JP2003335602A - ゲル状防虫剤組成物及びゲル状防虫剤並びに該防虫剤の製造方法 - Google Patents

ゲル状防虫剤組成物及びゲル状防虫剤並びに該防虫剤の製造方法

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JP2003335602A JP2002145050A JP2002145050A JP2003335602A JP 2003335602 A JP2003335602 A JP 2003335602A JP 2002145050 A JP2002145050 A JP 2002145050A JP 2002145050 A JP2002145050 A JP 2002145050A JP 2003335602 A JP2003335602 A JP 2003335602A
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正敏 高橋
Hideto Suzuki
秀人 鈴木
Koichiro Tsurumaki
孝一郎 鶴巻
Hiroshi Shimizu
宏 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数種の昇華性害虫防除成分を混合して使用
しても該成分の共融現象が起こらず、また、害虫防除効
果の終点がわかりやすく、さらに、美しい外観により商
品価値が高いゲル状防虫剤組成物及びゲル状防虫剤並び
にそれらの製造方法を提供すること。 【解決手段】 昇華性害虫防除成分、揮発性炭化水素系
溶剤及び脂肪酸アルミニウム塩を含有してなり、かつ、
昇華性害虫防除成分の配合量が揮発性炭化水素系溶剤に
対する常温での飽和溶解量以上であることを特徴とする
ゲル状防虫剤組成物、及び該構成からなり昇華性害虫防
除成分の結晶が析出していることを特徴とするゲル状防
虫剤並びに該ゲル状防虫剤の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゲル状防虫剤組成物
及びゲル状防虫剤並びに該防虫剤の製造方法に関する。
さらに詳細には、複数種の昇華性害虫防除成分を混合し
て使用しても該成分の共融現象が起こらず、また、害虫
防除効果の終点がわかりやすく、さらに、美しい外観に
より商品価値が高いゲル状防虫剤組成物及びゲル状防虫
剤並びにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、衣類用の防虫剤には、ピレス
ロイド、パラジクロルベンゼン、ナフタリン、樟脳など
種々の害虫防除成分が使用されていた。このうち、ピレ
スロイドは常温で液体であり、通常は紙等の含浸素材に
含浸させた剤型で使用されるため、含浸素材から害虫防
除成分が完全に揮散して害虫防除効果がなくなった状態
であっても、含浸素材の外観から害虫防除効果の終了時
を判断することが難しかった。
【0003】また、パラジクロルベンゼン、ナフタリン
及び樟脳は、特有の臭いがある昇華性固体であるため、
固体の消失時や、臭いが消えた時を害虫防除効果がなく
なった時と判断すればいいので、効果の終点はわかりや
すかった。しかし、これらの昇華性成分は、混合して使
用すると該成分の共融現象により室温でも溶解するよう
になってしまうため、防虫剤使用時に周囲の衣類にシミ
を付けてしまうなどの問題が生じていた。よって、これ
らの害虫防除成分を混合して使用することはできなかっ
【0004】さらに、昇華性害虫防除成分を利用する従
来の防虫剤は、単に打錠成形したこれら成分をガス透過
性の袋に入れる等、機能性のみを重視した外観であった
ため、美観という点においては決して優れたものではな
かった。従って、需要者に対して、防虫剤を使用するこ
との楽しさを与えるような商品となっておらず、高い商
品価値を有しているといえるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、複数種の昇華性害虫防除成分
を混合して使用してもこれら成分の共融現象が起こら
ず、また、害虫防除効果の終点がわかりやすく、さら
に、美しい外観により商品価値が高いゲル状防虫剤を提
供することをその課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく、鋭意検討した結果、昇華性害虫防除成分
を、揮発性炭化水素系溶剤及び脂肪酸アルミニウム塩を
構成成分とするゲル中で結晶析出させることにより、前
記の課題を解決できるゲル状防虫剤が得られることを見
