JP2003320440A - 鋳型内溶鋼の流動制御方法及び流動制御装置並びに連続鋳造鋳片の製造方法 - Google Patents

鋳型内溶鋼の流動制御方法及び流動制御装置並びに連続鋳造鋳片の製造方法

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JP2003320440A
JP2003320440A JP2003046239A JP2003046239A JP2003320440A JP 2003320440 A JP2003320440 A JP 2003320440A JP 2003046239 A JP2003046239 A JP 2003046239A JP 2003046239 A JP2003046239 A JP 2003046239A JP 2003320440 A JP2003320440 A JP 2003320440A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼の連続鋳造において、どのような鋳造速度
であっても鋳片表層の介在物量が少なく、品質の良好な
鋳片を得ることを可能とする。 【解決手段】 鋳型内湯面における溶鋼流速(u)がパ
ウダー巻き込み臨界流速である0.32m/秒を越える
場合には、浸漬ノズルからの吐出流に制動力を与えるよ
うに移動磁場を印加して溶鋼流速(u)を所定の溶鋼流
速に制御し、溶鋼流速(u)が介在物付着臨界流速であ
る0.20m/秒未満で且つ湯面皮張り臨界流速である
0.10m/秒以上の場合には、鋳型内の溶鋼を水平方
向に回転させるように移動磁場を印加して溶鋼流速
(u)を0.20〜0.32m/秒以下の範囲に制御
し、溶鋼流速(u)が湯面皮張り臨界流速未満の場合に
は、浸漬ノズルからの吐出流に加速力を与えるように移
動磁場を印加して溶鋼流速(u)を前記溶鋼流速(u)
を0.20〜0.32m/秒以下の範囲に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スラブ連続鋳造機
における鋳型内溶鋼の流動制御方法及び流動制御装置、
並びにそれを利用したスラブ鋳片の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】スラブ連続鋳造機により鋳造される鋼の
スラブ鋳片(以下、単に「鋳片」とも記す)に要求され
る品質の1つとして、鋳片表層の介在物量が少ないこと
が挙げられる。鋳片表層に捕り込まれる介在物には、
(1):Alなどによる溶鋼の脱酸工程で発生し、溶鋼
中に懸濁している脱酸生成物、(2):タンディッシュ
や浸漬ノズルで溶鋼内に吹き込まれるArガス気泡、
(3):鋳型内溶鋼湯面上に散布したモールドパウダー
が溶鋼中に巻込まれて懸濁したものなどがある。これら
は何れも鉄鋼製品において表面欠陥となるため、何れも
少なくすることが重要である。
【0003】この内、脱酸生成物やArガス気泡を低減
する手段として、鋳型内の溶鋼に移動磁場を印加し、鋳
型内溶鋼を水平方向に回転させ、溶鋼界面における溶鋼
流速を付与して凝固界面を洗浄させ、介在物の捕捉を防
止する方法が、広く行なわれている。鋳型内溶鋼を水平
方向に回転させるための具体的な磁場の印加方法は、鋳
型の長辺方向に沿って水平に移動する磁界を、相対する
長辺面に沿ってそれぞれ相反する向きに移動させ、凝固
界面に沿って水平方向に回転するような溶鋼流動を誘起
させる印加方法であり、本稿においては、この印加方法
を「EMRS」、「EMRSモード」或いは「EMRSモードによる
磁場印加」と記すこととする(EMRS:electromagnetic r
otative stirring)。この技術の例としては、例えば特
許文献1や特許文献2などが挙げられる。
【0004】しかしながら、EMRSのモードによる磁場印
加では鋳型内の溶鋼湯面にも旋回流が付与されるので、
鋳造速度を増した場合には、浸漬ノズルから吐出される
溶鋼流速自体が増加し、鋳型内の溶鋼湯面位置の溶鋼流
