JP2003301135A - 粉体塗料用硬化剤組成物及びその製造方法 - Google Patents

粉体塗料用硬化剤組成物及びその製造方法

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JP2003301135A
JP2003301135A JP2002107689A JP2002107689A JP2003301135A JP 2003301135 A JP2003301135 A JP 2003301135A JP 2002107689 A JP2002107689 A JP 2002107689A JP 2002107689 A JP2002107689 A JP 2002107689A JP 2003301135 A JP2003301135 A JP 2003301135A
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resin
agent composition
powder coating
carboxylic acid
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JP2002107689A
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Shosuke Tsuboniwa
章介 坪庭
Masami Yabuta
雅己 薮田
Taketaka Kojima
健敬 小島
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉体塗料の主樹脂と溶液状態で混合した場合
に、その粘度を低くすることができ、かつ塗膜外観が良
好な熱硬化性粉体塗料を与えることができる粉体塗料用
硬化剤組成物及びその製造方法を得る。 【解決手段】 (A)室温で固体である多価カルボン酸
化合物と、(B)炭素数4〜20のアルキル基及び/ま
たはアルキレンユニットを側鎖に含み、かつ1分子中に
2以上のカルボキシル基を含み、数平均分子量が100
0〜10000であるアクリル樹脂からなる添加樹脂と
を含むことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体塗料用硬化剤
組成物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料は、大気中に放出される有機溶
剤を含まないことから、環境に対してやさしい塗料とし
て注目を浴びている。その中でも、塗膜性能及び塗膜物
性の観点から、熱硬化性粉体塗料が用いられている。特
に近年、自動車車体の塗装に適用できるような、塗膜外
観が非常に良好である熱硬化性粉体塗料が求められてい
る。
【0003】酸/エポキシ硬化系の熱硬化性粉体塗料に
おいては、例えば、エポキシ基を含有する樹脂に、硬化
剤として室温で固体状のジカルボン酸が配合され、粉体
塗料が調製されている。被塗装物に対して粉体塗料を付
着させた後、粉体塗料を加熱し、粉体塗料を溶融させる
ことにより塗膜を形成させるとともに、硬化剤を溶融し
て硬化反応を進行させて塗膜を硬化している。
【0004】特開2000−336147号公報では、
種類の異なる多価カルボン酸を加熱して融解するか、あ
るいは溶剤中で加熱溶解して液体の状態で混合し、硬化
剤組成物とする方法が提案されている。このような方法
によれば、融点の低い硬化剤組成物とすることができ、
熱硬化性粉体塗料の硬化剤として用いた場合に、塗膜外
観に優れた粉体塗料とすることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにして得られた硬化剤組成物に粉体塗料用の樹脂を混
合した場合に、硬化剤が高い凝集性を有するため、硬化
剤を混合した塗料樹脂ペーストの粘度が高くなり、生産
性を高めることができないという問題があった。また、
硬化剤の樹脂中での分散性が良くないため、塗膜の平滑
性が十分に得られない場合があった。
【0006】本発明の目的は、粉体塗料の主樹脂と溶液
状態で混合した場合に、その粘度を低くすることがで
き、かつ塗膜外観が良好な熱硬化性粉体塗料を与えるこ
とができる粉体塗料用硬化剤組成物及びその製造方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の粉体塗料用硬化
剤組成物は、室温で固体である多価カルボン酸化合物
(A)と、炭素数4〜20のアルキル基及び/またはア
ルキレンユニットを側鎖に含み、かつ1分子中に2以上
のカルボキシル基を含み、数平均分子量が1000〜1
0000であるアクリル樹脂からなる添加樹脂(B)と
を含むことを特徴としている。
【0008】本発明の粉体塗料用硬化剤組成物におい
て、添加樹脂(B)は、多価カルボン酸化合物(A)に
対して分散剤として作用し、多価カルボン酸化合物
(A)の分散性を高める。従って、粉体塗料の樹脂と溶
液状態で混合した場合に、その粘度を低下させることが
できる。このため、作業性等が良好となり、生産性を高
めることができる。
【0009】また、粉体塗料の主樹脂に配合した場合
に、添加樹脂(B)が、多価カルボン酸化合物(A)を
樹脂中に良好な状態で分散させるため、塗膜の平滑性が
良好となり、塗膜外観に優れた熱硬化性粉体塗料とする
ことができる。
【0010】添加樹脂(B)は、炭素数4〜20のアル
キル基及び/またはアルキレンユニットを側鎖に有して
おり、この部分が多価カルボン酸化合物(A)に対して
親和性を示すものと思われる。また、添加樹脂(B)は
アクリル樹脂の骨格構造を有しているため、粉体塗料の
樹脂に対して親和性を有するものと思われる。このた
め、添加樹脂(B)は、多価カルボン酸化合物(A)に
対して分散剤として作用し、粉体塗料の樹脂中における
多価カルボン酸化合物(A)の分散性を高める働きを有
する。
【0011】また、添加樹脂(B)は、1分子中に2以
上のカルボキシル基を含んでいるので、硬化剤としても
機能し、塗膜の架橋密度を向上させる。以下、添加樹脂
(B)及び多価カルボン酸化合物(A)について詳細に
説明する。
【0012】<添加樹脂(B)>添加樹脂(B)の側鎖
に含まれるアルキル基及び/またはアルキレンユニット
は、直鎖状、分岐状または環状のいずれであってもよ
い。炭素数が3以下であると、多価カルボン酸化合物
(A)を分散させる効果が十分に得られない。また、炭
素数21以上のものは一般に工業的に製造するのが困難
である。
【0013】添加樹脂(B)の数平均分子量は1000
〜10000であり、好ましくは2000〜8000で
ある。数平均分子量が小さすぎると、多価カルボン酸化
合物(A)を分散させる効果が十分に得られない場合が
ある。また数平均分子量が大きすぎると、塗膜外観に悪
影響を生じる場合がある。
【0014】添加樹脂(B)の硬化剤組成物中の含有量
は、硬化剤組成物の固形分中1〜60重量%であること
が好ましく、さらに好ましくは3〜50重量%であり、
さらに好ましくは5〜40重量%である。添加樹脂
(B)の含有量が少なすぎると、本発明の効果が十分に
得られない場合がある。また、含有量が多すぎると、塗
膜外観及び塗膜の架橋性に問題を生じる場合がある。
【0015】添加樹脂(B)の酸価は、10〜150m
gKOH/gであることが好ましく、さらに好ましくは
10〜90mgKOH/gである。酸価が低すぎると、
