JP6675549B2 - 金属用粉体塗料組成物、金属用粉体塗料組成物により形成された塗膜、金属用粉体塗料組成物により形成された塗膜を備える金属材、および、塗膜を備える金属材を製造する方法 - Google Patents

金属用粉体塗料組成物、金属用粉体塗料組成物により形成された塗膜、金属用粉体塗料組成物により形成された塗膜を備える金属材、および、塗膜を備える金属材を製造する方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属用粉体塗料組成物、金属用粉体塗料組成物により形成された塗膜、金属用粉体塗料組成物により形成された塗膜を備える金属材、および、塗膜を備える金属材を製造する方法に関する。
粉体塗料は、金属製品の塗装などに広く使用されている。粉体塗料には、溶剤系塗料と比較していくつかのメリットがあり、盛んに開発が行われている。また、粉体塗料は塗装時に有機溶剤を大気中に揮散しないことから、近年、環境性能の点で注目を集めている。
例えば、特許文献1には、ポリエステル樹脂を主たる樹脂とする粉体塗料が記載されている。具体的には、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂、β−ヒドロキシアルキルアミド化合物、および、シランカップリング剤が樹脂に組み込まれた固形シランカップリング剤、を含有する粉体塗料組成物であって、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物との固形分合計100質量部に対して、固形シランカップリング剤を0.1〜20質量部含有する粉体塗料組成物が記載されている。
また、特許文献2には、エポキシ樹脂を主たる樹脂とする粉体塗料が記載されている。具体的には、エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材およびエラストマー含有フェノール樹脂を含有するエポキシ樹脂粉体塗料が記載されている。
特開2016−176053号公報 特開2004−292645号公報
上記のように、粉体塗料については、ポリエステル樹脂を主たる樹脂とするもの(ポリエステル系粉体塗料)や、エポキシ樹脂を主たる樹脂とするもの(エポキシ系粉体塗料)などが知られている。
本発明者らの知見として、ポリエステル系粉体塗料は、耐候性に優れているが、防錆性が劣る傾向にある。また、同じく本発明者らの知見として、エポキシ系粉体塗料は、防錆性に優れているが、耐候性が劣る傾向があった。すなわち、ポリエステル系粉体塗料と、エポキシ系粉体塗料は、性能において一長一短であった。
本発明者らは、試しに、ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂とを単純に併用(混合)した粉体塗料を作製してみたものの、防錆性と耐候性の両性能が良好な粉体塗料を得ることはできなかった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。つまり、防錆性と耐候性の両性能が良好な、金属塗装用の粉体塗料を提供することを本発明の目的の一つとする。
本発明者らは、上記知見などを踏まえ、粉体塗料の設計について様々な検討・試行錯誤を重ねた。その結果、以下に提供される発明を完成させ、課題を解決した。
本発明によれば、
ポリエステル樹脂(A)と、
硬化剤(B)と、
エポキシ樹脂(C)と、
ヒドラジド化合物(D)と
を含み、
前記ポリエステル樹脂(A)と前記硬化剤(B)との総量を100質量部としたとき、前記エポキシ樹脂(C)の含有量が1〜10質量部である金属用粉体塗料組成物
が提供される。
また、本発明によれば、
前記金属用粉体塗料組成物により形成された塗膜
が提供される。
また、本発明によれば、
前記金属用粉体塗料組成物により形成された塗膜を備える金属材
が提供される。
また、本発明によれば、
前記金属用粉体塗料組成物を金属材の表面に供し、加熱して焼き付けることで塗膜を備える金属材を製造する方法
が提供される。
本発明によれば、防錆性と耐候性の両性能が良好な、金属塗装用の粉体塗料を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本明細書中、数値範囲の説明における「a〜b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1〜5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」の意である。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタアクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
<金属用粉体塗料組成物>
本実施形態の金属用粉体塗料組成物は、ポリエステル樹脂(A)と、硬化剤(B)と、エポキシ樹脂(C)と、ヒドラジド化合物(D)とを含む。
このような構成により、防錆性と耐候性の両性能を良好とすることができる理由は、必ずしも全てが明らかではないが、以下のように説明される。
本発明者らは、本発明の完成に至る検討において、
・金属基材に、ポリエステル系粉体塗料による塗膜のみを形成する、
・金属基材に、エポキシ系粉体塗料による塗膜のみを形成する、
・金属基材に、ポリエステル系粉体塗料による塗膜と、エポキシ系粉体塗料による塗膜とを、逐次的に2層形成する、また、その「順番」を変える
などして、防錆性と耐候性を両立できないかを検討した。
検討を通じ、まず、金属基材にエポキシ系粉体塗料による塗膜を形成し、その後、その塗膜の上からポリエステル系粉体塗料による塗膜を形成して2層の塗膜を形成したとき、防錆性と耐候性の両方が良好となることがわかった。
また、これとは逆に、まず、金属基材にポリエステル系粉体塗料による塗膜を形成し、その後、その塗膜の上からエポキシ系粉体塗料による塗膜を形成して2層の塗膜を形成したときには、防錆性と耐候性はともに不十分であることがわかった。
これら検討結果より、防錆性に優れるエポキシ系粉体塗料の塗膜が金属基材の近くに多く存在し、耐候性に優れるポリエステル系粉体塗料の塗膜が塗膜表面(空気との界面)に多く存在するような状態を実現できれば、防錆性と耐候性の両立を図ることができるのではないかと、本発明者らは考察した。
そこで、本発明者らは、1つの粉体塗料により、上記のような2層(エポキシ系粉体塗料の塗膜が金属基材の近くに多く存在し、ポリエステル系粉体塗料の塗膜が塗膜表面に多く存在する)を実現することができないかと考えた。つまり、粉体塗料を溶融させて金属基材に焼き付ける際に、エポキシ樹脂が金属基材に近い部分に偏在し、一方でポリエステル樹脂が塗膜表面に近い部分に偏在するような塗料の設計ができないか、塗料の配合や追加の化合物の添加などの面から様々に検討した。
検討の中で、本発明者らは、ポリエステル樹脂(A)、硬化剤(B)およびエポキシ樹脂(C)を含む粉体塗料に、ヒドラジド化合物(D)を加えた。こうすることで、粉体塗料を溶融させて金属基材に焼き付けた際に、上述の「エポキシ樹脂が金属基材に近い部分に偏在し、一方でポリエステル樹脂が塗膜表面に近い部分に偏在する」状態となりうることを見出した。
この「偏在状態」については、以下のようなメカニズムが推定される。
・エポキシ樹脂(C)の一部が、ヒドラジド化合物(D)の一部と反応して、これによりポリエステル樹脂(A)と極性の差が生じ、相溶しづらくなる。結果、粉体塗料を溶融させて金属基材に焼き付ける際に層分離が起こる。
・ヒドラジド化合物(D)由来の構造(窒素原子含有構造)は金属基材と親和的である。よって、エポキシ樹脂(C)の一部とヒドラジド化合物(D)の一部とが反応したもののほうが、ポリエステル樹脂よりも金属基材と強く相互作用する。これにより、(C)の一部と(D)の一部とが反応したものが金属基材に近い部分に偏在する。
なお、念のため述べておくが、上記説明は、本発明の範囲を限定するものではない。本発明は、あくまで、上記の(A)〜(D)の成分により特定されるものである。
組成物が含有するまたは含有してよい成分や、組成物の性状、物性などについてより詳細に説明する。
[ポリエステル樹脂(A)]
本実施形態の金属用粉体塗料組成物は、ポリエステル樹脂(A)を含む。ポリエステル樹脂(A)は、上述のように、主として耐候性に寄与するものと考えられる。
ポリエステル樹脂(A)は、例えば、多塩基酸(具体的には二塩基酸、より具体的にはジカルボン酸)と多価アルコール(具体的にはジオール)との重縮合により得られる。なお、原料の多塩基酸は、酸無水物やエステルなど、反応系中で多塩基酸と等価なものであってもよい。
別の言い方としては、ポリエステル樹脂(A)は、典型的には、多塩基酸に由来する構造単位と、多価アルコールに由来する構造単位とを含む。
