JP2004010788A - 粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂組成物、および粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂の輸送・貯蔵方法 - Google Patents
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Abstract
アクリル系粉体塗料等の原料用樹脂として使用され、光沢、平滑性等の外観特性に優れた硬化塗膜が得られる、実測ガラス転移温度(Tg)が45℃以下に低く設計された粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂に対し、融点または実測ガラス転移温度(Tg)が45℃以上の塗料用配合剤(混合物)を予め混合する。
【効果】
本発明の粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂組成物によれば、アクリル系粉体塗料の薄膜化において、その原料樹脂として好適に使用される実測ガラス転移温度(Tg)45℃以下に低く設計された粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂が、輸送・貯蔵中に固着・凝集することを抑制することができ、一般的な粉体塗料の製造工程における良好な作業性を確保しつつ、得られる硬化塗膜の平滑度の悪化を抑制することができる。
さらに本発明の粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂の輸送・貯蔵方法によれば、上記粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂が輸送・貯蔵中に強固に固着・凝集することがない。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車体、車両用部品等の外装用途に好適に用いられるアクリル系粉体塗料等の原料用樹脂として使用される粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂組成物、および粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂の輸送・貯蔵方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、粉体塗料は、溶剤排出の極めて少ない環境対応型塗料であり、特にVOC規制の厳しい欧米を中心に市場が拡大している。この様な中で、硬化性粉体塗料は、大きくポリエステル系粉体塗料、エポキシ系粉体塗料、ポリエステル・エポキシハイブリッド粉体塗料、およびアクリル系粉体塗料の4つに分類され、それぞれの価格、性能に応じた用途で市場展開が図られている。
【0003】
アクリル系粉体塗料は、アクリル樹脂が本来有する高い透明性と耐候性を生かして、自動車等の車体、車両用部品(アルミホイール、ワイパー、ピラー、ドアハンドル、フェンダー、ボンネット、エアスポイラー、スタビライザー、フロントグリル等)等に好適に用いられる。特に、グリシジル基含有アクリル樹脂と多価カルボキシル硬化剤との組み合わせから成るアクリル系粉体塗料は、グリシジル基とカルボキシル基との硬化反応によって形成される塗膜が、酸性雨の侵食に対し高い抵抗力を有する点と、薄膜塗装でも塗膜の平滑度を確保しやすい点から、アクリル系粉体塗料の主流となっている。
【0004】
ところで、近年、特に自動車産業における塗料材料コストの低減要求は強く、アクリル系粉体塗料に対しては、塗膜の平滑度を維持しつつ、より薄膜化させる技術の開発が急務となっている。このような状況にあって、アクリル系粉体塗料の改良は、大きく、「微粒子化」、「球状化」、および「高流動化」の3つの方向に分類される。
【0005】
「微粒子化」は、一般的な粉体塗料の平均粒子径が20〜30μmであるのに対し、これを下回る粒度の粉体塗料を使用する技術であり、例えば、特開平8−199091号公報では、平均径5〜20μmまでジェットミルにより粉砕し、トリボ帯電式塗装で薄膜化を達成する試みがなされている。
また、「球状化」は、元来、「微粒子化」の結果生じる、粉体塗料の粒子間凝集、粉体流動性の悪化に対する改良技術として発展し、例えば、特開平9―208855号公報では、機械的に粉砕された不定形粉体塗料粒子に対し、熱風を利用して粒子表面を一旦溶融させて得られた、平均粒子径5〜15μmの球状粉体塗料が開示されている。また、WO9858741では、同様に、機械粉砕された平均粒子径10μm以下の微粒子粉体塗料を、加熱下に造粒することにより、所望の粒子径を有する球状粉体塗料を製造する方法が提案されている。さらには、これらのように製造工程、エネルギー消費が増加するアプローチに対抗する技術として、WO9845356等に記載のように、塗料組成物を水中に懸濁分散し、球状粒子を簡単なバッチ操作で製造し、コストダウンを図る方法等も提案されている。これらは、アクリル系粉体塗料の薄膜塗装時において、塗膜の平滑度の維持、改良について確かに有効であるが、設備投資を伴う場合も多く、少なくとも現在の主流とはなっていない。
【0006】