速も速くなるため、この状態でEMRSモードで印加する
と、鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速が更に増大し、モ
ールドパウダーの巻込みを発生させることがあった。
【0005】一方、モールドパウダーの巻き込みは、鋳
型内溶鋼湯面の溶鋼流速が速い場合に発生することか
ら、これを低減する手段として、浸漬ノズルからの吐出
流に制動力を与えるように移動磁場を印加させ、それに
よって鋳型内溶鋼湯面の溶鋼流速を減速させる方法が適
用されている。浸漬ノズルからの吐出流に制動力を与え
るための具体的な磁場の印加方法は、鋳型の長辺方向に
沿って水平に移動する磁界を、鋳型短辺側から浸漬ノズ
ル側に向かう方向、即ち、浸漬ノズルの吐出方向と反対
方向に移動させ、溶鋼吐出流に制動力を与えるような溶
鋼流動を誘起させる印加方法であり、本稿においては、
この印加方法を「EMLS」、「EMLSモード」或いは「EMLS
モードによる磁場印加」と記すこととする(EMLS:elect
romagneticlevel stabilizer/slowing-down)。EMLSの
モードで磁場を印加した場合には、鋳造速度が速い場
合、即ち単位時間当たりの溶鋼注入量が多い場合でも、
鋳型内溶鋼湯面の溶鋼流速を減衰させることが可能なた
め、モールドパウダーの巻込みが防止される。この技術
の例としては、例えば特許文献3や特許文献4などが挙
げられる。
【0006】しかしながら、鋳造速度が速くなく、鋳型
内溶鋼湯面の溶鋼流によるモールドパウダーの巻込みが
生じないような鋳造条件では、凝固界面に沿った溶鋼流
速も小さいため、この状態でEMLSモードで印加すると、
凝固界面に沿った溶鋼流れが更に減速し、脱酸生成物や
Arガス気泡が付着し易くなることがあった。
【0007】
【特許文献1】特開平5−329594号公報
【0008】
【特許文献2】特開平5−329596号公報
【0009】
【特許文献3】特開昭63−16840号公報
【0010】
【特許文献4】特開昭63−16841号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のEM
LSモード若しくはEMRSモードの何れか一方による鋳型内
溶鋼流動制御方法では、広い鋳造速度範囲に亘って常に
良好な表面品質の鋳片を得ることが難しいと云う問題点
があった。
【0012】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、鋼の連続鋳造において、
どのような鋳造速度であっても鋳片表層の介在物量が少
なく、品質の良好な鋳片を得ることを可能とする、鋳型
内溶鋼の流動制御方法及び流動制御装置を提供するこ
と、並びに、それを利用した連続鋳造鋳片の製造方法を
提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意検討を行った。以下に検討内容を詳説
する。
【0014】先ず、従来の問題点を整理した。その結
果、鋳造速度の高速側ではEMRSモードによる磁場印加の
効果が減少し、逆に、鋳造速度の低速側ではEMLSモード
による磁場印加の効果が減少することが判明した。
【0015】ここで、鋳型内のモールドパウダー巻込み
などの現象に対して移動磁場印加要否の判定を行うにあ
たり、鋳型内溶鋼湯面のどの位置の溶鋼流速で判定する
べきかを検討した。そのため、鋳型内溶鋼湯面における
溶鋼流速を調査した。その結果を図1に示す。図1は、
鋳片厚みが220mm、鋳片幅が1000mmのスラブ
鋳片を、表1に示すケース1〜3の3種類の鋳造条件で
鋳造したときの、鋳型厚み中央部即ち鋳片厚み中央部の
鋳型幅方向に沿った鋳型内溶鋼湯面の溶鋼流速のプロフ
ァイルを、数値流体シミュレーションによって求めた結
果を示す図である。この場合、ケース1〜3は、共に磁
場が印加されていない。又、図1には、実機において、
ケース2及びケース3の鋳造条件で鋳型幅方向の異なる
3点で溶鋼湯面における溶鋼流速を実測した結果を併せ