出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明は、昇華性害虫防除成分、
揮発性炭化水素系溶剤及び脂肪酸アルミニウム塩系ゲル
化剤を含有してなり、かつ、昇華性害虫防除成分の配合
量が揮発性炭化水素系溶剤に対する常温での飽和溶解量
以上であることを特徴とするゲル状防虫剤組成物を提供
するものである。
【0008】また、本発明は、昇華性害虫防除成分、揮
発性炭化水素及び脂肪酸アルミニウム塩を含有したゲル
状防虫剤であって、当該防虫剤中に昇華性害虫防除成分
の結晶が析出していることを特徴とするゲル状防虫剤を
提供するものである。
【0009】更に本発明は、揮発性炭化水素系溶剤に脂
肪酸アルミニウム塩を分散ないし溶解させて分散液ない
し溶解液とし、これに加熱溶融状態の昇華性害虫防除成
分を加え攪拌した後室温ないしはそれ以下に冷却するこ
とを特徴とするゲル状防虫剤の製造方法も提供するもの
である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のゲル状防虫剤組成物は、
構成成分として昇華性害虫防除成分、揮発性炭化水素系
溶剤及び脂肪酸アルミニウム塩を含有するものである。
【0011】本発明のゲル状防虫剤組成物に用いられる
昇華性害虫防除成分は、昇華性を有するものであり、ま
た、衣類に対する害虫、例えばイガ、コイガ、ヒメカツ
オブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ等に対して防虫効
果のあるものであれば特に制限なく使用することができ
る。この昇華性害虫防除成分としては、例えば、パラジ
クロルベンゼン、ナフタレン、樟脳等が挙げられる。
【0012】これらの昇華性害虫防除成分は、一種類を
単独して使用してもよく、あるいは二種以上を組み合わ
せて使用してもよい。
【0013】また、本発明のゲル状防虫剤組成物に用い
られる揮発性炭化水素系溶剤は、ある程度の量の昇華性
害虫防除成分を溶解できるものであれば特に制限なく使
用することができ、例えば、テルペン系炭化水素、ノル
マルパラフィン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水
素、またはこれらの混合物等の揮発性炭化水素化合物等
が挙げられる。
【0014】これらのうち、テルペン系炭化水素として
は、例えば、α-ピネン、β‐ピネン、d−リモネン、
l−リモネン、ジペンテン、テルピノーレン、ミルセ
ン、アロオシメン、オシメン、p−サイメン、p―メン
タン、ピナンまたはこれらの混合物等を挙げることがで
きる。
【0015】また、ノルマルパラフィン系炭化水素及び
イソパラフィン系炭化水素としては、炭素数8から18
の各炭化水素、特に、炭素数10〜16の各炭化水素を
使用することが好ましく、その例としては、ノルマルデ
カン、ノルマルペンタデカン、ノルマルヘキサデカン等
のノルマルパラフィン系炭化水素およびイソデカン、イ
ソウンデカン、イソドデカン、イソトリデカン、イソテ
トラデカン、イソペンタデカン、イソヘキサデカン等の
イソパラフィン系炭化水素が挙げられる。
【0016】更に、本発明のゲル状防虫剤組成物に使用
される脂肪酸アルミニウム塩は、ゲル化剤として作用す
るものである。この脂肪酸アルミニウムとしては、直鎖
または分岐鎖の、飽和または不飽和の脂肪酸のアルミニ
ウム塩が挙げられ、このうち、例えば、直鎖飽和脂肪酸
アルミニウムとしては、ブタン酸アルミニウム、へキサ
ン酸アルミニウム、オクタン酸アルミニウム、ノナン酸
アルミニウム、デカン酸アルミニウム、ウンデカン酸ア
ルミニウム、ドデカン酸アルミニウム、テトラデカン酸
アルミニウム、へキサデカン酸アルミニウム、オクタデ
カン酸アルミニウム等が挙げられる。また、直鎖不飽和
脂肪酸アルミニウムとしては、デセン酸アルミニウム、
ウンデセン酸アルミニウム、ドデセン酸アルミニウム、
テトラデセン酸アルミニウム、へキサデセン酸アルミニ
ウム、オクタデセン酸アルミニウム等が挙げられる。さ
らに、分枝脂肪酸アルミニウムとしては、2−エチルヘ
キサン酸アルミニウム、3−メチルブタン酸アルミニウ
ム等が挙げられる。これらの脂肪酸アルミニウム塩は、
一種を単独で使用してもよく、あるいは二種以上を混合
して用いることができる。
【0017】これらの脂肪酸アルミニウム塩には、それ
ぞれモノ脂肪酸塩、ジ脂肪酸塩、トリ脂肪酸塩がある
が、一般に、ジ脂肪酸塩が強いゲル化力をもっているた
めジ脂肪酸塩を主成分としたものを使用することが好ま
