JP3052072B2 - 粉体塗料用樹脂組成物 - Google Patents
粉体塗料用樹脂組成物Info
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Description
物に関する。更に詳しくは、粉体塗料中の顔料分散性が
優れ、塗膜の平滑性、鮮映性および光沢の優れた熱硬化
性粉体塗料を得ることができる粉体塗料用樹脂組成物に
関する。
中、環境に対する影響の大きい有機溶剤の規制が強まっ
ている。塗料分野においてもこの動きは同様であり、脱
溶剤型塗料として粉体塗料は有力な候補として位置づけ
られている。
型の焼き付け塗料に比べて劣っているのが現状である。
そのためにとりわけ、顔料分散性に優れた仕上がり外観
のよい粉体塗料の開発が望まれてきた。
性向上を目的としたものとしては、例えば、ビニル系共
重合体に亜リン酸エステルを添加したもの(特公平3−
47304号公報)が知られているが、このものは、顔
料分散性改良の効果は見られるが、粉体塗料が貯蔵時に
固相反応を起こしやすくなるという問題点がある。これ
を解決するものとして、ビニル系共重合体を正リン酸基
含有化合物で変性するもの(特開平7−188588号
公報)が提案されているが、この方法に従う場合、貯蔵
時の固相反応の抑制および顔料分散性の改良の効果は確
認できるが、ビニル系共重合体の変性時にゲル化物が発
生し、塗膜外観に悪影響を与える問題がある。
保存性および塗膜外観を犠牲にすることなく、顔料分散
性に優れ、仕上がり外観のよい塗膜を得ることのできる
粉体塗料用樹脂組成物を提供することにある。
を達成するために鋭意検討した結果、粉体塗料用樹脂を
製造するに際し、正リン酸エステル基含有ビニルモノマ
ーをグリシジル基含有ビニルモノマーおよびグリシジル
基との反応性を有しない、炭素数1〜24のアルキル
(メタ)アクリレート、アラルキル(炭素数7〜12)
(メタ)アクリレート、スチレン系化合物、不飽和ジカ
ルボン酸エステル、不飽和ニトリルおよびビニルエステ
ルからなる群から選ばれる他のビニルモノマーと共重合
させることで、貯蔵時の問題、塗膜外観への悪影響等を
発生させることなく、顔料分散性に優れ、仕上がり外観
に優れた塗膜を与える粉体塗料用樹脂を得られることを
見いだし、本発明に到達した。
1〜24のアルキル基、炭素数6〜20の(アルキル)
アリール基または炭素数7〜12のアラルキル基、R3
は水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数6〜
20の(アルキル)アリール基または炭素数7〜12の
アラルキル基を表す。]で示される正リン酸エステル基
含有ビニルモノマー(a1)0.05〜5重量%、グリ
シジル基含有ビニルモノマー(a2)5重量%以上およ
びグリシジル基との反応性を有しない、炭素数1〜24
のアルキル(メタ)アクリレート、アラルキル(炭素数
7〜12)(メタ)アクリレート、スチレン系化合物、
不飽和ジカルボン酸エステル、不飽和ニトリルおよびビ
ニルエステルからなる群から選ばれる他のビニルモノマ
ー(a3)50重量%以上からなるモノマー混合物をラ
ジカル共重合してなり、その数平均分子量が500〜3
0,000、かつ、ガラス転移点が20〜100℃であ
るビニル系共重合体(A1)と、多価カルボン酸もしく
はその無水物(B)とからなり、(A1)中のグリシジ
ル基と(B)中のカルボキシル基の当量比が1:(0.
