性の多官能メラ
ミン化合物、多官能ブロック化イソシアネート化合物お
よび多官能エポキシ化合物などが挙げられる。その中で
特に好ましいものはメラミン樹脂である。メラミン樹脂
としては、水溶性のものとして、例えば三井東圧株式会
社から市販されているサイメル-303、住友化学工業株式
会社から市販されているスミマールN-Wなどが挙げられ
るが特に限定されず、非水溶性メラミン樹脂も使用でき
る。
【0043】硬化剤の使用量は水性樹脂組成物の固形分
に対して20〜100重量%とすることが好ましい。使用量
が20重量%を下回ると硬化性が不十分となり、100重量
%を上回ると硬化膜が堅くなりすぎ脆くなる。
【0044】本発明の水性塗料組成物は、水性塗料組成
物の調製の際に通常使用される他の添加成分、例えば、
顔料、増粘剤及び充填剤等を含むことができる。得られ
た水性塗料組成物は、霧化塗装、浸漬塗装及び電着塗装
等により基材へ塗装しうる。形成される塗膜は適度な柔
軟性を有する。
【0045】本発明の水性塗料組成物を基材表面に塗装
した後、これを硬化させずにクリヤー塗料を重ね塗り
し、ベース塗料とクリヤー塗料を合わせて硬化させる、
いわゆるウェット・オン・ウェット方式によって、塗膜
を得ることもできる。好適に用いうるクリヤー塗料とし
ては、溶剤型および粉体型がある。溶剤型の好ましい例
としては、アクリル-メラミン系、アクリル-イソシアネ
ート系およびポリオール-エポキシ-酸無水物ハーフエス
テル系クリヤー塗料などが挙げられる。
【0046】一方、粉体型としては、熱可塑性および熱
硬化性粉体塗料のような通常の粉体塗料を用い得る。特
に熱硬化性粉体塗料が好ましい。良好な物性の塗膜が得
られるからである。具体的には、エポキシ系、アクリル
系およびポリエステル系粉体塗料等が挙げられるが、耐
候性が良好なアクリル系粉体塗料が特に好ましい。
【0047】アクリル系粉体塗料は、一般に官能性アク
リルポリマーである主剤と、その硬化剤とを含有する。
官能性アクリルポリマーは官能基を有するビニルモノマ
ーとその他の共重合性モノマーとを共重合することによ
り調製される。これらのモノマーは、当業者に周知のも
のであれば特に限定されない。例えばグリシジル(メタ)
アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート、アクリル酸およびメタクリル酸
のような官能基を有するビニルポリマーを用いて、当業
者に周知の手法により官能性アクリルポリマーを調製し
うる。
【0048】硬化剤は上述の主剤を硬化させるとして当
業者に周知のものであれば特に限定されないが、例え
ば、多価カルボン酸、フェノール、アミン、ブロック化
イソシアネート、ウレトジオン基含有ブロック化イソシ
アネート、アルコキシアルキルグリコールウリルエポキ
シ化合物およびヒドロキシアルキルアミド化合物等を用
いうる。
【0049】硬化時の揮散物が無く、良好な外観が得ら
れ、そして黄変が少ないエポキシ含有アクリル樹脂/多
価カルボン酸の系の粉体塗料が本発明に用いる粉体クリ
ヤー塗料としては特に好ましい。
【0050】本明細書において、濃度増粘率とは、濃度
の増大に対する粘度上昇の割合をいう。これは、水溶性
ポリマーに含まれるアミド基が水素結合を形成してポリ
マー同士が相互に結合されることにより生じると考えら
れる。
【0051】従来の水性樹脂組成物では、ポリマーにア
ミド基を導入するためのモノマーに(メタ)アクリルアミ
ドを用いていたために、アミド基は主鎖に直結した形で
導入された。その結果、アミド基は主鎖による立体障害
を受け、十分に水素結合を形成することができなかっ
た。
【0052】他方、本発明ではポリマーにアミド基を導
入するためのモノマーにカルバモイルアルキル(メタ)ア
クリレートを用いるので、アミド基は主鎖からアルキレ
ン基を介して離れた位置に導入される。その結果、アミ
