JP2003321641A - 熱硬化性粉体塗料組成物 - Google Patents

熱硬化性粉体塗料組成物

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JP2003321641A
JP2003321641A JP2002126772A JP2002126772A JP2003321641A JP 2003321641 A JP2003321641 A JP 2003321641A JP 2002126772 A JP2002126772 A JP 2002126772A JP 2002126772 A JP2002126772 A JP 2002126772A JP 2003321641 A JP2003321641 A JP 2003321641A
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Mitsusachi Mizoguchi
口 光 幸 溝
Yoshiharu Hirose
瀬 義 治 廣
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明の熱硬化性粉体塗料組成物は、グリ
シジル基含有アクリルコポリマー(A)および2価以上
の多価カルボキシル硬化剤(B)を含有し、このグリシ
ジル基含有アクリルコポリマー(A)を構成するエチレ
ン性不飽和単量体が、スチレンおよびグリシジルメタク
リレ−トを必須単量体とし、その他の単量体であり、さ
らにこのグリシジル基含有アクリルコポリマー(A)の
重量平均分子量(Mw)が2500以上であり、Fox
の式により求められる設計ガラス転移温度(Tg)が5
0℃以上であることを特徴としている。 【効果】本発明によれば、自動車部品のクリア塗装、及
び、自動車トップクリアコート塗装に好適で、特に、4
0〜50μmの薄膜塗装に於いて、優れた外観特性(平
滑性、光沢、他)、実用レベルの物理特性(硬度、耐擦
傷性、他)、化学特性(耐酸性、耐溶剤性、他)を有す
る熱硬化塗膜が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性粉体塗料
組成物に関し、さらに詳細には、優れた外観特性(平滑
性、光沢等)、物理特性(硬度、耐擦傷性、等)、化学
特性(耐酸性、耐溶剤性等)を有し、特に、車両部品の
クリア塗装、膜厚40〜50μmの自動車トップクリア
塗装に好適な、焼付塗膜を与える熱硬化性粉体塗料組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料は、溶剤排出量の極めて少ない
環境対応型塗料であり、従来より、特にVOC(Volati
le Organic Compound、揮発性有機化合物)の排出規制
の厳しい欧米を中心に使用されている。しかしながら、
アクリル系の粉体塗料は、塗膜の透明性、耐候性に優れ
るものの、高価格であり、超耐候性ポリエステル系粉体
塗料の台頭による耐候性での優位性の薄れから、市場占
有率の伸びが小さい。このような状況にあって、自動車
トップクリア塗装が最大の潜在市場として期待されてい
る。この用途におけるアクリル系の粉体塗料の最大の課
題は、「塗膜の薄膜化」である。即ち、溶剤型クリア塗
装の標準膜厚が35〜40μmであるのに対し、同じ平
滑度の塗膜を与える為に、アクリル系の粉体塗料が必要
とする最低膜厚は、50〜65μmであるとされてお
り、塗料材料コストの点でこの最低膜厚を50μm以下
までの薄膜化することが極めて重要で性急な課題となっ
ている。
【0003】50μmまでの薄膜化に於いて、塗膜平滑
性を確保する技術的アプローチの一つが「塗料粒子の微
小化」(WO9851748号公報など参照)であり、それに
伴って生じる粉体流動性、静電塗着効率の悪化を回避す
る為に、「粒度分布制御技術」(特開平10-231446号公
報など参照)、「疎水性シリカ微粒子、等の添加剤配合
技術」(DE19712765号公報など参照)、さらに、「球
状粒子化技術」(特開平09-208855号公報、WO9845356
号公報など参照)などの技術を用いることが必要にな
る。
【0004】しかしながら、いずれのアプローチにも、
塗料製造コスト面、さらに中間製品のハンドリング面で
多くの課題を残し、現時点では、自動車トップコート用
粉体塗料としてアクリル系粉体塗料は実用化に至ったも
のはない。これに対し、原料のドライ混合→溶融混練→
固化→粉砕・分級のプロセスを変更せず、18μm以上
の体積平均粒子径を有し、さらに機械的粉砕により不定
形形状状を示す、いわゆる「従来型の粉体塗料」の形態
を維持し、塗料組成の設計による溶融−硬化特性の制御
のみで薄膜化の限界を追求するアプローチが存在する。
【0005】これに属する最近の開発技術としては、反
応性の低いアルキル置換グリシジル単量体の共重合(特
開平11-140379号公報など参照)、特定の単量体の共重
合(米国特許第5663240号明細書、特開平09-078010号公
報など参照)、反応性の低い硬化剤の設計(EP113244
2号公報など参照)が挙げられる。これらの技術を用い