塗膜の架橋密度が十分に向上しない場合があり、酸価が
高すぎると、硬化性が低下したり、膜性能が低下する等
の問題が生じる。
【0016】添加樹脂(B)は、アルキル基及び/また
はアルキレンユニットを添加樹脂(B)中に2〜50重
量%含んでいることが好ましい。このような範囲内とす
ることにより、多価カルボン酸化合物(A)を分散する
効果がより高く得られる。
【0017】添加樹脂(B)のTgは、特に限定される
ものではないが、例えば−30〜100℃であることが
好ましく、さらに好ましくは−20〜70℃である。T
gが低すぎると、粉体塗料を製造する際に問題を生じる
場合があり、Tgが高すぎると、塗膜外観に問題が生じ
る場合がある。
【0018】本発明におけるTgは、示差走査型熱量計
(DSC)などの当業者によってよく知られた測定器を
用いて求めることができる。また、共重合体を構成する
既知のTgを有するモノマーの配合比から求めることも
可能である。
【0019】添加樹脂(B)のSP値は、特に限定され
るものではないが、一般に9〜12の範囲であることが
好ましく、さらに好ましくは9〜11の範囲である。S
P値が低すぎると、主樹脂との相溶性が低下し、塗料製
造時に問題が発生する。また、SP値が高すぎても、主
樹脂との相溶性の低下、製造時の問題、及び膜物性の低
下が生じる可能性がある。
【0020】本発明におけるSP値は、濁度法などの当
業者によってよく知られた方法によって求めることがで
きる。添加樹脂(B)が側鎖にアルキレンユニットを有
する場合には、アルキレンユニットの末端にカルボキシ
ル基が結合されていることが好ましい。
【0021】本発明における添加樹脂(B)は、例え
ば、側鎖に第1の官能基を有するアクリル樹脂(b1)
と、炭素数4〜20のアルキル基及び/またはアルキレ
ンユニットを有し、かつ第1の官能基と反応する第2の
官能基を有する化合物(b2)とを反応させて得ること
ができる。
【0022】第1の官能基と第2の官能基の組み合わせ
としては、エポキシ基とカルボキシル基または酸無水物
基、ヒドロキシル基とカルボキシル基または酸無水物
基、及びヒドロキシル基とイソシアネート基などの組み
合わせを挙げることができる。これらの中でも、エポキ
シ基とカルボキシル基または酸無水物基との組み合わせ
が、反応の容易性及びカルボキシル基の導入の観点から
好ましく用いられる。特に、第1の官能基がエポキシ基
であり、第2の官能基がカルボキシル基または酸無水物
基であることが好ましい。
【0023】化合物(b2)が第2の官能基としてカル
ボキシル基または酸無水物基を有する化合物である場
合、化合物(b2)は、多価カルボン酸またはその無水
物であることが好ましい。特に、室温で固体の多価カル
ボン酸であることが好ましい。このような多価カルボン
酸としては、多価カルボン酸化合物(A)に用いること
ができる多価カルボン酸のうち、炭素数4〜20のアル
キレンユニットを有する多価カルボン酸が好ましく用い
られる。具体的には、デカンジカルボン酸、アジピン
酸、ジメチルコハク酸、セバチン酸、アゼライン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、1,11−ウンデカン酸、ドデ
カンジカルボン酸、ブラシル酸、ヘキサデカンカルボン
酸、3−iso−オクチルヘキサンジカルボン酸、シク
ロヘキサンジカルボン酸、ブタントリカルボン酸、ブタ
ンテトラカルボン酸、トリカルバリン酸等などが挙げら
れる。
【0024】また、多価アルコールと酸無水物との反応
によって得られる多価カルボン酸化合物を用いてもよ
い。このようなものとして、例えば、ブタンジオールと
コハク酸無水物から得られるブタンジオールスクシネー
ト、ヘキサンジオールとコハク酸無水物から得られるヘ
キサンジオールスクシネート、ノナンジオールとコハク
酸無水物から得られるノナンジオールスクシネート、及
びネオペンチルグリコールとトリメリット酸無水物とコ
ハク酸無水物との1対1対1付加物などが挙げられる。
【0025】化合物(b2)が、室温で固体の多価カル
ボン酸である場合、多価カルボン酸化合物(A)と同じ
化合物であることが好ましい。化合物(b2)が多価カ
ルボン酸である場合、多価カルボン酸のうちの1つのカ
ルボキシル基が、アクリル樹脂(b1)のエポキシ基と
反応し、他のカルボキシル基は未反応の状態で残存して
いることが好ましい。これにより、アルキレンユニット
の末端にカルボキシル基が結合した添加樹脂(B)とす
ることができる。
【0026】アクリル樹脂(b1)としては、第1の官
能基を有するモノマーと、他のモノマーとを共重合させ
たアクリル樹脂が挙げられる。第1の官能基がエポキシ
基である場合、アクリル樹脂(b1)は、エポキシ基含
有アクリル樹脂となる。このようなエポキシ基含有アク
リル樹脂は、エポキシ基含有モノマーと他のモノマーを
共重合させたアクリル樹脂である。エポキシ基含有モノ
マーとしては、例えば、グリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート、2−メチルグリシジルメタクリ
レート等を例示することができる。また、他のモノマー
としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレートとポリカプロラクトンと
の付加物(ダイセル化学工業社製、商品名:プラクセル
FMシリーズ)、ポリアルキレングリコールモノ(メ
タ)アクリレートなどの水酸基含有モノマー;並びに、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル
酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチ
ル、スチレン、ビニルトルエン、p−クロロスチレン等
の中性モノマーを例示することができる。エポキシ基含
有モノマー及び他のモノマーは、それぞれ2種以上用い
てもよい。
【0027】上述のように、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレートなどのような水酸基含有モノマーを共重合す
ることにより、アクリル樹脂(b1)の側鎖に水酸基を
導入することができる。このような水酸基に酸無水物を
反応させることにより、カルボキシル基を導入すること
ができる。添加樹脂(B)のカルボキシル基の数を増や
すことが必要な場合には、このような手法が有用であ
る。
【0028】<多価カルボン酸化合物(A)>本発明に
おける多価カルボン酸化合物(A)は、室温で固体状で
ある多価カルボン酸化合物である。本発明において、
「室温」は、25℃を意味し、「固体状」は、結晶性固
体及び非晶質固体の状態を含み、一定の体積と形状を有
している状態を意味する。
【0029】本発明における多価カルボン酸化合物
(A)としては、例えば、脂肪族多価カルボン酸、芳香
族多価カルボン酸、及び酸無水物を用いることができ
る。脂肪族多価カルボン酸としては、例えば、デカンジ
カルボン酸、アジピン酸、マレイン酸、マロン酸、エチ
ルマロン酸、ブチルマロン酸、ジメチルマロン酸、コハ
ク酸、メチルコハク酸、ジメチルコハク酸、グルタル
酸、メチルグルタル酸、ジメチルグルタル酸、セバチン
酸、アゼライン酸、ピメリン酸、スベリン酸、1,11
−ウンデカン酸、ドデカンジカルボン酸、ブラシル酸、
ヘキサデカンカルボン酸、3−iso−オクチルヘキサ
ンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ブタン
トリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、クエン酸、
トリカルバリン酸等を例示することができる。
【0030】また、芳香族多価カルボン酸としては、例
えば、フタル酸等を例示することができる。また、酸無
水物としては、例えば、コハク酸無水物、テトラヒドロ
無水フタル酸、フタル酸無水物等を挙げることができ
る。
【0031】また、化合物(b2)において説明した、
多価アルコールと酸無水物との反応によって得られる多
価カルボン酸化合物を用いることもできる。また、本発
明においては、多価カルボン酸化合物(A)として、室
温で結晶性固体である多価カルボン酸(a1)と、該多
価カルボン酸(a1)と異なるカルボン酸(a2)とを
含み、多価カルボン酸化合物(A)の融点が、多価カル
ボン酸(a1)の融点またはカルボン酸(a2)の融点
よりも低いものを用いることが好ましい。このような多
価カルボン酸化合物(A)としては、特開2000−3
36147号公報に開示された硬化剤組成物を用いるこ
とができる。
【0032】多価カルボン酸(a1)としては、上述の
脂肪族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸、及び無
水物、並びに多価アルコールと酸無水物との反応によっ
て得られる多価カルボン酸化合物などが挙げられる。ま
た、カルボン酸(a2)としては、多価カルボン酸(a
1)に用いられるものとして挙げた化合物のうち、使用
する多価カルボン酸(a1)と異なる多価カルボン酸
や、モノカルボン酸などを挙げることができる。モノカ
ルボン酸としては、ラウリル酸、ステアリル酸、及び8
−エチルオクタデカン酸等の脂肪族モノカルボン酸、ノ
ナンジオールとヘキサヒドロフタル酸無水物との1対2
付加物等の室温で液状のものも用いることができる。
【0033】多価カルボン酸(a1)とカルボン酸(a
2)とを含む多価カルボン酸化合物(A)は、その融点
が、多価カルボン酸(a1)の融点またはカルボン酸
(a2)の融点よりも低いものであることが好ましい。
さらには、その融点が、多価カルボン酸(a1)及びカ
ルボン酸(a2)のそれぞれの融点よりも低いことが好
ましい。
【0034】多価カルボン酸(a1)とカルボン酸(a
2)との重量比は、50:50〜99:1の範囲内であ
ることが好ましい。多価カルボン酸(a1)の重量比が
50より少ないと、多価カルボン酸化合物(A)が室温
で固体状とならないおそれがある。また、99より多い
と、塗料に配合した場合に、得られる塗膜の外観向上が
十分でない場合がある。
【0035】また、多価カルボン酸(a1)とカルボン
酸(a2)を含む多価カルボン酸化合物(A)の融点
は、60〜180℃であることが好ましく、80〜15
0℃であることがさらに好ましい。融点が低すぎると、
貯蔵安定性が低下するおそれがあり、融点が高すぎる
と、得られる塗膜の平滑性及び外観が十分でないおそれ
がある。
【0036】多価カルボン酸(a1)とカルボン酸(a
2)を含む多価カルボン酸化合物(A)は、多価カルボ
ン酸(a1)とカルボン酸(a2)とを混合することに
より製造することができる。好ましい混合方法の1つ
は、多価カルボン酸(a1)とカルボン酸(a2)とを
適当な溶媒中で加熱溶解させることにより混合した後、
これを冷却して固化させる方法である。他の好ましい混
合方法は、多価カルボン酸(a1)及びカルボン酸(a
2)を加熱して溶融し互いに混合した後、これを冷却し
て固化させる方法である。いずれの方法においても、多
価カルボン酸化合物(A)が有機溶剤中の分散液である
場合には、サンドグラインドミルなどで湿式粉砕して用
いることが好ましい。また、多価カルボン酸(a1)と
カルボン酸(a2)を有機溶剤に分散させ、これをサン
ドグラインドミルなどで湿式粉砕し、それぞれの粒径を
小さくすることによって、多価カルボン酸(a1)とカ
ルボン酸(a2)が混合された多価カルボン酸化合物
(A)としてもよい。これらの方法の詳細については、
特開2000−336147号公報に開示されている。
【0037】<硬化剤組成物の製造方法>本発明の粉体
塗料用硬化剤組成物の製造方法は、上記多価カルボン酸
化合物(A)と、上記添加樹脂(B)とを混合すること
を特徴としている。
【0038】混合方法としては、多価カルボン酸化合物
(A)と添加樹脂(B)とを混合して加熱溶解させた
後、結晶化させることが好ましい。多価カルボン酸化合
物(A)と添加樹脂(B)の加熱溶解による混合は、両
者を同時に加熱溶融して混合した後、これを冷却固化さ
せてもよいし、両者を適当な溶媒中で加熱溶解させるこ
とにより混合した後、これを冷却して固化させてもよ
い。溶解させる適当な溶媒としては、例えば、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂環式
炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジク
ロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、エチルエーテ
ル、イソプロピルエーテル、アニソール、ジオキサン、
テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチル
イソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサ
ノン、アセトフェノン、イソフォロン等のケトン類、酢
酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、石油エーテル、
石油ベンジンなどを例示することができる。
【0039】多価カルボン酸化合物(A)を上記アクリ
ル樹脂(b1)と化合物(b2)との反応により調製す
る場合、本発明の粉体塗料用硬化剤組成物の製造方法
は、アクリル樹脂(b1)と化合物(b2)とを反応さ
せて添加樹脂(B)を調製する工程と、添加樹脂(B)
と多価カルボン酸化合物(A)とを混合して加熱溶解さ
せた後、結晶化させる工程とを備えている。
【0040】また、アクリル樹脂(b1)が水酸基を側
鎖に有しており、この水酸基に酸無水物を反応させる場
合、アクリル樹脂(b1)と化合物(b2)を反応させ
た後、酸無水物を反応させて添加樹脂(B)を調製する
工程と、添加樹脂(B)と多価カルボン酸化合物(A)
とを混合して加熱溶解させた後、結晶化させる工程とを
備えている。
【0041】アクリル樹脂(b1)が側鎖にエポキシ基
を有するアクリル樹脂である場合、化合物(b2)とし
て、多価カルボン酸化合物(A)を用いることができ
る。すなわち、炭素数4〜20のアルキレンユニットを
有する多価カルボン酸化合物を、化合物(b2)として
用いることができる。この場合、以下の(イ)及び
(ロ)の2つの製造方法が挙げられる。
【0042】(イ)アクリル樹脂(b1)と、化合物
(b2)としての多価カルボン酸化合物(A)とを反応
させて添加樹脂(B)を調製した後、未反応の多価カル
ボン酸化合物(A)を取り除く方法。未反応の多価カル
ボン酸化合物(A)は、通常、添加樹脂(B)が含まれ
た樹脂溶液を冷却することにより、固化させることがで
き、この固化した未反応の多価カルボン酸化合物(A)
