JP2021053574A - 塗装物の製造方法および塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】一度のスプレー塗装だけで、凹凸模様を有する塗膜(硬化膜)を形成する塗料組成物、塗装方法および塗装物の提供。【解決手段】塗膜成分として、少なくとも主剤、硬化剤および脂肪酸アマイドを含み、塗膜成分100質量部中の脂肪酸アマイドの含有量が2.5〜15質量部である塗料組成物を、スプレーガンを用いて被塗物表面にスプレー塗装をして、凹凸模様を有する塗膜を備える塗装物を製造する、塗装物の製造方法。また、塗膜成分として、少なくとも主剤、硬化剤および脂肪酸アマイドを含み、塗膜成分100質量部中の脂肪酸アマイドの含有量は2.5〜15質量部である、スプレー塗装により凹凸模様を有する塗膜を形成するための塗料組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、塗装物の製造方法および塗料組成物に関する。より具体的には、凹凸模様を有する塗膜を備える塗装物の製造方法、および、スプレー塗装により凹凸模様を有する塗膜を形成するための塗料組成物に関する。
基材や塗膜に物理的な力を加えなくても、凹凸模様を有する塗膜(硬化膜)を形成することが可能な塗料組成物や、塗装方法がいくつか知られている。
一例として、特許文献1には、(1)被塗物上に水を媒体とするスラリー状塗料を下塗りする、(2)その下塗塗膜を、電子線照射等により、ゲル分率が7〜40%の範囲になるように部分的に乾燥させる。(3)有機溶剤を媒体とする溶剤型上塗塗料を、下塗塗膜の一部又は全面に塗り重ねて下塗塗膜を部分的に膨潤させた後、乾燥成膜する、という塗装工程が記載されている。特許文献1によれば、この方法によりチヂミ模様の凹凸が形成される。
別の例として、特許文献2の請求項1には、ポリエステル及び又はアクリル樹脂、又はそれらのいずれかをシリコン樹脂で変性した重量平均分子量が2000〜10000の範囲の樹脂をバインダーとし、融点が110〜170℃であって、平均粒径が15〜200ミクロンであるアマイド類の『骨材』を塗料組成物中に0.1〜5%含有することを特徴とする塗料組成物が記載されている。特許文献2の実施例には、バーコーターにより鋼板上に塗料組成物を塗布し、220℃で焼きつけることで凹凸模様を有する塗膜を得たことが記載されている。
特許文献2によれば、この塗料組成物を用いることで、エンボス加工等の後工程を行わずに塗装工程だけで、凹凸感を有し意匠性の高い化粧金属板が得られる。凹凸が形成されるメカニズムについては、塗料組成物を基材に塗って焼き付けたときに、アマイド系骨材が溶融することが関係していると記載されている。
さらに別の例として、特許文献3には、有機溶剤不溶性で、焼付温度において軟化しない合成樹脂粒を安定分散させた、凹凸模様形成塗料が記載されている。合成樹脂粒として具体的には、ポリエチレン系樹脂粒が挙げられている。この合成樹脂粒により、塗膜に凹凸模様が形成される。
特開昭56−121664号公報 特開平8−120201号公報 特開昭49−007341号公報
特許文献1に記載の塗料方法は、下塗りと上塗りの、少なくとも2回の塗装が必要であり、工程が多くなるという欠点がある。このことは工業的な生産性の観点で好ましくない。
特許文献2には、スプレー塗装により凹凸模様を有する塗膜を形成することに関する記載は無い。また、特許文献2の塗料組成物は、アマイド類の「骨材」すなわちアマイド類の「粒子」を含むため、塗料組成物を細かな霧状にして塗装するスプレー塗装に適用することが難しい可能性がある。
特許文献3にも、スプレー塗装により凹凸模様を有する塗膜を形成することに関する記載は無い。また、特許文献3の塗料は、合成樹脂粒を含むため、塗料組成物を細かな霧状にして塗装するスプレー塗装に適用することが難しい可能性がある。
本発明者らは、今回、一度のスプレー塗装だけで、凹凸模様を有する塗膜(硬化膜)を形成することを目的の1つとして、様々な検討を行った。
本発明者らは、検討の結果、以下に提供される発明を完成させ、上記課題を解決した。
本発明によれば、
塗膜成分として、少なくとも主剤、硬化剤および脂肪酸アマイドを含み、前記塗膜成分100質量部中の前記脂肪酸アマイドの含有量が2.5〜15質量部である塗料組成物を、
スプレーガンを用いて被塗物表面にスプレー塗装をして、凹凸模様を有する塗膜を備える塗装物を製造する、塗装物の製造方法
が提供される。
また、本発明によれば、
スプレー塗装により凹凸模様を有する塗膜を形成するための塗料組成物であって、
塗膜成分として、少なくとも主剤、硬化剤および脂肪酸アマイドを含み、
塗膜成分100質量部中の前記脂肪酸アマイドの含有量は2.5〜15質量部である塗料組成物
が提供される。
本発明によれば、一度のスプレー塗装だけで凹凸模様を有する塗膜(硬化膜)を形成することができる。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本明細書中、数値範囲の説明における「X〜Y」との表記は、特に断らない限り、X以上Y以下のことを表す。例えば、「1〜5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」を意味する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
本明細書における「有機基」の語は、特に断りが無い限り、有機化合物から1つ以上の水素原子を除いた原子団のことを意味する。例えば、「1価の有機基」とは、任意の有機化合物から1つの水素原子を除いた原子団のことを表す。
本明細書において「塗膜成分」とは、塗料組成物中の揮発成分以外の成分を表す(塗料の技術分野で通常用いられる意味である)。また、特に断りの無い限り、主剤、硬化剤、脂肪酸アマイド等の塗膜成分の、含有量や比率に関する記載は、各塗膜成分そのもの(溶剤を含まない不揮発分)の含有量や比率を表す。
<塗装物の製造方法/塗料組成物>
本実施形態の塗装物の製造方法においては、特定の塗料組成物を、スプレーガンを用いて被塗物表面にスプレー塗装をすることで、凹凸模様を有する塗膜を備える塗装物を製造する。
上記「特定の塗料組成物」は、スプレー塗装により凹凸模様を有する塗膜を形成するためのものである。この塗料組成物は、塗膜成分として、少なくとも主剤、硬化剤および脂肪酸アマイドを含む。また、この塗料組成物において、塗膜成分100質量部中の脂肪酸アマイドの含有量は2.5〜15質量部である。
本発明者らは、スプレーガンを用いて塗料組成物を粒状にして被塗物を塗装する際、粒状の塗料組成物が被塗物表面に到達した後においても、「粒状の形」がある程度維持されるならば、一度のスプレー塗装で凹凸模様を有する塗膜が形成できるのではないかと考えた。
本発明者らは上記考えに基づき検討を進めた。検討において、本発明者らは、従来、チキソトロピック調整剤として知られている「脂肪酸アマイド」を、チキソトロピック特性の調整のための通常量よりもかなり多量に含む塗料組成物を調製することを考えた。そして、その塗料組成物を被塗物表面にスプレー塗装すれば、脂肪酸アマイドの作用により、粒状の塗料組成物が被塗物表面に到達した後においても、塗料組成物の流動が抑えられ、「粒状の形」がある程度維持されるのではないかと考えた。
(参考までに、脂肪酸アマイドを、その通常の用途である塗料のチキソトロピック特性の調整のために用いる場合、その量は、塗膜成分(不揮発成分)中、通常1質量%程度である。)
上記考えに基づき、本発明者らは、具体的には、
(1)塗膜成分として少なくとも主剤、硬化剤および脂肪酸アマイドを含み、塗膜成分100質量部中の脂肪酸アマイドの含有量が2.5〜15質量部である塗料組成物を調製し、
(2)その塗料組成物を、スプレーガンを用いて被塗物表面にスプレー塗装することにした。
このようにすることで、本発明者らは、一度のスプレー塗装だけで凹凸模様を有する塗膜(硬化膜)を形成することに成功した。
本発明者らの追加の知見を参考のため述べておく。
(1)塗膜成分100質量部中の脂肪酸アマイドの含有量が2.5〜15質量部であることにより、比較的大きな凹凸を形成しやすい。塗膜成分100質量部中の脂肪酸アマイドの含有量が2.5質量部未満であっても凹凸模様を形成することができる場合はあるが、凹凸の大きさは小さくなりがちである。
(2)本発明者らの検討において、脂肪酸アマイド以外の公知のチキソトロピック剤を比較的多量に用いることによっても、一応、一度のスプレー塗装により凹凸模様を形成できる塗料組成物を調製可能ではある。しかし、そのような塗料組成物は、溶剤量による粘度の変動が大きい傾向がある。この傾向は、塗装直前に塗装作業者が有機溶剤(シンナー)で塗料を希釈することがしばしばあるスプレー塗装において、望ましくない性質である。脂肪酸アマイドを用いて塗料組成物を調製することで、希釈による粘度変動を緩やかにすることができる。
