JP4358930B2 - 硬化剤組成物およびその製造方法 - Google Patents

硬化剤組成物およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体塗料の硬化剤として用いた場合に、塗膜外観および貯蔵安定性が非常に良好である硬化剤組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
粉体塗料は、大気中に放出される有機溶剤がないことから、環境に対してやさしい塗料として注目を浴びている。その中でも、塗膜性能、塗膜物性の観点から、熱硬化性粉体塗料が用いられている。特に近年、自動車車体の塗装に適用できるような塗膜外観が非常に良好である熱硬化性粉体塗料が求められている。
【0003】
熱硬化性粉体塗料のうち、得られる塗膜の性能や物性に優れるアクリル樹脂系のものは、艶ぼけ現象といわれる外観上の問題を有している。この現象は、硬化剤として多塩基酸を多量に用いた際に発生しやすいことがわかっている。この艶ぼけ現象を軽減するために多塩基酸の使用量を低減すると得られる塗膜の性能や物性が充分でなくなる。また、得られる塗膜の性能および物性と艶ぼけ現象とを両立できる多塩基酸はなく、得られる塗膜の性能および物性と艶ぼけ現象とを両立することは困難であった。
【0004】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、アクリル樹脂系粉体塗料の硬化剤として用いた際に、艶ぼけ現象が発生しない塗膜を得ることができる硬化剤組成物およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、デカンジカルボン酸からなる多価カルボン酸化合物(a)、および、セバチン酸、ブタントリカルボン酸、およびヘキサンジオールジスクシネートから選ばれる少なくとも1種であるカルボン酸化合物(b)とからなり、多価カルボン酸化合物(a)とカルボン酸化合物(b)との重量比が50:50〜99:1である硬化剤組成物であって、
(1)上記硬化剤組成物が、室温で固体状であり、
(2)示差走査型熱量計によって決定した上記硬化剤組成物の融点が、上記多価カルボン酸化合物(a)の融点および上記カルボン酸化合物(b)の融点より低いことを特徴とする硬化剤組成物を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、デカンジカルボン酸からなる多価カルボン酸化合物(a)およびセバチン酸、ブタントリカルボン酸、およびヘキサンジオールジスクシネートから選ばれる少なくとも1種であるカルボン酸化合物(b)を、多価カルボン酸化合物(a)とカルボン酸化合物(b)との重量比が50:50〜99:1となるように混合する、硬化剤組成物の製造方法であって、
(1)上記硬化剤組成物が、室温で固体状であり、
(2)示差走査型熱量計によって決定した上記硬化剤組成物の融点が、上記多価カルボン酸化合物(a)の融点および上記カルボン酸化合物(b)の融点より低いことを特徴とする硬化剤組成物の製造方法を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、エポキシ基含有アクリル樹脂および硬化剤を含んでいる熱硬化性粉体塗料組成物であって、上記硬化剤が、先の硬化剤組成物であることを特徴とする熱硬化性粉体塗料組成物を提供するものである。
【0009】
さらに、本発明は、エポキシ基含有アクリル樹脂および硬化剤を原料として用いる湿式法による熱硬化性粉体塗料組成物であって、上記硬化剤が、先の硬化剤組成物であることを特徴とする熱硬化性粉体塗料組成物を提供するものである。
【0010】
ならびに、本発明は、下塗りまたは下塗りおよび中塗りが施された基板上に、ベース塗料を塗布する工程、上記工程で得られたベース塗料が塗布された基板上に、粉体塗料を塗布する工程、および、上記ベース塗料および上記粉体塗料が塗布された基板を加熱する工程からなる複層塗膜形成方法であって、上記粉体塗料が先の熱硬化性粉体塗料組成物であることを特徴とする複層塗膜形成方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の態様】
硬化剤組成物
本発明の硬化剤組成物は、デカンジカルボン酸からなる多価カルボン酸化合物(a)、および、セバチン酸、ブタントリカルボン酸、およびヘキサンジオールジスクシネートから選ばれる少なくとも1種であるカルボン酸化合物(b)からなる。
【0012】
本発明の硬化剤組成物における多価カルボン酸化合物(a)は、室温で結晶性固体である。本発明における「室温」とは25℃を意味する。
【0017】
本発明の硬化剤組成物は、室温で固体状である。本発明の硬化剤組成物が室温で固体状でなければ、実質的に粉体塗料に配合することが困難である。なお、本発明における「固体状」とは、結晶性固体および非晶質固体の状態を含み、一定の体積と形状を有している状態を意味する。
【0018】
本発明の硬化剤組成物は、その融点が、上記多価カルボン酸化合物(a)の融点および上記カルボン酸化合物(b)の融点より低いものである。
【0019】
ここで、本発明の硬化剤組成物およびそれに含まれる上記多価カルボン酸化合物(a)およびカルボン酸化合物(b)の融点は、DSCによって決定されるものである。
【0020】
上記多価カルボン酸化合物(a)、上記カルボン酸化合物(b)および本発明の硬化剤組成物について、それぞれのDSC吸収曲線の一例を図1に示す。図1は、上記多価カルボン酸化合物(a)としてデカンジカルボン酸、また、上記カルボン酸化合物(b)としてセバチン酸、そして本発明の硬化剤組成物としてデカンジカルボン酸とセバチン酸とを50:50の重量比で含んでいるものについてのそれぞれのDSC吸収曲線である。
【0021】
本発明における融点は、上記化合物のDSC吸収曲線において、急激に熱吸収を始める部分のうちの最低温度で決定される。また、上記化合物のDSC吸収曲線が緩やかな傾斜しか持たない場合は、最初の熱吸収が始まる温度を融点と決定する。例えば、図1のそれぞれのDSC吸収曲線から、多価カルボン酸化合物(a)の融点は125℃、カルボン酸化合物(b)の融点は130℃、そして、硬化剤組成物の融点は110℃と決定することができる。なお、本発明においては、融点の相対的な関係を把握することが重要であり、この融点が多少の誤差を含んでいてもよい。
【0022】