ることによりいずれも塗膜厚を65μmから50μmま
で薄膜化することはできるが、さらに進んだ50μmか
ら40μmまでの薄膜化には必ずしも充分な効果を示す
とはいえない。
【0006】本願発明者らは、これら技術のブラッシュ
アップを進めた結果、実用的な塗料設計を前提として、
40μmまでの薄膜化が可能である事を確認し、さら
に、焼付時に示す塗料の溶融挙動に於ける必要条件を見
出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の目的】すなわち、本発明は、従来型の粉体塗料
の形態を維持し、塗料組成の設計による溶融−硬化特性
の制御のみで薄膜化することができ、特にその膜厚を4
0μm〜50μmに薄膜化可能な自動車トップクリア塗
装であって、実用的に許容できる平滑性と塗膜性能とを
有する粉体塗料の原料組成を提供することを目的として
いる。
【0008】さらに詳しくは本発明では、塗膜平滑性の
判定基準として、現在、世界的に最も汎用性の高い光学
的測定法であるウェーブスキャン(独BYKガードナー
社製)により測定される塗膜の平滑性におけるLw値
を、許容される上限値である4.0の値にすることがで
き、且つ、基本的な塗膜要求物性を確保できる熱硬化性
粉体塗料組成物を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明の熱硬化性粉体塗料組成物は、グ
リシジル基含有アクリルコポリマー(A)および2価以
上の多価カルボキシル硬化剤(B)を含有する熱硬化性
アクリル粉体塗料組成物(C)であり、該グリシジル基
含有アクリルコポリマー(A)を構成するエチレン性不
飽和単量体が、 スチレン:10〜40重量%(A−1)、 および グリシジルメタクリレ−ト:30〜50重量%(A−
2)を必須単量体とし、その他の単量体が、 イソブチルメタアクリレート:0〜50重量%(A−
3)、 シクロヘキシルメタクリレート:0〜50重量%(A−
4)、 イソボロニルメタクリレート:0〜45重量%(A−
5)、 イソボロニルアクリレート:0〜10重量%(A−
6)、 および メチルメタクリレート0〜20重量%(A−7)よりな
る群から選ばれる少なくとも1種類の単量体であり(た
だし、(A-1)〜(A-7)の合計は100重量%である)、
該グリシジル基含有アクリルコポリマー(A)の重量平
均分子量(Mw)が2500以上であり、Foxの式に
より求められる設計ガラス転移温度(Tg)が50℃以
上であることを特徴としている。
【0010】すなわち、本発明の熱硬化性順体塗料組成
物は、メインバインダーポリマーとして、グリシジル基
含有アクリルコポリマー(A)を使用する。これを構成
する必須のエチレン性不飽和単量体は、スチレン10〜
40重量%(A−1)、及び、グリシジルメタクリレ−
ト30〜50重量%(A−2)である。スチレンは、硬
化塗膜の光輝度を向上する点で有利であるが、10重量
%以下の場合、コポリマー(A)そのもの耐熱性が悪化
し、熱分解により製造段階で問題を生じやすい。逆に4
0重量%以上では、耐候性悪化の懸念が生じ、長期屋外
暴露下の塗膜の耐候性保証に問題を生じる。グリシジル
メタクリレートは、たとえば、特開平11-140379号公報
に記載のβ―メチルグリシジルメタクリレートに置き換
えた場合、多価カルボキシル硬化剤(B)との反応性の
低さから、塗膜の平滑性を改良しやすいが、高価格であ
り、コポリマー(A)がコスト高になりやすい。グリシ
ジルメタクリレートの使用濃度30重量%以下では、塗
膜要求物性を達成できず、逆に50重量%以上の使用で
は、コポリマー(A)がコスト高になる。
【0011】一方、その他に選択的に使用されるエチレ
ン性不飽和単量体(A−3〜A−7)は、いずれも、そ
のホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が高く、置換
エステル鎖の慣性半径が小さいものであり、さらに、メ
チルメタクリレート(A−7)を除き、そのホモポリマ
ーが非常に疎水的なものとなる単量体である。本発明者
らは、これら任意に選択できるエチレン性不飽和単量体
の組み合わせで、粉体塗料が焼付される初期段階で、特
異的に、急速な塗料の溶融粘度低下を生じさせる事を見
出し、さらに、この減粘速度が、特定の下限値以上の速
度を示す事が、40〜50μmまでの薄膜化の為の必要
条件となる事を数値的に解明した。この急速な溶融粘度
低下の理由は、推測の域を越えないが、疎水的に設計さ
れたコポリマー(A)が、親水的な酸硬化剤(B)と非
相溶化する事で、溶融塗料中、コポリマー(A)がミク
ロなクラスターを形成し、同時に存在する溶融状態の硬
化剤(B)が、そのクラスター間の滑剤として機能する
事により、従来の塗料に見られない、急激な溶融粘度低
下を示す為と考えられる。また、コポリマー(A)の疎
水的な設計による塗料粒子表面の表面張力の低下、コポ
リマー(A)の分子絡み合いの低さもあいまって、塗膜
の平滑化が促進されると思われる。本発明で選択できる
疎水的なモノマーとしては、 イソブチルメタアクリレ
ート0〜50重量%(A−3)、シクロヘキシルメタク
