JP4697994B2 - 熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物及びそれを使用した熱硬化性粉体塗料組成物 - Google Patents

熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物及びそれを使用した熱硬化性粉体塗料組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物及びそれを用いた熱硬化性粉体塗料組成物に関し、さらに詳細には、本発明は、優れた貯蔵安定性(ブロッキング性等)、外観特性(ハジキ、平滑性、鮮映性等)、物理特性(硬度、耐擦傷性等)、化学特性(耐候性、耐酸性、耐溶剤性等)を有し、特に車両塗装用途に好適な焼付塗膜を与えることのできる熱硬化性粉体塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、物の塗装は溶剤型の塗料が使用され、自動車用などの厳しい品質を要求される分野に使用するために、種々の要求が満足された塗料が開発され、使用されてきた。
【0003】
近年、塗料の技術分野において、ローカル又はグローバルな環境保全(VOC(ボラタイル・オーガニック・コンパウンド)規制)、労働安全衛生環境改善、火災や爆発の予防、省資源等、の観点から、溶剤型塗料にかわって、粉体型塗料(以下、「粉体塗料」という。)への変更が期待されてきた。
【0004】
そして、歴史的又は社会的要請により、粉体塗料の高機能化・多様化への期待が大きくなるに従い、粉体塗料にも、溶剤型塗料に匹敵する高度な塗膜性能(例えば、耐候性、耐酸性雨性、耐擦傷性等)が要求されるようになってきた。しかし、粉体塗料に要求される塗膜性能が厳しくなってきたにもかかわらず、必ずしも、このような要求を完全に満足する粉体塗料が上市されてきたとはいえない。従来型の粉体塗料の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂粉体塗料が挙げられる。しかし、これらは耐候性に問題があるばかりでなく、最近特に問題となってきた酸性雨に対する耐性にも問題があり、自動車車体塗装等の分野においては、問題があった。
【0005】
その欠点を改良すべく、US3954898(特公昭48−38617号公報)により、アクリル系粉体塗料が提案され、顕著な耐候性の改善が実現した。その後、アクリル系粉体塗料に関して多くの研究がなされている。しかしながら、これらアクリル系粉体塗料は、外観特性、物理特性、化学特性、貯蔵安定性、特に平滑性とブロッキング性を同時に十分満足するものではなかった。 平滑性を向上させるためには、溶融粘度を低下させることが最も効果的である。しかし、溶融粘度を低下させるためには、ガラス転移温度を低下させなければならず、この方法では、平滑性とブロッキング性の両性能を満足することは不可能であった。
【0006】
そこで、高溶融粘度、高ガラス転移温度熱硬化性樹脂と溶解度パラメータの異なる低溶融粘度、低ガラス転移温度熱硬化性樹脂を混合した樹脂組成物により、平滑性を向上させる樹脂組成物(特開平8−209034号公報等)が提案されている。しかしながら、この樹脂組成物は、溶解度パラメーターの異なる樹脂を物理的に混合しているため、分散不良、貯蔵中における局在化現象による外観特性(ハジキ、平滑性)、貯蔵安定性(ブロッキング性)の低下等、その効力が十分に発揮されるものではなかった。
【0007】
通常アクリル系粉体塗料においては、平滑性向上及びハジキ(クレタリング、フィッシアイ)防止を目的として流動調整剤が使用されている。流動調整剤により、外観特性、物理的特性、化学特性を改良する塗料又は樹脂組成物(特開昭57−49672号公報、USP5523349、5648117(特開平7−179789号公報)等)が提案されている。しかしながら、これらの組成物も流動調整剤を溶融混練法等により物理的に混合しているにすぎず、分散不良、貯蔵中における局在化現象による外観特性(ハジキ、平滑性)、貯蔵安定性(ブロッキング性)の低下等、その効力が十分に発揮されるものではなかった。
【0008】
また、反応性の流動調整剤として、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基等反応性官能基をその分子内に含有し、塗膜形成時に主剤成分、または硬化剤成分と反応させて塗膜物性を向上させる組成物(USP5212245(特開平8−325480号公報),WO97−30131(特表平11−506156号公報)等)が提案されている。しかし、この反応はあくまでも塗膜形成時の反応であって、塗料組成物中においては、ほとんど又は全く反応しておらず、反応による流動調整剤の分散性向上は考慮していない。したがって、これら流動調整剤も従来型の流動調整剤と同様、分散不良または、貯蔵中における局在化現象による外観特性(ハジキ、平滑性)、貯蔵安定性(ブロッキング性)の低下等、その効力が十分に発揮されるものではなかった。
【0009】
また、S(幹)ブロックへのG(枝)ブロックのグラフト化反応技術として、シリコン成分をG(枝)ブロックとして、S(幹)ブロックであるアクリル系ビニル共重合体成分へグラフト化反応させることにより、外観特性(平滑性)を向上させる粉体塗料(特表平9−505847号公報等)が提案されている。この技術は、G(幹)ブロックがシリコン成分であり、G(枝)ブロックが、ビニル系重合体、特にアクリル系ビニル重合体が好ましい本願とは明らかに異なる。 また、この粉体塗料は、シリコン成分が塗膜表層の臨界表面張力を低下させすぎてしまうため、リコート性に問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、貯蔵安定性、外観特性、物理特性、化学特性を有した、熱硬化性粉体塗料組成物(例えば、アクリル系熱硬化性粉体塗料組成物)を提供する。特に、自動車等の車輌の車体、及び、自動車等の車輌の部品(アルミホイール、ワイパー、ピラー、ドアハンドル、フェンダー、ボンネット、エアスポイラー、スタビライザー、フロントグリル等)の塗装−特に、上塗り塗装−に好適に適用される、熱硬化性粉体塗料組成物(例えば、アクリル系熱硬化性粉体塗料組成物)を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、成分(a−1)を、成分(a−2)にグラフト化反応することにより、成分(a−1)の分散性を著しく向上させ、さらに貯蔵中における局在化現象を防止することに成功し、優れた貯蔵安定性、外観特性、物理特性、化学特性を有した熱硬化性粉体塗料組成物(例えば、アクリル系熱硬化性粉体塗料組成物)を提供するこができる知見を見い出し、また、それに用いる熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物を見出し、 本発明を完成するに至った。
【0012】
本発明は、以下の[1]〜[]に記載した事項により特定される。
【0013】