を遠心分離や濾過等の方法により取り除くことができ
る。この方法では、未反応の多価カルボン酸化合物
(A)を取り除いた後、これに多価カルボン酸化合物
(A)を混合して、本発明の硬化剤組成物を製造する。
新たに添加する多価カルボン酸化合物(A)は、添加樹
脂(B)を調製する際に用いた多価カルボン酸化合物
(A)と同じであってもよいし、異なるものであっても
よい。
【0043】(ロ)アクリル樹脂(b1)と、化合物
(b2)としての多価カルボン酸化合物(A)とを反応
させて添加樹脂(B)を調製した後、未反応の多価カル
ボン酸化合物(A)を取り除かずにそのまま添加樹脂
(B)と混合された状態で硬化剤組成物中の多価カルボ
ン酸化合物(A)として用いる。この方法では、未反応
の多価カルボン酸化合物(A)を取り除かずに、未反応
の多価カルボン酸化合物(A)を、添加樹脂(B)と混
合させる多価カルボン酸化合物(A)として用いる。従
って、この方法によれば、未反応の多価カルボン酸化合
物(A)を取り除く工程及び新たに添加する工程が不要
となり、製造工程を簡略化することができる。
【0044】なお、(ロ)の方法では、未反応の多価カ
ルボン酸化合物(A)を取り除かずにそのまま含有させ
た状態で、さらに多価カルボン酸化合物(A)を添加し
てもよい。添加する多価カルボン酸化合物(A)は、未
反応の多価カルボン酸化合物(A)と同じ化合物であっ
てもよいし、異なる化合物であってもよい。
【0045】本発明の硬化剤組成物は、好ましくは、添
加樹脂(B)を含む樹脂溶液に、多価カルボン酸化合物
(A)が含まれた溶液状のものである。この溶液状の硬
化剤組成物に、粉体塗料の主樹脂及びその他の添加剤を
添加して有機溶剤溶液を調製し、これを用いて湿式法に
より熱硬化性粉体塗料を製造することが好ましい。湿式
法は、塗料成分を含んだ有機溶剤溶液を水中に分散し、
分散相中の有機溶媒を留去することにより分散相を固化
して粉体塗料粒子を製造する方法である。具体的には、
特開2001−64574号公報等に開示された水溶性
高分子の水溶液を用いる湿式法を用いることができる。
【0046】なお、本発明の硬化剤組成物が配合される
粉体塗料の製造は、上記湿式法に限定されるものではな
く、従来から粉体塗料を製造する方法として一般に知ら
れている乾式法で製造してもよい。すなわち、粉体塗料
の原料を混合した後、樹脂の硬化反応が進行しない温度
でこの混合物を加熱して溶融混練し、得られた樹脂組成
物を粉砕・分級して粉体塗料を製造してもよい。この場
合、本発明の硬化剤組成物は、有機溶剤を留去した状態
で用いられる。
【0047】<粉体塗料の主樹脂>本発明の硬化剤組成
物が配合される粉体塗料の主樹脂は、エポキシ基を有す
るアクリル樹脂であることが好ましい。また、数平均分
子量1000〜5000、ガラス転移温度(Tg)20
〜100℃であることが好ましい。
【0048】数平均分子量が1000未満であると、耐
ブロッキング性が低下するおそれがあり、5000より
大きいと、得られる塗膜の平滑性が低下するおそれがあ
る。ガラス転移温度が20℃未満であると、耐ブロッキ
ング性が低下するおそれがあり、100℃より高いと、
得られる塗膜の平滑性が低下するおそれがある。
【0049】エポキシ基を有するアクリル樹脂は、上記
のアクリル樹脂(b1)と同様に、エポキシ基含有モノ
マーと他のモノマーを共重合することにより得ることが
できる。エポキシ基含有モノマー及び他のモノマーとし
ては、上記と同様のものを用いることができる。
【0050】SP値は、特に限定されるものではない
が、通常9.0〜12.0であることが好ましく、さら
に好ましくは9.0〜11.0である。粉体塗料の主樹
脂と本発明の硬化剤組成物の配合割合は、粉体塗料組成
物中に含まれるカルボン酸基の総量/エポキシ基の総量
のモル比が、5/10〜11/10となるように配合さ
れることが好ましく、さらに好ましくは7/10〜10
/10である。配合割合が、これらの範囲外であると、
得られた塗膜の硬化性が悪くなる場合がある。
【0051】<添加剤>粉体塗料組成物には、着色成分
を含ませることができる。なお、粉体塗料組成物を、ク
リヤ塗料として用いる場合、着色成分を含まなくてもよ
いし、透明性が低下しない程度に着色成分を含んでいて
もよい。着色成分としては、着色顔料の他、染料等が挙
げられる。具体的には、二酸化チタン、ベンガラ、黄色
酸化鉄、カーボンブラック、フタロシアニン系顔料、キ
ナクリドン系顔料、アゾ系顔料などの着色顔料及び染料
などが挙げられる。
【0052】また、粉体塗料組成物には、必要に応じ
て、粉体塗料の分野において通常用いられている各種添
加剤を添加することができる。これらの添加剤として
は、例えば、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、沈降性
硫酸バリウムなどの体質顔料、流動性付与剤、ジメチル
シリコーンなどの表面調整剤、ベンゾインなどの発泡防
止剤、硬化促進剤、可塑剤、帯電制御剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、顔料分散剤、難燃剤などが挙げられ
る。
【0053】
【発明の実施の形態】本発明に従う好ましい実施形態の
1つにおいては、上述のように、添加樹脂(B)は、ア
クリル樹脂(b1)に、化合物(b2)を反応させて得
ることができる。以下、このようにして得られる添加樹
脂(B)について説明する。
【0054】(化1)には、アクリル樹脂(b1)とし
て、グリシジルメタクリレートと2−ヒドロキシエチル
アクリレートとその他のモノマーを共重合させたアクリ
ル樹脂を示している。また、化合物(b2)として、デ
カンジカルボン酸を示している。従って、アクリル樹脂
(b1)は、側鎖にエポキシ基と水酸基を有している。
また、化合物(b2)は、炭素数8のアルキレンユニッ
トを含み、その両端にカルボキシル基を有している。
【0055】
【化1】
【0056】(化1)において、アクリル樹脂の側鎖の
エポキシ基に、デカンジカルボン酸の一方のカルボキシ
ル基を反応させることにより、以下の(化2)に示すア
クリル樹脂が得られる。
【0057】
【化2】
【0058】(化2)に示すように、エポキシ基とジカ
ルボン酸の一方のカルボキシル基が反応することによ
り、アクリル樹脂の側鎖に炭素数8のアルキレンユニッ
トが導入され、このアルキレンユニットの末端にカルボ
キシル基が結合している。アルキレンユニットの末端の
カルボキシル基が他のエポキシ基と反応しないように、
アクリル樹脂とジカルボン酸のそれぞれの量が調整され
る。(化2)に示すアクリル樹脂は、炭素数8のアルキ
レンユニットを側鎖に有しており、アルキレンユニット
の末端にカルボキシル基を有しているので、本発明にお
ける添加樹脂(B)として用いることができる。
【0059】(化2)に示すように、アクリル樹脂に
は、2−ヒドロキシエチルアクリレートを共重合させた
ことにより、その側鎖に水酸基が導入されている。この
水酸基に酸無水物を反応させることにより、アクリル樹
脂にカルボキシル基を導入することができる。例えば、
(化3)に示す無水コハク酸を反応させることにより、
(化4)に示すアクリル樹脂が得られる。
【0060】
【化3】
【0061】
【化4】
【0062】(化4)に示すアクリル樹脂も、本発明に
おける添加樹脂(B)として用いることができるもので
