JPH10265739A - 水性塗料およびそれを用いる塗膜形成方法 - Google Patents

水性塗料およびそれを用いる塗膜形成方法

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JPH10265739A
JPH10265739A JP2154198A JP2154198A JPH10265739A JP H10265739 A JPH10265739 A JP H10265739A JP 2154198 A JP2154198 A JP 2154198A JP 2154198 A JP2154198 A JP 2154198A JP H10265739 A JPH10265739 A JP H10265739A
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JP
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water
resin
paint
group
oxazoline
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JP2154198A
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English (en)
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Masaru Mitsutsuji
勝 三辻
Nobushige Numa
伸茂 奴間
Nagamoto Kawamoto
酉元 川本
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水酸基およびカルボキシル基を有する樹脂と
アルキルエーテル化メチロールメラミン樹脂を含有する
従来の水性塗料がもつ欠点を解消すること。 【解決手段】 本発明は、1分子中に水酸基およびカル
ボキシル基が存在する樹脂(A)、アルキルエーテル化
メチロールメラミン樹脂(B)およびオキサゾリン基含
有化合物(C)を含有することを特徴とする水性塗料を
提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性塗料および該水
性塗料を用いた塗膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】水酸基およびカルボキシル基
を有する基体樹脂とアルキルエーテル化メチロールメラ
ミン樹脂を含有する水性塗料、およびこの水性塗料の未
硬化塗膜面に粉体塗料を塗装し、加熱により両塗膜を同
時に硬化させることからなる塗膜形成方法はすでに知ら
れている(米国特許第5,585,146号明細書参
照)。
【0003】しかしながら、上記の水性塗料塗膜および
粉体塗料塗膜の両者を同時に加熱硬化すると、加熱硬化
時に水性塗料塗膜では水酸基とアルキルエーテル基との
反応によってアルコール成分が副生し、これが加熱溶融
した粉体塗料塗膜を通過し系外に揮散するときに粉体塗
料塗面にヘコミ、ワキ、クレーターなどを発生する原因
となり、塗面の平滑性、鮮映性、塗膜の物理的性能など
を低下させる。また、水性塗料塗膜内にりん片状メタリ
ック顔料が含まれていると、その配向性が乱されメタリ
ック感が低下するなどの問題が生ずる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水酸基お
よびカルボキシル基を有する樹脂およびアルキルエーテ
ル化メチロールメラミン樹脂を含有する水性塗料の加熱
硬化時に副生するアルコールに基因する上記の如き問題
を解消すべく鋭意研究した結果、今回、アルキルエーテ
ル化メチロールメラミン樹脂と共にオキサゾリン基含有
化合物を併用することにより、副生アルコール量を少な
くすることができ、上記の問題を解消することができる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】かくして、本発明は、1分子中に水酸基お
よびカルボキシル基を併有する樹脂(A)、アルキルエ
ーテル化メチロールメラミン樹脂(B)およびオキサゾ
リン基含有化合物(C)を含有することを特徴する水性
塗料(以下、「本発明塗料」という)を提供するもので
ある。
【0006】本発明は、また、水性塗料の未硬化塗面に
粉体塗料または粉体スラリーを塗装し、ついで加熱して
水性塗料塗膜と粉体塗料または粉体スラリーの塗膜の両
者を同時に硬化させることからなる複層塗膜形成方法に
おいて、該水性塗料として、上記の本発明塗料を使用す
ることを特徴とする複層塗膜形成方法(以下、「本発明
方法」という)を提供するものである。
【0007】以下、本発明の塗料および方法についてさ
らに詳細に説明する。
【0008】1分子中に水酸基およびカルボキシル基を
併有する樹脂(A):本発明塗料に使用される樹脂
(A)としては、1分子中に水酸基およびカルボキシル
基の両方を同時に有するアクリル樹脂やポリエステル樹
脂などが好ましい。
【0009】該アクリル樹脂は、水酸基含有不飽和単量
体、カルボキシル基含有不飽和単量体およびアクリル系
不飽和単量体ならびに、さらに必要に応じて他の不飽和
単量体を共重合させることにより得ることができる。