て示す。図中、符号●がケース2で、符号○がケース3
である。実機における溶鋼流速の測定は、Mo−ZrO
2サーメットの細棒を、棒の上端を回動支点として鋳型
内溶鋼湯面に浸漬し、この細棒が溶鋼流から抗力を受け
て傾く角度から力の釣合い計算によって溶鋼流速を求め
る方法で行った(鉄と鋼,86(2000),p271参照)。尚、
表1には後述するF値を併せて示す。
【0016】
【表1】
【0017】図1に示すように、数値流体シミュレーシ
ョンの結果と実機の流速測定結果とは良く一致してお
り、数値シミュレーション結果によれば、鋳型幅方向に
おける溶鋼湯面流速は、鋳型短辺から50mm〜100
mm程度離れた位置(以下、「鋳型短辺近傍」と記す)
で最も速くなることが分かる。又、鋳造速度即ち溶鋼の
時間当たり鋳造流量を増減すれば、鋳型短辺近傍の溶鋼
湯面流速はそれに比例して増減し、同様に鋳型幅方向の
他の位置の溶鋼流速も増減することが分かる。このよう
に、鋳型内溶鋼湯面における鋳型短辺近傍の溶鋼流速
は、鋳造条件によって大きく変化するので、鋳型内の溶
鋼流動の強さを知るための指標となり得ることが分か
る。従って、磁場を印加しない状態において、鋳型短辺
近傍の鋳型内湯面溶鋼流速を指標とすることで、移動磁
場印加要否の判定を行うことが十分に可能であるとの知
見を得た。
【0018】EMRSのモードで印加した場合、一般的に凝
固界面における溶鋼流速を増大させるほど、EMRSの洗浄
効果による介在物付着防止効果が大きいことが知られて
いる。即ち、EMRSにより凝固界面での流速を増加させる
ほど、凝固シェルに捕捉される介在物の大きさ及びその
個数が減少することが知られている。そこで、本発明者
等は、鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速を変更させた試
験を行い、凝固シェルに捕捉される介在物量を測定して
介在物が付着しない臨界流速(以下、「介在物付着臨界
流速」と記す)を調査した。その結果、鋳型内溶鋼湯面
における鋳型短辺近傍の溶鋼流速を0.20m/秒以上
に維持すれば、一般的な鉄鋼製品の表面欠陥の原因とな
る直径100μm以上の介在物は凝固シェルに捕捉され
ないことを確認した。即ち、介在物付着臨界流速は、
0.20m/秒であることを確認した。
【0019】但し、鋳造速度が低速で、浸漬ノズルから
の溶鋼吐出量が少ない場合には、本来、鋳型内溶鋼湯面
への新しい溶鋼(タンディッシュから供給された直後の
温度の高い溶鋼)の供給量は少なくなる。EMRSでは、溶
鋼を水平に旋回させるため、鋳型内溶鋼湯面近傍の溶鋼
の更新を促進させる効果は少なく、逆に、鋳型内溶鋼湯
面における溶鋼の均一な温度低下を促進させる。従っ
て、鋳造速度が或る限度以下に低い場合には、鋳型内溶
鋼湯面における皮張りの発生、及び、それに伴うパウダ
ー噛み込みが生じる恐れがある。
【0020】そこで、本発明者等は、鋳型内溶鋼湯面に
おける溶鋼流速を変化させた試験を行い、皮張り発生の
臨界流速(以下、「湯面皮張り臨界流速」と記す)を調
査した。その結果、鋳型内溶鋼湯面における鋳型短辺近
傍の溶鋼流速が0.10m/秒未満の場合には、EMRSモ
ードによって磁場を印加しても、鋳型内溶鋼湯面で皮張
りを誘発する傾向が高いことが分かった。即ち、湯面皮
張り臨界流速は0.10m/秒であることを確認した。
【0021】このような場合には、浸漬ノズルからの吐
出流に加速力を与えるように移動磁場を印加することが
好ましい。吐出流に加速力を与え、吐出流速を加速させ
ることにより、吐出流が鋳型短辺に衝突した後の鋳型内
溶鋼湯面への上昇溶鋼量が増大し、鋳型内溶鋼湯面にお
ける溶鋼の更新が促進されると共に、鋳型内溶鋼湯面の
溶鋼流速も加速されるので、皮張りの防止と介在物の付
着防止とを両立させることができる。
【0022】浸漬ノズルからの吐出流に加速力を与える
ための具体的な磁場の印加方法は、鋳型の長辺方向に沿
って水平に移動する磁界を浸漬ノズル側から鋳型短辺側
に向かう方向、即ち、浸漬ノズルの吐出方向と同一方向
