JP2001139874A - 熱硬化性粉体塗料組成物 - Google Patents

熱硬化性粉体塗料組成物

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JP2001139874A
JP2001139874A JP2000259991A JP2000259991A JP2001139874A JP 2001139874 A JP2001139874 A JP 2001139874A JP 2000259991 A JP2000259991 A JP 2000259991A JP 2000259991 A JP2000259991 A JP 2000259991A JP 2001139874 A JP2001139874 A JP 2001139874A
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thermosetting powder
acid compound
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Masami Yabuta
雅己 薮田
Kazuhiko Nishimura
和彦 西村
Yasuhiko Nakae
泰彦 中江
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗装後の加熱による塗料のタレの発生がなく、
得られる塗膜の平滑性および外観も良好である熱硬化性
粉体塗料組成物を提供する。 【解決手段】湿式法によって製造される熱硬化性粉体塗
料組成物であって、この熱硬化性粉体塗料組成物の原料
として、エポキシ基含有アクリル樹脂(a)および多価
カルボン酸化合物硬化剤(b)と、架橋樹脂微粒子
(c)とを含有することを特徴とする熱硬化性粉体塗料
組成物である。ここで、先の湿式法は、原料を有機溶剤
に溶解することで原料溶液を製造する工程(1)、工程
(1)で得られた原料溶液を、水溶性高分子を含んだ水
溶液に上記曇点未満の温度で混合して、懸濁液を製造す
る工程(2)および工程(2)で得られた懸濁液を上記
曇点以上の温度に加熱して二次油滴を得るとともに、上
記有機溶剤を留去して粒子を取り出す工程(3)からな
るものであってよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性粉体塗料
組成物に関し、特に、得られる塗膜の外観に優れた熱硬
化性粉体塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料は、大気中に放出される有機溶
剤を含まないことから、環境に対してやさしい塗料とし
て注目を浴びている。
【0003】現在、粉体塗料分野では、塗膜性能、塗膜
物性の観点から、熱硬化性粉体塗料が用いられている。
近年においては、自動車車体の塗装に適用できるよう
に、塗膜の平滑性および外観の向上が求められている。
この塗膜の平滑性を向上させるためには、粉体塗料を厚
塗りする方法と、溶融粘度の低い原料から製造された粉
体塗料を用いる方法とがある。しかしながら、いずれの
方法もボンネット部分等の水平部分は平滑性および外観
が向上するものの、ドア部分等の垂直部分に関しては、
塗装後の加熱による粉体塗料の溶融によってタレが発生
し、形成される塗膜の平滑性および外観が著しく低下す
る問題を有していた。
【0004】溶剤型塗料分野では、このようなタレを防
止するため、ミクロゲルと呼ばれる架橋樹脂微粒子を含
有させることが知られており、例えば、特開昭49−9
7026号公報および特開昭60−250068号公報
に、上塗り塗料に対してミクロゲルを添加することで、
タレを改善して外観を向上することができる方法が開示
されている。一方、粉体塗料分野では、例えば、特開昭
62−292869号公報に、架橋樹脂微粒子を含有す
る粉体塗料が開示されている。しかしながら、この粉体
塗料は、乾燥した架橋樹脂微粒子を無溶剤の状態で混合
して得られるため、この架橋性樹脂粒子が部分的に凝集
を起こしているものが多数存在し、混合した後の架橋樹
脂微粒子の分布が不均一になりやすく、得られた塗膜の
平滑性および外観は充分でなかった。また、溶融混練後
に乾式混合する場合は、得られた粉体塗料粒子の表面
に、大部分の架橋樹脂微粒子が付着するため、塗装後の
加熱時に架橋樹脂微粒子同士の相互作用が働き、得られ
た塗膜の平滑性および外観は充分でなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、塗
装後の加熱による塗料のタレによる外観低下が起こら
ず、得られる塗膜の平滑性および外観が良好である熱硬
化性粉体塗料組成物を提供することを目的とするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、湿式法によっ
て製造される熱硬化性粉体塗料組成物であって、上記熱
硬化性粉体塗料組成物の原料として、エポキシ基含有ア
クリル樹脂(a)および多価カルボン酸化合物硬化剤
(b)と、架橋樹脂微粒子(c)とを含有することを特
徴とする熱硬化性粉体塗料組成物である。ここで、例え
ば、湿式法が、原料を有機溶剤に溶解することで原料溶
液を製造する工程(1)、工程(1)で得られた原料溶
液を、30〜90℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分子
を含んだ水溶液に、曇点未満の温度で混合して、一次油
滴を含んだ懸濁液を製造する工程(2)、および工程
(2)で得られた懸濁液を曇点以上の温度に加熱して二
次油滴を得るとともに、有機溶剤を系外に留去して粒子
を取り出す工程(3)を含んでいるものである。また工
程(2)において、同時に有機溶剤を系外に留去するも
のであってもよい。また、30〜90℃の範囲内に曇点
を示す水溶性高分子を含む水溶液が、さらに曇点を示さ
ない水溶性高分子を含んでいるものであってもよい。
【0007】ここで、さらに、エポキシ基含有アクリル
樹脂(a)が、エポキシ基含有アクリル樹脂Aとエポキ
シ基含有アクリル樹脂Bを含んでいて、上記樹脂Aおよ
び上記樹脂Bが(1)(樹脂AのSP値)−(樹脂Bの
SP値)が0.2〜1.5、(2)(樹脂AのTg)−
(樹脂BのTg)が10℃以上、(3)樹脂AのTgが
40〜100℃かつ樹脂Bが20〜50℃、(4)樹脂
A/樹脂Bの固形分重量の比が5/95〜50/50で
あることが好ましい。
【0008】また、多価カルボン酸化合物硬化剤(b)
が、室温で結晶性固体である多価カルボン酸化合物(b
−1)、および、多価カルボン酸化合物(b−1)と種
類の異なるカルボン酸化合物(b−2)を含んでいて、
(I)室温で固体状であり、(II)示差走査型熱量計
によって決定した多価カルボン酸化合物硬化剤(b)の
融点が、多価カルボン酸化合物(b−1)の融点または
カルボン酸化合物(b−2)の融点より低いことを特徴
とするものであることが好ましい。
【0009】さらに、原料が、さらに、室温で液状の樹
脂(d)を含んでいて、(1)(樹脂BのSP値)−
(樹脂(d)のSP値)が0.01〜1.5、(2)エ
ポキシ基含有アクリル樹脂(a)および樹脂(d)の固
形分重量の合計100重量部のうち、樹脂(d)の固形
分重量が5〜70重量部であることが好ましい。
【0010】また、熱硬化性粉体塗料組成物は、例え
ば、熱硬化性粉体クリア塗料組成物である。
【0011】また、本発明は、下塗りまたは下塗りおよ
び中塗りが施された基板上に、ベース塗料を塗布する工
程、上記工程で得られたベース塗料が塗布された基板上
に、粉体塗料を塗布する工程、および、上記ベース塗料
および上記粉体塗料が塗布された基板を加熱する工程か
らなる複層塗膜形成方法であって、上記粉体塗料が先の
熱硬化性粉体塗料組成物であることを特徴とする複層塗
膜形成方法である。
【0012】さらに、本発明は、先の複層塗膜形成方法
によって得られる複層塗膜である。
【0013】また、本発明は、先の複層塗膜を有する被
塗装物である。
【0014】 〔発明の詳細な説明〕
【0015】
【発明の実施の態様】本発明における「室温」とは25
℃を、「固体状」とは一定の体積を有しかつ一定の形状
を有する状態を、「液状」とは一定の体積を有するが一
定の形状を有しない状態を意味する。
【0016】熱硬化性粉体塗料組成物 本発明の熱硬化性粉体塗料組成物は、湿式法によって製
造されるものであって、原料としてエポキシ基含有アク
リル樹脂(a)および多価カルボン酸化合物硬化剤
(b)と、架橋樹脂微粒子(c)とを含んでいるもので
ある。
【0017】<エポキシ基含有アクリル樹脂(a)>本
発明の熱硬化性粉体塗料組成物に含まれるエポキシ基含
有アクリル樹脂(a)としては、特に限定されず、具体
的には、少なくとも1種のエポキシ基含有モノマーと、
必要に応じてエポキシ基含有モノマーと反応しないその
他のモノマーとを常法に従って重合させたものを挙げる
ことができる。上記エポキシ基含有モノマーとしては、
例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチル
グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有モノマー
等を例示することができる。また、上記エポキシ基含有
モノマーと反応しないその他のモノマーとしては、例え
ば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロ
キシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートとポリカプロラクトンとの付加物(ダ
イセル化学工業社製、商品名;プラクセルFMシリー
ズ)、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート類等の水酸基含有モノマー、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、(メ
タ)アクリル酸tert−ブチル、スチレン、ビニルト
ルエン、p−クロロスチレン等の中性モノマー等を例示
することができる。
【0018】上記エポキシ基含有アクリル樹脂(a)の
SP値としては、特に限定されないが、通常9.0〜1
2.0であり、好ましくは9.0〜11.0、さらに好
ましくは9.5〜11.0である。なお、本発明におけ
るSP値は、濁度法などの当業者によって良く知られた
方法によって求められるものである。また、上記エポキ
シ基含有アクリル樹脂(a)のTgとしては、特に限定
されないが、20〜100℃であることが好ましい。な
お、本発明におけるTgは、示差走査型熱量計によって
求めることができるが、その共重合体を構成する既知の
Tgを有するモノマー比から、連立方程式によって求め
ることもできる。
【0019】上記エポキシ基含有アクリル樹脂(a)は
1種類であってもよいし、2種以上であってもよい。例
えば、上記エポキシ基含有アクリル樹脂として、以下の
条件を満たす樹脂Aおよび樹脂Bを含むことにより、耐
ブロッキング性および得られる塗膜の平滑性がさらに良
好な熱硬化性粉体塗料組成物を得ることができる。すな
わち、上記樹脂Aおよび上記樹脂Bとして、(1)(樹
脂AのSP値)−(樹脂BのSP値)が0.2〜1.