5〜1.5)であることを特徴とする粉体塗料用樹脂組
成物;ならびに下記一般式(2)
〜20の(アルキル)アリール基または炭素数7〜12
のアラルキル基、R3は水素原子、炭素数1〜24のア
ルキル基、炭素数6〜20の(アルキル)アリール基ま
たは炭素数7〜12のアラルキル基を表す。]で示され
る正リン酸エステル(a4)の存在下で、グリシジル基
含有モノマー(a2)5重量%以上とグリシジル基との
反応性を有しない、炭素数1〜24のアルキル(メタ)
アクリレート、アラルキル(炭素数7〜12)(メタ)
アクリレート、スチレン系化合物、不飽和ジカルボン酸
エステル、不飽和ニトリルおよびビニルエステルからな
る群から選ばれる他のビニルモノマー(a3)50重量
%以上からなるモノマー混合物をラジカル共重合させる
ことにより、そのラジカル共重合の過程で(a4)を
(a2)または生成ポリマー中のグリシジル基と反応さ
せてなり、その数平均分子量が500〜30,000、
かつ、ガラス転移点が20〜100℃であるビニル系共
重合体(A2)と、多価カルボン酸もしくはその無水物
(B)とからなり、(A2)中のグリシジル基と(B)
中のカルボキシル基の当量比が1:(0.5〜1.5)
であることを特徴とする粉体塗料用樹脂組成物;ならび
に該樹脂組成物からなる粉体塗料である。
有ビニルモノマー(a1)を示す上記一般式(1)おい
て、R1は水素原子またはメチル基である。R2は炭素数
が1〜24、好ましくは4〜18のアルキル基;炭素数
が6〜20、好ましくは6〜15の(アルキル)アリー
ル基;または炭素数が7〜12、好ましくは7〜9のア
ラルキル基である。R2の炭素数が24を越えると顔料
分散性が不十分になる。R3は水素原子;炭素数が1〜
24、好ましくは4〜18のアルキル基;炭素数が6〜
20、好ましくは6〜15の(アルキル)アリール基;
または炭素数が7〜12、好ましくは7〜9のアラルキ
ル基である。R3の炭素数が24を越えると顔料分散性
が不十分になる。該(a1)の具体例としては、グリシ
ジル(メタ)アクリレートと正リン酸モノエステル[モ
ノメチルフォスフェート、モノブチルフォスフェート、
モノヘキシルフォスフェート、モノオクチルフォスフェ
ート、モノ−2−エチルヘキシルフォスフェート、モノ
ラウリルフォスフェート、モノセチルフォスフェート、
モノステアリルフォスフェート、モノフェニルフォスフ
ェート、モノナフチルフォスフェート、モノ(ノニルフ
ェニル)フォスフェートなど]との反応生成物;グリシ
ジル(メタ)アクリレートと正リン酸ジエステル[ジメ
チルフォスフェート、ジブチルフォスフェート、ジヘキ
シルフォスフェート、ジオクチルフォスフェート、ジ
(2−エチルヘキシル)フォスフェート、ジラウリルフ
ォスフェート、ジステアリルフォスフェート、ジフェニ
ルフォスフェート、ジナフチルフォスフェート、ジ(ノ
ニルフェニル)フォスフェート、メチルヘキシルフォス
フェート、メチルオクチルフォスフェート、メチル(2
−エチルヘキシル)フォスフェート、メチルラウリルフ
ォスフェート、メチルセチルフォスフェート、メチルス
テアリルフォスフェート、メチルフェニルフォスフェー
ト、メチルナフチルフォスフェート、メチル(ノニルフ
ェニル)フォスフェート、ブチルヘキシルフォスフェー
ト、ブチルオクチルフォスフェート、ブチル(2−エチ
ルヘキシル)フォスフェート、ブチルラウリルフォスフ
ェート、ブチルセチルフォスフェート、ブチルステアリ
ルフォスフェート、ブチルフェニルフォスフェート、ブ
チルナフチルフォスフェート、ブチル(ノニルフェニ
ル)フォスフェート、ヘキシルオクチルフォスフェー
ト、ヘキシル(2−エチルヘキシル)フォスフェート、
ヘキシルラウリルフォスフェート、ヘキシルセチルフォ
スフェート、ヘキシルステアリルフォスフェート、ヘキ
シルフェニルフォスフェート、ヘキシルナフチルフォス
フェート、ヘキシル(ノニルフェニル)フォスフェー
ト、オクチルラウリルフォスフェート、オクチルセチル
フォスフェート、オクチルステアリルフォスフェート、
オクチルフェニルフォスフェート、オクチルナフチルフ
ォスフェート、オクチル(ノニルフェニル)フォスフェ
ート、2−エチルヘキシルラウリルフォスフェート、2
−エチルヘキシルセチルフォスフェート、2−エチルヘ
キシルステアリルフォスフェート、2−エチルヘキシル
フェニルフォスフェート、2−エチルヘキシルナフチル
フォスフェート、2−エチルヘキシル(ノニルフェニ
ル)フォスフェート、ラウリルセチルフォスフェート、
ラウリルステアリルフォスフェート、ラウリルフェニル