に移動させ、溶鋼吐出流に加速力を与えるような溶鋼流
動を誘起させる印加方法であり、本稿においては、この
印加方法を「EMLA」、「EMLAモード」或いは「EMLAモー
ドによる磁場印加」と記すこととする(EMLA:electroma
gnetic level accelerating )。
【0023】このEMLAモードによる磁場印加により、吐
出流が加速されるため、吐出流が鋳片短辺面に衝突し、
その後短辺面に沿って上下に分岐し、上側に分岐したも
のは溶鋼湯面で鋳型短辺側から浸漬ノズル側へ向かう溶
鋼表面流となり、結果的に「吐出流→短辺側上昇流→溶
鋼表面流→吐出流に合流」という循環流を形成する。本
発明者等は、この循環流は、長辺面の凝固界面において
は、介在物の付着防止のために十分な流速を持ち得るこ
とを確認した。従って、凝固シェルへの介在物の付着を
防止するための手段として、上記のEMRSの代替としてEM
LAを用いることも可能である。
【0024】一方、モールドパウダーの巻込みは、鋳型
内の溶鋼湯面における溶鋼流速が増大するほど発生する
ことが知られており、従って、本発明者等は鋳型内溶鋼
湯面における溶鋼流速を変化させた試験を行い、モール
ドパウダーの巻き込み臨界流速(以下、「モールドパウ
ダー巻き込み臨界流速」と記す)を調査した。その結
果、鋳型内溶鋼湯面における鋳型短辺近傍の溶鋼流速が
0.32m/秒を越えるとモールドパウダーの巻き込み
が発生することを確認した。即ち、モールドパウダー巻
き込み臨界流速は、0.32m/秒であることを確認し
た。
【0025】又、鋳型内の溶鋼湯面における溶鋼流速が
モールドパウダー巻き込み臨界流速と介在物付着臨界流
速との間であれば、鋳片の品質は安定するが、特に、鋳
型短辺近傍の溶鋼流速が0.25m/秒のときに、モー
ルドパウダーの巻き込みが最も少なく且つ凝固シェルへ
の介在物の付着が最も少ないことを確認した。換言すれ
ば、鋳型内の溶鋼湯面における鋳型短辺近傍の溶鋼流速
を0.25m/秒に維持することが好ましいことを確認
した。以下、本発明では品質的に最も好ましいこの流速
値を「最適流速値」と称する。
【0026】これらの結果から、溶鋼流速の境界値を設
け、鋳型内溶鋼湯面の溶鋼流速がモールドパウダー巻き
込み臨界流速より速い場合には、EMLSのモードで印加し
てモールドパウダーの巻込みを防止し、鋳型内溶鋼湯面
の溶鋼流速が介在物付着臨界流速より遅い場合には、EM
RSのモード又はEMLAのモードで印加して、凝固界面にお
ける溶鋼流速を維持して介在物の付着を防止することに
より、広い鋳造速度範囲に亘って良好な表面品質の鋳片
を鋳造することができるとの知見を得た。更に、鋳型内
溶鋼湯面の溶鋼流速が湯面皮張り臨界流速未満の場合に
は、EMLAのモードで印加して、鋳型内溶鋼湯面の溶鋼を
更新させると同時に鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速を
維持することにより、広い鋳造速度範囲に亘り、より一
層良好な表面品質の鋳片を鋳造することができるとの知
見を得た。
【0027】又、鋳型内溶鋼湯面の溶鋼流速が最適流速
値とモールドパウダー巻き込み臨界流速との間であって
も、EMLSのモードで印加することによって溶鋼表面流速
を最適流速値に近づけることにより、より一層良好な表
面品質の鋳片を鋳造することができること、同様に、鋳
型内溶鋼湯面の溶鋼流速が介在物付着臨界流速と最適流
速値との間であっても、EMRSのモード又はEMLAのモード
で印加することによって溶鋼表面流速を最適流速値に近
づけることにより、より一層良好な表面品質の鋳片を鋳
造することができるとの知見を得た。
【0028】磁場を印加しない状態における鋳型内溶鋼
湯面の溶鋼流速を求める手段として種々の方法がある
が、この場合に、手嶋等(鉄と鋼,79(1993),p576)が
提案した、鋳型内の湯面変動を表す実験式である湯面波
動指数(以下、「F値」と呼ぶ)を引用することが好ま
しい。F値は下記の(5)式により表され、F値から求