本発明の硬化剤組成物のDSC吸収曲線は、例えば、図1に示されるように、その構成成分である多価カルボン酸化合物(a)およびカルボン酸化合物(b)のDSC吸収曲線とは異なるものであり、単に2つの化合物のDSC吸収曲線が合わさったものではない。また、本発明の硬化剤組成物の融点は、多価カルボン酸化合物(a)の融点およびカルボン酸化合物(b)の融点よりも低くなっている。これらのことから、本発明の硬化剤組成物が、多価カルボン酸化合物(a)およびカルボン酸化合物(b)を単に混合しただけの状態ではないことを意味している。本発明の硬化剤組成物の融点が、多価カルボン酸化合物(a)の融点またはカルボン酸化合物(b)の融点よりも低くなるのは、融点の低い一方の化合物が液体になった場合、融点の高いもう一方の化合物の表面自由エネルギーが低くなることによると考えられる。また、別の理由として、液体になった化合物の原子の振動が大きくなるに従って、融点の高いもう一方の化合物の表面にある原子も大きく振動して液体化するため、固体を維持するための臨界振動に達する温度が低くなることが考えられる。
【0023】
DSCによって決定した本発明における硬化剤組成物の融点が、上記多価カルボン酸化合物(a)の融点および上記カルボン酸化合物(b)の融点よりも低くない場合は、得られる塗膜の外観向上が充分でない。
【0024】
本発明の硬化剤組成物の融点としては、特に限定されないが、60〜180℃であることが好ましく、80〜150℃であることがさらに好ましい。上記融点が60℃より低い場合は、貯蔵安定性が低下する恐れがあり、180℃より高い場合は、得られる塗膜の平滑性および外観が充分でない恐れがある。また、得られる塗膜の平滑性および外観の観点から、上記多価カルボン酸化合物(a)の融点および上記カルボン酸化合物(b)の融点よりも低いことが好ましい。
【0025】
本発明の硬化剤組成物における上記多価カルボン酸化合物(a)と上記カルボン酸化合物(b)との重量比率としては、特に限定されず、当業者によって任意に設定されるものであるが、上記多価カルボン酸化合物(a)と上記カルボン酸化合物(b)との重量比が50:50〜99:1であることが好ましい。上記多価カルボン酸化合物(a)の重量比が50より少ない場合は、得られる硬化剤組成物が室温で固体状にならない恐れがあり、99より多い場合は、塗料に配合した場合、得られる塗膜の外観向上が充分でない恐れがある。
【0026】
硬化剤組成物の製造方法
本発明の硬化剤組成物の製造方法は、上記多価カルボン酸化合物(a)および上記カルボン酸化合物(b)を混合する、硬化剤組成物の製造方法であって、
(1)上記硬化剤組成物が、室温で固体状であり、
(2)示差走査型熱量計によって決定した上記硬化剤組成物の融点が、上記多価カルボン酸化合物(a)の融点、および、上記カルボン酸化合物(b)の融点より低いことを特徴とするものである。
【0028】
上記混合する方法としては、これによって得られる硬化剤組成物が上記(1)および(2)の条件を満たすことができるものであれば特に限定されない。しかし、市販されている状態の多価カルボン酸化合物(a)およびカルボン酸化合物(b)をスパチュラ等で軽く混ぜるといったような、簡単な混合操作を行うだけでは、目的とする硬化剤組成物を得ることは困難である。すなわち、上記(1)および(2)の条件を満たすためには、混合が充分に行われている必要がある。この混合を充分に行うためには、2つの方法があって、1つは、本発明の硬化剤組成物の構成成分である多価カルボン酸化合物(a)およびカルボン酸化合物(b)の粒径を小さくして混合する方法であり、もう1つは、液状にして混合する方法である。混合性および硬化剤組成物を粉体塗料に用いた場合に得られる塗膜の平滑性の観点から、液状にして混合する方法が好ましい。
【0029】
多価カルボン酸化合物(a)およびカルボン酸化合物(b)の粒径を小さくして混合する場合、混合によって最終的に得られる硬化剤組成物の体積平均粒子径が15μm以下になるようにすることが好ましく、10μm以下になるようにすることがさらに好ましい。
【0030】
粒径を小さくするためには、粉砕を行う必要があるが、この粉砕は混合と同時に行うこともできるし、混合する前に行っておくこともできる。また、予備的に粉砕を行った後、混合時にさらに粉砕を行うことも可能である。このような粉砕には、固体を粉砕するための通常よく知られている手段が利用できる。例えば、乳鉢を用いることも可能であるが、工業的な見地からすると、ヘンシェルミキサーやサンドグラインドミルなどの粉体塗料分野において用いられている機器を目的に応じて選択することが好ましい。このように粒径を小さくすることによって、多価カルボン酸化合物(a)およびカルボン酸化合物(b)とを充分に混合することが可能になる。なお、本発明の硬化剤組成物を分散液の形で使用する場合には、上記粉砕時に溶剤を共存させることにより粉砕および混合を行うことができる。
【0031】
一方、混合を充分に行うためのもう1つの方法である液状にして混合する方法としては、2種類を挙げることができる。1つは、多価カルボン酸化合物(a)およびカルボン酸化合物(b)を同時に溶融させた後、これを冷却して固化させるものであり、もう1つは、多価カルボン酸化合物(a)およびカルボン酸化合物(b)を適当な溶媒に溶解させた後、溶媒を留去して固化させるものである。それぞれの段階における具体的な条件は、用いる多価カルボン酸化合物(a)およびカルボン酸化合物(b)の種類によって適宜設定することができる。なお、上記溶解させる場合の適当な溶媒としては、特に限定されず、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、イソフォロン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、石油エーテル、石油ベンジンを例示することができる。
【0032】
また、このようにして得られた硬化剤組成物は、上述した粉砕に用いられる手段によって、体積平均粒子径が15μm以下になるようにすることが好ましく、10μm以下になるようにすることがさらに好ましい。
【0033】
なお、本発明における体積平均粒子径を求める方法としては、特に限定されず、レーザー光散乱法等、当業者によく知られた方法を用いることができる。
【0034】
熱硬化性粉体塗料組成物
本発明の熱硬化性粉体塗料組成物は、エポキシ基含有アクリル樹脂および硬化剤を含んでおり、上記硬化剤が、先に述べた硬化剤組成物である。
また、上記エポキシ基含有アクリル樹脂としては、具体的には、1分子内に2つ以上のエポキシ基を有するアクリル樹脂であれば特に限定されず、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−メチルグリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有モノマーを必須として、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、スチレン、ビニルトルエン、p−クロロスチレンなどの上記エポキシ基含有モノマーと反応しないモノマーを常法に従って重合させたものが用いられる。
