JP2014218671A - 粉体塗料組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水酸基又はカルボキシル基を含有するフッ素樹脂と、水酸基又はカルボキシル基を含有するポリエステル樹脂と、イソシアネート化合物から選択される硬化剤と、光輝顔料とを含有してなり、該光輝顔料の含有量が0.1〜30質量%であり、フッ素塗膜層とポリエステル塗膜層とを備える塗膜を形成することが可能な粉体塗料組成物である。
【選択図】図1
Description
本発明の粉体塗料組成物は、水酸基又はカルボキシル基を含有するフッ素樹脂と、水酸基又はカルボキシル基を含有するポリエステル樹脂と、β-ヒドロキシアルキルアミド、トリグリシジルイソシアヌレート及びイソシアネート化合物からなる群から選択される硬化剤とを含有してなり、フッ素塗膜層とポリエステル塗膜層とを備える塗膜を形成することが可能である。また、本発明の粉体塗料組成物は、耐候性に優れるフッ素樹脂の他、安価なポリエステル樹脂を用いるため、製造費用を抑えて耐候性に優れる塗膜を形成することができる。また、本発明の粉体塗料組成物を基材上に塗装する場合、一回の塗装で2層の塗膜層が形成されるため、塗膜の製造工程を省くことができる。なお、フッ素塗膜層とは、フッ素樹脂に基づき形成される塗膜層を指し、ポリエステル塗膜層とは、ポリエステル樹脂に基づき形成される塗膜層を指す。
本発明の粉体塗料組成物において、フッ素樹脂は、常温で固体状の樹脂であることを要し、その軟化点は50〜150℃であることが好ましい。上記フッ素樹脂は、フッ素塗膜層を形成し、塗膜に耐候性をもたらす。なお、常温とはJIS Z 8703で規定された20℃±15℃(5〜35℃)の範囲の温度である。
本発明の粉体塗料組成物において、ポリエステル樹脂は、カルボン酸成分と多価アルコール成分とを公知の方法で反応させることにより製造でき、硬化剤等と反応する反応性部位を有する必要があるため、水酸基又はカルボキシル基を含有し、常温で固体状の樹脂であることを要し、その軟化点は100〜150℃であることが好ましい。上記ポリエステル樹脂は、ポリエステル塗膜層を形成し、塗膜の一部を構成する。これにより、フッ素塗膜層のみからなる塗膜と比較して、塗膜の外観及び加工性が向上し、更には製造費用を削減することができる。
本発明の粉体塗料組成物は、基材との密着性を向上させるため、エポキシ樹脂を更に含有することが好ましい。
本発明の粉体塗料組成物において、硬化剤は、β-ヒドロキシアルキルアミド、トリグリシジルイソシアヌレート及びイソシアネート化合物からなる群から選択される硬化剤であることを要し、水酸基又はカルボキシル基含有フッ素樹脂、水酸基又はカルボキシル基含有ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂と反応し、架橋結合を形成することができる。
本発明の粉体塗料組成物に用いる樹脂がカルボキシル基を有する場合、硬化剤として、β−ヒドロキシアルキルアミドを使用することが好ましい。β−ヒドロキシアルキルアミドとしては、一分子当たりの官能基を2個以上有しているものが、低温硬化性や塗装して得られる塗膜の耐水性の点から特に好ましい。β−ヒドロキシアルキルアミドとしては、N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)アセトアミド、ビス(β−ヒドロキシエチル)アジポアミド、ビス(β−ヒドロキシプロピル)アジポアミド、ビス〔N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)〕アジポアミド、ビス〔N,N−ジ(β−ヒドロキシプロピル)〕アジポアミドが特に好ましい。β−ヒドロキシアルキルアミドは、樹脂中のカルボキシル基に対してヒドロキシルアミド基が0.5〜1.5当量であることが好ましい。
本発明の粉体塗料組成物に用いる樹脂がカルボキシル基を有する場合、硬化剤として、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)を使用することが好ましい。トリグリシジルイソシアヌレートとしては、例えば、商品名としてはAraldite(登録商標)PT 710、Araldite(登録商標)PT 810、Araldite(登録商標)PT 910、Araldite(登録商標)PT 912(全てハンツマン社製)等が挙げられる。
また、本発明の粉体塗料組成物には、塗膜硬度や耐加水分解性等の塗膜物性の点から、イソシアネート化合物を硬化剤として配合することもできるが、更にブロックイソシアネート化合物であることがより好ましい。上記イソシアネート化合物は、常温で固体のものが好ましい。
