JP2003328306A - 弾性舗装体 - Google Patents

弾性舗装体

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JP2003328306A
JP2003328306A JP2002133839A JP2002133839A JP2003328306A JP 2003328306 A JP2003328306 A JP 2003328306A JP 2002133839 A JP2002133839 A JP 2002133839A JP 2002133839 A JP2002133839 A JP 2002133839A JP 2003328306 A JP2003328306 A JP 2003328306A
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elastic pavement
porosity
aggregate
base
rubber
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JP2002133839A
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Yoshihisa Mizumoto
善久 水本
Toshiaki Matsuo
俊朗 松尾
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 騒音低減効果を低下させることなく、安価に
施工可能な弾性舗装体を提供する。 【解決手段】 空隙率10〜50%の透水性を有する安
定基盤からなる基盤2上に、軟質骨材31と硬質骨材3
2とをバインダーにて結合した弾性舗装材3からなる透
水性弾性舗装層を厚さ5〜20mmで空隙率が30〜5
0%となるように現場施工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基盤上に弾性舗装
材を敷設してなる弾性舗装体に関し、さらに詳しく言え
ば、低騒音で、耐久性がよく、しかも安価に構築できる
特に車道に好適な弾性舗装体に関する。
【0002】
【従来の技術】弾性舗装体は、ゴムチップなどの軟質骨
材とバインダーとを主成分とする弾性舗装材を所定の基
盤上に敷設することにより形成され、その構造は骨材間
に空隙を有する多孔質構造である。
【0003】したがって、この弾性舗装体は、軟質骨材
の弾力性によって歩行感の良さや転倒時における高い安
全性が得られる。さらに、多孔質構造であることから透
水性を有し、屋外などで使用しても水はけがよく、水溜
まりなどができないという利点もある。
【0004】また、最近では様々な研究成果の1つとし
て、弾性舗装体を車道に適用した場合、弾性舗装材の弾
力特性と多孔質特性によって、車両走行音が低減(吸
収)するという報告がなされており、昨今の環境問題へ
の配慮から車道用としての実用化段階にも入っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の弾
性舗装体を基盤上に車道用として敷設する場合、従来で
は、もっぱらその空隙による騒音低減効果のみにとらわ
れ、過去の検討例の多くは、弾性舗装材を30mm程度
の厚さのプレキャスト板とし、これを透水性アスファル
トにセメントミルクを流し込んだ非透水性の複合舗装体
である、いわゆる半たわみ舗装上に敷設するようにして
いる。
【0006】しかしながら、この半たわみ舗装からなる
基盤は非透水性であるため、ウエット時において弾性舗
装体表面の摩擦係数に影響を及ぼす。また、遊歩道程度
の短い距離ならば問題ないが、道路などの長い距離を敷
設するには、施工コストが高くなる。
【0007】別の事例として、滑り抵抗を改善する目的
で、例えば特許3193312号公報に記載されている
ように、多孔質基盤の表面部に弾性体チップ入りの多孔