以下、まずは本実施形態の塗装物の製造方法に用いられる塗料組成物の構成成分や物性などについて具体的に説明する。その後、スプレーガンを用いたスプレー塗装の具体的方法や条件などについて説明する。
(主剤)
塗料組成物が塗膜成分として含む主剤としては、塗料の分野で公知のものを適宜用いることができる。主剤は、典型的には樹脂である。樹脂に特に制限は無い。(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキド樹脂等を挙げることができる。
一観点として、主剤は、(メタ)アクリル系樹脂を含むことが好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂は、典型的には、共重合体である。
本明細書において「(メタ)アクリル系樹脂」とは、全構造単位中の、典型的には50質量%以上、好ましくは75質量%以上が、(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造単位である樹脂のことをいう。つまり、(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造単位に加え、(メタ)アクリル系モノマーではないモノマーに由来する構造単位を含んでもよい(例えばスチレンモノマーに由来する構造単位など)。
(メタ)アクリル系樹脂は、硬化剤との反応などのため、好ましくは、側鎖にヒドロキシ基を有する構造単位を含む。この構造単位としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を挙げることができる。
(メタ)アクリル系樹脂が、側鎖にヒドロキシ基を有する構造単位を含む場合、(メタ)アクリル系樹脂は、この構造単位を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
この構造単位の量は、(メタ)アクリル系樹脂全体に対して、例えば1〜50質量%、より好ましくは2〜30質量%、さらに好ましくは3〜25質量%である。
(メタ)アクリル系樹脂は、側鎖にアミノ基を有する構造単位を含んでもよい。ここでのアミノ基は、3級アミノ基が好ましい。この構造単位としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノブチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドに由来する構造単位も挙げることができる。
(メタ)アクリル系樹脂が、側鎖にアミノ基を有する(メタ)アクリレート構造単位を含む場合、(メタ)アクリル系樹脂は、この構造単位を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
この構造単位の量は、(メタ)アクリル系樹脂全体に対して、例えば1〜50質量%、より好ましくは2〜30質量%、さらに好ましくは3〜25質量%である。
(メタ)アクリル系樹脂は、好ましくは、一般式CH=CR−COO−R'で表されるモノマー(Rは水素原子またはメチル基、R'はアルキル基、単環または多環のシクロアルキル基、アリール基、またはアラルキル基)に由来する構造単位を含む。
この構造単位としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等のモノマーに由来する構造単位を挙げることができる。
(メタ)アクリル系樹脂がこの構造単位を含む場合、(メタ)アクリル系樹脂は、この構造単位を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
この構造単位の量は、(メタ)アクリル系樹脂全体に対して、例えば1〜90質量%、より好ましくは10〜85質量%、さらに好ましくは20〜80質量%である。
(メタ)アクリル系樹脂は、アミド基を有する構造単位を含んでもよい。
この構造単位としては、例えば、(メタ)アクリル酸アミド、より具体的には、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド等のモノマーに由来する構造単位が挙げられる。これらの中でもN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドが好ましい。
アミド基を有する構造単位としては、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、等のモノマーに由来する構造単位を挙げることができる。
(メタ)アクリル系樹脂がこの構造単位を含む場合、(メタ)アクリル系樹脂は、この構造単位を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
(メタ)アクリル系樹脂は、好ましくは、アクリル酸またはメタクリル酸に由来する構造単位を含む。
(メタ)アクリル系樹脂がこの構造単位を含む場合、(メタ)アクリル系樹脂は、この構造単位を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
この構造単位の量は、(メタ)アクリル系樹脂全体に対して、例えば0.1〜30質量%、より好ましくは0.2〜20質量%、さらに好ましくは0.2〜10質量%である。
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能な、(メタ)アクリル系モノマーではないモノマーに由来する構造単位を含んでもよい。例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル系モノマー、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸モノマーなどに由来する構造単位を含んでもよい。
(メタ)アクリル系樹脂がこの構造単位を含む場合、(メタ)アクリル系樹脂は、この構造単位を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
柔軟性、他成分との相溶性、溶剤溶解性などの観点から、(メタ)アクリル系樹脂中の(メタ)アクリル系モノマーではないモノマーに由来する構造単位の量は、好ましくは(メタ)アクリル系樹脂全体の0〜50質量%、より好ましくは3〜30質量%である。
別観点として、主剤は、分岐構造および/または架橋構造を有する樹脂を含むことが好ましい。主剤がこのような樹脂を含むことで、主剤そのものの運動性の自由度が制限されると考えられる。そして、塗装から硬化までの間に凹凸が崩れにくくなり、凹凸模様のコントロールをしやすくなると考えられる。また、有機溶剤の使用量が多い場合においても、凹凸模様を十二分に得やすい傾向がある。
一例として、主剤が(メタ)アクリル系樹脂を含む場合には、(メタ)アクリル系樹脂の合成に際して、ポリ(メタ)アクリレート系モノマーを用いることで、架橋構造を有する樹脂を得ることができる。
ポリ(メタ)アクリレート系モノマーとしては、2〜6官能のポリ(メタ)アクリレート系モノマーを挙げることができる。なかでも、ジ(メタ)アクリレート系モノマーが、主剤のゲル化抑制などの点で好ましい。
ジ(メタ)アクリレート系モノマーとしては、リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、等を挙げることができる。
ジ(メタ)アクリレート系モノマーは、例えば共栄社化学株式会社から、商品名「ライトアクリレート」として販売されている。
別の例として、主剤が(メタ)アクリル系樹脂を含む場合には、(メタ)アクリル系樹脂の合成に際して、マクロモノマーを用いることで、分岐構造を有する樹脂を得ることができる。
当然、分岐構造を有する樹脂は、鎖状の樹脂を原料としてグラフト重合を行うことで得てもよい。
樹脂が分岐構造および/または架橋構造を含む場合、樹脂全体中のその量は、分岐構造および/または架橋構造を含むことによる効果を十分得つつ、過度な粘度変化を抑制する観点などから、例えば0.1〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%、さらに好ましくは0.1〜1質量%である。この量は、樹脂合成時のモノマー配合量などから見積もることができる。
主剤の水酸基価は、好ましくは10〜200mgKOH/g、より好ましくは15〜150mgKOH/g、さらに好ましくは20〜120mgKOH/gである。水酸基価が10mgKOH/g以上であることで、特に主剤中のヒドロキシ基が硬化剤と反応する場合に、硬化速度を適切とすることができる。また、水酸基価が200mgKOH/g以下であることで、過度な硬化が抑えられ、適度に柔軟な塗膜を得やすい。また、意図せぬ硬化が抑えられ、可使時間を長くしやすい。
水酸基価は、JIS K 0070「化学製品の酸価,けん化価,エステル価,よう素価,水酸基価及び不けん化物の試験方法」の、「7.1 中和滴定法」に規定された方法に準じて求められる。なお、水酸基価の算出に際しては、酸価の値も必要であるが、酸価の値についても、同JIS規格の「3.1 中和滴定法」に規定された方法に準じて求められる。