ド基は主鎖による立体障害を受け難くなり、水素結合を
形成する能力が向上する。したがって、本発明の水性樹
脂組成物は特開平3-47875号公報および特開平4-25582号
公報の水性樹脂組成物に比べてより一層高い濃度増粘率
を示し、高湿度塗装条件でも有効な粘度上昇が確保され
る。
【0053】本発明の水性樹脂組成物は、上記性能に加
えて、特開平3-47875号公報および特開平4-25582号公報
の組成物に比べて、同じ粘度で高濃度化が可能である。
この性能は省資源という観点のみならず、塗膜を厚くす
ることができる。
【0054】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0055】尚、実施例1〜4および比較例1および2
では本発明の水性樹脂組成物について説明し、製造例1
〜5、実施例5〜19および比較例3〜12では本発明の水
性塗料組成物について説明する。
【0056】実施例1 水性樹脂組成物の調製1 撹拌機、温度計、還流冷却器、滴下漏斗及びオイルバス
を備えた300mlコルベンに42.0gの溶剤(アーコソルブP
M、協和発酵(株)社製)を仕込み、105℃に加熱した。滴
下漏斗にモノマー混合物(スチレン2.4g、メチルメタク
リレート1.9g、2-エチルヘキシルメタクリレート7.1g、
2-エチルヘキシルアクリレート11.6g、メタクリル酸2.2
g、プラクセルFM-1(ダイセル化学工業(株)社製)13.2g、
メタクリロイルオキシアセトアミド19.3g、t-ブチルパ
ーオキシ(2-エチル)ヘキサノエート0.4gおよびアーコソ
ルブPM19.2g)をとり、窒素雰囲気下、液温105〜110℃で
3時間かけて滴下しながら加熱撹拌した。
【0057】その後20分撹拌し、続いて滴下漏斗にt-ブ
チルパーオキシ(2-エチル)ヘキサノエート0.5g、アーコ
ソルブPM2.5gの溶液をとり15分で滴下し、液温を105℃
に維持してさらに1.5時間撹拌した。その後、溶剤45gを
減圧下留去して不揮発分を75%に調整し、80℃でジ
メチルエタノールアミン2.3gを5分で加え中和した。30
分撹拌後、脱イオン水120gを加えて無色透明で粘性のあ
る水性アクリル樹脂組成物(不揮発成分30%)を得た。得
られた水溶性ポリマーの性状はMn=8000、Mw=25000、Mw/
Mn=3.1そしてpH=9.0であった。
【0058】実施例2 水性樹脂組成物の調製2 メタクリロイルオキシアセトアミドの代わりに4-メタク
リロイルオキシブチロアミド23.1gを用いること以外は
実施例1と同様にして水性樹脂組成物を得た。得られた
水溶性ポリマーの性状を以下の表1に示す。
【0059】実施例3 水性樹脂組成物の調製3 メタクリロイルオキシアセトアミドの代わりに6-メタク
リロイルオキシカプロアミド26.9gを用いること以外は
実施例1と同様にして水性樹脂組成物を得た。得られた
水溶性ポリマーの性状を以下の表1に示す。
【0060】比較例1 水性樹脂組成物の調製4 メタクリロイルオキシアセトアミドの代わりにアクリル
アミド9.6gを用いること以外は実施例1と同様にして水
性樹脂組成物を得た。得られた水溶性ポリマーの性状を
以下の表1に示す。
【0061】比較例2 水性樹脂組成物の調製5 メタクリロイルオキシアセトアミドの代わりにメタクリ
ルアミド11.5gを用いること以外は実施例1と同様にし
て水性樹脂組成物を得た。得られた水溶性ポリマーの性
状を以下の表1に示す。
【0062】
【表1】 実施例 アミドモノマー 配合量(g) 得られる水溶性ポリマーの性状 Mn Mw Mw/Mn pH 外観 1 メタクリロイル 19.3 8000 25000 3.1 9.0 無色透明 オキシアセトア ミド 2 4-メタクリロイ 23.1 9300 48000 5.2 8.6 無色透明 ルオキシブチロ アミド 3 6-メタクリロイ 26.9 8300 33000 4.0 9.0 無色透明 ルオキシカプロ アミド 比較例 1 アクリルアミド 9.6 8100 25000 3.0 8.9 無色透明 2 メタクリルアミ 11.5 8000 28000 3.5 8.4 無色透明
