JP2003328328A - ポール支持装置 - Google Patents

ポール支持装置

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JP2003328328A
JP2003328328A JP2002133288A JP2002133288A JP2003328328A JP 2003328328 A JP2003328328 A JP 2003328328A JP 2002133288 A JP2002133288 A JP 2002133288A JP 2002133288 A JP2002133288 A JP 2002133288A JP 2003328328 A JP2003328328 A JP 2003328328A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 交通安全標の除去に際して路面からの突出を
なくすことができ、また自動車がポールを踏み倒して進
行できるように大きな傾倒角度(略90度)を可能にするポ
ール支持装置を提供する。 【解決手段】 交通安全標等を構成するポール2に内蔵
する復帰機構9と、この復帰機構9を連結する埋設ナッ
ト11とからなるポール支持装置1であって、復帰機構9
は下端面に半径方向内向きの内周フランジ17を残して連
通孔18を設けた案内筒13と、この案内筒13へ上下動自在
に内挿する変位掛止板14と、この変位掛止板14と金属製
チェーン15により連結する連結ボルト10と、案内筒13に
内挿した変位掛止板14とこの案内筒13の内周フランジ17
との間に介装する圧縮コイルバネ16とからなり、埋設ナ
ット11は表面を路面8に略同一としてこの路面8に埋設
してなり、復帰機構9の連結ボルト10を埋設ナット11に
連結することで路面8に対して復帰機構9を傾倒自在に
設置するポール支持装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、道路や駐車場の誘
導標、視線誘導標、車線分離標、区画標等に使用する交
通安全標に用いるポール支持装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な道路誘導標、駐車場の区画標等
の交通安全標は、誘導板や交通標識を取り付けたポール
(支持棒体)を、路面に立設して構成する。従来より、こ
のポールに自動車が衝突して外的負荷が加わるとポール
は傾倒又は折れ曲がるが、前記外的負荷がなくなると自
律的に初期状態(立設状態)に復帰するポール支持装置が
種々提案されることになる。この場合、復帰機構(傾倒
又は折れ曲がったポールを初期状態に復帰させる働きを
担う主たる部分)を路面に埋設する(路面埋設型)か、ポ
ールに内蔵する(ポール内蔵型)かで大別できる。路面埋
設型は、復帰機構を路面に埋設することから設置工事が
大変になるので、設置工事が容易なポール内蔵型が好ま
しい。
【0003】ポール内蔵型のポール支持装置としては、
実全平03-069015号「道路標識の支柱折れ復元構造体」
を例示できる。この実全平03-069015号は、路面から立
設した可撓性棒体とポールとを連結し、このポール下端
面と路面との間に前記可撓性棒体に覆設するように硬質
ゴム状弾性体からなる干渉体を介装した構成のポール支
持装置である。ポール下端面と路面とは、可撓性棒体に
よって相互に拘束されるため、ポールが傾倒すると干渉
体が圧縮され、反発方向の弾性力を発揮する。傾倒した
ポールは、この干渉体の弾性力により初期状態(立設状
態)に復帰する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記実全平03-069015
号は、干渉体及び可撓性棒体は路面と一体になるため、
ポールを取り除いた状態で、路面から干渉体及び可撓性
棒体が突出することになる。このため、交通安全標が必
要なくなった場合、改めて干渉体及び可撓性棒体を除去
する工事が必要になる。また、干渉体の圧縮に限界があ
るため、ポールの傾倒角度も制限され、完全にポールを
横倒しすることができない。仮に、自動車がポールに対
して正面から衝突してきた場合、ポールが自動車底面に
引っ掛かる等して、自動車に不測の損害を与える可能性