【0010】上記の水酸基含有不飽和単量体は、1分子
中に水酸基および重合性不飽和結合をそれぞれ1個もし
くはそれ以上有する化合物であり、例えば、ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ
ートなどの(メタ)アクリル酸のC2〜C20−ヒドロキ
シアルキルエステルなどがあげられる。また、カルボキ
シル基含有不飽和単量体は、1分子中にカルボキシル基
および重合性不飽和結合をそれぞれ1個もしくはそれ以
上有する化合物であり、例えば、アクリル酸およびメタ
クリル酸などのモノカルボン酸;マレイン酸、イタコン
酸、フマル酸、メサコン酸およびこれらの無水物やハー
フエステル化物などのジカルボン酸もしくはその変性物
などがあげられる。さらに、アクリル系不飽和単量体と
しては、(メタ)アクリル酸のC1〜C22−アルキルエ
ステルを使用することができ、例えば、メチルアクリレ
ート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エ
チルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピル
メタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリ
レート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレー
ト、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、
ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタ
クリレートなどなどがあげられる。
【0011】必要に応じて使用される他の不飽和単量体
は、上記以外の重合性不飽和結合含有化合物であり、例
えば、メトキシブチルアクリレート、メトキシブチルメ
タクリレート、メトキシエチルアクリレート、メトキシ
エチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸のC2
〜C18−アルコキシアルキルエステル;N,N−ジメチ
ルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノ
エチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル
アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリ
レート、N−t−ブチルアミノエチルアクリレート、N
−t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジ
メチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチル
アミノプロピルメタクリレートなどアミノ(メタ)アク
リル系単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド、N
−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミ
ド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリル
アミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ブチルメタク
リルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N−ジメチ
ルメタクリルアミドなど(メタ)アクリルアミド系単量
体;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
トなどのグリシジル基含有単量体;スチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合
物;アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニルなどが
あげられる。
【0012】該アクリル樹脂は、これらの単量体を溶液
重合法、エマルジョン重合法などの常法により重合する
ことにより製造することができる。
【0013】該アクリル樹脂は水溶性アクリル樹脂また
は水分散性アクリル樹脂のいずれであってもよいが、水
溶性アクリル樹脂と水分散性アクリル樹脂とを併用する
と、メタリックムラ、タレなどがの発生を防止すること
ができ、しかも粉体塗料または粉体スラリーの塗膜との
層間付着性や耐水性などがさらに向上するのでより好ま
しい。
【0014】水溶性アクリル樹脂は後述の方法で中和す
ることにより水に容易に溶解するようになるものであ
り、その特性値としては、数平均分子量は5,000〜
100,000、特に15,000〜80,000;水
酸基価は20〜200mgKOH/g、特に40〜15
0mgKOH/g;そして酸価は10〜150mgKO
H/g、特に20〜100mgKOH/gの範囲内にあ
ることが好ましい。
【0015】一方、水分散性アクリル樹脂は後述の方法
で中和することにより、水に容易には溶解しないが、微
粒子状で水中に安定に分散するようになるものであり、