質モルタルを擦り込んで敷き均した透水性を有する低騒
音舗装体がある。しかしながら、この基盤と多孔質モル
タルの複合体の構成では、表面部分の空隙率が低く、所
期の騒音低減効果が得られない。
【0008】さらに他の事例として、例えば特開200
1−640904号公報に記載されているように、路盤
上にファイバー状の弾性骨材を用いた2層または単層の
排水性舗装材を接着施工するものがある。しかしなが
ら、このプレキャスト方式による接着施工は、基盤とな
る施工面をあらかじめ研磨した後に、表層にセメントミ
ルクを流し込んでパネルの接着下地を整えて施工するも
のでため、基本的に施工コストが高い。
【0009】また、基盤側の透水性が表層の透水性より
も低いため、その界面には水が停滞しやすく、夏場は高
温多湿、冬場は低温凍結といった状況によって、界面で
の剥離が生じやすい。
【0010】このように種々の事例が提案されている
が、車道用弾性舗装材体の実用化を目前に控え、さらに
次のような課題がある。まず第1に、ウエット時の摩擦
係数向上と騒音低減効果の両立維持である。すなわち、
車道用途の場合、安全面でウエット時の摩擦係数向上が
重要である。そのためには、砂などの硬質骨材を添加す
ればよいことが知られているが、これによると硬質骨材
の添加による空隙率がするため、騒音低減効果が低くな
ってしまう。
【0011】第2に、低コスト化と騒音低減効果の両立
維持である。すなわち、従来のアスファルト舗装に近い
強度得るためには、弾性舗装材に一液ウレタンなどの高
強度なバインダーを使用する必要があり、コスト高にな
らざるを得ない。低コスト化する最も手短な方法は、弾
性舗装材の敷設厚さを薄くすることであるが、厚さが薄
くなると、必然的に弾力特性も低下し、これに伴って騒
音低減効果も低くなってしまう。
【0012】このように、弾性舗装材を車道用として実
用化するうえで、弾性舗装材の最も特徴的な騒音低減効
果を低下させることなく、ウエット時の摩擦係数向上と
低コスト化の両立を図ることが急務となっており、これ
を解決することが本発明の課題である。
【0013】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は、基
盤上に弾性舗装材を敷設してなる弾性舗装体において、
上記基盤が空隙率10〜50%の安定基盤であり、上記
安定基盤上に現場施工によって構築された透水性弾性舗
装層を備えていることを特徴としている。
【0014】これによれば、表層部である透水性弾性舗
装層と、空隙率10〜50%の安定基盤との相乗効果に
より弾性舗装体全体の騒音低減効果の向上を図れる。安
定基盤の空隙率が10%未満の場合、基盤が高密度であ
るため騒音低減効果の点で、表層部との相乗効果が低く
なるおそれがある。逆に、安定基盤の空隙率が50%を
超えると、基盤の耐久性が不足して、凹みやへたりが発
生しやすくなるおそれがある。
【0015】本発明において、「安定基盤」とは、外力
で容易に変形しないように加圧などして平らにした基礎
下地であり、透水性を有する安定基盤としては、排水性
アスファルト、転圧した砕石上にプライマーを散布した
地盤などがある。
【0016】騒音低減効果を維持させつつ、表層部の厚
みをできるだけ薄くしてコストを抑えるには、上記表層
部の厚みが5〜20mmであることが好ましい。すなわ
ち、厚みが5mm未満の場合、表層部が薄くなりすぎる
ため、騒音低減効果に乏しい。逆に、厚みが20mmを
超える場合、騒音低減効果は大きいが、コスト高にな
る。なお、厚み20mmの弾性舗装層で、その下地基盤
が半たわみ層の場合、騒音低減効果を得ることは困難で
ある。
【0017】路面の経年的使用に伴う、骨材間への異物
の目詰まり、ひいてはその目詰まりによって騒音低減効
果や排水性の低下、摩擦係数の低下などを抑制するた
め、上記弾性舗装材には、ひじき状ゴムチップが含まれ
ていることが好ましい。
【0018】本発明のいう「ひじき状ゴム」とは、別名