5、(2)(樹脂AのTg)−(樹脂BのTg)が10
℃以上、(3)樹脂AのTgが40〜100℃かつ樹脂
Bが20〜50℃、(4)樹脂A/樹脂Bの固形分重量
の比が5/95〜50/50を満たしているものを選択
することが好ましい。上記樹脂Aと上記樹脂Bとは、加
熱によって互いに硬化反応するもの同士であってもよい
し、硬化反応しないもの同士であってもよい。上記樹脂
Aと樹脂Bとが加熱によって硬化反応しないもの同士の
場合でも、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物は、さらに
後述する硬化剤を含んでおり、樹脂Aおよび樹脂Bが、
この硬化剤と加熱により硬化反応をするため、充分な塗
膜性能を得ることができる。
【0020】(樹脂AのSP値)−(樹脂BのSP値)
が0.2より小さい場合は、耐ブロッキング性が低下
し、1.5より大きい場合には得られる塗膜の外観が低
下する。
【0021】また、(樹脂AのTg)−(樹脂BのT
g)が10℃より小さい場合は、耐ブロッキング性が低
下する。さらに、上記樹脂BのTgは20〜50℃であ
ることがさらに好ましい。樹脂BのTgが20℃以下の
場合は耐ブロッキング性が低下する恐れがあり、50℃
より大きい場合は塗膜の平滑性が低下する恐れがある。
【0022】さらに、上記樹脂Aの数平均分子量が20
00より小さい場合は、耐ブロッキング性が低下する恐
れがあり、4000より大きい場合は、得られる塗膜の
平滑性が低下する恐れがある。
【0023】また、上記樹脂AのTgが40℃より低い
場合は、耐ブロッキング性が低下する恐れがあり、10
0℃より高い場合は、得られる塗膜の平滑性が低下する
恐れがある。
【0024】本発明の熱硬化性粉体塗料組成物に用いら
れるエポキシ基含有アクリル樹脂(a)の樹脂固形分の
エポキシ当量は、100〜1000であり、貯蔵安定性
および得られる塗膜の性能および物性の観点から、15
0〜600であることが好ましく、200〜400であ
ることがさらに好ましい。
【0025】<多価カルボン酸化合物硬化剤(b)>本
発明の熱硬化性粉体塗料組成物は、さらに多価カルボン
酸化合物硬化剤(b)を含んでいる。上記多価カルボン
酸化合物硬化剤(b)としては、室温で固体状であるも
のが好ましい。固体状でない場合、粉体塗料を得られな
い恐れがある。また、上記多価カルボン酸化合物硬化剤
(b)の融点としては、特に限定されないが、60〜1
80℃であることが好ましく、80〜150℃であるこ
とがさらに好ましい。上記融点が60℃より低い場合
は、貯蔵安定性が低下する恐れがあり、180℃より高
い場合は、得られる塗膜の平滑性および外観が充分でな
い恐れがある。
【0026】本発明の熱硬化性粉体塗料組成物に含まれ
る多価カルボン酸化合物硬化剤(b)としては、具体的
には、デカンジカルボン酸、アジピン酸、マレイン酸、
マロン酸、エチルマロン酸、ブチルマロン酸、ジメチル
マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、ジメチルコハク
酸、グルタル酸、メチルグルタル酸、ジメチルグルタル
酸、セバチン酸、アゼライン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、1,11−ウンデカン酸、ドデカンジカルボン酸、
ブラシル酸、ヘキサデカンカルボン酸、3−iso−オ
クチルヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボ
ン酸、ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン
酸、クエン酸、トリカルバリン酸等の脂肪族多価カルボ
ン酸化合物、フタル酸等の芳香族多価カルボン酸化合
物、および、コハク酸無水物、テトラヒドロ無水フタル
酸、フタル酸無水物等の酸無水物化合物を挙げることが
できる。
【0027】本発明の多価カルボン酸化合物硬化剤
(b)としては、上記のものの他に、合成によって得ら
れた多価カルボン酸化合物を用いることができ、具体的
には、多価アルコールと酸無水物との反応によって得ら
れた多価カルボン酸化合物、例えば、ブタンジオールと
コハク酸無水物から得られるブタンジオールスクシネー
ト、ヘキサンジオールとコハク酸無水物から得られるヘ
キサンジオールスクシネート、ノナンジオールとコハク
酸無水物から得られるノナンジオールスクシネート、お
よびネオペンチルグリコールとトリメリット酸無水物と
コハク酸無水物との1対1対1付加物などを例示するこ
とができる。
【0028】このような上記多価カルボン酸化合物硬化
剤(b)は2種類以上であってもよい。
【0029】また、得られる塗膜の外観の観点から、上
記多価カルボン酸化合物硬化剤(b)は、室温で結晶性
固体である多価カルボン酸化合物(b−1)、および、
上記多価カルボン酸化合物(b−1)と種類の異なるカ
ルボン酸化合物(b−2)とを含んでいて、(I)室温
で固体状であり、(II)示差走査型熱量計(以下、D
SCと略記する)によって決定した上記多価カルボン酸
化合物硬化剤(b)の融点が、上記多価カルボン酸化合
物(b−1)の融点または上記カルボン酸化合物(b−
2)の融点より低いものであるものであることが好まし
い。
【0030】上記多価カルボン酸化合物(b−1)とし
ては、具体的には、上述した室温で固体状である多価カ
ルボン酸化合物のうち、室温で結晶性固体であるものを
挙げることができる。上記多価カルボン酸化合物(b−
1)は、2種以上であってもよい。
【0031】上記室温で結晶性固体である多価カルボン
酸化合物(b−1)と種類の異なるカルボン酸化合物
(b−2)としては、特に限定されず、具体的には、上
記多価カルボン酸化合物(b−1)のところで述べた室
温で結晶性固体である多価カルボン酸化合物の他に、室
温で非晶質固体および液体である多価カルボン酸化合物
や室温での形態が限定されないモノカルボン酸化合物等
を挙げることができるが、具体的には、ラウリル酸、ス
テアリル酸や8−エチルオクタデカン酸等の脂肪族モノ
カルボン酸化合物、ノナンジオールとヘキサヒドロフタ
ル酸無水物との1対2付加物等の室温で液体のものを用
いることができる。上記カルボン酸化合物(b−2)
は、2種以上であってよい。
【0032】上記多価カルボン酸化合物(b−1)およ
び上記カルボン酸化合物(b―2)を含んでいる多価カ
ルボン酸化合物硬化剤(b)の融点は、特に限定されな
いが、得られる塗膜の外観の観点から、上記多価カルボ
ン酸化合物(b−1)の融点または上記カルボン酸化合
物(b―2)の融点より低いものであることが好まし
く、上記多価カルボン酸化合物(b−1)の融点および
上記カルボン酸化合物(b―2)の融点より低いもので
あることがさらに好ましい。
【0033】ここで、上記多価カルボン酸化合物硬化剤
(b)およびそれに含まれる上記多価カルボン酸化合物
(b−1)およびカルボン酸化合物(b−2)の融点
は、DSCによって決定されるものである。この融点
は、上記化合物のDSC吸収曲線において、急激に熱吸
収を始める部分のうちの最低温度で決定される。また、
上記化合物のDSC吸収曲線が緩やかな傾斜しか持たな
い場合は、最初の熱吸収が始まる温度を融点と決定す
る。
【0034】上記多価カルボン酸化合物硬化剤(b)に
含まれる上記多価カルボン酸化合物(b−1)と上記カ
ルボン酸化合物(b−2)との重量比率としては、特に
限定されず、当業者によって任意に設定されるものであ
るが、上記多価カルボン酸化合物(b−1)と上記カル
ボン酸化合物(b−2)との重量比が50:50〜9
9:1であることが好ましい。上記多価カルボン酸化合
物(b−1)の重量比が50より少ない場合は、得られ
る多価カルボン酸化合物硬化剤(b)が室温で固体状に
ならない恐れがあり、99より多い場合は、塗料に配合
した場合、得られる塗膜の外観向上が充分でない恐れが
ある。
【0035】このような多価カルボン酸化合物硬化剤
(b)を得る方法としては、具体的には、上記多価カル
ボン酸化合物(b−1)と上記カルボン酸化合物(b−
2)とを混合する方法であることが好ましい。この混合
方法としては、2つの方法があって、1つは、上記多価
カルボン酸化合物(b−1)および上記カルボン酸化合
物(b−2)の粒径を小さくして混合する方法であり、
もう1つは、液状にして混合する方法である。混合性お
よび得られる塗膜の平滑性の観点から、液状にして混合
する方法が好ましい。
【0036】多価カルボン酸化合物(b−1)およびカ
ルボン酸化合物(b−2)の粒径を小さくして混合する
場合、混合によって最終的に得られる多価カルボン酸化
合物硬化剤(b)の体積平均粒子径が15μm以下にな
るようにすることが好ましく、10μm以下になるよう
にすることがさらに好ましい。
【0037】粒径を小さくするためには、粉砕を行う必
要があるが、この粉砕は混合と同時に行うこともできる
