JP2003342439A - ポリ塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

ポリ塩化ビニル系樹脂組成物

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JP2003342439A
JP2003342439A JP2002152463A JP2002152463A JP2003342439A JP 2003342439 A JP2003342439 A JP 2003342439A JP 2002152463 A JP2002152463 A JP 2002152463A JP 2002152463 A JP2002152463 A JP 2002152463A JP 2003342439 A JP2003342439 A JP 2003342439A
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Japan
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polyvinyl chloride
chloride resin
acrylate
polymerization
weight
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Application number
JP2002152463A
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English (en)
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Hiroyasu Hiratsuka
裕康 平塚
Hironobu Nakamura
裕信 中村
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 艶消しで、耐衝撃性、及び繰り返し疲労強度
に優れたポリ塩化ビニル系樹脂組成物の提供。 【解決手段】 ポリ塩化ビニル系樹脂にアクリル系共重
合体粒子がグラフトかつ分散されてなる構造を有するポ
リ塩化ビニル系グラフト共重合体樹脂100重量に対し
て、テトラヒドロフラン不溶ゲル分率が10〜40重量
%である部分架橋ポリ塩化ビニル樹脂1〜5重量部が添
加されてなるポリ塩化ビニル系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃性、機械的
強度に優れ、成形体が艶消しとなる塩化ビニル系樹脂組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビニル系樹脂は機械的強度、耐
薬品性等に優れており、従来より配管材料、建築材料等
の各種用途に用いられており、具体的用途としては、例
えば、雨樋製品等がある。雨樋製品には、上記性質以外
に外観、意匠性等が要求され、特開平01−15806
3号公報には艶消しの塩化ビニル系樹脂組成物が提案さ
れている。従来、艶消しでかつ耐衝撃性に優れるポリ塩
化ビニル系樹脂組成物としては、衝撃改質剤を添加した
ものが用いられている。しかしながら、最近では耐衝撃
性が更に優れ、且つ、繰り返し疲労強度に優れる艶消し
製品が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記要求に
応えるべく、艶消しで、耐衝撃性、及び繰り返し疲労強
度に優れたポリ塩化ビニル系樹脂組成物を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】ポリ塩化ビニル系樹脂に
アクリル系共重合体粒子がグラフトかつ分散されてなる
構造を有するポリ塩化ビニル系グラフト共重合体樹脂1
00重量に対して、テトラヒドロフラン(THF)不溶
ゲル分率が10〜40重量%である部分架橋ポリ塩化ビ
ニル樹脂を1〜5重量部添加せしめることにより艶消し
でかつ高い耐衝撃性、繰り返し疲労強度が優れたポリ塩
化ビニル系樹脂組成物を得ることができた。
【0005】本発明によるポリ塩化ビニル系グラフト共
重合体樹脂は、十分な耐衝撃性を得るためには、ポリ塩
化ビニル系樹脂にアクリル系共重合体粒子がグラフトか
つ分散している構造を有するポリ塩化ビニル系グラフト
共重合体樹脂である。
【0006】上記ポリ塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル
モノマー単独、又は塩化ビニルを主成分とするビニルモ
ノマーを重合させて得られる樹脂であり、塩化ビニルを
主成分とするビニルモノマーとは、50重量%以上の塩
化ビニルとこれと共重合可能な他のビニルモノマーとの
混合物を意味する。上記塩化ビニルと共重合可能なモノ
マーとしては、通常公知のビニルモノマーであって、例
えば、酢酸ビニル、アルキル(メタ)アクリレート、アル
キルビニルエーテル、エチレン、フッ化ビニル、マレイ
ミド等が挙げられ、少なくとも一種が使用できる。
【0007】上記塩化ビニル系樹脂中のポリ塩化ビニル