ポリエステル樹脂(A)の素となる多塩基酸(具体的にはポリカルボン酸)としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,2−オクタデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などを挙げることができる。
なお、トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメシン酸等のトリ/テトラカルボン酸については、用いる場合には少量(例えば、原料として使用する多塩基酸全体の10モル%以下)とし、ジカルボン酸を主原料として用いることが好ましい。
多塩基酸としては、芳香環構造または脂環構造を含む多塩基酸が、その剛直な構造により塗膜の耐久性(機械的な強さ)を高めることができるため、好ましい。特に、テレフタル酸やイソフタル酸などの芳香環構造を含む多塩基酸が、塗膜の耐久性、焼き付け時の流動性、入手容易性などから好ましい。
ポリエステル樹脂(A)の元となる多価アルコール(好ましくはジオール)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、スピログリコール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等などを挙げることができる。
なお、多価アルコールとして3価以上のアルコールを使用する場合、その使用量は少量とし、ジオールを主成分として用いることが好ましい。具体的には、3価以上のアルコールの使用量は、原料として使用する多価アルコール全体の10モル%以下であることが好ましい。
多価アルコールは、好ましくは分枝または環状の炭化水素構造を含み、より好ましくは分枝の炭化水素構造を含む。これにより、直鎖状の炭化水素構造しか含まない場合よりも、ポリエステル樹脂(A)が適度に剛直になり、塗膜の耐候性、耐久性などが一層高まると考えられる。
また、別観点として、多価アルコールは、その炭素数が炭素数2〜15であることが好ましく、2〜10であることがより好ましく、4〜8であることがさらに好ましい。炭素数がこの数値範囲にあることで、塗料の焼き付けの際のポリエステル樹脂(A)の流動性を最適にできると考えられる。
これらの観点から、多価アルコールとしては、例えば、ネオペンチルグリコール(別名:2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール)が好ましい。
なお、ポリエステル樹脂(A)を上記多塩基酸および多価アルコールの縮重合により得る場合には、4−ヒドロキシ安息香酸やε−カプロラクトン等のヒドロキシカルボン酸を少量添加してもよい。これによりポリエステル樹脂(A)の酸価、水酸基価、その他物性などを調整可能な場合がある。
一態様として、ポリエステル樹脂(A)はヒドロキシ基を有することが好ましい。より具体的には、ポリエステル樹脂(A)がヒドロキシ基を有する場合、その水酸基価は10〜60mgKOH/gであることが好ましく、25〜50mgKOH/gであることがより好ましい。
なお、水酸基価は、典型的には、JIS K 0070の規定に基づき測定することができる。
ポリエステル樹脂(A)がヒドロキシ基を含む(好ましくは上記の水酸基価に相当する量のヒドロキシ基を含む)ことにより、ポリエステル樹脂(A)が硬化剤(B)と十分に反応するだけでなく、ポリエステル樹脂(A)がエポキシ樹脂(C)とも一定量反応すると考えられる(つまり、ポリエステル樹脂(A)とエポキシ樹脂(C)とは層分離しつつも、層の界面で反応が起こると考えられる)。そうすると、ポリエステル樹脂(A)とエポキシ樹脂(C)とが層分離したとしても、全体としては強固な塗膜が得られると考えられる。このことは塗膜の耐久性や剥がれにくさ等の点で望ましい。
また、ヒドロキシ基の含有量が上記の水酸基価の範囲内である場合、ポリエステル樹脂(A)とエポキシ樹脂(C)との反応が適度に進行し、層分離による防錆性および耐候性の性能と、膜全体としての耐久性(機械的な強さ)とのバランスが最適となると考えられる。
ヒドロキシ基を含むポリエステル樹脂(A)としては、例えば、ヒドロキシ基末端ポリエステル樹脂を挙げることができる。また、DIC株式会社などから様々な水酸基価のポリエステル樹脂が市販されているため、市販のポリエステル樹脂の中から適当な水酸基価のものを選択することもできる。
別の態様として、ポリエステル樹脂(A)は酸基(カルボキシ基など)を有することが好ましい。より具体的には、ポリエステル樹脂(A)が酸基を有する場合、その酸価は10〜60mgKOH/gであることが好ましく、20〜40mgKOH/gであることがより好ましい。
酸価についても、水酸基価と同様、典型的にはJIS K 0070の規定に基づき測定することができる。
ポリエステル樹脂(A)がカルボキシル基などの酸基を含む(好ましくは上記の酸価に相当する量の酸基を含む)ことにより、ポリエステル樹脂(A)が硬化剤(B)と十分に反応するだけでなく、ポリエステル樹脂(A)がエポキシ樹脂(C)とも反応すると考えられる(つまり、ポリエステル樹脂(A)とエポキシ樹脂(C)とは層分離しつつも、層の界面で反応が起こると考えらえる)。そうすると、ポリエステル樹脂(A)とエポキシ樹脂(C)とが層分離したとしても、全体としては強固な塗膜が得られると考えられ、塗膜の耐久性や剥がれにくさ等の点で望ましい。
また、酸基の含有量が上記の酸価の範囲内である場合、ポリエステル樹脂(A)とエポキシ樹脂(C)との反応が適度に進行し、層分離による防錆性および耐候性の性能と、膜全体としての耐久性(機械的な強さ)とのバランスが最適となると考えられる。
酸基を有するポリエステル樹脂(A)としては、例えば、カルボキシル基末端ポリエステル樹脂を挙げることができる。また、DIC株式会社などから様々な酸価のポリエステル樹脂が市販されているため、市販のポリエステル樹脂の中から適当な酸価のものを選択することもできる。
なお、ポリエステル樹脂(A)は、ヒドロキシ基と酸基の両方を有していてもよい。
ポリエステル樹脂(A)の重量平均分子量は特に限定されないが、例えば3000〜50000、好ましくは5000〜40000である。重量平均分子量が3000以上であることで、耐候性や塗膜の機械強度などを一層高くできると考えられる。また、重量平均分子量が50000以下であることで、塗料の焼き付け時(溶融時)にポリエステル樹脂(A)が移動しやすくなり、前述の推定メカニズムによる「偏在状態」がより高度に実現されると考えられる。また、ポリエステル樹脂(A)の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は特に限定されないが、例えば1〜10、好ましくは1.4〜8である。
重量平均分子量や分散度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレン換算の値として測定することができる。
ポリエステル樹脂(A)の性状は特に限定されないが、粉体塗料に適用する観点からは、常温(25℃)では固体状であることが好ましい。また、ポリエステル樹脂(A)の軟化点は、好ましくは80〜150℃であり、より好ましくは100〜130℃である。この範囲に調整することで、得られる塗膜の平滑性を高めることができると考えられる。
ポリエステル樹脂(A)の極性は、前述の「層分離」の推定メカニズムの観点から、適宜調整されることが好ましい。具体的には、ポリエステル樹脂(A)のSP値をSP[(cal/cm1/2]としたとき、典型的には5≦SP≦15、好ましくは7.5≦SP≦12.5である。
なお、本明細書において、ポリエステル樹脂(A)のSP値(SP)は、以下のように、テトラヒドロフラン(THF)、ヘプタンおよび水に対する溶解性の測定結果から算出される値である。後述のヒドラジド化合物(D)のSP値の算出法(Fedors法)とは異なる。
(1)測定する樹脂2gを量りとり、そこへテトラヒドロフラン(THF)を18g加えて10質量%樹脂溶液を調製する。
(2)25℃、1気圧の条件下で上記10質量%樹脂溶液を一定量分取し、この体積(ml)をVTHFとする。
(3)上記(2)で分取した溶液に、n−ヘプタンまたはイオン交換水を滴下する。樹脂溶液が白濁し、その白濁状態が10秒以上保持された点を滴定終点とする。滴定終点までのn−ヘプタンの滴下量(ml)をVHeptane、滴定終点までのイオン交換水の滴定量(ml)をVWaterとする。
(4)VHeptaneおよびVWaterを、以下の(数式a)および(数式b)に代入してSPとSPを算出する。そして、算出されたSPとSPを(数式c)に代入して、SPとする。なお、(数式c)におけるlogは、常用対数(底が10)である。
ここで、THFのSP値(SPTHF)、ヘプタンのSP値(SPHeptane)およびイオン交換水のSP値(SPWater)としては、後述するFedors法により化学構造式から求めた値を用いることができる(SPTHF=8.28、SPHeptane=7.43、SPWater=26.7)。