がある。そこで、交通安全標の除去に際して路面からの
突出をなくすことができ、また自動車がポールを踏み倒
して進行できるように大きな傾倒角度(略90度)を可能に
するポール支持装置を提供するため、検討した。
【0005】
【課題を解決するための手段】検討の結果開発したもの
が、交通安全標等を構成するポールに内蔵する復帰機構
と、この復帰機構を連結する固定基礎とからなるポール
支持装置であり、復帰機構は下端面に半径方向内向きの
内周フランジを残して連通孔を設けた案内筒と、この案
内筒へ上下動自在に内挿する変位掛止板と、この変位掛
止板と伸縮しない紐状体により連結する固着部材と、案
内筒に内挿した変位掛止板とこの案内筒の内周フランジ
との間に介装する反発弾性体とからなり、固定基礎は表
面を路面に略同一としてこの路面に埋設してなり、復帰
機構の固着部材を固定基礎に連結することで路面に対し
て復帰機構を傾倒自在に設置するポール支持装置であ
る。
【0006】本発明のポール支持装置は、変位掛止板と
案内筒の内周フランジとの間に介装する反発弾性体の反
発弾性力を利用して、傾倒したポールの初期状態(立設
状態)への復帰を実現する。変位掛止板は、紐状体によ
り固着部材に連結しており、この固着部材は路面に埋設
した固定基礎に連結する。これから、変位掛止板は固定
基礎に対して紐状体に拘束される範囲、かつ案内筒内で
変位(案内筒に対して上下動)できる。この変位掛止板に
対し、案内筒の内周フランジは、ポールの傾倒によって
固着部材から遠ざかるように変位する。この結果、ポー
ルが傾倒した状態で変位掛止板と内周フランジとの間は
短くなり、反発弾性体が圧縮され、反発弾性力を発生さ
せる(初期状態で反発弾性体が圧縮されていれば、反発
弾性力を増大)ことができる。案内筒は、変位掛止板の
軌道を形成するほか、紐状体及び反発弾性体を外力から
保護する働きを有する。案内筒はポールに内蔵するか
ら、前記案内筒による紐状体及び反発弾性体の保護はよ
り厚くなる。
【0007】このような復帰機構は、ポールに対して完
全に内蔵することができ、ポール外は固定基礎だけであ
る。このため、この固定基礎は表面を路面に略同一に埋
設すれば、ポールを除去した際に路面から突出する部位
をなくすことができる。この固定基礎は、常態としてポ
ールを路面に立設する構造的な基礎であり、上記反発弾
性体を圧縮する変位掛止板からの負荷を受ける力学的な
基礎でもあることから、しっかりと路面に埋設するた
め、アンカーボルトを一体に取り付けておくとよい。具
体的には、アンカーボルトを一体に取り付けた埋設ナッ
トを固定基礎とし、前記埋設ナット表面を路面と略同一
に埋設する。これに対し、固着部材は紐状体を連結可能
な連結ボルトを用いると、連結ボルトと前記埋設ナット
との螺合によりポールを設置し、前記螺合を解除するこ
とでポールを除去できる。前記具体的構成は、ポールを
除去した場合に埋設ナットが路面に覗くだけで、路面か
ら突出する部位がない利点がある。
【0008】具体的な変位掛止板は、(a)掛止板下面か
ら掛止板上面へ延びる貫通孔を設け、前記貫通孔を通じ
て掛止板下面から掛止板上面へ掛止環を突出し、この掛
止板上面で前記掛止環に掛止棒を挿通し、この掛止棒を
掛止板上面に掛止してなり、紐状体は前記掛止環に連結
する構成や、(b)掛止板下面に掛止環を設けてなり、紐
状体は前記掛止環に連結する構成を例示できる。(a)の
構成では、掛止環に挿通する掛止棒を掛止板上面に溶接
等により固着するとよい。
【0009】ここで、紐状体がチェーンであると、上記
(a)の構成における掛止環は、チェーンの一端の環をそ
のまま利用できる。このとき、貫通孔を前記環に倣う平
面視長孔形状にすると、チェーンの方向性が定まり、好
ましい。また、上記(b)の構成では、チェーンの一端の
環を直接又は分断して掛止板下面に溶接等で固着すれば
よい。チェーンとして、合成樹脂製、金属製が考えられ
るが、好ましくは金属製チェーンを用いる。紐状体は、
前記チェーンに代えて、非伸縮性のベルトであってもよ
い。紐状体が伸びるとポールの傾倒によって反発弾性体
を圧縮しにくくなるし、紐状体が縮むと常態として反発
弾性体が反発弾性力を発生させることになり、ポールが
傾倒しにくくなる。これから、紐状体は変位掛止板と固