撚糸ゴムとも呼ばれ、例えば天然ゴムやSBRなどの各
種ゴム材料をいわゆるひじき状に形成したファイバー状
ゴムであり、これら各種ゴム材料の単体物もしくは混合
物、またはこれらゴム材料で被覆された骨材など基本的
にゴム弾性を有するものであれば適宜選択可能である。
【0019】上記安定基盤は、表面未研磨の透水性アス
ファルトであることが好ましい。これによれば、汎用舗
装材である透水性アスファルトを使用することにより、
低コストで施工可能であり、空隙率も得やすい。また、
その表面を未研磨状態で使用することで、更なる低コス
ト化が可能である。
【0020】優れた騒音低減効果を得るためにも、上記
表層部の空隙率が30〜50%であることが好ましい。
空隙率が30%未満の場合、各骨材間に形成される空隙
が少ないため、空孔によって吸収される音の量も減り、
その結果、騒音低減効果が低くなる、逆に空隙率が50
%を超えると、音の吸収率は上がるが、舗装面が柔らか
くなり、舗装面としての正常な機能を維持することが困
難となる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照しながら説明する。図1には、路床1上にあ
らかじめ透水性を有するように構築された基盤2上に、
弾性舗装材3よりなる表層部30を形成した本発明の弾
性舗装体の模式的断面図が示されている。
【0022】基盤2は、好ましくは透水性アスファル
ト、その他簡易安定化処理面などであってよく、必ずし
も高度に安定化処理された処理面である必要はないが、
骨材がバインダーを介して固定された安定基盤であり、
所定の空隙率によって透水性を有する透水性舗装である
ことが好ましい。
【0023】本発明の基盤2の空隙率は10〜50%の
範囲内であることが好ましい。すなわち、基盤2の空隙
率が10%未満の場合、基盤が高密度化されることによ
り、表層部30との相乗効果が低くなるおそれがある。
逆に、空隙率が50%を超えると、基盤2の耐久性が不
足して、凹みやへたりが発生しやすくなるおそれがあ
る。
【0024】また、表層部30との接合面での剥がれを
防止するため、基盤2にプライマーを施してもよい。プ
ライマーとしては、例えばウレタンやエポキシなどの反
応性接着剤の未硬化物を塗布し、それらが完全に硬化す
る前に表層部30を施工することが好ましい。現場施工
式の場合は、バインダーなどの配合によっては、プライ
マーを使用しなくてもよい。
【0025】なお、図1上では、基盤2の表面、すなわ
ち表層部30との接合面は、一様に研磨されているよう
に見えるが、実際には未研磨処理状態であり、表面の凹
凸にに沿って弾性舗装材3が舗装されている。これによ
れば、いちいち基盤2表面を研磨する必要がないため、
より安価に敷設することができる。これは特に上述した
表層部2が現場施工方式にて敷設される場合において有
効である。
【0026】表層部30を構成する弾性舗装材3には、
弾性粒状物を有する軟質骨材31のみでなく、硬質粒状
物を有する硬質骨材32が含まれていてもよく、これら
各骨材がバインダーによって結合されている。
【0027】軟質骨材31としては、天然ゴム、SB
R、NBR、EDPM、BR、CRなどの各種ゴム材料
の単体もしくは混合物、またはこれらゴム材料で被覆さ
れた骨材、ウレタンなどの各種エラストマーなど基本的
にゴム弾性を有するものであれば使用可能である。
【0028】この軟質骨材31は、新規に製造されたも
のであってもよいし、再生品や廃材などを用いたリサイ
クル品であってもよい。なお、破砕物を含む場合には、
切断面に毛羽立ちが形成されていれば、なおのことよ
い。
【0029】軟質骨材31としては、ひじき状ゴムが用
いられることが好ましい。ひじき状ゴムは、別名ファイ
バー状ゴムまたは撚糸ゴムとも呼ばれ、使用することに
より、所望の空隙率が得られやすい。なお、これ以外に
通常の粒状をしたゴムチップであってもよく、ゴムチッ
プとひじき状ゴムの混合物であってもよい。