リレート0〜50重量%(A−4)、イソボロニルメタ
クリレート0〜45重量%(A−5)、イソボロニルア
クリレート0〜10重量%(A−6)が使用できるが、
前者2つの選定が特に好ましく、単量体自体の熱分解、
臭気、さらに、最終塗膜の過熱黄変の問題から、後者2
つの過剰使用は好ましくない。イソボロニルメタクリレ
ートの使用濃度は0〜25重量%がより好ましい。この
ような各成分の量によって、本発明は、特開平09-07801
0号公報、米国特許第5663240号明細書に記載された組成
物とは明らかに異なる特性を有する。
【0012】本発明によるコポリマー(A)の重量平均
分子量Mwは2500以上であり、Foxの式により求
められる設計ガラス転移温度(Tg)は50℃以上であ
る。このような重量平均分子量およびがんラス転移温度
を有することにより、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物
は、常温での塗料粒子の固着を防止できる。さらにこの
ような特性が最終塗膜の実用的な要求物性を実現する為
の必要条件となる。
【0013】一方、硬化剤成分(B)は、多価カルボン
酸化合物であって、ドデカン2酸、テトラデカン2酸、
または、その単独、混合縮合物が好適である。ドデカン
2酸に対し、テトラデカン2酸は、ほぼ同一の融点を示
す一方、コポリマー(A)中のグリシジル基との反応当
量比を同一に設定した場合、重量濃度が増加し、これに
見合う塗料の最低溶融粘度値の低下をもたらし、薄膜化
に有利となる。但し、化学合成プロセスにより製造する
事が難しく、微生物分解によるバイオプロセスの方が有
利であり、その際には、微生物由来の残存窒素の精製・
除去が必要となる。実用上、塗膜の黄変を生じない上限
窒素濃度は150ppmである。さらに、本発明では、
これら2種類の脂肪族二塩基酸の単独、あるいは混合物
より製造される脱水縮合物も使用できる。コポリマー
(A)中のグリシジル基に対する硬化剤の配合量は、グ
リシジル基(mol):カルボキシル基(mol)+酸
無水物基(mol)で表すと、通常は1:0.9〜1.
3の範囲にあり、特に、40μm膜厚での塗膜平滑性を
重視し、且つ、実用的な塗膜物性を両立させる為には、
1:1.15〜1.25範囲、すなわち酸過剰の状態で
使用することが好ましい。
【0014】硬化触媒成分(D)は、特に、熱硬化性ア
クリル粉体塗料組成物(C)が熱硬化反応性の低いポリ
酸無水物を使用している場合に有効であるが、本発明で
は、塗膜の過熱黄変度の最も小さい硬化触媒成分(D)
として、テトラアルキル置換のハロゲン化有機リン化合
物が好適であり、特に、テトラブチルホスフォニウムブ
ロマイドが、最も好適である。これらは一般的に使用さ
れる有機錫系触媒、イミダゾール系触媒と比較して、塗
膜の過熱黄変度が小さいだけでなく、コポリマー(A)
とのマスターバッチ化にも有利である。例えば、2―メ
チルイミダゾールの場合、よほどの低温混練を行わない
限り、目視判定できる程度までマスターバッチコポリマ
ー(A‘)が黄変し、また、焼き付け塗膜の黄変度も激
しい。これに対して例えばテトラブチルホスフォニウム
ブロマイドは、この黄変が極めて少なく、塗膜黄変の問
題は小さい。
【0015】本発明においては、上記何れの態様におい
ても、50μm膜厚での塗膜平滑性が、許容上限である
Lw値4.0以下となり、しかも、体積平均粒子径18
μm以上の不定形粒子であり、いわゆる、微粒子塗料、
球状塗料ではない。また、特に、硬化剤成分(C)が、
ポリ酸無水物である場合、40μm膜厚でもLw値4.
0以下を十分に達成できる。しかも、得られた焼付け塗
膜は、優れた外観特性(平滑性、光沢、他)、物理特性
(硬度、耐擦傷性、他)、化学特性(耐酸性、耐溶剤
性、他)を有し、特に、車両部品のクリア塗装、膜厚4
0〜50μmの自動車トップクリア塗装に好適である。
【0016】さらに、本発明においては、 前記グリシ
ジル基含有アクリルコポリマー(A)中におけるシクロ
ヘキシルメタクリレート(A−4)の共重合量が0〜2
0重量%の範囲内にあることが好ましい。本発明におい
ては、前記グリシジル基含有アクリルコポリマー(A)
中におけるイソボロニルメタクリレート(A−5)の共
重合量が0〜25重量%の範囲内にあることが好まし
い。
【0017】本発明においては、前記熱硬化性アクリル
粉体塗料組成物(C)が、リン系硬化触媒として、テト
ラアルキル置換のハロゲン化有機リン化合物(D)を、
グリシジル基含有アクリルコポリマー(A)と2価以上
の多価カルボキシル硬化剤(B)との合計重量((A)+
(B))に対し、0.01〜1.5重量%の量で使用して
得られるものであることが好ましい。
【0018】本発明においては、前記テトラアルキル置
換のハロゲン化有機リン化合物(D)が、テトラブチル
ホスフォニウムブロマイド、メチルトリフェニルホスフ
ォニウムブロマイド、ブチルトリフェニルホスフォニウ
ムブロマイド、テトラフェニルホスフォニウムブロマイ
ド、エチルトリフェニルホスフォニウムブロマイド、テ
トラブチルホスフォニウムクロライド、メチルトリフェ
ニルホスフォニウムクロライド、ブチルトリフェニルホ
