JP2003323817A - 導電性ペーストおよび積層セラミック電子部品 - Google Patents

導電性ペーストおよび積層セラミック電子部品

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JP2003323817A
JP2003323817A JP2002129723A JP2002129723A JP2003323817A JP 2003323817 A JP2003323817 A JP 2003323817A JP 2002129723 A JP2002129723 A JP 2002129723A JP 2002129723 A JP2002129723 A JP 2002129723A JP 2003323817 A JP2003323817 A JP 2003323817A
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powder
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Kiyotaka Maekawa
清隆 前川
Yasushi Shimizu
康司 清水
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 めっき液の浸入を抑制しながら、めっき付き
不良を抑制し得る、つまり、シール性とめっき付き性と
を両立した積層セラミック電子部品の外部電極を形成で
きる導電性ペースト、ならびにめっき液の浸入が抑制さ
れた積層セラミック電子部品を提供することにある。 【解決手段】 Cu金属粉末と、ガラスフリットと、有
機ビヒクルとを含む導電性ペーストにおいて、上記Cu
金属粉末は、タップ密度が1.5g/cm3以上、3.
0g/cm3以下の偏平粉を、Cu金属粉末全量中に1
0重量%以上、50重量%以下含み、上記ガラスフリッ
トは、Cu金属粉末とガラスフリットとを合わせた全体
積中に15体積%以上、30体積%以下含まれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Cu金属粉末を含
有する導電性ペースト、およびこの導電性ペーストの焼
結体を外部電極として備える積層セラミックコンデンサ
等の積層セラミック電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より積層セラミックコンデンサは、
複数のセラミック層が積層されてなるセラミック素体
と、それぞれの端縁が前記セラミック層のいずれかの端
面に露出するように前記セラミック層間に形成された複
数の内部電極と、露出した前記内部電極に電気的に接続
されるように設けられた外部電極とを備えている。上記
外部電極は、導電性ペーストをセラミック素体の両端面
に塗布し焼き付けることにより形成されている。また、
通常、このような外部電極上には、はんだ濡れ性やはん
だ耐熱性の向上を目的として、Ni、Sn、はんだ等の
湿式めっきが施される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
めっき処理を施す場合に外部電極内にめっき液が浸入
し、セラミック層と内部電極との界面に達して絶縁抵抗
の劣化や層剥離等の内部欠陥を引き起こすという問題が
生じる。特に近年、積層セラミックコンデンサの高容量
化に伴いセラミック層の積層数の増加や内部電極の薄層
化が進んでいるため、めっき液の浸入による絶縁抵抗の
劣化や内部欠陥の不良が顕著になってきている。
【0004】また、内部電極を構成する導電粉末に卑金
属が用いられるようになってきており、これに伴って外
部電極を構成する導電粉末についても卑金属が用いられ
るようになってきており、従来のAgやAg/Pd等の
貴金属を導電粉末として用いている外部電極と比較し
て、焼き付け後の外部電極の焼結密度が低下する傾向が
ある。そのため、めっき液の浸入による絶縁抵抗の劣化
や内部欠陥の不良がより一層顕著となり、問題となって
いる。
【0005】上記の問題を解決するために、焼き付け温
度を高くすることにより外部電極の焼結密度を高め、め
っき液の浸入を抑制する試みがなされているが、焼結時
に外部電極中の溶融状態にあるガラスフリットが外部電
極表面に染み出して外部電極表面に析出するため、めっ
き付き不良がおこるという問題がある。また、逆に焼き
付け温度を低くすると、めっき付き性は確保できるが、
焼結が不充分であるために緻密な外部電極を形成するこ
とができず、シール性を確保できなくなる。これによ
り、外部電極内へめっき液の浸入が起こり、内部電極の
層剥離(内部欠陥)や絶縁抵抗の劣化といった積層セラ