これらに対し、現在のアクリル系粉体塗料の改良は「高流動化」が主流である。そのアプローチは、アクリル系粉体塗料、特に、グリシジル基含有アクリル樹脂と多価カルボキシル硬化剤とからなるアクリル系粉体塗料に対し、主成分であるグリシジル基含有アクリル樹脂の精密設計、および多価カルボキシル硬化剤の選定を中心に検討がなされている。熱溶融特性の追求の結果、グリシジル基含有アクリル樹脂については、実測ガラス転移温度(Tg)、または分子量の低下が図られ、例えば、US5663240には、実測ガラス転移温度(Tg)が38.6℃であるグリシジル基含有アクリル樹脂の製造例が記載されている。しかしながら、このような低い実測ガラス転移温度(Tg)を有するグリシジル基含有アクリル樹脂は、その形状が、非球状不定形の粉粒状である場合、輸送・貯蔵時に顕著に凝集・固着してしまい、通常の粉体塗料の製造方法において、作業性を著しく損なうばかりでなく、塗膜の外観特性にも悪影響を及ぼす。
【0007】
この改良方法の一つとしては、グリシジル基含有アクリル樹脂を球状粒子、あるいはペレットとして輸送、貯蔵することが考えられる。例えば、特開平10−95931号公報に記載のような水性懸濁重合法による球状グリシジル基含有アクリル樹脂の製造は、好ましいものと思われる。このような、実測ガラス転移温度(Tg)が45℃以下、特に40℃以下である球状グリシジル基含有アクリル樹脂は、この水性懸濁重合法を含め、溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法、等の一般的な樹脂製造技術で製造することができるが、このような低実測ガラス転移温度のグリシジル基含有アクリル樹脂からなる粉体塗料は、実用レベルの輸送・貯蔵が極めて困難になる。このため、現時点では、このように低い実測ガラス転移温度を有するグリシジル基含有アクリル樹脂を使用したアクリル系粉体塗料の実用例はなく、また、粉粒状樹脂の固着・凝集の危険性以外、実用面での問題点についての詳細な報告・検討はこれまでのところない。さらには、一般的な粉体塗料の製造工程、つまり、全ての塗料原料の乾式混合、溶融混練、冷却固化、粉砕、分級を経るプロセスにおいて、実測ガラス転移温度(Tg)の許容下限界値について、これまで検討されたこともなかった。
【0008】
本発明者等は、かかる状況下にあって鋭意検討を重ねたところ、貯蔵中に固結・凝集を生じた低ガラス転移温度(Tg)の粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂が、溶融混練物(Extrudate)の不均質性に起因する塗膜面の平滑度の悪化を生じ易く、特に薄膜化の実用化に向けて大きな障害となり得ることを見出した。そして、これを改良する目的で、この粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂に対し、特定の粒度で、特定の融点または実測ガラス転移温度(Tg)を有する塗料用配合剤を予め共存させて輸送・貯蔵することで、輸送・貯蔵中の粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂の固着・凝集を緩和し、得られる塗膜の平滑度の悪化を抑制できることなどを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、アクリル系粉体塗料組成物、特にグリシジル基含有アクリル樹脂と多価カルボキシル硬化剤等とを含有するアクリル系粉体塗料組成物において、45℃以下の低い実測ガラス転移温度(Tg)に設計された粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂が輸送・貯蔵中に強固に固着・凝集することを防止し、得られる塗膜の平滑度の悪化を抑制することができる粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂組成物を提供することを目的としている。
【0010】
さらに本発明は、上記粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂が輸送・貯蔵中に強固に固着・凝集することがない当該樹脂の輸送・貯蔵方法を提供することを目的としている。
【0011】
【発明の概要】
本発明に係る粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂組成物は、粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)と、塗料用配合剤(B)とを、該(A)成分100重量部に対し、該(B)成分が0.5重量部以上の量となるように乾式混合してなる粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂組成物であって、
前記(A)粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂は、JIS C 2161(7.3.1)に準拠した分級操作法において、目開き1.7mm(10メッシュ)を通過しない粗粉が40重量%以下の粒度であり、かつ、実測ガラス転移温度(Tg)が30〜45℃の範囲にあり、