本発明の粉体塗料組成物は、光輝顔料を更に含有することができる。光輝顔料には、鱗片状のものも存在する。光輝顔料としては、例えば、アルミニウム粉顔料、ニッケル粉顔料、金粉、銀粉、ブロンズ粉、銅粉、ステンレス粉顔料、マイカ(雲母)顔料、グラファイト顔料、ガラスフレーク顔料、金属コーティングした硝子粉、金属コーティングしたマイカ粉、金属コーティングしたプラスチック粉、及び鱗片状酸化鉄顔料等が挙げられる。本発明の粉体塗料組成物中における光輝顔料の含有量は、0.1〜30質量%であることが好ましく、0.5〜20質量%であることが更に好ましい。該光輝顔料の含有量が、0.1質量%未満では、塗膜の輝度感が得られ難くなり、一方、30質量%を超えると、塗膜の層分離性並びに塗膜表面への光輝顔料の露出に伴う塗膜の耐薬品性及び耐湿性等が劣る可能性がある。更に、光輝顔料は高価であるため、過剰の光輝顔料を使用する場合には、費用が増大する。
本発明の粉体塗料組成物は、光輝顔料の他、通常使用される顔料、例えば着色顔料や体質顔料等も含有することができる。着色顔料としては、例えば、酸化チタン、黄色酸化鉄、チタン黄、ベンガラ、リトポン、酸化アンチモン等の無機系顔料、ハンザイエロー5G、パーマネントエローFGL、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルーRS、パーマネントレッドF5RK、ブリリアントファーストスカーレットG等の有機顔料等が挙げられる。一方、体質顔料としては、例えば、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、シリカ粉、珪藻土、タルク、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナホワイト等が挙げられる。また、本発明の粉体塗料組成物は、塗装すべき基材に防錆性が必要である場合、防錆顔料を含有してもよい。防錆顔料としては、例えば、縮合リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、縮合リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、亜リン酸アルミニウム、亜リン酸亜鉛、亜リン酸カルシウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸マンガン等が挙げられる。これら顔料は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の粉体塗料組成物には、一般塗料用添加剤として、可塑剤、硬化促進剤、架橋促進触媒、表面調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、流動性調整剤、垂れ防止剤及び消泡剤等を必要に応じで配合してもよい。
本発明の粉体塗料組成物は、耐候性及び低コストの観点から、フッ素樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)の質量比(A/B)が50/50〜10/90であることが好ましい。フッ素樹脂とポリエステル樹脂の合計に占めるフッ素樹脂の割合が50質量%を超えると、高価なフッ素樹脂の使用量が多くなるため、コスト高となり、一方、フッ素樹脂とポリエステル樹脂の合計に占めるフッ素樹脂の割合が10質量%未満では、十分な耐候性が得られない場合がある。
本発明の粉体塗料組成物は、フッ素樹脂とポリエステル樹脂の溶解度パラメーター(SP値)の差が0.6〜0.9であることが好ましい。フッ素樹脂とポリエステル樹脂のSP値の差が0.6未満では、溶融・硬化し塗膜を形成したとき、フッ素樹脂とポリエステル樹脂が相溶化する場合があり、上層・下層のような層分離が起こり難く、一方、該SP値の差が0.9を超えると、層分離は起こるものの、上層と下層の間で層間剥離が懸念される。なお、樹脂の溶解度パラメーターであるSP値は、以下のように算出される。樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解して10質量%溶液を準備し、該溶液の一定量を分取し、この体積(ml)をVTHFとする。また、分取した溶液にヘキサン(Hexane)とイオン交換水(Water)をそれぞれ滴下して滴定を行う。白濁した時点での滴下量(ml)をそれぞれVHexane及びVWaterとする。得られた値を下記式(1)及び(2)に代入して、SPnとSPhを算出する。次に、得られたSPnとSPhを式(3)に代入してSP値を求める。
