JP6730836B2 - 粉体塗料用主剤組成物 - Google Patents
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Description
この分級の工程で目的の粒子径から外れた粒子は除かれるため、粉砕性の悪い塗料樹脂では収率の低下に繋がり、微粉化のために粉砕工程を長時間化すると塗料化効率の低下にも繋がるだけでなく融着を起こしやすくなる。
また、多くの用途で平滑な粉体塗膜が求められているが、塗料の溶融粘度を低下させるためにガラス転移温度の低い添加剤を使用すると、塗料樹脂の粉砕性の低下や耐ブロッキング性の低下といった問題があった。
この問題点を改善するため、非結晶性ポリエステルとアクリル樹脂架橋剤と結晶性ポリエステルからなる粉体塗料(例えば、特許文献1)が検討されてきたが、満足できるものではなかった。
すなわち、本発明は、2種以上のセグメント(a)が化学結合で結合された樹脂(A)と、カルボキシル基および/または水酸基を有する非結晶性樹脂(B)とを含有してなり、樹脂(A)が、非結晶性樹脂(B)と相溶するセグメント(a1)と、非結晶性樹脂(B)と相溶しないセグメント(a2)とを有する粉体塗料用主剤組成物(X)である。
(1)粉体塗料用樹脂組成物に優れた粉砕性を付与する。
(2)粉体塗料用樹脂組成物の塗膜に優れた平滑性と硬化性とを付与する。
本発明における樹脂(A)は、少なくとも2種以上のセグメントが化学結合された樹脂であって、しかも非結晶性樹脂(B)に対して相溶するセグメント(a1)と、非結晶性樹脂(B)に対して相溶しないセグメント(a2)との両方を有する。
なお、本明細書中では、非結晶性樹脂(B)に対して相溶するセグメント(a1)を、単にセグメント(a1)とも記載し、非結晶性樹脂(B)に対して相溶しないセグメント(a2)を、単にセグメント(a2)とも記載する。
このようなセグメント(a1)としては、非結晶性樹脂(B)と相溶するものであれば特にその化学構造は限定されず、結晶性を有するセグメントでも結晶性を有しないセグメントでも差し支えないが、粉砕性の観点から、結晶性を有するセグメントが好ましい。このようなセグメント(a1)は、例えば以下の結晶性ポリエステル(a11)、結晶性ポリウレタン(a12)、結晶性ポリウレア(a13)、結晶性ポリアミド(a14)、結晶性ポリビニル(a15)等の化合物から構成される構造が挙げられる。セグメント(a1)としては、このような化合物から構成される構造が好ましい。
セグメント(a1)として使用できる結晶性ポリエステル(a11)としては、後述の非結晶性樹脂(B)と相溶するものであれば特にその化学構造は限定されない。
ジオール成分(x)のジオールとしては、脂肪族ジオール、炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等);炭素数4〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下、「アルキレンオキサイド」をAOと略記する)〔エチレンオキサイド(以下、「エチレンオキサイド」をEOと略記する)、プロピレンオキサイド(以下、「プロピレンオキサイド」をPOと略記する)、ブチレンオキサイド(以下、「ブチレンオキサイド」をBOと略記する)等〕付加物(付加モル数1〜30);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等)のAO(EO、PO、BO等)付加物(付加モル数2〜30);ポリラクトンジオール(ポリε−カプロラクトンジオール等);ポリブタジエンジオール等が挙げられる。これらの2種以上を併用してもよい。
必要によりジオール成分(x)と併用される3〜8価又はそれ以上の価数のポリオールとしては、炭素数3〜36の3〜8価又はそれ以上の価数の多価脂肪族アルコール(アルカンポリオール及びその分子内もしくは分子間脱水物、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、及びポリグリセリン;糖類及びその誘導体、例えばショ糖、及びメチルグルコシド);トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のAO付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラック等)のAO付加物(付加モル数2〜30);アクリルポリオール[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニル系モノマーの共重合物等];等が挙げられる。
なお、本発明における「酸(塩)」は、酸又は酸塩を意味する。
