JP4242305B2 - 低μ路舗装構造 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば車両の試験走行用の路面や、自動車教習場の路面の一部として用いられる、表面のすべり抵抗値(μ値)が低い値となるように調整された低μ路舗装構造に関する。
アスファルトコンクリートによる舗装面は、低速走行時のみならず高速走行時においても、天候や気温等の変化に応じて、自動車等の車両が滑ることなく安定した状態で走行できるように、その表面のすべり抵抗値(μ値)が、例えば0.4〜0.8程度の値となるように設計されているのが一般的である。
一方、例えば滑りやすい路面における自動車のブレーキシステムをテストしたり、制動特性をテストするためのテストコースや、自動車教習場等において滑りやすい路面を走行する際のテクニックを収得するためのテストコースにおいては、例えばμ値が0.15±0.05〜0.25±0.05程度の低い値となるように設定された、いわゆる低μ路舗装が必要とされる場合がある。
従来の技術によれば、このようなテストコース用の低μ路舗装として、バサルトタイルを用いたものが一般的に知られている(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)。バサルトタイルは、例えばチェコスロバキア産の玄武岩を溶解し、そのまま鋳型に流し込んで冷却することによって得られた、例えば200〜250mm×200〜250mm程度の大きさのタイルであって、例えば路盤上に打設形成された下地コンクリートの上に縦横に並べて配置されることにより、例えば水を捲いた湿潤状態において0.15〜0.25程度のすべり抵抗値(μ値)となる路面を形成するものである。
また、バサルトタイルによる従来の低μ路舗装によれば、当該バサルトタイルを敷きモルタルを介して下地コンクリートの上に布設し、目地モルタルを注入して目地を仕上げた後に、タイルの表面をフロアーポリッシャー等の研磨装置によって研磨する際の研磨の程度によって、上述の低い範囲ですべり抵抗値(μ値)の値を適宜の大きさに設定できると共に、車両の走行速度等の条件が変化しても設定されたすべり抵抗値(μ値)を略一定に保つことができるようになっている。
さらに、低μ路舗装に関する他の技術としては、アスファルト面を研磨してアスファルト合材の粗骨材を露出させると共に、粗骨材の露出部分を丸味形状にし、かつ粗骨材の表面の面粗度を小さくした低μ路舗装(例えば、特許文献2参照)や、砕石、砂、石粉及びアスファルトを所定の配合で混合して母体アスファルト混合物を得る工程と、母体アスファルト混合物を舗設現場に搬送して敷均し転圧する舗設工程と、普通ポルトランドセメント、水及び添加剤を所定の配合で混合した浸透用セメントミルクを母体アスファルト混合物に注入する工程と、所定の養生の後、ダイヤモンドや砥石を使って舗装表面を研磨して所定のμ値を得る工程とからなる低μ路工法(例えば、特許文献3参照)が開示されている。
さらにまた、低μ路舗装に関する技術とは異なり、排水性アスファルト舗装の表面をその排水性を維持しつつ強化するための技術として、所定の粒径及び粒度の骨材と樹脂とを混合した充填材を排水性アスファルト舗装の表面に敷設する道路の舗設方法(例えば、特許文献4参照)や、道路の舗設材(例えば、特許文献5参照)が開示されている。
「自動車研究」、第9巻、第11号(昭和62年11月)、第449〜453頁、「総合試験路、滑り易い試験路およびスキッドパットの改修工事の竣工」、上島昭治、他2名 実用新案登録第3064774号公報 実開平3−96331号公報 特開平10−121404号公報 特開平11−293614号公報 特開2001−11812号公報
しかしながら、従来のバサルトタイルを用いた低μ路舗装によれば、バサルトタイルを一枚一枚並べて布設してゆく作業に多くの手間がかかるとと共に、バサルトタイルは、チェコスロバキア産の限定された製品であるため入手が困難であり、また高価な製品であるため施工コストが嵩むことになる。また、従来の低μ路舗装に関する技術は、いすれも敷設した舗装の表面を研磨する必要があるため、作業が繁雑になる。