【0035】
上記エポキシ基含有アクリル樹脂の樹脂固形分のエポキシ当量は、100〜1000g/eq、好ましくは150〜600g/eq、さらに好ましくは200〜400g/eqである。上記エポキシ当量が100g/eqより小さい場合は、得られる塗料の貯蔵安定性が低下する恐れがある。また、上記エポキシ当量が1000g/eqより大きい場合は、得られる塗膜の性能が低下する恐れがある。
【0036】
本発明の熱硬化性粉体塗料組成物における上記硬化剤組成物のカルボキシル基と上記エポキシ基含有アクリル樹脂のエポキシ基とのモル比は、5/10〜11/10、好ましくは7/10〜10/10である。上記モル比が上記範囲外である場合は、得られた塗膜の硬化性が充分でない恐れがある。
【0037】
本発明の熱硬化性粉体塗料組成物は、上記エポキシ基含有アクリル樹脂および上記硬化剤組成物以外に、必要に応じて、顔料、各種添加剤等のその他の成分を含むことができる。上記顔料としては、具体的には、二酸化チタン、弁柄、黄色酸化鉄、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン系顔料、アゾ系顔料などの着色顔料、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウムなどの体質顔料などを挙げることができる。
【0038】
また、上記添加剤としては、具体的には、AEROSIL 130、AEROSIL 200(日本アエロジル株式会社製)等の流動付与剤、ジメチルシリコーンやメチルシリコーンなどのシリコーン類およびアクリルオリゴマー、およびベンゾインやベンゾイン誘導体などのベンゾイン類等の表面調整剤、硬化促進剤(または硬化触媒)、帯電制御剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料分散剤などを挙げることができる。
【0039】
本発明の熱硬化性粉体塗料組成物の体積平均粒子径は、特に限定されないが、製造効率および得られる塗膜の平滑性の観点から、5〜30μmであることが好ましい。体積平均粒子径が5μmより小さい場合は、製造効率や塗装時の塗着効率が低下する恐れがある。また、30μmより大きい場合は、得られる塗膜の平滑性が低下する恐れがある。
【0040】
本発明の熱硬化性粉体塗料組成物を得るためには、上記エポキシ基含有アクリル樹脂および硬化剤組成物に、必要に応じてその他の成分を加えたものを溶融混練し、冷却後これを粉砕分級する、いわゆる乾式法を利用することができるが、粉体塗料の耐固相反応性や塗装作業性および得られる塗膜の性能を考慮すると、下記の湿式法を用いることが好ましい。
【0041】
本発明の熱硬化性粉体塗料組成物を得るために好適に用いられる湿式法は、上記エポキシ基含有アクリル樹脂および硬化剤組成物を原料とし、上記原料を有機溶媒に溶解することで原料溶液を製造する工程(1)、上記工程(1)で得られた原料溶液を、水溶性高分子を含んだ水溶液に混合して懸濁液を製造する工程(2)および上記工程(2)で得られた懸濁液中の油滴を固化して粒子を取り出す工程(3)からなるものである。
【0042】
また、上記湿式法は、上記水溶性高分子の有する曇点を利用するか否かにより、その工程内容に違いが生じる。
(1)原料溶液を製造する工程
湿式法における第1の工程は、上記原料を有機溶媒に溶解して原料溶液を製造する工程である。この工程は上記水溶性高分子の有する曇点利用の有無に関係しない。ここで原料の一成分である上記硬化剤組成物は、この第1の工程で製造される原料溶液中に分散させておく必要がある。上記原料溶液中に完全に溶解してしまうと、実質的に硬化剤組成物として存在しなくなり、目的とする効果が得られない。なお、上記硬化剤組成物の分散は、後述の濾過操作においても残渣とならないほどに微分散の状態にしておくことが好ましい。
【0043】
上記原料として用いられるエポキシ基含有アクリル樹脂としては、上述のものを利用することができるが、以下の条件を満たすエポキシ基含有アクリル樹脂Aおよびエポキシ基含有アクリル樹脂Bを含むことにより、耐ブロッキング性および得られる塗膜の平滑性がさらに良好な熱硬化性粉体塗料組成物を得ることができる。すなわち、樹脂Aおよび樹脂Bとして、
(I)(樹脂AのSP値)−(樹脂BのSP値)が0.2〜1.5、
(II)(樹脂AのTg)−(樹脂BのTg)が10℃以上、
(III)樹脂AのTgが40〜100℃かつ樹脂Bが20〜50℃
を満たしているものを選択する。
【0044】
(樹脂AのSP値)−(樹脂BのSP値)が0.2より小さい場合は、貯蔵時の耐ブロッキング性が低下し、1.5より大きい場合には得られる塗膜の外観が低下する。
【0045】
上記樹脂Aおよび樹脂BのSP値は、上記の関係を満たしている必要があるが、通常9.0〜12.0であり、好ましくは9.0〜11.0、さらに好ましくは9.5〜11.0である。なお、本発明におけるSP値は、濁度法などの当業者によってよく知られた方法によって求められるものである。
【0046】
これに対して、(樹脂AのTg)−(樹脂BのTg)が10℃より小さい場合は、耐ブロッキング性が低下する。このとき樹脂AのTgは40〜100℃であり、かつ、樹脂BのTgは20〜50℃である。樹脂AのTgが40℃よりも小さい場合は、貯蔵時の耐ブロッキング性が低下し、100℃より大きい場合は塗膜の平滑性が低下する恐れがある。また、樹脂BのTgが20℃以下の場合は貯蔵時の耐ブロッキング性が低下し、50℃より大きい場合は塗膜の平滑性が低下する恐れがある。
【0047】
上記原料として用いられる硬化剤組成物は、上述のものを利用することができる。また、上記原料中のエポキシ基含有アクリル樹脂と上記硬化剤組成物との比率は、上記硬化剤組成物のカルボキシル基と上記エポキシ基含有アクリル樹脂のエポキシ基とのモル比が、5/10〜11/10、好ましくは7/10〜10/10になるように設定することができる。
【0048】
また、必要に応じて、顔料、各種添加剤等のその他の成分を原料として用いることができる。
【0049】
上記有機溶剤としては、実質的に水不混和性すなわち水に対する溶解度が10%以下のものを用いることができ、例えば、キシレン、トルエン、シクロヘキサン、酢酸エチル等を例示することができる。
【0050】
なお、原料溶液中の上記原料の固形分重量は、特に限定されないが、例えば、10〜90重量%となるように調整することができる。上記原料に含まれるエポキシ基含有アクリル樹脂が、既に有機溶剤溶液である場合、固形分重量が目的とする範囲にあれば、改めて有機溶剤を添加しなくてもいい。