の重合度は、小さくなると機械的物性が低下し易く、大
きくなると成形性が低下し易いため、300〜2000
の範囲が好ましく、更に好ましくは400〜1600で
ある。
【0008】上記アクリル系共重合体としては、単独重
合体のガラス転移温度が−140〜30℃である少なく
とも1種類の(メタ)アクリレートモノマー、少なくとも
1種類のラジカル重合性モノマー、及び多官能性モノマ
ーからなる共重合体が好ましい。
【0009】上記(メタ)アクリレートモノマーは、室温
での柔軟性を要することより単独重合体のガラス転移温
度が30℃未満であることが好ましく、30℃未満であ
れば特に種類は限定されず、工業的に一般に使用される
ポリマーのガラス転移温度を鑑みて−140℃以上が適
当である。上記(メタ)アクリレートモノマーとして
は、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレ
ート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソ−ブチル
アクリレート、sec−ブチルアクリレート、クミルア
クリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−
ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)
アクリレート、2−メチルヘプチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノ
ニル(メタ)アクリレート、2−メチルオクチル(メ
タ)アクリレート、2−エチル(メタ)ヘプチルアクリ
レート、n−デシル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、
ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチルメタクリ
レート、ステアリルメタクリレート等のアルキル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が
挙げられ、これらは単独または2種以上を組み合わせて
用いることができる。
【0010】尚、上記単独重合体のガラス転移温度が−
140度以上30℃未満である(メタ)アクリレートモ
ノマーの単独重合体のガラス転移温度は、培風館発行
高分子学会編昭和61年発行 「高分子データ・ハンド
ブック(基礎編)」によった。
【0011】上記アクリル系共重合体を形成するラジカ
ル重合性モノマーは、成形時の低粘着化、または成形品
の耐候性、耐薬品性等を向上させる目的で添加され、特
に種類は限定されないが、例えば、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレー
ト、イソプロピルメタクリレート、イソブチルメタクリ
レート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチル
(メタ)アクリレート、クミルメタクリレート、シクロヘ
キシルメタクリレート、パルミチルメタクリレート、ス
テアリルアクリレート等のアルキル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−アクリ
ロイルオキシエチルフタル酸等の極性基含有ビニルモノ
マー、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、p−クロロスチレン等の芳香族ビニルモノマー、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニト
リル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエス
テル等が挙げられ、これらは単独または2種類以上を組
み合わせて用いることができる。
【0012】上記多官能性モノマーは、アクリル系共重
合体粒子を架橋し、塩化ビニル樹脂の耐衝撃性を向上さ
せるだけでなく、製造時及び製造後の共重合体粒子の合
着を起こし難くする目的で添加され、例えば、ジ(メ
タ)アクリレートとしては、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート
等が挙げられ、トリ(メタ)アクリレートとしては、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチ
レンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)ア
クリレート等が挙げられる。また、その他の多官能性モ
ノマーとしては、ペンタエリストールテトラ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アク
リレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジ
アリルフマレート、ジアリルサクシネート、トリアリル
イソシアヌレート等のジもしくはトリアリル化合物、ジ