一方、これらの従来の低μ路舗装の代替技術として、コンクリートによる舗装面にすべり抵抗を低下させる樹脂を塗布した舗装や、バサルトタイルに代わる他のタイル製品を新たに開発することが考えられるが、前者は耐久性を確保することが困難であり、後者は施工性や施工コストを充分に改善することが困難である。
また、特許文献4や特許文献5に記載の技術を応用して、表面のμ値が低い値となった舗装を得ようとしても、これらの舗設方法や舗設材は、排水性アスファルト舗装の表面を強化することを目的とするものであって、敷設された充填材によって表面のすべり抵抗値(μ値)は却って増加することになるため、μ値が例えば0.15±0.05〜0.25±0.05程度の低μ路舗装を形成することは困難である。
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたものであり、低い範囲のすべり抵抗値(μ値)となるように設定された路面を備えることができ、且つ車両の走行速度等の条件が変化しても設定されたすべり抵抗値(μ値)を略一定に保つことができると共に、容易且つ安価に施工することのできる低μ路舗装構造を提供することを目的とする。
本発明は、骨材、フィラー、及びアスファルトからなる母体アスファルトコンクリートと、当該母体アスファルトコンクリートの表面に敷設付着して形成された、舗装用バインダ、フィラー、及びμ値調整用骨材からなる低μ路用アスファルトマスチックによる表面処理層とによって構成され、表面のすべり抵抗値(μ値)が0.10〜0.30となるように調整された低μ路舗装構造であって、前記母体アスファルトコンクリートは、ギャップアスファルト混合物用の粒度範囲の骨材が配合されることにより、表面が粗面となっており、且つ前記低μ路用アスファルトマスチックに混合される前記μ値調整用骨材は、粒径が5mm以下の骨材であって、前記舗装用バインダと前記フィラーとの混合物であるフィラービチュウメンの比重の90〜110%の比重を有する人工軽量骨材からなり、前記低μ路用アスファルトマスチックに10〜45体積%含まれていることを特徴とする低μ路舗装構造を提供することにより、上記目的を達成したものである。
そして、本発明の低μ路舗装構造によれば、前記低μ路用アスファルトマスチックの前記舗装用バインダは、特殊アスファルトであることが好ましい。
また、本発明の低μ路舗装構造によれば、前記母体アスファルトコンクリートのアスファルトは、耐久性を向上させる改質アスファルトであることが好ましい。
さらに、本発明の低μ路舗装構造によれば、前記特殊アスファルトは、石油アスファルトと、樹脂、ゴム又は天然アスファルトのいずれか1種以上との混合物からなるアスファルトであることが好ましい。
さらにまた、本発明の低μ路舗装構造によれば、前記μ値調整用骨材として用いる人工軽量骨材は、多孔質セラミックであることが好ましい。
ここで、上記記載において、すべり抵抗値(μ値)は、「舗装試験法便覧別冊(暫定試験方法)」(平成8年10月、社団法人日本道路協会発行)の第288頁〜第293頁に記載された、「4−1−1T SL回転式すべり抵抗測定器による動的摩擦係数の測定方法」に従って、回転式の円盤を用いたすべり抵抗測定器により路面の動的摩擦係数として測定された値である。すなわち、この測定方法に用いる回転式すべり抵抗測定器は、路面とタイヤゴムピースとが接する構造で回転する円盤、回転時にタイヤゴムピースに作用する摩擦力等を計測する装置、及び記録装置で構成されるもので、このような測定器のポータブルな装置としては、例えばダイナミック・フリクション・テスター(DFテスター)を用いることができる。
以下この発明をさらに詳細に説明する。この発明の低μ路舗装構造は、上述のように、骨材、フィラー、及びアスファルトからなる母体アスファルトコンクリートと、当該母体アスファルトコンクリートの表面に敷設付着して形成された、舗装用バインダ、フィラー、及びμ値調整用骨材からなる低μ路用アスファルトマスチックによる表面処理層とによって構成され、表面のすべり抵抗値(μ値)が0.10〜0.30となるように調整された低μ路舗装構造であって、前記母体アスファルトコンクリートは、ギャップアスファルト混合物用の粒度範囲の骨材が配合されることにより、表面が粗面となっており、且つ前記低μ路用アスファルトマスチックに混合される前記μ値調整用骨材は、粒径が5mm以下の骨材であって、前記舗装用バインダと前記フィラーとの混合物であるフィラービチュウメンの比重の90〜110%の比重を有する人工軽量骨材からなり、前記低μ路用アスファルトマスチックに10〜45体積%含まれている。