着部材との距離を変化させない可撓性部材であればよい
ことがわかる。具体的なベルトとしては、金属製ベルト
でもよいが、可撓性の高い合成樹脂製ベルトが好まし
い。
【0010】ポールに復帰作用をもたらす反発弾性体
は、紐状体に外嵌して変位掛止板と案内筒の内周フラン
ジとの間に介装する圧縮バネが好ましい。この圧縮バネ
は、案内筒内面に略摺接し、変位掛止板及び内周フラン
ジそれぞれの周方向に略等しく圧接する。このため、ポ
ールの傾倒方向を問わず、あくまで変位掛止板の変位量
(案内筒に対する上下動量)に比例した弾性反発力を発生
させる。このほか、反発弾性体は紐状体周囲に等間隔で
並設する複数の圧縮バネから構成してもよい。
【0011】本発明のポール支持装置は、反発弾性体が
圧縮した状態における紐状体の余剰の範囲でポールの傾
倒を許す。復帰機構を構成する案内筒が、ポールの軸芯
と同心に内蔵しているとすれば、紐状体はポール下面中
心から突出することになり、前記余剰がポールの半径×
√2の長さに達すれば、ポールを略90度まで傾倒させる
ことができる。このとき、ポールの傾倒軸を構成する介
装台上面周縁が紐状体を引張る基礎となる固着部材=固
定基礎から十分に離隔すれば、反発弾性体の反発弾性力
は紐状体に対してポールの傾倒方向逆向きの復元力を発
生させ、ポールの復元を実現する。しかし、ポールがゴ
ムチップ等の弾性体で形成してあれば、反発弾性体の反
発弾性力によって紐状体全体が下方に押し付けられ、前
記ポール下面周縁と固定基礎とが接近し、ポールの傾倒
方向逆向きの復元力が発生しにくくなる。
【0012】そこで、本発明の固着部材は、ポール外径
より内側の外周縁を有する介装台を介して路面から離隔
状態で固定基礎に連結することが好ましい。傾倒するポ
ールは、ポール下面を介装台側面に当接させ、ポール下
面周縁と固定基礎との接近を防止する。これにより、圧
縮された反発弾性体によりポールの傾倒方向逆向きの復
元力を確実に発生させる。傾倒するポール下面を当接さ
せるために、介装台はポール外径より内側の外周縁とな
る必要があるが、高さに関しては制限がなく、ポールが
傾倒した状態でポール下面が当接する状態を保持できる
高さがあればよい。ポールが円筒状の場合、介装台も中
実又は中空円筒状となり、中心に固着部材である連結ボ
ルトを固定基礎に向けて突出するための挿通孔を設けて
おくとよい。挿通孔を通して突出した連結ボルトは、中
空円筒状の介装台においては、路面と介装台上面との間
隙を埋める仲介ナットを介在して固定基礎である埋設ナ
ットに螺合する。このほか、介装台はポール下面を路面
から離隔し、特にゴムチップ等の素材で構成したポール
下面が路面に摺接して削られる虞れをなくす働きをも有
する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図を参照しながら説明する。図1は本発明のポール支持
装置1をポール2に内蔵した車線分離標を表す正面図、
図2は初期状態におけるポール支持装置1付近を表した
垂直断面図、図3はポール支持装置1の分解斜視図、図
4は異なる構造の変位掛止板3を用いたポール支持装置
1付近を表した図2相当断面図であり、図5は自動車等
の衝突によりポール2が略90度傾倒した状態におけるポ
ール支持装置1付近を表した図2相当断面図である。
【0014】本例の車線分離標は、図1に見られるよう
に、従来一般に見られる車線分離標と外観上似ている。
相違点は、傾倒したポール下面4を当接させ、傾倒軸を
構成する介装台上面周縁5を連結ボルト10から離隔する
ために中空円筒の介装台7をポール下面4と路面8との
間に介在させている点である。ポール支持装置1を構成
する復帰機構9は、ポール下面4から覗くように内蔵
し、この復帰機構9の固着部材となる連結ボルト10を連
結するアンカーボルト6付埋設ナット11のみを路面8に
埋込んでいる。本例のポール2は、廃棄ゴムタイヤ等を
裁断して得られるゴムチップを押し固めて形成してい
る。本発明のポール支持装置1は構造が簡素であるから
比較的安価に製造可能で、こうした廃材利用のポール2
と合わせれば、交通安全標を安価に製造できる。ポール
2は、重心を低くしつつ、傾倒した状態で踏み付ける自
動車等のタイヤに倣って変形可能なように、上部に中空