【0051】
また、上記原料そのものに含まれていた、あるいは原料溶液製造時に混入したゴミやホコリなどの上記有機溶剤不溶成分を取り除くために、必要に応じて、濾過操作を行うことができる。この濾過操作としては、フィルタ濾過など、当業者によってよく知られた方法を用いることができる。
(2)懸濁液製造工程
上記湿式法における第2の工程は、上記第1の工程で得られた原料溶液を、水溶性高分子を含んだ水溶液に混合して懸濁液を製造する工程である。この工程は、上記水溶性高分子の有する曇点を利用するか否かにより、その工程内容に違いが生じる。
【0052】
この第2の工程で用いられる水溶性高分子としては、2種に分別される。一方が曇点を示さない水溶性高分子であり、もう一方が30〜90℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分子である。上記曇点を示さない水溶性高分子としては、特に限定されず、具体的には、完全ケン化ポリビニルアルコール、ケン化度が85%以上の部分ケン化ポリビニルアルコールや、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール等、その水溶液を加温しても、100℃以下で曇点現象を示さないものを挙げることができる。上記曇点を示さない水溶性高分子は、1種類だけで用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0053】
一方、上記30〜90℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分子としては、特に限定されず、具体的には、ケン化度が85%より小さいポリビニルアルコール部分ケン化物、部分ホルマー化物、エチレンービニルアルコール共重合体などの部分的に疎水性基を含有するポリビニルアルコール系重合体、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースのようなセルロース誘導体、ポリエチレングリコールアルキルエーテルおよび、エチレングリコールプロピレングリコールブロック共重合体等、その水溶液を加温して30〜90℃の範囲内で曇点現象を示すものを挙げることができる他、上記曇点を示さない水溶性高分子に対して電解質を添加することによって30〜90℃の範囲内に曇点を付与したものを挙げることができる。
【0054】
この工程では、まず、撹拌機を備えた容器に、上記30〜90℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分子を含む水溶液を用意する。上記水溶液の水溶性高分子濃度としては、混合性の観点から、0.02〜20重量%であることが好ましい。
【0055】
上記水溶性高分子の有する曇点を利用する場合には、上記30〜90℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分子を用いる。この曇点を示す水溶性高分子は、1種類だけ用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、粒径制御の観点から、上記曇点を示さない水溶性高分子を組み合わせて用いることが好ましい。この場合、上記曇点を示さない水溶性高分子の固形分重量/30〜90℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分子の固形分重量の比率は99/1〜10/90の範囲にあることが好ましい。この範囲を外れると、後述する二次油滴の粒径制御が困難になる恐れがある。
【0056】
一方、水溶性高分子の有する曇点を利用しない場合には、曇点を示さない水溶性高分子であっても、30〜90℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分子であっても構わない。
【0057】
次にこの水溶性高分子水溶液に、第1の工程において得られた原料溶液を加え、混合する。曇点を利用する場合には、上記水溶性高分子の有する曇点未満の温度で撹拌を行う。なお、30〜90℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分子を2種類以上混合して用いる場合には、温度の低い方の曇点が支配的になる。従って、以下の工程における温度は、使用する水溶性高分子のうち最も低い曇点により規定される。
【0058】
曇点を利用しない場合、曇点を示さない水溶性高分子を用いた時には、その温度は限定されないが、30〜90℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分子を用いた時には、曇点未満の温度にて撹拌を行う必要がある。
【0059】
第1の工程の段階において、すべての原料溶液を混合して1つにせず、各原料をそれぞれ別々で原料溶液化した場合は、この第2の工程においてこれら原料溶液をこの水溶性高分子水溶液に対して別々に加えてもよいが、得られる油滴の成分の均一性の観点から、すべての原料溶液を混合して1つにした後、この水溶性高分子水溶液に対して加えることが好ましい。
【0060】
ここでの水溶性高分子を含む水溶液に対する原料溶液の混合比は、混合性の観点から、水溶性高分子を含む水溶液の重量/原料溶液の固形分重量が0.5/1〜3/1になるように設定されることが好ましい。得られた混合液は撹拌され、必要に応じてイオン交換水によって希釈されて、最終的に上記原料の固形分重量が10〜50重量%である油滴を含んだ懸濁液が形成される。なお、撹拌には、混合液の粘度に応じて当業者によってよく知られた撹拌機を用いることができる。
【0061】
上記油滴の体積平均粒子径は、15μm以下になることが好ましい。上記油滴の粒径は、任意にサンプリングして粒径を測定することによって求めることができる。
【0062】
なお、第1の工程と同様に、この工程もしくはそれ以前に混入したゴミやホコリなどの上記有機溶剤不溶成分を取り除くために、必要に応じて、濾過操作を行うことができる。なお、この濾過操作は、次の工程の油滴を固化するまでに少なくとも一度は行っておくことが好ましい。
【0063】
曇点を利用しない場合には、この第2の工程はここで終了するが、曇点を利用する場合には、続いて油滴を含んだ懸濁液の温度を上記曇点以上の温度に加熱し、上記油滴を凝集させて二次油滴を形成する。この温度は用いられる水溶性高分子の種類や上記原料溶液の性質により決定することができる。
【0064】
この加熱した懸濁液から二次油滴をサンプリングして粒径を測定し、目的とする粒径となった時点で第2の工程を終了することができる。
【0065】