ビニルベンゼン、ブタジエン等のジビニル化合物等が挙
げられ、これらは単独または2種類以上を組み合わせて
用いることができる。
【0013】上記アクリル系共重合体中における各モノ
マーの比率は特に限定されないが、耐衝撃性等を考慮す
ると好ましい範囲は、単独重合体のガラス転移温度が−
140℃以上30℃未満である(メタ)アクリレートモノ
マー51〜100重量%、ラジカル重合性モノマー0〜
49重量%からなる混合モノマー100重量部に対し、
多官能性モノマー0.1〜30重量部である。上記混合
モノマー中のラジカル重合性モノマーが49重量%を越
えると耐衝撃性が得られにくくなる。また、上記多官能
性モノマーの添加量が0.1重量部より少なくなるとア
クリル系共重合体粒子が塩化ビニル系グラフト共重合樹
脂の中で、独立した粒子形状を維持でき難くなり、耐衝
撃性が低下し易く、30重量部を超えると、架橋密度の
過多により、得られる塩化ビニル系グラフト共重合樹脂
の耐衝撃性が得られにくくなる。
【0014】上記ポリ塩化ビニル系グラフト共重合体樹
脂中におけるアクリル系共重合体粒子の量は、少なくな
ると充分な耐衝撃性が得られにくくなり、また多くなる
と曲げ強度や引張強度等の機械的強度が低くなるため、
1〜30重量%が好ましく、より好ましくは4〜20重
量%である。
【0015】上記アクリル系共重合体を得る方法として
は、特に限定されるものではなく、例えば、乳化重合
法、懸濁重合法等が挙げられるが、耐衝撃性の発現性の
面より、また、粒子径の制御が行い易い点から乳化重合
法が望ましい。
【0016】また、上記乳化重合法は乳化分散剤及び重
合開始剤を用いる。上記乳化分散剤は、上記混合モノマ
ーの乳化液中での分散安定性を向上させ、重合を効率的
に行う目的で添加され、例えば、アニオン系界面活性
剤、ノニオン系界面活性剤、部分ケン化ポリ酢酸ビニ
ル、セルロース系分散剤、ゼラチン等が挙げられる。特
に望ましくはアニオン系界面活性剤であり、例えば、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェート
等が挙げられる。
【0017】上記重合開始剤としては、例えば、過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素水等の水溶
性重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイド等の有機系過酸化物、アゾビスイソブチ
ロニトリル等のアゾ系開始剤等が挙げられる。また、上
記乳化重合法では、必要に応じてpH調整剤、酸化防止
剤等が添加されてもよい。
【0018】上記乳化重合法には、モノマー添加法の違
いから一括重合法、モノマー滴下法、エマルジョン滴下
法の3つに大別されるが、特に限定されるものではな
い。一括重合法とは、例えばジャケット付重合反応器内
に純水、乳化分散剤、上記アクリル系モノマー、それと
共重合可能なラジカル重合性モノマー、及び多官能性モ
ノマーからなる混合モノマーを一括して添加し、窒素気
流による酸素除去及び加圧の条件下において、撹拌によ
り充分乳化し、器内をジャケットにより所定の温度にし
た後、重合開始剤を添加して重合する方法である。ま
た、モノマー滴下法とは、例えば、ジャケット付重合反
応器内に純水、乳化分散剤、重合開始剤を入れ、窒素気
流下による酸素除去及び加圧の条件下において、まず器
内をジャケットにより所定の温度にした後、上記混合モ
ノマーを一定量ずつ滴下することにより徐々に重合する
方法である。また、エマルジョン滴下法とは、例えば、
上記混合モノマー、乳化分散剤、純水を撹拌により充分
乳化することにより予め乳化モノマーを調整し、次いで
ジャケット付重合反応器内に純水、重合開始剤を入れ、
窒素気流下による酸素除去及び加圧の条件下において、
まず器内をジャケットにより所定の温度にした後、上記
乳化モノマーを一定量ずつ滴下することにより重合する
方法である。さらに、エマルジョン滴下法において、重
合初期に上記乳化モノマーの一部を一括添加(以下シー
ドモノマーと呼ぶ)し、その後残りの乳化モノマーを滴
下する方法を用いれば、シードモノマーの量を変化させ
ることで容易にアクリル系共重合体ラテックス中の粒子
径を制御できる。
【0019】上記アクリル系共重合体ラテックス中の樹
脂固形分は、特に限定されるものではないが、ラテック
スの生産性、重合反応の安定性を鑑みて、10〜60重
量%が好ましい。上記アクリル系共重合体粒子の平均粒
子径は、大きくなると塩化ビニル系樹脂の透明性が低下
するので、0.3μm以下が適当であり、0.3μm以下
であれば特に限定されないが、工業的に一般に製造可能
なラテックスの平均粒子径を鑑みて0.001μm以上
が適当である。更に好ましくは0.01〜0.3μmであ
る。
【0020】上記アクリル系共重合体ラテックスには、
ラテックスエマルジョンの機械的安定性を向上させる目
的で、ラテックス重合反応終了後に保護コロイド剤が必
要に応じて添加されても良い。
【0021】上記アクリル系共重合体がグラフト且つ分