スフォニウムクロライド、テトラフェニルホスフォニウ
ムクロライドおよびエチルトリフェニルホスフォニウム
クロライドよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の
化合物であることが好ましい。
【0019】本発明においては、前記熱硬化性アクリル
粉体塗料組成物(C)が、グリシジル基含有アクリルコ
ポリマー(A)の一部、または全量を、グリシジル基含
有アクリルコポリマー(A)と2価以上の多価カルボキ
シル硬化剤(B)との合計重量((A)+(B))に対し、
0.01〜1.5重量%に相当する量のテトラアルキル
置換のハロゲン化有機リン化合物(D)を、予め、均一
に分散、混合して得られたマスターバッチポリマー
(A’)を用いて製造されるものであることが好まし
い。
【0020】本発明においては、前記2価以上の多価カ
ルボキシル硬化剤(B)が、炭素数12または14の脂
肪族二塩基酸、またはそれらの脂肪族二塩基酸を単独で
あるいは混合物を脱水縮合することによって得られた縮
合度2以上の線状ポリ酸無水物のいずれかであることが
好ましい。本発明においては、前記2価以上の多価カル
ボキシル硬化剤(B)が、C14留分のノルマルパラフ
ィンを原料として、発酵法により製造されるテトラデカ
ン2酸の単独縮合物であり、残存窒素濃度が150pp
m以下にまで精製されたものであることが好ましい。
【0021】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る熱硬化性粉体
塗料組成物について具体的に説明する。[熱硬化性粉体塗料組成物] 本発明に係る熱硬化性粉体
塗料組成物(C)は、下記のグリシジル基含有アクリル
コポリマー(A)及び、2価以上の多価カルボキシル硬
化剤(B)を含有する。[グリシジル基含有アクリルコポリマー(A)] 本発明
で使用されるグリシジル基含有アクリルコポリマー
(A)の重量平均分子量Mw(測定法:GPC)は25
00以上であり、好ましくは2500〜6000、更に
好ましくは2800〜4000である。また、このグリ
シジル基含有アクリルコポリマー(A)についてFox
の式により求められる設計ガラス転移温度(Tg)は5
0℃以上である。 <設計Tg、設計溶解性パラメーターSP>薄膜での塗
膜平滑性を改良する為には、グリシジル基含有アクリル
コポリマー(A)のガラス転移温度(Tg)を、限界ま
で低下させる必要があるが、貯蔵中の塗料の固着・凝集
の問題から、Foxの式により求められる「設計ガラス
転移温度(Tg)」が50℃以上であることが望まし
い。なお、「設計ガラス転移温度(Tg)」を計算する
為のFoxの式は、「Bulletin of the
American Physical Societ
y,Series2,1巻,3号,123ページ以降
(1956年)」に記載され、また、本発明において採
用される「設計SP値」の計算方法は、Fedorsの
方法により決定され、「Polymer Engine
ering and Science,14巻,2月
号,147〜154ページ,1974年」に記載されて
いる。 <重量平均分子量Mw>グリシジル基含有アクリルコポ
リマー(A)の重量平均分子量Mwは2500〜600
0が好ましく、更に好ましくは2800〜4000であ
る。重量平均分子量Mwが2500より小さい場合、得
られる塗膜の物理特性(硬度、耐擦傷性、他)、化学特
性(耐酸性、耐溶剤性、他)が低下し、逆に、重量平均
分子量Mwが6000より大きい場合、塗膜の平滑性が
十分でない。
【0022】重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレ
ンを標準として測定することができる。グリシジル基含
有アクリルコポリマー(A)は、スチレン、グリシジル
メタクリレート、及び、その他の任意に選択可能な単量
体であるイソブチルメタアクリレート、シクロヘキシル
メタクリレート、イソボロニルメタクリレート、イソボ
ロニルアクリレート、及び、メチルメタクリレートを共
重合させて得られるが、必要に応じ、これら単量体の共
重合体をセグメントに有し、分子末端にビニル基を有す
るマクロモノマー類の使用も可能である。
【0023】グリシジル基含有アクリルコポリマー
(A)の合成方法としては、実質的に所望の特性を有す
るものが得られる限り特に限定されず、例えば、乳化重
合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法が用いら
れ、とりわけ溶液重合法が好適に用いられる。例えば、
セミバッチ式溶液重合法の場合、予め、トルエン、キシ
レン等の有機溶剤を反応機に仕込み、次いで、昇温し、
窒素雰囲気下に、所定の単量体、及び、ラジカル開始剤
を供給する。例えば、80〜150℃程度の温度で、1
〜10時間程度で重合は完結でき、その後、脱溶剤する
事により、常温で固形のグリシジル基含有アクリルコポ
リマー(A)が製造できる。[多価カルボキシル硬化剤(B)] 多価カルボキシ硬化
剤(B)としては、ドデカン2酸、テトラデカン2酸、
または、その単独、または混合物の脱水縮合物が使用さ