主剤が樹脂を含む場合、その樹脂の数平均分子量(Mn)は、好ましくは1000〜50000、より好ましくは2000〜30000、さらに好ましくは3000〜20000である。
主剤が樹脂を含む場合、その樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2000〜100000、より好ましくは4000〜60000、さらに好ましくは6000〜40000である。
主剤が樹脂を含む場合、その樹脂の多分散度(Mw/Mn)は、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜4である。
数平均分子量および重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレン換算値として測定することができる。
主剤が樹脂を含む場合、その樹脂のガラス転移温度は、好ましくは−20〜100℃、より好ましくは−5〜80℃である。この範囲とすることで、組成物を硬化させた硬化膜の伸びやすさや耐傷性を一層良好としうる。
ガラス転移温度は、種々の方法で求めることが可能である。例えば以下式(Foxの式として知られている)に基づいて求めることができる。
1/Tg=(W/Tg)+(W/Tg)+(W/Tg)+・・・+(W/Tg
式中、Tgは、樹脂のガラス転移温度(K)、W、W、W・・・Wは、それぞれのモノマーの質量分率、Tg、Tg、Tg・・・Tgは、それぞれ各モノマーの質量分率に対応するモノマーからなる単独重合体のガラス転移温度(K)を示す。特殊モノマー、多官能モノマーなどのようにガラス転移温度が不明のモノマーについては、ガラス転移温度が判明しているモノマーのみを用いてガラス転移温度が求められる。
主剤の製造方法は特に限定されない。主剤が(メタ)アクリル系樹脂を含む場合、(メタ)アクリル系樹脂は、公知の重合方法(例えばラジカル重合法)により得ることができる。具体的な重合方法については例えば後掲の実施例を参照されたい。
主剤としては市販品を用いることもできる。例えば、市販のイソシアネート硬化用アクリル樹脂、常温・強制乾燥用(1液)アクリル樹脂、メラミン焼き付け用アクリル樹脂、湿気硬化型シリコン・アクリル樹脂などを用いることもできる。これらに該当する主剤としては、DIC株式会社が「アクリディック」の商品名で販売する(メタ)アクリル樹脂が挙げられる。
塗料組成物は、主剤を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
塗料組成物中の主剤の含有量は、塗膜成分全体(すなわち不揮発分全体)に対して、例えば10〜80質量%、好ましくは30〜70質量%、より好ましくは40〜60質量%である。
(硬化剤)
塗料組成物が塗膜成分として含む硬化剤は、加熱などにより、主剤(典型的には樹脂)と反応して、塗料組成物を硬化させることが可能なものである限り、任意の硬化剤であることができる。
硬化剤として好ましくは、イソシアネート化合物(ブロックイソシアネート化合物を含む)を挙げることができる。イソシアネート化合物は、特に、樹脂がヒドロキシ基を有する場合に好ましく用いられる。保存安定性の点では、ブロックイソシアネート化合物がより好ましい。
イソシアネート化合物は、好ましくは多官能イソシアネートである。多官能イソシアネートは、好ましくは2〜6官能(つまり、1分子あたり2〜6個の反応性イソシアネート基を有する)、より好ましくは2〜4官能である。
イソシアネート化合物としては、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びトリメチルヘキサンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は2,6)−ジイソシアネート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)及び1,3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の環状脂肪族ジイソシアネート、並びに、リジントリイソシアネート等の3官能以上のイソシアネートを挙げることができる。
イソシアネート化合物の多量体であるイソシアヌレート及びビウレット型付加物、さらには、イソシアネート化合物を多価アルコール又は低分子量ポリエステル樹脂に付加したもの、なども、イソシアネート化合物として用いることもできる。
ちなみに、イソシアネート化合物としては、ビウレット型、イソシアヌレート型、アダクト型、アロファネート型などが知られている。本実施形態においてはいずれも用いることができる。中でも、イソシアヌレート型のイソシアネート化合物、すなわち、イソシアヌル酸の環状骨格を有する多官能イソシアネートを用いることが好ましい。
イソシアネート化合物は、いわゆるブロックイソシアネートであってもよい。換言すると、イソシアネート化合物のイソシアネート基の一部又は全部は、保護基によりブロックされた、ブロックイソシアネート基の形態であってもよい。例えば、アルコール系、フェノール系、ラクタム系、オキシム系、及び活性メチレン系などの活性水素化合物によってイソシアネート基がブロックされてブロックイソシアネート基が形成される。
イソシアネート化合物の有するイソシアネート基の量は、イソシアネート化合物全体に対するイソシアネート基(−NCO)の質量の割合で表現することができる。イソシアネート化合物全体に対するイソシアネート基の質量の割合(NCO%)は、好ましくは5〜50%、より好ましくは5〜30%、さらに好ましくは10〜25%である。
イソシアネート化合物の市販品としては、例えば、旭化成株式会社製のデュラネート(商品名)シリーズ、三井化学株式会社製のタケネート(商品名)シリーズ、住化バイエルウレタン株式会社製のデスモジュール(商品名)シリーズ等を用いることができる。
イソシアネート化合物以外の硬化剤としては、メラミン系化合物や、加水分解性シリル基およびエポキシ基を含有する化合物などを挙げることができる。
メラミン系化合物としては、公知または市販のメラミン樹脂を挙げることができる。より具体的には、公知または市販の、ブチル化メラミン樹脂、メチル化メラミン樹脂などを挙げることができる。メラミン樹脂の市販品としては、DIC株式会社製のアミディア(登録商標) L−117−60、L−109−65、J−820−60、L−125−60、L−127−60、L−150−60、L−166−60B、L−105−60等を挙げることができる。
加水分解性シリル基およびエポキシ基を含有する化合物は、特に、主剤(樹脂)がアミノ基を含む場合に好ましく用いられる。
加水分解性シリル基およびエポキシ基を含有する化合物としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロぺニルオキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイミノオキシシランなどが挙げられる。また、これらの化合物とテトラメトキシシランやテトラエトキシシランとの加水分解縮合物がある。
そのほか、γ−イソシアネートプロピルトリイソプロぺニルオキシシランやγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランのような化合物(イソシアネート基と加水分解性シリル基を併有する化合物)とグリシドール(エポキシ基と水酸基を併有する化合物)との反応物、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(アミノ基と加水分解性シリル基を併有する化合物)とジエポキシ化合物との付加反応物などがある。
さらに、グリシジルメタクリレートに代表されるエポキシ基を含有するビニル系モノマーと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランに代表される加水分解性シリル基を含有するビニル系モノマーから成る(メタ)アクリル系共重合体のような高分子量化合物もある。
加水分解性シリル基およびエポキシ基を含有する化合物として、DIC株式会社製のアクリディックA−9585、アクリディックA−9585−BA(A−9585の溶剤のみを変更した製品)、アクリディックFZ−521、アクリディックFZ−523等の市販品も挙げることができる。
塗料組成物は、硬化剤を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
塗料組成物中の硬化剤の含有量は、塗膜成分全体(すなわち不揮発分全体)に対して、好ましくは5〜55質量%、より好ましくは10〜50質量%、さらに好ましくは15〜45質量%である。
(脂肪酸アマイド)