【0063】実施例4 濃度増粘率の測定 実施例1〜3および比較例1および2で得られた水性樹
脂組成物(すべての樹脂が等モル量のアミド基を樹脂中
に有するように設計してある。)の粘度を、濃度(不揮発
成分(%))を徐々に変えながら測定した。測定条件は、E
型粘度計((株)東京計器社製)を用い、シェアー1rpm、2
5℃とした。
【0064】それぞれ100〜10000cpsの測定値を抽出
し、最小自乗法により直線を引いたものを図1に示す。
この直線の傾き(単位濃度あたりの粘度変化量)を濃度増
粘率とした。
【0065】それぞれの樹脂の濃度増粘率(直線の傾
き)、及び粘度100cpsにおける濃度を表2に示す。実施
例1〜3で得られた水性樹脂組成物の濃度増粘率はいず
れも比較例1および2で得られた水性樹脂組成物の濃度
増粘率を上回り、しかも高濃度においても粘度変化が起
こっていることが確認できた。
【0066】
【表2】実施例 濃度増粘率 100cpsにおける濃度(重量%) 1 1.39 21.0 2 1.85 19.8 3 1.47 18.0 比較例 1 0.68 16.5 2 1.28 17.1
【0067】製造例1 アルミニウム顔料/メラミン分散ペーストの製造 アルミニウム顔料ペースト(アルペースト7160N、アルミ
ニウム含有量65%、東洋アルミニウム製)15部にサイメ
ル303(三井東圧製メトキシ化メチロールメラミン)30部
を添加し、均一混合した。さらにイソステアリル酸ホス
フェート(堺化学製ホスレックスA-180L)2部を均一混合
してアルミニウム顔料溶液を得た。
【0068】製造例2 クリヤー塗料の製造1 (1)ワニスの製造 窒素導入管、撹拌機、温度調節機および冷却管を備えた
反応容器にキシレン70部、N-ブタノール20部を仕込ん
だ。メタクリル酸1.2部、スチレン26.4部、メチルメタ
クリレート26.4部、N-ブチルアクリレート36.0部、2-ヒ
ドロキシエチルメタクリレート10.0部およびアゾビスイ
ソブチロニトリル1.0部を混合することによりモノマー
溶液を別途調製した。反応容器にこのモノマー溶液20部
を加え、撹拌しながら加熱し、温度を上昇させた。還流
させながらモノマー溶液の残り81.0部を2時間かけて滴
下し、ついでアゾビスイソブチロニトリル0.3部および
キシレン10部からなる開始剤溶液を30分間かけて滴下し
た。反応溶液をさらに2時間撹拌還流させて反応を終了
し、不揮発分50%、数平均分子量8000およびOH価48のア
クリル樹脂ワニスを得た。
【0069】(2)ポリエステル樹脂の製造 窒素導入管、撹拌機、温度調節機、コンデンサーおよび
デカンターを備えた2Lの反応容器に、ビスヒドロキシ
エチルタウリン134部、ネオペンチルグリコール130部、
アゼライン酸236部、無水フタル酸186部およびキシレン
27部を仕込み、昇温した。反応により生成する水をキシ
レンと共沸させ除去した。還流開始より約2時間をかけ
て温度を190℃とし、カルボン酸相当の酸価が145になる
まで撹拌と脱水とを継続し、次に140℃まで冷却した。1
40℃の温度を保持し、カージュラE10(シェル社製のバー
サティック酸グリシジルエステル)314部を30分かけて滴
下し、その後2時間撹拌しながら反応を継続した後、反
応を終了した。得られたポリエステル樹脂は数平均分子
量1054、酸価59およびOH価90であった。
【0070】(3)樹脂粒子の製造 窒素導入管、撹拌機、冷却器および温度調節機を備えた
1Lの反応容器に、脱イオン水282部、(2)で製造したポ
リエステル樹脂10部およびジメチルエタノールアミン0.