その特性値としては、数平均分子量は150,000以
上、特に200,000〜3,000,000;水酸基
価は20〜200mgKOH/g、特に40〜150m
gKOH/g;そして酸価は10〜100mgKOH/
g、特に20〜80mgKOH/gの範囲内にあること
が好ましい。これらの水分散性アクリル樹脂は、例え
ば、エマルジョン重合により、または有機溶剤中での溶
液重合の後、得られる重合体を水中に分散すること等の
方法で製造することができる。
【0016】ここで、樹脂の「水溶性」および[水分散
性]は次のようにして判定したものである。すなわち、
微細に粉砕した樹脂粉末を20℃に保持された水中に固
形分濃度が10重量%となるように添加し、塩基で当量
中和し、10分間十分に撹拌した後、それを、4号活字
で黒色の文字を印刷した白色の紙の上においた無色透明
のビーカーに入れ液面高さを5cmとし、液面上から文
字を視る。その結果、文字が明確に読み取れる場合に
は、該樹脂は「水溶性」であると判定し、文字は読み取
ることはできないが、樹脂が安定に分散していて沈殿を
生じない場合には、該樹脂は「水分散性」であると判定
する。
【0017】水溶性アクリル樹脂と水分散性アクリル樹
脂とを併用する場合のこれら両者の混合比率は特に制限
されないが、一般には、該両樹脂の固形分合計量を基準
にして、水溶性アクリル樹脂は80〜20重量%、特に
60〜30重量%、水分散性アクリル樹脂は20〜80
重量%、特に40〜70重量%の割合で用いるのが好適
である。
【0018】ポリエステル樹脂は多塩基酸と多価アルコ
ールとのエステル反応により得ることができ、該多塩基
酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、
ヘット酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリメ
リット酸およびこれらの無水物などがあげられ、また、
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキ
サンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレング
リコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリ
コール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトールなどがあげられ
る。
【0019】ポリエステル樹脂への水酸基の導入は一般
に上記多価アルコール成分の一部として3価以上の多価
アルコールを使用することにより行なうことができ、ま
た、例えば、このようにして導入された水酸基の一部を
利用して上記の如き多塩基酸を半エステル化することに
よりポリエステル樹脂にカルボキシル基を導入すること
ができる。
【0020】該ポリエステル樹脂は後述の方法で中和す
ることにより水溶性となるものまたは水分散性となるも
ののいずれでもよいが、中和することにより、微粒子状
で水中に安定に分散するようになるポリエステル樹脂
(以下、水分散性ポリエステル樹脂という)を用いる
と、メタリックムラ、タレなどがの発生が防止できるの
でより好ましい。使用しうる水分散性ポリエステル樹脂
は、数平均分子量が2,000〜100,000、特に
3,000〜80,000;水酸基価が30〜120m
gKOH/g、特に50〜80mgKOH/g;そして
酸価は15〜100mgKOH/g、特に30〜50m
gKOH/gの範囲内にあることが好ましい。
【0021】本発明塗料において、樹脂(A)成分は、
他の成分と混合する前もしくは混合後に、該樹脂中のカ
ルボキシル基の一部もしくは全部を中和することにより
水溶性または水分散性にされる。
【0022】そのために使用しうる中和剤(塩基)とし
ては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなど
のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物;アン
モニア;エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミ
ン、ベンジルアミン、モノエタノールアミン、ネオペン
タノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノー
ル、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノール
などの第1級モノアミン;ジエチルアミン、ジエタノー
ルアミン、ジ−n−またはジ− iso−プロパノールアミ
ン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノー
ルアミンなどの第2級モノアミン;ジメチルエタノール
アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイ
ソプロピルアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチ
ルアミノエタノールなどの第3級モノアミン;ジエチレ
ントリアミン、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、
エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミ
ンなどのポリアミンなどを挙げることができる。
【0023】アルキルエーテル化メチロールメラミン樹
脂(B):本発明塗料に使用される樹脂(B)は、上記
樹脂(A)との架橋反応に関与するものであり、部分メ
チロール化もしくは完全メチロール化したメラミン樹脂
のメチロール基の一部もしくは全部をC1〜C8−アルカ
ノール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノールなどでエーテル化した部分エーテル化も
しくは完全エーテル化メチロールメラミン樹脂であっ
て、トリアジン環を1分子中に1〜5個有し、かつ分子
量が300〜3,000、特に500〜2,000の範
囲内にあるものが好ましい。これらの樹脂は水不溶性、
水溶性のいずれであってもよい。
【0024】オキサゾリン基含有化合物(C):本発明
塗料に使用されるオキサゾリン基含有化合物(C)とし
ては、オキサゾリン基を側鎖に2個以上有する重合体状
の化合物(C−1)、1分子中にオキサゾリン基を2個
以上有する単体状の化合物(C−2)などがあげられ
る。ここで、オキサゾリン基は式
【0025】
【化2】
【0026】で示される基であり、式中、R1、R2、R
3及びR4は互に独立して水素原子またはC1〜C20−ア
ルキル基を表わす。
【0027】重合体状化合物(C−1)は、オキサゾリ
ン基を有する重合性不飽和単量体(C−1a)を、必要
に応じその他の重合性不飽和単量体(C−1b)と共に
重合させることにより得ることができる。
【0028】単量体(C−1a)は、1分子中にオキサ
ゾリン基および重合性不飽和結合をそれぞれ1個もしく
はそれ以上有する化合物であり、例えば、2−ビニル−
2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキ
サゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリ
ン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソ
プロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソ
プロペニル−5−エチル−2−オキサゾリンなどをあげ
ることができる。
【0029】単量体(C−1b)は、単量体(C−1
a)以外の1分子中に重合性不飽和結合を1個以上有す
る化合物であり、樹脂(A)の製造に関して前記で例示
した各種不飽和単量体から選ばれる1種以上を使用する
ことができる。
【0030】重合体状化合物(C−1)において、単量
体(C−1a)の含有率は、単量体(C−1b)との合
計重量を基準にして、1〜100%、特に10〜60
%、さらに特に20〜50%の範囲内が好ましい。ま
た、重合体状化合物(C−1)の数平均分子量は約50
0〜約100,000、特に約1,000〜約50,0
00、さらに特に3,000〜30,000の範囲内に
あることが好ましい。単量体(C−1a)および単量体
(C−1b)の重合は通常の溶液重合法などによって行
うことができ、得られる重合体状化合物(C−1)は水
溶性もしくは水分散性のいずれかであることができる。
【0031】他方、単量体状化合物(C−2)として
は、例えば、2,2′−ビス−(2−オキサゾリン)、
2,2′−メチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、
2,2′−エチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、
2,2′−トリメチレン−ビス−(2−オキサゾリ
ン)、2,2′−テトラメチレン−ビス−(2−オキサ
ゾリン)、2,2′−ヘキサメチレン−ビス−(2−オ
キサゾリン)、2,2′−オクタメチレン−ビス−(2
−オキサゾリン)、2,2′−エチレン−ビス−(4,
4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−
フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2′−
m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,
2′−m−フェニレン−ビス−(4,4′−ジメチル−
2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルシク
ロヘキサン)スルフィド、ビス−(2−オキサゾリニル
ノルボルナン)スルフィドなどがあげられ、これらは単
独でまたは2種以上併用することができる。
【0032】化合物(C)のオキサゾリン基は、樹脂
(A)のカルボキシル基と反応してアミドエステル結合
を生成し、その結果、該両成分は三次元的に架橋硬化す
る。この硬化反応はオキサゾリン基の開環反応であり、
副生物を生成しないので、前述した如き副生物による種
々の問題(ヘコミ、ワキ、クレーターの発生、塗膜の鮮
映性や平滑性の低下、メタリック感の低下など)が生じ
ない。また、本発明塗料では、樹脂(A)のカルボキシ
ル基の殆どもしくはすべては中和され、それによってブ