ジオール成分(x)と、官能基を有するジオール(x’)と、ジカルボン酸成分(y)とを原料として反応して得られるポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステル(a11)として好ましい。官能基を有するジオール(x’)は、1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酸塩を構成する塩としては、アンモニウム塩、アミン塩(メチルアミン塩、ジメチルアミン塩、トリメチルアミン塩、エチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、プロピルアミン塩、ジプロピルアミン塩、トリプロピルアミン塩、ブチルアミン塩、ジブチルアミン塩、トリブチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、N−メチルエタノールアミン塩、N−エチルエタノールアミン塩、N,N−ジメチルエタノールアミン塩、N,N−ジエチルエタノールアミン塩、ヒドロキシルアミン塩、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン塩及びモルホリン塩等)、4級アンモニウム塩[テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩及びトリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム塩等]、アルカリ金属塩(ナトリウム塩及びカリウム塩等)が挙げられる。
また、脂肪族ジカルボン酸と共に芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、及びこれらの低級アルキルエステル類)を共重合したものも同様に好ましい。芳香族ジカルボン酸の共重合量としては20モル%以下が好ましい。
セグメント(a1)として使用できる結晶性ポリウレタン(a12)としては、非結晶性樹脂(B)と相溶するものであれば特にその化学構造は限定されない。
結晶性ポリエステル(a11)とジイソシアネート(v2)を構成単位とする結晶性ポリウレタン(a12)は、結晶性ポリエステル(a11)とジイソシアネート(v2)とを反応させることにより得ることができる。結晶性ポリエステル(a11)とジオール成分(x)とジイソシアネート(v2)を構成単位とする結晶性ポリウレタン(a12)は、結晶性ポリエステル(a11)とジオール成分(x)とジイソシアネート(v2)とを反応させることにより得ることができる。
炭素数2〜18の鎖状脂肪族ジイソシアネートとしては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート及びこれらの混合物等が挙げられる。
セグメント(a1)として使用できる結晶性ポリウレア(a13)としては、非結晶性樹脂(B)と相溶するものであれば特にその化学構造は限定されない。
炭素数2〜18の脂肪族ジアミンとしては、鎖状脂肪族ジアミン及び環状脂肪族ジアミン等が挙げられる。
環状脂肪族ポリアミンとしては、炭素数4〜15の脂環式ジアミン{1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)及び3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等}及び炭素数4〜15の複素環式ジアミン[ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、及び1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン等]等が挙げられる。
炭素数2〜18の鎖状脂肪族ジイソシアネートとしては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート及びこれらの混合物等が挙げられる。
セグメント(a1)として使用できる結晶性ポリアミド(a14)としては、非結晶性樹脂(B)と相溶するものであれば特にその化学構造は限定されない。
セグメント(a1)として使用できる結晶性ポリビニル樹脂(a15)としては、非結晶性樹脂(B)と相溶するものであれば特にその化学構造は限定されない。
重合性二重結合を有するエステルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル−4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチル−α−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート及びエイコシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の直鎖、分枝鎖又は脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の直鎖、分枝鎖又は脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン及びテトラメタアリロキシエタン等)等、ポリアルキレングリコール鎖と重合性二重結合を有する単量体[ポリエチレングリコール(Mn=300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(Mn=500)モノアクリレート、メチルアルコールEO10モル付加物(メタ)アクリレート及びラウリルアルコールEO30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等が挙げられる。
例えば、以下の(w11)重合性二重結合を有する脂肪族炭化水素と(w12)重合性二重結合を有する芳香族炭化水素が挙げられる。