ミックコンデンサ等の積層セラミック電子部品としての
信頼性を大きく損ねることとなる。このようなめっき付
き性とシール性との両立を図るために耐めっき性ガラス
フリットの使用や金属粉末の微粉化が試みられてきてい
たが、充分な効果を得ることができなかった。
【0006】本発明は、上述の問題点を解決すべくなさ
れたものであり、その目的は、めっき液の浸入を抑制し
ながら、めっき付き不良を抑制し得る、つまり、シール
性とめっき付き性とを両立した積層セラミック電子部品
の外部電極を形成できる導電性ペースト、ならびにめっ
き液の浸入が抑制された積層セラミック電子部品を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の導電性ペースト
は、上記課題を解決するために、Cu金属粉末と、ガラ
スフリットと、有機ビヒクルとを含む導電性ペーストに
おいて、上記Cu金属粉末は、タップ密度が1.5g/
cm3以上、3.0g/cm3以下の偏平粉を、Cu金属
粉末全量中に10重量%以上、50重量%以下含み、上
記ガラスフリットは、Cu金属粉末とガラスフリットと
を合わせた全体積中に15体積%以上、30体積%以下
含まれていることを特徴とする。
【0008】なお、本発明における「偏平粉」とは、C
u金属粉末の長径/厚みの比が2以上である粉末のこと
である。
【0009】上記の構成によれば、上記導電性ペースト
が偏平粉を含んでいるので、その導電性ペーストを焼成
した場合に形成される焼結体に空隙部が形成される。ま
た、焼成の際に溶融したガラスフリットはこの空隙部を
埋めるため、上記焼結体は欠陥がなく、表面にガラスフ
リットが染み出すことがない。
【0010】この導電性ペーストは、例えば積層セラミ
ック電子部品の外部電極を形成するのに特に好適に用い
られ、その外部電極は、欠陥がなく、表面にガラスフリ
ットが染み出すことがないので、外部電極におけるシー
ル性を得ることができるとともに、良好なめっき付き性
を得ることができる。つまり、形成された外部電極に
は、湿式めっき工程を行ったとしても、めっき液の浸入
が防止されているため、めっき膜を外部電極表面のみに
形成することができる。従って、上記導電性ペーストに
よれば、積層セラミック電子部品の絶縁抵抗特性の劣
化、積層セラミック電子部品のセラミック素体に含まれ
る内部電極層の剥離などを防止できる外部電極を形成す
ることができる。
【0011】また、本発明の積層セラミック電子部品
は、複数の積層されたセラミック層と、前記セラミック
層間に形成された複数の内部電極と、上記内部電極に電
気的に接続されている外部電極とを備える積層セラミッ
ク電子部品であって、上記外部電極は、上記導電性ペー
ストの焼結体からなることを特徴としている。
【0012】また、上記積層セラミック電子部品は、上
記内部電極が静電容量を得られるように配置されている
積層セラミックコンデンサであることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の積層セラミック電子部品
の一例として、積層セラミックコンデンサを図1に基づ
いて詳細に説明する。すなわち、積層セラミックコンデ
ンサ1は、セラミック素体2と、内部電極3,3と、外
部電極4,4と、めっき膜5,5とを備えている。
【0014】セラミック素体2は、誘電体材料、例えば
BaTiO3を主成分とする、セラミック層2aとなる
べきセラミックグリーンシートが複数積層され、所定の
温度で焼成されたものである。このセラミック素体2
は、略直方体の形状である。
【0015】また、セラミック素体2は、内部電極3,
3を備えている。上記内部電極3,3は、それぞれの端
縁がセラミック素体2の互いに対向するいずれかの端面
に露出するようにセラミック層2a間に形成されてい
る。この内部電極3,3は、例えばCu、Ni等の導電
成分を含む導電性ペーストが所定のセラミックグリーン
シート上に塗布され、同時に焼成されることにより形成
される。
【0016】また、上記外部電極4,4は、セラミック
素体2の内部電極3,3が露出している両端面に本発明
の導電性ペーストが塗布され焼き付けられることにより
形成される。つまり、この外部電極は、本発明の導電性
ペーストの焼結体からなる。これら外部電極4,4は、
上記内部電極3,3と電気的かつ機械的に接合されてい
る。
【0017】めっき膜5,5は、外部電極4,4を覆う
ように、例えばNi、Sn、はんだ等による湿式めっき
により形成される。
【0018】次に、上記外部電極4,4を形成するため
に使用される本発明にかかる導電性ペーストについて、
詳細に説明する。