Figure 0006675549
ポリエステル樹脂(A)は、例えば、多塩基酸と多価アルコールを原料とし、公知の縮重合の方法によって製造することができる。具体的には、(1)上記で例示された多塩基酸と多価アルコールを適当な組合せ・配合比で用い、公知の方法に従って200〜280℃でエステル化又はエステル交換反応を行い、(2)その後、減圧下で触媒を用いて230〜290℃で重縮合反応を行い、(3)そしてアルコール成分で解重合反応を行って、ポリエステル樹脂(A)を得ることができる。
また、前述のように、市販のポリエステル樹脂の中から適当なものを選択してもよい。
金属用粉体塗料組成物は、ポリエステル樹脂(A)を1種のみ含んでもよいし、2種以上のポリエステル樹脂(A)を含んでもよい。なお、金属用粉体塗料組成物が2種以上のポリエステル樹脂(A)を含む場合、水酸基価、酸価、SP値などについては、ポリエステル樹脂(A)全体としての(平均としての)値が前述の数値範囲にあることが好ましい。
組成物中のポリエステル樹脂(A)の量は、特に限定されないが、組成物の全体を基準として、例えば10〜80質量%、好ましくは30〜70質量%、より好ましくは40〜60質量%である。
[硬化剤(B)]
本実施形態の金属用粉体塗料組成物は、硬化剤(B)を含む。
硬化剤(B)は、組成物を加熱したときに、少なくともポリエステル樹脂(A)と反応しうるものであれば、特に制限なく用いることができる。
好ましい硬化剤(B)の一例として、イソシアネート化合物(ブロックイソシアネート化合物を含む)を挙げることができる。粉体塗料としての保存安定性などの点からは、ブロックイソシアネート化合物がより好ましい。
イソシアネート化合物は、多官能であること、すなわち、1分子中に2以上のイソシアネート基(ブロックされたイソシアネート基を含む)を有する化合物であることが好ましい。
イソシアネート化合物は、特に、ポリエステル樹脂(A)がヒドロキシ基を含む場合に硬化性能が良好であり、好ましく用いることができる。
イソシアネート化合物の具体例としては、例えば、以下を挙げることができる。
脂肪族系ジイソシアネート化合物:ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネートなど。
脂環式系ジイソシアネート化合物:イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネート等。
芳香族ジイソシアネート化合物:キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、(m−又はp−)フェニレンジイソシアネートなど。
その他のポリイソシアネート類:トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート等の3個以上のイソシアネ−ト基を有するポリイソシアネート化合物類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ポリアルキレングリコール、トリメチロ−ルプロパン、ヘキサントリオ−ル等のポリオールの水酸基に対してイソシアネート基が過剰量となる量のポリイソシアネート化合物を反応させてなる付加物類、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)などのビューレットタイプ付加物、イソシアヌル環タイプ付加物など。
また、上記のイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部又は全部を、ブロック剤によりブロックしたブロックイソシアネート化合物も挙げることができる。より具体的には、アルコール、フェノール、ラクタム、オキシムなどのブロック剤によってイソシアネート基がブロックされたブロックイソシアネート化合物も硬化剤として用いることができる。
なお、ブロック剤としては、フェノール系ブロック剤またはラクタム系ブロック剤が好ましい。
フェノール系ブロック剤としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノール、クロロフェノール、エチルフェノール、ヒドロキシジフェニル、t−ブチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸メチル等を挙げることができる。
ラクタム系ブロック剤としては、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタム等:オキシム系ブロック剤としては、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシム等を挙げることができる。
好ましい硬化剤(B)の別の例として、β−ヒドロキシアルキルアミドを挙げることができる。この化合物は、特に、ポリエステル樹脂(A)が酸基を含む場合に硬化性能が良好であり、好ましく用いることができる。
β−ヒドロキシアルキルアミドは、アミド基のβ位の炭素にヒドロキシ基が置換している化合物であれば任意のものであってよい。例えば、1分子中に、アミド基のβ位の炭素にヒドロキシ基が置換している構造を2つ以上含む化合物を用いることができる。具体的には、1分子中に、アミド基のβ位の炭素にヒドロキシ基が置換している構造を2〜6個含む化合物が好ましい。
より具体的には、β−ヒドロキシアルキルアミドは、1分子中に以下一般式(b1)で表される構造を2つ以上(さらに具体的には2〜6個)有する化合物であることが好ましい。
Figure 0006675549
一般式(b1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または一価の有機基を表す。ただし、RおよびRの少なくとも一方(両方であってもよい)は、以下一般式(b2)で表される一価の有機基である。
Figure 0006675549
一般式(b2)中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または一価の有機基を表す。
一般式(b1)のRおよびRにおける一価の有機基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基などを挙げることができる。
アルキル基としては、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜20のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基を挙げることができる。
シクロアルキル基としては、例えば炭素数3〜8個のシクロアルキル基を挙げることができる。
アルコキシ基としては、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜6の直鎖及び分岐アルコキシ基、炭素数3〜8の環状アルコキシ基を挙げることができる。
一般式(b2)のR、R、RおよびRにおける一価の有機基としては、一般式(b1)のRおよびRにおける一価の有機基と同様のものを挙げることができる。
一般式(b1)においては、好ましくは、(i)RおよびRの一方が水素原子であり、他方が一般式(b2)で表される一価の有機基であるか、または、(ii)RおよびRの両方が一般式(b2)で表される一価の有機基である。
また、一般式(b2)においては、好ましくは、R、R、RおよびRの全てが水素原子である。
β−ヒドロキシアルキルアミドは、以下一般式(b3)で表されるものが好ましい。
Figure 0006675549
一般式(b3)中、nは2以上の整数(好ましくは2〜6)であり、Aはn価の有機基である。なお、RおよびRの定義や具体例などは、一般式(b1)と同様である。
Aのn価の有機基としては、任意の有機化合物からn個の水素原子を除いた基を挙げることができる。
例えばnが2の場合、−CH−や−C−などの直鎖アルキレン基、−CH−C(CH−CH−などの分岐アルキレン基、−C−O−C−などのエーテル含有基、シクロアルキレン基、脂環含有基から2つの水素原子を除いた基、フェニレン基やナフチレン基などの芳香環含有基から2つの水素原子を除いた基、複素環構造を含む基から2つの水素原子を除いた基、などを挙げることができる。これらの中でも、塗膜の柔軟性などの点から、直鎖アルキレン基または分岐アルキレン基が好ましく、直鎖アルキレン基がより好ましい。
nが3以上の場合、Aとしては、直鎖または分岐アルカンから水素原子を3つ以上取り除いた基、シクロアルカンまたは脂環含有化合物から水素原子を3つ以上取り除いた基、芳香環含有化合物から3つ以上の水素原子を除いた基、複素環含有化合物から3つ以上の水素原子を除いた基、などを挙げることができる。