得られる二次油滴を目的とする粒径にするためには、曇点を示さない水溶性高分子と30〜90℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分子との重量比率を調整する方法の他に、二次油滴が所望の粒径に形成された時点で懸濁液を水溶性高分子の曇点より低い温度に冷却し、凝集による二次油滴の成長を停止させる方法を用いることができる。
【0066】
ここで、上記30〜90℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分子は、上記油滴の凝集による二次油滴の形成に作用すると考えられる。さらに水溶性高分子として曇点を示さない水溶性高分子を併用した場合、この曇点を示さない水溶性高分子は、油滴の粒径制御のために作用すると考えられる。
【0067】
曇点を利用する場合、最終的に得られる熱硬化性粉体塗料組成物の性質の観点から、この第2の工程で上記有機溶剤の一部を系外に留去しておくことが好ましい。この有機溶剤の留去は、懸濁液の温度を上記曇点未満の一定温度に維持して行うこともできるが、二次油滴の形成のための加熱を利用して行うことが効率的である。この有機溶剤の留去は、上記原料溶液が熱硬化性を有することを考慮すると、系を減圧にすることにより、有機溶剤を留去する温度を低くして行うことが好ましい。なお、有機溶剤の留去を、懸濁液の温度を上記曇点未満の一定温度に維持して行う場合には、油滴内に残存する有機溶剤量が、30重量%以下、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下になるように行うことができる。
(3)油滴の固化および粒子の取り出し工程
上記湿式法における第3の工程は、上記第2の工程によって得られた懸濁液中の油滴または二次油滴を固化して粒子を得た後、取り出す工程である。この工程は上記水溶性高分子の有する曇点利用の有無に関係しない。
【0068】
この第3の工程における懸濁液中の油滴の固化は、油滴に含まれる有機溶剤を留去することで行われる。この有機溶剤の留去は、油滴が固化したことを確認できるまで行うことが好ましい。
【0069】
有機溶剤の留去は、昇温および/または減圧によって行いうるが、固化して得られる粒子が熱硬化性を有しているため、有機溶剤を留去する温度を低くするために、系を減圧して有機溶剤を留去する温度を低くして行うことが好ましい。また、この有機溶剤の留去は、油滴が固化するまで行うことが好ましい。
【0070】
固化して得られた粒子は、濾過やまたは遠心分離のような通常の固液分離の方法を用いて単離される。これを水洗・乾燥することにより、最終的に粉体塗料組成物を得ることができる。
【0071】
このようにして得られた熱硬化性粉体塗料組成物の体積平均粒子径は5〜40μm、好ましくは5〜30μm、さらに好ましくは5〜20μmである。上記湿式法において曇点を利用した場合には、曇点を利用しない場合と比べて、体積平均粒子径/個数平均粒子径の値を2以下にすることができる。この値が1に近いほど粒径分布幅の狭いシャープな熱硬化性粉体塗料組成物である。
【0072】
さらに、得られた熱硬化性粉体塗料組成物の表面に、AEROSIL 130、AEROSIL 200(日本アエロジル株式会社製)等の流動付与剤を外添してもよい。上記流動付与剤は、粉体塗料自体に流動性を与えるだけでなく、耐ブロッキング性も向上させることができる。上記流動付与剤は、上記製造方法によって得られた熱硬化性粉体塗料組成物と混合することによって粉体粒子表面に付着させることができる。
【0073】
本発明の熱硬化性粉体塗料組成物を用いた塗膜形成方法は、被塗装物に対して、上記熱硬化性粉体塗料組成物を静電塗装法等により、通常、塗装膜厚40〜80μmとなるよう塗布し、これを加熱することで塗膜を形成することができる。上記被塗装物としては、プラスチックおよび鉄板、鋼板、アルミニウム板およびそれらに表面処理を施したもの等を挙げることができる。また、加熱温度は、用いる熱硬化性粉体塗料組成物に応じて適宜設定されるが、100〜200℃である。また、加熱時間は、上記加熱温度により適宜調節することができる。
【0074】
複層塗膜形成方法
本発明の複層塗膜形成方法は、下塗りまたは下塗りおよび中塗りが施された被塗装物上に、ベース塗料を塗布する工程、上記工程で得られたベース塗料が塗布された被塗装物上に、上記熱硬化性粉体塗料組成物を塗布する工程、および、ベース塗料および上記熱硬化性粉体塗料組成物が塗布された基板を加熱する工程からなる複層塗膜形成方法である。
【0075】
本発明の複層塗膜形成方法に用いられる被塗装物は、下塗りまたは下塗りおよび中塗りが施されているものである。上記被塗装物としては、プラスチックおよび鉄板、鋼板、アルミニウム板およびそれらに表面処理を施したもの等をあげることができる。上記下塗りおよび中塗りを施すために用いられる下塗り塗料および中塗り塗料としては、電着塗料やプライマーなどの公知のものを用いることができる。
【0076】
上記ベース塗料としては、溶剤系、水性等、特に限定されないが、環境保護の観点から水性のものを用いることが好ましい。上記ベース塗料は、上記下塗りまたは下塗りおよび中塗りが施された基板に静電塗装機等により、塗装膜厚10〜20μmとなるように塗布される。
【0077】
上記ベース塗料が塗布された基板を赤外線もしくは熱風により、60〜100℃で約5〜10分間予備的に加熱した後、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物を静電塗装法等により、塗装膜厚40〜80μmとなるように塗布し、これを加熱する。加熱温度は、熱硬化性粉体塗料組成物に応じて適宜設定されるが、100〜200℃、好ましくは120〜180℃、さらに好ましくは140〜160℃である。また、加熱時間は、上記加熱温度により適宜調節することができるが、好ましくは5〜40分、さらに好ましくは10〜25分である。
【0078】
このように本発明の複層塗膜形成方法によって、複層塗膜を得ることができる。
【0079】
【実施例】
製造例1 エポキシ基含有アクリル樹脂R1の調製
攪拌装置、温度調節器、還流管を備えた反応容器にキシレン63重量部を仕込み、130℃に加温し、窒素雰囲気下で3時間かけて以下の配合による混合物を滴下した。
グリシジルメタクリレート 45重量部
スチレン 20重量部
メチルメタクリレート 20重量部
イソブチルメタクリレート 10重量部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 5重量部
t−ブチルパーオクトエート 7重量部