[1](メタ)アクリル系ビニル重合体で構成されるビニル系重合体G(枝)ブロック(成分(a−1))が、(メタ)アクリル系ビニル重合体で構成されるビニル系重合体S(幹)ブロック(成分(a−2))に対するグラフト部となるようにグラフト化反応させて得られる(ブロック)共重合体からなる樹脂組成物成分(A)を含む熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物であって、
成分(a−1)と成分(a−2)の溶解性パラメーターを、それぞれ、SPGとSPSとしたときに、SPGは7以上10.0以下であり、SPSは14.0以下であり、SPGとSPSが下記数式(I)[数3]で表され、成分(a−1)と成分(a−2)の重量を、それぞれ、MGとMSとしたときに、MGとMSが下記数式(II)[数4]で表され、
前記成分(a−1)が、
(a−1−1)末端に重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系マクロマーからなる数平均分子量1000〜20000のビニル系重合体、及び/又は
(a−1−2)1分子中に少なくとも1個の前記成分(a−2)と反応性を有する非ラジカル重合性の官能基を有する(メタ)アクリル系ビニル重合体からなる数平均分子量1000〜20000のビニル系重合体を含み、
成分(a−2)を構成する為の単量体が、
(a−2−1)ラジカル重合性不飽和二重結合以外の反応性官能基を有さない少なくとも一種の(メタ)アクリル系ビニル単量体、及び、
(a−2−2)少なくとも1個の非ラジカル重合性の官能基を有する少なくとも一種の(メタ)アクリル系ビニル単量体を含み、成分(a−2−1)と成分(a−2−2)の合計重量100重量部に対して、成分(a−2−2)が20〜60重量部である熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物。
【0014】
【数3】
Figure 0004697994
【数4】
Figure 0004697994
【0019】
]成分(a−1−2)の「非ラジカル重合性の官能基」が、
カルボキシル基、酸無水物基、及び、アミノ基からなる群から選択された少なくとも一種である、
上記[]に記載した熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物。
【0021】
]成分(a−2−2)の「非ラジカル重合性の官能基」が、グリシジル基である、
上記[1]又は2]に記載した熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物。
【0023】
]成分(a−2)が、30℃〜120℃のガラス転移温度を有するものである、上記[1]乃至[]の何れか1項に記載した熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物。
【0024】
]樹脂組成物成分(A)と硬化剤組成物成分(B)を含有する熱硬化性粉体塗料組成物であって、
前記成分(A)は、上記[1]乃至[]の何れか1項に記載した熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物である、熱硬化性粉体塗料組成物。
【0025】
]前記成分(B)が、
(b−1)多価カルボン酸、及び/又は、
(b−2)多価カルボン酸無水物を含んでなる硬化剤である、
上記[]に記載した、熱硬化性粉体塗料組成物。
【0026】
]成分(b−1)を構成する多価カルボン酸が、脂肪族多価カルボン酸である、
上記[]に記載した、熱硬化性粉体塗料組成物。
【0027】
]成分(b−2)を構成する多価カルボン酸無水物が、脂肪族多価カルボン酸無水物である、
上記[]又は[]に記載した、熱硬化性粉体塗料組成物。
更に以下の[16]〜[20]は、本発明の好適な実施態様である。
【0028】
[16]樹脂組成物成分(A)と硬化剤組成物成分(B)を含有する熱硬化性粉体塗料組成物であって、
前記成分(A)は、
10.0以下の溶解性パラメーターを有するビニル系重合体(成分(a−1))を、
前記成分(a−1)の溶解性パラメーターを超える数値の溶解性パラメーターを有するビニル系重合体(成分(a−2))にグラフト化反応させて得られるビニル系重合体であり、
前記成分(a−1)と前記成分(a−2)の重量組成比が、
前記成分(a−2)100重量部を基準として、
前記成分(a−1)が0.01〜10重量部であり、
前記成分(a−1)は、
(a−1−1)1分子中に少なくとも1個のラジカル重合性不飽和二重結合を有するビニル系重合体、
及び/又は
(a−1−2)1分子中に少なくとも1個の前記(a−2)と反応性を有する非ラジカル重合性の官能基を有するビニル系重合体を
含むものであり、
前記成分(a−2)は、
(a−2−1) 1分子中に少なくとも1個のラジカル重合性不飽和二重結合を有し、ラジカル重合性不飽和二重結合以外の反応性官能基を有さない少なくとも1種の単量体、
及び、
(a−2−2) 1分子中に少なくとも1個のラジカル重合性不飽和二重結合と少なくとも1個の前記成分(B)と反応性を有する非ラジカル重合性の官能基を併せ持った少なくとも1種の単量体を
含むものであり、
前記成分(B)は、
(b−1) 多価カルボン酸、及び/又は、
(b−2) 多価カルボン酸無水物
を含んでなる硬化剤である、
熱硬化性粉体塗料組成物。
【0029】
[17]樹脂組成物成分(A)と硬化剤組成物成分(B)を含有する熱硬化性粉体塗料組成物であって、
前記成分(A)は、
SブロックとGブロックとを含んで構成されるブロック共重合体であり、
SブロックとGブロックの溶解性パラメーターを、それぞれ、SPSとSPGとしたときに、
SPSとSPGが、それぞれ、下記数式(III)[数5]と、前記数式(I)で表され、
SブロックとGブロックの重量を、それぞれ、MSとMGとしたときに、
SとMGの関係が、前記数式(II)で表され、
Sブロックが、前記成分(B)と反応性を有する官能基を有するものであり、
前記成分(B)は、
(b−1) 多価カルボン酸、及び/又は、
(b−2) 多価カルボン酸無水物
を含んでなる硬化剤である、
熱硬化性粉体塗料組成物。
【0030】
【数5】
Figure 0004697994
[18]ブロック共重合体が、
Sブロックが幹であり、Gブロックが枝であるグラフト共重合体である、
上記[17]に記載した熱硬化性粉体塗料組成物。
【0031】
[19]Sブロック及び/又はGブロックが、
ビニル系重合体である、
上記[17]又は[18]に記載した熱硬化性粉体塗料組成物。
【0032】
[20]Sブロック及び/又はGブロックが、
(メタ)アクリル系ビニル重合体である、
上記[17]又は[18]に記載した熱硬化性粉体塗料組成物。
【0033】
[21]樹脂組成物成分(A)と硬化剤組成物成分(B)を含有する熱硬化性粉体塗料組成物であって、
前記成分(A)は、
SブロックとGブロックとを含んで構成されるブロック共重合体であり、
SブロックとGブロックの溶解性パラメーターを、それぞれ、SPSとSPGとしたときに、