まる湯面波動の大きさは、鋳型内溶鋼湯面の溶鋼流速と
比例関係にあることが分かっている。従って、溶鋼湯面
における溶鋼流速の算定にあたりF値を用いることで、
机上で溶鋼流速値を推定することができる。
【0029】
【数20】
【0030】そこで、鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速
を表す式として、F値を変形した下記の(4)式を用い
ることとした。鋳造条件に基づいて下記の(4)式を計
算することにより、鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速の
値を推定することができる。尚、(4)式は鋳型短辺近
傍の溶鋼流速を表す式として提案された式である。
【0031】
【数21】
【0032】但し、(4)式及び(5)式において、u
は鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速即ち溶鋼表面流速
(m/秒)、kは係数、ρは溶鋼の密度(kg/m
3 )、QLは単位時間当たりの溶鋼注入量(m3
秒)、Ve は溶鋼吐出流が鋳型短辺面側と衝突する時の
速度(m/秒)、θは溶鋼吐出流が鋳型短辺面側と衝突
する位置における水平となす角度(deg)、Dは溶鋼
吐出流が鋳型短辺面側に衝突する位置から鋳型内溶鋼湯
面までの距離(m)である。尚、(5)式は、「鋳型短
辺面側に衝突した溶鋼吐出流が上下2方向に分離して形
成される上昇流の運動量が、鋳型内溶鋼湯面の盛り上が
りや湯面波動を発生させる」との実験結果から導き出し
た実験式であり、次のようにして導き出される。
【0033】即ち、下部に2つの吐出孔を有する浸漬ノ
ズルから片側の鋳型短辺に向かって吐出される溶鋼注入
量はQL /2となる。又、鋳型短辺面側への衝突速度を
Veとすると衝突時の溶鋼吐出流が持つ運動量はρQL
Ve /2となる。衝突後の溶鋼流は上方へ(1−sin
θ)/2、下方へ(1+sin θ)/2の比で振り分けら
れる。従って、衝突後の上方に向かう溶鋼流の運動量は
(ρQL Ve /2)×(1−sin θ)/2で表される。
衝突時に保有していた運動量は溶鋼流が上昇して溶鋼湯
面に到達するまでに減衰する。このため、溶鋼流が溶鋼
湯面に到達した時に保有している運動量は、衝突時に保
有していた運動量の1/Dn (通常、nは約1)になる
と考えられる。従って、溶鋼の上昇流は鋳型内の溶鋼湯
面位置において上記(5)式で示す運動量を有している
ことになる。速度(Ve )、角度(θ)及び距離(D)
は、別途回帰式により求めることができる。
【0034】(4)式の妥当性を確認するため、実機に
おいて鋳型内溶鋼湯面における鋳型短辺近傍の溶鋼流速
を実測した。その結果を図2に示す。図2は、実機で測
定した鋳型短辺近傍の鋳型内溶鋼湯面流速と、そのとき
の鋳造条件から計算されるF値との関係を示す図であ
る。この測定は、厚みが220mmで幅が1550mm
〜1600mmの鋳片を、吐出孔角度が下向き45°で
吐出孔形状が88mm角のプール底付き浸漬ノズルを用
い、1.4m/分〜2.1m/分の鋳造速度で鋳造した
ときの結果である。図2から明らかなように、実機での
実測結果においてもF値と鋳型短辺近傍の鋳型内溶鋼湯
面流速とには、良い比例関係があることが分かる。即
ち、(4)式による鋳型内溶鋼表面流速の推定が可能で
あることが分かる。因みに本発明者等は、F値と溶鋼表
面流速(u)との間には、「溶鋼表面流速u(m/秒)
=0.074×F値」の関係があり、この関係は全ての
鋳造条件に当てはまることを確認している。
【0035】この関係から、前述したモールドパウダー
巻き込み臨界流速(=0.32m/秒)、最適流速値
(=0.25m/秒)、介在物付着臨界流速(=0.2
0m/秒)及び湯面皮張り臨界流速(=0.10m/
秒)は全てF値で表すことができ、モールドパウダー巻
き込み臨界流速に対応するF値(以下、「モールドパウ
ダー巻き込み臨界F値」と記す)は4.3、最適流速値
に対応するF値(以下、「最適F値」と記す)は3.