【0030】硬質骨材32は、従来より用いられている
自然石、木片、クルミ、竹屑、貝殻、けい砂、人工石、
スラグ、各種セラミックス粒子、硬質プラスチックなど
がそのまま使用可能である。その形状、大きさおよび色
は任意であってよい。
【0031】とりわけ、硬質骨材32にはモース硬度が
8以上(好ましくは10以上)の規則正しい結晶格子構
造を有する材料が好ましい。すなわち、面心立方格子、
体心立方格子もしくは最密六方晶構造のいずれかに該当
する結晶構造を備えているセラミックス系材料、特には
人工的に製造されたセラミックス材料が好ましい。
【0032】この条件を満足するモース硬度が8以上の
ものとしては、例えばベリリア、チタニア、ジルコニ
ア、ムライト、スピネル、一部チタンカーバイト、一部
シリカなどが例示される。また、モース硬度が10以上
のものとしては、アルミナ、酸化クロム、炭化珪素、一
部チタンカーバイト、窒化珪素などが例示される。
【0033】これによれば、硬度が高いことにより、タ
イヤなどの被接触物に対する摩擦抵抗が大きくなる。ま
た、結晶格子が規則的正しい材料を採用したことによ
り、これら材料は摩耗時に結晶格子に沿って破壊する傾
向があり、ウエット時の滑りの低減効果が持続する。ま
た、結晶格子によるエッジ効果がによって水膜が破壊さ
れ、ウエット時の滑りをより低減させることができる。
【0034】硬質骨材32の粒径はあくまで任意である
が、好ましくは500μm以下にすることで、マイクロ
テクスチャーの形成が容易になり水膜破壊効果による摩
擦抵抗の増大が見込まれる。さらに、300μm以下に
することで、硬質骨材が露出する表面積が増し、その作
用効果がより顕著に表れる。
【0035】硬質骨材32の充填量(配合比)について
言うと、硬質骨材32は、軟質骨材に対し体積比で、硬
質骨材:軟質骨材=2:100以上、このましくは4:
100以上、より好ましくは10:100以上含まれて
いる方がよい。
【0036】硬質骨材:軟質骨材=2:100以上であ
れば、最低限の騒音低減効果が得られる。また、4:1
00以上であれば、硬質骨材により摩擦係数を増加させ
ることができる。さらに、10:100以上含まれてい
れば、軟質骨材31上に硬質骨材32が多く露出するた
め、さらに摩擦係数が向上し、ウエット時の滑りを効果
的に防止する。
【0037】この実施形態において、硬質骨材32は、
軟質骨材31と混合してバインダーによって結合したも
のを基盤2上に敷設しているが、この硬質骨材32は、
表層近傍に少しでも投入すれば効果が得られるため、軟
質骨材31とバインダーをブレンドして敷設したもの
に、上から散布して馴染ませてもよい。
【0038】この実施形態において、硬質骨材32は、
セラミックス系の材料を用いているが、これ以外に上述
した自然石、木片、クルミ、竹屑、貝殻、けい砂、人工
石、スラグセラミックス粒子、硬質プラスチックなどと
混合して使用してもよい。
【0039】バインダーには、好ましくは樹脂系のバイ
ンダーが用いられる。例えば、ポリウレタン樹脂、エポ
キシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、メタアク
リル樹脂、アクリルエマルジョン、アスファルトエマル
ジョンなどが使用可能である。
【0040】その中でも、軟質で耐候性、耐水性の優れ
た硬化性樹脂材料もしくは軟質熱可塑性ポリマーが好ま
しく、特に一液のウレタンが最も効果的で、比較的高強
度な10MPa以上の引張強度のものがウエット時の摩
擦係数を向上させる。
【0041】バインダー量は骨材の粒径や硬化条件によ
り異なるが、目安として重量比で、バインダー:骨材=
1:3〜1:10の範囲が好ましい。1:3未満である
と、骨材間がバインダーで満たされ骨材の特性が出な
い。また、1:10を超えると、強度不足となるので好
ましくない。
【0042】表層部30の形成方法には、次の2通りの