SPSとSPGが、それぞれ、下記数式(IV)[数6]と、下記数式(V)[数7]で表され、
SブロックとGブロックの重量を、それぞれ、MSとMGとしたときに、
SとMGの関係が、前記数式(II)で表され、
Sブロックが、前記成分(B)と反応性を有する官能基を有するものであり、
前記成分(B)は、
(b−1) 多価カルボン酸、及び/又は、
(b−2) 多価カルボン酸無水物
を含んでなる硬化剤である、
熱硬化性粉体塗料組成物。
【0034】
【数6】
Figure 0004697994
【0035】
【数7】
Figure 0004697994
【0036】
【発明の実施の形態】
[樹脂組成物成分(A)]
[成分(a−1)で使用するビニル系重合体]
[成分(a−1−1)で使用するビニル系重合体]
成分(a−1)において、(a−1−1)は、溶解性パラメーターが10.0以下である下記のビニル系重合体であれば特に制限はされない。
【0037】
(a−1−1)は、末端に重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系マクロマーからなるビニル系重合体である。
【0038】
(a−1−1)は、成分(a−2)にグラフト化反応されることにより、その優れた効力を発揮する。グラフト化反応の方法は、特に制限されるものではない。
【0039】
[マクロマー]
マクロマーとは、末端に重合性反応基を有する分子量数百〜数万のポリマーである。マクロマーという言葉は、もともとPPG社により登録された商標であったが、今では普通名詞となっている。末端は重合可能な官能基であり、典型的なものはビニル基である。マクロマーを用いることにより構造の明確なグラフト共重合体を容易に得ることができる。「高分子大辞典」高分子学会編集、朝倉書店発行等に記載されている。
【0040】
[グラフト化反応]
グラフト化反応とは、幹ポリマーに、幹とは異なる化学構造を有する枝ポリマーを結合させ、グラフト共重合体をつくる反応をいう。「高分子大辞典」高分子学会編集、朝倉書店発行等に記載されている。
【0041】
[(a−1−1)の使用量]
(a−1−1)の使用量は、後述する成分(a−2)100重量部に対して、0.01〜10重量部であり、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.5〜2重量部である。0.01未満では、表面張力を低下させる効果が十分に発揮されず耐ハジキ性、外観特性が損なわれてしまう。さらに、塗膜を疎水性にする効果も損なわれ、耐酸性雨性を低下させてしまい、その効果を十分に発揮することができない。また、10重量部を越えてしまうと塗膜表面の架橋密度の低下により物理特性、化学特性等が低下してしまう。
【0042】
[(a−1)の溶解性パラメーター]
溶解性パラメーターは、10.0以下であり、好ましくは9.5以下である。さらに好ましくは9.0以下である。10.0を超えると、表面張力を低下させる効果が十分に発揮されず耐ハジキ性、外観特性が損なわれてしまう。さらに、塗膜を疎水性にする効果も損なわれ、耐酸性雨性を低下させてしまい、その効果を十分に発揮することができない。
【0043】
溶解性パラメーターは、10.0〜7.0であり、好ましくは9.5〜7.0である。さらに好ましくは9.0〜7.0である。10.0を超えると、表面張力を低下させる効果が十分に発揮されず耐ハジキ性、外観特性が損なわれてしまう。さらに、塗膜を疎水性にする効果も損なわれ、耐酸性雨性を低下させてしまい、その効果を十分に発揮することができない。
【0044】
末端に重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系マクロマーの溶解性パラメーターは、一般的には、7.0〜14.0の範囲である。
【0045】
[溶解性パラメーター計算方法]
本発明において、溶解性パラメーターはFedorsの方法により決定される。該方法は「Polymer Enginnering and Science,14巻、2月号、147〜154貢、1974年」に記載されている。
[(a−1−1)の数平均分子量]
数平均分子量は、1000〜20000であり、さらに好しくは3000〜10000である。分子量は、1000以下では物理特性、化学特性等が低下してしまい、また、20000以上でも外観特性が損なわれてしまい、その効果が十分に発揮されない。
【0046】
本発明において、数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレンを標準として評価することができる。
【0047】
[(a−1−1)のラジカル重合性不飽和二重結合数]
ラジカル重合性不飽和二重結合は1個以上であり、成分(a−2)とグラフトすることにより、その優れた効力を発現する。しかし、多すぎるとゲル化等の弊害を生じるので、適時、適切な個数を選択することが望ましい。
【0048】
[(a−1−1)代表例]
(a−1−1)は、末端に重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系マクロマーからなり、溶解性パラメーターが10.0以下であれば特に限定されるものでない。代表例としては、アクリル系マクロマー AB−6,AW−6S(東亜合成製)等をあげることができる。
【0049】
[成分(a−1−2)で使用するビニル系重合体]
成分(a−1)において、(a−1−2)は、1分子中に少なくとも1個の、非ラジカル重合性で(a−2)と反応性を有する官能基を有し、溶解性パラメーターが10.0以下である(メタ)アクリル系ビニル重合体からなるビニル系重合体であれば特に制限はされない。
【0050】
(a−1−2)は、成分(a−2)にグラフト化反応されることにより、その優れた効力を発揮する。グラフト化反応の方法は、特に制限されるものではない。
【0051】
[(a−1−2)の使用量]
(a−1−2)の使用量は0.01〜10重量部であり、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.5〜2重量部である。0.01未満では、表面張力を低下させる効果が十分に発揮されず耐ハジキ性、外観特性が損なわれてしまう。さらに、塗膜を疎水性にする効果も損なわれ、耐酸性雨性を低下させてしまい、その効果を十分に発揮することができない。また、10重量部を越えてしまうと塗膜表面の架橋密度の低下により物理特性、化学特性等が低下してしまう。
【0052】
[(a−1−2)の数平均分子量]
数平均分子量は、1000〜20000であり、さらに好しくは3000〜10000である。分子量は、1000未満では物理特性、化学特性等が低下してしまい、その効果が十分に発揮されない。また、20000を超えると、外観特性が損なわれてしまう。
【0053】
[(a−1−2)の非ラジカル重合性官能基数]
非ラジカル重合性官能基は1個以上であり、成分(a−2)とグラフト化反応することにより、その優れた効力を発現する。しかし、多すぎるとゲル化等の弊害を生じるので、適時、適切な個数を選択することが望ましい。
【0054】