ロックされているので、塗装前の塗料中では、化合物
(C)のオキサゾリン基と反応することは殆どないが、
本発明塗料が塗装され、その塗膜を硬化するために加熱
されると中和剤が揮散しブロックがはずれ、カルボキシ
ル基が再生し、これがオキサゾリン基と架橋反応する。
一方、樹脂(B)も樹脂(A)の水酸基と反応して塗膜
の架橋硬化に関与するが、本発明塗料では化合物(C)
を併用するので、従来の水性塗料に比べ樹脂(B)の使
用量を少なくすることができるので、硬化時の樹脂
(A)との反応による副生物の量を少なく抑えることが
できる。
【0033】本発明塗料:本発明塗料は、以上述べた
(A)成分、(B)成分および(C)成分を水性媒体、
例えば水中に溶解もしくは分散することによって調製す
ることができる。
【0034】これらの成分の構成比率は、本発明塗料の
用途などに応じて広い範囲にわたり変えることができる
が、一般には、(A)、(B)および(C)の3成分の
合計固形分の重量を基準にして、(A)成分は90〜5
0%、特に85〜60%、さらに特に80〜65%、
(B)成分は3〜25%、特に5〜20%、さらに特に
5〜15%、そして(C)成分は5〜30%、特に5〜
20%、さらに特に10〜20%の範囲内にあることが
適している。
【0035】また、本発明塗料には、上記各成分以外
に、着色顔料、メタリック顔料、干渉顔料、体質顔料、
有機溶剤、触媒、沈降防止剤、紫外線吸収剤などをさら
に配合することが可能である。
【0036】本発明塗料は水性塗料であり、下塗塗料
(プライマー)、中塗塗料または上塗塗料(ソリッドカ
ラー塗料、メタリック塗料、干渉模様塗料、クリヤ塗
料)として使用することができる。
【0037】塗装法:本発明塗料は、その組成に応じ
て、下塗り塗装、中塗り塗装または上塗り塗装すること
ができる。
【0038】上塗り塗装は、通常、基材に下塗塗料およ
び場合によりさらに中塗塗料を塗装してなる被塗物に、
ソリッドカラー塗料、メタリック塗料または干渉模様塗
料などの着色塗料を塗装する1コート方式、該着色塗料
の塗面にクリヤ塗料を塗装する2コート方式、該着色塗
料の塗料面に着色透明塗料およびクリヤ塗料を順次塗装
する3コート方式などの方法で行なわれ、本発明塗料は
これらのいずれの方式にも適用することができるが、特
に、本発明塗料をソリッドカラー塗料、メタリック塗料
または干渉模様塗料の形態で塗装し、未硬化の状態で該
塗面に粉体塗料または粉体スラリーを塗装してから、本
発明塗料の塗膜と粉体塗料または粉体スラリーの塗膜の
両者を同時に加熱硬化する2コート1ベイク方式(2C
1B)の場合に、本発明塗料の効果を十分に生かすこと
ができるので好適である。
【0039】しかして、本発明によれば、水性塗料の未
硬化塗面に粉体塗料または粉体スラリーを塗装し、つい
で加熱して水性塗料の塗膜と粉体塗料または粉体スラリ
ーの塗膜の両者を同時に加熱硬化させることからなる複
層塗膜形成方法(2C1B)において、該水性塗料とし
て、本発明塗料を使用することを特徴とする複層塗膜形
成方法(以下、「本発明方法」という)が提供される。
【0040】従来、かかる2C1Bにおいて、該水性塗
料として、水酸基樹脂およびアルキルエーテル化メラミ
ン樹脂を主成分とする塗料が使用されていたが、該両成
分の架橋硬化反応により発生する脱アルコール成分が上
層塗膜が溶融している時に揮散するので、粉体塗料塗面
にヘコミ、ワキ、クレーターなどが発生し、平滑性、鮮
映性、物理的性能などが低下する原因となっていた。本
発明方法によればかかる欠点がすべて解消される。
【0041】本発明方法で使用する粉体塗料はそれ自体
既知のものであることができる。具体的には、加熱によ
り溶融、流動する熱硬化性の基体樹脂粉体に硬化剤を配
合してなる樹脂組成物を含有する熱硬化性粉体塗料があ
げられる。該粉体塗料には、さらに必要に応じて、着色
顔料、メタリック顔料、干渉顔料、体質顔料、触媒、流
動調節剤、紫外線吸収剤、光安定剤、ハジキ防止剤など
を配合することができる。
【0042】熱硬化性の基体樹脂粉体としては、加熱に
より硬化剤と反応する官能基を有する樹脂を使用するこ
とができる。具体的には、例えば、カルボキシル基、水
酸基、ブロックされていてもよいイソシアネート基、エ
ポキシ基などから選ばれる1種もしくは2種以上の官能
基を1分子中に2個以上有するアクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂およびこれらの樹
脂の変性体(例えばグラフト重合体)などがあげられ、
これらの樹脂は通常50℃以上、特に60〜120℃の
範囲内のガラス転移温度(Tg)を有することが好まし
い。また、硬化剤としては、これらの官能基と反応し硬
化塗膜を形成するものが用いられ、例えば、水酸基を有
する基体樹脂に対しては、アミノ基を含有するアミノ樹
脂(アルコキシ化メラミン樹脂など)、ブロックポリイ
ソシアネート化合物(カプロラクタムブロックポリイソ
シアネートなど)などの硬化剤;カルボキシル基を有す
る基体樹脂に対しては、ポリエポキシド(トリグリシジ
ルイソシアヌレートなど)のような硬化剤;エポキシ基
を有する基体樹脂に対しては、ポリカルボン酸(ドデカ
ン二酸、トリメリット酸など)やβ−ヒドロキシエチル