フォスフェート、ラウリルナフチルフォスフェート、ラ
ウリル(ノニルフェニル)フォスフェート、セチルステ
アリルフォスフェート、セチルフェニルフォスフェー
ト、セチルナフチルフォスフェート、セチル(ノニルフ
ェニル)フォスフェート、ステアリルフェニルフォスフ
ェート、ステアリルナフチルフォスフェート、ステアリ
ル(ノニルフェニル)フォスフェート、フェニルナフチ
ルフォスフェート、フェニル(ノニルフェニル)フォス
フェート、ナフチル(ノニルフェニル)フォスフェート
など]との反応生成物;およびこれらの2種以上の混合
物が挙げられる。これらのうち好ましいものは、グリシ
ジル(メタ)アクリレートと、モノブチルフォスフェー
ト、モノヘキシルフォスフェート、モノオクチルフォス
フェート、モノ(2−エチルヘキシル)フォスフェー
ト、モノラウリルフォスフェート、モノセチルフォスフ
ェート、モノステアリルフォスフェート、ジブチルフォ
スフェート、ジヘキシルフォスフェート、ジオクチルフ
ォスフェート、ジ(2−エチルヘキシル)フォスフェー
ト、ジラウリルフォスフェート、ジステアリルフォスフ
ェートおよびジフェニルフォスフェートから選ばれる一
種以上との反応生成物であり、特に好ましいものは、グ
リシジルメタクリレートと、モノラウリルフォスフェー
ト、モノセチルフォスフェート、モノステアリルフォス
フェート、ジラウリルフォスフェートおよびジステアリ
ルフォスフェートから選ばれる一種以上との反応生成物
である。
タ)アクリレートおよび正リン酸エステルの双方に対し
て不活性な溶剤(芳香族系溶剤、ケトン系溶剤、エステ
ル系溶剤等)中または無溶剤下で正リン酸エステルと等
モル以上のグリシジル(メタ)アクリレートとを加熱反
応せせることで得られる。反応温度は通常40〜160
℃である。
および(A2)を構成するグリシジル基含有モノマー
(a2)としては、例えばグリシジル(メタ)アクリレ
ートおよびβ−メチルグリシジル(メタ)アクリレート
が挙げられる。これらのうち特に好ましいものはグリシ
ジルメタクリレートである。
シジル基との反応性を有しない他のビニルモノマー(a
3)としては、例えば、アルキル(炭素数1〜24)
(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)ア
クリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブ
チル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)
アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシ(メタ)アクリレートル、オクチル
(メタ)アクリレート、2−エチルオクチル(メタ)ア
クリレート、ドデシル(メタ)アクリレート];アラル
キル(炭素数7〜12)(メタ)アクリレート[ベンジ
ル(メタ)アクリレート等];スチレン系化合物[スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等];不飽
和ジカルボン酸エステル[フマル酸ジブチル、フマル酸
ジ2−エチルヘキシル、マレイン酸ジブチル等];不飽
和ニトリル[アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等]、ビニルエステル[酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル等]およびこれら2種以上の混合物が挙げられる。こ
れらのうち特に好ましいものは、n−ブチル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、メチル(メタ)アクリレート、スチレンおよびフマ
ル酸ジブチルである。
る正リン酸エステル基含有ビニルモノマー(a1)の量
は(a1)、(a2)および(a3)の合計100重量
部あたり、通常0.05〜5重量部、好ましくは0.1
〜2.0重量部、さらに好ましくは0.2〜1.0重量
部である。(a1)の量が、0.05重量部未満では顔
料分散性が不十分になり、5重量部を超える場合は重合
中にゲル化物を生じ塗膜外観に悪影響を与えることがあ
る。
用いられる正リン酸エステル(a4)の量は(A2)を
構成する(a2)と(a3)の単量体混合物100重量
部あたり、通常0.05〜5重量部、好ましくは0.1
〜2.0重量部、さらに好ましくは0.2〜1.0重量
部である。(a4)の量が、0.05重量部未満では顔