前記(B)塗料用配合剤は、45℃以上の融点または実測ガラス転移温度(Tg)を有し、かつ、多価カルボキシル硬化剤(b−1)、紫外線吸収剤(b−2)、ヒンダードアミン系光安定剤(b−3)、ベンゾイン(b−4)、反応性希釈剤(b−5)、酸化防止剤(b−6)、およびビスフェノールA型エポキシ樹脂(b−7)からなる群から選択される1種以上であることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂の輸送・貯蔵方法は、JIS C 2161(7.3.1)に準拠した分級操作法において、目開き1.7mm(10メッシュ)を通過しない粗粉が40重量%以下の粒度を有し、かつ実測ガラス転移温度(Tg)が30〜45℃の範囲にある、粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)を輸送・貯蔵する方法であって、
前記粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)と、下記塗料用配合剤(B)とを、該(A)成分100重量部に対し、該(B)成分が0.5重量部以上の量となるように予め乾式混合した組成物を輸送・貯蔵することを特徴とする。
【0013】
前記塗料用配合剤(B):45℃以上の融点または実測ガラス転移温度(Tg)を有し、かつ多価カルボキシル硬化剤(b−1)、紫外線吸収剤(b−2)、ヒンダードアミン系光安定剤(b−3)、ベンゾイン(b−4)、反応性希釈剤(b−5)、酸化防止剤(b−6)、および、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(b−7)からなる群から選択される1種類以上。
【0014】
上記塗料用配合剤(混合物)(B)の体積平均粒子径が、500μm以下であることが好ましい。
【0015】
【発明の具体的説明】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に係る粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂組成物は、(A)粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂と(B)塗料用配合剤とが乾式混合されてなる。
[粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)]
本発明で使用される粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)は、グリシジルメタクリレート、β−メチルグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート等の、グリシジル基を有するエチレン性不飽和単量体からなる群から選択される少なくとも1種類以上のエチレン性不飽和単量体(a−1)と、これらと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体(a−2)とを共重合することで得られる。
【0016】
使用される全てのエチレン性不飽和単量体成分((a−1)+(a−2)が100重量部)のうち、(a−1)単量体が占める割合は、特に制限はないが、10〜60重量部が好ましく、20〜50重量部がより好ましい。10重量部以下では、最終的に得られる硬化塗膜の強度等が不十分であり、60重量部以上ではコスト高の為、実用性に欠ける。
【0017】
上記(a−2)単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリルメタクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウロイル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ジメチルアモノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、等のカルボキシル基含有ビニル類およびこれらのモノエステル化物;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン等の芳香族ビニル類;
ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有ビニル類;
塩化ビニル、塩化ビニリデン、ふっ化ビニル、モノクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロプレン等のハロゲン含有ビニル類;
その他に、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミド、およびメチロールメタクリルアミド、エチレン、プロピレン、C4〜C20のα−オレフィン、ビニルピロリドン等が挙げられる。また、上記単量体の他に、上記単量体を含むモノマーを共重合してなる共重合体をセグメントに有し、末端にビニル基を有するマクロモノマー類も単量体として使用できる。上記「メチル(メタ)アクリレート」は、メチルアクリレートおよびメチルメタアクリレートを示す。本発明で用いられる(a−2)エチレン性不飽和単量体は、これらから選ばれる1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0018】
粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)の製造方法は、所望の特性を有するものが得られるのであれば、特に限定されず、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法、等の公知の重合技術が用いられ、とりわけ溶液重合法が好適に用いられる。