アルキルアミドなどの硬化剤;ブロックイソシアネート
基含有基体樹脂に対しては、ポリール(トリメチロール
プロパンなど)などの硬化剤およびベンジル−4−ヒド
ロキシフェニルメチルスルフォニウムヘキサフルオロア
ンチモネートなどのエポキシ重合開始剤などを使用する
ことができる。
【0043】粉体塗料は、これらの成分を配合しミキサ
ーでドライブレンドしたのち、加熱溶融混練し、冷却、
粗粉砕、微粉砕、濾過することによって得られる。粉体
塗料は一般に5〜50ミクロン、特に8〜30ミクロン
の範囲内の平均粒径を有することが好ましい。
【0044】また、粉体スラリーは、上記の粉体塗料を
水性媒体、例えば、水中に分散させたものであり、一般
に、該スラリーの重量を基準にして粉体塗料を20〜5
0重量%、好ましくは25〜45重量%含有することが
できる。該粉体スラリーには、さらに必要に応じて、分
散剤、粘度調整剤、消泡剤などを配合することができ
る。
【0045】本発明方法は、本発明塗料の未硬化塗面に
粉体塗料または粉体スラリーを塗装しついで加熱して、
本発明塗料の塗膜と粉体塗料または粉体スラリーの塗膜
の両塗膜を同時に硬化させる方法である。本発明方法
は、例えば、ソリッドカラー調、メタリック調または干
渉模様調の本発明塗料を塗装し、その未硬化塗面にクリ
ヤ塗膜を形成しうる粉体塗料または粉体スラリーを塗装
した後、加熱して該両塗膜を同時に硬化する2コート1
ベイク方式(2C1B)による上塗塗膜形成法に特に適
している。
【0046】この2C1Bにおいて、自動車車体などの
金属製もしくはプラスチック製の被塗物に直接、あるい
は該被塗物にカチオン電着塗料などの下塗塗料および場
合によりさらに中塗塗料を塗装し、硬化させた後に、本
発明塗料を塗装することができる。具体的には、本発明
塗料の塗装時の固形分濃度を10〜60重量%、好まし
くは20〜40重量%の範囲内、そして粘度を600〜
6,000センチポイズ、好ましくは800〜3,00
0センチポイズ(B型粘度計)の範囲内に調整し、エア
レススプレー、エアスプレー、静電塗装などの噴霧式塗
装で、上記被塗物に硬化塗膜を基準にして10〜60μ
m、好ましくは10〜40μmの膜厚になるように塗装
し、室温で1〜10分間程度放置してから、または約5
0〜約100℃の温度で1〜10分間程度乾燥してか
ら、その未硬化塗面に、粉体塗料を静電粉体塗装や摩擦
帯電粉体塗装などの方法により、或いは粉体スラリーを
エアレススプレー、エアスプレー、静電塗装などの方法
により形成塗膜を基準にして20〜200μm、好まし
くは20〜80μmの膜厚になるように塗装したのち、
約120〜約180℃の温度で10〜50分間程度加熱
して該両塗膜を同時に硬化させることによって本発明方
法を実施することができる。
【0047】以上に述べた本発明塗料および本発明方法
によれば、塗膜の硬化反応において、(A)成分の水酸
基と(B)成分のアルキルエーテル基との間の脱アルコ
ール反応および(A)成分のカルボキシル基と(C)成
分のオキサゾリン基との開環アミドエステ化反応の2種
類が並行して生ずると推察される。したがって、本発明
塗料を用いることにより、従来の(A)成分と(B)成
分との間の脱アルコール反応単独による硬化に比べて脱
アルコール量が少なくなり、脱アルコール反応に起因す
る前述の如き種々の欠点が解消され、例えば、その上層
の粉体塗膜が溶融し硬化する過程においてヘコミ、ワ
キ、クレーターなどの発生がなくなり、平滑性、鮮映
性、メタリック感、物理的性能などにすぐれた複層塗膜
を形成せしめることができる。
【0048】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに具体的に説明する。なお、部および%はいずれも重
量に基づく。
【0049】試料の調製 1)被塗物 リン酸亜鉛化成処理を施した厚さ0.8mmのダル鋼板
上にエポキシ系カチオン電着塗料を硬化膜厚約20μm
となるように電着塗装し、170℃で20分間焼き付け
た後、#400のサンドペーパーで研ぎ、石油ベンジン
で拭いて脱脂し、次いで自動車用中塗りサーフェーサー
(ポリエステル樹脂・メラミン樹脂系)を乾燥膜厚約2
5μmになるようにエアースプレー塗装し、140℃で
30分間加熱し硬化した後、#400のサンドペーパー
で水研ぎし、水切り乾燥し、次いで石油ベンジンで拭い
て脱脂し試験用の被塗物とした。
【0050】2)1分子中に水酸基およびカルボキシル
基が併存する樹脂(A) (A−1):水溶性アクリル樹脂 115℃に保ったブチルセロソルブに、アクリル酸nブ
チル16.7部、メタクリル酸メチル15部、スチレン
30部、アクリル酸2−エチルヘキシル20部、メタク
リル酸ヒドロキシルエチル12部、アクリル酸6.3部
およびアゾイソブチロニトリル1部を加え、通常の条件
で重合反応を行った。得られたアクリル樹脂の酸価は5
0mgKOH/g、水酸基価は50mgKOH/g、数
平均分子量は45000であった。ついでこのアクリル
樹脂のカルボキシル基をジメチルアミノエタノールで当
量中和し、固形分含有率55%のアクリル樹脂水溶液
(A−1)を得た。
【0051】(A−2):水分散性アクリル樹脂 反応容器内に脱イオン水140部、30%「Newco
l 707SF」(界面活性剤、日本乳化剤(株)製、
商品名)2.5部および下記単量体成分−1(注1)を