し、混合する前に行っておくこともできる。また、予備
的に粉砕を行った後、混合時にさらに粉砕を行うことも
可能である。このような粉砕には、固体を粉砕するため
の通常よく知られている手段が利用できる。例えば、乳
鉢を用いることも可能であるが、工業的な見地からする
と、ヘンシェルミキサーやサンドグラインドミルなどの
粉体塗料分野において用いられている機器を目的に応じ
て選択することが好ましい。このように粒径を小さくす
ることによって、多価カルボン酸化合物(b−1)およ
びカルボン酸化合物(b−2)とを充分に混合すること
が可能になる。なお、上記多価カルボン酸化合物硬化剤
(b)を分散液の形で使用する場合には、上記粉砕時に
溶剤を共存させることにより粉砕および混合を行うこと
ができる。
【0038】一方、混合を充分に行うためのもう1つの
方法である液状にして混合する方法としては、2種類を
挙げることができる。1つは、多価カルボン酸化合物
(b−1)およびカルボン酸化合物(b−2)を同時に
溶融させた後、これを冷却して固化させるものであり、
もう1つは、多価カルボン酸化合物(b−1)およびカ
ルボン酸化合物(b−2)を適当な溶媒に溶解させ混合
した後、溶媒を留去して固化させるものである。それぞ
れの段階における具体的な条件は、用いる多価カルボン
酸化合物(b−1)およびカルボン酸化合物(b−2)
の種類に応じて、適宜設定することができる。なお、上
記溶解させる場合の適当な溶媒としては、特に限定され
ず、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族
炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、
デカリン等の脂環式炭化水素類、四塩化炭素、クロロホ
ルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素
類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、アニソー
ル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、
アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、イソフォロン
等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
類、石油エーテル、石油ベンジンを例示することができ
る。
【0039】このようにして得られた上記多価カルボン
酸化合物硬化剤(b)は、上述した粉砕に用いられる手
段によって、体積平均粒子径が15μm以下になるよう
にすることが好ましく、10μm以下になるようにする
ことがさらに好ましい。
【0040】なお、本発明における体積平均粒子径を求
める方法としては、特に限定されず、電気抵抗法や、レ
ーザー光散乱法等、当業者によく知られた方法を用いる
ことができる。
【0041】<架橋樹脂微粒子(c)>本発明の熱硬化
性粉体塗料組成物は、上記エポキシ基含有アクリル樹脂
(a)および上記多価カルボン酸化合物硬化剤(b)の
他に、架橋樹脂微粒子(c)を含んでいる。
【0042】本発明の熱硬化性粉体塗料組成物に含まれ
る架橋樹脂微粒子(c)としては、特に限定されず、当
業者によってよく知られているものを挙げることができ
る。このような架橋樹脂微粒子としては、例えば、両性
イオン基を含有するポリエステル樹脂を乳化剤として、
エチレングリコールジメタクリレートやジビニルベンゼ
ンのような分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチ
レン性不飽和基を有する架橋性モノマー、または、カル
ボン酸基含有モノマーとエポキシ基含有モノマーとの組
み合わせのように互いに架橋反応可能な2種以上のモノ
マーを含んだアクリルモノマーを乳化重合することによ
って得られる、粒子内が架橋している有機溶剤に不溶な
重合体粒子を挙げることができる。また、このような架
橋樹脂微粒子(c)としては、架橋反応を2段階で行う
ことによって得ることができる、いわゆるコア/シェル
型架橋樹脂微粒子であってもよい。
【0043】本発明の熱硬化性粉体塗料組成物に含まれ
る架橋樹脂微粒子(c)の体積平均粒子径は、例えば、
0.01〜10μmであることが好ましく、0.01〜
5μmであることがさらに好ましいが、最終的に得られ
る熱硬化性粉体塗料組成物の体積平均粒子径に応じて、
適宜設定することができる。上記体積平均粒子径が0.
01μmより小さい場合は、得られる塗膜の外観を向上
させる効果が充分でない恐れがあり、また、10μmよ
り大きい場合は、得られる塗膜の外観が低下する恐れが
ある。
【0044】また、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物中
の上記架橋樹脂微粒子(c)の含有量は、上記エポキシ
基含有アクリル樹脂(a)および上記多価カルボン酸化
合物硬化剤(b)の固形分重量の合計100重量部に対
して、0.1〜30重量部であることが好ましく、0.
1〜5重量部であることがさらに好ましい。上記含有量
が0.1重量部より少ない場合は、得られる塗膜の外観
を向上させる効果が充分でない恐れがあり、30重量部
より多い場合は、得られる塗膜の外観が低下する恐れが
ある。
【0045】本発明の熱硬化性粉体塗料組成物に含まれ
る架橋樹脂微粒子(c)のTgは、特に限定されない
が、−20〜110℃であることが好ましく、0〜11
0℃であることがさらに好ましい。上記Tgが−20℃
より低い場合は、貯蔵安定性が低下する恐れがあり、ま
た、110℃より高い場合は、得られる塗膜の平滑性が
低下する恐れがある。
【0046】<室温で液状の樹脂(d)>本発明の熱硬
化性粉体塗料組成物は、上記原料の他に、得られる塗膜
の平滑性の観点から、室温で液状である樹脂(d)を含
有することができる。本発明における「液状」とは、一
定の体積を有しているが、一定の形状を有していない状
態を意味する。この「液状」は、有機溶剤などの溶媒に
溶解した樹脂溶液の状態を意味するのではなく、溶媒の
ない状態で液状であることを意味するものである。後述
の本発明の熱硬化性粉体塗料組成物を得るための湿式法
においては、樹脂溶液の状態のものを用いてもよいが、
最終的に得られる本発明の熱硬化性粉体塗料組成物中に
は、有機溶剤などの溶媒は実質的に残存しない。
【0047】本発明の熱硬化性粉体塗料組成物に含まれ
る室温で液状である樹脂(d)としては、特に限定され
ず、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂および各
種化合物等を例示することができる。上記室温で液状で
ある樹脂(d)は、縮重合、ラジカル重合等、当業者に
よってよく知られた方法によって得ることができる。
【0048】上記室温で液状である樹脂(d)は、得ら
れる塗膜の物性および性能の観点から、硬化性官能基を
有するものを用いることが好ましい。上記硬化性官能基
としては、特に限定されないが、水酸基、カルボキシル
基およびエポキシ基等を挙げることができる。上記硬化
性官能基の含有量としては、特に限定されないが、工業
的な入手の容易さ、取り扱いの容易さおよび得られる塗
膜の物性や性能を考慮して設定することが好ましい。
【0049】上記室温で液状である樹脂(d)が硬化性
官能基として水酸基を有する場合、その樹脂固形分の水
酸基価としては、特に限定されないが、例えば、上記室
温で液状である樹脂(d)がポリエステル樹脂であると
きは、30〜250が好ましく、50〜200がさらに
好ましい。また、上記室温で液状である樹脂(d)がア
クリル樹脂であるときは、100以下であることが好ま
しく、50以下であることがさらに好ましい。また、こ
こで樹脂(d)はポリオール化合物であってよく、その
場合には、樹脂固形分の水酸基価は30〜300である
ことが好ましく、50〜250であることがさらに好ま
しい。なお、上記ポリオール化合物としては、例えば、
プラクセル410C、プラクセル308、PGL06
(ダイセル化学工業社製)等を例示することができる。
【0050】また、上記室温で液状である樹脂(d)が
硬化性官能基としてカルボキシル基を有する場合、カル
ボキシル基に基づく樹脂固形分の酸価は、特に限定され
ないが、例えば、上記室温で液状である樹脂(d)がポ
リエステル樹脂であるときは、1〜180が好ましく、
5〜80がさらに好ましい。また、上記室温で液状であ
る樹脂(d)がアクリル樹脂であるときは、100以下
であることが好ましく、50以下であることがさらに好
ましい。
【0051】また、上記室温で液状である樹脂(d)が
硬化性官能基としてエポキシ基を有する場合、その樹脂
固形分のエポキシ価は、特に限定されないが、例えば、
上記室温で液状である樹脂(d)がアクリル樹脂である
ときは、180以下であることが好ましく、120以下