SPn=(SPTHF×VTHF+SPHexane×VHexane)/(VTHF+VHexane)・・・(1)
SPh=(SPTHF×VTHF+SPWater×VWater)/(VTHF+VWater)・・・・(2)
SP=10^((logSPn+logSPh)/2)・・・・・(3)
(但し、SPTHF=9.1、SPHexane=7.3、SPWater=23.4)
上記ポリエステル樹脂と上記硬化剤を反応させる場合において、昇温速度10℃/分の条件下での溶融開始から硬化開始までの温度差は、50℃以上であることが好ましく、80〜100℃であることが更に好ましい。上記温度差が50℃未満では、本発明の粉体塗料組成物から塗膜を形成する際に該粉体塗料組成物のフロー性が低下し易く、塗膜の鮮映性等が低下する場合がある。なお、溶融開始温度(℃)は、ポリエステル樹脂と硬化剤の混合物の弾性率が低下し始めた時の温度であり、硬化開始温度(℃)は、該混合物の弾性率が上昇し始めた時の温度である。よって、上記温度差を測定するには、ポリエステル樹脂と硬化剤の混合物の弾性率の変化を測定する必要がある。弾性率の測定には、ティー・エイ・インスツルメント社製レオメーターARES等のレオメーターが使用され、昇温速度以外の条件は、直径40mmのパラレルプレート、ギャップ幅1.0mm、周波数9.42rad/s、歪み1.0%、温度範囲80〜200℃である。
本発明の粉体塗料組成物の製造方法は、上述の粉体塗料組成物を調製する方法であり、詳細には、上記フッ素樹脂、ポリエステル樹脂及び硬化剤を含む混合物を100〜160℃にて溶融混練し、次いで該混合物を冷却後に粉砕し、粉体塗料組成物を調製することを特徴とする。好ましくは、上記フッ素樹脂、ポリエステル樹脂及び硬化剤を含む混合物をヘンシェルミキサー等でドライブレンドした後、コ・ニーダ等を用いて120〜140℃で溶融混練し、冷却、粉砕後、180メッシュ(96μm)の金網等を用いて分級して、粉体塗料組成物を得ることができる。
本発明の粉体塗料組成物は、通常の方法により、例えば、建築用サッシや建築用パネル等のアルミニウム合金、鉄道橋、道路橋、ガスタンク、石油タンク、鉄塔等の炭素鋼等の鋼材からなる基材の表面に塗装され、次いで、好ましくは170〜250℃の範囲、更に好ましくは170〜210℃の範囲の温度にて溶融・硬化されることによって塗膜が形成されることになる。ここで、本発明の粉体塗料組成物は、フッ素樹脂とポリエステル樹脂が相溶化せず層分離を起こすため、フッ素塗膜層とポリエステル塗膜層とを備える塗膜を形成することができる。フッ素樹脂とポリエステル樹脂の偏析により、下層側(即ち基材表面に近い側)がポリエステル塗膜層であり、上層側(即ち基材表面から遠い側)がフッ素塗膜層となる。なお、本発明の粉体塗料組成物にエポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂は下層側に位置する。また、添加剤は、塗膜の上層側に配向する。
ポリエステル樹脂のアルコール成分としてネオペンチルグリコール2652gと、カルボン酸成分としてイソフタル酸3966gと、反応触媒としてテトラ−n−ブチルチタネート4.7gとを撹拌装置、加熱装置、温度計、分留装置及び窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら250℃にて16時間重縮合反応させ、所定の水酸基価に達したところで反応を終了し、ポリエステル樹脂Aを得た。
ポリエステル樹脂のアルコール成分としてネオペンチルグリコール2496gと、カルボン酸成分としてイソフタル酸4233gと、反応触媒としてテトラ−n−ブチルチタネート4.7gとを撹拌装置、加熱装置、温度計、分留装置及び窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら250℃にて16時間重縮合反応させ、所定の酸価に達したところで反応を終了し、ポリエステル樹脂Bを得た。
表1〜3に示す配合処方に従い、原料を混合し、130℃にて溶融混練し、得られた混合物を冷却後に粉砕して、粉体塗料組成物を調製した。
上記粉体塗料組成物について各種評価試験を行った。結果を表4〜6に示す。
まず、粉体塗料組成物の評価試験を行うため、試験板を作製した。まず、板厚1.5mmのクロム酸クロメート処理アルミニウム板を垂直方向に吊り下げ、コロナ帯電式静電粉体塗装機(旭サナック社製 PG−1型)を用いて膜厚が60μmとなるように該アルミニウム板上に−60kVの電圧で静電塗装し、次いで、電気炉にて190℃×20分の条件で焼き付けを行い、そのまま室温になるまで放冷して試験板を作製した。