料分散性が不十分になり、5重量部を超える場合は重合
中にゲル化物を生じ塗膜外観に悪影響を与えることがあ
る。
を構成する(a2)と(a3)の重量比率は、通常(5
〜50):(95〜50)、好ましくは(20〜4
0):(80〜60)である。(a2)の比率が5未満
では塗膜の強度が十分なものにならず、50を超えると
過度の硬化反応のため、塗膜の仕上がり外観が劣るもの
になる。
は、通常500〜30,000、好ましくは2,000
〜10,000、特に好ましくは3,000〜7,00
0の範囲である。数平均分子量が500未満では塗膜の
強度が十分なものにならず、30,000を超えると塗
膜の溶融平滑性が悪化する。
る該(A1)および(A2)のガラス転移点(Tg)
は、通常20〜100℃、好ましくは30〜80℃、さ
らに好ましくは40〜60℃である。Tgが20℃未満
では粉体塗料にした際に粉体同士のブロッキングが起こ
るなど、保存安定性が悪化し、100℃を超えると塗膜
の溶融平滑性が悪化する。
合開始剤の存在下で、(a1)、(a2)および(a
3)を公知の方法(塊状重合、溶液重合、懸濁重合等)
で重合する方法が挙げられるが、好ましくは有機溶剤中
で溶液重合後、脱溶剤をおこなう方法である。重合反応
は常圧または加圧密閉下で行われ、重合温度は通常10
0〜180℃である。
(a4)とラジカル重合開始剤の存在下で、(a2)と
(a3)を公知の方法(塊状重合、溶液重合、懸濁重合
等)で重合する方法が挙げられるが、好ましくは有機溶
剤中で溶液重合後、脱溶剤をおこなう方法である。重合
反応は常圧または加圧密閉下で行われ、重合温度は通常
100〜180℃である。この方法においては(a4)
は重合反応の過程で(a2)または生成ポリマー中のグ
リシジル基と反応し、最終的に得られる共重合体(A
2)は(A1)と実質的に同じものとなる。
アゾ系開始剤および有機過酸化物系開始剤が挙げられ
る。代表的なものを例示すれば、アゾビスイソブチロニ
トリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジ−ter
t−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーベン
ゾエート、ジクミルパーオキサイド等が挙げられる。こ
れらは1種または2種以上を併用してもよい。ラジカル
重合開始剤の使用量はモノマー全量に対して通常0.1
〜10重量%である。
知の連鎖移動剤を用いてもよい。該連鎖移動剤として
は、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、ブ
チルアルコール、ヘキシルアルコール、エチレングリコ
ール、グリセリン等が挙げられる。連鎖移動剤を用いる
場合の使用量はモノマー全量に対して通常0.01〜5
重量%である。
れる溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶
剤、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブ
チル等のエステル系溶剤およびこれらの2種以上の混合
溶剤が挙げられる。該溶剤を用いる場合の使用量はモノ
マー全量に対して通常10〜100重量%である。
多価カルボン酸もしくはその無水物(B)としては、脂
肪族又は芳香族の多価カルボン酸が使用される。代表的
なものを例示すれば、グルタル酸、アジピン酸、ピメリ
ン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,1
0−デカン二酸、1,12−ドデカン二酸、1,20−
アイコサン二酸、1,24−テトラアイコサン二酸、マ
レイン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、ヘキサヒドロ
フタル酸、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、
(無水)コハク酸等の脂肪族または脂環族多価カルボン
酸;(無水)ピロメリット酸、(無水)フタル酸、イソ
フタル酸等の芳香族多価カルボン酸およびこれらの2種
以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいもの
は、1,10−デカン二酸、1,12−ドデカン二酸、
1,20−アイコサン二酸および1,24−テトラアイ
コサン二酸等の長鎖脂肪族多価カルボン酸であり、特に
好ましいものは1,12−ドデカン二酸である。