脂肪酸アマイドについては、脂肪酸アマイド中のアミド基の極性により、塗料組成物中でネットワーク構造が形成されると考えられる。本実施形態においては、特に、塗料組成物が脂肪酸アマイドを比較的多量に含むことにより、比較的強いネットワーク構造が形成され、塗料組成物にせん断力がかかっていないときの流動が十分に抑えられると考えられる。その結果、粒状の塗料組成物が被塗物表面に到達した後においても、「粒状の形」が維持されやすく、一度のスプレー塗装で凹凸模様を有する塗膜を形成可能となっていると考えられる。
脂肪酸アマイドそれ自体は、塗料の技術分野では、チキソトロピック剤として公知である。本実施形態においては、チキソトロピック剤として公知または市販の脂肪酸アマイドを用いることができる。
脂肪酸アマイドは、好ましくは、一分子中に二以上のアミド結合を有する。脂肪酸アマイドは、低分子化合物でも、オリゴマーやポリマーでもよい。
脂肪酸アマイドは、典型的には、脂肪酸(例えば炭素数2〜22の脂肪族モノカルボン酸)とアミンとを縮合反応することで得ることができる。アミンとしてジアミンを用い、脂肪酸の当量比を適切に調整すれば、1分子中に2のアミド結合を含む化合物であるジアマイド化合物を得ることができる。
好ましい例として、脂肪酸として水素添加ヒマシ油脂肪酸(主成分:12−ヒドロキシステアリン酸)を、アミンとしてエチレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミンまたはキシリレンジアミンのようなジアミンを用いることで、塗料への添加に好適な脂肪酸アマイド(ジアマイド化合物)を得ることができる。すなわち、脂肪酸アマイドは、好ましくは12−ヒドロキシステアリン酸に由来する構造を含む。
脂肪酸アマイドの製造に際しては、アゼライン酸、セバシン酸などのジカルボン酸を用いてもよい。ジカルボン酸とジアミンとを縮合反応した場合には、オリゴマーあるいはポリマーである脂肪酸アマイドが得られると考えられる。
好ましい脂肪酸アマイドの選択の観点として、脂肪酸アマイド(不揮発分)を、DSC測定(示差走査熱量測定)したときの、融解ピークのピークトップ温度を挙げることができる。
具体的には、脂肪酸アマイド(不揮発分)をDSC測定したときの、融解ピークのピークトップ温度が、好ましくは130℃以上、より好ましくは130〜150℃である脂肪酸アマイドを選択する。なお、DSC測定において2以上の融解ピークが認められるときは、一番温度が低いピークのピークトップ温度を採用する。
融解ピークのピークトップ温度が130℃以上である脂肪酸アマイドを用いることで、最終的な塗膜の密着性や耐水性などを高めることができる。このことは、特に、脂肪酸アマイドを比較的多く用いる場合に重要である。
脂肪酸アマイドとして具体的には、以下を挙げることができる。
モノアマイド類:ラウリン酸アマイド、パルミチン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、ベヘン酸アマイド、ヒドロキシステアリン酸アマイド等の飽和脂肪酸モノアマイド、オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイド、リシノール酸アマイド等。
置換アマイド類:N−ラウリルラウリル酸アマイド、N−パルミチルパルミチン酸マイミド、N−ステアリルステアルン酸アマイド、N−オレイルオレイン酸アマイド、Nーステアリルオレイン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミドN−ステアリルエルカ酸アマイド、N−オレイルパルミチン酸アマイド、N−12ヒドロキシステアリルステアリン酸アマイド、N−12ヒドロキシステアリルオレイン酸アマイド等。
メチロールアマイド類:メチロールステアリン酸アマイド、メチロールベヘン酸アマイド。
ビスアマイド類:メチレンビスステアリン酸アマイド、メチレンビスラウリン酸アマイド、メチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、メチレンビスオレン酸アマイド、エチレンビスカプリル酸アマイド、エチレンビスラウリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスイソステアリン酸アマイド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、エチレンビスベヘン酸アマイド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アマイド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アマイド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、ブチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、N,N'−ジステアリルアジピン酸アマイド、N,N'−ジステアリルセバシン酸アマイド等の飽和脂肪酸ビスアマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビスエルカ酸アマイド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アマイド、N,N'−ジオレイルアジピン酸アマイド(融点119℃)、N,N'−ジオレイルセバシン酸アマイド(融点115℃)等の不飽和脂肪酸ビスアマイド、m−キシリレンビスステアリン酸アマイド(融点123℃)、N,N'−ジオレイルセバシン酸アマイド等の芳香族ビスアマイド、エタノールアミンジステアレート等の脂肪酸エステルアマイド。
脂肪酸アマイドの市販品としては、楠本化成株式会社製の、ディスパロン6900−20X、ディスパロン6900−10X、ディスパロンA603−20X、ディスパロンA603−10X、ディスパロンA670−20M、ディスパロンA671−EZ、ディスパロンF−9050、ディスパロンPFA−220、ディスパロンPFA−231、ディスパロンPFA−131、ディスパロン6810−20X、ディスパロン6850−20X、ディスパロン6820−20M、ディスパロン6820−10M、ディスパロンFS−6010、ディスパロン3900EF、ディスパロン6500、ディスパロン6300、ディスパロン6650、ディスパロン6700などが挙げられる。
また、共栄社化学株式会社が、塗料のタレ止め剤として販売している「ターレン」シリーズの中で、脂肪酸アマイドに該当するものを用いることもできる。具体的には、ターレン7200−20、ターレン8200−20、ターレン8300−20、ターレン8700−20、ターレンBA−600、ターレンM−1020XFS、ターレンM−1021B、ターレンVA−750Bなどを挙げることができる。
塗料組成物において、脂肪酸アマイドは、後述の有機溶剤に溶解しているか、または、有機溶剤に完全に溶解せずとも、粒径10μm以下の粒子として有機溶剤中に分散していることが好ましい。これにより、スプレー塗装での「詰まり」が抑えられる。別の言い方として、本実施形態において、脂肪酸アマイドは、特許文献2に記載されているような「骨材」として存在するものではない。
塗料組成物は、1のみの脂肪酸アマイドを含んでもよいし、2以上の脂肪酸アマイドを含んでもよい。
塗膜成分(すなわち不揮発成分)100質量部中の脂肪酸アマイドの含有量は、前述のとおり2.5〜15質量部であればよい。一態様として、この量は、好ましくは2.75〜10質量部、さらに好ましくは3〜8質量部である。別の態様として、この量は、好ましくは2.55〜10質量部、さらに好ましくは2.5〜8質量部である。
この量を調整することで、凹凸模様の大きさを調整しうる。また、脂肪酸アマイドの量が多すぎないことで、最終的な塗膜の密着性や耐水性などを高めることができる。さらに、脂肪酸アマイドの量が多すぎないことで、塗装作業性(スプレー作業性)を高めることができる。
念のため述べておくと、脂肪酸アマイドの含有量は、脂肪酸アマイド「のみ」(有効成分のみ)の含有量である(市販の脂肪酸アマイドには、溶剤を含むなどして、有効成分100%ではないものがある)。
(顔料)
塗料組成物は、塗膜成分として顔料を含んでもよい。顔料により、所望の色目の塗膜を得ることができる。後述の焼付工程での退色を少しでも抑える観点からは、顔料は、無機顔料を含むことが好ましい。
顔料は、例えば、有機顔料や無機顔料などの公知の着色顔料を含むことができる。