ある。アクリル樹脂のカルボキシル基の数を増やしたい
場合に、上記反応を用いることができる。
【0063】(化2)及び(化4)に示す添加樹脂は、
炭素数8のアルキレンユニットを有している。このアル
キレンユニットが、多価カルボン酸化合物(A)と親和
性を示す。ジカルボン酸として、多価カルボン酸化合物
(A)と同じ化合物を用いれば、特に良好な親和性が得
られる。また、主鎖の骨格は、アクリル樹脂であるの
で、この部分は粉体塗料の主樹脂と親和性を示す。従っ
て、本発明における添加樹脂(B)は、多価カルボン酸
化合物(A)の分散剤として働き、多価カルボン酸化合
物(A)を粉体塗料の主樹脂中に良好に分散させること
ができる。また、粉体塗料の主樹脂と溶液状態で混合し
た時に、その粘度を低くすることができ、このため作業
性に優れ、生産性を高めることができる。
【0064】また、(化2)及び(化4)に示すよう
に、添加樹脂(B)にカルボキシル基が含まれているの
で、添加樹脂(B)自身も硬化剤として働く。従って、
塗膜の架橋性を低減させることなく、多価カルボン酸化
合物(A)を粉体塗料中に均一に分散させることができ
る。
【0065】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例により説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0066】〔製造例1〕主樹脂C−1の作製 撹拌装置、温度調節器、及び還流管を備えた反応容器
に、キシレン63重量部を仕込み、これを130℃に加
熱し、窒素雰囲気下で3時間かけて、以下のモノマー混
合物を滴下した。
【0067】 グリシジルメタクリレート 40重量部 スチレン 6重量部 メチルメタクリレート 52重量部 イソブチルメタクリレート 2重量部 tブチルパーオクトエート 7重量部 滴下後3時間保温して、樹脂溶液(固形分60重量%)
を得た。
【0068】樹脂溶液の一部を減圧下で加熱してキシレ
ンを留去し、固体の樹脂を得た。この樹脂のガラス転移
温度(Tg)を示差走査型熱量計(DSC)で測定した
ところ、50℃であった。また、濁度法で測定したSP
値は10.8であった。また、GPC(ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー)で測定した数平均分子量は
3500であった。
【0069】〔製造例2〕主樹脂D−1の作製 撹拌装置、温度調節器、及び還流管を備えた反応容器
に、キシレン63重量部を仕込み、これを130℃に加
熱し、窒素雰囲気下で3時間かけて、以下のモノマー混
合物を滴下した。
【0070】 グリシジルメタクリレート 45重量部 スチレン 4重量部 メチルメタクリレート 17重量部 イソブチルメタクリレート 34重量部 tブチルパーオクトエート 7重量部 滴下後3時間保温して、樹脂溶液(固形分60重量%)
を得た。
【0071】樹脂溶液の一部を減圧下で加熱し、キシレ
ンを留去して固体の樹脂を得た。得られた樹脂につい
て、製造例1と同様にしてTg、SP値、及び数平均分
子量を測定した。得られた樹脂のTgは32℃であり、
SP値は10.4であり、数平均分子量は3500であ
った。
【0072】〔実施例1〕硬化剤組成物A−1の作製 (添加樹脂前駆体の作製)撹拌装置、温度調節器、及び
還流管を備えた反応容器に、キシレン63重量部を仕込
み、これを130℃に加熱し、窒素雰囲気下で3時間か
けて、以下のモノマー混合物を滴下した。
【0073】 グリシジルメタクリレート 36重量部 スチレン 25重量部 メチルメタクリレート 6重量部 イソブチルメタクリレート 33重量部 tブチルパーオクトエート 14重量部 滴下後3時間保温した後、室温まで冷却し、樹脂溶液
(固形分60重量%)を得た。得られた樹脂溶液の一部
を減圧下で加熱してキシレンを留去し、固体の樹脂を得
た。この樹脂のガラス転移温度(Tg)を示差走査型熱
量計(DSC)で測定したところ、50℃であった。ま
た、濁度法で測定したSP値は10.0であった。ま
た、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー)で測定した数平均分子量は2000であった。
【0074】(添加樹脂及び硬化剤組成物の作製)撹拌
装置、温度調節器、及び還流管を備えた反応容器に、キ
シレン100重量部と1,10−デカンジカルボン酸
(以下、「デカンジカルボン酸」と略記する)28.5
重量部を仕込み、120℃に加熱してデカンジカルボン
酸をキシレンに溶解させた。この中に、上記の樹脂溶液
17.5重量部(固形分10.0重量部に相当)を、窒
素雰囲気下で1時間かけて滴下した。その後2時間撹拌
した後冷却した。この冷却により、未反応のデカンジカ
ルボン酸が固化して析出した。これを固形分25重量%
に調整した後、サンドグラインドミルで湿式粉砕するこ
とにより、デカンジカルボン酸が分散し、かつ添加樹脂
を含む本発明の硬化剤組成物A−1の溶液が得られた。
この硬化剤組成物の溶液の一部を用いて、デカンジカル
ボン酸を遠心分離で除去した後、溶剤を留去することに
より固体状の添加樹脂を得た。得られた添加樹脂のTg
は−10℃、SP値は10.6、数平均分子量は400
0、酸価は89.8mgKOH/gであった。また、添
加樹脂において、デカンジカルボン酸を反応させたこと
により導入されたアルキレンユニットの含有量は22.
4重量%であった。また、添加樹脂の硬化剤組成物(固
形分)中の含有量は、41.5重量%であった。
【0075】上記の硬化剤組成物の溶液の一部からキシ
レンを減圧で留去し、得られた固体状の硬化剤組成物に
ついて、DSCを用いて昇温条件5℃/分で融点を測定
したところ、100℃であった。
【0076】〔実施例2〕硬化剤組成物A−2の作製 (添加樹脂前駆体の作製)モノマー混合物を、表1に示
すモノマーの種類及びモノマー配合割合とする以外は、
実施例1と同様にして、樹脂溶液(固形分60重量%)
を得た。得られた樹脂の数平均分子量、Tg、及びSP
値は、表1に示すとおりである。
【0077】(添加樹脂及び硬化剤組成物の作製)実施
例1と同様にして、表2に示すジカルボン酸を反応さ
せ、添加樹脂を作製するとともに、硬化剤組成物A−2
を作製した。得られた添加樹脂の数平均分子量、Tg、
SP値、酸価、及びアルキレンユニット含有量は表2に
示すとおりである。また、得られた硬化剤組成物の融点
及び硬化剤組成物中の添加樹脂含有量は、表2に示すと
おりである。
【0078】〔実施例3〕硬化剤組成物A−3の作製 (添加樹脂前駆体の作製)撹拌装置、温度調節器、及び
還流管を備えた反応容器に、キシレン63重量部を仕込
み、これを130℃に加熱し、窒素雰囲気下で3時間か
けて、以下のモノマー混合物を滴下した。
【0079】 グリシジルメタクリレート 7重量部 スチレン 25重量部 メチルメタクリレート 27重量部 イソボルニルメタクリレート 31重量部 ヒドロキシエチルメタクリレート 10重量部 tブチルパーオクトエート 7重量部 滴下後3時間保温した後、室温まで冷却し、樹脂溶液
(固形分60重量%)を得た。
【0080】上記樹脂溶液の一部を減圧下で加熱するこ
とにより、キシレンを留去し、固体の樹脂を得た。この
樹脂のTgは77℃であり、SP値は9.9であり、数
平均分子量は3900であった。
【0081】(添加樹脂及び硬化剤組成物の作製)撹拌