(w11)重合性二重結合を有する脂肪族炭化水素:
例えば、以下の(w111)と(w112)が挙げられる。
(w111)重合性二重結合を有する鎖状炭化水素:炭素数2〜30のアルケン(例えばイソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン及び1,7−オクタジエン等)。
(w112)重合性二重結合を有する環状炭化水素:炭素数6〜30のモノ又はジシクロアルケン(例えばシクロヘキセン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン等)及び炭素数5〜30のモノ又はジシクロアルカジエン[例えば(ジ)シクロペンタジエン等]等。
スチレン;スチレンのハイドロカルビル(炭素数1〜30のアルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体(例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン及びトリビニルベンゼン等);及びビニルナフタレン等。
炭素数3〜15の不飽和モノカルボン酸{例えば(メタ)アクリル酸[「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。]、クロトン酸、イソクロトン酸及び桂皮酸等};炭素数3〜30の不飽和ジカルボン酸(無水物)[例えば(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(無水)シトラコン酸及びメサコン酸等];及び炭素数3〜10の不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜10)エステル(例えばマレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノデシルエステル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノブチルエステル及びシトラコン酸モノデシルエステル等)等。
アミン塩としては、アミン化合物であれば特に限定されないが、例えば1級アミン塩(エチルアミン塩、ブチルアミン塩及びオクチルアミン塩等)、2級アミン(ジエチルアミン塩及びジブチルアミン塩等)、3級アミン(トリエチルアミン塩及びトリブチルアミン塩等)が挙げられる。4級アンモニウム塩としては、テトラエチルアンモニウム塩、トリエチルラウリルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩及びトリブチルラウリルアンモニウム塩等が挙げられる。
炭素数2〜14のアルケンスルホン酸(例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸及びメチルビニルスルホン酸等);スチレンスルホン酸及びこのアルキル(炭素数2〜24)誘導体(例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレート[例えばスルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸及び3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等];炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリルアミド[例えば2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等];アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸(例えばプロピルアリルスルホコハク酸、ブチルアリルスルホコハク酸、2−エチルヘキシル−アリルスルホコハク酸等);ポリ[n(重合度。以下同様。)=2〜30]オキシアルキレン(オキシエチレン、オキシプロピレン及びオキシブチレン等。オキシアルキレンは単独又は併用でもよく、併用する場合、付加形式はランダム付加でもブロック付加でもよい。)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[例えばポリ(n=5〜15)オキシエチレンモノメタクリレート硫酸エステル及びポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等];及びこれらの塩等が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸モノエステル(アルキル基の炭素数1〜24)(例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート及びフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等)、(メタ)アクリロイルオキシアルキルホスホン酸(アルキル基の炭素数1〜24)(例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸等)。
なお、塩としては、(w2)カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体を構成する塩として例示したもの挙げられる。