JIS K 5600−4−7に準拠し、光沢度計(BYK社製micro−TRI−gross:入反射角60゜)を用いて測定する。
試験板作成後の塗膜表面の状態を目視にて判定する。
◎ ・・・ 異常なし
○ ・・・ ユズ肌
△ ・・・ 肌荒れ
× ・・・ ブツあり
試験板の塗膜を切断し、その塗膜断面をマイクロスコープ(キーエンス社)により観察し、塗膜内部が上層と下層に分離しているか否かを評価する。また、該塗膜断面を走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製超高分解能分析走査電子顕微鏡SU−70)により観察し、元素分析によりフッ素元素(フッ素樹脂)の塗膜断面中の分布を確認する。実施例8について塗膜断面に存在するフッ素原子をマッピングした画像を図1に示す。図中の濃い部分はフッ素元素(フッ素樹脂)が多い部分であり、上層に偏在していることが分かる。
・層分離性(顕微鏡観察)
○ ・・・ 完全な2層分離が起こる。
△ ・・・ 部分的な2層分離が起こる。つまり、2層分離は起こるものの、完全な2層分離のフッ素の膜厚と比べて、膜厚が1/2未満の部分が存在する。
× ・・・ 上層表面にポリエステル樹脂が露出する。
・層分離性(元素分析)
○ ・・・ 上層にフッ素元素が偏在している。
△ ・・・ 上層にフッ素元素が偏在しているものの、下層にもフッ素元素が存在している。
× ・・・ 塗膜全体にフッ素元素が存在している。
JIS K 5600−5−6(クロスカット法)に準拠し、塗膜を1mm間隔100マスの碁盤目状にカットし、粘着テープ貼付後のテープ剥離によって塗膜の剥離が生じるかどうかを評価する。なお、表中の記載は、分母が、碁盤目状にカットしたマスの数(100)を表し、分子が、テープ剥離後、試験板上に残存する塗膜のマスの数を表す。
JIS K5600−5−3(デュポン式)に準拠し、落下高50cmに対する塗膜の抵抗性について評価するため、撃心1/2吋φ及び500gのおもりを用いて塗膜の割れ・剥離を観察する。
試験板をイオン交換水(95±5℃)に24時間浸漬し、水冷後、乾燥させ、JIS K 5600−5−6(クロスカット法)に準拠した方法によって塗膜の密着性を評価する。なお、表中の記載は、分母が、碁盤目状にカットしたマスの数(100)を表し、分子が、テープ剥離後、試験板上に残存する塗膜のマスの数を表す。
試験板の塗膜表面上に、モルタルペーストを塗布し、50℃・95RH%の高湿環境下に24時間静置し、試験板からモルタル塊を剥離し、イオン交換水を用いて水洗し、その後、塗膜の状態を目視にて評価する。
70質量%硝酸水溶液を入れたガラス瓶の蓋をするように該ガラス瓶上に試験板をかぶせ、試験板の塗膜表面を蒸気に60分間さらし、次いで、イオン交換水を用いて水洗し、その後、乾燥させた塗膜表面の蒸気にさらす前の塗膜表面に対する色差ΔEを色差計(ミノルタ社製CR-300)にて測定する。
試験板の塗膜表面に10質量%塩酸水溶液を10滴滴下し、これに時計皿をかぶせて蓋をし、15分後、イオン交換水を用いて水洗し、その後、乾燥させた塗膜の状態を目視にて評価する。
試験板を50℃・95RH%の高湿環境下に3000時間置き、イオン交換水を用いて水洗し、次いで放冷・乾燥後、塗膜の状態を目視にて評価する。
試験板を35℃の塩水噴霧環境下にて3000時間静置し、イオン交換水を用いて水洗し、次いで放冷・乾燥後、塗膜の状態を目視にて評価する。
JIS B 7753(サンシャインウェザオメータ方式)に準拠した促進耐候性試験機を使用し、試験時間を3000時間とし、試験前の60°鏡面光沢値保持率を100%として、試験後の60°鏡面光沢値保持率を光沢計(micro−TRI−gross BYK社製:入反射角60゜)にて測定し、また、試験前後の色差ΔEを色差計(ミノルタ社製:CR−300)にて測定する。
・フッ素樹脂
旭硝子(株)製,商品名:ルミフロン LF710F(水酸基含有フッ素樹脂),溶解度パラメーター(SP値)9.16
・ポリエステル樹脂A
水酸基含有ポリエステル樹脂,水酸基価45mgKOH/g,数平均分子量3200,重量平均分子量13200,溶解度パラメーター(SP値)9.99,溶融粘度3.1Pa・s(190℃),測定開始温度200℃及び降温速度10℃/分の条件下で測定される溶融粘度(Pa・s)に基づいたアレニウスプロットにおける100〜120℃の範囲の傾き18425
・ポリエステル樹脂B