装置、温度調節器、及び還流管を備えた反応容器に、キ
シレン100重量部とデカンジカルボン酸24重量部を
仕込み、窒素雰囲気下で120℃で加熱溶解した。次
に、上記樹脂溶液17.0重量部(固形分10.0重量
部に相当)を窒素雰囲気下で滴下した。3時間撹拌した
後、エポキシ当量を測定し、反応率97%以上であるこ
とを確認した。次に、無水コハク酸0.6重量部を添加
し、さらに4時間反応させた。赤外吸収スペクトルによ
り、無水コハク酸がほぼ0であることを確認した後冷却
した。この冷却により、未反応のデカンジカルボン酸が
固化して析出した。この硬化剤組成物の溶液の一部を用
いて、未反応のデカンジカルボン酸を遠心分離により除
去し、その後加熱してキシレンを留去し、固体の添加樹
脂を得た。この添加樹脂のTgは28℃であり、SP値
は10.4であり、数平均分子量は6000であり、酸
価は60.3mgKOH/gであった。また、アルキレ
ンユニット含有量は5.9重量%であった。
【0082】上記硬化剤組成物の溶液を固形分25重量
%に調整した後、サンドグラインドミルで湿式粉砕し、
硬化剤組成物A−3を得た。この硬化剤組成物A−3の
一部からキシレンを減圧して留去し、得られた固体状の
硬化剤組成物の融点を、DSCにより昇温条件5℃/分
で測定したところ、108℃であった。また、添加樹脂
の硬化剤組成物(固形分)中の含有量は、34.5重量
%であった。
【0083】〔実施例4〜6〕硬化剤組成物A−4〜A
−6の作製 (添加樹脂前駆体の作製)モノマー混合物を、表1に示
すモノマーの種類及びモノマー配合割合とする以外は、
実施例3と同様にして、樹脂溶液(固形分60重量%)
を得た。得られた樹脂の数平均分子量、Tg、及びSP
値は、表1に示すとおりである。なお、表1には実施例
1〜3を併せて示している。
【0084】
【表1】
【0085】(添加樹脂及び硬化剤組成物の作製)得ら
れた樹脂溶液を用い、実施例3と同様にして、表2に示
す種類及び割合のジカルボン酸を反応させた後、さらに
表2に示す割合の無水コハク酸を反応させ、添加樹脂を
作製した。得られたそれぞれの添加樹脂の数平均分子
量、Tg、SP値、酸価、及びアルキレンユニット含有
量は表2に示すとおりである。
【0086】また、得られた硬化剤組成物A−4〜A−
6の融点及び添加樹脂含有量は、表2に示すとおりであ
る。なお、表2には実施例1〜3を併せて示している。
【0087】
【表2】
【0088】〔実施例7〕硬化剤組成物A−7の作製 (添加樹脂前駆体の作製)実施例1と同様にして、添加
樹脂前駆体の樹脂溶液(固形分濃度60重量%)を作製
した。
【0089】(添加樹脂の作製)得られた添加樹脂前駆
体の樹脂溶液100重量部(固形分60重量部に相当)
に、デカンジカルボン酸292重量部を添加し、120
℃で加熱溶解させ、エポキシ当量を測定して反応率が9
7%以上であることを確認した後、冷却し、未反応のデ
カンジカルボン酸を固化して析出させた。析出したデカ
ンジカルボン酸を遠心分離により取り除き、その後さら
に脱溶剤することで、添加樹脂固形分量100重量%を
得た。添加樹脂のTgは−10℃であり、SP値は1
0.6であり、数平均分子量は4000であり、酸価は
89.8mgKOH/gであり、添加樹脂におけるアル
キレンユニットの含有量は22.4重量%であった。
【0090】(硬化剤組成物の作製)得られた添加樹脂
10重量部に、デカンジカルボン酸17.25重量部及
びセバチン酸5.25重量部をキシレン30重量部中に
添加混合し、120℃に加熱してこれらを溶液中に溶解
させた後、固化して結晶化させた。固形分を25重量%
に調整した後、サンドグラインドミルで湿式粉砕するこ
とにより、硬化剤組成物A−7を得た。
【0091】得られた硬化剤組成物A−7の一部からキ
シレンを減圧で留去し、得られた固体状の硬化剤組成物
の融点をDSCにより昇温条件5℃/分で測定したとこ
ろ、融点は108℃であった。また、添加樹脂の硬化剤
組成物(固形分)中の含有量は、30.8重量%であっ
た。
【0092】〔実施例8及び9〕硬化剤組成物A−8及
びA−9の作製 (添加樹脂前駆体の作製)モノマー混合物を、表3に示
すモノマーの種類及びモノマー配合割合とする以外は、
実施例1と同様にして、樹脂溶液(固形分濃度60重量
%)を得た。得られた樹脂の数平均分子量、Tg、及び
SP値は、表3に示すとおりである。
【0093】(添加樹脂の作製)実施例7と同様にし
て、表4に示す種類及び割合のジカルボン酸を反応さ
せ、添加樹脂を作製した。それぞれの添加樹脂の数平均
分子量、Tg、SP値、酸価、及びアルキレンユニット
含有量は表4に示すとおりである。
【0094】(硬化剤組成物の作製)得られた添加樹脂
に、表5に示す種類及び割合のジカルボン酸を添加する
以外は、実施例7と同様にして硬化剤組成物A−8及び
A−9を得た。得られた硬化剤組成物の融点及び添加樹
脂含有量は表5に示すとおりである。
【0095】〔実施例10〕硬化剤組成物A−10の作
製 (添加樹脂前駆体の作製)実施例3と同様にして、添加
樹脂前駆体の樹脂溶液(固形分濃度60重量%)を作製
した。
【0096】(添加樹脂の作製)撹拌装置、温度調節
器、還流管を備えた反応容器に、キシレン100重量部
とデカンジカルボン酸35重量部を仕込み、窒素雰囲気
下120℃に加熱してキシレンにデカンジカルボン酸を
溶解した。次に、上記添加樹脂前駆体の樹脂溶液170
重量部(固形分102重量部に相当)を窒素雰囲気下で
滴下した。3時間撹拌した後、エポキシ当量を測定し、
反応率97%以上であることを確認した。次に、無水コ
ハク酸6重量部を添加し、さらに4時間反応させた。赤
外吸収スペクトルにより、無水コハク酸がほぼ0である
ことを確認した後冷却し、未反応のデカンジカルボン酸
を固化して析出させた。この未反応のカルボン酸を遠心
分離により取り除き、その後さらに脱溶剤することで、
添加樹脂固形分100重量%を得た。添加樹脂のTgは
28℃であり、SP値は10.4であり、数平均分子量
は6000であり、酸価は60.3mgKOH/gであ
り、添加樹脂におけるアルキレンユニットの含有量は
5.6重量%であった。
【0097】(硬化剤組成物の作製)得られた添加樹脂
10重量部に、デカンジカルボン酸22.5重量部及び
セバチン酸5.25重量部を添加して混合し、120℃
に加熱して溶解させた後、冷却して結晶化させた。これ
を固形分25重量%となるように調整した後、サンドグ
ラインドミルにて湿式粉砕して、硬化組成物A−10を
得た。この硬化剤組成物A−10の一部からキシレンを
減圧で留去し、得られた固体状の硬化剤組成物の融点を
DSCにより昇温条件5℃/分で測定したところ、10
8℃であった。また、添加樹脂の硬化剤組成物(固形
分)中の含有量は、30.8重量%であった。
【0098】〔実施例11〜13〕硬化剤組成物A−1
1〜A−13の作製 (添加樹脂前駆体の作製)モノマー混合物を、表3に示
すモノマーの種類及びモノマー配合割合とする以外は、
実施例1と同様にして、樹脂溶液(固形分濃度60重量
%)を得た。得られた樹脂の数平均分子量、Tg、及び
SP値は、表3に示すとおりである。なお、表3には、
実施例7〜10も併せて示している。
【0099】
【表3】
【0100】(添加樹脂の作製)実施例10と同様にし
て、表4に示す種類及び割合のジカルボン酸を反応させ
た後、表4に示す割合の無水コハク酸を反応させ、その