滴下後3時間保温した後、室温まで冷却し、樹脂固形分のエポキシ当量180g/eqのエポキシ基含有アクリル樹脂R1溶液(固形分濃度60重量%)を得た。また樹脂R1溶液の一部を減圧下で加熱しキシレンを留去することで樹脂R1を得た。得られた樹脂R1のTgをDSC220C(セイコー電子工業社製、昇温条件5℃/分)で測定したところ60℃であり、またSP値を濁度法で測定したところ10.6であった。またGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定した数平均分子量は3500であった。
【0080】
製造例2〜5 エポキシ基含有アクリル樹脂R2〜R5の調製
表1に示す配合に基づき、製造例1と同様にして、エポキシ基含有アクリル樹脂R2〜R5溶液を得た後、製造例1と同様にしてTg、SP値、数平均分子量を測定した。なお、測定したTg、SP値、数平均分子量を表1に示した。
【0081】
製造例6 粉砕した硬化剤
1,10−デカンジカルボン酸を超遠心分散機にて粉砕し、粉砕後の硬化剤の体積平均粒子径をコールターカウンター(コールターエレクトロクトロニクス社製)にて測定したところ6μmであった。この粉砕後の硬化剤の融点をDSC220C(セイコー電子工業社製、昇温条件5℃/分)にて決定したところ、125℃であった。
【0082】
製造例7 硬化剤分散液
1,10−デカンジカルボン酸をキシレンに分散させて、サンドグラインドミルにて粉砕し、硬化剤単体分散液(固形分30重量%)を得た。体積平均粒子径をコールターカウンター(コールターエレクトロクトロニクス社製)にて測定したところ6μmであった。
【0083】
実施例1 硬化剤組成物H1
1,10−デカンジカルボン酸50重量部およびセバチン酸50重量部を混合した後、超遠心分散機にて粉砕し、硬化剤組成物H1を得た。得られた硬化剤組成物H1の融点をDSC220C(セイコー電子工業社製、昇温条件5℃/分)にて決定したところ、120℃であった。また、体積平均粒子径をコールターカウンター(コールターエレクトロクトロニクス社製)にて測定したところ6μmであった。
【0084】
実施例2 硬化剤組成物H1分散液
1,10−デカンジカルボン酸50重量部およびセバチン酸50重量部を混合し、キシレンに分散させた後、サンドグラインドミルにて粉砕して硬化剤組成物H1分散液(固形分30重量%)を得た。得られた硬化剤組成物H1分散液の一部について減圧しキシレンを除去した後、融点をDSC220C(セイコー電子工業社製、昇温条件5℃/分)にて決定したところ、120℃であった。また、体積平均粒子径をコールターカウンター(コールターエレクトロクトロニクス社製)にて測定したところ6μmであった。
【0085】
実施例3 硬化剤組成物H2分散液
1,10−デカンジカルボン酸50重量部およびセバチン酸50重量部をそれぞれ超遠心分散機にて粉砕した後、ヘンシェルミキサーにて混合し、さらに、キシレンに分散させた後、サンドグラインドミルにて粉砕して硬化剤組成物H2分散液(固形分30重量%)を得た。得られた硬化剤組成物H2分散液の一部について減圧しキシレンを除去した後、実施例2と同様にして融点を測定、決定したところ、120℃であり、また、体積平均粒子径は6μmであった。
【0086】
実施例4 硬化剤組成物H3分散液
1,10−デカンジカルボン酸50重量部およびセバチン酸50重量部を混合した後、セパラブルフラスコに入れ、窒素雰囲気下で120℃にて加熱溶融させた。その後冷却し得られた固体を、キシレンに分散させ、サンドグラインドミルにて粉砕して硬化剤組成物H3分散液(固形分30重量%)を得た。得られた硬化剤組成物H3分散液の一部について減圧しキシレンを除去した後、実施例2と同様にして融点を測定、決定したところ、110℃、また、体積平均粒子径は6μmであった。
【0087】
実施例5〜8 硬化剤組成物H4〜H7分散液
表2の配合に基づき、実施例3と同様にして、硬化剤組成物H4〜H7分散液を得た。得られた硬化剤組成物H4〜H7分散液を減圧してキシレンを除去し、実施例2と同様にして融点および体積平均粒子径を測定した。なお、測定、決定した融点および体積平均粒子径を表2に示した。さらに、キシレンに分散させて硬化剤組成物H4〜H7の各分散液(固形分30重量%)を得た。
【0088】
実施例9 乾式法によって製造された熱硬化性粉体塗料組成物C1
エポキシ基含有アクリル樹脂R1 70重量部
硬化剤組成物H1 20重量部
YF−3919 0.53重量部
(東芝シリコーン社製ポリシロキサン系表面調整剤)
ベンゾイン 0.45重量部
アクリル樹脂系表面調整剤 0.11重量部
紫外線吸収剤 1.2重量部
ヒンダードアミン系酸化防止剤 1.0重量部
上記成分を原料として、ヘンシェルミキサーを用いて約3分間混合し、さらに溶融混練機コニーダー(ブス社製)を用いて設定温度約95℃で溶融混練した。その後、得られた溶融混練物を室温まで冷却して再びヘンシェルミキサーで粗砕し、次いでハンマーミルで粉砕した後、ジェットミルを用いて微粉砕した。得られた粉体を200メッシュの篩を用いて分級し、微小粒子と粗大粒子を除去することで、熱硬化性粉体塗料組成物C1を得た。コールターカウンター(コールターエレクトロクトロニクス社製)によって測定したところ、得られた粉体塗料組成物は、体積平均粒子径が12.8μm、個数平均粒子径が3.1μmであった。従って、体積平均粒子径/個数平均粒子径の値は4.1であった。
【0089】
比較例1 乾式法によって製造された熱硬化性粉体塗料組成物C2
硬化剤組成物H1の代わりに、製造例6で得られた粉砕した硬化剤を用いたこと以外は、実施例9と同様にして、熱硬化性粉体塗料組成物C2を得た。得られた粉体塗料組成物を実施例9と同様にして測定したところ、体積平均粒子径が13.5μm、個数平均粒子径が3.8μmであった。従って、体積平均粒子径/個数平均粒子径の値は3.6であった。
【0090】
実施例10 湿式法によって製造された熱硬化性粉体塗料組成物C3
エポキシ基含有アクリル樹脂R1溶液 130重量部
(樹脂固形分60重量%)
硬化剤組成物H1分散液 75重量部
(固形分30重量%)
YF−3919 0.1重量部
(東芝シリコーン社製ポリシロキサン系表面調整剤)
ベンゾイン 0.3重量部
紫外線吸収剤 1.2重量部
ヒンダードアミン系酸化防止剤 1.0重量部
上記原料をサンドグラインドミルにて混合し、原料溶液を調製した。
次に、ゴーセノールGH−20(日本合成化学社製ポリビニルアルコール、ケン化度88%、曇点なし)6重量部、ゴーセノールKL−05(日本合成化学社製ポリビニルアルコール、ケン化度80%、曇点約80℃)3重量部及びヒドロキシプロピルセルロース(曇点約50℃)1重量部、イオン交換水90重量部からなる高分子水溶液に上記の原料溶液を加えた。得られた混合物をホモジナイザーを用いて25℃にてさらに混合することで体積平均粒子径が5.0μmの油滴を含む懸濁液を調製した。得られた懸濁液にイオン交換水300重量部を加えて希釈し、これを攪拌装置、温度調節器、還流管、減圧装置を備えた容器に移した。