であることがさらに好ましい。また、ここで樹脂(d)
はポリエポキシ化合物であってよく、その場合には、樹
脂固形分エポキシ価は20〜650であることが好まし
く、30〜200であることがさらに好ましい。上記ポ
リエポキシ化合物としては、例えば、ST1000、S
T3000、YH−300、ディナコールEX−30
1、ディナコールEX−411、ディナコールEX−7
01、ディナコールEX−212(東都化成社製)、P
UE−106、PUE−107、PUE−201、セロ
キサイド2021(ダイセル化学工業社製)、ヘキサヒ
ドロ無水フタル酸のグリシジルエステル等を例示するこ
とができる。
【0052】なお、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物に
含まれる室温で液状である樹脂(d)としては、工業的
な入手の容易さ、設計の自由度の観点から、上記室温で
液状であるポリエステル樹脂またはアクリル樹脂である
ことが好ましい。
【0053】上記室温で液状である樹脂(d)の数平均
分子量としては、特に限定されないが、耐ブロッキング
性および得られる塗膜の物性や性能の観点から、500
〜5000であることが好ましい。また、上記樹脂
(d)のTgとしては、特に限定されないが、耐ブロッ
キング性および得られる塗膜の物性や性能の観点から、
25℃以下であることが好ましい。
【0054】また、上記室温で液状である樹脂(d)の
SP値としては、特に限定されないが、通常9.0〜1
2.0であり、好ましくは9.0〜11.0、さらに好
ましくは9.5〜11.0である。
【0055】さらに、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物
に含まれる上記エポキシ基を有するアクリル樹脂(a)
が、上記エポキシ基含有アクリル樹脂Aおよびエポキシ
基含有アクリル樹脂Bを含んでいる場合には、本発明の
熱硬化性粉体塗料組成物に含まれる室温で液状の樹脂
(d)としては、以下の条件を満たしていることが好ま
しい。すなわち上記室温で液状の樹脂(d)が、(1)
(樹脂BのSP値)−(樹脂(d)のSP値)が0.0
1〜1.5、(2)エポキシ基含有アクリル樹脂(a)
および樹脂(d)の固形分重量の合計100重量部のう
ち、上記樹脂(d)の固形分重量が5〜70重量部であ
ることを満たしているものを選択することが好ましい。
【0056】(樹脂BのSP値)−(樹脂(d)のSP
値)の値が0.01より小さい場合は、耐ブロッキング
性が低下する恐れがあり、1.5より大きい場合は、塗
膜の艶感が低下する恐れがある。さらに、上記エポキシ
基含有アクリル樹脂(a)および樹脂(d)の固形分重
量の和100重量部のうち、上記樹脂(d)の固形分重
量が5重量部未満である場合は、得られる塗膜の平滑性
の向上が充分でない恐れがあり、70重量部より多い場
合は、耐ブロッキング性が低下する恐れがある。さら
に、エポキシ基含有アクリル樹脂(a)および樹脂
(d)の固形分重量の合計100重量部のうち、上記樹
脂(d)の固形分重量が、5〜50重量部、さらには、
5〜20重量部であることがさらに好ましい。
【0057】また、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物に
含まれるカルボン酸基の総量/エポキシ基の総量のモル
比は、5/10〜11/10であることが好ましく、7
/10〜10/10であることがさらに好ましい。上記
モル比が上記範囲外である場合は、得られた塗膜の硬化
性不良が発生する恐れがある。
【0058】本発明の熱硬化性粉体塗料組成物は、着色
成分を含むこともできるが、被塗装物に対する塗装に用
いた際、被塗装物に塗着しなかったいわゆる回収粉を、
再使用する時の混色等の観点から、熱硬化性粉体クリア
塗料組成物であることが好ましい。ここで熱硬化性粉体
クリア塗料組成物とは、着色成分を全く含まないもの、
および、着色成分を含んでいてもその透明性が低下しな
いものである。上記着色成分とは、着色顔料のほか、染
料等を挙げることができる。
【0059】上記着色成分としては、例えば、二酸化チ
タン、弁柄、黄色酸化鉄、カーボンブラック、フタロシ
アニン系顔料、キナクリドン系顔料、アゾ系顔料などの
着色顔料および染料等を例示することができる。
【0060】本発明の熱硬化性粉体塗料組成物は、上記
原料の他に、必要に応じて粉体塗料の分野において、通
常用いられる各種添加剤等のその他の成分を含むことが
できる。
【0061】上記添加剤としては、例えば、タルク、シ
リカ、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウムなどの体質
顔料、AEROSIL 130、AEROSIL 20
0(日本アエロジル株式会社製)等の流動付与剤、ジメ
チルシリコーンやメチルシリコーンなどのシリコーン類
およびアクリルオリゴマーなどの表面調整剤、ベンゾイ
ンやベンゾイン誘導体などのベンゾイン類に代表される
発泡防止剤、硬化促進剤(または硬化触媒)、可塑剤、
帯電制御剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料分散剤、
難燃剤、流動付与剤、アミン化合物、イミダゾール化合
物、カチオン重合触媒等の硬化促進剤(または硬化触
媒)などを例示することができる。
【0062】本発明の熱硬化性粉体塗料組成物の体積平
均粒子径は、特に限定されないが、得られる塗膜の平滑
性、外観の観点から、5〜40μm、好ましくは5〜3
0μm、さらに好ましくは5〜20μmである。
【0063】本発明の熱硬化性粉体塗料組成物を得るた
めに好適に用いられる湿式法は、上記原料を、有機溶剤
に溶解することで原料溶液を製造する工程(1)、上記
工程(1)で得られた原料溶液を、30〜90℃の範囲
内に曇点を示す水溶性高分子を含んだ水溶液に、上記曇
点未満の温度で混合して、懸濁液を製造する工程(2)
および上記工程(2)で得られた懸濁液を上記曇点以上
の温度に加熱して二次油滴を得るとともに、上記有機溶
剤を系外に留去して粒子を取り出す工程(3)を含んで
いるものであり、本発明においては曇点を利用した湿式
法と呼ぶ。
【0064】(1)原料溶液を製造する工程 湿式法における第1の工程は、上記原料を有機溶剤に溶
解して原料溶液を製造する工程である。この工程は上記
水溶性高分子の有する曇点利用の有無に関係しない。こ
こで原料の一成分である上記多価カルボン酸化合物硬化
剤(b)は、この第1の工程で製造される原料溶液中に
分散させておく必要がある。上記原料溶液中に完全に溶
解してしまうと、実質的に硬化剤組成物として存在しな
くなり、目的とする効果が得られない。なお、上記硬化
剤組成物の分散は、後述の濾過操作においても残渣とな
らないほどに微分散の状態にしておくことが好ましい。
【0065】原料として用いられるエポキシ基含有アク
リル樹脂(a)としては、上述のものを利用することが
できる。
【0066】また、原料として用いられる多価カルボン
酸化合物硬化剤(b)としては、上述のものを利用する
ことができるが、上述したような室温で固体状の多価カ
ルボン酸化合物(b−1)およびカルボン酸化合物(b
−2)とを含んでいる場合には、両者を混合することに
よって得られたものを、多価カルボン酸化合物硬化剤
(b)として使用することができる。さらに、得られる
塗膜の性能および物性の観点から、混合が充分に行われ
ていることが好ましい。
【0067】上記両者を充分に混合する方法として具体
的には2つを挙げることができる。そのうちの1つは、
両者を粒径を小さくして混合する方法であり、もう1つ
は、液状にして混合する方法である。得られる塗膜の平
滑性、性能および物性の観点から、液状にして混合する
方法が好ましい。
【0068】上記多価カルボン酸化合物(b−1)およ
びカルボン酸化合物(b−2)の粒径を小さくして混合
する方法の場合、混合によって最終的に得られる多価カ
ルボン酸化合物硬化剤(b)の体積平均粒子径が15μ
m以下になるようにすることが好ましく、10μm以下
になるようにすることがさらに好ましい。
【0069】粒径を小さくするためには、粉砕を行う必
要があるが、この粉砕は混合と同時に行うこともできる
し、混合する前に行っておくこともできる。また、予備
的に粉砕を行った後、混合時にさらに粉砕を行うことも
可能である。このような粉砕には、固体を粉砕するため
の通常よく知られている手段が利用できる。例えば、乳
鉢を用いることも可能であるが、工業的な見地からする
と、ヘンシェルミキサーなどの粉体塗料分野において用
いられている機器を目的に応じて選択することが好まし
い。このように粒径を小さくすることによって、上記多
価カルボン酸化合物(b−1)およびカルボン酸化合物
(b−2)とを充分に混合することが可能になる。な
お、上記多価カルボン酸化合物硬化剤(b)を分散液の
形で使用する場合には、上記粉砕時に溶剤を共存させる