なお、Aのn価の有機基の炭素数については特に限定されないが、典型的には1〜30、好ましくは2〜25、より好ましくは3〜20である。
また、Aのn価の有機基は、任意の置換基を有していてもよい。
β−ヒドロキシアルキルアミドは、例えば、カルボン酸やその低級アルキルエステルとβ−ヒドロキシアルキルアミンとを反応させることで製造することができる。
硬化剤(B)としては、市販の硬化剤を用いてもよい。
例えば、エボニック社のVESTAGON(登録商標)シリーズを挙げることができる。このシリーズの硬化剤は、イソシアネート化合物(ブロックイソシアネート化合物を含む)である。
また、EMS−CHEMIE AG社が供給しているPrimid(登録商標)XL−552などを用いることもできる。この硬化剤は、β−ヒドロキシアルキルアミドに分類される。
金属用粉体塗料組成物は、硬化剤(B)を1種のみ含んでもよいし、2種以上の硬化剤(B)を含んでもよい。
組成物中の硬化剤(B)の量は、特に限定されないが、組成物の全体を基準として、例えば1〜30質量%、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは2〜15質量%である。
[エポキシ樹脂(C)]
本実施形態の金属用粉体塗料組成物は、エポキシ樹脂(C)を含む。
前述のように、エポキシ樹脂(C)は、主として防錆性に寄与していると推測される。
使用可能なエポキシ樹脂(C)は特に限定されない。エポキシ樹脂(C)として具体的には、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、芳香族多官能エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂肪族多官能エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能脂環式エポキシ樹脂などを挙げることができる。
また、エポキシ樹脂(C)は、3官能以上の多官能エポキシ樹脂を含んでもよい。具体的には、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)エチル]フェニル]プロパン、フェノールノボラック型エポキシ、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、α−2,3−エポキシプロポキシフェニル−ω−ヒドロポリ(n=1〜7){2−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンジリデン−2,3−エポキシプロポキシフェニレン}、1−クロロ−2,3エポキシプロパン・ホルムアルデヒド・2,7−ナフタレンジオール重縮合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂などを挙げることができる。
特に、エポキシ樹脂(C)としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂またはビスフェノールF型エポキシ樹脂(つまり、ビスフェノールAまたはビスフェノールFと、エピクロルヒドリンとの縮合反応により製造されるエポキシ樹脂)が好ましい。具体的には、以下一般式(EP)で表されるエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
Figure 0006675549
一般式(EP)中、複数のRは各々独立に水素原子またはメチル基である。また、nは1以上の整数である。nは典型的には1〜10、好ましくは2〜6である。
エポキシ樹脂(C)のエポキシ当量(g/eq)は、特に限定されないが、例えば200〜3000、好ましくは500〜2000である。エポキシ当量が3000以下であることで、十二分な数(密度)のエポキシ基が組成物中に存在することとなり、金属との密着性を高められ、防錆性の一層の向上にも繋がると考えられる。また、エポキシ当量が200以上であることで、過度な硬化を抑えやすくなり、塗膜の過度な収縮などを抑えられると考えられる。
エポキシ樹脂(C)としては、市販品を用いてもよい。例えば、三菱ケミカル株式会社の「jER」(登録商標)シリーズや、新日鉄住金化学株式会社の「エポトート」シリーズのエポキシ樹脂などを用いてもよい。
エポキシ樹脂(C)の重量平均分子量は特に限定されないが、好ましくは20000以下、より好ましくは2000〜20000、より好ましくは5000〜15000である。
エポキシ樹脂(C)の重量平均分子量を20000以下とすることで、エポキシ樹脂(C)とヒドラジド化合物(D)との反応物が、金属基材に近い部分により移動しやすくなり、前述の推定メカニズムによる「偏在状態」がより高度に実現されると考えられる。すなわち、エポキシ樹脂(C)の重量平均分子量を20000以下とすることで、防錆性と耐候性をより高度に両立することができる。
なお、重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による、標準ポリスチレン換算値として求めることができる。
エポキシ樹脂(C)は、金属用粉体塗料組成物に適用する観点からは、それ単独で固体状(粉体状)であることが好ましい。
エポキシ樹脂(C)の物性は、特に限定されないが、塗料製造時の混練性、焼き付け時の塗料の溶融性、焼き付け後の塗膜の強靭性などの観点から適宜調整されることが好ましい。例えば、エポキシ樹脂(C)の軟化点は、60〜130℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。
エポキシ樹脂(C)の極性については、そのSP値をSP[(cal/cm1/2]としたとき、典型的には5≦SP≦15、好ましくは7.5SP≦12.5である。エポキシ樹脂(C)の極性は、ヒドラジド化合物(D)と反応することで大きく変わると考えられるが、エポキシ樹脂(C)単独での極性を適宜調整することで偏在性を制御する処方設計も考え得る。
なお、エポキシ樹脂(C)のSP値は、ポリエステル樹脂(A)のSP値と同様の方法(滴定による方法)で求めることができる。
金属用粉体塗料組成物は、エポキシ樹脂(C)を1種のみ含んでもよいし、2種以上のエポキシ樹脂(C)を含んでもよい。
また、組成物中のエポキシ樹脂(C)の含有量は、特に限定されず、適宜調整することができる。一例として、組成物中のエポキシ樹脂(C)の含有量は、ポリエステル樹脂(A)と硬化剤(B)との総量を100質量部としたときに、好ましくは1〜10質量部であり、より好ましくは1〜6質量部であり、さらに好ましくは2〜4.5質量部である。
エポキシ樹脂(C)の含有量を1質量部以上とすることで、エポキシ樹脂(C)が金属基材表面を十分に覆うことができ、防錆性の効果を十分に得ることができる。また、エポキシ樹脂(C)の含有量を10質量部以下とすることで、ポリエステル樹脂(A)の耐候性とのバランスがとれ、防錆性と耐候性をより高度に両立しうる。
[ヒドラジド化合物(D)]
本実施形態の金属用粉体塗料組成物は、ヒドラジド化合物(D)を含む。
ヒドラジド化合物(D)は、前述のように、エポキシ樹脂(C)と反応(結合)することで、塗装時にエポキシ樹脂(C)を金属基材側に偏在させることに寄与するものと考えられる。
ヒドラジド化合物(D)は、1分子中にヒドラジド基を1つまたは2つ以上(具体的には2〜6個、より具体的には2〜4個)有する化合物であれば特に限定されない。なお、ヒドラジド基とは、典型的には、−C(=O)−NR−NR’R’’で表される基である。ここで、R、R’およびR’’は、それぞれ独立に水素原子または一価の有機基であり、好ましくは全てが水素原子である。
ヒドラジド化合物(D)として具体的には、4,4’−ビスベンゼンジヒドラジド、2,6−ピリジンジヒドラジド、1,4−シクロヘキサンジヒドラジド、N,N’−ヘキサメチレンビスセミカルバジド等のジヒドラジド化合物、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジヒドラジド、ヘキサデカンジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド、1,4−ナフトエ酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド等のジカルボン酸ジヒドラジド類、クエン酸トリヒドラジド、1,2,4−ベンゼントリヒドラジド、ニトリロトリ酢酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、トリメリット酸トリヒドラジド等のトリカルボン酸トリヒドラジド類、エチレンジアミン四酢酸テトラヒドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジド、ピロメリット酸テトラヒドラジド等のテトラカルボン酸テトラヒドラジド類、カルボヒドラジド、チオカルボジヒドラジドなどを挙げることができる。