そして、この発明の低μ路舗装構造の下層部分を形成する母体アスファルトコンクリートは、骨材と、フィラーと、アスファルトと、必要に応じて添加混合されるその他の添加剤とからなり、またギャップアスファルト混合物用の粒度範囲の骨材が配合されることにより、当該母体アスファルトコンクリートの舗装表面を粗面としている。母体アスファルトコンクリートの舗装表面が粗面となっていることにより、当該表面に布設される表面処理層との強固な接着性を確保することが可能になる。
ここで、母体アスファルトコンクリートを構成するギャップアスファルト混合物用の粒度範囲の骨材としては、例えば密粒度ギャップアスファルト混合物や細粒度ギャップアスファルト混合物等に配合される粒度範囲の骨材等の、舗装表面が粗面となるようにその粒度を調整した骨材を使用することができる。
また、母体アスファルトコンクリートを構成するフィラーは、主として0.074mm以下の粒径を有し、アスファルトや骨材と混合されてアスファルトの耐久性、感温性、コンシステンシーなどを改善し、アスファルト混合物全体の安定性を向上する機能を発揮するもので、例えば石灰岩石粉(石粉)やセメント、フライアッシュ等を使用することができる。
さらに、母体アスファルトコンクリートを構成するアスファルトは、石油を精製し揮発成分を取り出した後の残留物であって、アスファルト舗装において、骨材粒子をつなぐバインダーとしての機能を発揮するものである。このようなアスファルトすなわちバインダーとしては、一般に用いられる各種のストレートアスファルトの他、例えばシーロフレックス(大林道路株式会社製)等の、アスファルトコンクリートの耐久性を向上させる各種の改質アスファルトを使用することができる。
一方、この発明の低μ路舗装構造の上層部分を形成する表面処理層は、舗装用バインダ、フィラー、及びμ値調整用骨材からなるスラリー材である低μ路用アスファルトマスチックを、母体アスファルトコンクリートの表面に敷設付着することによって形成され、且つ低μ路用アスファルトマスチックに混合されるμ値調整用骨材は、粒径が5mm以下の骨材であって、舗装用バインダとフィラーとの混合物であるフィラービチュウメンの比重の90〜110%、好ましくは95〜105%の比重を有する人工軽量骨材からなり、低μ路用アスファルトマスチックに10〜45体積%含まれている。
ここで、低μ路用アスファルトマスチックを構成する舗装用バインダとしては、加熱アスファルトの他、アスファルト乳剤や樹脂等の、舗装用のバインダとして知られる公知の各種のバインダを用いることができる。また表面処理層の耐久性や施工性等を考慮して、好ましくは特殊アスファルトが用いられる。このような特殊アスファルトとしては、例えば石油アスファルトと、樹脂、ゴム又は天然アスファルトのいずれか1種以上とを混合して形成されたアスファルトを用いることができる。また樹脂が添加混合された樹脂アスファルトとしては、例えばエポキシ樹脂が添加混合されたエポキシアスファルトや、ウレタンが添加混合されたウレタンアスファルト等を用いることができ、これらの樹脂アスファルトのうち、エポキシアスファルトを用いることが特に好ましい。エポキシアスファルトを用いることにより、耐流動性と適切な靱性を備えた薄い表面処理層の構築が可能になる。なお、本発明によれば、舗装用バインダとして、アスファルト乳剤を単独で用いたり、エポキシ樹脂やウレタン樹脂等の樹脂を単独で用いることもできる。
また、低μ路用アスファルトマスチックを構成するフィラーは、主として0.074mm以下の粒径を有し、舗装用バインダの耐久性、感温性、コンシステンシーなどを改善し、低μ路用アスファルトマスチック全体の安定性を向上する機能を発揮するもので、例えば石粉、セメント、フライアッシュ等を使用することができる。
そして、本発明によれば、低μ路用アスファルトマスチックを構成するμ値調整用骨材として、粒径が5mm以下の骨材であって、舗装用バインダとフィラーとの混合物であるフィラービチュウメンの比重の90〜110%、好ましくは95〜105%の比重を有する人工軽量骨材が用いられる。すなわち、一般に用いられる骨材は、通常は、2.60〜2.70程度の比重を有するものであり、フィラービチュウメンの140〜160%程度の比重となっているのに対し、本発明によれば、人工軽量骨材は、例えば1.55〜1.90程度の比重を有しており、フィラービチュウメンの比重の90〜110%となっている。