ことにより粉砕および混合を行うことができる。
【0070】一方、混合を充分に行うためのもう1つの
方法である液状にして混合する方法としては、2種類を
挙げることができる。1つは、上記多価カルボン酸化合
物(b−1)およびカルボン酸化合物(b−2)を同時
に溶融させた後、これを冷却して固化させるものであ
り、もう1つは、多価カルボン酸化合物(b−1)およ
びカルボン酸化合物(b−2)を適当な溶媒に溶解させ
た後、溶媒を留去して固化させるものである。それぞれ
の段階における具体的な条件は、用いる多価カルボン酸
化合物(b−1)およびカルボン酸化合物(b−2)の
種類によって適宜設定することができる。なお、上記溶
解させる場合の適当な溶媒としては、特に限定されず、
例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化
水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカ
リン等の脂環式炭化水素類、四塩化炭素、クロロホル
ム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素
類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、アニソー
ル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、
アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、イソフォロン
等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
類、石油エーテル、石油ベンジンを例示することができ
る。
【0071】このようにして得られた多価カルボン酸化
合物硬化剤(b)は、先の方法で述べた粉砕によって、
体積平均粒子径が15μm以下になるようにすることが
好ましく、10μm以下になるようにすることがさらに
好ましい。
【0072】また、上記原料中のエポキシ基含有アクリ
ル樹脂(a)と上記多価カルボン酸化合物硬化剤(b)
との比率は、上記多価カルボン酸化合物硬化剤(b)の
カルボキシル基/上記エポキシ基含有アクリル樹脂
(a)のエポキシ基のモル比が、5/10〜11/1
0、好ましくは7/10〜10/10になるように設定
することができる。
【0073】また、必要に応じて、顔料、各種添加剤等
のその他の成分を原料として用いることができる。上記
有機溶剤としては、実質的に水不混和性すなわち水に対
する溶解度が10%以下で、常圧での沸点が100℃未
満のもの、または、水と共沸する性質を有するものを用
いることができる。具体的には、キシレン、トルエン、
シクロヘキサン、酢酸エチル等を例示することができ
る。
【0074】なお、原料溶液中の上記原料の固形分重量
は、特に限定されないが、例えば、30〜90重量%と
なるように調整することができる。上記原料に含まれる
エポキシ基含有アクリル樹脂(a)および/または架橋
樹脂微粒子(c)が、既に有機溶剤溶液である場合、上
記原料溶液の固形分重量が目的とする範囲にあれば、改
めて有機溶剤を添加しなくてもいい。
【0075】また、上記原料そのものに含まれていた、
あるいは原料溶液製造時に混入したゴミやホコリなどの
上記有機溶剤不溶成分を取り除くために、必要に応じ
て、濾過操作を行うことができる。この濾過操作として
は、フィルタ濾過など、当業者によってよく知られた方
法を用いることができる。
【0076】 (2)曇点未満の温度で懸濁液を製造する工程 上記湿式法における第2の工程は、上記第1の工程で得
られた原料溶液を、30〜90℃の範囲内に曇点を示す
水溶性高分子を含んだ水溶液に、上記曇点未満の温度で
混合して、油滴を含んだ懸濁液を製造する工程である。
【0077】上記30〜90℃の範囲内に曇点を示す水
溶性高分子としては、特に限定されず、具体的には、ケ
ン化度が85%より小さいポリビニルアルコール部分ケ
ン化物、部分ホルマー化物、エチレンービニルアルコー
ル共重合体などの部分的に疎水性基を含有するポリビニ
ルアルコール系重合体、メチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロースのようなセルロース誘導体、ポリエ
チレングリコールアルキルエーテルおよび、エチレング
リコールプロピレングリコールブロック共重合体等、そ
の水溶液を加温して30〜90℃の範囲内で曇点現象を
示すものを挙げることができる他、上記曇点を示さない
水溶性高分子に対して電解質を添加することによって3
0〜90℃の範囲内に曇点を付与したものを挙げること
ができる。この曇点を示す水溶性高分子は、1種類だけ
用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0078】本発明の熱硬化性粉体塗料組成物を得るた
めの湿式法においては、粒径制御の観点から、上記曇点
を示さない水溶性高分子を組み合わせて用いることが好
ましい。
【0079】上記曇点を示さない水溶性高分子として
は、特に限定されず、具体的には、完全ケン化ポリビニ
ルアルコール、ケン化度が85%以上の部分ケン化ポリ
ビニルアルコールや、エチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ポリエチレングリコール等、その水溶
液を加温しても、100℃以下で曇点現象を示さないも
のを挙げることができる。この曇点を示さない水溶性高
分子は、1種類だけで用いてもよいし、2種類以上を組
み合わせて用いてもよい。上記30〜90℃の範囲内に
曇点を示す水溶性高分子と上記曇点を示さない水溶性高
分子とを併用する場合は、上記曇点を示さない水溶性高
分子の固形分重量/30〜90℃の範囲内に曇点を示す
水溶性高分子の固形分重量の比率は99/1〜10/9
0の範囲にあることが好ましい。この範囲を外れると、
後述する二次油滴の粒径制御が困難になる恐れがある。
【0080】この工程では、まず、撹拌機を備えた容器
に、上記30〜90℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分
子を含む水溶液を用意する。上記水溶液の水溶性高分子
濃度としては、混合性の観点から、0.02〜20重量
%であることが好ましい。
【0081】次にこの水溶性高分子水溶液に、第1の工
程において得られた原料溶液を加え、上記水溶性高分子
の有する曇点未満の温度で混合する。なお、30〜90
℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分子を2種類以上混合
して用いる場合には、温度の低い方の曇点が支配的にな
る。従って、以下の工程における温度は、使用する水溶
性高分子のうち最も低い曇点により規定される。
【0082】上記第1の工程の段階において、すべての
原料溶液を混合して1つにせず、各原料をそれぞれ別々
で原料溶液化した場合は、この第2の工程においてこれ
ら原料溶液をこの水溶性高分子水溶液に対して別々に加
えてもよいが、得られる油滴の成分の均一性の観点か
ら、すべての原料溶液を混合して1つにした後、この水
溶性高分子水溶液に対して加えることが好ましい。
【0083】ここでの水溶性高分子を含む水溶液に対す
る原料溶液の混合比は、混合性の観点から、水溶性高分
子を含む水溶液の重量/原料溶液の固形分重量が0.5
/1〜3/1になるように設定されることが好ましい。
得られた混合液は撹拌され、必要に応じてイオン交換水
によって希釈されて、最終的に上記原料の固形分重量が
10〜50重量%である油滴を含んだ懸濁液が形成され
る。なお、撹拌には、混合液の粘度に応じて当業者によ
ってよく知られた撹拌機を用いることができる。
【0084】上記油滴の体積平均粒子径は、15μm以
下になることが好ましく、10μm以下であることがさ
らに好ましい。上記油滴の粒径は、任意にサンプリング
して粒径を測定することによって求めることができる。
【0085】なお、第1の工程と同様に、この工程もし
くはそれ以前に混入したゴミやホコリなどの上記有機溶
剤不溶成分を取り除くために、必要に応じて、濾過操作
を行うことができる。なお、この濾過操作は、後の工程
の油滴を固化するまでに少なくとも一度は行っておくこ
とが好ましい。
【0086】さらに、最終的に得られる熱硬化性粉体塗
料組成物の性質の観点から、この第2の工程で上記有機
溶剤の一部を系外に留去しておくことが好ましい。この
有機溶剤の留去は、懸濁液の温度を上記曇点未満の一定
温度に維持して行うこともできるが、次工程での二次油
滴の形成のための加熱を利用して行うことが効率的であ
る。この有機溶剤の留去は、上記原料溶液が熱硬化性を
有することを考慮すると、系を減圧にすることにより、
有機溶剤を留去する温度を低くして行うことが好まし
い。なお、有機溶剤の留去を、懸濁液の温度を上記曇点