部12を設けている。
【0015】復帰機構9を構成する案内筒13は、図2及
び図3に見られるように、変位掛止板14、紐状体である
金属製チェーン15及び反発弾性体である圧縮コイルバネ
16を内挿する金属製円筒で、案内筒下端面に半径方向内
向きの内周フランジ17を残して連通孔18を設けている
が、案内筒13上端は開放している。これは、案内筒13上
端はポール2によって塞がれるため、特に閉蓋する必要
がないからである。変位掛止板14は、中心に貫通孔(平
面視長孔形状)19を設けた金属製円環板からなる。金属
製チェーン15は、前記貫通孔19を通じて最上端の掛止環
20を掛止板下面から掛止板上面へと突出させ、掛止板上
面で前記掛止環20に挿通した掛止棒21を掛止板上面に掛
止、溶接している。このほか、例えば図4に見られるよ
うに、金属製円盤からなる変位掛止板3の掛止板下面
に、上下2分した金属製チェーン15の最上端の掛止環22
を直接溶接し、連結してもよい。変位掛止板14(3)自体
は案内筒13に固着しておらず、案内筒13内を自由に変位
(上下動)できる。
【0016】金属製チェーン15の最下端は、固着部材で
ある連結ボルト10を連結している。本例の連結ボルト10
と金属製チェーン15とは、連結ボルト上面に、上下2分
した金属製チェーン15の最下端の掛止環23を直接溶接
し、連結している。この連結ボルト10は、内周フランジ
17に囲まれた連通孔18を通じて案内筒下端から突出さ
せ、介装台7、仲介ナット24及びワッシャ25を介して埋
設ナット11に螺合する。これから、上記変位掛止板14
は、埋設ナット11を中心に金属製チェーン15で拘束され
た範囲でのみ変位できる。そして、変位掛止板14と案内
筒下端の内周フランジ17との間で金属製チェーン15に外
嵌した状態で介装する圧縮コイルバネ16は、ポール2の
傾倒に従って変位する内周フランジ17と変位掛止板14と
の間で圧縮させることができる。圧縮コイルバネ16は、
初期状態でわずかに圧縮状態(緊張状態)にしておくこと
が好ましい。
【0017】介装台7は、ポール外径より内側の外周
縁、すなわち小さな半径の金属製中空円筒からなる。介
装台上面中央には、連結ボルト10を埋設ナット11に向け
て通す挿通孔26を設けてあり、この挿通孔26から覗く連
結ボルト10に仲介ナット24を締め付けることで、介装台
7は連結ボルト10と一体となる。連結ボルト10は、案内
筒下端の内周フランジ17に対して反発弾性力を発揮する
圧縮コイルバネ16により押し上げられる変位掛止板14と
金属製チェーン15により繋がっている。圧縮コイルバネ
16が常時圧縮状態(図2中白抜両矢印参照)にあると、連
結ボルト10は案内筒13へ引込まれてしまうが、仲介ナッ
ト24によって連結ボルト10に一体化された介装台7が案
内筒下端に掛止され、こうした連結ボルト10の案内筒13
内への引き込みを防止する働きを有する。また、仲介ナ
ット24は、ポール2の重み、連結ボルト10の締付力又は
圧縮コイルバネ16の弾性力によって中空な介装台上面が
凹まないように、下方から支持する働きや、ポール下面
4を路面8から離隔して路面8によるポール下面4の削
れを防止する働きも有している。仲介ナット24と路面8
との間に介装するワッシャ25は、埋設ナット11に螺合す
る連結ボルト10の弛みを防止する。
【0018】このようなポール支持装置1を設けたポー
ル2は、自動車等の衝突を受けると、図5に見られるよ
うに、ポール側面が路面8に当接するまで、すなわち略
90度の傾倒角度で傾倒できる。本例では、介装台7を設
けているので、ポール下面4が介装台側面に当接した状
態でポール2は傾倒する。このとき、金属製チェーン15
の最下端にある掛止環23は埋設ナット11に螺合した連結
ボルト10に連結しているため、変位掛止板14は圧縮コイ
ルバネ16を圧縮しながら変位(案内筒13内を下降)し、圧
縮コイルバネ16に反発弾性力を発生又は拡大させる(図
5中両矢印ハッチング部位参照)。この反発弾性力は、
ポール2の傾倒軸となる介装台上面周縁(支点Pf)と、
変位掛止板14を引っ張る連結ボルト10(力点Pe)とが離
隔しているため、変位掛止板14(作用点Pa)を押し上げ
ようとする方向の押上力のほか、ポール2を引き起こす