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル及び庶糖アリルエーテル等。
例えば、(w61)アミノ基と重合性二重結合を有する単量体、(w62)アミド基と重合性二重結合を有する単量体、(w63)ニトリル基と重合性二重結合を有する炭素数3〜10の単量体、(w64)ニトロ基と重合性二重結合を有する炭素数8〜12の単量体等が挙げられる。
(w61)アミノ基と重合性二重結合を有する単量体:
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチル−α−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール及びこれらの塩等。
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド及びN−ビニルピロリドン等。
(w63)ニトリル基と重合性二重結合を有する炭素数3〜10の単量体:
(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン及びシアノアクリレート等。
(w64)ニトロ基と重合性二重結合を有する炭素数8〜12の単量体:
ニトロスチレン等。
グリシジル(メタ)アクリレート及びp−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロロスチレン、ブロムスチレン、ジクロロスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン及びクロロプレン等。
例えば、(w91)重合性二重結合を有する炭素数3〜16のエーテル、(w92)重合性二重結合を有する炭素数4〜12のケトン、(w93)重合性二重結合を有する炭素数2〜16の含硫黄化合物等が挙げられる。
(w91)重合性二重結合を有する炭素数3〜16のエーテル:
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル−2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル−2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒドロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、アセトキシスチレン及びフェノキシスチレン等が挙げられる。
(w92)重合性二重結合を有する炭素数4〜12のケトン:
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン及びビニルフェニルケトン等が挙げられる。
(w93)重合性二重結合を有する炭素数2〜16の含硫黄化合物:
ジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルホン、ジビニルスルホン及びジビニルスルホキサイド等が挙げられる。
非結晶性樹脂(B)に対して相溶するセグメント(a1)と共に樹脂(A)を構成する該(B)と相溶しないセグメント(a2)としては、非結晶性樹脂(B)に相溶しない化合物から構成される構造であれば特に限定しない。実質的には、セグメント(a2)が化合物そのものである場合もある。
非結晶性樹脂(B)に相溶しない化合物として、例えば、長鎖アルキルモノアルコール(好ましくは炭素数18〜42)、長鎖アルキルモノカルボン酸(好ましくは炭素数18〜42)、水酸基を少なくとも1個有するポリブタジエン、水酸基を少なくとも1個有するジメチルシロキサン等が挙げられ、好ましくは炭素数18〜42の長鎖アルキルモノアルコール、炭素数18〜42の長鎖アルキルモノカルボン酸等である。
セグメント(a2)としては、このような化合物から構成される構造が好ましい。炭素数18〜42の長鎖アルキルモノアルコールとして、例えば、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール等が好ましい。
本発明においては、樹脂(A)中のセグメント(a1)とセグメント(a2)とが、エステル基、ウレタン基、ウレア基、およびアミド基からなる群から選ばれる1種類以上の官能基で結合されていることが好ましい。このようにセグメント(a1)とセグメント(a2)とが、エステル基、ウレタン基、ウレア基、およびアミド基からなる群から選ばれる1種類以上の官能基で結合されてなる樹脂(A)は、本発明における樹脂(A)として好ましい。
このセグメント(a3)としては、例えば、非結晶性樹脂(B)に対して相溶する非結晶性のセグメントが挙げられる。
なお、Mwと数平均分子量(本明細書中、Mnとも記載する)は樹脂(A)をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、それを試料溶液として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定される。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μL
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000