【0019】本発明にかかる導電性ペーストは、Cu金
属粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとを含むも
のである。
【0020】上記Cu金属粉末は、タップ密度が1.5
g/cm3以上、3g/cm3以下の偏平粉を含む。
【0021】上記のように、上記導電性ペーストは偏平
粉を含んでいるため、上記偏平粉の形状により意図的に
空隙部を確保した状態で上記導電性ペーストを塗布し、
焼き付けることができる。これにより形成される外部電
極中には空隙部が確保されるため、焼き付け時に溶融し
たガラスフリットが上記空隙部を埋め、形成された外部
電極表面に染み出すことを抑制することができる。した
がって、外部電極のめっき付き性を確保することが容易
となる。
【0022】なお、偏平粉のタップ密度を、1.5g/
cm3以上、3g/cm3以下とした理由は次の通りであ
る。即ち、偏平粉のタップ密度が3g/cm3を超える
場合には、形成される外部電極が密に詰まり、空隙部を
確保できないため、溶融したガラスフリットが形成され
る外部電極の表面に染み出し、めっき付き性を確保でき
ず、その結果めっき付き不良が生じるからである。ま
た、1.5g/cm3未満である場合には、形成される
外部電極が粗になりすぎることにより空隙部が大きくな
り、焼結が不充分となるため、後のめっき処理において
めっき液が外部電極内に浸入し、内部電極の剥離(内部
欠陥)や絶縁抵抗の劣化が発生するからである。
【0023】また、上記Cu金属粉末は、上記偏平粉
を、Cu金属粉末全量中に10重量%以上、50重量%
以下含んでいることが必要である。これは、偏平粉が1
0重量%未満である場合、上記のような空隙部を確保で
きないため、めっき付き性を確保できず、めっき付き不
良が生じるからである。また、偏平粉が50重量%を超
える場合には、形成される外部電極が粗になりすぎるこ
とにより空隙部が大きくなり、焼結阻害を生じるため、
後のめっき処理においてめっき液が外部電極内に浸入
し、内部電極の剥離(内部欠陥)や絶縁抵抗の劣化が発
生するからである。なお、上記偏平粉以外に上記Cu金
属粉末の形状は、特に限定されることはなく、球状、不
定形等であってよく、これら異なる形状のCu金属粉末
が混合されて含まれていてもよい。
【0024】また、上記導電性ペーストにおいて、上記
ガラスフリットは、Cu金属粉末とガラスフリットとを
合わせた全体積中に、15体積%以上、30体積%以下
含まれていることが必要である。これは、15体積%未
満では、空隙部を埋めるだけのガラス量を確保できない
ため、形成された外部電極内に後のめっき処理の際にめ
っき液が浸入し、内部電極の剥離(内部欠陥)や絶縁抵
抗の劣化が発生するからである。また、30体積%を超
える場合には、溶融したガラスフリットが空隙部を埋め
る量より余剰にあるため、このガラスフリットが形成さ
れた外部電極表面に染み出し、めっき付き性を確保でき
ず、めっき付き不良が生じるからである。
【0025】上記ガラスフリットとしては、特に限定さ
れるものではないが、BaO−B23−SiO2系ガラ
スやBi23−B23−SiO2系ガラス、ZnO−B2
3−SiO2系ガラス等を用いることができる。また、
これらのガラスを混合して用いてもよい。
【0026】上記有機ビヒクルは、バインダー機能を有
する樹脂を溶剤に溶解したものであり、導電性ペースト
に印刷性を付与できるものであれば特に限定されるもの
ではない。上記樹脂としては、アクリル樹脂、エチルセ
ルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、アルキド樹脂、
スチレン樹脂およびフェノール樹脂等の公知の樹脂を用
いることができる。また、上記溶剤としては、α−テル
ピネオール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトール
アセテート、ジアセトンアルコール、メチルイソブチル
ケトン、およびそれらの混合溶剤等を用いることができ
る。また、上記有機ビヒクルには、塗布性や分散性を向
上させる目的で、必要に応じて、公知のチクソトロピー
剤、レベリング剤、分散剤を添加してもよい。
【0027】
【実施例】以下、実施例により、本発明の導電性ペース
トおよび積層セラミック電子部品についてさらに詳細に
説明する。本実施例では、積層セラミック電子部品とし
て積層セラミックコンデンサを例として挙げる。
【0028】まず、表1に示すとおりの組成で試料1〜
18の導電性ペーストを作製した。
【0029】すなわち、銅粉末と、ホウケイ酸バリウム
系のガラスフリットとを混合し、テルピネオールにアク