[(a−1−2)の代表例]
(a−1−2)は、1分子中に少なくとも1個の非ラジカル重合性で成分(a−2)と反応性を有する官能基を有し、溶解性パラメーターが10.0以下であり、(メタ)アクリル系ビニル重合体からなるビニル系重合体であれば特に限定されるものでない。(a−1−2)を構成する単量体としては、炭素原子数が1〜14のアルキル基又はシクロヘキシル基を有するアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル単量体、例えば、メチル−、エチル−、n−プロピル−、イソプロピル−、n−ブチル−、イソブチル−、n−アミル−、イソアミル−、n−ヘキシル−、シクロヘキシル−、2−エチルヘキシル−、オクチル−、2−エチルオクチル−、デシル−、ドデシル−、シクロヘキシル−等のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを含むアクリル酸誘導体又はメタクリル酸誘導体、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル類、マレイン酸やイタコン酸等のジカルボン酸のエステル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ふっ化ビニル、モノクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロプレン等のハロゲン化エチレン系不飽和単量体類、アクリロニトリルやメタアクリロニトリル等のニトリル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、炭素原子数4乃至20のα−オレフィン等のα−オレフィン類、ラウリルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン、4−ビニルピロリドン等の含窒素ビニル類、ビニルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート等の水酸基含有ビニル単量体類、グリシジルメタクリレ−ト、グリシジルアクリレ−ト、β−メチルグリシジルメタクリレ−ト、β−メチルグリシジルアクリレ−ト、アクリルグリシジルエ−テル等のグリシジル基含有ビニル単量体類、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシルキ含有ビニル単量体類、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有ビニル単量体類等のエチレン系不飽和単量体を挙げることができ、これら2種以上を混合・組合せて使用することができる。なお、上記各例のうち(メタ)アクリル系ビニル単量体以外の単量体は、任意の共重合成分として使用可能なものである。
【0055】
[誘導体]
本出願において用いる「誘導体」なる語の概念には、特定の化合物の水素原子が、他の原子あるいは原子団Rによって置換されたものを包含する。ここでRは、少なくとも1個の炭素原子を含む1価の炭化水素基であり、より具体的には、脂肪族、実質的に芳香族度の低い脂環族、これらを組み合わせた基、又はこれらが窒素、硫黄、けい素、燐などで結合されるような2価の残基であってもよく、これらのうち特に、狭義の脂肪族系の構造のものが好ましい。Rは、上記のものに、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、アルコキシル基、シクロアルコキシル基、アリルオキシル基、ハロゲン(F、Cl、Br等)基等が置換した基であってもよい。これらの置換基を適宜選択することにより、本発明に係る粉体塗料組成物により形成される塗膜の諸特性を制御することができる。
【0056】
[(a−2)で使用するビニル系重合体]
[(a−2−1)を構成する単量体]
ビニル系重合体(a−2)において、(a−2−1)を構成する単量体は、ラジカル重合性不飽和二重結合以外の反応性官能基を有さない少なくとも1種の(メタ)アクリル系ビニル単量体であれば特に制限されない。
【0057】
成分(a−2−1)を構成するビニル単量体の具体例としては、炭素原子数が1〜14のアルキル基又はシクロヘキシル基を有するアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル単量体、例えば、メチル−、エチル−、n−プロピル−、イソプロピル−、n−ブチル−、イソブチル−、n−アミル−、イソアミル−、n−ヘキシル−、シクロヘキシル−、2−エチルヘキシル−、オクチル−、2−エチルオクチル−、デシル−、ドデシル−、シクロヘキシル−等のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを含むアクリル酸誘導体又はメタクリル酸誘導体等を挙げることができ、これらを単独で又は2種以上を混合・組合せて使用することができる。
【0058】
成分(a−2−1)を構成するビニル単量体の任意の共重合成分の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル類、マレイン酸やイタコン酸等のジカルボン酸のエステル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ふっ化ビニル、モノクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロプレン等のハロゲン化エチレン系不飽和単量体類、アクリロニトリルやメタアクリロニトリル等のニトリル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、炭素原子数4乃至20のα−オレフィン等のα−オレフィン類、ラウリルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン、4−ビニルピロリドン等の含窒素ビニル類等他のエチレン系不飽和単量体を挙げることができ、これらを単独で又は2種以上を混合・組合せて使用することができる。
【0059】
成分(a−2−1)は、得られる塗膜の耐候性の向上、基剤への密着性、硬さに寄与すると考えられる。
【0060】
また、一般的には、成分(a−2−1)において、スチレン等の芳香族ビニル類やブタジエン等の共役ジエン類を多用(例えば、(a−2)の全量に対して、40重量%以上使用)した場合も、得られる塗膜の耐候性が低下する傾向がみられる場合があり、このような場合は好ましくない。成分(a−2−1)において、アクリロニトリル等のニトリル類を多用した場合は、塗膜の着色が大きくなる傾向が見られる場合があり、外観上好ましくない。
【0061】
[(a−2−2)を構成する単量体]
ビニル系重合体(a−2)において、(a−2−2)を構成する単量体は、少なくとも1個の非ラジカル重合性の反応性官能基を併せ持った少なくとも1種の(メタ)アクリル系ビニル単量体であれば特に制限されない。
【0062】
「非ラジカル重合性の反応性官能基」としては、グリシジル基、エポキシ基、水酸基、アミノ基等であり、特に限定されるものでないが、好ましくはグリシジル基を上げることができる。