2890000)
本発明におけるカルボキシル基および/または水酸基を有する非結晶性樹脂(B)は、カルボキシル基および/または水酸基を有し、熱により軟化する樹脂であればその樹脂の組成は特に限定されないが、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリスチレン樹脂、酢酸ビニル共重合体樹脂などが挙げられる。 塗膜物性の観点から、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂を使用するのが好ましい。
非結晶性樹脂(B)の官能基当量は、塗料の平滑性および塗膜強度の観点から、好ましくは1000〜10000g/eq、さらに好ましくは1500〜5000g/eqである。
非結晶性樹脂(B)中の該官能基数は、塗膜強度および後述の塗料用粉体塗料用樹脂組成物(Y)の貯蔵安定性の観点から、好ましくは2〜15個、さらに好ましくは2〜8個である。
なお、本発明における「非結晶性」とは示差走査熱量計(DSC)におけるASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)において、測定の第2回目の昇温過程で階段状の吸熱量変化を示し、明確な吸熱ピークを有さない樹脂をいう。
本発明の粉体塗料用主剤組成物(X)は、前記樹脂(A)と前記非晶性樹脂(B)とを含有してなる。
なお、粉体塗料用主剤組成物(X)のガラス転移点が2個以上存在する場合は、最も低い温度を示す温度をガラス転移点(TgX)とする。
その際に、非結晶性樹脂(B)の溶解性パラメーターをSPB、セグメント(a1)の溶解性パラメーターをSPa1、セグメント(a2)の溶解性パラメーターをSPa2とすると、セグメント(a1)とセグメント(a2)が下記の関係式(2)と(3)の両方を満たすことが好ましい。
|SPa2−SPB|≧1.9 (3)
上記式中、SPa1はセグメント(a1)のSP値、SPa2はセグメント(a2)のSP値、SPBは樹脂(B)のSP値を表す。
セグメント(a1)とセグメント(a2)のSP値は、各セグメントを構成する化合物のSP値である。
なお、セグメント(a1)を2種以上含む場合は、それらの含有重量比率による相加平均で算出し、セグメント(a2)が2種以上含む場合も同様である。
同様に、関係式(3)の左辺の値は、非結晶性樹脂(B)とセグメント(a2)の相溶性の観点から通常1.9以上であり、好ましくは2.0以上である。関係式(3)の左辺の値の上限は、4.0以下が好ましく、3.5以下がより好ましい。
関係式(2)及び(3)を両方満たすことにより、樹脂(A)による加熱時の可塑化と冷却時の再結晶が起こりやすくなり、後述の粉体塗料用樹脂組成物(Y)の粉砕性および作製された塗膜の平滑性が向上する。
Tg1−Tg2≦15 (1)
非結晶性樹脂(B)と樹脂(A)とを上記割合で含む混合物は、本発明の粉体塗料用主剤組成物(X)として好ましい。つまり本発明粉体塗料用主剤組成物(X)における非結晶性樹脂(B)と樹脂(A)との重量比[(B)/(A)]は、上記範囲であることが好ましい。
本発明の粉体塗料用樹脂組成物(Y)は、前記粉体塗料用主剤組成物(X)と、後述の架橋剤(C)とを含有してなる。すなわち、前記樹脂(A)と、前記樹脂(B)と、架橋剤(C)とを含有してなる。
架橋剤(C)としては、カルボキシル基および/または水酸基を有する非結晶性樹脂(A)のカルボキシル基および/または水酸基と化学反応する官能基を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、イソシアネート化合物(C1)[ブロックイソシアネート、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)等]、βーヒドロキシアルキルアミド(HAA)、エポキシ樹脂(C2)、カルボキシル基および/または水酸基および/またはエポキシ基を有するアクリル樹脂(C3)、カルボキシル基および/または水酸基および/またはエポキシ基を有するポリエステル樹脂(C4)などが挙げられる。
架橋剤(C)の官能基当量は、前記樹脂(B)の官能基当量より小である。また、架橋剤(C)の官能基当量は、塗膜強度および(Y)の貯蔵安定性の観点から、好ましくは100〜950g/eq、さらに好ましくは150〜900g/eqである。
エポキシ樹脂(C3)として、具体的には、例えば、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル樹脂、ビスフェノールF型ジグリシジルエーテル樹脂、アミノグリシジルエーテル樹脂、ビスフェノールAD型ジグリシジルエーテル樹脂、ビスフェノールZ型ジグリシジルエーテル樹脂、O−クレゾールノボラックエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、ビフェノールグリシジルエーテル樹脂、シクロペンタジエン骨格エポキシ樹脂、ナフタレン骨格エポキシ樹脂等の他、これら樹脂のエポキシ基以外の置換基を他の置換基に置き換えた樹脂、例えば、カルボキシル基末端ポリブタジエン−アクリロニトリル(CTBN)を用いた変性反応やエステル化等の変成反応により得られた樹脂等が挙げられる。なお、エポキシ樹脂は、エポキシ当量が、好ましくは300〜1200であり、特に好ましくは400〜1000である。