方法がある。第1の方法は、現場施工方式で弾性舗装材
3を混合して、基盤2上に供給して転圧や引き伸ばしな
どにより均した後、硬化させる。この現場施工方式によ
れば、基盤2の凹凸や傾斜、カーブなどにも迅速に対応
可能である。特に現場施工方式は、車道などの単位敷設
長さが数kmと長い場合に好適である。
【0043】第2の方法は、弾性舗装材3をあらかじめ
工場などにて成形して板状のブロック体とし、そのブロ
ック体を基盤2上に敷き詰めて表層部30を構築する方
法、いわゆるプレキャスト施工方式である。
【0044】プレキャスト施工方式を採用した場合、ブ
ロック体のサイズは、例えば厚さ30mmで、一辺が3
0cm以上が好ましいが、生産性を考慮すると一辺が5
0cm以上であるとよい、また、施工性の観点からすれ
ば、一辺が2m以下が好ましい。
【0045】このプレキャスト施工方式によれば、工場
で生産することによりブロック体の性状をきめ細かくコ
ントロールすることができ、施工時の天候などによって
舗装面の状態が変わることなく、均質な舗装面が得られ
る。この施工方法は、特に上述した基盤2が平坦である
ことが満たされている場合において有効である。
【0046】また、このブロック体の表面に凹溝を所定
のパターンで形成することにより、舗装面全体の摩擦係
数をより高めることができる。凹溝の成型方法には、圧
入法、切削法、加熱溶融法などがあるが、特には圧入法
が好ましい。なお、凹溝は現場施工で行ってもよい。
【0047】ここで、本発明における基盤(透水性弾性
舗装層)の空隙率は、30〜50%の範囲内であること
が好ましい。すなわち、空隙率が30%未満の場合、各
骨材間に形成される空隙が少ないため、吸収される音の
量も減り、騒音低減効果が低くなる、逆に空隙率が50
%を超えると、音の吸収率は上がるが、舗装面が柔らか
くなり、舗装面として正常に機能することができないお
それがある。
【0048】また、ウエット時における滑りの防止など
安全性を確保するためにも、表層部30の摩擦係数
(μ)は、DF(ダイナミックフリクション)テスタで
の湿潤時(ウエット時)の測定値が0.45以上(より
好ましくは、0.45〜0.9)であることが好まし
い。
【0049】
【実施例】砕石を所定厚さに敷き詰めて構築された砕石
層(路床)の上に、下記実施例1〜3および比較例1,
2の各中間層(基盤)を形成し、その表面を十分に均し
てレベルを出し、プライマ処理を行った。しかる後、こ
の上に下記実施例1〜3および比較例1,2の弾性舗装
材よりなる表層部を形成して、空隙率と摩擦係数とを測
定した。
【0050】なお、実施例1および比較例2の軟質骨材
には、EPDMおよびSBRのブレンドゴムチップ(住
友ゴム工業社製粉末ゴム3号)を用いた。また、実施例
2,3および比較例1には、ひじき状ゴム(住友ゴム工
業社製FR24)を用いた。
【0051】硬質骨材には、アルミナ砥粒の60メッシ
ュ、120メッシュおよび住友ゴム工業社製シリカサン
ド6号を用いた。
【0052】各例ともに、樹脂バインダーにはMDI系
一液硬化型ウレタン樹脂(住友ゴム工業社製グリップコ
ートC−926、GB0007およびGB0689)を
用いた。そして、これに各例ごとに選定された硬質骨材
を所定の配合比で混合し、万能攪拌機にて均一に攪拌し
た。その攪拌物をサイズ50cm×50cm、厚み30
mmで現場施工し1週間養生させて均一な表層部を得
た。
【0053】基盤および表層部の空隙率には、それぞれ
3×3×3(cm)に切り出された試験片を吊り線を介
して一定温度(t℃)のメタノール溶液中に試験片全体
が浸かるように吊し、メタノール中の試料温度がt±
0.5℃になった時点で秤量した後、以下の計算式によ
って算出する、いわゆる連続空隙率測定法を採用した。
連続空隙率は、以下の式を用いて算出する。 連続空隙率(%)=((V−Vc)/V)×100 ・・・式 ここで、Vは試験片の体積(cm)、Vcは独立空隙