れる。テトラデカン2酸のバイオプロセス製造は、通
常、C14留分を多く含むノルマルパラフィンを原料と
し、これを微生物の発酵作用により末端をカルボキシル
化し、さらに精製工程を経る。原料パラフィンのC14
留分濃度、さらに精製の程度により、テトラデカン2酸
の純度が異なるが、95重量%以上である事が好まし
い。その理由は、テトラデカン2酸の炭素数の前後、つ
まり、奇数炭素数の脂肪族ジカルボン酸(C13のトリ
デカン2酸=ブラシル酸、C15のペンタデカン2酸)
の融点が、約10℃低く、融点降下を生じ易い為であ
る。
【0024】一方、脱水縮合によるポリ酸無水物の合成
は、通常、無水酢酸法、ホスゲン法のいずれかで行わ
れ、前者が主流となっている。製造プロセス上、ドデカ
ン2酸ポリ酸無水物と、テトラデカン2酸ポリ酸無水物
には大差がない。例えば、「Additol VXL1381」はドデ
カン2酸のポリ酸無水物の製品であり、いずれも入手可
能である。[硬化触媒(D)] 硬化触媒(D)として使用できる、テ
トラアルキル置換のハロゲン化有機リンの中で、塗料
(C)中の添加濃度を同一として焼付け塗膜の過熱黄変
度を相対比較した場合、最も黄変度が小さい化合物が、
テトラブチルホスフォニウムブロマイドであり、この化
合物が好適に用いられる。[硬化触媒(D)とコポリマー(A)とのマスターバッ
チポリマー(A’)] 熱硬化性アクリル粉体塗料組成物
(C)中の分散性を高め、硬化反応の均質性を確保する
事で局在化による塗膜欠陥(局所縮み、艶引け等)の発
生を抑制し、さらに、添加濃度を最低限に抑える事で、
塗膜の過熱黄変性を改良するために、硬化触媒(D)を
グリシジル基含有アクリルコポリマー(A)中に予め混
合したマスターバッチ(A')を調製することが好まし
い。このマスターバッチ(A')の調製方法には種々の方
法があるが、グリシジル基含有アクリルコポリマー
(A)の製造段階で、硬化触媒(D)の融点近傍の温度
で、硬化触媒(D)をグリシジル基含有アクリルコポリ
マー(A)中に機械分散し、コンパウンドを製造する方
法が効率的であり、溶融押出し混練機、スタティックミ
キサー等が好適に使用される。[熱硬化性粉体塗料組成物(C)に使用できるその他の
添加剤] 本発明の熱硬化性粉体塗料組成物(C)には、
必要により、塗膜の平滑性、物性を損なわない範囲で、
通常の粉体塗料に配合可能な種々の添加剤を配合、混合
してもよい。例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリアミド樹脂などの合成樹脂等を適宜配合して、
塗膜物性を向上させることができる。また、顔料、流動
調整剤、粘性調整剤(チクソトロピー調整剤)、帯電調
整剤、表面調整剤、光沢付与剤、ブロッキング防止剤、
可塑剤、紫外線吸収剤、ワキ防止剤、酸化防止剤等の添
加剤を適宜使用してもよい。特に、クリアコート塗料と
して使用する場合には、本発明の熱硬化性粉体塗料組成
物(C)に少量の顔料を配合し、例えば、透明性が損な
われない範囲で着色してもよい。また、耐候性の要求レ
ベルが低い場合、結晶性のグリシジルエーテル系反応性
希釈剤を配合することにより薄膜での塗膜平滑性の達成
しやすくなる。
【0025】[熱硬化性粉体塗料組成物(C)の調製]
グリシジル基含有アクリルコポリマー(A)および多価
カルボキシル硬化剤(B)を含む熱硬化性粉体塗料組成
物(C)を調製する方法としては、実質的に均一なコン
パウンドを調製することが可能な方法であれば、その配
合方法、コンパウンド方法には特に制限はない。
【0026】通常、コンパウンドには、加熱ロール機、
加熱ニーダー機、押出し機(例:エクストルーダー)、
ミキサー(例:バンバリー型ミキサー、トランスファー
型ミキサー等)、カレンダー装置等の従来より公知の混
練機等を適宜組み合わせて用いることができる。また、
これら混練機の運転の際には、混練条件(温度、回転
数、雰囲気等)を適宜、設定することができる。
【0027】上記工程を経て得られた粉体塗料コンパウ
ンドは、必要によりさらに粉砕して、粉末状の粉体塗料
組成物とすることができる。この粉砕物を得るには、従
来より公知の方法を採用することができる。例えば、平
均粒径が10〜90μm程度の粉砕物を得るには、ハン
マーミル等を使用することができる。本発明において
は、熱硬化性粉体塗料組成物(C)が、体積平均粒子径
18μm以上、好ましくは20〜30μmの粒子である
ことが望ましい。20μm未満、特に18μm未満の場
合、塗装時の作業性、塗着効率が悪化する傾向にあり、
また30μmを超えると、塗膜の平滑性が損なわれる傾
向にある。 [塗装方法および焼付け方法]上記のようにして得られ
た本発明の粉体塗料(熱硬化性粉体塗料組成物)を、静
電塗装法、流動浸漬法等の塗装方法によって、基材に付
着させた後、加熱して熱硬化させることにより、塗膜
(硬化塗膜)を形成させることができる。ただし、本発
明の熱硬化性粉体塗料組成物を用いて、薄膜で、高度に
膜厚制御する必要がある場合には静電塗装がより好まし
い。また、基材は、アルミホイール、スチール等の金属
基材でもよく、また、これらは下地塗装されたものであ