顔料として具体的には、二酸化チタン(チタン白)、亜鉛華、鉛白、塩基性硫酸鉛、硫酸鉛、リトポン、硫化亜鉛、アンチモン白などの白色顔料;カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、黒鉛、鉄黒(黒色酸化鉄)、アニリンブラックなどの黒色顔料;ナフトールエローS、ハンザエロー、ピグメントエローL、ベンジジンエロー、パーマネントエロー、黄鉄(黄色酸化鉄)などの黄色顔料;クロムオレンジ、クロムバーミリオン、パーマネントオレンジなどの橙色顔料;酸化鉄、アンバーなどの褐色顔料;ベンガラ(赤色酸化鉄)、鉛丹、パーマネントレッド、キナクリドン系赤顔料、ジケトピロロピロール系赤顔料などの赤色顔料;コバルト紫、ファストバイオレット、メチルバイオレットレーキなどの紫色顔料、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、インジゴなどの青色顔料;クロムグリーン、ピグメントグリーンB、フタロシアニングリーンなどの緑色顔料などが挙げられる。もちろん、使用可能な顔料はこれらのみに限定されない。
顔料は、体質顔料を含んでもよい。
体質顔料としては、例えば、バリタ粉、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシム、石膏、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、珪藻土、タルク、炭酸マグネシウム、含水珪酸マグネシウム、アルミナホワイト、グロスホワイト、マイカ粉等を挙げることができる。
塗料組成物が顔料を含む場合、1のみの顔料を含んでもよいし、2以上の顔料を含んでもよい。
塗料組成物が顔料を含む場合、その量は、顔料の色にもよるが、塗膜成分(すなわち不揮発成分)100質量部中、好ましくは1〜70質量部、よりに好ましくは5〜60質量部である。
(有機溶剤)
塗料組成物は、揮発成分として有機溶剤を含んでもよい。有機溶剤により、塗料組成物をスプレー塗装に適用しやすくなる。使用可能な有機溶剤は特に限定されない。塗料の技術分野で公知の溶剤を1または2以上用いることができる。具体的には、有機溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤(鎖状、分岐状または環状)、カーボネート系溶剤などのうち1または2以上を用いることができる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、第3級ブタノール、イソブタノール、ダイアセトンアルコール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトン等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸セロソルブ、酢酸アミル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸イソプロピル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等が挙げられる。
エーテル系溶剤としては、例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。
グリコールエーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ブチルセロソルブ(エチレングリコールモノブチルエーテル)等が挙げられる。
脂肪族炭化水素系溶剤としては、ノルマルペンタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどを挙げることができる。
カーボネート系溶剤としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどを挙げることができる。
塗料分野で知られている各種の石油系溶剤も挙げることもできる。
有機溶剤の一部または全部は、沸点が150℃以下(より具体的には50〜150℃)である低沸点有機溶剤であることが好ましい。
具体的には、有機溶剤中の低沸点有機溶剤の比率は、好ましくは25質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、特に好ましくは60質量%以上である。有機溶剤の全部が低沸点有機溶剤であってもよい。
有機溶剤の一部または全部が低沸点有機溶剤であることにより、スプレーガンから噴霧されて被塗物表面に到達した粒状の塗料組成物が、その形状を維持したうちに素早く乾燥しやすくなる。よって、一層所望の凹凸模様を形成しやすくなったり、塗装条件の変動による凹凸の大きさのバラツキを低減しやすくなったりすると考えられる。
塗料組成物が有機溶剤を含む場合、その使用量は、通常、塗料組成物全体における塗膜成分の比率(不揮発成分濃度)が20〜80質量%となる量で用いられる。
スプレー塗装の直前に、塗料組成物に有機溶剤(シンナー)を追加することで、塗料組成物の濃度や粘度を調整してもよい。
(その他成分)
塗料組成物は、上記以外にも種々の任意成分を含むことができる。例えば、消泡剤、ワキ防止剤、硬化促進剤(硬化触媒等)、界面活性剤、紫外線吸収剤、分散剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定化剤等などのうち、1または2以上を含んでもよい。これらは、通常「塗膜成分」に分類される。
ちなみに、本実施形態の塗料組成物は、上述のように、比較的多量の脂肪酸アマイドの存在により、凹凸模様形成のための粒子(例えばポリエチレン粒子などの有機粒子)を用いずとも、凹凸模様を形成可能である。つまり、塗料組成物は、好ましくは、ポリエチレン粒子などの有機粒子を含まないか、含むとしても塗膜成分全体の1質量%以下である。
(塗料組成物の粘度)
塗料組成物の粘度が適切であることにより、汎用のスプレーガンを用いる際の詰まりを抑制したり、凹凸模様の大きさを調整したりすることができる。粘度は、例えば脂肪酸アマイドの種類や量を調整したり、有機溶剤の種類や量を調整したりすることで調製することができる。
具体的には、塗料組成物の、B型粘度計を用いて25℃、回転数6rpmの条件で測定される粘度η6rpmは、好ましくは0.2〜50Pa・s、より好ましくは1.0〜20Pa・s、さらに好ましくは5.0〜15Pa・sである。
また、塗料組成物の、B型粘度計を用いて25℃、回転数60rpmの条件で測定される粘度η60rpmは、好ましくは0.03〜25Pa・s、より好ましくは0.10〜10Pa・s、さらに好ましくは0.50〜5Pa・sである。
(塗料組成物の調製について)
スプレー塗装により凹凸模様を有する塗膜を形成できる限り、塗料組成物の調製方法や調製のタイミングは特に限定されない。
一例として、主剤、硬化剤、脂肪酸アマイド、有機溶剤などをそれぞれ別の容器に分けて保管しておき、スプレー塗装の直前にこれらを混合して塗料組成物を調製することができる。
別の例として、主剤と脂肪酸アマイドとの混合物、硬化剤、有機溶剤などをそれぞれ別の容器に分けて保管しておき、スプレー塗装直前にこれらを混合して塗料組成物を調製してもよい。
さらに別の例として、主剤、硬化剤および脂肪酸アマイドを含むが、有機溶剤を含まないかまたは少量含む混合物を予め調製しておき、スプレー塗装の直前に有機溶剤で希釈して塗料組成物を調製してもよい。
塗料組成物の調製においては、各成分の分散性・均一性を高める等の目的で、ペイントシェーカー等の、塗料組成物の調製で通常用いられる各種装置を用いてもよい。
(スプレー塗装の具体的条件など)
本実施形態においては、上記の塗料組成物を、スプレーガンを用いて被塗物表面にスプレー塗装をして、凹凸模様を有する塗膜を備える塗装物を製造する。スプレーガンは、例えばアネスト岩田株式会社から入手可能である。
スプレー塗装は、通常、常温下(10〜40℃程度の環境下)で行われる。
所望の凹凸模様の大きさなどに応じてスプレー塗装の具体的条件は適宜設定すればよいが、特に、適度な大きさの凹凸模様を形成しやすい条件として、スプレー塗装の際の吹き付け空気圧は、例えば0.05〜1.0MPa、好ましくは0.15〜0.35MPaである。また、被塗物とスプレーガンの吐出部との距離は、例えば10〜100cm、好ましくは15〜50cm、より好ましくは20〜30cmである。
適切な圧力で塗料組成物をスプレーガンから噴出させることや、被塗物とスプレーガンの吐出部との距離を適切に調整することは、意匠性の高い凹凸模様を有する塗膜を形成するために重要である。
別観点として、スプレーガンからの塗料組成物の噴出量は、好ましくは50〜1000mL/min、より好ましくは100〜800mL/min、さらに好ましくは150〜600mL/minである。単位時間あたりの噴出量が適度に大きいことで、塗装効率を高めることができる。単位時間あたりの噴出量が大きすぎないことで、粒状になった塗料組成物が「重なる」ことが抑制されて、意匠性の高い凹凸模様を得やすくなると考えられる。
スプレー塗装の後に、焼付工程を行ってもよい。焼付工程の温度および時間は適宜設定すればよい。一例として、温度および時間は、60〜180℃で1〜120分程度である。焼付工程は、塗装分野で公知の設備を用いて、公知の方法で行うことができる。