中のグリシジル基と(B)中のカルボキシル基の当量比
は、通常1:(0.5〜1.5)であり、好ましくは
1:(0.7〜1.2)である。(B)中のカルボキシ
ル基の当量比が0.5未満では充分な塗膜強度が得られ
ず、1.5を超えると(B)の未反応物が塗膜表面に析
出し、塗膜の仕上がり外観を著しく損なう。
応じて、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド
樹脂などの合成樹脂、顔料、染料、レベリング剤、ブロ
ッキング防止剤、紫外線吸収剤、ベンゾイン、帯電防止
剤、酸化防止剤などの公知の塗料用添加物を含有するこ
とができる。
造する方法としては、公知のいずれの方法も採用するこ
とができるが、通常上記の(A1)または(A2)、
(B)および必要に応じ添加剤などを混合した後、加熱
ロール、エクストルーダーなどの溶融混練機にて80〜
120℃程度で充分混練し、冷却後、粉砕、分級して粉
体塗料とする。また、粉体塗料の塗装方法としては、静
電塗装法、流動浸漬法などの公知の塗装方法によって被
塗物に塗装し、これを通常150〜210℃で焼き付け
て、塗膜を形成させる方法が例示できる。
主に金属製品の塗装用に用いられ、例えば、自動車用、
建材用、家電製品用、自動販売機用などの種々の用途に
供される。
するが本発明はこれに限定されるものではない。以下に
おいて、部および表1,2および3の処方欄の数値は重
量部を示す。なお、各試験方法は次の通りである。 1)ガラス転移点の測定 装置:セイコー電子工業株式会社製 「DSC20、S
SC/580」 条件:ASTM(D3418−2)法 2)数平均分子量の測定 GPCによる分子量測定は以下の条件で行った。 装置 : ウオーターズ製 カラム : ウルトラスタイラジェルリニア 2本 測定温度 : 25℃ 試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液 溶液注入量: 200μl 検出装置 : 屈折率検出器 なお、分子量較正曲線は標準ポリスチレンを用いて作成
した。 3)平滑性の評価 リン酸亜鉛処理鋼板に粉体塗装し焼き付け後、膜厚40
〜60μmの塗面を目視判定。 判定基準 ○:良好 △:やや不良 ×:不良 4)ペレットフロー 0.5gの粉体塗料を直径15mmφの大きさのペレッ
トに整形し、45°に傾斜させた金属板上にのせ、17
0℃の雰囲気下20分間置き、流れ落ちた長さ(mm)
を測定した。 5)塗膜の光沢(60度光沢)の測定 JIS K5400 7.6に準拠して評価した。 6)保存安定性の評価 粉体塗料を40℃で1ヶ月間放置したものについて、平
滑性の評価、ペレットフローおよび60度光沢の測定を
おこなった。 7)耐候性の評価 JIS K5400 6.17に準拠して、サンシャイ
ンウェザーオメーターにより、1000時間の試験をお
こなった。試験前と試験後の60度光沢を測定し、光沢
保持率で評価した。 8)耐衝撃性の評価 JIS K5400 8.4.2に準拠して評価した。 9)耐溶剤性試験 JIS K5400 8.24に準拠して評価した。
の合成] 製造例1〜2 温度計、攪拌機、還流冷却器を備えた反応容器に表1に
示す量の正リン酸エステルおよびグリシジルメタクリレ
ートを仕込み、100℃で2時間加熱混合して正リン酸
エステル基含有ビニルモノマーを得た。このものはIR
およびNMR分析により目的の構造を有する化合物であ
ることを確認した。
耐圧反応容器に、キシレン33.3部を仕込み、反応容
器内の空気を窒素ガスで置換した後加熱還流した。加熱
還流後容器を密閉状態にし、160℃まで昇温し、つい
で表2に示す量のモノマーと重合開始剤からなる混合物
を、加圧下で1.5時間かけて滴下した。さらに同温度
で1時間熟成した後に、130℃まで冷却した。次いで
常圧下で180℃まで昇温しながらキシレンを留去し、
180℃になった時点で減圧に切り替え、2000Pa
に到達後さらに1.5時間留去を行い、室温まで冷却し
てビニル系共重合体(A−1)および(A−2)を得
た。
耐圧反応容器に、キシレン33.3部と表2に示す量の
正リン酸エステルを仕込み、反応容器内の空気を窒素ガ
スで置換した後加熱還流した。加熱還流後容器を密閉状
態にし、160℃まで昇温し、ついで表1に示す量の単
量体と重合開始剤からなる混合物を、加圧下で1.5時
間かけて滴下した。さらに同温度で1時間熟成した後
に、130℃まで冷却した。次いで常圧下で180℃ま
で昇温しながらキシレンを留去し、180℃になった時
点で減圧に切り替え、2000Paに到達後さらに1.