未満の一定温度に維持して行う場合には、油滴内に残存
する有機溶剤量が、30重量%以下、好ましくは10重
量%以下、さらに好ましくは5重量%以下になるように
行うことができる。
【0087】(3)曇点以上に加熱して二次油滴を得る
とともに、粒子を取り出す工程 上記湿式法における第3の工程は、上記第2の工程によ
って得られた懸濁液を上記曇点以上の温度に加熱して二
次油滴を得るとともに、上記有機溶剤を系外に留去して
粒子を取り出す工程である。
【0088】まず、上記第2の工程において得られた懸
濁液の温度を上記曇点以上の温度に加熱し、上記油滴を
凝集させて二次油滴を形成する。上記第2の工程によっ
て得られた懸濁液を曇点以上の温度に加熱することで、
上記懸濁液中の油滴が凝集し、二次油滴が形成される。
得られた二次油滴をサンプリングして粒径を測定し、目
的とする粒径となった時点で終了することができる。こ
の加熱は、用いられる水溶性高分子の種類や上記原料溶
液の性質により決定することができる。
【0089】得られる二次油滴を目的とする粒径にする
ためには、曇点を示さない水溶性高分子と30〜90℃
の範囲内に曇点を示す水溶性高分子との重量比率を調整
する方法の他に、二次油滴が所望の粒径に形成された時
点で懸濁液を水溶性高分子の曇点より低い温度に冷却
し、凝集による二次油滴の成長を停止させる方法を用い
ることができる。
【0090】ここで、上記30〜90℃の範囲内に曇点
を示す水溶性高分子は、上記油滴の凝集による二次油滴
の形成に作用すると考えられる。さらに水溶性高分子と
して曇点を示さない水溶性高分子を併用した場合、この
曇点を示さない水溶性高分子は、油滴の粒径制御のため
に作用すると考えられる。
【0091】さらに得られた二次油滴は、上記有機溶剤
を留去することによって固化することができる。この有
機溶剤の留去は、油滴が固化したことを確認できるまで
行うことが好ましい。
【0092】有機溶剤の留去は、加熱および/または減
圧によって行いうるが、固化して得られる粒子が熱硬化
性を有しているため、有機溶剤を留去する温度を低くす
るために、系を減圧して有機溶剤を留去する温度を低く
して行うことが好ましい。
【0093】固化して得られた粒子は、濾過やまたは遠
心分離のような通常の固液分離の方法を用いて単離され
る。これを水洗・乾燥することにより、最終的に粉体塗
料組成物を得ることができる。
【0094】このようにして得られた熱硬化性粉体塗料
組成物の体積平均粒子径は5〜40μm、好ましくは5
〜30μm、さらに好ましくは5〜20μmである。
【0095】なお、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物を
得る方法としては、上記曇点を利用した湿式法の他に、
曇点を利用しない湿式法を用いることもできるが、上記
曇点を利用した方法を用いた場合の方が、曇点を利用し
ない方法を用いた場合と比べて、粒径制御しやすく、粒
径分布幅の狭いシャープな熱硬化性粉体塗料組成物を得
ることができる。
【0096】なお、本発明における体積平均粒子径およ
び個数平均粒子径を求める方法としては、特に限定され
ず、電気抵抗法やレーザー光散乱法等、当業者によく知
られた方法を用いることができる。
【0097】本発明の熱硬化性粉体塗料組成物を得るた
めの湿式法において、水溶性高分子の曇点を利用しない
場合には、第1の工程で用いる水溶性高分子は、30〜
90℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分子であっても、
曇点を示さない水溶性高分子であっても構わない。ま
た、第2の工程における温度は、曇点を示さない水溶性
高分子のみを用いている場合には、その温度は限定され
ないが、30〜90℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分
子を含んでいる場合には、曇点未満の温度にて撹拌を行
う必要がある。さらに、第3の工程は行わず、二次油滴
も形成しない。
【0098】さらに、このようにして得られた熱硬化性
粉体塗料組成物の表面に、AEROSIL 130、A
EROSIL 200(日本アエロジル株式会社製)等
の流動付与剤を外添してもよい。上記流動付与剤は、粉
体塗料自体に流動性を与えるだけでなく、耐ブロッキン
グ性も向上させることができる。上記流動付与剤は、上
記製造方法によって得られた熱硬化性粉体塗料組成物と
混合することによって粉体粒子表面に付着させることが
できる。
【0099】本発明の熱硬化性粉体塗料組成物を用いた
塗膜形成方法は、被塗装物に対して、上記熱硬化性粉体
塗料組成物を静電塗装法等により、通常、塗装膜厚40
〜80μmとなるよう塗布し、これを加熱することで塗
膜を形成することができる。上記被塗装物としては、プ
ラスチックおよび鉄板、鋼板、アルミニウム板およびそ
れらに表面処理を施したもの等を挙げることができる。
また、加熱温度は、用いる熱硬化性粉体塗料組成物に応
じて適宜設定されるが、100〜200℃である。ま
た、加熱時間は、上記加熱温度により適宜調節すること
ができる。
【0100】複層塗膜形成方法 本発明の複層塗膜形成方法は、下塗りまたは下塗りおよ
び中塗りが施された被塗装物上に、ベース塗料を塗布す
る工程、上記工程で得られたベース塗料が塗布された被
塗装物上に、上記熱硬化性粉体塗料組成物を塗布する工
程、および、ベース塗料および上記熱硬化性粉体塗料組
成物が塗布された基板を加熱する工程からなる複層塗膜
形成方法である。
【0101】本発明の複層塗膜形成方法に用いられる被
塗装物は、下塗りまたは下塗りおよび中塗りが施されて
いるものである。上記被塗装物としては、上述の塗膜形
成方法で述べたもの等を挙げることができる。上記下塗
りおよび中塗りを施すために用いられる下塗り塗料およ
び中塗り塗料としては、電着塗料やプライマーなどの公
知のものを用いることができる。
【0102】上記ベース塗料としては、溶剤系、水性
等、特に限定されないが、環境保護の観点から水性のも
のを用いることが好ましい。上記ベース塗料は、上記下
塗りまたは下塗りおよび中塗りが施された基板に静電塗
装機等により、塗装膜厚10〜20μmとなるように塗
布される。
【0103】上記ベース塗料が塗布された基板を赤外線
もしくは熱風により、60〜100℃で約5〜10分間
予備的に加熱した後、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物
を静電塗装法等により、塗装膜厚40〜80μmとなる
ように塗布し、これを加熱する。加熱温度は、熱硬化性
粉体塗料組成物に応じて適宜設定されるが、100〜2
00℃、好ましくは120〜180℃、さらに好ましく
は130〜160℃である。また、加熱時間は、上記加
熱温度により適宜調節することができるが、好ましくは
5〜40分、さらに好ましくは10〜25分である。
【0104】このように本発明の複層塗膜形成方法によ
って、平滑性および外観が良好である複層塗膜を得るこ
とができ、また、このような複層塗膜を有する被塗装物
を得ることができる。
【0105】
【実施例】製造例1 両イオン性基を有する乳化剤の製
撹拌装置、温度制御装置、還流管、デカンタを備えた反
応容器に、原料として、ビスヒドロキシエチルタウリン
134重量部、ネオペンチルグリコール130重量部、
アゼライン酸236重量部、無水フタル酸186重量部
およびキシレン27重量部を仕込み、窒素雰囲気下で加
熱し、反応によって生成する水をキシレンと共沸させて
系外へ除去した。キシレンによる還流が始まってから約
2時間かけて温度を190℃まで加熱し、樹脂固形分酸
価が145になるまで反応を継続した後、140℃まで
冷却し、樹脂溶液を得た。
【0106】その後、得られた樹脂溶液に対して、「カ
ージュラE10」(シェル社製モノエポキサイド)31
4重量部を30分間で滴下した後、2時間撹拌を継続し
て反応を終了して、乳化剤を得た。得られた乳化剤は、
樹脂固形分酸価59、樹脂固形分水酸基価90、数平均
分子量1054であった。
【0107】製造例2 乳化液1の調製 撹拌装置、冷却器、温度制御装置を備えた反応容器に、
乳化原料として、脱イオン水232重量部、製造例1で
得られた乳化剤15重量部、ジメチルエタノールアミン
0.75重量部を仕込み、80℃に保持しながら撹拌し
て溶解原料を得た後、これに、アゾビスシアノ吉草酸
4.5重量部を脱イオン水45重量部とジメチルエタノ
ールアミン4.3重量部に溶解した液を添加して、乳化
液1を調製した。
【0108】製造例3 架橋樹脂微粒子M1分散液およ
び架橋樹脂微粒子粉末M1’の調製 製造例2によって得られた乳化液1に対して、樹脂原料
として、tert−ブチルメタクリレート50重量部と
エチレングリコールジメタクリレート50重量部からな
る混合溶液を1時間かけて滴下した後、アゾビスシアノ
吉草酸1.5重量部を脱イオン水15重量部とジメチル