っても構わない。特に、自動車トップクリア用として使
用する場合、フラッシュベークされた水性/溶剤系ベー
スコート上での塗装も可能である。また、焼付けは、通
常、約100〜180℃、より好ましくは120〜16
0℃の温度で、10〜60分間程度加熱することにより
行われる。
【0028】本発明の熱硬化性粉体塗料組成物(C)
は、自動車等の車体および車両用部品(アルミホイー
ル、ワイパー、ピラー、ドアハンドル、フェンダー、ボ
ンネット、エアスポイラー、スタビライザー、フロント
グリル等)等の表面塗装に好適に用いられる。さらに、
本発明の熱硬化性粉体塗料組成物(C)は、実用上、問
題のないレベルの塗料の貯蔵安定性を有している。
【0029】また、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物
(C)を用いて例えば上述のような塗装、焼付け方法に
より得られた塗膜は、40〜50μmの薄膜に於いて
も、十分な平滑性と光沢、物理特性(硬度、耐擦傷性、
他)、さらに、化学特性(耐酸性、耐溶剤性、他)を有
する。
【0030】
【発明の効果】本発明の熱硬化性粉体塗料組成物(C)
を用いることにより、40〜50μmの薄膜塗装に於い
て、十分な外観特性(平滑性、光沢他)、物理特性(硬
度、耐擦傷性他)、化学特性(耐酸性、耐溶剤性他)を
有し、特に自動車トップクリア塗装、車両部品用の塗装
に好適な焼付け塗膜を形成することができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物につ
いて、その製法および各種試験例を挙げ、更に具体的に
説明するが、本発明は、それらの記載によって何ら限定
されるものではない。以下の説明において、「部」およ
び「%」は特記していない限り重量基準である。
【0032】
【実施例1】[アクリルコポリマー(A)の製造実施例
1]攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を
備えた4つ口フラスコに、キシレン66.7重量部を仕
込み、窒素をパージしながら還流温度まで加熱昇温し
た。
【0033】このフラスコ内に、表1に示すように、単
量体単量体(A−1)スチレン15重量部、単量体(A
−2)としてグリシジルメタクリレート40重量部、そ
の他単量体としてイソブチルメタクリレート45重量
部、及び、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサノエート10重量部とを溶解混合した原
料液を、5時間にわたりフィードし、さらにその後10
0℃で5時間保持し、これらモノマーの共重合を行っ
た。
【0034】得られた樹脂溶液からその溶剤を除去する
ことにより、グリシジル基含有アクリルコポリマー
(A)を得た。得られたグリシジル基含有アクリルコポ
リマー(A)のFoxの式から算出される設計ガラス転
移温度(Tg)は61℃であり、重量平均分子量は33
50であり、過塩素酸滴定法により分析されるエポキシ
当量は、385(g/eq.)であった。
【0035】
【実施例2〜4および比較例1,2】[グリシジル基含
有アクリルコポリマー(A)の製造実施例2〜4、製造
比較例1,2]グリシジル基含有アクリルコポリマー
(A)の製造実施例1において、単量体の組成のみを表
1に示すように変更した以外は、上記製造例実施1と同
様にした。
【0036】用いた単量体の組成、Fox式から算出さ
れる設計ガラス転移温度(Tg)、得られたグリシジル
基含有アクリルコポリマー(A)の重量平均分子量M
w、エポキシ当量の実測値を表1に示す。
【0037】
【実施例5、比較例3】[硬化触媒含有マスターバッチ
コポリマー(A’)の製造実施例5、製造比較用3]製
造実施例1により製造されたアクリルコポリマー(A)
66重量部に対し、0.2重量部のテトラブチルホスフ
ォニウムブロマイドを添加し、ヘンシェルミキサ−(三
井鉱山(株)製)で室温下、3分間ドライ混合し、さら
に、2軸混練機(コペリオン社製)により、100℃で
溶融混練し、その後、固化、粗粉砕を経て、マスターバ
ッチコポリマー(A’)を調製し、製造実施例5とし
た。一方、テトラブチルホスフォニウムブロマイドの代
わりに、同じく0.2部の2メチルイミダゾールを使用
した以外は、全て同様とし製造比較例3とした。
【0038】
【実施例11】[熱硬化性粉体塗料組成物(C)の製造
実施例11]アクリルコポリマー(A)として表1記載
の製造例1で得られたコポリマー66重量部、多価カル
ボキシル硬化剤(C)として、ドデカン2酸ポリ酸無水
物(商品名‘AdditolVXL1381’、平均縮合度=3.2、
ソルーシア社製)34重量部、さらに、添加剤として、
紫外線吸収剤(商品名:チヌビン CGL1545、チ
バスペシャリティーケミカル社製)2重量部、ヒンダー
ドアミン系光安定剤(商品名;チヌビン CGL 05
2、チバスペシャリティーケミカル社製)1重量部、ベ
ンゾイン0.5重量部、及び、流動調整剤0.3重量
部、テトラブチルホスフォニウムブロマイド0.2重量
部の全てを、ヘンシェルミキサ−(三井鉱山(株)製)