を含む骨材の体積(cm)である。なお、Vcは以下
の式を用いて算出する。 Vc=W/((W/W)×γm) ・・・式 ここで、Wは空気中での試験片の質量、Wはメタノ
ール中での試験片の質量、λmはt℃におけるメタノー
ルの密度である。
【0054】摩擦抵抗の測定には、回転式滑り抵抗測定
器(DFテスター)を用いた。図2に示すように、DF
テスター4は、ゴムピース43を介して表層部30上で
接触しながら回転する円盤41と、同円盤41を回転駆
動する駆動部42と、ゴムピース43に作用する摩擦力
などを測定する測定装置(図示しない)とから構成され
ている。
【0055】測定を始めるに当たっては、まず50×5
0cm、厚さ30mmに切り出された表層部30を30
分間水に浸した後、それを水平にして固定する。固定後
もジョウロ等で散水して水膜を維持させる。次に、ゴム
ピース43がセットされた円盤41をゴムピース43が
表層部30を向くように表層部30の直上にセットす
る。このときゴムピース43はまだ接触させない。
【0056】初期設定後、測定を開始する。まず、駆動
部42を駆動して円盤41を線速度が90km/hまで
定速回転させた状態で円盤41を駆動部42から切り離
し、ゴムピース43を表層部30に接触させて、このと
きの摩擦力などを測定する。なお、測定は各3回づつ実
施する、なお、測定前には、その都度水を散水する。
【0057】さらに、各実施例および比較例による50
m長の舗装路面を作製し、その上を2輪車およびトラク
ションバスにて走行して、より実車に近い走行性および
騒音性の2種類のフィーリング試験を実施した。
【0058】走行性の評価は、2輪車による、ブレー
キ、ハンドリング時の安全性をプロドライバーの感性で
評価した。評価方法は、アスファルト並みの安全性が
◎、走行に全く問題ないが○、走行に不安が残るが△、
走行危険が×の4段階で評価した。
【0059】騒音性の評価は、4輪車による惰行騒音
(エンジンを切って定速で路面を通過)したとき、所定
距離離れた場所に待機している被験者による聞き取り調
査で評価した。評価方法は、とにかく静かであるが◎、
アスファルトと比べて数段静かであるが○、アスファル
トよりも静かが△、アスファルトと同程度にうるさいが
×の4段階で評価した。
【0060】また、実施例1を基準値「10」として、
本発明の弾性舗装体の敷設に係るコストを算出した。コ
スト算出は、基盤形成と弾性舗装体の総合的な費用で計
算した。以下に、その各測定結果および評価結果を示
す。
【0061】《実施例1》 〔表層部仕様〕空隙率;32%,厚み;30mm,ゴム
形状:チップ状 〔基盤仕様〕 種類;透水性アスファルト,空隙率;1
1% 〔骨材配合比〕軟質骨材:硬質骨材=100:25 〔評価結果〕 〔ウエット時摩擦係数(評価)〕0.6(◎) 〔騒音性〕○ 〔コスト(評価)〕基準値10(○〜△) 〔総合〕○
【0062】《実施例2》 〔表層部仕様〕空隙率;45%,厚み;20mm,ゴム
形状;ひじき状 〔基盤仕様〕 種類;透水性アスファルト,空隙率;2
5% 〔骨材配合比〕軟質骨材:硬質骨材=100:10 〔評価結果〕 〔ウエット時摩擦係数(評価)〕0.45(△) 〔騒音性〕◎〜○ 〔コスト(評価)〕7.5(◎) 〔総合〕◎
【0063】《実施例3》 〔表層部仕様〕空隙率;32%,厚み;15mm,ゴム
形状;チップ状 〔基盤仕様〕 種類;透水性アスファルト,空隙率;2
5% 〔骨材配合比〕軟質骨材:硬質骨材=100:25 〔評価結果〕 〔ウエット時摩擦係数(評価)〕0.6(◎) 〔騒音性〕△ 〔コスト(評価)〕6.5(◎) 〔総合〕◎
【0064】〈比較例1〉 〔表層部仕様〕空隙率;32%,厚み;30mm,ゴム
形状;チップ状 〔基盤仕様〕 種類;半たわみ舗装,空隙率;5% 〔骨材配合比〕軟質骨材:硬質骨材=100:25 〔評価結果〕 〔ウエット時摩擦係数(評価)〕0.6(◎) 〔騒音性〕△ 〔コスト(評価)〕11(△) 〔総合〕○〜△