75部を仕込み、撹拌下温度を80℃に保持しながら溶解さ
せた。ここにアゾビスシアノ吉草酸45部を脱イオン水45
部とジメチルエタノールアミン4.3部とに溶解させた開
始剤溶液を添加した。ついで、メチルメタクリレート7
0.7部、N-ブチルアクリレート94.2部、スチレン70.7
部、2-ヒドロキシエチルアクリレート30部およびエチレ
ングリコールジメタクリレート4.5部からなるモノマー
溶液を1時間かけて反応容器に滴下した。滴下後、アゾ
ビスシアノ吉草酸1.5部を脱イオン水15部とジメチルエ
タノールアミン1.4部とに溶解した開始剤溶液を添加し
て80℃で1時間撹拌した。その結果、不揮発分45%、pH
7.2、粘度92cps(25℃)および粒子径0.156μmのエマルシ
ョンが得られた。このエマルションを噴霧乾燥して水を
除き、得られた樹脂粒子にキシレンを樹脂粒子100部に
対して200部加えることにより再分散させて樹脂粒子の
キシレン分散体を作製した。粒子径は0.3μmであった。
【0071】(4)クリヤー塗料の製造 ステンレス容器に(1)で製造したワニス100部、ユーバン
20SE-60(三井東圧社製ブチル化メラミン樹脂)36部、モ
ダフロー(モンサント社製表面調整剤)0.5部および(3)で
製造した樹脂粒子2.2部をとり、実験用撹拌機で撹拌す
ることによりクリヤー塗料を製造した。
【0072】製造例3 クリヤー塗料の製造2 (1)ワニスの製造 製造例5の(1)と同様の容器にキシレン57部およびN-ブ
タノール6部を仕込んだ。スチレン30.0部、2-エチルヘ
キシルメタクリレート45.2部、2-エチルヘキシルアクリ
レート5.5部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート16.2
部、メタクリル酸3.1部およびアゾイソブチロニトリル
4.0部を混合することによりモノマー溶液を別途調製し
た。反応容器にこのモノマー溶液20部を加え、撹拌しな
がら加熱し、温度を上昇させた。還流させながら、モノ
マー溶液の残り84部を2時間かけて滴下し、ついでアゾ
イソブチロニトリル0.5部、キシレン23部およびN-ブタ
ノール14部からなる開始剤溶液を20分間かけて滴下し
た。反応溶液をさらに2時間撹拌還流させて反応を終了
し、不揮発分50%、数平均分子量3400およびOH価70のア
クリル樹脂ワニスを得た。
【0073】(2)クリヤー塗料の製造 ステンレス容器に(1)で製造したワニス100部およびデス
モジュールN-75(住友バイエル社製イソシアヌレート樹
脂)16.7部を実験用撹拌機で撹拌することによりクリヤ
ー塗料を製造した。
【0074】製造例4 クリヤー塗料の製造3 (1)ワニスの製造 窒素導入管、撹拌機、冷却器、温度調節機および滴下ロ
ートを備えた2Lの反応容器に酢酸ブチル500部を仕込
み、125℃に昇温した。スチレン50部、グリシジルメタ
クリレート400部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート3
50部、2-エチルヘキシルアクリレート200部およびt-ブ
チルパーオキシ-2-エチルヘキサノエイト70部を滴下ロ
ートに仕込み、モノマー溶液とした。反応容器へこのモ
ノマー溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後30分間
125℃に保持した後、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキ
サノエイト10部およびキシレン250部からなる開始剤溶
液を30分間かけて滴下した。滴下終了後さらに2時間12
5℃にて反応を継続し、不揮発分59%および数平均分子
量4000のアクリル樹脂ワニス1を得た。
【0075】(2)無水カルボキシル基含有ポリマーの製
造 窒素導入管、撹拌機、冷却器、温度調節機および滴下ロ
ートを備えた1Lの反応容器にキシレン80部を仕込み、1
15℃に昇温した。スチレン25部、N-ブチルアクリレート
21部、N-ブチルメタクリレート95部、2-エチルヘキシル
メタクリレート34部、イタコン酸無水物50部、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート100部およ
びt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエイト10部か
らなるモノマー溶液を3時間かけて反応容器に滴下し、
さらに2時間撹拌を継続した。その結果、不揮発分53%