5時間留去を行い、室温まで冷却してビニル系共重合体
(A−3)〜(A−5)を得た。
耐圧反応容器に、キシレン33.3部を仕込み、反応容
器内の空気を窒素置換した後加熱還流した。加熱還流後
容器を密閉状態にし、160℃まで昇温し、ついで表2
に示す量の単量体と重合開始剤からなる混合物を、加圧
下で1.5時間かけて滴下した。さらに同温度で1時間
熟成した後に、120℃まで冷却し、表2に示す量の亜
リン酸エステルを加え、同温度で2時間の間攪拌した。
次いで常圧下で180℃まで昇温しながらキシレンを留
去し、180℃になった時点で減圧に切り替え、200
0Paに到達後さらに1.5時間留去を行い、室温まで
冷却して比較のビニル系共重合体(A’−1)を得た。
耐圧反応容器に、キシレン33.3部と表2に示す量の
亜リン酸エステルを仕込み、反応容器内の空気を窒素ガ
スで置換した後加熱還流した。加熱還流後容器を密閉状
態にし、160℃まで昇温し、ついで表2に示す量の単
量体と重合開始剤からなる混合物を、加圧下で1.5時
間かけて滴下した。さらに同温度で1時間熟成した後
に、130℃まで冷却した。次いで常圧下で180℃ま
で昇温しながらキシレンを留去し、180℃になった時
点で減圧に切り替え、2000Paに到達後さらに1.
5時間留去を行い、比較のビニル系共重合体(A’−
2)を得た。
耐圧反応容器に、キシレン33.3部を仕込み、反応容
器内の空気を窒素置換した後加熱還流した。加熱還流後
容器を密閉状態にし、160℃まで昇温し、ついで表2
に示す量の単量体と重合開始剤からなる混合物を、加圧
下で1.5時間かけて滴下した。さらに同温度で1時間
熟成した後に、120℃まで冷却し、表2に示す量の正
リン酸エステルを添加し、同温度で2時間の間攪拌し
た。次いで常圧下で180℃まで昇温しながらキシレン
を留去し、180℃になった時点で減圧に切り替え、2
000Paに到達後さらに1.5時間留去を行い、比較
のビニル系共重合体(A’−3)を得た。
型」(池貝鉄工株式会社製)を用いて、110℃の条件
下溶融混練した。冷却後粉砕器で粉砕し、150メッシ
ュの篩で分級した粒度のものを集めて、各粉体塗料を調
製した。得られた各粉体塗料を、粉体塗料用静電塗装機
を用いてリン酸亜鉛処理鋼板に塗装し、180℃で20
分間焼き付けをおこなって試験板を得た。各粉体塗料お
よび各試験板について性能評価を行った。その結果を表
4に示す。
技術によるものに比べ、下記の効果を有する。 1.顔料分散性に優れ、平滑性や光沢など塗膜の仕上が
り外観に優れる。 2.粉体塗料にしたときの保存安定性に優れる。 3.塗膜外観に悪影響を与えるゲル化物などの不純物が
ない。 上記効果を奏することから本発明の樹脂組成物からなる
粉体塗料は、自動車部品、建材、家電製品や自動販売機
のハウジング等の金属塗装に好適に用いることができ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 [式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数1
〜24のアルキル基、炭素数6〜20の(アルキル)ア
リール基または炭素数7〜12のアラルキル基、R3は
水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数6〜2
0の(アルキル)アリール基または炭素数7〜12のア
ラルキル基を表す。]で示される正リン酸エステル基含
有ビニルモノマー(a1)0.05〜5重量%、グリシ
ジル基含有ビニルモノマー(a2)5重量%以上および
グリシジル基との反応性を有しない、炭素数1〜24の
アルキル(メタ)アクリレート、アラルキル(炭素数7