【0063】
少なくとも1つのグリシジル基を分子内に有する(メタ)アクリル系ビニル単量体の具体例としては、例えば、グリシジルメタクリレ−ト、グリシジルアクリレ−ト、β−メチルグリシジルメタクリレ−ト、β−メチルグリシジルアクリレ−ト、アクリルグリシジルエ−テル等が挙げられ、これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0064】
[(a−2−2)の使用量]
(a−2−2)の使用量は、(a−2−1)と(a−2−2)の合計量に対し、20〜60重量%であり、好ましくは30〜55重量%、より好ましくは40〜50重量%である。20重量%未満では耐擦傷性、耐酸性雨性等が劣ってしまう。また、60%を超えると、十分な溶融時間を得ることができず外観特性が損なわれてしまう。
【0065】
[ガラス転移温度]
粉体塗料組成物の貯蔵安定性、粉体塗料焼付時に塗料組成物流動性低下に起因する塗膜平滑性等を考慮して、成分(a−2)のガラス転移温度は30〜120℃であり、好ましくは40〜110℃、さらに好ましくは50〜100℃である。ガラス転移温度が30℃未満では、貯蔵安定性が低下してしまう。また、120℃を超えると、好ましい溶融粘度が得られず外観特性が低下してしまう。
【0066】
[ガラス転移温度]
特定の単量体組成を有する重合体のガラス転移温度は、フォックス(Fox)の式より計算により求めることができる。ここで、フォックスの式とは、共重合体を形成する個々の単量体について、その単量体の単独重合体のガラス転移温度に基づいて、共重合体のガラス転移温度を算出するためのものであり、その詳細は、ブルテン・オブ・ザ・アメリカン・フィジカル・ソサエティー,シリーズ2(Bulletin of the American Physical Society,Series 2)1巻、3号、123〜頁(1956年)に記載されている。フォックスの式による共重合体のガラス転移温度を評価するための基礎となる各種エチレン性不飽和単量体についてのガラス転移温度は、例えば、新高分子文庫・第7巻・塗料用合成樹脂入門(北岡協三著、高分子刊行会、京都、1974年)168〜169頁の表10−2(塗料用アクリル樹脂の主な原料単量体)に記載されている数値を採用することができる。
【0067】
[(a−2)の溶解性パラメーター]
(a−2)の溶解性パラメーターは、(a−1)の溶解性パラメーターより高くなければならない。(a−1)より低い場合には、(a−1)の効果を阻害してしまい外観特性、物理特性、化学特性が低下してしまう。
【0068】
(a−2)の溶解性パラメーターは、一般的には、14.0以下である。
【0069】
[(a−2)の数平均分子量]
(a−2)の数平均分子量は、約1,000〜約20,000の範囲が好ましく、約2,000〜約10,000の範囲がより好ましい。数平均分子量が約1,000未満では、貯蔵安定性、物理特性、化学特性が低下してしまう。また、20000を超えると、好ましい溶融粘度が得られず外観特性が低下してしまう。
【0070】
また、ビニル系共重合体(a−2)の分子量を調整する方法としては、ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類、ジベンゾイルスルフィドなどのジスルフィド類、チオグリコール酸2−エチルヘキシルなどのチオグリコール酸の炭素原子数1〜18のアルキルエステル類、四臭化尿素などのハロゲン化炭化水素類の連鎖移動剤、イソプロピルアルコール、イソプロピルベンゼン、トルエン等の連鎖移動効果の大なる有機溶剤の存在下に重合する等の手段を用いることができる。
【0071】
[(a−2)の合成法]
(a−2)の合成法は、実質的に所望の特性を有するものが得られるのであれば、特に限定されないが、溶液重合法が好適に用いられる。
【0072】
[(a−1)のグラフト化反応方法]
[(a−1−1)のグラフト化反応方法]
(a−1−1)をグラフト化反応させる方法は、特に制限されるものでないが、具体的な方法として、アクリル及び/メタクリル系共重合体に関して、次のような方法が採用できる。
【0073】
通常の溶液重合において、
▲1▼ アクリル系及び/又はメタクリル系単量体、重合開始剤溶液中に(a−1−1)を溶解した溶液を、所定の温度にて有機溶剤溶液中に滴下してグラフト化反応させる。
▲2▼ あらかじめ有機溶剤溶液中に(a−1−1)を溶解しておき、所定の温度にてアクリル系及び/又はメタクリル系単量体及び重合開始剤溶液を滴下してグラフト化反応させる。
【0074】
[(a−1−2)のグラフト化反応方法について]
(a−1−2)をグラフト化反応させる方法は、特に制限されるものでないが、具体的な方法として、アクリル及び/メタクリル系共重合体に関して、上記(a−1−1)のグラフト化反応方法▲1▼、▲2▼以外にも次のような方法が採用できる。
▲3▼ (a−1−2)と(a−2)を有機溶剤中で均一混合し、所定の温度にて保持することによりグラフト化反応させる。
上記方法▲1▼、▲2▼、▲3▼にて使用される有機溶剤は、特に限定されるものでないが、キシレン、トルエン等を使用することが好ましい。
【0075】
[硬化剤成分(B)]
本発明において、硬化剤成分(B)は、多価カルボン酸系硬化剤を含んでなる。
【0076】
本発明の熱硬化性粉体塗料に使用する硬化剤(B)としては、多価カルボン酸及び/又は多価カルボン酸無水物からなる群から選択された少なくとも1種類の化合物である。この化合物は本発明の粉体塗料用樹脂組成物の分子内に存在するエポキシ基(グリシジル基)と反応する硬化剤成分である。
【0077】
多価カルボン酸系化合物としては、脂肪族、芳香族、脂環族の何れの化合物も使用できる。芳香族多価カルボン酸の具体例としては、例えば、イソフタル酸、トリメリット酸等が挙げられ、これらは単独で又は組み合わせて使用する事ができる。脂環式多価カルボン酸の具体例としては、例えば、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸等が挙げられ、これらは単独で又は組み合わせて使用する事ができる。また、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂等も使用できる。
【0078】
但し、本発明においては、脂肪族多価カルボン酸系化合物を用いることが、平滑性、耐候性等の塗膜特性の点で好ましい。
【0079】