また、ヒドラジド化合物(D)は、側鎖および/または末端にヒドラジド基を有するポリマーまたはオリゴマーであってもよい。
ヒドラジド化合物(D)は、特に、ジヒドラジド化合物(1分子中にヒドラジド基を2つ含む化合物)を含むことが好ましい。ヒドラジド化合物(D)が1分子中にヒドラジド基を2つ含むことで、エポキシ樹脂(C)と反応したときにそのエポキシ樹脂(C)の極性を十分大きく変えることができ、層分離の状態をより得やすくなると考えられる。
ヒドラジド化合物(D)の分子量は、特に限定されないが、好ましくは100〜400、より好ましくは150〜350である。
分子量が100以上であることで、塗料の溶融時の揮発等を抑えることができ、十分な量のヒドラジド化合物(D)がエポキシ樹脂(C)と反応する(そして層分離がよりしやすくなる)と考えられる。
また、分子量が400以下であることで、エポキシ樹脂(C)がヒドラジド化合物(D)と反応したときの分子量増加が抑えられ、エポキシ樹脂(C)とヒドラジド化合物(D)との反応物の系中での移動性を維持しやすくなると考えられる。これにより、エポキシ樹脂(C)とヒドラジド化合物(D)との反応物が金属基材表面に一層移動しやすくなり、偏在がより促進されるとも考えられる。
ヒドラジド化合物(D)は、前述の推定メカニズムにおける「極性の差による層分離」の観点から、極性が適当なものを用いることが好ましい。
極性の指標としては、溶解性に関する指標である「SP値」を用いることができる。具体的には、ヒドラジド化合物(D)のSP値をSP[(cal/cm1/2]としたとき、好ましくは10≦SP≦20であり、より好ましくは15≦SP≦19である。
このようなSP値のヒドラジド化合物(D)を用いることで、エポキシ樹脂(C)の一部がヒドラジド化合物(D)の一部と反応したときに、その反応物とポリエステル樹脂(A)との極性の差が十二分に大きくなり、「層分離」が一層実現しやすくなると考えられる。このことにより、防錆性と耐候性の両性能を一層高度に両立しうる。
なお、ヒドラジド化合物(D)のSP値は、典型的にはFedorsらが提案した方法(Fedors法)に基づいて求めることができる(前述の、ポリエステル樹脂(A)やエポキシ樹脂(C)の算出法(滴定による方法)とは異なる点に留意されたい)。ヒドラジド化合物(D)は、テトラヒドロフランに溶解しない場合があるため、Fedors法によるSP値の算出が有効である。
Fedors法については、R.F.Fedors:Polym.Eng.Sci.,14[2],147−154(1974)や、「溶解性パラメーター適用事例集」(情報機構発行、2007年3月15日第1刷)の12〜14頁などに記載されている。
具体的には、SP値を求めるヒドラジド化合物(D)の分子構造をユニット(原子団)に分解したうえで、以下の(数式D)に基づき求めることができる。
Figure 0006675549
(数式D)で、SPはSP値[(cal/cm1/2]、Eはヒドラジド化合物(D)を構成するユニット(i番目のユニット)のモル蒸発熱[cal/mol]、Vはヒドラジド化合物(D)を構成するユニット(i番目のユニット)のモル分子容[cm/mol]を表す。
なお、本明細書において、EやVの値は、原則として、上述のFedorsの文献に記載の値を用いる。
「層分離」の観点からは、ヒドラジド化合物(D)そのもののSP値だけでなく、ポリエステル樹脂(A)とヒドラジド化合物(D)とのSP値の相対的な関係についても考慮されることが好ましい。
具体的には、ポリエステル樹脂(A)のSP値をSPとし、ヒドラジド化合物(D)のSP値をSPとしたとき、SP−SPの値は、好ましくは3以上であり、より好ましくは3〜12であり、さらに好ましくは7〜10である。SP−SPの値が3以上であることで、十分に層分離がなされ、防錆性と耐候性の両立の効果を確実に得ることができると考えられる。また、SP−SPの値が12以下であることで、層分離「しすぎる」ことがなく、膜全体としての耐久性(機械物性など)を最適とすることができると考えられる。
組成物中のヒドラジド化合物(D)の含有量は、特に限定されず、適宜調整することができる。
一例として、ヒドラジド化合物(D)の含有量は、組成物中のポリエステル樹脂(A)と硬化剤(B)との総量を100質量部としたとき、好ましくは0.01〜10質量部であり、より好ましくは0.015〜5質量部であり、さらに好ましくは0.02〜3質量部である。
ヒドラジド化合物(D)自体、その窒素原子含有構造により金属基材の表面と相互作用すると考えられる。よって、組成物がある程度の量のヒドラジド化合物(D)を含むことで、より一層の防錆の効果が発現しうる。
また、エポキシ樹脂(C)の含有量を100質量部としたときのヒドラジド化合物(D)の含有量は、特に限定されないが、典型的には1質量部以上、好ましくは2質量部以上である。より具体的には、通常1〜15質量部、好ましくは2〜10質量部、より好ましくは2〜5質量部である。
この量のヒドラジド化合物(D)を用いることで、ヒドラジド化合物(D)がエポキシ樹脂(C)と十二分な量反応し、金属基材に近い部分により移動しやすくなると考えられる。換言すると、前述の推定メカニズムによる「偏在状態」がより高度に実現され、防錆性と耐候性をより高度に両立しうる。
[顔料(E)]
本実施形態の金属用粉体塗料組成物は、好ましくは顔料(E)を含む。これにより、塗膜を所望の色味とし、塗膜の意匠性を高めることなどができる。また、顔料(E)の種類によっては、防錆性を更に高めることができる。
顔料(E)として使用可能なものは特に限定されない。例えば、公知の無機顔料や有機顔料などの着色顔料を用いることができる。具体的には、二酸化チタン(チタン白)、亜鉛華、鉛白、塩基性硫酸鉛、硫酸鉛、リトポン、硫化亜鉛、アンチモン白などの白色顔料;カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、黒鉛、鉄黒(黒色酸化鉄)、アニリンブラックなどの黒色顔料;ナフトールエローS、ハンザエロー、ピグメントエローL、ベンジジンエロー、パーマネントエロー、黄鉄(黄色酸化鉄)などの黄色顔料;クロムオレンジ、クロムバーミリオン、パーマネントオレンジなどの橙色顔料;酸化鉄、アンバーなどの褐色顔料;ベンガラ(赤色酸化鉄)、鉛丹、パーマネントレッド、キナクリドン系赤顔料、ジケトピロロピロール系赤顔料などの赤色顔料;コバルト紫、ファストバイオレット、メチルバイオレットレーキなどの紫色顔料、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、インジゴなどの青色顔料;クロムグリーン、ピグメントグリーンB、フタロシアニングリーンなどの緑色顔料などが挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
顔料(E)としては、体質顔料を用いてもよい。
使用可能な体質顔料は特に限定されないが、例えば、バリタ粉、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシム、石膏、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、珪藻土、タルク、炭酸マグネシウム、含水珪酸マグネシウム、アルミナホワイト、グロスホワイト、マイカ粉等を挙げることができる。
顔料(E)としては、塗料の焼き付けの際の温度に耐えられるもの(焼き付けにより色味などの変化が少ないもの)が好ましい。この点で、無機顔料や体質顔料が好ましく用いられる。もちろん、有機顔料であっても焼き付け時の退色が問題とならなければ好ましく使用可能である。
また、顔料(E)としては、粉体塗料の分野で知られている防錆顔料を含んでもよい。防錆顔料の例としては、酸化亜鉛、亜リン酸塩化合物、リン酸塩化合物、モリブテン酸塩系化合物、ビスマス化合物、金属イオン交換シリカなどが挙げられる。
亜リン酸塩化合物の市販品としては、東邦顔料工業社製の商品名「EXPERT」シリーズ等を挙げることができる。
リン酸塩化合物およびモリブテン酸塩系化合物の市販品としては、キクチカラー社製の商品名「LFボウセイ」シリーズ等を挙げることができる。
リン酸塩化合物としては、金属化合物(例えば、亜鉛、カルシウム、マグネシウム)で処理されたトリポリリン酸2水素アルミニウムが含まれる。これの市販品としては、テイカ社製の商品名「K−WHITE」シリーズ等を挙げることができる。
ビスマス化合物としては、例えば、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、硝酸ビスマス、ケイ酸ビスマス及び有機酸ビスマス等を挙げることができる。
金属イオン交換シリカとしては、例えば、カルシウムイオン交換シリカ、マグネシウムイオン交換シリカ等が挙げられる。これらの金属イオン交換シリカは、リン酸で変性された、リン酸変性金属イオン交換シリカであってもよい。