しく、脂肪酸アルミニウム塩全体に対してジ脂肪酸塩を
50〜100%含有させることが好ましい。さらに好ま
しくは、揮発性炭化水素系溶剤中での会合度が高く、増
粘効果の高いジ中鎖脂肪酸アルミニウム塩、例えば、ジ
−2−エチルヘキサン酸アルミニウム等のジ中鎖脂肪酸
アルミニウム塩を使用することが好ましい。
【0018】上記した成分を用いる本発明のゲル状防虫
剤組成物の調製は、各成分の組成や配合量等を考慮して
行えばよいが、その一例を示せば、次の通りである。
【0019】まず、揮発性炭化水素系溶剤にゲル化剤で
ある脂肪酸アルミニウム塩及び必要により後記の任意成
分を分散ないし溶解させる。次いで、この分散液ないし
溶解液に、揮発性炭化水素系溶剤に対して常温で飽和溶
解量以上となる量の昇華性害虫防除成分を加え混合攪拌
する。この際、昇華性害虫防除成分は加熱溶融した状態
で分散液等に加えることが好ましいが、揮発性炭化水素
系溶剤の一部に溶解させた状態で上記分散液に加えても
よい。このようにして調製されたゲル状防虫剤組成物
を、更に常温ないしはそれ以下になるまで放冷し、昇華
性害虫防除成分の結晶を析出させることにより、本発明
のゲル状防虫剤を調製することができる。
【0020】本発明のゲル状防虫剤組成物の製造に当た
っては、前記昇華性害虫防除成分を防虫剤中に配合した
際に結晶化させるために、当該成分を揮発性炭化水素系
溶剤に対して室温で飽和溶解量以上の量を配合させるこ
とが重要である。この昇華性害虫防除成分の含有量は、
昇華性害虫防除剤成分や揮発性炭化水素系溶剤の種類及
びゲル状組成物を調製する温度等により適宜決定するこ
とができるが、例えば、昇華性害虫防除成分としてパラ
ジクロロベンゼン、揮発性炭化水素系溶剤としてイソパ
ラフィン系溶剤を用いた場合には、該パラジクロロベン
ゼンを全組成物に対して、約40質量%(以下「%」と
する)以上含有させればよい。
【0021】また、本発明のゲル状防虫剤組成物におけ
る揮発性炭化水素系溶剤の含有量は、昇華性害虫防除成
分や揮発性炭化水素系溶剤の種類等により異なるが、昇
華性害虫防除成分としてパラジクロロベンゼン、揮発性
炭化水素系溶剤としてイソパラフィン系溶剤を用いた場
合は、組成物全体に対して10〜80%が好ましく、3
0〜60%であることがより好ましい。更に、本発明の
ゲル状防虫剤組成物における脂肪酸アルミニウム塩の含
有量は、組成物全体に対して2〜15%が好ましく、3
〜10%であることがより好ましい。
【0022】上記のゲル状防虫剤組成物は、更に必要に
応じ、本発明の効果を妨げず、またその外観や形態を維
持できる範囲で、以下の任意成分を配合することができ
る。
【0023】まず、本発明のゲル状防虫剤組成物には、
他の害虫防除成分や防虫効果のある植物精油等を適宜配
合することができる。配合される害虫防除成分や植物精
油等は、油溶性のものであれば、特に種類は制限なく使
用することができるが、その例としては、ピレスロイド
系害虫防除成分や、ピペロナールジメチルアセタール、
p−イソプロピルアニソール、イソカピベトール、1,
4−ジエトキシベンゼン、安息香酸メチル、メタトルイ
ル酸メチル、オルトトルイル酸メチル、パライソプロピ
ル安息香酸メチル、フマル酸ジメチル等の化合物、アニ
スオイル、シダーウッドオイル、キャラウェイオイル、
ヒバオイル、ヒノキオイル、オコチアオイル、ウォーム
ウッドオイル、カラムスオイル、カンファーオイル等の
植物精油等を挙げることができる。
【0024】また、本発明のゲル状防虫剤組成物には、
香料を添加することもできる。添加される香料の種類は
特に制限はなく、どのような香りを賦香するものであっ
ても良いが、その例としては、動物性香料、植物性香料
等の天然香料、抽出香料、合性香料の1種類を単独で、
若しくは2種類以上を調合した調合香料を用いることが
できる。香料としては、具体的には石鹸調の香りやウッ
ディー調の香り等を挙げることができる。
【0025】更に、本発明のゲル状防虫剤組成物には、
油溶性消臭剤を含有させることができる。この油溶性消
臭剤としては、例えば、ピルビン酸エステル類、2−エ
チルヘキサン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、メタアクリル
酸エステル等が挙げられる。
【0026】その他、本発明のゲル状防虫剤組成物に
は、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)等
の酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色顔料若しくは染料等