ここで、このような比重を有する人工軽量骨材としては、例えば多孔質セラミック、溶融スラグ、天然軽量骨材等を挙げることができるが、均質性、耐久性等に優れているという利点を有することから、多孔質セラミックを用いることが好ましい。また人工軽量骨材の比重を上述の範囲とすることにより、例えば合材プラントにおいてフィラービチュウメンとμ値調整用骨材とを混合して低μ路用アスファルトマスチックを形成してから、これを例えばグーズクッカー車に移してクッキングしながら施工現場に運搬し、施工現場に敷設した後、所定の養生期間が経過するまでの間、μ値調整用骨材は、フィラービチュウメンの中で沈殿したり浮揚したりして材料分離を生じることなく、略均一に分散した状態を容易且つ確実に保持することが可能になる。これによって、舗装用バインダとフィラーとの混合物であるフィラービチュウメのみによる表面処理層ではすべり抵抗を殆ど発揮できない状態から、所定の配合量のμ値調整用骨材を混合することによって、表面のすべり抵抗値(μ値)が0.10〜0.30となる低μ路舗装を得るための設定調整を、例えば±0.05の誤差の範囲で精度良く行うことが可能になる。また車両の走行速度や気温等の条件が変化しても、設定された表面のすべり抵抗値(μ値)が±0.05の範囲で略一定に保たれる低μ路舗装を、容易に形成することが可能になる。
すなわち、本発明によれば、人工軽量骨材によるμ値調整用骨材の比重を、フィラービチュウメンの比重と略等しくしたことにより、低μ路用アスファルトマスチックの混合、施工、養生中において、μ値調整用骨材はフィラービチュウメンの中での良好な均一分散性が保持されることになるので、舗装表面のブツブツ(凹凸)によるテクスチャーを、μ値調整用骨材の配合量によりコントロールすることが可能になり、これによって所望の低いμ値となった低μ路舗装を容易に得ることが可能になる。
また、本発明によれば、上述の比重を有する人工軽量骨材は、低μ路用アスファルトマスチックに10〜45体積%混入される。人工軽量骨材を低μ路用アスファルトマスチックに10〜45体積%混入することにより、表面のすべり抵抗値(μ値)が0.10〜0.30となる低μ路舗装を得るための設定調整を、容易に行うことが可能になる。
なお、低μ路用アスファルトマスチックから人工軽量骨材の配合量を除いた残りの部分は、主として舗装用バインダとフィラーとを合わせたフィラービチュウメンの配合部分であり、このフィラービチュウメンの比重は、舗装用バインダとフィラーとの配合量の比によって変化することになる。ここで、フィラービチュウメンにおけるフィラーの配合量が増えることによって、フィラービチュウメンの比重は大きくなる。そして人工軽量骨材は、このように配合量が調整されたフィラービチュウメンの比重に対する上述の割合の比重を備えることになる。
また、上述のような構成のスラリー材である低μ路用アスファルトマスチックを、母体アスファルトコンクリートの粗い表面に敷設付着する作業は、例えばグーズクッカー車により運搬した低μ路用アスファルトマスチックを、例えばアスファルトマスチックフィニッシャーを用いて敷設すること等によって、容易に行うことができる。
本発明の低μ路舗装構造によれば、0.10〜0.30といった低い範囲のすべり抵抗値(μ値)となるように設定された路面を備えることができ、且つ車両の走行速度等の条件が変化しても設定されたすべり抵抗値(μ値)を略一定に保つことができると共に、容易且つ安価に施工することができる。
本発明の好ましい一実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図1に示す本実施形態の低μ路舗装構造10は、例えば滑りやすい路面における自動車のブレーキシステムをテストしたり、制動特性をテストするためのテストコースや、自動車教習場等で滑りやすい路面を走行する際のテクニックを収得するためのテストコースにおいて、μ値が0.10〜0.30といった低い値となるように設定された、滑りやすい舗装であるいわゆる低μ路舗装を形成するために採用されたものである。