に一括投入し、室温下、3分間ドライ混合し、さらに、
1軸押出し機(コペリオン社製)により、70℃で溶融
混練した。その後、固化、粉砕、分級した。さらに、粉
体としての十分な流動性を確保し、凝集を防止する目的
で、シリカ微粒子添加剤(商品名:エアロジル RX3
00、日本エアロジル(株)製)0.2重量部をドライ
混合して熱硬化性粉体塗料組成物(C)を完成し、製造
実施例11として表2に記載した。
【0039】得られた塗料組成物の粒度は、(株)島津
製作所製SALAD2000により測定したところ、体
積平均粒子径として26μmであった。なお、流動調整
剤は、重量平均分子量Mwが12000のイソブチルメ
タアクリレートの固形ホモポリマーを、製造実施例1に
準拠して製造し、平均粒度0.5mmとなるよう粉砕し
たものを使用した。
【0040】また、ここで使用したドデカン2酸ポリ無
水物は、カルボキシル基+酸無水物基の合計当量が16
6(g/eq. )であり、表2.中に示した「A/
E」、即ち、[アクリルコポリマー(A)中のグリシジ
ル基]/[硬化剤(C)中のカルボキシル基+酸無水物
基]の当量比は、1.2である。
【0041】
【実施例12】[熱硬化性粉体塗料組成物(C)の製造
実施例12]グリシジル基含有アクリルコポリマー
(A)として表1記載の製造例2で得られたコポリマー
62重量部、多価カルボキシル硬化剤(C)として、テ
トラデカン2酸ポリ酸無水物(平均縮合度=4.2)3
8重量部を使用した以外は、上記製造例11と同様にし
て熱硬化性粉体塗料組成物を製造した。
【0042】ここで使用したテトラデカン2酸ポリ酸無
水物は、発酵法により製造された純度97.4重量%、
残存窒素元素量180ppmのテトラデカン2酸を原料
として使用し、これを無水酢酸法により脱水縮合する事
により得られた純度98.0重量%、平均縮合度4.
2、残存窒素濃度65ppmのものである。表2.中に
示した「A/E」は、実施例11と同様に、1.2であ
る。
【0043】
【実施例13〜16および比較例11〜14】[熱硬化
性粉体塗料組成物(C)の製造実施例13〜16、製造
比較例11〜14]表2記載の原料配合により、熱硬化
性粉体塗料組成物(C)を調製した。多価カルボキシル
硬化剤(B)として、ドデカン2酸、テトラデカン2酸
のいずれかを使用した実施例13,14、及び、比較例
12については、「A/E」の組成比を1.1とし、さ
らに1軸押出し機での溶融混練温度を110℃とし、硬
化触媒をしようしなかった以外は、全て、実施例11、
12と同様に操作した。
【0044】得られた熱硬化性粉体塗料組成物(C)
は、いずれも下塗塗装された鋼板上に、コロナ帯電で静
電塗装により、焼付け硬化後の平均膜厚が40μmまた
は50μmとなるように付着させた後、150℃、30
分間加熱し、硬化塗膜とした。なお、下塗り塗装された
鋼板は、電着塗装された0.8mm厚のリン酸亜鉛処理
鋼板上に、ポリエステル−メラミン硬化型の溶剤系黒色
塗料を20μm膜厚となるよう塗装し、170℃、30
分間で焼付けする事で調製した。
【0045】得られた焼付け硬化塗膜の性能を、表3に
整理する。ここで使用した各種評価方法については、以
下の通りである。 [平滑性(Lw値)]BYKガードナー社製ウェーブスキ
ャンにより、長波長測定値を測定した。 [光沢値]BYKガードナー社製の光沢計により、60度
光沢値を測定した。
【0046】[鉛筆硬度]鉛筆引っ掻き試験(日本工業規
格 JIS K5400 6.14 に準拠)により評
価した。 [耐擦傷性]一定粒度の研磨剤を含有する濃度30重量%
のスラリーを用い、摩擦堅牢度試験装置(大栄科学社
製)により、20往復のラビング処理を行った後、ラビ
ング前後の20度光沢値の保持率を計算し、下記の評価
基準(◎〜×)で判定した。
【0047】◎:40%以上 ○:20%以上40%
未満 ×:20%未満 [耐酸性]10容積%の硫酸を、塗膜表面に1cc滴下
し、室温にて1日放置した。 その後、硫酸滴を拭き取
り外観を観察して、下記評価基準(◎〜×)で判定し
た。 ◎:痕跡なし ○:軽微な痕跡あり ×:明確な痕
跡あり [耐溶剤性]キシレンを含浸させたガーゼで塗膜表面を往
復50回擦った後、塗膜を観察して、下記評価基準(◎
〜×)で判定した。
【0048】◎:痕跡なし ○:軽微な痕跡あり
×:明確な痕跡あり [過熱黄変性]上下の金属製熱板表面にそれぞれテフロン
(R)シートを配し、さらに、両熱板間に金属製の厚さ
2mmのスペーサーを置いた加熱プレス機に熱硬化性粉
体塗料組成物(C)を挟み、テフロン(R)シートの表
面温度を180℃に保持したまま1時間、熱圧硬化し
た。熱圧終了後、フィルムを、テフロン(R)シートか
ら剥離する事で、厚さ2.0±0.1mmで、肉眼で見
て気泡が残存していない熱硬化フィルムを得た。これら
フィルムの黄変度を、下記評価基準により判定した。
【0049】 ◎:無色透明 ○:無色透明〜淡黄色 ×:濃黄色