の添加剤を適宜配合することができる。
【0027】以上のようにして調製される本発明の防虫
剤は、例えば、後記の図1〜8等に示すように、板状な
いし針状あるいは繊維状の結晶を有するゲルの形状とな
る。そして、結晶を構成する昇華性害虫防除成分が、徐
々に昇華して行き、防虫効果を奏するものである。この
防虫剤の用途としては、特に限定されないが、例えば、
タンス、引き出し、衣装ケース、押入、クローゼット、
ウォークインクローゼット、ロッカーなどの衣類を収納
する空間内の防虫を目的とした使用方法が挙げられる。
【0028】
【実施例】以下、実施例及び試験例を用いて本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定される
のもではない。
【0029】実 施 例 1 ゲル状防虫剤の調製:表1の処方及び下記の製造方法に
より、ゲル状防虫剤を調製した。得られたゲル状防虫剤
について、下記外観評価法により、その外観を評価し
た。この結果を表2に示す。
【0030】( 処 方 )
【表1】
【0031】( 製造方法 )揮発性炭化水素系溶剤(比
較品の場合は溶剤)に酸化防止剤及び紫外線吸収剤を溶
解させた後、ゲル化剤として2−エチルヘキサン酸アル
ミニウムを加え攪拌して分散させた。この分散溶液に加
熱融解状態の昇華性害虫防除成分を加えよく混合攪拌し
た。この溶液を容器に充填し、常温になるまで放冷する
ことによって昇華性害虫防徐成分の結晶を析出させ、ゲ
ル状防虫剤(本発明品1〜8及び比較品1〜4)を得
た。
【0032】( 外観評価法 )上記の処方及び製造方法
により得られた本発明品1〜8及び比較品の1〜4のゲ
ル状防虫剤について、ゲル化の有無を目視で観察した。
判定は、防虫剤がゲル化している場合を○とし、ゲル化
していない場合を×とした。
【0033】また、ゲル状防虫剤を25℃の恒温槽内に
24時間放置し、防虫剤中の昇華性害虫防除成分が結晶
として析出し、良好な外観が得られるか否かを目視によ
り観察した。判定は、昇華性害虫防除成分の結晶が析出
し、良好な外観が得られる場合を○、結晶が析出しない
場合、あるいは析出しても沈殿してしまい良好な外観が
得られない場合を×とした。本発明品1〜8の外観写真
を図1〜8に示す。
【0034】( 結 果 )
【表2】
【0035】表2及び図1〜8に示すように、本発明品
1〜8のゲル状防虫剤は、良好なゲル化能を示し、ま
た、ゲル状防虫剤中の昇華性害虫防除成分が結晶として
析出し、良好な外観が得られることが確認できた。
【0036】一方、比較品1は、ゲル化剤が分散しない
ため、防虫剤をゲル化することができず、比較品2も、
防虫剤をゲル化することができなかった。また、比較例
3は、昇華性害虫防除成分及びゲル化剤が溶剤に溶解せ
ず、防虫剤のゲル化は不可能であった。さらに、これら
の比較品は全て昇華性害虫防除成分が沈殿しまうもので
あり、良好な外観が得られなかった。従って、比較品
は、本発明品に比べて大きく劣るものであった。
【0037】試 験 例 1 防虫効果の確認:上記の実施例1で良好なゲル化能及び
昇華性害虫防除成分の結晶析出性による良好な外観を示
した本発明品1〜8のゲル状防虫剤について、下記の方
法を用いて防虫効果(幼虫致死効果及び孵化抑制効果)
の確認を行った。
【0038】( 試験方法 )2ml容のサンプル瓶(ガ
ラス製、開口面積:0.50cm)に本発明品1〜8
の組成のゲル状防虫剤組成物を充填し、ゲル状防虫剤を
調製した。また、これとは別に、図9の形状の金属製虫
かご(サイズ:φ3.5cm)の中に、羊毛とイガの幼
虫(55日齢虫)10匹を入れたもの(以下「幼虫サン
プル体」とする)及び図10の形状のシャーレ(直径:
5cm)に羊毛のサージを入れ、その上に産卵後24時
間以内のイガの卵約50個を置いたもの(以下、「卵サ
ンプル体」とする)をそれぞれ用意した。このゲル状防
虫剤、幼虫サンプル体及び卵サンプル体を、1.8リッ
トル容の広口瓶の中に、図11に表されるように配置し
た後、開口部に蓋をして試験区とした。なお、本試験例
では、ブランクとして、広口瓶中にゲル状防虫剤を入れ
ないものを使用した。
【0039】この試験区及びブランクの広口瓶を恒温恒
湿槽(温度25℃、湿度60%)に12日間入れ、12
日後のイガ幼虫の致死数および卵の孵化数をもとにし
て、下記式を用いて幼虫致死率及び卵孵化抑制率を算出
し、本発明品の防虫効果(幼虫致死効果及び孵化抑制効
果)を確認し、その結果を表3に示した。