〜12)(メタ)アクリレート、スチレン系化合物、不
飽和ジカルボン酸エステル、不飽和ニトリルおよびビニ
ルエステルからなる群から選ばれる他のビニルモノマー
(a3)50重量%以上からなるモノマー混合物をラジ
カル共重合してなり、その数平均分子量が500〜3
0,000、かつ、ガラス転移点が20〜100℃であ
るビニル系共重合体(A1)と、多価カルボン酸もしく
はその無水物(B)とからなり、(A1)中のグリシジ
ル基と(B)中のカルボキシル基の当量比が1:(0.
5〜1.5)であることを特徴とする粉体塗料用樹脂組
成物。 - 【請求項2】 下記一般式(2) 【化2】 [式中、R2は炭素数1〜24のアルキル基、炭素数6
〜20の(アルキル)アリール基または炭素数7〜12
のアラルキル基、R3は水素原子、炭素数1〜24のア
ルキル基、炭素数6〜20の(アルキル)アリール基ま
たは炭素数7〜12のアラルキル基を表す。]で示され
る正リン酸エステル(a4)の存在下で、グリシジル基
含有モノマー(a2)5重量%以上とグリシジル基との
反応性を有しない、炭素数1〜24のアルキル(メタ)
アクリレート、アラルキル(炭素数7〜12)(メタ)
アクリレート、スチレン系化合物、不飽和ジカルボン酸
エステル、不飽和ニトリルおよびビニルエステルからな
る群から選ばれる他のビニルモノマー(a3)50重量
%以上からなるモノマー混合物をラジカル共重合させる
ことにより、そのラジカル共重合の過程で(a4)を
(a2)または生成ポリマー中のグリシジル基と反応さ
せてなり、その数平均分子量が500〜30,000、
かつ、ガラス転移点が20〜100℃であるビニル系共
重合体(A2)と、多価カルボン酸もしくはその無水物
(B)とからなり、(A2)中のグリシジル基と(B)
中のカルボキシル基の当量比が1:(0.5〜1.5)
であることを特徴とする粉体塗料用樹脂組成物。 - 【請求項3】 (a4)の量が、(a2)と(a3)の
合計100重量部あたり0.05〜5重量部である請求
項2記載の樹脂組成物。 - 【請求項4】 (a2)がグリシジル(メタ)アクリレ
ートであり、(a3)が、スチレン、α−メチルスチレ
ンおよびビニルトルエンからなる群から選ばれるスチレ
ン系化合物、炭素数1〜24のアルキル(メタ)アクリ
レートならびに不飽和ジカルボン酸のジアルキル(炭素
数1〜8)エステルからなる群から選ばれる少なくとも
一種である請求項1〜3いずれか記載の樹脂組成物。 - 【請求項5】 (B)が脂肪族または芳香族ジカルボン
酸もしくはその無水物である請求項1〜4いずれか記載
の樹脂組成物。 - 【請求項6】 請求項1〜5いずれか記載の樹脂組成物
からなる粉体塗料。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP9215529A JP3052072B2 (ja) | 1997-03-19 | 1997-07-25 | 粉体塗料用樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-85770 | 1997-03-19 | ||
JP8577097 | 1997-03-19 | ||
JP9215529A JP3052072B2 (ja) | 1997-03-19 | 1997-07-25 | 粉体塗料用樹脂組成物 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10316896A JPH10316896A (ja) | 1998-12-02 |
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