本出願の明細書において用いる「脂肪族」なる語の概念には、狭義の脂肪族のみならず、実質的に芳香族度が低い脂環族をも包含する。すなわち、この「脂肪」化合物なる語の概念には、少なくとも1個の炭素原子を含む2価の炭化水素基を分子内に有する、実質的に芳香族度の低い化合物からなる群をも包含し、具体的には、狭義の脂肪族基のみならず、実質的に芳香族度の低い脂環族基、これらを組み合わせた基、又はこれらが水酸基、窒素、硫黄、けい素、りんなどで結合されるような2価の残基を分子内に有する化合物からなる群をも包含し、さらに具体的には、上記のものに例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、アルコキシル基、シクロアルコキシル基、アリルオキシル基、ハロゲン(F,Cl,Br等)基等が置換した基を分子内に有する化合物からなる群をも包含する。これらの置換基を適宜選択することにより、本発明に係る共重合体の諸特性(耐熱性、強靭性、分解性、強度特性等)を制御することができる。本出願の明細書において用いる「脂肪族」化合物なる語の概念には、一種類の化合物のみならず、二種類以上の組合せによるものをも包含する。
【0080】
以下、この脂肪族多価カルボン酸系化合物の例について説明する。
【0081】
[脂肪族多価カルボン酸系硬化剤成分(b−1)]
脂肪族多価カルボン酸は、実質的に、分子内にカルボキシル基を、少なくとも2個有する脂肪族化合物であれば、特に制限されず、1種類又は2種類以上を用いることができる。
【0082】
脂肪族多価カルボン酸(b−1)の具体例としては、脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、クエン酸、ブラシル酸、ウンデカン2酸、ドデカン2酸、エイコサン2酸、オクタデカン2酸等が挙げられ、これらの中では、ドデカン2酸が好ましく、これらは単独で又は組み合わせて使用する事ができる。
【0083】
平滑性、耐衝撃性、耐候性等の塗膜特性に関して、脂環式多価カルボン酸については、芳香族度が高くなるに従い、塗膜特性が劣化する。
【0084】
[脂肪族多価カルボン酸無水物(b−2)]
本発明において多価カルボン酸無水物(b−2)は、実質的に、分子内にカルボキシル基を有するか又は有しない、線状の2量体以上のオリゴ又はポリの脂肪族の酸無水物であって、分子内に実質的に存在するカルボキシル基及び/又は酸無水物基を、少なくとも2個有する化合物であれば、特に制限されず、1種類または2種類以上を用いることができる。
【0085】
脂肪族多価カルボン酸無水物(b−2)として使用することができる、1種類の脂肪族多価カルボン酸を脱水縮合して得られる線状重縮合物のある種のものは、以下の一般式(1)[化1]で表すことができる。
【0086】
【化1】
Figure 0004697994
ここで、mは、1以上、nは2以上の、それぞれ、自然数であり、好ましくはmは30以下である。
【0087】
脂肪族多価カルボン酸(b−1)の脱水縮合物が挙げられ、これらの中では、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、エイコサン2酸及びドデカン2酸等の脱水縮合物が挙げられ、ドデカン2酸の脱水線状縮合物が、さらに好ましい。代表例としては、Additol XVL1381(ビアノバレジン製)等がある。
【0088】
脂肪族多価カルボン酸酸無水物(b−2)は、融点が40〜150℃の範囲にあるように調製することが好ましい。
【0089】
[多価カルボン酸系硬化剤(B)の使用量]
共重合体(a−2)中のグリシジル基1当量に対し、多価カルボン酸(B)中のカルボキシル基は、0.3〜1.2当量が望ましく、0.5〜1.1当量が好ましく、0.7〜1.0当量がより好ましい。カルボキシル基等量が0.3未満では、耐擦傷性、耐酸性等が低下し、1.2を超えると平滑性、鮮映性等外観特性が低下してしまう。
【0090】
[添加剤]
本発明の方法では、通常、塗料に添加される種々の添加剤が添加される。
【0091】
本発明の熱硬化性粉体塗料組成物には、目的に応じ、適宜、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミドなどを包含する合成樹脂組成物、繊維素又は繊維素誘導体などを包含する天然樹脂又は半合成樹脂組成物を配合して塗膜外観又は塗膜物性を向上させることもできる。
【0092】
本発明の熱硬化性粉体塗料には、目的に応じ、適宜、硬化触媒、顔料、流動調整剤、チクソ剤(チクソトロピー調整剤)、帯電調整剤、表面調整剤、光沢付与剤、ブロッキング防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、ワキ防止剤、酸化防止剤等の添加剤を配合してもよい。またクリアコートとして使用する場合に少量の顔料を配合し、完全に隠ぺい性の発現しない程度に着色していてもよい。
【0093】
[粉体塗料組成物の混練について]
(A)及び(B)を含む組成物を機械的に混練する際の被混練物の温度は、実質的に均一な粉体塗料組成物を調製できれば特に制限されない。溶融混練装置としては、通常、加熱ロール機、加熱ニーダー機、押出機(エクストルーダー)等を使用する。
【0094】
本発明の熱硬化性粉体塗料組成物を配合する方法の具体例としては、ロール機、ニーダー機、ミキサー(バンバリー型、トランスファー型等)、カレンダー設備、押出機(エクストルーダー)等の混練機や捏和機を、適宜、組み合わせ、各工程の条件(温度、溶融若しくは非溶融、回転数、真空雰囲気、不活性ガス雰囲気等)を、適宜、設定して、充分に均一に混合し、その後、粉砕装置により、均一な微細粉末状態の粉体塗料組成物を得る方法を採用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0095】
[粉体塗料組成物の粉砕について]
混練により得られた塊状塗料は、冷却の後、平均粒径10〜90μm程度となるように粉砕される。使用される粉砕器としては、ハンマーミル等が挙げられる。
【0096】
[塗装方法及び焼付方法]
粉砕により得られた粉体塗料は、静電塗装法、流動浸漬法等の塗装方法によって、熱硬化性粉体塗料組成物の粉末を、塗装対象物に付着せしめ、加熱して熱硬化させ塗膜を形成させる。本発明の熱硬化性粉体塗料組成物の焼き付けは、通常、約100℃〜約180℃、より好ましくは、約120℃〜約160℃の温度において、通常、約10分間〜約60分間、行うことにより、樹脂組成物(A)と硬化剤(B)との架橋反応を行うことができる。焼き付け後、室温までに冷却後、優れた特性を有する塗膜を得ることができる。
【0097】
また、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物を上塗り塗料として用いる場合、その下塗り塗料として、従来の溶剤型塗料のみならず、水性塗料を用いた場合においても、焼き付け後の塗膜は溶剤型塗料を用いた場合と同様に、本発明の塗料は優れた特性を有する。
【0098】
即ち、水性下塗り塗料(顔料入り及び/又は金属粉入りを含む)を塗装し、所定の時間乾燥させた後、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物を上記の方法によって下塗り塗料の上に付着せしめ、加熱して熱硬化させ塗膜を形成させる。
【0099】
本発明に係る熱硬化性粉体塗料組成物の塗装方法は、自動車の車体又は自動車部品(アルミホイール、ワイパー、センターピラー等)へも用いられる。
【0100】