方向の復元力を含む。本発明のポール支持装置1は、前
記押上力により圧縮コイルバネ16を伸長させる過程で復
元力を利用してポール2を引き起こし、ポール2を初期
状態に復元させる。
【0019】図6〜図8は本発明のポール支持装置1を
内蔵した上記例示の車線境界標の設置手順を表したポー
ル支持装置1付近の斜視図であり、図6は埋設ナット11
の設置過程、図7は連結ボルト10に対する介装台7の固
着過程、そして図8は連結ボルト10の埋設ナット11に対
する螺合過程をそれぞれ表している。上述した復帰機構
9は、ポール2の製造過程又は製造直後にポール2に内
蔵しており、ポール下面4からは連結ボルト10のみが突
出した状態にある。よって、車線境界標の設置は、別途
路面8に埋込んだ埋設ナット11に前記連結ボルト10を螺
合するのみで完了する。実際には、本例に示すような介
装台7を介装することが考えられるが、この場合でも設
置手順の簡略さは変わらない。
【0020】まず、設置手順の最初に、図6に見られる
ように、目標とする路面8にドリル27等により埋込孔28
を設け、この埋込孔28へ埋設ナット11をアンカーボルト
6ごと埋め込む。埋設ナット11の安定した埋設は、埋込
孔28との隙間に接着剤やコンクリート又はモルタルを流
し込むことで容易に実現できる。本例の場合、この埋設
ナット11に介装台7を覆設するため、埋設ナット11は路
面8から突出して埋め込んでもよい。しかし、後述する
ように、ポール2等をすべて取り除いた状態で路面8を
平坦にするために、埋設ナット表面を路面8と略同一に
するのがよい。
【0021】ポール2には、図7に見られるように、案
内筒13下端から突出する連結ボルト10に介装台7を仲介
ナット24で締め付けて一体化し、更に仲介ナット24から
突出する連結ボルト10を上記埋設ナット11に螺合するだ
けで設置が完了する。この場合、仲介ナット24と路面8
との間にワッシャ25を介装すると、埋設ナット11に対す
る連結ボルト10の弛みの発生を抑えることができる。連
結ボルト10の頭は案内筒13に、仲介ナット24は介装台7
に覆われて螺合しにくくみえるが、最初少しだけ連結ボ
ルト10を埋設ナット11に螺合できれば、後はポール2を
傾倒させて連結ボルト10の頭を案内筒11から露出させ
て、容易に締め付けることができる。
【0022】図9はポール除去後に残る埋設ナット11の
処理を表した斜視図である。既述したように、本発明の
ポール支持装置1は復帰機構9をポール2に内蔵し、残
る構成である固定基礎(埋設ナット11)のみを路面8に残
して除去することができる。埋設ナット11は、ナット表
面を路面と略同一に埋め込むことで路面8から突出する
ことはないが、どうしてもネジ孔29が露出してしまう。
将来再びポールを設置することを考えた場合、このネジ
孔29を塞いでおくことが望ましい。そこで、図9に見ら
れるように、目くらましボルト(六角孔付留ネジ)30や目
くらましキャップ31等を前記ネジ孔29に螺着又は嵌着し
ておくとよい。
【0023】
【発明の効果】本発明は、交通安全標の除去に際して路
面からの突出をなくすことができ、また自動車がポール
を踏み倒して進行できるように大きな傾倒角度(略90度)
を可能にするポール支持装置を提供できるようになる。
まず、前者の効果は、ポール支持装置を構成する復帰機
構をポールに内蔵し、路面に対しては表面を略同一にす
る固定基礎を埋め込むため、ポールを除去すればなんら
路面から突出する部位がない状態にできることによる。
固定基礎を埋設ナットとした場合でも、埋設ナットのネ
ジ孔を目くらましボルト(六角孔付留ネジ)や目くらまし
キャップ等で閉蓋すれば、ネジ孔に埃や砂を侵入させる
ことはなく、また路面からの突出をなくすことができ
る。
【0024】また、後者の効果は、反発弾性体を圧縮す
ることで生まれる紐状体の余剰の範囲でのポールの傾倒
を許すことができる復帰機構の構成による。しかも、ポ
ール下面と路面との間に介装台を介在させることで、傾
倒軸となる介装台上面周縁(支点Pf)と変位掛止板を引
っ張る基礎となる固着部材(作用点Pe)とを離隔し、反
発弾性体で押し上げられる変位掛止板(力点Pa)に対し
てポールを引き起こす復元力を確実に発生させることが