【0091】
この懸濁液を30Torrまで減圧した後35℃まで加熱した。その後さらに140Torrまで減圧した後、60℃まで加熱して二次油滴を得た後、分散相中の溶剤を系外に完全に留去することによって固化し粒子を得た。この懸濁液を冷却した後、吸引濾過により得られた粒子を真空乾燥器を用い30℃で乾燥して熱硬化性粉体塗料組成物C3を得た。得られた粉体塗料組成物を実施例9と同様にして測定したところ、体積平均粒子径が12.3μm、個数平均粒子径が7.6μmであった。従って、体積平均粒子径/個数平均粒子径の値は1.6であった。
【0092】
比較例2 湿式法によって製造された熱硬化性粉体塗料組成物C4
硬化剤組成物H1分散液の代わりに、製造例7で得られた硬化剤分散液を用いたこと以外は、実施例10と同様にして熱硬化性粉体塗料組成物C4を得た。なお、油滴の体積平均粒子径は3.9μmであり、得られた粉体塗料組成物を実施例9と同様にして測定したところ、体積平均粒子径が11.1μm、個数平均粒子径が8.6μmであった。従って、体積平均粒子径/個数平均粒子径の値は1.3であった。
【0093】
実施例11〜15 湿式法によって製造された熱硬化性粉体塗料組成物C5〜C9
硬化剤組成物H1分散液の代わりに、それぞれ硬化剤組成物H3〜H7の各分散液を用いたこと以外は実施例10と同様にして、熱硬化性粉体塗料組成物C5〜C9を得た。なお、それぞれの油滴の体積平均粒子径、得られた粉体塗料組成物の体積平均粒子径および個数平均粒子径を実施例9と同様にして測定し、これから体積平均粒子径/個数平均粒子径の値を求めた。その結果を表3に示す。
【0094】
実施例16 湿式法によって製造された熱硬化性粉体塗料組成物C10
エポキシ基含有アクリル樹脂R1溶液130重量部の代わりに、エポキシ基含有アクリル樹脂R2溶液100重量部およびエポキシ基含有アクリル樹脂R3溶液30重量部、および硬化剤組成物H1分散液の代わりに硬化剤組成物H4分散液を用いたこと以外は、実施例10と同様にして熱硬化性粉体塗料組成物C10を得た。なお、油滴の体積平均粒子径は4.5μmであり、得られた粉体塗料組成物を実施例9と同様にして測定したところ、体積平均粒子径が9.5μm、個数平均粒子径が6.9μmであった。従って、体積平均粒子径/個数平均粒子径の値は1.4であった。
【0095】
実施例17 湿式法によって製造された熱硬化性粉体塗料組成物C11
エポキシ基含有アクリル樹脂R1溶液を130重量部の代わりに、エポキシ基含有アクリル樹脂R4溶液70重量部およびエポキシ基含有アクリル樹脂R5溶液60重量部、および硬化剤組成物H1分散液の代わりに硬化剤組成物H4分散液を用いたこと以外は、実施例10と同様にして熱硬化性粉体塗料組成物C11を得た。なお、油滴の体積平均粒子径は4.1μmであり、得られた粉体塗料組成物を実施例9と同様にして測定したところ、得られた粉体塗料組成物C11は体積平均粒子径が11.2μm、個数平均粒子径が8.9μmであった。従って、体積平均粒子径/個数平均粒子径の値は1.3であった。
【0096】
比較例3 湿式法によって製造された熱硬化性粉体塗料組成物C12
硬化剤組成物H4分散液の代わりに、製造例7で得られた硬化剤分散液を用いたこと以外は、実施例16と同様にして熱硬化性粉体塗料組成物C12を得た。なお、油滴の体積平均粒子径は4.1μmであり、得られた粉体塗料組成物を実施例9と同様にして測定したところ、体積平均粒子径が10.5μm、個数平均粒子径が7.5μmであった。従って、体積平均粒子径/個数平均粒子径の値は1.4であった。
【0097】
比較例4 湿式法によって製造された熱硬化性粉体塗料組成物C13
硬化剤組成物H4溶液の代わりに、製造例7で得られた硬化剤分散液を用いたこと以外は、実施例17と同様にして熱硬化性粉体塗料組成物C13を得た。なお、油滴の体積平均粒子径は4.6μmであり、得られた粉体塗料組成物を実施例9と同様にして測定したところ、体積平均粒子径が10.3μm、個数平均粒子径が7.5μmであった。従って、体積平均粒子径/個数平均粒子径の値は1.4であった。
【0098】
上記実施例9〜17および比較例1〜4で得られた各油滴の体積平均粒子径および、各熱硬化性粉体塗料組成物の体積平均粒子径、個数平均粒子径および体積平均粒子径/個数平均粒子径の値を表3に示す。
【0099】
評価方法
実施例9〜17および比較例1〜4で得られた各熱硬化性粉体塗料組成物を下記の項目について評価した。結果を表4に示す。
【0100】
<目視外観>
各熱硬化性粉体塗料組成物を静電塗装により鉄板に塗装し、145℃で25分間焼き付けて膜厚60μmの塗膜を形成した。得られた塗膜の外観は目視にて観察し、艶ぼけ現象の見られないものを○、見られるものを×とした。
【0101】
<平滑性>
1)鉄板上の塗膜の平滑性
上記目視外観の評価に用いた鉄板上の塗膜の平滑性を、写像鮮明度測定器(スガ試験機社製)で測定されたNSIC値(%)で評価し、65%を合格とした。
【0102】
2)水性ベース上の平滑性
中塗りを施した基板上にスーパーラックM260シルバー(日本ペイント社製水性メタリックベース塗料)を乾燥膜厚が10〜20μmとなるように静電塗装し、80℃の熱風乾燥炉で10分間予備加熱した。基板を室温まで冷却した後、各熱硬化性粉体塗料組成物を膜厚50μmになるよう静電塗装し、145℃の熱風乾燥炉で25分間焼き付けた。焼き付け終了後、基板を取り出し、基板温度が室温になった時点で、得られた塗膜の平滑性を、写像鮮明度測定器(スガ試験機社製)で測定されたNSIC値(%)で評価した。、60%以上を合格とした。
【0103】
なお、中塗りを施した基板は、リン酸亜鉛処理したダル鋼板に、パワートップU−50(日本ペイント社製自動車用カチオン電着塗料)を乾燥膜厚が約25μmとなるように電着塗装し、160℃で30分間焼き付けた後、オルガP−2(日本ペイント社製溶剤型中塗り塗料)を乾燥膜厚が約40μmになるように静電塗装し、140℃で30分間焼き付けることで作製した。
【0104】
<貯蔵安定性>
各熱硬化性粉体塗料組成物をインキュベーターにて30℃で2ヶ月貯蔵した後のものについて振動篩を用いて篩を行い、150メッシュを95%以上通過した塗料を合格とした。
【0105】
<耐固相反応性>
30℃で2ヶ月貯蔵した各熱硬化性粉体塗料組成物について、重量平均分子量の変化率をGPCで評価するとともに、上述の鉄板上の塗膜の平滑性の評価を行い、NSIC(%)の値が65%以上であるものを合格とした。
【0106】
【表1】
Figure 0004358930
【0107】
【表2】
Figure 0004358930