本発明に係る熱硬化性粉体塗料組成物を、適当な又は公知・公用の塗装方法により形成した塗膜は、優れた貯蔵安定性(耐ブロッキング性等)、外観特性(ハジキ、平滑性、鮮映性等)、物理特性(硬度、耐擦傷性等)、化学特性(耐候性、耐酸性、耐溶剤性等)に関し、優れた性能を有する。
【0101】
【実施例】
本出願の明細書において、製造例、実施例及び態様は、本出願に係る発明の内容の理解を支援するためのものであって、その記載によって、本発明がなんら限定される性質のものではない。
【0102】
説明中「部」及び「%」は、特に説明のない限り、重量による値である。
【0103】
[塗装板の調製]
ポリエステル−メラミン架橋の黒色塗料を、りん酸亜鉛処理を施した0.8mm厚のボンデライト鋼板に、20μm厚で塗装し、その後、170℃、30分間焼付けをして、下地処理鋼板を調製した。
【0104】
[性能評価]
性能評価は次のようにして行なった。
【0105】
▲1▼ 粉体塗料のブロッキング性試験<
粉体塗料6.0gを内径20mmの円筒形容器に入れ、30℃で7日間貯蔵後粉体を取り出し粉体塗料のブロッキング状態を目視及び指触で観察し、◎〜×で評価した。
◎ 全く異常がない。
○ やや劣る。
× 劣る。
【0106】
▲2▼ 目視外観(平滑性、鮮映性)
塗膜外観を目視判定して、◎〜×で評価した。
◎ 特に優れている。
○ 良好。
× 劣る。
【0107】
▲3▼ 光沢
光沢計での測定(60゜グロス)値で示した。
【0108】
▲4▼ 耐ハジキ性
塗膜のハジキの有無を目視判定し、○、×で評価した。
○ ハジキ有り
× ハジキ無し
▲5▼ 塗膜硬度試験
鉛筆引っ掻き試験(日本工業規格 JIS K5400 6.14に準ずる。)により評価した。表示は鉛筆硬度記号で示した。
【0109】
▲6▼ 耐擦傷性
塗膜表面を3%の研磨剤懸濁液を用いてブラシで摩擦する擦傷試験を行ない、摩擦の前後で光沢の(20°グロス)評価を行ない、光沢保持率を算出した。
【0110】
光沢保持率を◎、○、×で評価した。
◎ 60%以上
○ 40%以上60%未満<
× 40%未満
▲7▼ 耐酸性試験
10容積%の硫酸を塗膜表面に滴下し、室温にて1日放置した。その後、硫酸滴を拭き取り、外観を観察して、◎、○、×で評価した。
◎ 痕跡なし
○ 極若干の痕跡
× 痕跡あり
▲8▼ 耐溶剤性
キシロールを含浸させたガーゼで塗膜表面を往復50回擦った後、その塗膜を観察して、◎、○、×で評価した。
◎ 痕跡がない。
○ 極若干の痕跡
× 痕跡がある。
【0111】
▲9▼ 耐候性試験
QUVテスターによる2000時間の促進テストを行い、促進テスト前後の塗膜の光沢度を測定し、光沢残存率(%)を求めた。光沢残存率は数式(VI)[数8]により計算した。
【0112】
【数8】
Figure 0004697994
[ビニル系重合体(a−1−2)製造例1,2]
撹拌機、温度計、還流コンデンサ−及び窒素導入管を備えた4ッ口フラスコにキシレン66.7部を仕込み、還流温度まで昇温した。ここに表1に示す単量体(部)に重合開始剤としてN,N’−アゾビスイソブチロニトリル1.0部を溶解し、その混合溶液を5時間に渡り滴下して、さらに、その後は100℃で5時間保持した。得られた重合溶液の溶剤を除去することによりビニル系共重合体(製造例1、2)を得た。表1に、得られた共重合体の特性値も併せて記載した。
【0113】
[ビニル系重合体(a−1−2)比較製造例]
表2に示す単量体組成を、上記(a−1−2)製造例と同様の方法にてビニル系共重合体(比較製造例1、2、3)を得た。表2に、得られた共重合体の特性値も併せて記載した。
【0114】
[ビニル系重合体(A)製造例1,2]
撹拌機、温度計、還流コンデンサ−及び窒素導入管を備えた4ッ口フラスコにキシレン66.7部を仕込み、還流温度まで昇温した。ここに表3に示す単量体(部)及び(a−1−1)(部)に重合開始剤としてN,N’−アゾビスイソブチロニトリル3.5部を溶解し、その混合溶液を5時間に渡り滴下して、さらに、その後は100℃で5時間保持した。得られた重合溶液の溶剤を除去することによりビニル系共重合体(製造例1、2)を得た。表3に、得られた共重合体の特性値も併せて記載した。
【0115】
[ビニル系重合体(A)製造例3,4,5,6,7,8]
撹拌機、温度計、還流コンデンサ−及び窒素導入管を備えた4ッ口フラスコにキシレン66.7部を仕込み、還流温度まで昇温した。ここに表3に示す単量体(部)に重合開始剤としてN,N’−アゾビスイソブチロニトリル3.5重量部を溶解し、その混合溶液を5時間に渡り滴下して、さらに、その後は100℃で5時間保持した。得られた重合溶液に表3に示した(a−1−2)を添加して、溶剤を除去することによりビニル系共重合体(製造例3,4,5,6,7,8,)を得た。表3に、得られた共重合体の特性値も併せて記載した。 [ビニル系重合体(A)比較製造例1]
撹拌機、温度計、還流コンデンサ−及び窒素導入管を備えた4ッ口フラスコにキシレン66.7部を仕込み、還流温度まで昇温した。ここに表4に示す単量体(部)及びAA−6(部)※4に重合開始剤としてN,N’−アゾビスイソブチロニトリル3.5部を溶解し、その混合溶液を5時間に渡り滴下して、さらに、その後は100℃で5時間保持した。得られた重合溶液の溶剤を除去することによりビニル系共重合体(比較製造例1)を得た。表4に、得られた共重合体の特性値も併せて記載した。
【0116】
[ビニル系重合体(A)比較製造例2,3,4,5,6,7,8,9]
撹拌機、温度計、還流コンデンサ−及び窒素導入管を備えた4ッ口フラスコにキシレン66.7部を仕込み、還流温度まで昇温した。ここに表4に示す単量体(部)に重合開始剤としてN,N’−アゾビスイソブチロニトリル3.5部を溶解し、その混合溶液を5時間に渡り滴下して、さらに、その後は100℃で5時間保持した。得られた重合溶液に表4に示した(a−1−2)製造例1、又は、(a−1−2)比較製造例1,2,3を添加して、溶剤を除去することによりビニル系共重合体(比較製造例2,3,4,5,6,7,8,9)を得た。表4に、得られた共重合体の特性値も併せて記載した。
【0117】
[実施例1,2,3,4,5,6,7,8]
アクリル系共重合体(A)(製造例1,2,3,4,5,6,7,8)と(B)を表5に示す割合(部)で配合し、(A)、(B)合計100重量部に対して、チヌビン144(チバガイギー社製、光安定化剤)、ベンゾイン(ワキ防止剤)を各1部ずつ、チヌビン900(チバガイギー社製、紫外線吸収剤)を2部添加し、上記混合物を加熱ロールにて90℃の条件下溶融混練して冷却後、粉砕機にて微粉砕し、150メッシュの篩を通過した区分を集め粉体塗料を得た。得られた粉体塗料を下地処理鋼板上に静電スプレーにて60〜70μmの膜厚になるように塗装後、150℃で30分間加熱しテスト板を得た。
【0118】
[実施例9]
製造例1で製造したアクリル系共重合体(A)を72.0部、多価カルボン酸系硬化剤(B)として市販の脂肪族ポリ酸無水物硬化剤であるAdditol VXL1381(ヘキスト社製)を28.0部、硬化触媒としてオクタン酸錫(ネオスタンU−28、日東化成(株)製)を0.2部使用した以外は、実施例1と全く同様な方法によりテスト板を得た。