および数平均分子量5500の無水カルボキシル基含有ポリ
マーを得た。
【0076】(3)ハーフエステル化ポリマーの製造 (2)で合成した無水カルボキシル基含有ポリマー385部
に、酢酸ブチル35部に溶解したトリエチルアミン1.35部
およびメタノール18.2部を加え、40℃で12時間反応さ
せ、IRで酸無水物基の吸収(1785cm-1)が完全に消失した
ことを確認してハーフエステル化ポリマーを得た。
【0077】(4)クリヤー塗料の製造 ステンレス容器に(1)で製造したワニス100部、(3)で製
造した無水カルボキシル基含有ポリマー133.0部、テト
ラブチルアンモニウムブロミド0.3部、チヌビン-900(チ
バガイギー製ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)1.2部
およびサノールLS-292(三共製ヒンダードアミン系光安
定剤)0.6部を仕込み、実験用撹拌機で撹拌してクリヤー
塗料を製造した。これを酢酸ブチル/キシレン=1/1から
なるシンナーで塗料粘度に希釈した。
【0078】製造例5 クリヤー塗料(粉体)の製造4 (1)アクリル樹脂の製造 滴下ロート、撹拌機および温度計を備えたフラスコにキ
シレン63部を仕込み、130℃に加熱した。ついで、スチ
レン20部、メチルメタクリレート27部、グリシジルメタ
クリレート45部、イソブチルメタクリレート8部および
t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルヘキサノエート
7.5部を滴下ロートに仕込み、このモノマー溶液を3時
間かけて等速度で滴下した。
【0079】滴下終了後30分間撹拌下温度を維持し、キ
シレン7部およびt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシ
ルヘキサノエート0.1部からなるモノマーおよび開始剤
溶液を滴下ロートを用いて等速度で滴下した。滴下終了
後1時間撹拌下温度を維持し、その後、キシレンを減圧
留去することによりアクリル樹脂固体を得た。
【0080】(2)クリヤー塗料の製造 得られたアクリル樹脂70部、デカンジカルボン酸19.1
部、CF-1056(東レダウシリコーン社製のメチルフェニル
シリコーン)0.11部およびベンゾイン0.89部をヘンシェ
ルミキサー(三井三池製作所製)にて乾式混合し、ついで
コニーダーPR-46(スイス国のブス社製)にて100℃の温度
で溶融分散し、冷却し、ハンマーミルにて粉砕し、150
メッシュの金網で分級することによりエポキシ含有アク
リル系粉体塗料を得た。
【0081】実施例5 実施例1で得られた水性塗料用樹脂120部に製造例1で
得られたアルミニウム顔料/メラミン分散ペースト50部
を添加して均一分散することにより水性塗料組成物を得
た。
【0082】実施例6および7 実施例1で得られた水性樹脂組成物の代わりに実施例2
および3で得られた水性樹脂組成物をそれぞれ用いるこ
と以外は実施例5と同様にして、水性塗料組成物を得
た。
【0083】比較例3および4 実施例1で得られた水性樹脂組成物の代わりに比較例1
および2で得られた水性樹脂組成物をそれぞれ用いるこ
と以外は実施例5と同様にして、水性塗料組成物を得
た。
【0084】実施例8〜16および比較例5〜10 垂直に置いた中塗り鋼鈑に実施例5〜7および比較例3
〜4で調製した水性メタリックベース塗料組成物を、乾
燥膜厚20μmとなるように温度23℃、湿度90%の環境下
でエアースプレー塗装し、次いで製造例2〜4で調製し
たクリヤー塗料を乾燥塗膜で乾燥膜厚30μmとなるよう
に同様の条件で塗装した。その際に、前者はインターバ
ル1分間でツーステージで塗装し、その後80℃、2分間
のプレヒート後ワンステージで後者をウエットオンウエ
ットで塗装して7分間セッティングした。次いで、塗装
板を乾燥機で140℃で30分間焼き付け、試験板を作製し
た。得られた試験板について作業性(タレ)および外観
(ムラおよびメタリック感)を目視で評価した。結果を表
3に示す。なお、中塗り鋼鈑は脱脂化成処理を行った磨
き軟鋼鈑に自動車用電着塗料を施し、中塗り塗料を塗布
したものを使用した。
【0085】