重合性二重結合を有するエステルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル−4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチル−α−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート及びエイコシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の直鎖、分枝鎖又は脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の直鎖、分枝鎖又は脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン及びテトラメタアリロキシエタン等)等、ポリアルキレングリコール鎖と重合性二重結合を有する単量体[ポリエチレングリコール(Mn=300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(Mn=500)モノアクリレート、メチルアルコールEO10モル付加物(メタ)アクリレート及びラウリルアルコールEO30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等が挙げられる。
グリシジル基含有アクリル樹脂(C43)としては、エポキシ当量が150〜1000の範囲内であることが好ましい。
なお、該(D)は、上記(Y)の製造工程の任意の段階で添加することができる。
添加剤(D)全体の含有量は、添加剤添加後の粉体塗料用樹脂組成物(Y)の全重量に基づいて、通常30%以下、好ましくは0.1〜20%、さらに好ましくは0.2〜10%である。
(D1)の含有量は、添加剤添加後の粉体塗料用樹脂組成物(Y)の全重量に基づいて、通常35%以下、好ましくは0.1〜30%である。
(D2)の含有量は、添加剤添加後の粉体塗料用樹脂組成物(Y)の全重量に基づいて、通常10%以下、好ましくは0.1〜3%である。
(D3)の含有量は、添加剤添加後の粉体塗料用樹脂組成物(Y)の全重量に基づいて、通常10%以下、好ましくは0.1〜3%である。
(D4)の含有量は、添加剤添加後の粉体塗料用樹脂組成物(Y)の全重量に基づいて、通常10%以下、好ましくは0.5〜3%である。
染料としては、ニグロシン系、アニリン系等が挙げられる。
(D5)の含有量は、添加剤添加後の粉体塗料用樹脂組成物(Y)の全重量に基づいて、通常30%以下、好ましくは1〜10%である。
(D6)の含有量は、添加剤添加後の粉体塗料用樹脂組成物(Y)の全重量に基づいて、通常10%以下、好ましくは0.1〜5%である。
(D7)の含有量は、添加剤添加後の粉体塗料用樹脂組成物(Y)の全重量に基づいて、通常6%以下、好ましくは0.5〜3%である。
(D8)の含有量は、添加剤添加後の粉体塗料用樹脂組成物(Y)の全重量に基づいて、通常6%以下、好ましくは0.5〜3%である。
(D9)の含有量は、添加剤添加後の粉体塗料用樹脂組成物(Y)の全重量に基づいて、通常10%以下、好ましくは0.1〜5%である。
(D10)の含有量は、添加剤添加後の粉体塗料用樹脂組成物(Y)の全重量に基づいて、通常20%以下、好ましくは0.1〜10%である。
樹脂(A)と、カルボキシル基および/または水酸基を有する非結晶性樹脂(B)をあらかじめ溶融混練して主剤組成物(Y)を得て、粗粉砕した組成物と、架橋剤(C)と、必要に応じて1種類以上の添加剤(D)を、予備混合した後、溶融混練し、冷却することで粉体塗料用組成物(Y)を得る。
その後、該(Y)を、粉砕、粒度分布調整のための分級を行うことで粉体塗料を得る。 なお、樹脂(A)とカルボキシル基および/または水酸基を有する非結晶性樹脂(B)をあらかじめ溶融混練せずに、架橋剤(C)と、必要に応じて1種類以上の添加剤(D)を予備混合してから溶融混練および冷却することでも同様の粉体塗料用樹脂組成物(Y)を得てもよい。
予備混合工程は、各種原料を混合機に仕込み予備的に混合する工程であり、混合機としては、例えばスーパーミキサー、ヘンシェルミキサー等が挙げられる。
溶融混練工程は、予備的に混合された原料を加熱下で混合し、非結晶性樹脂(B)中に樹脂(A)および架橋剤(C)を分散する工程である。溶融混練機としては、例えばエクルトルーダー、ブスコニーダー等が挙げられる。
冷却工程は溶融混練された樹脂組成物を加圧ロールにてシート状に形成し、冷却固化する。
粉砕工程は、塗料の用途に応じて最適な粒度分布に微粉砕する工程である。粉砕機としては、例えばアトマイザー、ターボミル、ジェットミル等が挙げられる。
粒度分布調整のための分級工程は、粗大粒子および/または微小粒子を取り除くために行われる。
なお、当量比[(B)/(C)]は、(B)の酸価と水酸基価との合計と、(C)の有する官能基の官能基当量とから算出できる。
硬化後の膜厚は、塗装効果および工業上の観点から好ましくは10〜150μm、さらに好ましくは20〜100μmである。