また、本実施形態の低μ路舗装構造10は、車両の走行速度や気温等の走行条件が変化しても、0.10〜0.30の範囲に設定された路面のすべり抵抗値(μ値)を、±0.05の変動の範囲で略一定に保つことのできる低μ路舗装を形成するために採用されたものである。
そして、本実施形態の低μ路舗装構造10は、粗骨材11と、細骨材、フィラー、及びアスファルトからなるアスファルトモルタル12とによって形成される、例えば厚さ(T1)が40mm程度の母体アスファルトコンクリート13と、この母体アスファルトコンクリート13の表面に、スラリー材である低μ路用アスファルトマスチック14を敷設付着して形成された、例えば厚さ(T2)が5mm程度の表面処理層15とによって構成され、表面のすべり抵抗値(μ値)が0.10〜0.30となるように調整されている。
本実施形態の低μ路舗装構造10によれば、これの下層部分を形成する母体アスファルトコンクリート13の構成材料であるアスファルトモルタル12は、細骨材と、フィラーとしての石粉と、バインダーとしてのアスファルトを含むもので、母体アスファルトコンクリート13中において、粗骨材11間の間隙を充填するようにして硬化する。なお、このアスファルトモルタル12には、必要に応じて他の添加剤を適宜添加混合することもできる。
また、本実施形態によれば、母体アスファルトコンクリート13の構成材料である粗骨材11、及びアスファルトモルタル12に含まれる細骨材は、例えば密粒度ギャップアスファルト混合物用の粒度範囲の骨材となっており、したがって低μ路用アスファルトマスチック14が敷設付着される母体アスファルトコンクリート13の表面は、粗面を形成することになる。またこれによって、低μ路用アスファルトマスチック14による表面処理層15には、はがれやよれが発生しにくくなるものと考えられる。
さらに、本実施形態によれば、母体アスファルトコンクリート13の構成材料であるアスファルトとして、例えばシーロフレックス(大林道路株式会社製)等の改質アスファルトが用いられており、これによって、母体アスファルトコンクリート13の耐久性を向上させることができるようになっている。
一方、母体アスファルトコンクリート13の表面を覆う低μ路用アスファルトマスチック14は、舗装用バインダとしての特殊アスファルト及びフィラーとしての石粉からなる、低μ路用アスファルトマスチック14の本体部分をなすフィラービチュウメン16と、このフィラービチュウメン16中に混入された粒径が5mm以下の人工軽量骨材であるμ値調整用骨材17とからなり、このμ値調整用骨材17は、フィラービチュウメン16の比重の90〜110%の比重を有しており、低μ路用アスファルトマスチック14に10〜45体積%の割合で配合されている。また低μ路用アスファルトマスチック14は、母体アスファルトコンクリート13の表面に一体となるように敷設付着されることにより、低μ路舗装構造10の上層部分となる表面処理層15を形成している。
ここで、本実施形態によれば、低μ路用アスファルトマスチック14の構成材料である特殊アスファルトとして、好ましくはエポキシアスファルトが用いられており、これによって表面処理層15の耐久性や施工性等を効果的に向上させていると共に、これに石粉を混合させたフィラービチュウメン16は、例えば1.60〜1.85程度の比重を有している。
また、本実施形態によれば、低μ路用アスファルトマスチック14の構成材料である粒径が5mm以下のμ値調整用骨材17として、フィラービチュウメン16の比重の90〜110%の比重を有する人工軽量骨材が用いられており、したがってμ値調整用骨材(人工軽量骨材)17は、例えば1.55〜1.90程度の比重を有することになる。なお、本実施形態によれば、このような比重を有する人工軽量骨材17として、例えば多孔質セラミックが好ましく用いられている。
そして、上述のような構成を有する本実施形態の低μ路舗装構造10は、既存の舗装工法と略同様の方法に従って、容易に設けることができる。すなわち、母体アスファルトコンクリート13は、路盤面に当該アスファルトコンクリート13を所定の厚さで敷き均し、転圧することによって容易に形成することができる。