【0108】
【表3】
Figure 0004358930
【0109】
【発明の効果】
本発明の硬化剤組成物は、上記多価カルボン酸化合物(a)、および、上記カルボン酸化合物(b)とからなる硬化剤組成物であって、上記硬化剤組成物が室温で固体状であり、上記硬化剤組成物のDSCによって決定した融点が、上記多価カルボン酸化合物(a)の融点および上記カルボン酸化合物(b)の融点よりも低いため、この硬化剤組成物を用いた熱硬化性粉体塗料組成物は、得られる塗膜外観が良好であり、艶ぼけ現象の発生もない。これは、本発明の硬化剤組成物を用いることで硬化剤としての凝集性が低下し、塗装後の加熱溶融の際に、系全体の相溶性が向上することによると考えられる。
【0110】
また、本発明の硬化剤組成物は、上記多価カルボン酸化合物(a)や上記カルボン酸化合物(b)のDSC吸収曲線と異なるDSC吸収曲線を示すことから、塗装後の加熱溶融の際に、上記化合物を単に混合して配合した場合とは異なった挙動を示すことにより、外観が向上したものと考えられる。
【0111】
さらに、上記硬化剤組成物は、上記多価カルボン酸化合物(a)および上記カルボン酸(b)を液状にして混合したものを用いることによって、得られる塗膜の外観をさらに向上させることができる。これは、液状にして混合することによって得られた硬化剤組成物の凝集力は、通常の混合によって得られた硬化剤組成物よりも分子レベルでの充分な混合が行われていることによると考えられる。
【0112】
本発明の硬化剤組成物は、その融点を低くすることが可能であるため、種々の酸/エポキシ硬化系熱硬化性粉体塗料に用いることで、低温硬化可能な熱硬化性粉体塗料を得ることができる。
【0113】
本発明の熱硬化性粉体塗料組成物は、得られる塗膜に艶ぼけ現象の発生がないため、先の硬化剤組成物を多量に含めることが可能となり、得られる塗膜の架橋密度を向上することができる。
【0114】
また、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物は、薄膜塗装した際にも平滑性に優れた塗膜を得ることができる。
【0115】
さらに、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物が湿式法によって製造された場合、熱硬化性粉体塗料組成物を水性媒体中で製造されるため、原料成分に対する加熱が少なく、得られた熱硬化性粉体塗料組成物は耐固相反応性にも優れている。また、上記湿式法によって製造された熱硬化性粉体塗料組成物は、粉体形状が球形で整っており、粒径分布が狭いことから、微粉の量が極めて少なく、回収粉も新しい塗料と同様に使用可能でき、さらに搬送性や塗着効率等の塗装作業性も優れている。
【0116】
本発明の複層塗膜形成方法は、先の熱硬化性粉体塗料組成物を使用するため、硬化剤組成物を多量に含んでも得られる塗膜に艶ぼけ現象の発生がなく、平滑性かつ性能および物性に優れた複層塗膜を得ることができる。従って、本発明の複層塗膜形成方法によって得られる複層塗膜は、高外観が要求される自動車車体に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の硬化剤組成物のDSC吸収曲線の一例を示す図である。

Claims (11)

  1. デカンジカルボン酸からなる多価カルボン酸化合物(a)、および、セバチン酸、ブタントリカルボン酸、およびヘキサンジオールジスクシネートから選ばれる少なくとも1種であるカルボン酸化合物(b)とからなり、前記多価カルボン酸化合物(a)と前記カルボン酸化合物(b)との重量比が50:50〜99:1である硬化剤組成物であって、
    (1)前記硬化剤組成物が、室温で固体状であり、
    (2)示差走査型熱量計によって決定した前記硬化剤組成物の融点が、前記多価カルボン酸化合物(a)の融点および前記カルボン酸化合物(b)の融点より低いことを特徴とする硬化剤組成物。
  2. 前記硬化剤組成物の融点が、60〜180℃である請求項1に記載の硬化剤組成物。
  3. デカンジカルボン酸からなる多価カルボン酸化合物(a)およびセバチン酸、ブタントリカルボン酸、およびヘキサンジオールジスクシネートから選ばれる少なくとも1種であるカルボン酸化合物(b)を、前記多価カルボン酸化合物(a)と前記カルボン酸化合物(b)との重量比が50:50〜99:1となるように混合する、硬化剤組成物の製造方法であって、
    (1)前記硬化剤組成物が、室温で固体状であり、
    (2)示差走査型熱量計によって決定した前記硬化剤組成物の融点が、前記多価カルボン酸化合物(a)の融点および前記カルボン酸化合物(b)の融点より低いことを特徴とする硬化剤組成物の製造方法。
  4. 前記混合が、前記多価カルボン酸化合物(a)および前記カルボン酸化合物(b)を液状にして混合するものである請求項に記載の硬化剤組成物の製造方法。
  5. 前記液状にする方法が、前記多価カルボン酸化合物(a)および前記カルボン酸化合物(b)を同時に溶媒に溶解させるものである請求項に記載の硬化剤組成物の製造方法。
  6. 前記液状にする方法が、前記多価カルボン酸化合物(a)および前記カルボン酸化合物(b)を同時に溶融させるものである請求項に記載の硬化剤組成物の製造方法。
  7. エポキシ基含有アクリル樹脂および硬化剤を含んでいる熱硬化性粉体塗料組成物であって、前記硬化剤が、請求項1または2に記載の硬化剤組成物であることを特徴とする熱硬化性粉体塗料組成物。
  8. エポキシ基含有アクリル樹脂および硬化剤を原料として用いる湿式法によって得られる熱硬化性粉体塗料組成物であって、前記硬化剤が、請求項1または2に記載の硬化剤組成物であることを特徴とする熱硬化性粉体塗料組成物。
  9. 前記湿式法が、前記原料を有機溶媒に溶解することで原料溶液を製造する工程(1)、前記工程(1)で得られた原料溶液を、水溶性高分子を含んだ水溶液に混合して懸濁液を製造する工程(2)および前記工程(2)で得られた懸濁液中の油滴を固化して粒子を取り出す工程(3)からなるものである請求項に記載の熱硬化性粉体塗料組成物。
  10. 下塗りまたは下塗りおよび中塗りが施された基板上に、ベース塗料を塗布する工程、前記工程で得られたベース塗料が塗布された基板上に、粉体塗料を塗布する工程、および、前記ベース塗料および前記粉体塗料が塗布された基板を加熱する工程からなる複層塗膜形成方法であって、前記粉体塗料が請求項ないしのいずれか1つに記載の熱硬化性粉体塗料組成物であることを特徴とする複層塗膜形成方法。
  11. 請求項1に記載の複層塗膜形成方法によって得られる複層塗膜。
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