散しているポリ塩化ビニル系グラフト共重合体樹脂を得
る方法としては、アクリル系共重合体粒子の存在下で塩
化ビニルモノマー単独、又は塩化ビニルを主成分とする
ビニルモノマーをグラフト共重合させるのが好ましく、
グラフト共重合方法としては、特に限定されるものでは
なく、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法、
塊状重合法等が挙げられるが、本発明を有利に実施する
ためには、懸濁重合法が好ましい。
【0022】上記懸濁重合法は分散剤及び油溶性重合開
始剤を用いる。また、塩化ビニル系モノマーをグラフト
共重合させる際に、重合中に重合槽内に付着するスケー
ルを減少させる目的で、上記アクリル系共重合体ラテッ
クスに、凝集剤を添加しても良い。
【0023】上記懸濁重合に用いる分散剤は、上記アク
リル系共重合体ラテックスの分散安定性を向上させ、塩
化ビニルのグラフト重合を効率的に行う目的で添加さ
れ、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸塩、(メタ)アク
リル酸塩−アルキルアクリレート共重合体、メチルセル
ロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニル
及びその部分ケン化物、ゼラチン、ポリビニルピロリド
ン、デンプン、無水マレイン酸−スチレン共重合体等が
挙げられ、これらは単独または2種類以上組み合わせて
用いることができる。
【0024】上記油溶性重合開始剤の中でも、ラジカル
重合開始剤がグラフト共重合に有利であるという理由か
ら好適に用いられ、例えば、ラウロイルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピル
パーオキシジカーボネート、ジオクチルパーオキシジカ
ーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、α
−クミルパーオキシネオデカノエート等の有機パーオキ
サイド類、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル
等のアゾ化合物等が挙げられる。また、上記懸濁重合法
では、必要に応じてpH調整剤、酸化防止剤等が添加さ
れてもよい。
【0025】本発明樹脂の具体的な製造方法としては、
例えば、撹拌機及びジャケットを備えた反応容器に、純
水、上記アクリル系共重合体ラテックス、分散剤、油溶
性重合開始剤及び水溶性増粘剤、必要に応じて重合度調
節剤を投入し、その後、真空ポンプで重合器内の空気を
排出し、更に撹拌条件下で塩化ビニル及び必要に応じて
他のビニルモノマーを投入した後、反応容器内をジャケ
ットにより加熱し、塩化ビニルのグラフト共重合を行う
方法が挙げられる。上記塩化ビニルのグラフト共重合は
発熱反応のため、ジャケット温度を変えることにより反
応容器内の温度つまり重合温度を制御することが可能で
ある。反応終了後は、未反応の塩化ビニルを除去しスラ
リー状にし、更に脱水乾燥することによりポリ塩化ビニ
ル系樹脂(A)が製造される。
【0026】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、上記
ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、THF不
溶ゲル分率が10%〜40%の部分架橋塩化ビニル樹脂
を1〜10重量部添加することにより得られる。上記部
分架橋塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルモノマーと前述
の多官能性モノマーを共重合することにより得られ、重
合度、使用する多官能性モノマーの種類、量比等は特に
限定されず、THF不溶ゲル分率が10〜40%に調節
できるように選定されればよい。また、重合方法も特に
限定されず通常の方法で重合され得る。上記部分架橋塩
化ビニル樹脂としては、例えば、XEL−C(鐘淵化学
社製)、XEL−D(鐘淵化学社製)等が挙げられる。
【0027】上記部分架橋塩化ビニル系樹脂のTHF不
溶ゲル分率が10%未満では、成型品表面が充分な艶消
しとならず、40%を越えると耐衝撃性低下や、フィッ
シュアイが多く出て均一な艶消し表面の成型品が得られ
なくなる。また、部分架橋塩化ビニル樹脂の添加量が1
重量部未満では充分な艶消し性が得られず、10重量部
を越えると、耐衝撃性、繰り返し疲労強度が低下してし
まう。尚、THF不溶ゲル分率は、部分架橋ポリ塩化ビ
ニル樹脂1gをTHF100ml中に入れ、60℃に加
温しながらよく攪拌混合した後、攪拌、加温を止めて、
24時間放置後、上澄み液10mlを採取した。採取し
た上澄み液を蒸発させて残査の重量を秤量し、次式によ
り算出した。THF不溶ゲル分率(重量%)=100−
残査の重量(g)×10×100
【0028】本発明のポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、
必要に応じて滑剤、加工助剤、酸化防止剤、光安定剤、