1部加え、窒素気流中で混合し、60℃で3%過硫酸ア
ンモニウム水溶液3部を加える。ついで、80℃に加温
してから、単量体成分−1(注1)79部、30%「N
ewcol 707SF」2.5部、3%過硫酸アンモ
ニウム水溶液4部および脱イオン水42部からなる単量
体乳化物を4時間かけて定量ポンプを用いて反応容器に
加えた。添加終了後1時間熟成する。
【0052】さらに、80℃において下記単量体成分−
2(注2)20.5部と3%過硫酸アンモニウム水溶液
4部を同時に1.5時間要して反応容器に並列滴下す
る。その後、1時間熟成してから、脱イオン水30部を
加えて希釈し、30℃で、200メッシュのナイロンク
ロスで濾過した。この濾過液にさらに脱イオン水を加え
ジメチルアミノエタノールアミンでpH7.5に調整
し、平均粒子径0.1μm、不揮発分20%のアクリル
樹脂エマルジョン(A−2)を得た。得られたアクリル
樹脂の酸価は9mgKOH/g、水酸基価は5mgKO
H/gであった。
【0053】(注1)単量体成分−1 メタクリル酸メチル 55部、スチレン 8部、アクリ
ル酸n−ブチル 9部、アクリル酸2−エチルヘキシル
5部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 2
部およびメタクリル酸 1部からなる。
【0054】(注2)単量体成分−2 メタクリル酸メチル5部、アクリル酸n−ブチル7部、
アクリル酸2−ヒドロキシルエチル5部、メタクリル酸
3部および30%「Newcol 707SF」0.5
部からなる。
【0055】(A−3):水分散性ポリエステル樹脂 ネオペンチルグリコール0.7モル、トリメチロールプ
ロパン0.3モル、無水フタル酸0.4モルおよびアジ
ピン酸0.5モルを反応容器に入れ、200〜230℃
で5時間反応させてから、無水トリメリット酸0.03
モル添加してさらに180℃で1時間反応させた後、ブ
チロセロソルブを加えて、酸価40mgKOH/g、水
酸基価70mgKOH/gおよび数平均分子量約600
0である不揮発分70%のポリエステル樹脂溶液を得
た。このポリエステル樹脂溶液にジメチルアミノエタノ
ールを加えて当量中和し、その後脱イオン水を加えて固
形分含有率35%のポリエステルエマルジョン(A−
3)を得た。
【0056】3)アルキルエーテル化メラミン樹脂
(B) (B−1):部分メチルエーテル化メチロールメラミン
樹脂 「サイメル−325」(三井サイアナミド社製、商品
名) (B−2):ブチルエーテル化メチロールメラミン樹脂 「ユーバン28−60」(三井東圧社製、商品名) 4)オキサゾリン基含有化合物(C) (C−1):オキサゾリン基含有重合体の水溶液 2−イソプロペニル−2−オキサゾリン45部、メチル
メタクリレート20部、ブチルメタクリレート20部お
よびRMA−450M(注3)15部を通常の条件で重
合反応を行って、オキサゾリン基含有重合体を得た。該
樹脂固形分40部、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル38部および水22部からなるオキサゾリン基含
有重合体水溶液(C−1)を得た。該水溶液の粘度は8
00センチポイズ/20℃、pHは7〜9であった。ま
た、該重合体の数平均分子量は23000であった。
【0057】(注3)RMA−450M 日本乳化剤社製、商品名で、ポリオキシエチレンマクロ
モノマー(オキシエチレンユニットが約45個結合し、
その片末端はメタクリレート結合である。
【0058】(C−2):オキサゾリン基含有重合体の
エマルジョン 2−イソプロペニル−2−オキサゾリン18部、メチル
メタクリレート12部、ブチルメタクリレート40部お
よびスチレン30部を通常の条件で重合反応を行って、
オキサゾリン基含有重合体を得た。該樹脂固形分40部
および水60部からなるオキサゾリン基含有重合体水分
散液(C−2)を得た。該水分散液の粘度は100セン
チポイズ/20℃、pHは8.7であった。また、該重
合体の数平均分子量は150000であった。
【0059】実施例1〜4および比較例1〜2 上記で得た各成分を下記表1に記載する比率で配合し
て、ブルーメタリック水性塗料を調製した。表中の配合
比は固形分重量である。
【0060】
【表1】
【0061】表1において、 (注4)メタリック顔料は、「アルペーストN768
0」(東洋アルミニウム社製、商品名)を使用した。
【0062】(注5)青色有機顔料は「ヘリオーゲンブ
ル−L6900」(BASF社製、商品名、シアニンブ
ルー)を使用した。
【0063】実施例5〜8および比較例3〜4 実施例1〜4および比較例1〜2で得た水性塗料の粘度
を45秒/フォードカップ#4/20℃に調整し、前記
の被塗物に硬化塗膜が15±3μmになるようにエアス
プレーで塗装し、70℃で10分乾燥してから、未硬化
塗面に、クリヤ塗膜を形成する粉体塗料(注6)を硬化
塗膜が約60μmになるように塗装したのち、160℃
で30分加熱して両塗膜を同時に硬化せしめた。かくし
て得られた複層塗膜の性能試験結果を表2に示す。
【0064】(注6):粉体塗料 アクリル樹脂(「ファインデックA207S」、大日本
インキ化学工業社製、商品名、エポキシ基官能性アクリ
ル樹脂)80部、ドデカン二酸20部、ベンゾイン0.