上記のうち、カルシウムイオン交換シリカの市販品としては、W.R.Grace&Co.社製の商品名「SHIELDEX」(登録商標)シリーズなどを挙げることができる。
上記のうち、マグネシウムイオン交換シリカの市販品としては、富士シリシア社製のサイロマスク52M、フランスSNCZ社製のノビノックスACE−110が挙げられる。
顔料(E)については、1種のみを用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
組成物中の顔料(E)の量は特に限定されず、所望する色味や他の性能との兼ね合いにより適宜調整される、一例として、組成物中の顔料(E)の量は、組成物全体を100質量部としたときに通常10〜60質量部、好ましくは20〜50質量部である。
[その他成分]
本実施形態の金属用粉体塗料組成物は、必要に応じ上記(A)〜(E)以外の任意の成分を含んでもよい。
例えば、塗料分野で知られている、塗膜表面の平滑性を高める効果がある添加成分(表面調整剤)を含んでもよい。表面調整剤には、塗料分野で公知の可塑剤、シリコーン化合物、ワックス、消泡剤、レベリング剤、ワキ防止剤(塗装時に巻き込んだ空気を破泡する成分)などが含まれる。
表面調整剤の例としては、BASF社の「Acronal」(登録商標)シリーズ(中身は(メタ)アクリル系樹脂)共栄社化学社製の「ポリフロー」(商品名)シリーズ、ESTRON CHEMICAL社製の「レジフロー」(商品名)シリーズ、モンサント社製の「モダフロー」(商品名)シリーズ、ベンゾインなどを挙げることができる。
また、別の任意の成分として、本実施形態の金属用粉体塗料組成物は、流動性調整剤を含んでもよい。組成物が流動性調整剤を含むことで、例えば、粉体としての流動性を調整することができる。
流動性調整剤として具体的には、疎水性シリカ、親水性シリカや酸化アルミニウム等が適用できる。市販品としては、例えば、AEROSIL 130、AEROSIL200、AEROSIL300、AEROSIL R−972、AEROSILR−812、AEROSILR−812S、AlminiumOxideC(日本アエロジル社製、商品名)、カープレックスFPS−1(DSL社製、商品名)等を挙げることができる。
さらに、別の任意の成分として、本実施形態の金属用粉体塗料組成物は、顔料分散剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、磁性粉、帯電制御剤などを含んでもよい。
[粒径]
本実施形態の金属用粉体塗料組成物の性状は、「粉体」、すなわち微粒子の集合体である。
この微粒子の集合体のメディアン径d50(体積基準)は、特に限定されないが、典型的には10〜70μm、好ましくは20〜50μmである。なお、d50は、例えば、レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製、製品名:マイクロトラックMT3000IIシリーズ)を用いて、粒度分布の測定値から、累積分布によるメディアン径として求めることができる。
メディアン径や粒径分布などの粒径に関するパラメーターは、例えば、後述の製造方法において、粉砕の方法や分級の方法を変更することで適宜調整可能である。
[粉体としての流動性(安息角)]
本実施形態の金属用粉体塗料組成物の安息角は、好ましくは30〜40°である。この範囲の安息角とすることで、粉体としての流動性が良好であり、取扱い性のよい粉体塗料とすることができる。
本発明者らの知見として、ジヒドラジド化合物(D)ではない公知の含窒素化合物を粉体塗料組成物に含めた場合、安息角が大きくなってしまう場合がある(含窒素化合物が組成物中で他成分と反応したり、吸湿したりすることが原因と推測される)。一方、本実施形態の金属用粉体塗料組成物においては、含窒素化合物としてジヒドラジド化合物(D)を含むものの、安息角を上記数値範囲内とし、取扱い性のよいものとすることができる。このことは後掲の実施例で例証される。
なお、安息角は、例えば、ホソカワミクロン社製の装置「パウダテスタPT−X」を用いて測定することができる。
本実施形態の金属用粉体塗料組成物は、成分(A)〜(D)を適切に混練するなどして製造することで、安息角を上記の範囲にすることができる(製造方法の詳細については後述する)。ただし、安息角の微調整などのため、前述の流動性調整剤を用いるなどしてもよい。
[耐ブロッキング性]
本実施形態の金属用粉体塗料組成物は、保存中に凝集しづらいことが好ましい。つまり、耐ブロッキング性が良好であることが好ましい。
本発明者らの知見として、ジヒドラジド化合物(D)ではない公知の含窒素化合物を粉体塗料組成物に含めた場合、耐ブロッキング性が悪くなる場合がある(含窒素化合物が組成物中で他成分と反応したり、吸湿したりすることが原因と推測される)。一方、本実施形態の金属用粉体塗料組成物においては、ブロッキング性を問題ないレベルにすることができる。このことは後掲の実施例で例証される。
なお、耐ブロッキング性は、例えば、粉体塗料組成物を容積100mLのガラス容器に入れて、40℃にて7日間容器中に密閉して貯蔵した後の状態を見る方法により評価することができる。
<金属用粉体塗料組成物の製造方法>
本実施形態の金属用粉体塗料組成物の製造方法は特に限定されない。例えば、以下のような手順で製造される。
(1)各成分を必要量準備する。
(2)ヘンシェルミキサーやブレンダー等を用いて、各成分(成分(A)〜(D)、およびその他の任意成分)を均一に混合して、混合物を得る。
(3)上記(2)で得られた混合物をニーダーに投入して80〜140℃で溶融混練する。
(4)上記(3)で得られた混練物を50℃以下に冷却する。冷却の方法は任意の方法を採用できる。例えば、室温放置、冷却ロール、冷却コンベヤー等を挙げることができる。
(5)冷却された混練物を、粉砕機を用いるなどして粉砕する。粉砕機としては、機械式のもの、気流式のものなど特に限定されない。また、粉砕は、例えば粗粉砕及び微粉砕の2工程に分けて行ってもよい。
(6)所望の粒径となるように分級する。分級には、ふるいや気流式分級機を用いることができる。
なお、上記では、成分全てを一度に混合して溶融混練する方法を説明したが、必ずしも成分全てを一度に混合する必要はない。
一例として、まず成分(A)〜(D)の一部のみを混合および溶融混練した後、ニーダーの中に残りの成分を投入するといった手順としてもよい。また別の例として、成分(A)〜(D)の一部のみを用いて(1)〜(6)の工程を行って粒子を得て、その後、その粒子および残りの原料を用いて(1)〜(6)の手順を実施する2段階の手順なども考えられる。
金属用粉体塗料組成物を構成する微粒子内における成分(A)〜(D)の分布を敢えて不均一にすることで、焼き付け塗装時の樹脂の「偏在」状態を得やすくなる可能性がある。
<塗膜、塗膜を備える金属材および塗膜を備える金属材を製造する方法>
本実施形態の金属用粉体塗料組成物を金属に焼き付けることで、金属表面に塗膜を形成することができる。具体的には、上述した金属用粉体塗料組成物を金属材の表面に供し、加熱して焼き付けることで塗膜を形成すること、また、塗膜を備える金属材を製造することができる。
既に述べたように、本実施形態の金属用粉体塗料組成物により金属表面上に形成された塗膜は、耐候性が良好であり、かつ、防錆性が良好である。
金属用粉体塗料組成物を金属材の表面に供する方法としては、粉体塗料の分野で公知の方法を適宜用いることができる。例えば、静電粉体吹き付け法、流動浸漬法、静電流動浸漬法などを好ましく用いることができる。この時の膜厚は、例えば30〜1000μmの間で適宜調整すればよい。
金属用粉体塗料組成物が表面に供された金属材は、炉に投入されるなどして、例えば120〜250℃で5〜60分間加熱される。これによって塗料が溶融し、金属材の表面に塗膜が形成される。
塗膜を形成する金属材は特に限定されない。典型的には鉄(鉄鋼材)であるが、これに限定されるものではない。また、金属材の形状や塗装後の用途も限定されず、各種装置の金属製の外装、自動車の部品の塗装などに適用可能である。
なお、金属材の表面は、防錆性の一層の向上や密着性の向上などのために、何らかの前処理がされていてもよい。前処理としては、洗浄、脱脂、ブラスト、プライマーコート、前加熱、乾燥、皮膜形成(例えばリン酸亜鉛処理)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下、参考形態の例を付記する。
1.
ポリエステル樹脂(A)と、
硬化剤(B)と、
エポキシ樹脂(C)と、
ヒドラジド化合物(D)と
を含む金属用粉体塗料組成物。
2.
1.に記載の金属用粉体塗料組成物であって、
前記ポリエステル樹脂(A)と前記硬化剤(B)との総量を100質量部としたとき、前記エポキシ樹脂(C)の含有量が1〜10質量部である金属用粉体塗料組成物。
3.