凹凸模様の大きさは、塗料組成物の組成やスプレー塗装の条件の調整などにより適宜変えることができる。あくまで一例として、凹凸模様のサイズは、0.1〜3mm程度である。ここでの「凹凸模様のサイズ」とは、実体顕微鏡により塗膜表面を観察して、凹凸模様(ドット)100個の大きさを計測して算術平均した値のことである。
被塗物は特に限定されない。好ましい一例として、金属の素地を持つものを挙げることができる。具体的には、弱電・重電機器、農業機械、鋼製家具、工作機械、建設機械(例えば、ブルドーザー、スクレイパー、油圧ショベル、堀削機、運搬機械(トラック、トレーラー等)、クレーン・荷役機械、基礎工事用機械(ディーゼルハンマー、油圧ハンマー等)、トンネル工事用機械(ボーリングマシーン等)、ロードローラー等)、道路資材、住宅関連資材、家電、自動車製品などが挙げられる。
また、プラスチックの素地を持つものも挙げることができる。例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パソコン、デジタルカメラ、ゲーム機等の電子機器の筐体、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン等の家電製品の筐体、自動車、鉄道車輌等の各種車輌の内装材などが挙げられる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
本発明の実施態様を、実施例等を示しつつ詳細に説明する。念のため述べておくと、本発明は実施例のみに限定されない。
<主剤の調製>
(樹脂(A−1)の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えたフラスコに、酢酸ブチルを100質量部仕込み、還流温度まで昇温させた。
次いで、フラスコ中の酢酸ブチルをスターラーで攪拌しながら、メタクリル酸メチル40質量部、アクリル酸ブチル29.5質量部、スチレン20質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル8質量部、アクリル酸0.5質量部、および1,1−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル(和光純薬工業株式会社製、V−40)2質量部からなる混合液を2時間かけて滴下した。
滴下終了後、さらに130℃で4時間撹拌し、残留するモノマーを反応させた。その後、加熱を止めて室温まで冷却し、(メタ)アクリル系の樹脂(A−1)を含む樹脂組成物(固形分比率50質量%の主剤溶液)を得た。
得られた樹脂(A−1)の数平均分子量は6,000、重量平均分子量は15,000だった。また、前掲のFoxの式に基づき、使用したモノマーの配合比から理論計算した(メタ)アクリル系樹脂(A−1)のガラス転移温度は34℃であった。さらに、水酸基価は35mgKOH/gであった。
上記数平均分子量と重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定、算出した。用いた装置、条件等は以下の通りである。
・使用機器 :HLC8220GPC(株式会社東ソー製)
・使用カラム:TSKgelSuperHZM−M、TSKgelGMHXL−H、TSKgelG2500HXL、TSKgelG5000HXL(株式会社東ソー製)
・カラム温度:40℃
・標準物質 :TSKgel標準ポリスチレンA1000、A2500、A5000、F1、F2、F4、F10(株式会社東ソー製)
・検出器 :RI(示差屈折)検出器
・溶離液 :テトラヒドロフラン
・流速 :1ml/min
(樹脂(A−2)の合成)
フラスコ内に滴下する混合液の組成を、後掲の表1に記載のようにした以外は、樹脂(A−1)と同様にして、(メタ)アクリル系の樹脂(A−2)を含む樹脂組成物(固形分比率50質量%の主剤溶液)を得た。
樹脂(A−1)および(A−2)に関する情報をまとめて表1に示す。
Figure 2021053574
<他の素材の準備>
以下を準備した。
(市販の主剤含有溶液)
アクリディックWMG−521:DIC株式会社製、焼付用アクリル樹脂溶液(不揮発分59〜61質量%、酸価5.5〜7.5mgKOH/g)
アクリディックA−9510:DIC株式会社製、湿気硬化型シリコンアクリル樹脂溶液(不揮発分49〜51質量%、酸価3.0mgKOH/g(MAX))
(顔料)
CR−97:石原産業株式会社製、塩素化法酸化チタン(ルチル型、TiO93%、平均粒子径0.25μm、吸油量17g/100g)、製品名「タイペークCR−97」
カーボンブラック#47:三菱ケミカル株式会社製、カーボンブラック(粒子径23nm)、製品グレード「#47」
(硬化剤または硬化剤含有溶液)
TKA−100:旭化成株式会社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(有効成分100%)、製品名「デュラネートTKA−100」
アミディアL−125−60:DIC株式会社製、イソブチル化メラミン(不揮発分58〜62質量%)、製品名「アミディアL−125−60」
アクリディックA−9585:DIC株式会社製、湿気硬化型シリコンアクリル樹脂溶液(不揮発分80質量%)、製品名「アクリディックA−9585(硬化剤)」
(脂肪酸アマイド、または、他のチキソトロピック調整剤)
以下の表2に記載のものを準備した。
Figure 2021053574
上表において、脂肪酸アマイドの融解ピークのピークトップ温度は、以下条件のDSC測定によるファーストスキャン時の融解ピークのピークトップ温度である。この測定において、有機溶剤を含む脂肪酸アマイドについては、含まれる有機溶剤を十分に揮発させたうえで測定を行った。
・測定装置:SIIナノテクノロジー株式会社製の熱流束型示差走査熱量計、EXSTAR DSC 7020
・秤量:5mg
・昇温速度:10℃/分
・測定温度範囲:−20〜190℃
・データの解析(ピークトップ温度の特定、ベースラインの設定など):熱分析ソフトウェア Muse
(有機溶剤(シンナー))
後掲の各表に記載のものを準備した。
表8における「スワクリーン150」は、丸善石油化学株式会社の石油系炭化水素(C9アルキルシクロヘキサンの混合物)である。
<塗料組成物の製造>
(例1)
(メタ)アクリル系樹脂(A−1)の50質量%酢酸ブチル溶液100質量部(主剤溶液として100質量部、樹脂の固形分としては50質量部)に、酸化チタン(石原産業株式会社製、タイペークCR−97)を40質量部、酢酸ブチルを10質量部添加した。
上記で得られた混合物を、チタニアビーズとともにポリエチレン製容器に封入し、ペイントシェーカーを用いて2時間分散処理を行って、その後、チタニアビーズを除去した。これにより主剤−顔料の混合液を作製した。
また、主剤−顔料の混合液とは別に、硬化剤溶液として、イソシアネート化合物(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体:旭化成株式会社製、デュラネート(商標)TKA−100)20質量部に、酢酸ブチル20質量部を混合したものを作製した。
次いで、主剤−顔料の分散液(150質量部)に、硬化剤溶液(20質量部)を添加し、さらに希釈有機溶剤として酢酸ブチル30質量部、脂肪酸アマイドワックス(楠本化成株式会社製、ディスパロンPFA−220)1質量部をそれぞれ混合して塗料組成物を得た。
ちなみに、上記脂肪酸アマイドについては、そのままでも使用可能であるが、今回は以下のようにして使用した。
まず、もともと固形分比率20%であった製品を、振動乾燥機(中央化工機株式会社製、商品名VU−35)を用いて乾燥させ、固形分100%の粉末状にした。この粉末を、上記酢酸ブチル30質量部のうちの一部を用いて再度ペースト状にして、その後他成分と混合した。このようにして、購入時の脂肪酸アマイドワックスが含む有機溶剤の影響を排除するようにした。PFA−220を用いた全ての例で同様である。
(例2〜36)
配合を後掲の表3〜6に記載のように変更した以外は、例1と同様にして塗料組成物を得た。
(脂肪酸アマイドに関する補足)
表2のM−1020XFSまたは4401−25M(固形分質量が100%ではないもの)を用いた例においても、例1と同様、まず乾燥して粉末状にし、その後酢酸ブチルで再度ペースト状にしたうえで他成分と混合した。
また、ターレンVA−750Bまたはディスパロン308を用いた例に関しては、チキソトロピック剤を混合するタイミングは、主剤−顔料の混合液の作成時とした。より具体的には、ペイントシェーカーによる分散のときに、他の混合物とともに規定の量のチキソトロピック剤をポリエチレン製容器に添加した。この際、十分に分散させるため、必要に応じて加熱した。
<脂肪酸アマイドの溶解状態の確認>