5部を均一に混合したのち、溶融混練し、冷却後、微粉
砕して、粒径20〜50μmの粉体クリヤ塗料を得た。
【0065】
【表2】
【0066】性能試験方法は下記のとおりである。
【0067】ワキ:塗膜表面を目視で、発泡などによる
ヘコミ、突起などの有無について観察し、その程度を次
の基準で評価した。○はヘコミ、突起などが全くなく、
平滑性が良好である。△はヘコミ、突起などの発生が少
し認められ、平滑性はやや劣る、×はヘコミ、突起など
の発生が著しく認められ、平滑性は非常に劣る、ことを
示す。
【0068】仕上り性:IV値およびフリップフロップ
性(F/F)を調べた。ALCOPE LMR−100
(富士工業社製、商品名)を用いて測定した。IV値は
塗膜中のアルミニウムフレークの白さの指標であり、ア
ルミニウムフレークが塗面に対して平行に配向している
ほど白く見え、その測定値は高い値を示す。フリップフ
ロップ性(F/F)は塗面に対する見る角度によって光
輝感が変化する度合いのことであり、アルミニウムフレ
ークが塗面に対して平行に配向しているほど観察角度を
少し変えただけでも光輝感は大きく変化し、その測定値
は高い値を示す。
【0069】耐水性:試験片を40℃に調整した水中に
10日間浸漬した後の塗面を目視で観察した結果であ
る。評価基準:○はブリスターや白化などが全くなく良
好である、△はブリスターや白化などが少し発生し、や
や不良である、×はブリスターや白化などの発生が著し
く認められ、不良である、ことを示す。
【0070】耐ガソリン性:試験片を室温でレギュラー
ガソリンに2時間浸漬した後の塗面を目視で観察した結
果である。評価基準:○はブリスターや光沢低下などが
全くなく良好である、△はブリスターや光沢低下が少し
発生しやや不良である、×はブリスターや光沢低下の発
生が著しく認められ不良である、ことを示す。
【0071】実施例9〜12および比較例5〜6 実施例1〜4および比較例1〜2で得た水性塗料の粘度
を45秒/フォードカップ#4/20℃に調整し、前記
の被塗物に硬化塗膜が15±3μmになるようにエアス
プレーで塗装し、70℃で10分乾燥してから、未硬化
塗面に、クリヤ塗膜を形成する粉体スラリー塗料(注
7)を硬化塗膜が60μmになるように塗装したのち、
160℃で30分加熱して両塗膜を同時に硬化せしめ
た。かくして得られた複層塗膜の性能試験結果を表3に
示す。試験方法は前記と同じである。
【0072】(注7):粉体スラリー塗料 アクリル樹脂(「ファインデックA207S」)80
分、ドデカン二酸20分、ベンゾイン0.5分を均一に
混合したのち、溶融混練し、冷却後、粒径20〜50μ
mの微粉砕してなる粉体組成物68部を、脱イオン水1
00部、分散剤(Disperbyk−182, BY
K Chemie社製)1部およびレオロジ調整剤(A
crysol ASE−60,Rohm & Haas
Co製)0.6部と共に混合して、粉体スラリー塗料
を得た。
【0073】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 161/32 C09D 161/32

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子中に水酸基およびカルボキシル基
    を併有する樹脂(A)、アルキルエーテル化メチロール
    メラミン樹脂(B)およびオキサゾリン基含有化合物
    (C)を含有することを特徴する水性塗料。
  2. 【請求項2】 (A)成分が、1分子中に水酸基および
    カルボキシル基の両者を同時に有するアクリル樹脂また
    はポリエステル樹脂である請求項1記載の水性塗料。
  3. 【請求項3】 該アクリル樹脂が水溶性アクリル樹脂と
    水分散性アクリル樹脂との組合わせからなる請求項2記
    載の水性塗料。
  4. 【請求項4】 (C)成分が、オキサゾリン基を側鎖に
    2個以上有する重合体状の化合物または1分子中にオキ
    サゾリン基を2個以上有する単量体状の化合物である請
    求項1〜3のいずれかに記載の水性塗料。
  5. 【請求項5】 オキサゾリン基が式 【化1】 式中、R1、R2、R3及びR4は互に独立して水素原子ま
    たはC1〜C20−アルキル基を表わす、で示される基で
    ある請求項1〜4のいずれかに記載の水性塗料。
  6. 【請求項6】 (A)、(B)および(C)の3成分の
    合計固形分の重量を基準にして、(A)成分を90〜5
    0%、(B)成分を3〜25%、および(C)成分を5
    〜30%含有する請求項1〜5のいずれかに記載の水性
    塗料。
  7. 【請求項7】 水性塗料の未硬化塗面に粉体塗料または
    粉体スラリーを塗装し、ついで加熱して水性塗料の塗膜
    と粉体塗料または粉体スラリーの塗膜の両者を同時に硬
    化させることからなる複層塗膜形成方法において、該水
    性塗料として、請求項1〜6のいずれかに記載の水性塗
    料を使用することを特徴とする複層塗膜形成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001064546A (ja) * 1999-08-27 2001-03-13 Kansai Paint Co Ltd 塗膜形成方法
JP2001288404A (ja) * 2000-01-31 2001-10-16 Unitika Ltd 水性コーティング組成物及びこれを用いてなるポリオレフィン樹脂成形物。
JP2002294176A (ja) * 2001-03-29 2002-10-09 Nippon Paint Co Ltd 水性塗料組成物およびそれを用いる複層塗膜形成方法

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JP2001064546A (ja) * 1999-08-27 2001-03-13 Kansai Paint Co Ltd 塗膜形成方法
JP2001288404A (ja) * 2000-01-31 2001-10-16 Unitika Ltd 水性コーティング組成物及びこれを用いてなるポリオレフィン樹脂成形物。
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