1.または2.に記載の金属用粉体塗料組成物であって、
前記エポキシ樹脂(C)の重量平均分子量が20000以下である金属用粉体塗料組成物。
4.
1.〜3.のいずれか1つに記載の金属用粉体塗料組成物であって、
前記ポリエステル樹脂(A)と前記硬化剤(B)との総量を100質量部としたとき、前記ヒドラジド化合物(D)の含有量が0.01〜10質量部である金属用粉体塗料組成物。
5.
1.〜4.のいずれか1つに記載の金属用粉体塗料組成物であって、
前記ヒドラジド化合物(D)がジヒドラジド化合物である金属用粉体塗料組成物。
6.
1.〜5.のいずれか1つに記載の金属用粉体塗料組成物であって、
前記ヒドラジド化合物(D)の分子量が100〜400である金属用粉体塗料組成物。
7.
1.〜6.のいずれか1つに記載の金属用粉体塗料組成物であって、
前記ヒドラジド化合物(D)のSP値をSP [(cal/cm 1/2 ]としたとき、10≦SP ≦20である金属用粉体塗料組成物。
8.
1.〜7.のいずれか1つに記載の金属用粉体塗料組成物であって、
前記ポリエステル樹脂(A)のSP値をSP [(cal/cm 1/2 ]とし、前記ヒドラジド化合物(D)のSP値をSP [(cal/cm 1/2 ]としたとき、SP −SP の値が3[(cal/cm 1/2 ]以上である金属用粉体塗料組成物。
9.
1.〜8.のいずれか1つに記載の金属用粉体塗料組成物であって、
前記エポキシ樹脂(C)の含有量を100質量部としたとき、前記ヒドラジド化合物(D)の含有量が2質量部以上である金属用粉体塗料組成物。
10.
1.〜9.のいずれか1つに記載の金属用粉体塗料組成物であって、
前記ポリエステル樹脂(A)がヒドロキシ基を有する金属用粉体塗料組成物。
11.
1.〜10.のいずれか1つに記載の金属用粉体塗料組成物であって、
前記ポリエステル樹脂(A)の水酸基価が10〜60mgKOH/gである金属用粉体塗料組成物。
12.
1.〜11.のいずれか1つに記載の金属用粉体塗料組成物であって、
安息角が30〜40°である金属用粉体塗料組成物。
13.
1.〜12.のいずれか1つに記載の金属用粉体塗料組成物であって、
さらに顔料(E)を含む金属用粉体塗料組成物。
14.
1.〜13.のいずれか1つに記載の金属用粉体塗料組成物により形成された塗膜。
15.
1.〜13.のいずれか1つに記載の金属用粉体塗料組成物により形成された塗膜を備える金属材。
16.
1.〜13.のいずれか1つに記載の金属用粉体塗料組成物を金属材の表面に供し、加熱して焼き付けることで塗膜を備える金属材を製造する方法。

本発明の実施態様を、実施例および比較例に基づき詳細に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
<実施例1〜13および比較例1〜9:粉体塗料組成物の調製>
表1〜4に示される成分(数値は質量部である)をヘンシェルミキサーで混合し、その後混練機を用いて120℃で溶融混練を行った。混練機としてはBuss AG社製の商品名「ブスコニーダーPR46」を用いた。
得られた混練物を50℃以下に冷却後、ハンマー式衝撃粉砕機で微粉砕し、150メッシュのふるいで分級した。粉砕および分級については、最終的に得られる粉体塗料組成物のメディアン径が38±5μmとなるように管理した。
以上により、粉体塗料組成物を得た。
なお、表1〜4の処方量は、有効成分としての処方量(質量部)を記載している。
表1〜4に示される各成分の化学構造、入手先などは以下のとおりである。
(ポリエステル樹脂)
・酸末端ポリエステル樹脂:商品名CRYLCOAT 2695−0(ダイセル・オルネクス社製、重量平均分子量:11000、分散度:1.9、酸価(カタログ値):21〜29mgKOH/g)
・水酸基末端ポリエステル樹脂:商品名ファインディック(登録商標)M−8023(DIC株式会社製、重量平均分子量:9300、分散度:2.7、水酸基価(カタログ値):35〜45mgKOH/g)
なお、これら樹脂の酸価/水酸基価については、実測も行った。酸価/水酸基価の実測値は表1〜4に記載した。
また、これら樹脂のSP値を、前述の滴定による方法で求めた。SP値も表1〜4に記載した。
(硬化剤)
・プリミドXL552:β−ヒドロキシアルキルアミド硬化剤(EMS−CHEMIE AG社製、水酸基価600〜725mgKOH/g)
・VESTAGON(登録商標)B1530:ε−カプロラクタムでブロックされたポリイソシアネート(エボニック社製)
(エポキシ樹脂)
・YD903N:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(新日鐵住金化学株式会社製、エポキシ当量:780〜840)
・BE502:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(CHANG CHUN PLASTICS Co.,Ltd製の固形状エポキシ樹脂、エポキシ当量:600〜650)
・jER1002:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、エポキシ当量:600〜700)
・jER4005P:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、エポキシ当量:950〜1200)
・YDF2005RD:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製、エポキシ当量:1100〜1650)
これら樹脂のSP値は、前述の滴定による方法で求め、表1〜4に記載した。
(ヒドラジド化合物)
・ADH:アジピン酸ジヒドラジド(日本化成株式会社製)
・アミキュアUDH:7,11−オクタデカジエンー1,18−ジカルボヒドラジド(味の素ファインケミカル社製)
・アミキュアVDH:1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル)―5−イソプロピルヒダントイン(味の素ファインケミカル社製)
これら化合物のSP値は、Fedors法で求め、表1〜4に記載した。
(顔料)
・酸化チタン(CR95):塩素法酸化チタン、平均粒径0.28μm(石原産業社製)
(その他成分:表面調整剤)
・ベンゾイン:美源スペシャリティケミカル株式会社製
・アクロナール4F:アクリル樹脂系の表面調整剤(BASF社製)
<塗膜の形成>
板厚1.5mmのリン酸亜鉛処理鋼板を垂直方向に吊り下げた。これに、コロナ帯電式静電粉体塗装機(旭サナック株式会社製、商品名:PG−1型)を用いて、各実施例および比較例の粉体塗料組成物を静電塗装した(塗装電圧:−60kV)。
次いで、塗装した鋼板を電気炉に入れて180℃で20分間焼き付けを行った。その後、室温になるまで放冷した。
以上により、膜厚70μmの塗膜を備えた試験板を得た。
<評価>
[仕上がり(G60)]
各実施例、比較例および参考例の粉体塗料組成物から得られた塗膜の仕上がりを評価した。
各試験板について、光沢計を使用して60°鏡面光沢値(以下、G60と表す)の測定を行った。光沢計としてはBYK株式会社社製の商品名「micro−TRI−gross」(入反射角60゜)を用いた。
G60の値が大きいほど、塗膜が平滑で高い光沢を呈する良好な仕上がりであることを示す。仕上がりは、G60が90以上であれば実用上問題ない。
[防錆性]
防錆性は塩水噴霧試験により評価した。
具体的には、JIS K 5600−7−1で規定された「耐中性塩水噴霧性の操作」に準拠する試験(液温35℃の5%塩化ナトリウム水溶液連続噴霧)により評価した。この試験で、500時間および1000時間の塩水噴霧後に、塗膜の剥離幅の評価を行った。
剥離幅評価では、塗膜にテープを当て、剥離幅を以下の5段階で評価した。評価が3以上であれば実用上問題はない。
5:1000時間、剥離幅片側3mm未満
4:1000時間、剥離幅片側3mm以上4mm未満
3:1000時間、剥離幅片側4mm以上/500時間、剥離幅片側3mm未満
2:500時間、剥離幅片側3mm以上4mm未満
1:500時間、剥離幅片側4mm以上
[耐候性]
JIS K 5500−7−7(キセノンランプ法)に準拠した促進耐候性試験機を使用して、耐候性試験を行った。試験時間は500時間とした。
試験前の60°鏡面光沢値保持率を基準としたとき、以下式で定義される光沢値保持率を、光沢計(仕上がり評価で用いたものと同じ)にて測定した。
光沢保持率(%)={(試験後の60°光沢値)/(試験前の60°光沢値)}×100
評価は以下の5段階とした。評価が3以上であれば実用上問題ない。
5:光沢保持率75%以上
4:光沢保持率70%以上75%未満
3:光沢保持率50%以上70%未満
2:光沢保持率30%以上50%未満
1:光沢保持率30%未満
これら評価結果を、組成物の処方などとともに表1〜4に示す。表中、各成分の数値は有効成分としての処方量(質量部)である。