エタノールアミン1.4重量部に溶解した液を添加し、
さらに80℃で1時間撹拌を続けることによってエマル
ションを得た。その後、得られたエマルションに含まれ
る脱イオン水を共沸によってキシレンに溶剤置換して、
架橋樹脂微粒子M1分散液を得た。得られた架橋樹脂微
粒子M1分散液の体積平均粒子径、不揮発分を表1に示
した。なお、体積平均粒子径は、コールターカウンタ
(ベックマンコールター社製)にて測定した。
【0109】さらに、得られた架橋樹脂微粒子M1分散
液の一部を減圧下でキシレンを留去し、固形分100重
量%の架橋樹脂微粒子粉末M1’を得た。
【0110】製造例4〜7 架橋樹脂微粒子M2分散液
〜M5分散液の調製 表1に示す配合に基づき、製造例2と同様にして、架橋
樹脂微粒子M2〜M5を調製した。製造例2と同様にし
て、得られた架橋樹脂微粒子M2分散液〜M5分散液の
体積平均粒子径および不揮発分を測定し、得られたデー
タを表1に示した。
【0111】
【表1】
【0112】製造例8 乳化液2の調製 脱イオン水232重量部、製造例1で得た乳化剤を10
重量部およびジメチルエタノールアミン0.75重量部
を乳化原料として用いて溶解原料を得た後、これにアゾ
ビスシアノ吉草酸0.2重量部を脱イオン水20重量部
およびジメチルエタノールアミン0.26重量部に溶解
した液を用いたこと以外は、製造例2と同様にして、乳
化液2を調製した。
【0113】製造例9 架橋樹脂微粒子M6分散液の調製 製造例8で得られた乳化液2に対して、第1段目の樹脂
原料として、スチレン15重量部、n−ブチルアクリレ
ート45重量部およびエチレングリコールジメタクリレ
ート40重量部からなる混合溶液を1時間かけて滴下し
た後、さらに80℃で1時間撹拌を続けた。これに、ア
ゾビスシアノ吉草酸0.8重量部を脱イオン水25重量
部とジメチルエタノールアミン0.3重量部に溶解した
液を添加した。さらに、第2段目の樹脂原料として、ス
チレン15重量部、n−ブチルアクリレート45重量部
およびエチレングリコールジメタクリレート40重量部
からなる混合溶液を1時間かけて滴下した。その後、さ
らに、アゾビスシアノ吉草酸1.5重量部を脱イオン水
15重量部とジメチルエタノールアミン1.4重量部に
溶解した液を添加し、80℃で1時間撹拌を続けること
によってエマルションを得た。得られたエマルションを
製造例2と同様にしてキシレンへの溶剤置換を行い、架
橋樹脂微粒子M6分散液を得た。得られた架橋樹脂微粒
子M6分散液の体積平均粒子径、不揮発分を製造例3と
同様にして測定し、表2に示した。
【0114】製造例10 架橋樹脂微粒子M7分散液の調製 表2に示す配合に基づき、製造例9と同様にして、架橋
樹脂微粒子M7分散液を調製した。製造例3と同様にし
て、得られた架橋樹脂微粒子M7分散液の体積平均粒子
径および不揮発分を測定し、得られたデータを表2に示
した。
【0115】
【表2】
【0116】製造例11 硬化剤H1分散液の調製 1,10−デカンジカルボン酸をキシレンに分散させ
て、サンドグラインドミルにて粉砕し、硬化剤H1分散
液(固形分30重量%)を得た。体積平均粒子径をコー
ルターカウンター(ベックマンコールター社製)にて測
定したところ、6μmであった。
【0117】製造例12 硬化剤組成物H2分散液の調製 1,10−デカンジカルボン酸75重量部およびセバチ
ン酸25重量部を混合し、キシレンに分散させた後、サ
ンドグラインドミルにて粉砕して硬化剤組成物H2分散
液(固形分30重量%)を得た。体積平均粒子径を製造
例9と同様にして測定したところ、6μmであった。ま
た、得られた硬化剤組成物H1分散液の一部について減
圧しキシレンを除去した後、融点をDSC220C(セ
イコー電子工業社製示差走査型熱量計、昇温条件5℃/
分)にて決定したところ、120℃であった。
【0118】製造例13 エポキシ基含有アクリル樹脂
R1溶液の調製 攪拌装置、温度制御装置、還流管を備えた反応容器に、
キシレン63重量部を仕込み、130℃に加温し、窒素
雰囲気下で3時間かけて以下の配合による混合物を滴下
した。
【0119】 グリシジルメタクリレート 45重量部 スチレン 20重量部 n−ブチルメタクリレート 20重量部 イソブチルメタクリレート 10重量部 n−ブチルアクリレート 5重量部 t−ブチルパーオクトエート 3重量部 滴下後3時間保温した後、室温まで冷却し、樹脂固形分
のエポキシ当量180のエポキシ基含有アクリル樹脂R
1溶液(固形分濃度60重量%)を得た。また樹脂R1
溶液の一部を減圧下で加熱しキシレンを留去することで
樹脂R1を得た。得られた樹脂R1のTgをDSC22
0C(セイコー電子工業社製、昇温条件5℃/分)で測
定したところ30℃であり、またSP値を濁度法で測定
したところ10.2であった。またGPC(ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー)で測定した数平均分子
量は9000であった。
【0120】製造例14〜16 エポキシ基含有アクリ
ル樹脂R2〜R4の調製 表3に示す配合に基づき、製造例11と同様にして、エ
ポキシ基含有アクリル樹脂R2〜R4溶液を得た後、製
造例1と同様にしてTg、SP値、数平均分子量を測定
した。なお、測定したTg、SP値、数平均分子量を表
3に示した。
【0121】
【表3】
【0122】 実施例1 熱硬化性粉体塗料組成物C1 エポキシ基含有アクリル樹脂R2溶液 25.8重量部 (樹脂固形分60重量%) エポキシ基含有アクリル樹脂R1溶液 103.3重量部 (樹脂固形分60重量%) 硬化剤H1分散液 75.0重量部 (固形分30重量%) 架橋樹脂微粒子M1分散液 6.0重量部 (固形分20重量%) シリコーン系表面調整剤 0.2重量部 アクリル系表面調整剤 0.1重量部 紫外線吸収剤 1.0重量部 酸化防止剤 1.0重量部 ベンゾイン 0.5重量部 上記原料をサンドグラインドミルにて混合し、原料溶液
を調製した。
【0123】次に、ゴーセノールGH−20(日本合成
化学社製ポリビニルアルコール、ケン化度88%、曇点
なし)6重量部、ゴーセノールKL−05(日本合成化
学社製ポリビニルアルコール、ケン化度80%、曇点約
80℃)3重量部及びヒドロキシプロピルセルロース
(曇点約50℃)1重量部、イオン交換水90重量部か
らなる高分子水溶液に上記の原料溶液を加えた。得られ
た混合物をホモジナイザーを用いて25℃にてさらに混
合することで油滴を含む懸濁液を調製した。得られた懸
濁液中の油滴の体積平均粒子径を製造例3と同様にして
測定し、表4に示した。
【0124】得られた懸濁液にイオン交換水300重量
部を加えて希釈し、これを攪拌装置、温度調節器、還流
管、減圧装置を備えた容器に移した。
【0125】この懸濁液を30Torrまで減圧した後
35℃まで加熱した。その後さらに140Torrまで
減圧した後、60℃まで加熱して二次油滴を得た後、分
散相中の溶剤を系外に完全に留去することによって固化
し粒子を得た。この懸濁液を冷却した後、吸引濾過によ
り得られた粒子を真空乾燥器を用い30℃で乾燥して熱
硬化性粉体塗料組成物C1を得た。得られた粉体塗料組
成物を実施例9の体積平均粒子径と個数平均粒子径とを
同様にして、測定結果および体積平均粒子径/個数平均
粒子径の値を、表4に示した。
【0126】実施例2〜11 熱硬化性粉体塗料組成物C2〜C11 表4の配合に基づき、実施例1と同様にして、熱硬化性
粉体塗料組成物C2〜C11を得た。なお、それぞれの
油滴の体積平均粒子径、得られた粉体塗料組成物の体積
平均粒子径および個数平均粒子径および体積平均粒子径
/個数平均粒子径の値を実施例1と同様にして、測定結
果を表4に示す。
【0127】比較例1〜2 架橋樹脂微粒子を用いない
熱硬化性粉体塗料組成物C12〜C13 表4の配合に基づいて、それぞれ架橋樹脂微粒子M1分
散液を用いなかったこと以外は、実施例1および5と同
様にして、それぞれ、熱硬化性粉体塗料組成物C12〜
C13を得た。なお、それぞれの油滴の体積平均粒子
径、得られた粉体塗料組成物の体積平均粒子径および個
数平均粒子径を実施例1と同様にして測定し、これから
体積平均粒子径/個数平均粒子径の値を求めた。その結
果を表4に示す。
【0128】比較例3 架橋樹脂微粒子を外添した熱硬
化性粉体塗料組成物C14 架橋樹脂微粒子M1分散液を用いなかったこと以外は、
実施例1と同様にして粉体塗料組成物を得た後、得られ
た塗料組成物と、製造例1で得られた架橋樹脂微粒子粉
末M1’とを表4の配合に基づいて、ヘンシェルミキサ
ーにて混合して、熱硬化性粉体塗料組成物C14を得
た。なお、油滴の体積平均粒子径、得られた粉体塗料組
成物の体積平均粒子径および個数平均粒子径を実施例1
と同様にして測定し、これから体積平均粒子径/個数平
均粒子径の値を求めた。その結果を表4に示す。
【0129】評価試験 実施例1〜10および比較例1〜2で得られた各熱硬化
性粉体塗料組成物を下記の項目について評価した。