リル樹脂を20重量%添加した有機ビヒクルを適量加
え、この得られた混合物を3本ロールで混合ならびに分
散させることにより、試料1〜18の導電性ペーストを
得た。上記銅粉末は、平均粒径2μmの球形粉と長径/
厚みの比が2以上の偏平粉とを混合したものである。
【0030】
【表1】
【0031】次いで、上記試料1〜18の導電性ペース
トを用いて、積層セラミックコンデンサを作製した。
【0032】まず、生のセラミック素体を作製した。す
なわち、BaTiO3を主成分とするセラミックグリー
ンシートを所定枚数準備して、これに内部電極となるN
i導電性ペーストを印刷し、これらのNi導電性ペース
トを印刷したセラミックグリーンシートを積層・圧着す
ることにより生のセラミック素体を得た。このとき、こ
のセラミック素体は略直方体型にした。その後、還元雰
囲気中1300℃で焼成して、セラミック素体を得た。
【0033】次に、セラミック素体の内部電極が露出し
ている両端面に試料1〜18の導電性ペーストのいずれ
かを浸漬塗布し、120℃で10分間乾燥させた。その
後、中性雰囲気中800℃、5分の保持時間の条件で、
外部電極となる導電性ペーストを焼結させた。これによ
り、セラミック素体の内部電極と電気的かつ機械的に接
合された一対の外部電極を形成した。上記外部電極は、
試料1〜18の導電性ペーストの焼結体からなる。
【0034】続いて、上記外部電極上にNiめっき膜を
電解めっきにより形成し、さらにこのNiめっき膜上に
Snめっき膜を電解めっきにより形成した。これによ
り、試料1〜18の導電性ペーストにより外部電極をそ
れぞれ形成した積層セラミックコンデンサ(以下、試料
1〜18の積層セラミックコンデンサと呼ぶ)を得た。
なお、Niめっき膜の厚さは約2μm、Snめっき膜の
厚さは約3μmとなるように調整した。
【0035】以上のようにして得られた試料1〜18の
積層セラミックコンデンサについて、めっき付き不良の
発生率、内部欠陥の発生率について調査した。めっき付
き不良の発生率については、各試料100個の積層セラ
ミックコンデンサについて、剥離剤を用いてSnめっき
膜を剥離した後の電極表面について実体顕微鏡(50倍
視野)で観察し、Niめっき膜の外部電極への未付着部
が観察されるものを不良としてカウントして、発生率を
求めた。また、内部欠陥の発生率については、各試料1
000個の積層セラミックコンデンサを切断し、研磨し
て露出させたセラミック素体内部の断面を顕微鏡で観察
し、内部欠陥が発生しているものをカウントして、発生
率を求めた。そして、積層セラミックコンデンサの良否
を判定し、めっき付き不良および内部欠陥のないものを
良(○印付与)とした。これらの結果を表1に示す。
【0036】表1に示すように、試料1〜5の積層セラ
ミックコンデンサについて、偏平粉のタップ密度を変化
させることにより偏平粉のタップ密度の適切な範囲につ
いて調査した。
【0037】試料2、3、4の積層セラミックコンデン
サは、偏平粉のタップ密度がそれぞれ1.5g/c
3、2.1g/cm3、3.0g/cm3であり、めっ
き付き性不良の発生率および内部欠陥の発生率とも0%
であり、良好な結果であった。
【0038】これに対して、試料1の積層セラミックコ
ンデンサは、内部欠陥が発生した。この内部欠陥は、偏
平粉のタップ密度が1.3g/cm3と小さすぎるため
に、形成された外部電極中の空隙部が大きくなりすぎ、
その結果、焼結が不充分となり、めっき液が浸入するた
めに生じたものである。
【0039】また、試料5の積層セラミックコンデンサ
は、めっき付き不良が発生した。このめっき付き不良
は、偏平粉のタップ密度が4.5g/cm3と大きすぎ
るために、形成された外部電極が密に詰まり、空隙部を
確保することができず、その結果、溶融したガラスフリ
ットが形成される外部電極の表面に染み出すため生じた
ものである。
【0040】以上より、偏平粉のタップ密度は、1.5
g/cm3以上、3.0g/cm3以下の範囲が適切であ
ることが判った。
【0041】また、試料6〜13および試料3の積層セ
ラミックコンデンサについて、Cu粉末における偏平粉
の配合量を変化させることにより偏平粉の適切な配合量
を調査した。なお、Cu粉末における偏平粉の配合量
は、Cu粉末全量中の重量%で表している。
【0042】試料8〜12および試料3の積層セラミッ
クコンデンサは、偏平粉の配合量がそれぞれ10重量
%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%
および25重量%であり、めっき付き性不良の発生率お
よび内部欠陥の発生率とも0%であり、良好な結果であ
った。