Figure 0006675549
Figure 0006675549
Figure 0006675549
Figure 0006675549
表1〜4に示されるとおり、ポリエステル樹脂、硬化剤、エポキシ樹脂およびヒドラジド化合物を含む実施例1〜13の組成物により形成された塗膜は、防錆性と耐候性の両性能が良好であることが実証された。また、実施例1〜13の組成物により形成された塗膜は、仕上がり(光沢)においても特に問題ないものであった。
一方、ポリエステル樹脂、硬化剤、エポキシ樹脂およびヒドラジド化合物のうち、1つ以上を含まない比較例の組成物により形成された塗膜は、防錆性と耐候性の2つの性能を両立できなかった。
なお、各実施例をより詳細に分析すると、以下傾向が読み取れる。
エポキシ樹脂の含有量により、防錆性と耐候性の性能が若干変化する(実施例2〜5など参照)。エポキシ樹脂の含有量を適切に調整することで、防錆性と耐候性をより高度に両立することができる(実施例3、4)。
ヒドラジド化合物の含有量がある程度多いほうが、性能が優れる傾向にある(実施例3、6、7など参照)。これは、十分な量のヒドラジド化合物が組成物中に含まれることで、エポキシ樹脂の極性を十分に大きくすることができ、層分離がより促進されるためと考えられる。
ヒドラジド化合物のSP値が大きいほうが、防錆性がより良好となる傾向がある(実施例3、8、9など参照)。これは、ヒドラジド化合物のSP値が大きいほうが、ヒドラジド化合物そのもの、および、ヒドラジド化合物と反応したエポキシ樹脂が基材側に一層偏在しやすくなるためと考えられる。
エポキシ樹脂の重量平均分子量がある程度小さいほうが、性能がより良好な傾向にある(実施例13および他の実施例参照)。これは、エポキシ樹脂の重量平均分子量がある程度小さいほうが、塗料の溶融時にエポキシ樹脂が動きやすく、より偏在しやすくなるためと考えられる。
<追加の評価:粉体としての流動性(安息角)および耐ブロッキング性について>
実施例3および7の組成物、および、表5に示される参考例1〜3の組成物を用いて、以下の追加評価を行った。なお、参考例1〜3の組成物は、原材料として表5に記載されたものを用いた以外は、実施例1〜13と同様の手順で調製した。
[粉体としての流動性(安息角)]
25±2℃の条件下、100gの組成物を用いて、ホソカワミクロン製パウダテスタPT−Xにより測定した。測定は3回行い、3回の平均値を安息角とした。
[耐ブロッキング性]
塗料組成物を容積100mLのガラス容器に入れ、40℃にて7日間容器中に密閉して貯蔵した。その後の状態を以下の基準で判断した。
〇(良い):貯蔵前と変化なく良好である。
△(普通):やや凝集があるが、容易に粉砕でき、塗料として使用できる。
×(悪い):かなり凝集があり、容易に粉砕できず、塗料として使用できない。
これら評価結果を、組成物の処方などとともに表5に示す。表中、各成分の数値は処方量(質量部)である。
Figure 0006675549
表5中、含窒素化合物の詳細については以下のとおりである。なお、これら以外の表5に記載の成分については、表1〜4と同様である。
・KBM903:3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製)、常温で液体
・ブチルアミン:n−ブチルアミン、融点−50℃
・キュアゾール2E4MZ:2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成製)、融点40℃
表5より、ポリエステル樹脂、硬化剤、エポキシ樹脂およびヒドラジド化合物を含む実施例3および7の組成物は、粉体としての流動性が良好(安息角が30〜40°の範囲内)であり、また、耐ブロッキング性が良好であった。
一方、ヒドラジド化合物とは異なる含窒素化合物を含む参考例1〜3の組成物は、粉体としての流動性および耐ブロッキング性において、実施例3および7の組成物に比べて劣る結果であった。
<例示:顔料のバリエーションに関する追加の組成物>
実施例1〜13では、顔料として酸化チタンのみを用いたが、その他の顔料であってもよいことは言うまでもない。たとえば、以下の表6に示されるような、各種の着色顔料および/または体質顔料を含む粉体塗料組成物であっても、防錆性と耐候性の両性能を両立することができる。
なお、表中、各成分の数値は処方量(質量部)である。
Figure 0006675549
表6の顔料については以下のとおりである。これら以外の成分については表1〜4と同様である。
・カーボンブラック MA100:三菱化学株式会社製のカーボンブラック
・イルガジンレッド2029:BASF社製のジケトピロロピロール系顔料
・合成酸化鉄 LL−XLO:チタン工業株式会社製の商品名「TAROX LL−XLO」
・硫酸バリウム:冨士タルク工業社製の硫酸バリウム「バライトパウダーFBA」(メディアン径8μm)

Claims (15)

  1. ポリエステル樹脂(A)と、
    硬化剤(B)と、
    エポキシ樹脂(C)と、
    ヒドラジド化合物(D)と
    を含み、
    前記ポリエステル樹脂(A)と前記硬化剤(B)との総量を100質量部としたとき、前記エポキシ樹脂(C)の含有量が1〜10質量部である金属用粉体塗料組成物。
  2. 請求項1に記載の金属用粉体塗料組成物であって、
    前記エポキシ樹脂(C)の重量平均分子量が20000以下である金属用粉体塗料組成物。
  3. 請求項1または2に記載の金属用粉体塗料組成物であって、
    前記ポリエステル樹脂(A)と前記硬化剤(B)との総量を100質量部としたとき、前記ヒドラジド化合物(D)の含有量が0.01〜10質量部である金属用粉体塗料組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の金属用粉体塗料組成物であって、
    前記ヒドラジド化合物(D)がジヒドラジド化合物である金属用粉体塗料組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の金属用粉体塗料組成物であって、
    前記ヒドラジド化合物(D)の分子量が100〜400である金属用粉体塗料組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の金属用粉体塗料組成物であって、
    前記ヒドラジド化合物(D)のSP値をSP[(cal/cm1/2]としたとき、10≦SP≦20である金属用粉体塗料組成物。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の金属用粉体塗料組成物であって、
    前記ポリエステル樹脂(A)のSP値をSP[(cal/cm1/2]とし、前記ヒドラジド化合物(D)のSP値をSP[(cal/cm1/2]としたとき、SP−SPの値が3[(cal/cm1/2]以上である金属用粉体塗料組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の金属用粉体塗料組成物であって、
    前記エポキシ樹脂(C)の含有量を100質量部としたとき、前記ヒドラジド化合物(D)の含有量が2質量部以上である金属用粉体塗料組成物。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の金属用粉体塗料組成物であって、
    前記ポリエステル樹脂(A)がヒドロキシ基を有する金属用粉体塗料組成物。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の金属用粉体塗料組成物であって、
    前記ポリエステル樹脂(A)の水酸基価が10〜60mgKOH/gである金属用粉体塗料組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の金属用粉体塗料組成物であって、
    安息角が30〜40°である金属用粉体塗料組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の金属用粉体塗料組成物であって、
    さらに顔料(E)を含む金属用粉体塗料組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の金属用粉体塗料組成物により形成された塗膜。
  14. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の金属用粉体塗料組成物により形成された塗膜を備える金属材。
  15. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の金属用粉体塗料組成物を金属材の表面に供し、加熱して焼き付けることで塗膜を備える金属材を製造する方法。
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