充填剤、顔料等が添加され用いられる。
【0029】上記滑剤としては、例えば、モンタン酸ワ
ックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、
ステアリン酸、ステアリルアルコール、ステアリン酸ブ
チル等が挙げられる。
【0030】上記加工助剤としては、例えば、重量平均
分子量10万〜200万のアルキルアクリレート/アル
キルメタクリレート共重合体であるアクリル系加工助剤
が挙げられ、具体例としては、n−ブチルアクリレート
/メチルメタクリレート共重合体、2−エチルヘキシル
アクリレート/メチルメタクリレート/ブチルメタクリ
レート共重合体等が挙げられる。
【0031】上記酸化防止剤としては、例えば、フェノ
ール系抗酸化剤等が挙げられる。上記光安定剤として
は、例えば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の
紫外線吸収剤、あるいはヒンダードアミン系の光安定剤
等が挙げられる。上記充填剤としては、例えば、炭酸カ
ルシウム、タルク等が挙げられる。
【0032】上記顔料としては、例えば、アゾ系、フタ
ロシアニン系、スチレン系、染料レーキ系等の有機顔
料、酸化物系、クロム酸モリブデン系、硫化物・セレン
化物系、フェロシアン化物系等の無機顔料等が挙げられ
る。
【0033】また、上記塩化ビニル系樹脂には、成形時
の加工性を向上させる目的で可塑剤が添加されてもよ
く、例えば、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキ
シルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート等
が挙げられる。
【0034】上記添加剤を上記塩化ビニル系樹脂に混合
する方法としては、ホットブレンドによる方法でも、コ
ールドブレンドによる方法でもよく、また、成形方法と
しては、例えば、押出成形法、射出成形法、カレンダー
成形法、プレス成形法等が挙げられる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。な
お、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。 実施例1〜5、比較例1〜5 (アクリル系共重合体粒子の作製)純水200重量部、
乳化分散剤(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ルアンモニウムサルフェート)0.7重量部、n−ブチ
ルアクリレート70重量部、メチルメタクリレート30
重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート1.
0重量部を混合、攪拌し、乳化モノマー液を調整した。
一方、10Lの重合槽に乳化モノマー液50重量部をシ
ードモノマーとして投入し、槽内の酸素を窒素により置
換した後、攪拌条件下で重合槽を70℃に昇温した。昇
温が完了した重合槽に、過酸化アンモニウム(以下AP
Sと称する)0.1重量部を投入し、重合を開始した。
その後乳化モノマー液の残りを滴下した。すべての乳化
モノマーの滴下を3時間で終了し、その後1時間の熟成
時間を置いた後、重合を終了して固形分濃度約30重量
%のアクリル系共重合体ラテックスを得た。
【0036】(ポリ塩化ビニル系樹脂の作製)攪拌機及
びジャケットを備えた15Lの重合器に純水170重量
部、上記アクリル系共重合体ラテックス25重量部、部
分ケン化ポリ酢酸ビニルの3%水溶液5重量部、t−ブ
チルパーオキシネオデカノエート0.03重量部、α−
クミルパーオキシネオデカノエート0.04重量部を一
括投入し、その後、真空ポンプで重合器内の空気を排出
し、さらに攪拌条件下で塩化ビニルを投入した後、ジャ
ケット温度の制御により重合温度64℃にて重合を開始
した。重合器内の圧力が0.8MPaまで低下すること
で重合反応終了とし、停止した。その後、未反応の塩化
ビニルモノマーを除去し、さらに脱水乾燥することによ
りポリ塩化ビニル系樹脂中の塩化ビニルの重合度が約8
00のポリ塩化ビニル系樹脂(A)を得た。
【0037】(部分架橋ポリ塩化ビニル樹脂の作製)攪
拌機及びジャケットを備えた15Lの重合器に純水17
0重量部、部分ケン化ポリ酢酸ビニルの3%水溶液5重
量部、t−ブチルパーオキシネオデカノエート0.03
重量部、α−クミルパーオキシネオデカノエート0.0
4重量部を一括投入し、その後、真空ポンプで重合器内
の空気を排出し、さらに攪拌条件下で塩化ビニル、ポリ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレートを投入した
後、ジャケット温度の制御により重合温度64℃にて重
合を開始した。重合器内の圧力が0.8MPaまで低下
することで重合反応終了とし、停止した。その後、未反
応の塩化ビニルモノマーを除去し、さらに脱水乾燥する
ことにより部分架橋ポリ塩化ビニル系樹脂を得た。尚、