後過剰の固体酸の除去及び脱溶剤を行うことで、添加樹
脂(固形分100重量%)を作製した。
【0101】得られたそれぞれの添加樹脂の数平均分子
量、Tg、SP値、酸価、及びアルキレンユニット含有
量を表4に示す。なお、表4には、実施例7〜10も併
せて示している。
【0102】
【表4】
【0103】(硬化剤組成物の作製)得られた添加樹脂
に対して、実施例10と同様にして、表5に示す種類及
び割合のジカルボン酸をそれぞれ添加して、硬化剤組成
物A−11〜A−13を作製した。得られた硬化剤組成
物の融点及び添加樹脂含有量は表5に示すとおりであ
る。
【0104】
【表5】
【0105】〔実施例の塗料ペーストの作製〕実施例1
〜13で得られた硬化剤組成物A−1〜A−13に、表
6に示す割合(固形分)となるように主樹脂C−1及び
/または主樹脂D−1を添加混合して、塗料ペーストを
作製した。固形分を45重量%に調整した後、塗料ペー
ストの粘度をE型粘度計(25℃、5rpm)で測定し
た。また、回転数を変えてキャッソンプロットにより、
降伏値を求めた。粘度及び降伏値を表6に示す。
【0106】〔比較例の塗料ペーストの作製〕以下に示
す配合割合で、比較例の塗料ペーストを作製した。 樹脂C−1(固形分60重量%) 129.3重量部 デカンジカルボン酸 17.25重量部 セバチン酸 5.25重量部 具体的には、デカンジカルボン酸17.25重量部及び
セバチン酸5.25重量部を混合した後、セパラブルフ
ラスコに入れ、窒素雰囲気下で120℃で加熱溶融させ
た。得られた固体を、キシレンに分散し、固形分25重
量%となるように調整し、サンドグラインドミルで湿式
粉砕して硬化剤組成物とした。得られた硬化剤組成物の
一部からキシレンを留去し、融点を測定したところ、1
10℃であった。
【0107】この硬化剤組成物に、樹脂C−1を12
9.3重量部(固形分77.6重量部に相当)混合し、
塗料ペーストとした。この塗料ペーストを固形分45重
量%に調整した後、粘度をE型粘度計(25℃、50r
pm)で測定した。また、回転数を変えてキャッソンプ
ロットにより、降伏値を測定した。未反応及び降伏値を
表6に示す。
【0108】
【表6】
【0109】表6に示す結果から、本発明に従う各実施
例の硬化剤組成物を用いた塗料ペーストは、比較例の塗
料ペーストを用いた場合に比べ、粘度及び降伏値が低い
ことがわかる。従って、本発明の硬化剤組成物を用いる
ことにより、粉体塗料の樹脂と溶液状態で混合した場合
に、その粘度を低減できることがわかる。このため、本
発明によれば作業性が良好になり、生産性を高めること
ができる。
【0110】〔熱硬化性粉体クリヤ塗料の作製〕以上の
ようにして得られた実施例1〜13及び比較例の塗料ペ
ーストに、以下の配合割合で、表面調整剤、ベンゾイ
ン、紫外線吸収剤、及び酸化防止剤を配合し、これをサ
ンドグラインドミルで湿式混合して、熱硬化性樹脂溶液
を調製した。
【0111】 塗料ペースト(固形分45重量%) 145重量部 シリコン系表面調整剤 0.1重量部 ベンゾイン 0.75重量部 紫外線吸収剤 1.2重量部 酸化防止剤 1.0重量部 ポリビニルアルコール(日本合成化学社製、商品名「ゴ
ーセノールGH−20」、ケン化度88%)15.5重
量部をイオン交換水192重量部に溶解し、高分子水溶
液を調製し、この高分子水溶液に上記の熱硬化性樹脂溶
液を添加した。これをホモジナイザーにより混合するこ
とにより、懸濁液を調製した。この懸濁液にイオン交換
水270重量部を加えて希釈し、これを反応容器に移し
た。懸濁液を30Torrまで減圧した後、35℃まで
加熱した。その後さらに140Torrまで減圧した
後、60℃まで加熱し、分散相中の溶剤を完全に留去し
た。この懸濁液を冷却した後、得られた粒子を吸引濾過
し、次に真空乾燥機を用いて30℃で乾燥して、熱硬化
性粉体クリヤ塗料を得た。
【0112】得られた各実施例及び比較例の粉体塗料の
体積平均粒子径及び個数平均粒子径を、コールターカウ
ンター(コールターエレクロトロニクス社製)で測定し
た。測定結果を表7に示す。
【0113】
【表7】
【0114】〔塗膜の作製及び評価〕以上のようにして
得られた各実施例及び比較例の熱硬化性粉体クリヤ塗料
を用いて、塗膜を作製した。
【0115】中塗りを施した基板上に、水性メタリック
ベース塗料(日本ペイント社製、商品名「スーパーラッ
クM260シルバー」を乾燥膜厚が10〜20μmとな
るように静電塗装し、80℃の熱風乾燥炉で10分間予
備乾燥した。基板を室温まで冷却した後、各実施例及び
比較例の粉体塗料を静電塗装し、140℃で25分間加
熱して、水性メタリックベース塗料とともに、粉体塗料
を硬化させた。これにより、膜厚40μmの粉体塗料の
塗膜が形成された。
【0116】得られた塗膜について、ウェーブスキャン
(BYKカードナー社製)を用いて、G値及びF値を測
定することにより塗膜外観を評価した。G値は小さい値
であることが好ましく、10以下が合格である。F値は
大きい値であることが好ましく、4.5以上が合格であ
る。
【0117】なお、中塗りを施した基板としては、リン
酸亜鉛処理したダル鋼板に、自動車用電着塗料(日本ペ
イント社製、商品名「パワートップV−6」)を乾燥膜
厚が約25μmとなるように電着塗装し、160℃で2
5分間焼き付けた後、中塗り塗料(日本ペイント社製、
商品名「オルガP−2」)を乾燥膜厚が約40μmとな
るように静電塗装し、140℃で25分間焼き付けて作
製したものを用いた。
【0118】各塗膜のG値及びF値を表8及び表9に示
す。
【0119】
【表8】
【0120】
【表9】
【0121】表8及び表9から明らかなように、本発明
に従う実施例の粉体塗料を用いて作製した塗膜において
は、G値が比較例に比べ小さくなっており、F値が比較
例に比べ高くなっている。従って、本発明に従う実施例
の粉体塗料を用いた場合には、表面の平滑な塗膜が得ら
れており、塗膜外観が良好であることがわかる。
【0122】
【発明の効果】本発明によれば、粉体塗料の主樹脂と溶
液状態で混合した場合に、その粘度を低くすることがで
き、生産性を高めることができる。また、本発明の硬化
剤組成物を用いて作製した粉体塗料は、塗膜外観が良好
である。
フロントページの続き (72)発明者 小島 健敬 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 Fターム(参考) 4J036 AK11 DB15 JA01 4J038 CG001 DB221 DB351 GA03 JA39 KA03 MA02

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)室温で固体である多価カルボン酸
    化合物と、 (B)炭素数4〜20のアルキル基及び/またはアルキ
    レンユニットを側鎖に含み、かつ1分子中に2以上のカ
    ルボキシル基を含み、数平均分子量が1000〜100
    00であるアクリル樹脂からなる添加樹脂とを含むこと
    を特徴とする粉体塗料用硬化剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記添加樹脂(B)の含有量が、硬化剤
    組成物の固形分中1〜60重量%であることを特徴とす
    る請求項1に記載の粉体塗料用硬化剤組成物。
  3. 【請求項3】 前記硬化剤組成物の融点が60〜180
    ℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の粉
    体塗料用硬化剤組成物。
  4. 【請求項4】 前記添加樹脂(B)が、前記アルキレン
    ユニットの末端にカルボキシル基を有することを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載の粉体塗料用硬
    化剤組成物。
  5. 【請求項5】 前記添加樹脂(B)の酸価が、10〜1
    50であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の粉体塗料用硬化剤組成物。
  6. 【請求項6】 前記添加樹脂(B)が、前記アルキル基
    及び/またはアルキレンユニットを2〜50重量%含ん
    でいることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に
    記載の粉体塗料用硬化剤組成物。
  7. 【請求項7】 前記多価カルボン酸化合物(A)が、室
    温で結晶性固体である多価カルボン酸(a1)と、該多
    価カルボン酸(a1)と異なるカルボン酸(a2)とを
    含み、多価カルボン酸化合物(A)の融点が、多価カル
    ボン酸(a1)の融点またはカルボン酸(a2)の融点
    よりも低いことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1
    項に記載の粉体塗料用硬化剤組成物。
  8. 【請求項8】 前記多価カルボン酸化合物(A)の融点
    が、多価カルボン酸(a1)及びカルボン酸(a2)の
    それぞれの融点よりも低いことを特徴とする請求項7に
    記載の粉体塗料用硬化剤組成物。
  9. 【請求項9】 前記添加樹脂(B)が、側鎖に第1の官
    能基を有するアクリル樹脂(b1)と、炭素数4〜20
    のアルキル基及び/またはアルキレンユニットを有し、
    かつ前記第1の官能基と反応する第2の官能基を有する
    化合物(b2)とを反応させて得られるものであること
    を特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の粉体
    塗料用硬化剤組成物。
  10. 【請求項10】 前記第1の官能基がエポキシ基であ
    り、前記第2の官能基がカルボキシル基または酸無水物
    基であることを特徴とする請求項9に記載の粉体塗料用
    硬化剤組成物。
  11. 【請求項11】 前記化合物(b2)が、多価カルボン
    酸またはその酸無水物であることを特徴とする請求項9
    または10に記載の粉体塗料用硬化剤組成物。
  12. 【請求項12】 前記化合物(b2)が、室温で固体で
    ある多価カルボン酸であることを特徴とする請求項9に
    記載の粉体塗料用硬化剤組成物。
  13. 【請求項13】 多価カルボン酸のうちの1つのカルボ
    キシル基がエポキシ基と反応し、他のカルボキシル基は
    未反応の状態で残存していることを特徴とする請求項1
    1〜12のいずれか1項に記載の粉体塗料用硬化剤組成
    物。
  14. 【請求項14】 前記化合物(b2)が、前記多価カル
    ボン酸化合物(A)と同じ化合物を含むことを特徴とす
    る請求項9〜13のいずれか1項に記載の粉体塗料用硬
    化剤組成物。
  15. 【請求項15】 前記アクリル樹脂(b1)がさらに水
    酸基を側鎖に有しており、該水酸基に酸無水物を反応さ
    せることにより、前記添加樹脂(B)にカルボキシル基
    が導入されていることを特徴とする請求項9〜14のい
    ずれか1項に記載の粉体塗料用硬化剤組成物。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれか1項に記載
    の粉体塗料用硬化剤組成物を製造する方法であって、 多価カルボン酸化合物(A)と添加樹脂(B)とを混合
    することを特徴とする粉体塗料用硬化剤組成物の製造方
    法。
  17. 【請求項17】 多価カルボン酸化合物(A)を、添加
    樹脂(B)に混合して加熱溶解させた後、結晶化させる
    ことを特徴とする請求項16に記載の粉体塗料用硬化剤
    組成物の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項9〜15のいずれか1項に記載
    の粉体塗料用硬化剤組成物を製造する方法であって、 アクリル樹脂(b1)と化合物(b2)とを反応させて
    添加樹脂(B)を調製する工程と、 添加樹脂(B)と多価カルボン酸化合物(A)とを混合
    して加熱溶解させた後、結晶化させる工程とを備えるこ
    とを特徴とする粉体塗料用硬化剤組成物の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項15に記載の粉体塗料用硬化剤
    組成物を製造する方法であって、 アクリル樹脂(b1)と化合物(b2)とを反応させた
    後、酸無水物を反応させて添加樹脂(B)を調製する工
    程と、 添加樹脂(B)と多価カルボン酸化合物(A)とを混合
    して加熱溶解させた後、結晶化させる工程とを備えるこ
    とを特徴とする粉体塗料用硬化剤組成物の製造方法。
  20. 【請求項20】 アクリル樹脂(b1)が側鎖にエポキ
    シ基を有するアクリル樹脂であり、化合物(b2)とし
    て多価カルボン酸化合物(A)を用いることを特徴とす
    る請求項18または19に記載の粉体塗料用硬化剤組成
    物の製造方法。
  21. 【請求項21】 化合物(b2)としての多価カルボン
    酸化合物(A)と、アクリル樹脂(b1)とを反応させ
    て添加樹脂(B)を調製した後、未反応の多価カルボン
    酸化合物(A)を取り除くことを特徴とする請求項20
    に記載の粉体塗料用硬化剤組成物の製造方法。
  22. 【請求項22】 化合物(b2)としての多価カルボン
    酸化合物(A)と、アクリル樹脂(b1)とを反応させ
    て添加樹脂(B)を調製した後、未反応の多価カルボン
    酸化合物(A)を取り除かずにそのまま添加樹脂(B)
    と混合された状態で硬化剤組成物中の多価カルボン酸化
    合物(A)として用いることを特徴とする請求項20に
    記載の粉体塗料用硬化剤組成物の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012131932A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Kohjin Co Ltd 水酸基含有の芳香族ビニル系重合体とその製造方法及びそれからなるポリスチレン系樹脂発泡性粒子、予備発泡粒子、発泡成形体
JP2017019977A (ja) * 2015-07-15 2017-01-26 味の素株式会社 エポキシ樹脂組成物の製造方法
WO2020159054A1 (ko) * 2019-01-28 2020-08-06 주식회사 케이씨씨 분체도료 조성물

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