溶液重合法の場合、所定のエチレン性不飽和単量体(すなわち上記単量体(a−1)および(a−2))と重合開始剤とを、加熱した有機溶媒中に供給することで、有機溶媒中で共重合反応が行われる。得られた共重合ポリマー溶液は、続いて減圧下に有機溶媒を留去し、さらに冷却、固化、粉砕し、実質的に有機溶媒を含まない、粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)を製造することができる。
【0019】
得られた粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)の重量平均分子量Mwは、特に制限はないが、2500〜10000、特に2800〜4500の範囲にあることが好ましい。重量平均分子量Mwが2500より小さい場合、最終的に得られる硬化塗膜の強度等が低下してしまい、また10000より大きい場合、塗膜の平滑度が損なわれてしまう。重量平均分子量Mwはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレンを標準として測定することができる。
【0020】
また、得られた粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)の実測ガラス転移温度Tgは、共重合させるエチレン性不飽和単量体の種類と使用比率、重量平均分子量Mw等により容易に制御でき、本願発明の場合30〜45℃に設計される。また、上記の実測ガラス転移温度(Tg)の範囲内であれば、粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)は、例えば、常温で液状の流動調整剤等の塗料用配合剤を予め含んだものであっても構わない。尚、実測ガラス転移温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量計)により測定できる。さらに、本願発明の粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)の粒度は、JIS C 2161(7.3.1)に準拠した分級操作法において、目開き1.7mm(10メッシュ)を通過しない粗粉が40重量%以下、好ましくは30〜10重量%であることが望ましい。このような粒度を有する該アクリル樹脂(A)を含有するアクリル系粉体塗料は、一般的な粉体塗料の製造方法の初期工程、つまり全原料の乾式混合工程、溶融混練工程において、良好な分散混合状態を得易いという特長を有するが、反面、該アクリル樹脂(A)は輸送・貯蔵中に、粒子間の固着・凝集が顕著に生じる傾向がある。
【0021】
粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)をこのような粒度に調整する方法は、例えば、上述の溶液重合法を用いた場合では、共重合ポリマー溶液から溶剤を留去し、その後、冷却、固化したグリシジル基含有アクリル樹脂を、ハンマーミル等の破砕型粉砕機等を用いて、所定の粒度にまで機械的に粉砕する方法により行うことができる。また、同様に、塊状重合法、つまり無溶剤下で共重合操作した場合にも、得られる共重合ポリマーを冷却、固化し、さらに、所定粒度に機械的に粉砕する方法により行うことができる。またさらに、例えば水性懸濁重合法の場合は、懸濁重合段階で、グリシジル基含有アクリル樹脂粒子の分散粒子径を、攪拌速度、使用する分散剤の種類・量等により制御し、水分散液から水を除去し、これを乾燥させる方法等により行うことができ、乾燥段階で意図的に二次凝集させても粒度を調整することができる。
【0022】
[塗料用配合剤(B)]
本発明で使用される塗料用配合剤(B)は、多価カルボキシル硬化剤(b−1)、紫外線吸収剤(b−2)、ヒンダードアミン系光安定剤(b−3)、ベンゾイン(b−4)、反応性希釈剤(b−5)、酸化防止剤(b−6)、および、ビスフェノール型エポキシ樹脂(b−7)からなる群から選択される1種類以上である。さらに、これら塗料用配合剤は、全て45℃以上、好ましくは70〜140℃の融点または実測ガラス転移温度(Tg)を有することが望ましい。上記温度範囲であることにより、輸送・貯蔵中の固着・凝集を効果的に抑制できる。
【0023】
上記多価カルボキシル硬化剤(b−1)としては、炭素数8〜20の脂肪族または脂環族多塩基酸類、およびこれらの脱水縮合物類が使用できる。
脂肪族多塩基酸類としては、スベリン酸(融点143℃)、アゼライン酸(融点107℃)、2,4−ジエチルグルタル酸(融点77℃)、セバシン酸(融点135℃)、ウンデカン二酸(109℃)、ドデカンニ酸(融点129℃)、ブラシル酸(融点115℃)、テトラデカンニ酸(融点129℃)、ペンタデカン二酸(融点117℃)、ヘキサデカン二酸(融点124℃)、ヘプタデカン二酸(融点115℃)、オクタデカン二酸(融点120℃)、エイコサン二酸(融点115℃)、等の直鎖状または分岐状脂肪族二塩基酸類;ブタントリカルボン酸(融点123℃)等の3基含有以上の脂肪族多塩基酸等を挙げることができる。
【0024】
また、脂環族多塩基酸類としては、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸(融点120〜150℃)等を挙げることができる。