<セグメント(a1−1)の合成>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、セバシン酸696部と1,6−ヘキサンジオール424部及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が0.5以下になった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、セグメント(a1−1)を得た。セグメント(a1−1)のSPa1 は9.9であった。
<セグメント(a1−2)の合成>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、アジピン酸813部、エチレングリコール691部、縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下に反応させ、Mwが5000になった時点で取り出した。回収されたエチレングリコールは304部であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、セグメント(a1−2)を得た。セグメント(a1−2)のSPa1は11.2であった。
<セグメント(a2−1)>
セグメント(a2−1)としてはベヘニルアルコールそのものを用いた。SPa2は9.3である。
<樹脂(A−1)の合成>
撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、セグメント(a1−1)950部とセグメント(a2−1)19部を仕込み、180℃で3時間均一化した。100℃まで冷却し、ヘキサメチレンジイソシアネート2部を仕込み、さらに100℃で3時間反応させ、樹脂(A−1)を得た。樹脂(A−1)のSPAは9.8、Mwは17,000であった。
<樹脂(A−2)の合成>
撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、セグメント(a1−2)305部とセグメント(a2−1)18部を仕込み、200℃で3時間均一化した。100℃まで冷却し、ヘキサメチレンジイソシアネート1部を仕込み、さらに100℃で3時間反応させ、樹脂(A−2)を得た。樹脂(A−2)のSPAは11.0、Mwは5,000であった。
<樹脂(比A−1)>
樹脂(比A−1)として、セグメント(a1−2)そのものを用いた。SPa1は11.2である。
<樹脂(比A−2)>
樹脂(比A−2)として、セグメント(a2−1)そのものを用いた。SPa2は9.3である。
(B−1):水酸基末端ポリエステル樹脂
[商品名「ファインディックM−8240」、大日本インキ(株)製、
水酸基価30、酸価4、軟化点120℃]
(B−2):カルボキシル基末端ポリエステル樹脂
[商品名「ファインディックM−8962」、大日本インキ(株)製、
酸価34、軟化点112℃]
[商品名「ベスタゴン B1530」、エボニック社製]
(C−2):トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)
[商品名「Araldite PTー810」、ハンツマン社製]
(C−3):β−ヒドロキシアルキルアミド(HAA)
[商品名「プリミド XL−552」、EMS−CHEMIE社製]
(w−1):メタクリル酸グリシジル
(w−2):メタクリル酸メチル
(w−3):スチレン
有機溶剤(E):
(E−1):キシレン
(D1−1):二酸化チタン
[商品名「タイペークCR−90」、石原産業(株)製]
レベリング剤(D7):
(D7−1):アクリル重合体
[商品名「アクロナール4F」、BASF社製、
Tg−55℃、Mn16,500]
消泡剤(D8):
(D8−1):ベンゾイン(消泡剤)
<カルボキシル基を有するアクリル樹脂(C−4)の合成>
加圧可能な反応容器に(E−1)60部を仕込み昇温し還流させた。窒素を吹き込むことにより圧力0.05MPaまで加圧し更に150℃まで昇温し還流を確認した。
別の容器に(w−1)43部と(w−2)9部と(w−3)48部とを相溶化させたモノマー溶液、およびジ-tert-ブチルペルオキシド3.5部と(E−1)7部を相溶化させた開始剤溶液をそれぞれ作製した。反応容器にモノマー溶液および開始剤溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、還流条件下で2時間反応させた。その後脱溶剤することで、グリシジル基含有アクリル樹脂架橋剤(C−4)(Mw:5000、SP値:10.8、Tg:73℃、エポキシ当量:334)を得た。
表1の配合組成(部)にしたがって、樹脂(A)と樹脂(B)とを仕込み、溶融混練機コニーダー[ブス社製]を用いて120℃で溶融混練して、各粉体塗料用主剤組成物(X)を得た。
次に、表1の配合組成(部)にしたがって、得られた各粉体塗料用主剤組成物(X)と、架橋剤(C)、添加剤(D)とを仕込み、溶融混練機コニーダー[ブス社製]を用いて120℃で溶融混練して、各粉体塗料用樹脂組成物(Y)を得た。
得られた各粉体塗料用樹脂組成物(Y)を以下の評価方法(1)〜(3)にしたがって、評価した。結果を表1に示す。
(1)粉砕性