THF不溶ゲル分率の調整はポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレートの量を変化させることにより行っ
た。
【0038】(ポリ塩化ビニル系樹脂組成物の作製)表
1に示す組成に従って材料を、20Lスーパーミキサー
(カワタ株式会社製)に投入し、高速回転で混合した。
ミキサー温度が80℃に達した後に、ミキサー温度が5
0℃になるまで冷却して、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物
を得た。
【0039】(ポリ塩化ビニル系樹脂組成物成形体の作
製)上記手順で得られたポリ塩化ビニル系樹脂組成物
を、日本製鋼所社製J100E−C5に供し、ASTM
試験片作成用金型を用いて表2に示す条件で成形を実施
した。
【0040】〔評価〕上記で得られた成形体を用いて、
下記の如く光沢度、耐衝撃性、繰り返し疲労強度を測定
した。結果を表1に示した。 (光沢度)上記手順で得たポリ塩化ビニル系樹脂組成物
成形体の光沢度を光沢度計により測定した。光沢度が7
5%以下であればつや消し性が優れている。
【0041】(耐衝撃性)上記手順で得られたポリ塩化
ビニル系樹脂組成物成形体を、硬質プラスチックのシャ
ルピー衝撃試験方法(JIS K 7111)に則り、
エッジワイズ衝撃試験片でシャルピー衝撃強度を0℃に
て測定した。
【0042】(繰り返し疲労強度)上記手順で得られた
ポリ塩化ビニル系樹脂組成物成形体を、JIS K 7
113記載の1号形ダンベル試験片(厚さ3mm)を用
いて、23℃、最大応力29.4MPa 、周波数2Hz
の条件で繰り返し引張り荷重(29.4MPa →0MP
a → 29.4MPa)をかけ、破断するまでの繰り返
し回数を測定した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】(結果)表1の実施例1〜5に示すとお
り、本発明のポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、良好なつ
や消し性(光沢度75%以下)、優れた耐衝撃性、及び
繰り返し疲労強度を示しているが、比較例1(ポリ塩化
ビニル系グラフト共重合体樹脂を使用せず、衝撃改良材
も使用していない)は耐衝撃性が悪く、比較例2,3
(ポリ塩化ビニル系グラフト共重合体樹脂を使用せず、
衝撃改質剤を使用)は繰り返し疲労強度が不足してい
る。また、比較例4(部分架橋塩化ビニル樹脂のゲル分
率が低い)はつや消し性が不十分であり、比較例5(部
分架橋塩化ビニル樹脂のゲル分率が高い)は耐衝撃性と
繰り返し疲労強度が不足している。
【0046】
【発明の効果】本発明のポリ塩化ビニル系樹脂組成物の
構成は、上述の通りであり、艶消しでかつ耐衝撃性、繰
り返し疲労強度に優れる成形体を供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 27:22) Fターム(参考) 4F071 AA15X AA24 AA24X AA26X AA28X AA33X AA60X AA76 AA78 AA86 AF02 AF14 AF20 AF23 AF32 AF46 AF57 BA01 BB06 BC05 BC07 BC08 4J002 BD05W BD053 BD174 BG043 BN03X GL00 4J026 AA25 BA27 BB01 BB02 BB03 DA03 DB03 DB13 DB32 DB33 GA01 GA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ塩化ビニル系樹脂にアクリル系共重
    合体粒子がグラフトかつ分散されてなる構造を有するポ
    リ塩化ビニル系グラフト共重合体樹脂100重量部に対
    して、テトラヒドロフラン不溶ゲル分率が10〜40重
    量%である部分架橋ポリ塩化ビニル樹脂1〜5重量部が
    添加されてなることを特徴とするポリ塩化ビニル系樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 アクリル系共重合体粒子が、単独共重合
    体のガラス転移温度が−140℃〜30℃である少なく
    とも1種類以上の(メタ)アクリレート、少なくとも1種
    類以上のラジカル重合性モノマー、および多官能性モノ
    マーにより構成されてなることを特徴とする請求項1記
    載のポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1又は2のいずれかに記載のポリ塩
    化ビニル系樹脂組成物からなることを特徴とする塩化ビ
    ニル系樹脂製雨樋製品。
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CN112210043B (zh) * 2020-09-30 2022-06-07 宜宾海丰和锐有限公司 高凝胶含量消光聚氯乙烯树脂及其制备方法

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