各塗料組成物について、デジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス社製、VHX−1000)を用い、倍率100倍の条件で観察した。この観察において、10μmを越える脂肪酸アマイド由来の粒子は観察されなかった。つまり、脂肪酸アマイドは、塗料組成物中で有機溶剤に溶解しているか、または10μm以下の極めて小さい粒子となって分散していることが確認された。
<粘度測定>
各塗料組成物について、東機産業株式会社製のB型粘度計(機種名TVB−10M)を用い、25℃で、回転数6rpmまたは60rpmの条件で粘度を測定した。各回転数において、ローターの回転開始(攪拌開始)から60秒経過後の粘度を読み取って、η6rpmおよびη60rpmを求めた。
<性能評価>
(塗装作業性(スプレー塗装性))
アネスト岩田株式会社製の重力式スプレーガン「W−200−201G」(ノズル口径:2.0mm)を用い、下記条件で、各塗料組成物を、市販のリン酸亜鉛処理鋼板(日本テストパネル社製、PB−144:幅70mm×長さ150mm×厚み0.8mm)に塗装した。このときの、ガンノズルからの塗料の噴出状態を観察した。
[塗装条件]
・吹き付け空気圧:0.29MPa
・キャップ内圧力:0.2MPa
・被塗物とのガンとの距離(ガンノズル先端から、冷延鋼板に下した垂線の長さ):300mm
・温度:20℃
・噴出量:410mL/min前後で調整
・相対湿度:65%
塗装作業性を、以下の基準に従って評価した。評価が3以上ならば実用上好ましく使用可能なレベルである。
5:塗料の流動性が良好で、ガンノズルから塗料が均一に噴射する。
4:塗料の流動性は良好であるが、まれに噴出ムラを生じることがある。
3:塗料の流動性は良好であるが、時折噴出ムラが観察される。
2:ガンノズルから塗料が噴出し難く、噴出が途切れる場合がある。
1:ガンノズルから塗料が噴出せず、塗装できない。
評価が3以上と判断された塗料組成物については、そのまま作業を続行して、乾燥後の塗膜の膜厚が約60μmとなるように塗装を行った。得られた塗装物(塗装された冷延鋼板)については、常温(25℃)で6時間静置したのち、60℃で30分間加熱した。この加熱後、常温まで自然冷却されたものを試験板とし、以下の評価(模様評価、光沢感、塗膜物性)を行った。
ただし、塗膜物性のうち、密着性に関しては、上記のようにして作製した試験板(模様付)ではなく、以下のようにして作製した試験板(無模様)を用いて評価した。
[密着性評価用の試験板(無模様)の作製]
各塗料組成物にトルエン約100質量部を添加し、塗装作業性の評価で行った方法と同様にして、乾燥後の膜厚が約60μmとなるように塗装を行った。得られた塗装物(塗装された冷延鋼板)を、常温で7日間乾燥させた。これにより、塗膜表面がレベリングした状態(平らになった状態)の試験板(無模様)を得た。
(凹凸感(立体感))
得られた各試験板を、5年以上の塗料開発経験を有する技術者20人によって観察した。具体的には、試験板から1m離れたところから、その塗装面を目視で観察したときに、凹凸感(立体感)が感じられるか否かをアンケートした。
アンケートを集計し、凹凸感が感じられると回答した人の人数に応じて、以下のように5段階で評価した。評価が3以上となった塗料組成物については、下記の(凹凸模様のサイズ)及び(凹凸模様の均一性)についても評価した。
5:凹凸感(立体感)があると回答した人が16〜20人
4:凹凸感(立体感)があると回答した人が11〜15人
3:凹凸感(立体感)があると回答した人が6〜10人
2:凹凸感(立体感)があると回答した人が1〜5人
1:凹凸感(立体感)があると回答した人が0人
(凹凸模様のサイズ)
計測機能付きの実体顕微鏡を用いて各試験板の塗装された面を観察した。凹凸模様(ドット)100個を計測して算術平均し、凹凸模様の平均サイズを算出した。そして以下A〜Eのように分類した。
A:極めて細かな粒子状の凹凸模様(平均0.5mm未満)が形成されている。
B:平均0.5mm以上1.0mm未満程度の大きさの粒子の凹凸模様が形成されている。
C:平均1.0mm以上1.5mm未満程度の大きさの粒子の凹凸模様が形成されている。
D:平均1.5mm以上2.0mm未満程度の大きさの粒子の凹凸模様が形成されている。
E:平均2.0mm以上2.5mm未満程度の大きさの粒子の凹凸模様が形成されている。
凹凸模様のサイズについて補足しておく。
好ましい凹凸の平均サイズは、塗膜の用途やユーザの好みにもよるため、一概にA〜Eのどれが良くてどれが悪いということはない。
ただし、スプレー塗装のみによって平均サイズがある程度大きい凹凸(具体的には、B〜Eに分類される大きさの凹凸)を形成できるということは、技術的に非常に意外な効果である。このような意外な効果を奏する塗料組成物を用いることで、従来はスプレー塗装以外の煩雑な方法で凹凸を形成せざるを得なかった塗膜を、簡便なスプレー塗装により形成することが可能となる。
(凹凸模様の均一性)
各試験板の塗装面を目視により観察し、以下のように分類した。分類は、前述の技術者20人のうちの代表者3名による評議により決定した。
補足しておくと、以下分類においては、必ずしもXが良くてYが悪いということではない。所望する意匠によってはYのような凹凸模様のほうが好ましい場合もある。
X:凹凸模様のサイズは全体的に均質で、バラツキが少ない。
Y:相対的に大きなサイズの凹凸模様と小さなサイズの凹凸模様が混在しており、全体的にバラツキが大きい。
(光沢感)
各試験板の塗装面を目視により観察し、光沢感の程度について以下の基準に従って評価した。評価は、前述の技術者20人のうちの代表者3名による評議により決定した。
5:塗装面全体として光沢感が非常に高い。
4:場所により多少はバラツキがあるものの、塗装面全体として光沢感が高い。
3:光沢の程度は若干低いものの、光沢感は感じられる。
2:光沢感が低く、全体的に艶が引けたような状態になっている。
1:艶がなく、光沢感が全く感じられない。
(塗膜物性:密着性)
試験板(無模様)を用い、JIS K5600−5−6(1999)「塗膜の機械的性質−付着性(クロスカット法)」に基づいた試験を行った。そして、基材に対する塗膜の密着性を、以下の基準に基づいて評価した。
5:カットのふちが完全に滑らかで、どの格子の目にもハガレがない。
4:カットの交差点における塗膜の小さなハガレがあり、剥離部分の面積が5%未満。
3:剥離部分の面積が、5%以上15%未満。
2:剥離部分の面積が15%以上35%未満。
1:剥離部分の面積が35%以上。
(塗膜物性:耐水性)
JIS K 5600−6−2「塗膜の化学的性質―耐液体性(水浸せき法)」に準拠した方法により、試験板を40℃の温水に10日間浸漬した。10日間経過後、温水から試験板を取り出して室温で24時間乾燥させた。温水に浸漬させているときの塗膜の状態と、乾燥後の塗膜の状態について、それぞれ目視で観察し、以下の基準で評価した。
5:浸漬中および乾燥後の両方で、塗膜外観に変化が認められない。
4:浸漬中の塗膜で軽微な白化が認められるが、乾燥後には変化は認められない。
3:浸漬中、および乾燥後の両方で軽微な白化が認められる。
2:浸漬中では塗膜の白化が著しく、塗膜乾燥後では光沢低下や白化等の軽微な変化が認められる。
1:浸漬中での塗膜白化が著しいことに加え、塗膜乾燥後でも光沢低下や白化等の顕著な変化が認められる。
各塗料組成物の組成、粘度、性能評価に関する情報を、表3〜6にまとめて示す。
Figure 2021053574
Figure 2021053574
Figure 2021053574
Figure 2021053574
表3の例3〜7、9および11、表4の例12〜18に示されるとおり、主剤、硬化剤および脂肪酸アマイドを含み、かつ、塗膜成分100質量部中の脂肪酸アマイドの含有量が2.5〜15質量部である塗料組成物を、基材にスプレー塗装することで、特別な追加工程を要さずに、凹凸感(立体感)のある塗膜を備える塗装物を得ることができた。
一方、表5および6に示されるとおり、脂肪酸アマイドを含まない塗料組成物、脂肪酸アマイドを含むもののその量が極めて少ない塗料組成物、または、脂肪酸アマイドとは異なるチキソトロピック調整剤を含む塗料組成物を基材にスプレー塗装しても、十分な凹凸感(立体感)のある塗膜を形成することができなかった(凹凸感(立体感)は、2以下だった)。
表3〜6を細かく見ると、以下のことも読みとれる。
・表3で「参考」と記載した例1、2、8および10の塗料組成物において、塗膜成分100質量部中の脂肪酸アマイドの量は2.5質量部以下である。これらの塗料組成物の評価において、凹凸感は「3」であり、例3などと比べると、やや凹凸感が不足していた。また、アマイドの量が少ないと、凹凸模様のサイズが小さくなりがちな傾向が見られる。
・表3および4の各例においては、「光沢感」の評価結果も良好であった。
・例17および18において、凹凸感や凹凸模様のサイズの評価結果は良好である。しかし、塗膜物性の評価結果は、他の例の塗膜物性の評価結果よりも劣っている。脂肪酸アマイドの量が適度に少ないことで、凹凸模様を有する塗膜を形成しつつ、塗膜物性も向上させることができると考えられる。