【0130】<平滑性>中塗りを施した基板上にスーパ
ーラックM260シルバー(日本ペイント社製水性メタ
リックベース塗料)を乾燥膜厚が10〜20μmとなる
ように静電塗装し、80℃の熱風乾燥炉で10分間予備
加熱した。基板を室温まで冷却した後、各熱硬化性粉体
塗料組成物について2枚ずつ、膜厚50μmになるよう
静電塗装し、一方は水平にし、もう一方は地面と60°
の角度になるように立てかけて145℃の熱風乾燥炉で
25分間焼き付けて、水平面および垂直面の塗膜を形成
した試験片を得た。得られた試験片を取り出し、試験片
の温度が室温になった時点で、水平面および垂直面の塗
膜を写像鮮明度測定器(スガ試験機社製)にて測定し、
NSIC値(%)およびNSIC*値(%)を求めた。
なお、NSIC値は60%以上を、およびNSIC*
は35%以上を合格とした。得られたNSIC値および
NSIC*値を表4に示した。
【0131】なお、中塗りを施した基板は、100mm
×300mm×0.8mmのリン酸亜鉛処理したダル鋼
板に、パワートップU−50(日本ペイント社製自動車
用カチオン電着塗料)を乾燥膜厚が約25μmとなるよ
うに電着塗装し、160℃で30分間焼き付けた後、オ
ルガP−2グレー(日本ペイント社製溶剤型中塗り塗
料)を乾燥膜厚が約40μmになるように静電塗装し、
140℃で30分間焼き付けることで作製した。
【0132】<タレの発生>上記平滑性の評価の際に作
成した垂直面の塗膜を、目視にて観察し、タレの発生の
有無を評価した。評価結果を表4に示した。
【0133】
【表4】
【0134】表4の結果からも明らかなように、原料と
して、エポキシ基含有アクリル樹脂(a)および多価カ
ルボン酸化合物硬化剤(b)と、架橋樹脂微粒子(c)
とを含有する熱硬化性粉体塗料組成物は、水平面および
垂直面の平滑性および外観が良好である。
【0135】
【発明の効果】本発明の熱硬化性粉体塗料組成物は、熱
硬化性樹脂、硬化剤および架橋樹脂微粒子を原料として
含み、湿式法によって製造されることから、貯蔵安定性
に優れ、かつ、被塗装物に塗装後、加熱した場合、その
垂直部分や曲面部分において塗料の溶融によるタレの発
生がなく、得られる塗膜の平滑性および外観が優れてい
る。これは、架橋樹脂微粒子を含むことにより、塗装後
の加熱時にこの微粒子間の相互作用によって構造粘性が
発現することによると考えられる。
【0136】さらに、上記熱硬化性樹脂が2種類の特定
の樹脂特数を持つことで、さらに貯蔵安定性と得られる
塗膜の平滑性を向上することができる。これは、湿式法
による製造によって、分散媒である水に接触している粒
子の外殻では、より高いTgおよびSP値を持つ樹脂A
の濃度は、樹脂Bの濃度に比べて高くなっているものと
思われる。結果的に本発明の熱硬化性粉体塗料組成物の
外殻は、内部よりも高いTgを持ち、このことによって
耐ブロッキング性が改良されたものと考えられる。一
方、熱硬化性粉体塗料組成物全体としてみた場合のTg
は、当然外殻のTgよりも低下するため、得られる塗膜
の平滑性がさらに向上すると考えられる。
【0137】さらに、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物
に含まれる多価カルボン酸化合物硬化剤が、2種類の化
合物を含み、かつ、特定の挙動を示すものである場合
は、得られる塗膜の外観を向上することができる。これ
は、硬化剤の凝集力が低下して、系全体の相溶性が向上
したことによると考えられる。また、この時の多価カル
ボン酸化合物硬化剤の融点を低くすることが可能である
ため、塗装後の加熱温度を低温にすることができる。
【0138】本発明の熱硬化性粉体塗料組成物は、粉体
形状が整っており、粒径分布も狭いことから、微粉の量
が極めて少なく、回収分も新しい塗料と同様に使用する
ことができ、さらに、搬送性や塗着効率等の塗装作業性
も優れている。また、薄膜塗装した際にも平滑性および
外観に優れた塗膜を得ることができる。
【0139】本発明の複層塗膜の形成方法は、先の熱硬
化性粉体塗料組成物を使用するため、平滑性に優れた複
層塗膜を得ることができる。従って、本発明の複層塗膜
形成方法によって得られる複層塗膜は、高外観が要求さ
れる自動車車体に適用することができ、また、この複層
塗膜を有する被塗装物としては、自動車車体を挙げるこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/30 B32B 27/30 A C09D 5/03 C09D 5/03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】湿式法によって製造される熱硬化性粉体塗
    料組成物であって、前記熱硬化性粉体塗料組成物の原料
    として、エポキシ基含有アクリル樹脂(a)および多価
    カルボン酸化合物硬化剤(b)と、架橋樹脂微粒子
    (c)とを含有することを特徴とする熱硬化性粉体塗料
    組成物。
  2. 【請求項2】前記湿式法が、前記原料を有機溶剤に溶解
    することで原料溶液を製造する工程(1)、前記工程
    (1)で得られた原料溶液を、30〜90℃の範囲内に
    曇点を示す水溶性高分子を含んだ水溶液に、前記曇点未
    満の温度で混合して、一次油滴を含んだ懸濁液を製造す
    る工程(2)、および前記工程(2)で得られた懸濁液
    を前記曇点以上の温度に加熱して二次油滴を得るととも
    に、前記有機溶剤を系外に留去して粒子を取り出す工程
    (3)を含んでいる請求項1に記載の熱硬化性粉体塗料
    組成物。
  3. 【請求項3】前記工程(2)において、同時に前記有機
    溶剤を系外に留去するものである請求項2に記載の熱硬
    化性粉体塗料組成物。
  4. 【請求項4】前記30〜90℃の範囲内に曇点を示す水
    溶性高分子を含む水溶液が、さらに曇点を示さない水溶
    性高分子を含んでいる請求項2または3に記載の熱硬化
    性粉体塗料組成物。
  5. 【請求項5】前記エポキシ基含有アクリル樹脂(a)
    が、エポキシ基含有アクリル樹脂Aとエポキシ基含有ア
    クリル樹脂Bを含んでいて、前記樹脂Aおよび前記樹脂
    Bが(1)(樹脂AのSP値)−(樹脂BのSP値)が
    0.2〜1.5、(2)(樹脂AのTg)−(樹脂Bの
    Tg)が10℃以上、(3)樹脂AのTgが40〜10
    0℃かつ樹脂Bが20〜50℃、(4)樹脂A/樹脂B
    の固形分重量の比が5/95〜50/50である請求項
    1〜4のいずれか1つに記載の熱硬化性粉体塗料組成
    物。
  6. 【請求項6】前記多価カルボン酸化合物硬化剤(b)
    が、室温で結晶性固体である多価カルボン酸化合物(b
    −1)、および、前記多価カルボン酸化合物(b−1)
    と種類の異なるカルボン酸化合物(b−2)を含んでい
    て、(I)室温で固体状であり、(II)示差走査型熱
    量計によって決定した前記多価カルボン酸化合物硬化剤
    (b)の融点が、前記多価カルボン酸化合物(b−1)
    の融点または前記カルボン酸化合物(b−2)の融点よ
    り低いことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに
    記載の熱硬化性粉体塗料組成物。
  7. 【請求項7】前記原料が、さらに、室温で液状の樹脂
    (d)を含んでいて、(1)(樹脂BのSP値)−(樹
    脂(d)のSP値)が0.01〜1.5、(2)エポキ
    シ基含有アクリル樹脂(a)および樹脂(d)の固形分
    重量の合計100重量部のうち、前記樹脂(d)の固形
    分重量が5〜70重量部である請求項1〜6のいずれか
    1つに記載の熱硬化性粉体塗料組成物。
  8. 【請求項8】前記熱硬化性粉体塗料組成物が、熱硬化性
    粉体クリア塗料組成物である請求項1〜7のいずれか1
    つに記載の熱硬化性粉体塗料組成物。
  9. 【請求項9】下塗りまたは下塗りおよび中塗りが施され
    た基板上に、ベース塗料を塗布する工程、前記工程で得
    られたベース塗料が塗布された基板上に、粉体塗料を塗
    布する工程、および、前記ベース塗料および前記粉体塗
    料が塗布された基板を加熱する工程からなる複層塗膜形
    成方法であって、前記粉体塗料が請求項1〜8のいずれ
    か1つに記載の熱硬化性粉体塗料組成物であることを特
    徴とする複層塗膜形成方法。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の複層塗膜形成方法によ
    って得られる複層塗膜。
  11. 【請求項11】請求項10の複層塗膜を有する被塗装
    物。
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