本発明においては、いずれの硬化剤(b−1)も好適に用いられるが、最終的に得られる塗膜の諸物性のトタールバランス、すなわち外観特性、物理(強度)特性、化学特性(化学的劣化に対する抵抗性)のバランスの観点から、ドデカン二酸が特に好ましく用いられる。またさらには、これら脂肪族または脂環族多塩基酸類の単独あるいは2種以上を、無水酢酸を用いて脱水縮合反応等させて製造される脱水縮合物類も同様に使用可能である。脱水縮合物類は、その原料として使用される炭素数8〜20の脂肪族または脂環族多塩基酸類よりも一般的に低融点を示す場合が多いが、本願発明の場合、45℃以上の融点または実測ガラス転移温度Tgを有するものであれば使用することができる。特に、最終的に得られる塗膜の諸物性のトタールバランス(上記と同じ)の観点から、ドデカン二酸単独の脱水縮合物(融点85〜95℃)が好ましい。そのようなものとして具体的には‘AdditolVXL1381’(商品名、ソルーシア社製)等が好ましく用いられる。
【0025】
次に、上記紫外線吸収剤(b−2)としては、トリアジン系、ベンゾトリアゾール系等の一般的な紫外線吸収剤が使用することができる。そのようなものとして具体的には‘チヌビン#900’(融点138℃)、‘チヌビン#405’(融点75℃)(商品名、いずれもチバスペシャルティケミカルズ社製)等が好ましく用いられる。
【0026】
上記ヒンダードアミン系光安定剤(b−3)としては、具体的には‘チヌビン#144’(融点148℃)、(商品名、チバスペシャルティケミカルズ社製)等を利用することができる。
上記ベンゾイン(b−4)は、融点134〜136℃の結晶性物質であり、本発明のアクリル系粉体塗料組成物に好適に使用することができる。
【0027】
上記反応性希釈剤(b−5)としては、結晶性低粘度エポキシ樹脂に属するビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂等を利用することができる。そのようなものとして、具体的には‘エピコートYX4000H’(融点105℃)(商品名、油化シェル社製)等が好ましく用いられる。
【0028】
上記酸化防止剤(b−6)としては、リン系、ヒンダードフェノール系等の一般的な酸化防止剤を利用でき、HCA(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド;融点118℃)(三光株式会社製)、‘イルガノックス259’(融点106℃)(商品名、チバスペシャルティケミカルズ社製)等が好ましく用いられる。
【0029】
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂(b−7)としては、‘エピコート#1002’(融点78℃)、‘エピコート#1004’(融点97℃)(商品名、いずれも油化シェル社製)等が好ましく用いられる。
本発明に用いられる塗料用配合剤(B)は、このような(b−1)〜(b−7)を単独で、または2種以上混合した塗料用配合剤混合物としても用いられるが、そのいずれの場合であっても、レーザー回折散乱法によって測定される体積平均粒子径は500μm以下、好ましくは10〜100μmであることが望ましい。体積平均粒子径が500μmを超えると、粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)の固着・凝集を抑止する為に必要な塗料用配合剤(B)の添加量が増加し、粉体塗料に必要以上添加されることとなり、好ましくない。
【0030】
[ 粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂組成物の製造方法 ]
本発明に係る粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂組成物は、上記粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)と、上記塗料用配合剤(B)とを、乾式混合して製造される。この乾式混合方法については、(A)および(B)の両成分が実質的に均一に混合されれば特に制限はないが、実用レベルの方法としては、Vブレンダー等の乾式粉体混合機を使用することができ、また、あるいはハンマーミル等を用いることにより軽微な機械的粉砕を伴いながら混合させることもできる。
【0031】
本発明では、粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)100重量部に対して乾式混合される塗料用配合剤(B)の添加量は、粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)の実測ガラス転移温度Tgによって異なるが、30〜45℃では通常、0.5重量部以上であることが好ましい。特に、該(A)樹脂の実測ガラス転移温度Tgが30℃以上35℃未満の場合20.0重量部を超えて40.0重量部以下、実測ガラス転移温度Tgが35℃以上40℃未満の場合5.0重量部を超えて20.0重量部以下、さらに、実測ガラス転移温度(Tg)が40℃以上45℃以下の場合0.5重量部以上5.0重量部以下となる重量比であることが好ましい。該(A)100重量部に対する該(B)の添加量が0.5重量部より小さいと、輸送・貯蔵中における、粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)の固着・凝集が顕著になり、該アクリル樹脂を含有する粉体塗料から得られる塗膜は平滑度が悪化する。