【0119】
[比較例1〜6,9,10]
アクリル系共重合体((A)比較製造例1〜9)と(B)を表6に示す割合(部)で配合した以外は、実施例1と全く同様な方法によりテスト板を得た。
【0120】
[比較例7,8]
(A)比較製造例7で製造したアクリル系共重合体を79.3部、ドデカン2酸を20.7部、(a−1−2)比較製造例3又は(a−1−2)製造例2を1.0部使用した以外は、実施例1と全く同様な方法によりテスト板を得た。
【0121】
[実施例、比較例評価結果]
実施例1〜9で形成した粉体塗料及び塗膜の評価を行った結果を表7に示す。また、これに関連する比較例1〜10で形成した粉体塗料及び塗膜の評価を行った結果を表8に示す。表7に示した実施例1〜8の粉体塗料組成物は本発明の数値範囲内であり、これらの結果は、本発明が優れた貯蔵安定性(耐ブロッキング性等)、外観特性(ハジキ、平滑性、鮮映性等)、物理特性(硬度、耐擦傷性等)、化学特性(耐候性、耐酸性、耐溶剤性等)を有した塗膜を与えることのできる熱硬化性粉体塗料組成物であることを示している。
【0122】
比較例1,2,3は(a−1)の溶解性パラメーターが10より大きい場合であり、耐ハジキ性、耐酸性等が劣った。
【0123】
比較例4,5は(a−1)が本願発明の請求範囲外の使用量であり、請求範囲未満では、外観、耐ハジキ性、耐酸性が劣った。また、請求範囲を超える範囲では、耐酸性等が劣った。
【0124】
比較例6,7,8は、(a−1)が(a−2)にグラフト化反応されてない場合であり、ブロッキング性、耐ハジキ性等が劣った。
【0125】
比較例9,10は(a−2−2)が本願発明の請求範囲外の使用量であり、この場合、請求範囲未満では、耐擦傷性、耐溶剤性が劣った。また、請求範囲を超える範囲では、外観が劣った。
【0126】
表7には、実施例1〜9の評価結果を示した。
【0127】
表8には、比較例1〜10の評価結果を示した。
【0128】
【表1】
Figure 0004697994
【0129】
【表2】
Figure 0004697994
【0130】
【表3】
Figure 0004697994
【0131】
【表4】
Figure 0004697994
【0132】
【表5】
Figure 0004697994
【0133】
【発明の効果】
本発明は、従来技術では達成されなかった、貯蔵安定性、外観特性、物理特性、化学特性を有した、熱硬化性粉体塗料組成物(例えば、アクリル系熱硬化性粉体塗料組成物)、及びそれに用いる熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物に関するものであり、特に、自動車等の車輌の車体、及び、自動車等の車輌の部品(アルミホイール、ワイパー、ピラー、ドアハンドル、フェンダー、ボンネット、エアスポイラー、スタビライザー、フロントグリル等)の塗装−特に、上塗り塗装−に好適に適用される、熱硬化性粉体塗料組成物(例えば、アクリル系熱硬化性粉体塗料組成物)を提供するものである。

Claims (8)

  1. (メタ)アクリル系ビニル重合体で構成されるビニル系重合体G(枝)ブロック(成分(a−1))が、(メタ)アクリル系ビニル重合体で構成されるビニル系重合体S(幹)ブロック(成分(a−2))に対するグラフト部となるようにグラフト化反応させて得られる(ブロック)共重合体からなる樹脂組成物成分(A)を含む熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物であって、
    成分(a−1)と成分(a−2)の溶解性パラメーターを、それぞれ、SPGとSPSとしたときに、SPGは7以上10.0以下であり、SPSは14.0以下であり、SPGとSPSが下記数式(I)[数1]で表され、成分(a−1)と成分(a−2)の重量を、それぞれ、MGとMSとしたときに、MGとMSが下記数式(II)[数2]で表され、
    前記成分(a−1)が、
    (a−1−1)末端に重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系マクロマーからなる数平均分子量1000〜20000のビニル系重合体、及び/又は
    (a−1−2)1分子中に少なくとも1個の前記成分(a−2)と反応性を有する非ラジカル重合性の官能基を有する(メタ)アクリル系ビニル重合体からなる数平均分子量1000〜20000のビニル系重合体を含み、
    成分(a−2)を構成する為の単量体が、
    (a−2−1)ラジカル重合性不飽和二重結合以外の反応性官能基を有さない少なくとも一種の(メタ)アクリル系ビニル単量体、及び、
    (a−2−2)少なくとも1個の非ラジカル重合性の官能基を有する少なくとも一種の(メタ)アクリル系ビニル単量体を含み、成分(a−2−1)と成分(a−2−2)の合計重量100重量部に対して、成分(a−2−2)が20〜60重量部である熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物。
    Figure 0004697994
    Figure 0004697994
  2. 成分(a−1−2)の「非ラジカル重合性の官能基」が、
    カルボキシル基、酸無水物基、及び、アミノ基からなる群から選択された少なくとも一種である、
    請求項に記載した熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物。
  3. 成分(a−2−2)の「非ラジカル重合性の官能基」が、グリシジル基である、
    請求項1又は2に記載した熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物。
  4. 成分(a−2)が、30℃〜120℃のガラス転移温度を有するものである、
    請求項1乃至の何れか1項に記載した熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物。
  5. 樹脂組成物成分(A)と硬化剤組成物成分(B)を含有する熱硬化性粉体塗料組成物であって、
    前記成分(A)は、請求項1乃至の何れか1項に記載した熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物である、熱硬化性粉体塗料組成物。
  6. 前記成分(B)が、
    (b−1)多価カルボン酸、及び/又は、
    (b−2)多価カルボン酸無水物を含んでなる硬化剤である、
    請求項に記載した、熱硬化性粉体塗料組成物。
  7. 成分(b−1)を構成する多価カルボン酸が、脂肪族多価カルボン酸である、
    請求項に記載した、熱硬化性粉体塗料組成物。
  8. 成分(b−2)を構成する多価カルボン酸無水物が、脂肪族多価カルボン酸無水物である、
    請求項又はに記載した、熱硬化性粉体塗料組成物。
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