また、表面処理層16は、例えば合材プラントにおいて、所定の配合で混合形成された低μ路用アスファルトマスチック14の混合物を、グーズクッカー車18に移してクッキングしながら施工現場に運搬した後に、図2に示すように、運搬した低μ路用アスファルトマスチック14を、例えば適宜改良したアスファルトマスチックフィニッシャー19を用いて母体アスファルトコンクリート13の表面の骨材間に流し込むようにして敷き均し、平坦に仕上げることによって、容易に敷設施工されて形成されることになる。なお、低μ路用アスファルトマスチック14の敷き均し作業に先立って、母体アスファルトコンクリート13の表面温度が低下している場合には、適宜ヒータによる加熱作業が行なわれることになる。
そして、上述のようにして形成された本実施形態の低μ路舗装構造10によれば、表面処理層16を構成する低μ路用アスファルトマスチック14は、フィラービチュウメン16に、5mm以下の粒径を有すると共にフィラービチュウメンの比重の90〜110%の比重を有する人工軽量骨材によるμ値調整用骨材を、10〜45体積%混入したものであるので、フィラービチュウメン16中に略均一に分散したμ値調整用骨材の作用により、低μ路用アスファルトマスチック14を母体アスファルトコンクリート13の表面に敷設付着するだけの作業によって、形成された表面処理層16による路面のすべり抵抗値(μ値)を、舗装面の研磨作業を要することなく、0.10〜0.30といった低い範囲の値となるように容易に設定調整することが可能になる。また、車両の走行速度や気温等の条件が変化しても、設定された表面のすべり抵抗値(μ値)が±0.05の変動の範囲で略一定に保たれる低μ路舗装を、容易に形成することが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、各請求項に記載された構成の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、母体アスファルトコンクリートの構成材料であるアスファルトは、耐久性を向上させる改質アスファルトである必要は必ずしもなく、その他の種々のアスファルトを用いることができる。また、低μ路用アスファルトマスチックの構成材料である舗装用バインダは、特殊アスファルトやエポキシアスファルトである必要は必ずしもない。さらに、人工軽量骨材は、多孔質セラミックである必要は必ずしもない。
以下、実施例及び参考例により、本発明の低μ路舗装構造をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
上記実施形態の低μ路舗装構造10と略同様の構成を有し、低μ路用アスファルトマスチックに含まれるμ値調整用骨材として、表1に示す性状、粒度の人工軽量骨材(多孔質セラミック:商品名「パミストンA−1」(美州興産(株)製))を用いたものを実施例1の舗装構造として、以下の測定方法にしたがって、人工軽量骨材の各混入率(10,15,20,25,30,35,40,45(%))における、測定速度40,60,80km/hでの滑り抵抗値を各々測定すると共に、滑り抵抗値に対する温度の影響を追跡した。なお、人工軽量骨材の比重は1.745であり、フィラービチュウメンの比重は1.679〜1.827となった。したがって、人工軽量骨材の比重のフィラービチュウメンの比重に対する割合は95.5〜103.9%となった。
〔参考例1,2〕
上記実施形態の低μ路舗装構造10と略同様の構成を有し、低μ路用アスファルトマスチックに含まれる骨材として、表1に示す性状、粒度の天然粗目砂を用いたものを参考例1の舗装構造とした。また、低μ路用アスファルトマスチックに含まれる骨材として、表1に示す性状、粒度の玉砂利を用いたものを参考例2の舗装構造とした。実施例1の舗装構造と同様にして、以下の測定方法にしたがって、人工軽量骨材の各混入率(10,15,20,25,30,35,40,45(%))における、測定速度40,60,80km/hでの滑り抵抗値を各々測定した。なお、天然粗目砂の比重は2.601、玉砂利の比重は2.653だった。フィラービチュウメンの比重は1.679〜1.827となった。したがって、天然粗目砂の比重のフィラービチュウメンの比重に対する割合は142.4〜154.9%、玉砂利の比重のフィラービチュウメンの比重に対する割合は145.2〜158.0%、となった。
Figure 0004242305