【0032】
[ 粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)の輸送・貯蔵方法 ]
本発明の粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)の輸送・貯蔵方法は、上記組成の粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)、および塗料用配合剤(B)を上記の方法により予め乾式混合した後、得られた組成物を輸送・貯蔵することを特徴としている。このような組成物とすることにより、一般的に使用される紙バック、紙ドラム、金属ドラム、ポリエチレンバック、フレコンバック等を用いた梱包による輸送、一般的な積載、貯蔵が実施可能となる。さらに、このように輸送・貯蔵した後においても、粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂は、固着・凝集することがなく、該アクリル樹脂を含有する粉体塗料から得られる塗膜は平滑度に優れる。本願発明の粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)の輸送・貯蔵方法によれば、25℃以下に管理された冷凍倉庫、冷凍コンテナ、等の使用は特に必要はない。
【0033】
なお、このような粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)および塗料用配合剤(B)を含む本発明の組成物は、それ単独で、粉体塗料用原料として使用することができるが、さらに必要によりその他の成分などを添加等して粉体塗料を調製することが好ましい。具体的には、上記組成物に、さらに塗料用配合剤(B)、流動調整剤、硬化触媒等を追加添加し、乾式混合して得られた混合物を、溶融混練し、冷却・固化した後、さらに、乾式粉砕して粉体塗料を調製することができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明の粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂組成物によれば、アクリル系粉体塗料の薄膜化において、その原料樹脂として好適に使用される実測ガラス転移温度(Tg)45℃以下に低く設計された粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂が、輸送・貯蔵中に固着・凝集することを抑制することができ、一般的な粉体塗料の製造工程における良好な作業性を確保しつつ、得られる硬化塗膜の平滑度の悪化を抑制することができる。
【0035】
さらに本発明の粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂の輸送・貯蔵方法によれば、上記粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂が輸送・貯蔵中に強固に固着・凝集することがない。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂組成物、および粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂の輸送・貯蔵方法について、その実施例、および各種試験例を挙げ、更に具体的に説明するが、本発明は、それらの記載によって何ら限定されるものではない。以下の説明において、「部」および「%」は特記していない限り重量基準である。
【0037】
【製造例1】
[粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A−1)の製造例]
攪拌機、温度計、還流冷却機、および窒素導入管を備えた4口フラスコに、キシレン70部を仕込み、気相部空気を窒素置換しながら、攪拌下に、還流温度まで加熱昇温した。このフラスコ内に、グリシジルメタクリレート40部、スチレン20部、イソボロニルアクリレート40部(合計100部)、および、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート12部とを溶解混合した原料液を、5時間にわたりフィードし、さらにその後100℃で5時間保持し、これらエチレン性不飽和単量体の共重合反応を行った。得られた樹脂溶液を、140℃加温下に、流動状態に保持したまま、4mmHg以下の真空度でキシレンを留去し、次いで、冷却、固化した。得られた塊状の樹脂をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて粉砕し、粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A−1)を得た。得られたグリシジル基含有アクリル樹脂の、DSC(示差走査熱量計)により実測されるガラス転移温度Tgは36℃であり、GPCにより実測される重量平均分子量Mwは3140であった。また、JIS C 2161(7.3.1)に準拠した分級操作法で測定される粒度において、目開き1.7mm(10メッシュ)を通過しない粗粉の重量は18重量%であった。
【0038】
粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A−1)の配合量および特性値を表1に示す。