<追加例:有機溶剤(シンナー)の変更>
例14の塗料組成物をベースに、有機溶剤(シンナー)を変更した塗料組成物(例2−1〜2−15)を調製した。そして、上記と同様の各種評価を行った。
塗料組成物の組成、粘度、性能評価に関する情報を、表7および8にまとめて示す。
Figure 2021053574
Figure 2021053574
表7および8より、塗料組成物が主剤、硬化剤および脂肪酸アマイドを含み、かつ、脂肪酸アマイドの含有量が適度に多い限り、有機溶剤の種類には依らずに、凹凸模様を有する塗膜(硬化膜)を形成可能であることが理解される。
ただし、シンナーとしてシクロヘキサノン(沸点155℃)のみが用いられた例2−5において、凹凸感(立体感)の評価が「3」であったことを踏まえると、比較的低沸点の(沸点150℃以下の)シンナーを比較的多量に用いることで、より良好な凹凸感(立体感)を得られると考えられる。
<追加例:架橋構造を有する樹脂の使用>
例2−11の塗料組成物をベースに、主剤の一部として、架橋構造を有する樹脂(A−2)を用いた塗料組成物(例3−1〜3−3)を調製した。そして、上記と同様の各種評価を行った。
塗料組成物の組成、粘度、性能評価に関する情報を、表9にまとめて示す。
Figure 2021053574
例2−11(再掲)においては、凹凸模様のサイズは「B」であったが、樹脂(A−2)を含む例3−1〜3−3においては、凹凸模様のサイズは「D」または「E」であった。つまり、樹脂(A−2)を含む塗料組成物を用いることで、より大きな凹凸模様を形成可能なことが理解される。
<追加例:顔料の変更>
例2−11の塗料組成物をベースに、顔料の一部または全部としてカーボンブラックを用いた塗料組成物(例4−1および4−2)を調製した。そして、上記と同様の各種評価を行った。
塗料組成物の組成、粘度、性能評価に関する情報を、表10にまとめて示す。
Figure 2021053574
例4−1および4−2より、酸化チタン顔料に限らず、カーボンブラック顔料を用いた場合にも、凹凸模様を有する塗膜(硬化膜)を形成することが可能なことが示された。
<追加例:イソシアネート硬化系とは異なる塗料組成物>
上記の例の全ては、樹脂中のヒドロキシ基とイソシアネート硬化剤との反応により硬化する硬化系であった。他の硬化系においても、主剤、硬化剤および脂肪酸アマイドを含み、かつ、脂肪酸アマイドの量が適度に多いことで、凹凸模様を有する塗膜(硬化膜)を形成することが可能なことを示す。
まず、後掲の表11に記載の配合に従って、主剤溶液に、顔料と、有機溶剤とを添加して混合物とした。その混合物を、チタニアビーズとともにポリエチレン製容器に封入し、ペイントシェーカーを用いて2時間分散処理を行った。その後、チタニアビーズを除去した。これにより主剤−顔料の分散液を作製した。
また、主剤−顔料の分散液とは別に、後掲の表11に記載の配合の硬化剤溶液を準備した。
次いで、主剤−顔料の分散液に、硬化剤溶液を添加し、さらに有機溶剤(シンナー、表11に記載の3種)および脂肪酸アマイドをそれぞれ混合して塗料組成物(例5−1および5−2)を得た。
得られた塗料組成物を用いて、他の塗料組成物と同様の各種評価を行った。ただし、硬化条件については以下のようにした。
例5−1:常温(25℃)で6時間静置したのち、80℃で30分間加熱。
例5−2:常温(25℃)で1週間放置。
塗料組成物の組成、粘度、性能評価に関する情報を、表11にまとめて示す。
Figure 2021053574
例5−1および5−2より、ヒドロキシ基−イソシアネート硬化系ではない硬化系においても、主剤、硬化剤および脂肪酸アマイドを含み、脂肪酸アマイドの量が適度に多い塗料組成物により、凹凸模様を有する塗膜(硬化膜)を形成可能なことが理解される。
<追加例:塗装条件の変更>
吹き付け空気圧を0.05〜1.0MPaの間で数点変更した以外は、例3と同様にして冷延鋼板をスプレー塗装した。この場合も、凹凸模様を有する塗膜を形成することができた。
また、被塗物とスプレーガンの吐出部との距離を10〜100cm間で数点変更した以外は、例3と同様にして冷延鋼板をスプレー塗装した。この場合も、凹凸模様を有する塗膜を形成することができた。

Claims (21)

  1. 塗膜成分として、少なくとも主剤、硬化剤および脂肪酸アマイドを含み、前記塗膜成分100質量部中の前記脂肪酸アマイドの含有量が2.5〜15質量部である塗料組成物を、
    スプレーガンを用いて被塗物表面にスプレー塗装をして、凹凸模様を有する塗膜を備える塗装物を製造する、塗装物の製造方法。
  2. 請求項1に記載の塗装物の製造方法であって、
    前記スプレー塗装は、以下の条件で行われる、塗装物の製造方法。
    [条件]
    ・吹き付け空気圧:0.05〜1.0MPa
    ・被塗物とスプレーガンの吐出部との距離:10〜100cm
  3. 請求項1または2に記載の塗装物の製造方法であって、
    前記塗料組成物は、さらに揮発成分として有機溶剤を含む、塗装物の製造方法。
  4. 請求項3に記載の塗装物の製造方法であって、
    前記有機溶剤は、沸点が150℃以下である低沸点有機溶剤を含む、塗装物の製造方法。
  5. 請求項4に記載の塗装物の製造方法であって、
    前記有機溶剤中の前記低沸点有機溶剤の比率は25質量%以上である、塗装物の製造方法。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載の塗装物の製造方法であって、
    前記脂肪酸アマイドは前記有機溶剤に溶解しているか、または、粒径10μm以下の粒子として前記有機溶剤中に分散している、塗装物の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗装物の製造方法であって、
    前記塗料組成物の、B型粘度計を用いて25℃、回転数6rpmの条件で測定される粘度η6rpmは0.2〜50Pa・sである、塗装物の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の塗装物の製造方法であって、
    前記塗料組成物の、B型粘度計を用いて25℃、回転数60rpmの条件で測定される粘度η60rpmは0.03〜25Pa・sである、塗装物の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の塗装物の製造方法であって、
    前記塗料組成物は、さらに塗膜成分として顔料を含む、塗装物の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の塗装物の製造方法であって、
    前記主剤は(メタ)アクリル系樹脂を含む、塗装物の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の塗装物の製造方法であって、
    前記主剤は分岐構造および/または架橋構造を有するポリマーを含む、塗装物の製造方法。
  12. スプレー塗装により凹凸模様を有する塗膜を形成するための塗料組成物であって、
    塗膜成分として、少なくとも主剤、硬化剤および脂肪酸アマイドを含み、
    塗膜成分100質量部中の前記脂肪酸アマイドの含有量は2.5〜15質量部である塗料組成物。
  13. 請求項12に記載の塗料組成物であって、
    さらに、揮発成分として有機溶剤を含む塗料組成物。
  14. 請求項13に記載の塗料組成物であって、
    前記有機溶剤は、沸点が150℃以下である低沸点有機溶剤を含む塗料組成物。
  15. 請求項14に記載の塗料組成物であって、
    前記有機溶剤中の前記低沸点有機溶剤の比率は25質量%以上である塗料組成物。
  16. 請求項13〜15のいずれか1項に記載の塗料組成物であって、
    前記脂肪酸アマイドは前記有機溶剤に溶解しているか、または、粒径10μm以下の粒子として前記有機溶剤中に分散している塗料組成物。
  17. 請求項12〜16のいずれか1項に記載の塗料組成物であって、
    η6rpmは0.2〜50Pa・sである塗料組成物。
  18. 請求項12〜17のいずれか1項に記載の塗料組成物であって、
    η60rpmは0.03〜25Pa・sである塗料組成物。
  19. 請求項12〜18のいずれか1項に記載の塗料組成物であって、
    さらに塗膜成分として顔料を含む塗料組成物。
  20. 請求項12〜19のいずれか1項に記載の塗料組成物であって、
    前記主剤は、(メタ)アクリル系樹脂を含む塗料組成物。
  21. 請求項12〜20のいずれか1項に記載の塗料組成物であって、
    前記主剤は、分岐構造および/または架橋構造を有するポリマーを含む塗料組成物。
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