【0043】これに対して、試料6、7の積層セラミッ
クコンデンサは、めっき付き不良が発生した。このめっ
き付き不良は、偏平粉の配合量が0重量%、5重量%と
少なすぎるために、形成された外部電極が密に詰まり、
空隙部を確保することができず、その結果、溶融したガ
ラスフリットが形成される外部電極の表面に染み出すた
め生じたものである。
【0044】また、試料13の積層セラミックコンデン
サは、内部欠陥が発生した。この内部欠陥は、偏平粉の
配合量が60重量%と多過ぎるために、形成された外部
電極中の空隙部が大きくなりすぎ、その結果、焼結が不
充分となり、めっき液が浸入するために生じたものであ
る。
【0045】以上より、Cu粉末における偏平粉の配合
量は、10重量%以上、50重量%以下の範囲が適切で
あることが判った。
【0046】さらに、試料14〜18および試料3の積
層セラミックコンデンサについて、導電性ペーストにお
けるガラスフリットの適切な添加量について調査した。
なお、ガラスフリットの添加量は、Cu粉末とガラスフ
リットとを合わせた全体積中の体積%で表している。
【0047】試料15〜17および試料3の積層セラミ
ックコンデンサは、ガラスフリットの添加量が15体積
%、25体積%、30体積%および20体積%であり、
めっき付き性不良の発生率および内部欠陥の発生率とも
0%であり、良好な結果であった。
【0048】これに対して、試料14の積層セラミック
コンデンサは、内部欠陥が発生した。この内部欠陥は、
ガラスフリットの添加量が10体積%と少な過ぎるた
め、形成された外部電極中の空隙部を埋めることができ
ず、その結果、めっき液が浸入するために生じたもので
ある。
【0049】さらに、試料18の積層セラミックコンデ
ンサは、めっき付き不良が発生した。このめっき付き不
良は、ガラスフリットの添加量が35体積%と多過ぎる
ため、形成された外部電極中の空隙部を埋める量より余
剰のガラスフリットが外部電極の表面に染み出し、その
結果、めっき付き不良が発生したものである。
【0050】以上より、ガラスフリットの添加量は、1
5体積%以上、30体積%以下の範囲が適切であること
が判った。
【0051】
【発明の効果】本発明の導電性ペーストは、以上のよう
に、Cu金属粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクル
とを含む導電性ペーストにおいて、上記Cu金属粉末
は、タップ密度が1.5g/cm3以上、3.0g/c
3以下の偏平粉を、Cu金属粉末全量中に10重量%
以上、50重量%以下含み、上記ガラスフリットは、C
u金属粉末とガラスフリットとを合わせた全体積中に1
5体積%以上、30体積%以下含まれている構成であ
る。
【0052】したがって、この導電性ペーストを用いて
積層セラミック電子部品の外部電極を形成することによ
り、めっき処理によるめっき付き不良および内部電極の
剥離を防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層セラミック電子部品としての積層
セラミックコンデンサの要部の断面図である。
【符号の説明】
1 積層セラミックコンデンサ(積層セラミック電子
部品) 2 セラミック素体 2a セラミック層 3 内部電極 4 外部電極 5 めっき膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Cu金属粉末と、ガラスフリットと、有機
    ビヒクルとを含む導電性ペーストにおいて、 上記Cu金属粉末は、タップ密度が1.5g/cm3
    上、3.0g/cm3以下の偏平粉を、Cu金属粉末全
    量中に10重量%以上、50重量%以下含み、上記ガラ
    スフリットは、Cu金属粉末とガラスフリットとを合わ
    せた全体積中に15体積%以上、30体積%以下含まれ
    ていることを特徴とする導電性ペースト。
  2. 【請求項2】複数の積層されたセラミック層と、前記セ
    ラミック層間に形成された複数の内部電極と、上記内部
    電極に電気的に接続されている外部電極とを備える積層
    セラミック電子部品であって、 上記外部電極は、請求項1に記載の導電性ペーストの焼
    結体からなることを特徴とする積層セラミック電子部
    品。
  3. 【請求項3】上記積層セラミック電子部品は、上記内部
    電極が静電容量を得られるように配置されている積層セ
    ラミックコンデンサであることを特徴とする請求項2に
    記載の積層セラミック電子部品。
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