【0040】なお、幼虫致死率は、金属製虫かごの中の
幼虫の致死数より、下記(I)式を用いて算出した。ま
た、卵孵化抑制率は、シャーレ中の卵の孵化数より、下
記(II)式を用いて算出した。尚、式中「初期」とは、
試験区等を恒温恒湿槽に入れる前の状態を指す。
【0041】
【数1】
【数2】
【0042】( 結 果 )
【表3】
【0043】表3の結果より、本発明品のゲル状防虫剤
は、幼虫致死率及び孵化抑制率がともに100%であ
り、防虫効果に優れるものであることが確認できた。
【0044】
【発明の効果】本発明のゲル状防虫剤及びゲル状防虫剤
組成物は、その防虫効果が優れていることはもちろんの
こと、複数種の昇華性害虫防除成分を混合併用しても共
融現象が起こらないものであった。また、ゲルがなくな
った時を害虫防除効果がなくなった時の判断基準とすれ
ばよいので、害虫防除効果の終点が非常にわかりやすい
ものであった。
【0045】さらに、昇華性害虫防除成分の結晶がゲル
状防虫剤に析出しているという形態をとるため、これま
で機能面ばかりが重視されていた防虫剤に対して、外観
上の美観という新しい要素を付与することで、使用する
側に防虫剤の見た目の面白さを与え、その商品価値を著
しく向上させるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1における本発明品1の外観写真であ
る。
【図2】 実施例1における本発明品2の外観写真であ
る。
【図3】 実施例1における本発明品3の外観写真であ
る。
【図4】 実施例1における本発明品4の外観写真であ
る。
【図5】 実施例1における本発明品5の外観写真であ
る。
【図6】 実施例1における本発明品6の外観写真であ
る。
【図7】 実施例1における本発明品7の外観写真であ
る。
【図8】 実施例1における本発明品8の外観写真であ
る。
【図9】 試験例1において使用する幼虫サンプル体を
表した概略図である。
【図10】 試験例1において使用する卵サンプル体を
表した概略図である。
【図11】 試験例1を実施する広口瓶内の様子を表し
た概略図である。
【符号の説明】
1 … … 幼虫サンプル体 2 … … 金属製虫かご 3 … … 羊毛 4 … … イガの幼虫 5 … … 卵サンプル体 6 … … シャーレ 7 … … 羊毛のサージ 8 … … イガの卵 9 … … 広口瓶 10 … … 蓋 11 … … サンプル瓶 12 … … ゲル状防虫剤 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 秀人 東京都新宿区下落合2丁目4番6号 エス テー化学株式会社エステーR&Dセンター 内 (72)発明者 鶴巻 孝一郎 東京都新宿区下落合2丁目4番6号 エス テー化学株式会社エステーR&Dセンター 内 (72)発明者 清水 宏 大阪府大阪市東淀川区東淡路1丁目6番27 号 大洋香料株式会社研究所内 Fターム(参考) 4H011 AC05 BA04 BB01 BB02 BB05 BC01 BC06 DA17 DD06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 昇華性害虫防除成分、揮発性炭化水素系
    溶剤及び脂肪酸アルミニウム塩を含有してなり、かつ、
    昇華性害虫防除成分の配合量が揮発性炭化水素系溶剤に
    対する常温での飽和溶解量以上であることを特徴とする
    ゲル状防虫剤組成物。
  2. 【請求項2】 昇華性害虫防除成分がパラジクロルベン
    ゼン、ナフタリン及び樟脳よりなる群から選ばれる一種
    又は二種以上である請求項第1項記載のゲル状防虫剤組
    成物。
  3. 【請求項3】 脂肪酸アルミニウム塩がジ脂肪酸塩を主
    成分とするものである請求項第1項または第2項の何れ
    かの項記載のゲル状防虫剤組成物。
  4. 【請求項4】 昇華性害虫防除成分、揮発性炭化水素及
    び脂肪酸アルミニウム塩を含有したゲル状防虫剤であっ
    て、当該防虫剤中に昇華性害虫防除成分の結晶が析出し
    ていることを特徴とするゲル状防虫剤。
  5. 【請求項5】 揮発性炭化水素系溶剤に脂肪酸アルミニ
    ウム塩を分散ないし溶解させて分散液ないし溶解液と
    し、これに加熱溶融状態の昇華性害虫防除成分を加え攪
    拌した後室温ないしはそれ以下に冷却することを特徴と
    するゲル状防虫剤の製造方法。
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