できる。この介装台は、ポール下面を路面から離隔した
設置状態を実現して、ポール下面を路面との擦れあいか
ら保護する働きも持つ。
【0025】このように、本発明のポール支持装置は、
従来同様の装置では実現できなかった交通安全標除去後
における路面からの突出をなくしたり、ポールの略90度
に至る傾倒を可能にする主たる効果を有する。このほ
か、実施の形態に示した例示からも明らかなように、構
造が簡素であることから破損しにくく、また材料コス
ト、製造コストを低廉に抑えることができる副次的効果
もある。以上から、本発明のポール支持装置は、従来に
比べて性能向上及び改善を果たしながらコスト低減を実
現し、極めて有用であると言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポール支持装置をポールに内蔵した車
線分離標を表す正面図である。
【図2】初期状態におけるポール支持装置付近を表した
垂直断面図である。
【図3】ポール支持装置の分解斜視図である。
【図4】異なる構造の変位掛止板を用いたポール支持装
置付近を表した図2相当断面図である。
【図5】自動車等の衝突によりポールが略90度傾倒した
状態におけるポール支持装置付近を表した図2相当断面
図である。
【図6】埋設ナットの設置過程を表したポール支持装置
付近の斜視図である。
【図7】連結ボルトに対する介装台の固着過程を表した
ポール支持装置付近の斜視図である。
【図8】連結ボルトの埋設ナットに対する螺合過程を表
したポール支持装置付近の斜視図である。
【図9】ポール除去後に残る埋設ナットの処理を表した
斜視図である。
【符号の説明】
1 ポール支持装置 2 ポール 6 アンカーボルト 7 介装台 8 路面 9 復帰機構 10 連結ボルト 11 埋設ナット 13 案内筒 14 変位掛止板 15 金属製チェーン 16 圧縮コイルバネ 17 内周フランジ Pf 支点(ポール下面周縁) Pe 力点(固着部材) Pa 作用点(変位掛止板)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交通安全標等を構成するポールに内蔵す
    る復帰機構と、該復帰機構を連結する固定基礎とからな
    るポール支持装置であって、復帰機構は下端面に半径方
    向内向きの内周フランジを残して連通孔を設けた案内筒
    と、該案内筒へ上下動自在に内挿する変位掛止板と、該
    変位掛止板と伸縮しない紐状体により連結する固着部材
    と、案内筒に内挿した変位掛止板と該案内筒の内周フラ
    ンジとの間に介装する反発弾性体とからなり、固定基礎
    は表面を路面に略同一として該路面に埋設してなり、復
    帰機構の固着部材を固定基礎に連結することで路面に対
    して復帰機構を傾倒自在に設置してなるポール支持装
    置。
  2. 【請求項2】 変位掛止板は、掛止板下面から掛止板上
    面へ延びる貫通孔を設け、前記貫通孔を通じて掛止板下
    面から掛止板上面へ掛止環を突出し、該掛止板上面で前
    記掛止環に掛止棒を挿通し、該掛止棒を掛止板上面に掛
    止してなり、紐状体は前記掛止環に連結する請求項1記
    載のポール支持装置。
  3. 【請求項3】 変位掛止板は、掛止板下面に掛止環を設
    けてなり、紐状体は前記掛止環に連結する請求項1記載
    のポール支持装置。
  4. 【請求項4】 紐状体は、チェーンである請求項1記載
    のポール支持装置。
  5. 【請求項5】 紐状体は、非伸縮性のベルトである請求
    項1記載のポール支持装置。
  6. 【請求項6】 反発弾性体は、紐状体に外嵌して変位掛
    止板と案内筒の内周フランジとの間に介装する圧縮バネ
    である請求項1記載のポール支持装置。
  7. 【請求項7】 反発弾性体は、紐状体周囲に等間隔で並
    設する複数の圧縮バネである請求項1記載のポール支持
    装置。
  8. 【請求項8】 固着部材は、ポール外径より内側の外周
    縁を有する介装台を介して路面から離隔状態で固定基礎
    に連結する請求項1記載のポール支持装置。
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