【表3】 実施例および 水性塗料 クリヤ-塗料 作業性 外 観比較例 タレ ムラ メタリック感 実施例8 実施例5 製造例2 ○ ○ ○ 実施例9 実施例6 製造例2 ○ ○ ○ 実施例10 実施例7 製造例2 ○ ○ ○ 実施例11 実施例5 製造例3 ○ ○ ○ 実施例12 実施例6 製造例3 ○ ○ ○ 実施例13 実施例7 製造例3 ○ ○ ○ 実施例14 実施例5 製造例4 ○ ○ ○ 実施例15 実施例6 製造例4 ○ ○ ○ 実施例16 実施例7 製造例4 ○ ○ ○ 比較例5 比較例3 製造例2 × △ △ 比較例6 比較例4 製造例2 × × △ 比較例7 比較例3 製造例3 × △ △ 比較例8 比較例4 製造例3 × × △ 比較例9 比較例3 製造例3 × × △比較例10 比較例4 製造例4 × △ × 目視評価の基準 タレ ○=なし △=わずかにあり ×=あり ムラ ○=なし △=わずかにあり ×=あり メタリック感 ○=高 △=普通 ×=低
【0086】実施例17〜19および比較例11〜12 垂直に置いた中塗り鋼鈑に、実施例5〜7および比較例
3〜4で調製した水性メタリックベース塗料組成物を、
乾燥膜厚20μmとなるように温度23℃、湿度85%の環境
下でエアースプレー塗装し、次いで製造例5で調製した
粉体クリヤー塗料を乾燥塗膜で乾燥膜厚80μmとなるよ
うに塗装した。その際に、前者はインターバル1分間で
ツーステージで塗装し、その後80℃、5分間のプレヒー
ト後、後者をウエットオンウエットで静電塗装した。次
いで、塗装板を乾燥機で150℃で30分間焼き付け、試験
板を作製した。得られた試験板について作業性(タレ)お
よび外観(ムラおよびメタリック感)を目視で評価した。
結果を表4に示す。なお、中塗り鋼鈑は脱脂化成処理を
行った磨き軟鋼鈑に自動車用電着塗料を施し、中塗り塗
料を塗布したものを使用した。
【0087】
【表4】 実施例および 水性塗料 クリヤ-塗料 作業性 外 観比較例 タレ ムラ メタリック感 実施例17 実施例5 製造例5 ○ ○ ○ 実施例18 実施例6 製造例5 ○ ○ ○ 実施例19 実施例7 製造例5 ○ ○ ○ 比較例11 比較例3 製造例5 × △ △比較例12 比較例4 製造例5 × △ △ 目視評価の基準 タレ ○=なし △=わずかにあり ×=あり ムラ ○=なし △=わずかにあり ×=あり メタリック感 ○=高 △=普通 ×=低
【0088】
【発明の効果】高湿度条件下(すなわち、低い水分蒸発
条件下)でも有効な粘度上昇が得られるより一層高い濃
度増粘率を有する水性樹脂組成物が提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で得られた水性樹脂組成物の濃度増粘
率の比較を示すグラフである。
【符号の説明】
1…実施例1で得られた水性樹脂組成物、 2…実施例2で得られた水性樹脂組成物、 3…実施例3で得られた水性樹脂組成物、 4…比較例1で得られた水性樹脂組成物、 5…比較例2で得られた水性樹脂組成物。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)式 【化1】 [式中、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基
    であり、nは1〜10の整数である。]で示すアミドモノ
    マー5〜45重量%と; (b)酸性基を有するエチレン性不飽和モノマー3〜15重
    量%と; (c)水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー10〜40重
    量%と; (d)残量のその他のエチレン性不飽和モノマーとを;共
    重合し、得られる分子量2000〜50000のアミド基含有ポ
    リマーの酸性基を少なくとも一部中和することにより得
    られる水溶性ポリマーを、10〜30重量%(固形分)含有す
    る水性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水性樹脂組成物100重量
    部(固形分)と、硬化剤20〜100重量部(固形分)とを含有
    する水性塗料組成物。
  3. 【請求項3】 前記硬化剤が、多官能メラミン化合物、
    多官能ブロック化イソシアネート化合物および多官能エ
    ポキシ化合物からなる群から選択される請求項2記載の
    水性塗料組成物。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の水性塗料組成物を基材に
    塗装した後、これを硬化させずにクリヤー塗料を重ねて
    塗装する工程;および該水性塗料組成物と該クリヤー塗
    料とを合わせて硬化させる工程;を包含する塗膜形成方
    法。
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