【0039】
【製造例2】
[粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A−2)の製造例]
上記製造実施例1のグリシジルメタクリレートを、β−メチルグリシジルメタクリレートに変更し、表1に記載の添加量で使用した以外は、全て同様の操作を実施し、粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A−2)を得た。得られたグリシジル基含有アクリル樹脂の、DSC(示差走査熱量計)により実測されるガラス転移温度Tgは32℃であり、GPCにより実測される重量平均分子量Mwは3120であった。JIS C 2161(7.3.1)に準拠した分級操作法で測定される粒度において、目開き1.7mm(10メッシュ)を通過しない粗粉の重量は25重量%であった。
【0040】
粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A−2)の配合量および特性値を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【実施例1】
Vブレンダー(徳寿工作所製)に、粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A−1)100部を投入し、次いで、下記の塗料用配合剤混合物(B−1)16部を投入し、30分間乾式混合した。この操作より得られた乾式混合物5kgを50cm×70cmのポリエチレンバックに入れ、開封した状態で30℃に保たれた孵卵機に入れ、無荷重で1ケ月間貯蔵し、実施例1とした。
【0043】
塗料用配合剤混合物(B−1)
ドデカン二酸の脱水縮合物‘AdditolVXL1381’(商品名、ソルーシア社製)12部、‘チヌビン#900’(商品名、チバスペシャリティーケミカルズ社製)2部、‘チヌビン#144’(商品名、チバスペシャリティーケミカルズ社製)1部、およびベンゾイン1部を、バンタムミル(ホソカワミクロン社製)によって平均粒子径を21μmとなるように混合して調製した。
【0044】
【実施例2】
上記実施例1で、粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)として(A−2)100部、および、下記の塗料用配合剤混合物(B−2)36部とを使用した以外は全て、実施例1と同様の操作を実施し、実施例2とした。
塗料用配合剤混合物(B−2)
ドデカン二酸30部、‘エピコートYX4000H’2部、HCA2部、および‘エピコート#1002’2部をバンタムミル(ホソカワミクロン社製)によって平均粒子径を21μmとなるように混合して調製した。
【0045】
【比較例1,2】
上記製造例1,2で製造した粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A−1)、(A−2)それぞれ5kgを、塗料用配合剤(混合物)(B)を添加せず、一切乾式混合することなく50cm×70cmのポリエチレンバックに入れ、開封した状態で30℃に保たれた孵卵機に入れ、無荷重で1ケ月間貯蔵し、それぞれ、比較例1、比較例2とした。
【0046】
【比較例3】
Vブレンダー(徳寿工作所製)に、粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A−1)100部を投入し、次いで、塗料用配合剤(B)として、ドデカン二酸の脱水縮合物‘AdditolVXL1381’(商品名、ソルーシア社製)を一旦溶融し、その後、固化、粗粉砕して得られた平均粒子径540μmの粒状の塗料用配合剤(B−3)30部を投入し、30分間乾式混合し、乾式混合物を得た。この操作より得られた乾式混合物5kgを、50cm×70cmのポリエチレンバックに入れ、開封した状態で30℃に保たれた孵卵機に入れ、無荷重で1ケ月間貯蔵し、比較例3とした。
【0047】
尚、実施例1,2、比較例1〜3の配合量、貯蔵条件等については、表2に示す。
<貯蔵物の評価方法>
上記実施例1,2、比較例1〜3で得られた、貯蔵後の粉粒状グリシジルアクリル樹脂(A)(実施例1,2、および比較例3では塗料用配合剤(混合物)(B)が含有された状態のものである)を、以下の要領により評価した。
【0048】
[固着・凝集性]
ポリエチレンバック中の固着・凝集の状態を、指触により、下記判定基準(◎〜×)により評価した。結果を表4に示す。
◎:僅かに凝集があるが、指で容易に崩れる。
○:凝集が多く、指で崩せない塊がある。
【0049】
×:凝集が激しく、指で殆ど崩せない。
<塗膜の評価>
塗膜評価の為の、粉体塗料の調製、および、塗装、焼き付け操作は、一般的に用いられる技術に準拠して実施した。
具体的には、実施例1,2、比較例1〜3において、ポリエチレンバック中に1ケ月間貯蔵された「粉粒状グリシジルアクリル樹脂(A)を含有する乾式混合物」すなわち粉粒状グリシジル官能アクリル樹脂組成物(実施例1,2および比較例3は、粉粒状グリシジルアクリル樹脂(A)と塗料用配合剤(B)との混合物、比較例1,2は粉粒状グリシジルアクリル樹脂(A)のみである。)各5kgを、そのままの状態で、それぞれ別個のバッチとして、外部冷却機能付きの大型ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)に投入した。次いで、表3に示すように、「追加すべき塗料原料」を全て投入した後、内部温度を25℃以下に保持したまま、15分間、粉砕を伴いながらヘンシェルミキサーにより乾式混合した。「追加すべき塗料原料」は、これを使用することにより、実施例1、比較例1、比較例3の3つ、さらに、実施例2、比較例2の2つがそれぞれ、最終的な塗料構成成分とその配合比率が同一になるよう設計されている。