各粉体塗料用樹脂組成物を粗粉砕した後、粉砕機アトマイザー[不二パウダル(株)製]を用いて粉砕した。得られた粉砕物(試料)を、32メッシュ[目開き500μm]、60メッシュ[目開き250μm]、150メッシュ[目開き105μm]、325メッシュ[目開き44μm]、400メッシュ[目開き37μm]のタイラー標準ふるいを上から順に重ね、試得られた粉砕物を、最上段から投入し、ふるい振とう機ロータップ型[(株)飯田製作所製]を用いて10分間分級した。
各メッシュ上に残った試料の重量から、重量平均粒子径[50%粒径:D50]、粒度分布のシャープさ[D90(90%粒径)/D10(10%粒経)]を求め、以下の評価基準で評価した。
(1−1)D50
◎:70μm未満
○:70μm以上、75μm未満
△:75μm以上、85μm未満
×:85μm以上
<評価基準>
(1−2)D90/D10
◎:2.2以上、2.5未満
○:2.5以上、2.8未満
△:2.8以上、3.1未満
×:3.1以上
上記(1)で、得られた粉体のうち、325メッシュのタイラー標準ふるい[目開き44μm]を通過したものを気流分級機DS−2型[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて分級し、微小粒子を除去することによって、粉体塗料を得た。
試験鋼板[JIS G3141に規定する0.5mm×80mm×150mmの冷間圧延鋼板(SPCC−SD)の表面をメタノールで脱脂したもの]に、得られた粉体塗料をコロナ帯電型塗装ガン[「GX116」、パーカーライジング(株)製]を用いて、硬化膜厚40μmとなるように塗装量を調節して塗装した。
次に、塗装された被塗装物を、180℃、20分間焼付けて、塗膜付きの試験綱板を得た。この試験綱板の塗膜の平滑性について、以下の評価基準で評価した。
(2−1)目視による平滑性
<評価基準>
◎:非常に良好
○:良好
△:やや劣る
×:不良
塗膜について、JIS K5600−4−7に規定する方法で、入射角と受光角とがそれぞれ60度のとき反射率(%)を測定した。
<評価基準>
◎:90%以上
○:85%以上、90%未満
△:80%以上、85%未満
×:80%未満
上記(2)で得られた塗膜付きの試験綱板について、硬化性の評価を行った。
(3−1)鉛筆硬度
JIS K6500−5−4に規定する鉛筆引っかき試験を行った。
(3−2)耐溶剤性
塗膜について、キシレンを用いたラビング試験を行い、塗膜の状態を目視して以下の評価基準で評価した。
<評価基準>
◎:全く変化なし
○:わずかに塗膜表面が変化あり
△:塗膜表面に溶解あり
×:塗膜が溶解し基材の露出あり
Claims (4)
- 2種以上のセグメント(a)が化学結合で結合された樹脂(A)と、カルボキシル基および/または水酸基を有する非結晶性樹脂(B)とを含有してなり、樹脂(A)が、非結晶性樹脂(B)と相溶するセグメント(a1)と、非結晶性樹脂(B)と相溶しないセグメント(a2)とを有する粉体塗料用主剤組成物であって、前記セグメント(a1)が、ジオール成分(x)とジカルボン酸成分(y)構成原料として含む結晶性ポリエステル(a11)であって、前記ジオール成分(x)のうち、炭素数2〜20の直鎖型脂肪族ジオールが80モル%以上であって、前記ジカルボン酸成分(y)が、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸及び炭素数4〜50アルケンジカルボン酸の脂肪族ジカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であって、前記セグメント(a2)が、炭素数18〜42の長鎖アルキルモノアルコール及び炭素数18〜42の長鎖アルキルモノカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であって、前記樹脂(A)が結晶性樹脂であって、該(A)の重量平均分子量が3,000〜80,000であって、樹脂(A)中のセグメント(a1)とセグメント(a2)とが、エステル基、ウレタン基、ウレア基、およびアミド基からなる群から選ばれる1種類以上の有機基で結合されたものであって、前記非結晶樹脂(B)がポリエステル樹脂であって、該(B)の有するカルボキシル基と水酸基との合計の官能基当量が1000〜10000g/eqであって、下記要件(1)と(2)とを満たす粉体塗料用主剤組成物(X)。
要件(1)
非結晶性樹脂(B)のみのガラス転移点Tg 1 (℃)と、非結晶性樹脂(B)と樹脂(A)との混合物の非結晶性樹脂(B)に由来するガラス転移点Tg 2 (℃)が下記の関係式(1)を満たす
Tg 1 −Tg 2 ≦15 (1)
要件(2)
セグメント(a1)とセグメント(a2)が下記の関係式(2)と(3)の両方を満た
|SP a1 −SP B |≦1.9 (2)
|SP a2 −SP B |≧1.9 (3)
[関係式(2)、(3)中、SP a1 はセグメント(a1)のSP値、SP a2 はセグメント(a2)のSP値、SP B は非結晶性樹脂(B)のSP値を表す。] - 非結晶性樹脂(B)と樹脂(A)との重量比[(B)/(A)]が50/50〜98/2である請求項1記載の粉体塗料用主剤組成物。
- 請求項1又は2記載の粉体塗料用主剤組成物(X)と、架橋剤(C)とを含有してなる粉体塗料用樹脂組成物(Y)。
- 請求項3記載の粉体塗料用樹脂組成物(Y)が硬化した塗膜。
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