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂,酸価48mgKOH/g,数平均分子量3900,重量平均分子量12300,溶解度パラメーター(SP値)9.84,溶融粘度2.5Pa・s(190℃),測定開始温度200℃及び降温速度10℃/分の条件下で測定される溶融粘度(Pa・s)に基づいたアレニウスプロットにおける100〜120℃の範囲の傾き15346
・アクリル樹脂A
東亜合成(株)製ARUFON UH−2170,水酸基含有アクリル樹脂,数平均分子量4600,重量平均分子量14000,溶解度パラメーター(SP値)9.19,溶融粘度4.3Pa・s(190℃),測定開始温度200℃及び降温速度10℃/分の条件下で測定される溶融粘度(Pa・s)に基づいたアレニウスプロットにおける100〜120℃の範囲の傾き12739
・アクリル樹脂B
東亜合成(株)製ARUFON UC−3920,カルボキシル基含有アクリル樹脂,数平均分子量5800,重量平均分子量15500,溶解度パラメーター9.32,溶融粘度4.8Pa・s(190℃),測定開始温度200℃及び降温速度10℃/分の条件下で測定される溶融粘度(Pa・s)に基づいたアレニウスプロットにおける100〜120℃の範囲の傾き10498
・光輝顔料
アルミニウムフレーク粉,東洋アルミニウム社製,商品名:PCF7620A
・着色顔料
酸化チタン,デュポン社製,商品名:TI−PURE R−960
・エポキシ樹脂
東都化成(株)製,商品名:エポトート DT−112
・ε−カプロラクタムブロックイソシアネート
イソシアネート化合物,エボニック・デグサ社製,商品名:ベスタゴン B1530
・β-ヒドロキシアルキルアミド
エムス・グリルテック社製,商品名:PRIMID XL−552
・トリグリシジルイソシアヌレート
ハンツマン社製,商品名:ARALDITE PT-810
・表面調整剤
BYK−Chemie社製,商品名:BYK-360P
・昇温速度10℃/分の条件下での溶融開始から硬化開始までの温度差
ポリエステル樹脂Aとε−カプロラクタムブロックイソシアネート(イソシアネート化合物)との反応において、昇温速度10℃/分の条件下での溶融開始温度(軟化点)は95℃であり、硬化開始温度は183℃であった。
・硬化開始温度TR(A)と硬化開始温度TR(B)の温度差TR(B)
フッ素樹脂とε−カプロラクタムブロックイソシアネート(イソシアネート化合物)が反応を開始する硬化開始温度TR(A)は167℃であり、ポリエステル樹脂Aとε−カプロラクタムブロックイソシアネート(イソシアネート化合物)が反応を開始する硬化開始温度TR(B)は182℃であり、温度差TR(B)−TR(A)は15℃であった。
Claims (8)
- 水酸基又はカルボキシル基を含有するフッ素樹脂と、水酸基又はカルボキシル基を含有するポリエステル樹脂と、イソシアネート化合物から選択される硬化剤と、光輝顔料とを含有してなり、該光輝顔料の含有量が0.1〜30質量%であり、フッ素塗膜層とポリエステル塗膜層とを備える塗膜を形成することが可能な粉体塗料組成物。
- エポキシ樹脂を更に含有することを特徴とする請求項1に記載の粉体塗料組成物。
- 前記ポリエステル樹脂は、数平均分子量が5000以下で且つ重量平均分子量が10000〜20000であることを特徴とする請求項1に記載の粉体塗料組成物。
- 前記ポリエステル樹脂は、溶融粘度が3.5Pa・s(190℃)以下であり、且つ、測定開始温度200℃及び降温速度10℃/分の条件下で測定される溶融粘度(Pa・s)に基づいたアレニウスプロットにおいて、100〜120℃の範囲における傾きが15000以上であることを特徴とする請求項1に記載の粉体塗料組成物。
- 前記フッ素樹脂が、水酸基含有フッ素樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の粉体塗料組成物。
- 前記フッ素樹脂(A)と前記ポリエステル樹脂(B)の質量比(A/B)が50/50〜10/90であることを特徴とする請求項1に記載の粉体塗料組成物。
- 前記フッ素樹脂と前記ポリエステル樹脂の溶解度パラメーター(SP値)の差が0.6〜0.9であることを特徴とする請求項1に記載の粉体塗料組成物。
- 前記フッ素樹脂、前記ポリエステル樹脂及び前記硬化剤を含む混合物を100〜160℃にて溶融混練し、次いで該混合物を冷却後に粉砕し、粉体塗料組成物を調製することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の粉体塗料組成物の製造方法。
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