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CG141 CH031 CH071 CH171 JA39 JA42 JC29 KA04 MA13 NA01 NA04 NA11 PA19 PB07 PC02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グリシジル基含有アクリルコポリマー
    (A)および2価以上の多価カルボキシル硬化剤(B)
    を含有する熱硬化性アクリル粉体塗料組成物(C)であ
    り、該グリシジル基含有アクリルコポリマー(A)を構
    成するエチレン性不飽和単量体が、スチレン:10〜4
    0重量%(A−1)、およびグリシジルメタクリレ−
    ト:30〜50重量%(A−2)を必須単量体とし、そ
    の他の単量体が、イソブチルメタアクリレート:0〜5
    0重量%(A−3)、シクロヘキシルメタクリレート:
    0〜50重量%(A−4)、イソボロニルメタクリレー
    ト:0〜45重量%(A−5)、イソボロニルアクリレ
    ート:0〜10重量%(A−6)、およびメチルメタク
    リレート0〜20重量%(A−7)よりなる群から選ば
    れる少なくとも1種類の単量体であり(ただし、(A-1)
    〜(A-7)の合計は100重量%である)、該グリシジ
    ル基含有アクリルコポリマー(A)の重量平均分子量
    (Mw)が2500以上であり、Foxの式により求め
    られる設計ガラス転移温度(Tg)が50℃以上である
    ことを特徴とする熱硬化性粉体塗料組成物。
  2. 【請求項2】前記グリシジル基含有アクリルコポリマー
    (A)中におけるシクロヘキシルメタクリレート(A−
    4)の共重合量が0〜20重量%の範囲内にあることを
    特徴とする請求項1記載の熱硬化性粉体塗料組成物。
  3. 【請求項3】前記グリシジル基含有アクリルコポリマー
    (A)中におけるイソボロニルメタクリレート(A−
    5)の共重合量が0〜25重量%の範囲内にあることを
    特徴とする請求項1記載の熱硬化性粉体塗料組成物。
  4. 【請求項4】前記熱硬化性アクリル粉体塗料組成物
    (C)が、リン系硬化触媒として、テトラアルキル置換
    のハロゲン化有機リン化合物(D)を、グリシジル基含
    有アクリルコポリマー(A)と2価以上の多価カルボキ
    シル硬化剤(B)との合計重量((A)+(B))に対し、
    0.01〜1.5重量%の量で使用して得られるもので
    あることを特徴とする請求項1記載の熱硬化性粉体塗料
    組成物。
  5. 【請求項5】前記テトラアルキル置換のハロゲン化有機
    リン化合物(D)が、テトラブチルホスフォニウムブロ
    マイド、メチルトリフェニルホスフォニウムブロマイ
    ド、ブチルトリフェニルホスフォニウムブロマイド、テ
    トラフェニルホスフォニウムブロマイド、エチルトリフ
    ェニルホスフォニウムブロマイド、テトラブチルホスフ
    ォニウムクロライド、メチルトリフェニルホスフォニウ
    ムクロライド、ブチルトリフェニルホスフォニウムクロ
    ライド、テトラフェニルホスフォニウムクロライドおよ
    びエチルトリフェニルホスフォニウムクロライドよりな
    る群から選ばれる少なくとも1種類の化合物であること
    を特徴とする請求項4記載の熱硬化製粉体塗料組成物。
  6. 【請求項6】前記熱硬化性アクリル粉体塗料組成物
    (C)が、グリシジル基含有アクリルコポリマー(A)
    の一部、または全量を、グリシジル基含有アクリルコポ
    リマー(A)と2価以上の多価カルボキシル硬化剤
    (B)との合計重量((A)+(B))に対し、0.01〜
    1.5重量%に相当する量のテトラアルキル置換のハロ
    ゲン化有機リン化合物(D)を、予め、均一に分散、混
    合して得られたマスターバッチポリマー(A’)を用い
    て製造されるものであることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれかの項記載の熱硬化性粉体塗料組成物。
  7. 【請求項7】前記2価以上の多価カルボキシル硬化剤
    (B)が、炭素数12または14の脂肪族二塩基酸、ま
    たはそれらの脂肪族二塩基酸を単独であるいは混合物を
    脱水縮合することによって得られた縮合度2以上の線状
    ポリ酸無水物のいずれかであることを特徴とする請求項
    1〜4および6のいずれかの項記載の熱硬化性粉体塗料
    組成物。
  8. 【請求項8】前記2価以上の多価カルボキシル硬化剤
    (B)が、C14留分のノルマルパラフィンを原料とし
    て、発酵法により製造されるテトラデカン2酸の単独縮
    合物であり、残存窒素濃度が150ppm以下にまで精
    製されたものであることを特徴とする請求項7に記載の
    熱硬化性粉体塗料組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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