【0050】
また、流動調整剤は、製造例1と同様の重合操作により製造された、常温で固形のイソブチルメタクリレート単独のホモポリマー(重量平均分子量Mw=12800)を、体積平均粒子径47μmに粉砕したものを使用した。
上記のようにしてヘンシェルミキサーにより得られた個々のバッチの乾式混合物を、別々に一軸押し出し混練機(コペリオン社製)を用いて溶融混練し、冷却、固化した後、さらに、バンタムミル(ホソカワミクロン社製)を用いて乾式粉砕し、体積平均粒子径24〜27μmの粉体塗料を得た。得られた個々の粉体塗料は、電着塗装された0.8mm厚のリン酸亜鉛処理鋼板上に予めポリエステル−メラミン硬化型の溶剤系黒色塗料を20μm膜厚となるよう塗装し、170℃、30分間で焼付けすることで調製された下塗り塗装鋼板を用い、この上に、コロナ帯電方式で静電塗装し、焼付け硬化後の平均膜厚が45〜55μmとなるように塗装した後、150℃、30分間加熱焼き付けし、硬化塗膜を得た。
【0051】
尚、粉体塗料の調製、塗装、焼き付けの操作の条件について、表3に示す。
このようにして、上記実施例1,2、比較例1〜3に記載の貯蔵後の粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂組成物から得られた、焼付け硬化塗膜の性能を表4に示す。ここで使用した各種評価方法については、以下の通りである。
[目視判定]
肉眼による判定により、塗膜面の平滑度を下記判定基準(◎〜×)により評価した。
【0052】
◎:非常に平滑である。
○:僅かに凹凸(うねり)がある。
×:凹凸が顕著に存在する。
[光沢値]
BYKガードナー社製の光沢計により、60度光沢値を測定。光沢値が大きい程、光沢が良好であることを示す。
【0053】
[平滑性(Lw値)]
BYKガードナー社製ウェーブスキャンにより、長波長測定値を測定。Lw値が小さい程、平滑度が良好であることを示す。
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
Claims (4)
- 粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)と、塗料用配合剤(B)とを、該(A)成分100重量部に対し、該(B)成分が0.5重量部以上の量となるように乾式混合してなる粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂組成物であって、
前記(A)粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂は、JIS C 2161(7.3.1)に準拠した分級操作法において、目開き1.7mm(10メッシュ)を通過しない粗粉が40重量%以下の粒度であり、かつ、実測ガラス転移温度(Tg)が30〜45℃の範囲にあり、
前記(B)塗料用配合剤は、45℃以上の融点または実測ガラス転移温度(Tg)を有し、かつ、多価カルボキシル硬化剤(b−1)、紫外線吸収剤(b−2)、ヒンダードアミン系光安定剤(b−3)、ベンゾイン(b−4)、反応性希釈剤(b−5)、酸化防止剤(b−6)、およびビスフェノールA型エポキシ樹脂(b−7)からなる群から選択される1種以上であることを特徴とする粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂組成物。 - 上記塗料用配合剤(B)の体積平均粒子径が500μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂組成物。
- JIS C 2161(7.3.1)に準拠した分級操作法において、目開き1.7mm(10メッシュ)を通過しない粗粉が40重量%以下の粒度を有し、かつ実測ガラス転移温度(Tg)が30〜45℃の範囲にある、粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)を輸送・貯蔵する方法であって、
前記粉粒状グリシジル基含有アクリル樹脂(A)と、下記塗料用配合剤(B)とを、該(A)成分100重量部に対し、該(B)成分が0.5重量部以上の量となるように予め乾式混合した組成物を輸送・貯蔵することを特徴とする輸送・貯蔵方法:
前記塗料用配合剤(B):45℃以上の融点または実測ガラス転移温度(Tg)を有し、かつ多価カルボキシル硬化剤(b−1)、紫外線吸収剤(b−2)、ヒンダードアミン系光安定剤(b−3)、ベンゾイン(b−4)、反応性希釈剤(b−5)、酸化防止剤(b−6)、および、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(b−7)からなる群から選択される1種類以上。 - 上記塗料用配合剤(B)の体積平均粒子径が500μm以下であることを特徴とする、請求項3に記載の輸送・貯蔵方法。
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