【0065】〈比較例2〉 〔表層部仕様〕空隙率;45%,厚み;30mm,ゴム
形状;ひじき状 〔基盤仕様〕 種類;半たわみ舗装,空隙率;5% 〔骨材配合比〕軟質骨材:硬質骨材=100:10 〔評価結果〕 〔ウエット時摩擦係数(評価)〕0.45(△) 〔騒音性〕◎ 〔コスト(評価)〕12(△) 〔総合〕○〜△
【0066】参考までに、上記実施例1〜3および比較
例1,2の各仕様とその評価結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】上記実施例1〜3および比較例1,2によ
り、以下の知見を得た。 (1)実施例2は、ひじき状ゴムを採用することによ
り、表層部の厚みが薄くとも、十分な空隙率が得られる
とともに、厚さの減少に伴い、施工コストが低減する。 (2)実施例3は、チップ状ゴムを用いているにもかか
わらず、評価はよい。これは、実施例1と比較して基盤
の空隙率が高いことに起因する。
【0069】また、これとは別に、駐車場用路面として
上記実施例1〜3の弾性舗装体を駐車場の例えば出入り
口など車が停止および発進する場所に敷設して、毎日散
水およびハンマリング試験を実施したが、約5ヶ月経過
後も剥離などは見られず、舗装面としての正常な機能を
維持していた。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基盤上に弾性舗装材を敷設してなる弾性舗装体におい
て、基盤が空隙率10〜50%の安定基盤であり、安定
基盤上に現場施工によって構築された透水性弾性舗装層
を備えていることにより、安定基盤上に構築される表層
部の厚さを薄くすることができ、施工コストが安価にな
るばかりでなく、低減した表層部の騒音低減効果を安定
基盤の空隙率を調整することにより補うことで、全体の
騒音低減効果を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により構築された弾性舗装体の模式的断
面図。
【図2】DFテスターの仕様を説明する説明図。
【符号の説明】 1 路床 2 基盤 3 弾性舗装材 30 表層部 31 軟質骨材 32 硬質骨材 4 DFテスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D051 AA02 AA06 AF01 AF07 AF09 AG01 AG03 AG13 AH01 AH03 DA02 DC02 DC09 EA01 EA06 EB05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基盤上に弾性舗装材を敷設してなる弾性
    舗装体において、 上記基盤が空隙率10〜50%の安定基盤であり、上記
    安定基盤上に現場施工によって構築された透水性弾性舗
    装層を備えていることを特徴とする弾性舗装体。
  2. 【請求項2】 上記透水性弾性舗装層の厚みが、5〜2
    0mmである請求項1に記載の弾性舗装体。
  3. 【請求項3】 上記透水性弾性舗装層には、ひじき状ゴ
    ムチップが含まれている請求項1または2に記載の弾性
    舗装体。
  4. 【請求項4】 上記安定基盤が、表面未研磨の透水性ア
    スファルトからなる請求項1ないし3のいずれか1項に
    記載の弾性舗装体。
  5. 【請求項5】 上記透水性弾性舗装層の空隙率が、30
    〜50%である請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の弾性舗装体。
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JP2007131657A (ja) * 2005-11-08 2007-05-31 Chugai Shoko Kk 舗装材

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