〔測定速度40,60,80km/hにおける滑り抵抗値の測定〕
μ値調整用骨材又は骨材の混入率を10〜45体積%の範囲で変化させた低μ路用アスファルトマスチックを、母体アスファルトコンクリートに敷設して表面処理層を形成した実施例1、参考例1、参考例2の舗装構造から、供試体を各々サンプリングして、上述のDFテスターを用いて、測定速度40,60,80km/hにおける滑り抵抗値(μ値)を各々測定した。なお、測定温度は常温とした。測定結果を図3(a)〜(c)に示す。
図3(a)〜(c)に示す測定結果から、本発明に係る実施例1の舗装構造によれば、表面の滑り抵抗値(μ値)が0.10〜0.30の低い範囲の値となった低μ路舗装を、μ値調整用骨材の混入率を変化させることにより、滑り抵抗値(μ値)を±0.05の誤差の範囲で任意の値に設定調整しつつ容易に得ることができることが判明する。また、車両の走行速度が変化しても、設定された滑り抵抗値(μ値)が±0.05の変動の範囲で略一定に保たれることが判明する。
〔滑り抵抗値に対する温度の影響〕
低μ路用アスファルトマスチックに含まれるμ値調整用骨材として人工軽量骨材を用いた実施例1の舗装構造について、温度を変化させた場合における滑り抵抗値(μ値)の変化を、上述のDFテスターを用いて測定した。なお、μ値=0.3とすることを想定して、人工軽量骨材の配合量を45体積%、エポキシアスファルトの配合量を40体積%とした。また、走行速度40,60,80km/hにおける滑り抵抗値(μ値)の変化を測定した。測定結果を図4に示す。
図4に示す測定結果から、本発明に係る実施例1の舗装構造によれば、温度が変化しても、設定された滑り抵抗値(μ値)が±0.05の変動の範囲で略一定に保たれることが判明する。また時速40km/hでは、温度の影響がほとんどないことが判明する。
本発明の一実施形態に係る低μ路舗装構造の構成を説明する略示断面図である。 本発明の一実施形態に係る低μ路舗装構造の施工例を示す説明図である。 (a)〜(c)は、測定速度40,60,80km/hにおける滑り抵抗値の測定結果を示すチャートである。 温度を変化させた場合における滑り抵抗値の測定結果を示すチャートである。
符号の説明
10 低μ路舗装構造
11 粗骨材
12 アスファルトモルタル
13 母体アスファルトコンクリート
14 低μ路用アスファルトマスチック
15 表面処理層
16 フィラービチュウメン
17 μ値調整用骨材
18 グーズクッカー車
19 アスファルトマスチックフィニッシャー

Claims (5)

  1. 骨材、フィラー、及びアスファルトからなる母体アスファルトコンクリートと、当該母体アスファルトコンクリートの表面に敷設付着して形成された、舗装用バインダ、フィラー、及びμ値調整用骨材からなる低μ路用アスファルトマスチックによる表面処理層とによって構成され、表面のすべり抵抗値(μ値)が0.10〜0.30となるように調整された低μ路舗装構造であって、
    前記母体アスファルトコンクリートは、ギャップアスファルト混合物用の粒度範囲の骨材が配合されることにより、表面が粗面となっており、
    且つ前記低μ路用アスファルトマスチックに混合される前記μ値調整用骨材は、粒径が5mm以下の骨材であって、前記舗装用バインダと前記フィラーとの混合物であるフィラービチュウメンの比重の90〜110%の比重を有する人工軽量骨材からなり、前記低μ路用アスファルトマスチックに10〜45体積%含まれていることを特徴とする低μ路舗装構造。
  2. 前記低μ路用アスファルトマスチックの前記舗装用バインダは、特殊アスファルトである請求項1に記載の低μ路舗装構造。
  3. 前記特殊アスファルトは、石油アスファルトと、樹脂、ゴム又は天然アスファルトのいずれか1種以上との混合物からなるアスファルトである請求項2に記載の低μ路舗装構造。
  4. 前記母体アスファルトコンクリートのアスファルトは、耐久性を向上させる改質アスファルトである請求項1〜3のいずれかに記載の低μ路舗装構造。
  5. 前記μ値調整用骨材として用いる人工軽量骨材は、多孔質セラミックである請求項1〜4のいずれかに記載の低μ路舗装構造。
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