4、介在物付着臨界流速に対応するF値(以下、「介在
物付着臨界F値」と記す)は2.7、湯面皮張り臨界流
速に対応するF値(以下、「湯面皮張り臨界F値」と記
す)は1.4となる。従って、上記(4)式を用いてF
値を溶鋼流速に換算しなくても、直接F値を用いて鋳型
内の溶鋼流動を制御することができる。
【0036】移動磁場によって鋳型内の溶鋼流動を制御
するには、磁場の強度を所定の強度にする必要があり、
本発明では以下の如く磁場強度を設定した。
【0037】鋳型内の溶鋼を水平方向に回転させるよう
な移動磁場、即ちEMRSの強度は、以下の方法によって求
めることができる。
【0038】溶鋼の単位体積に働くローレンツ力Fは下
記の(6)式で表される。但し、(6)式において、σ
は溶鋼の電気伝導度、Rは溶鋼と磁場との相対速度、B
は磁束密度である。
【0039】
【数22】
【0040】体積Zの溶鋼にローレンツ力Fが働いた時
になされる仕事Qは下記の(7)式で表される。但し、
(7)式において、τは移動磁場発生装置のポールピッ
チ、fは移動磁場発生装置への投入電流周波数、ρは溶
鋼の密度である。
【0041】
【数23】
【0042】仕事Qが、ロスを無視してすべて溶鋼の運
動エネルギーに転換されたとすると下記の(8)式が得
られ、この(8)式を溶鋼と磁場との相対流速Rについ
て解くと下記の(9)式が得られる。
【0043】
【数24】
【0044】
【数25】
【0045】実際には、移動磁場の移動速度と駆動され
る溶鋼の移動速度との間には、滑りも存在するため、そ
れを考慮した装置毎に決まる係数γを設けると、(9)
式は下記の(1)式で表される。即ち、EMRSモードで移
動磁場を印加する場合、下記の(1)式で定まる磁束密
度Bで移動磁場を印加することが好ましい。
【0046】
【数26】
【0047】又、浸漬ノズルからの吐出流に加速力を与
えるような移動磁場、即ちEMLAの強度は、以下の方法に
よって求めることができる。
【0048】密度ρで電気伝導度σの溶鋼に磁束密度B
の磁場を、溶鋼と磁場との相対速度Rの条件下で印加し
た際に働く、溶鋼の単位体積当たりのローレンツ力F
は、前述したように上記(6)式で表される。このロー
レンツ力Fを時間Δtの期間だけ印加した場合における
溶鋼の速度変化量の絶対値Δuは、下記の(10)式で
表される。
【0049】
【数27】
【0050】ここで、EMLAを印加しない状態の溶鋼湯面
流速をu0 、浸漬ノズル吐出口からの溶鋼吐出流の線速
度の鋳型幅方向に沿った平均値をU0 とし、EMLA印加後
の溶鋼湯面流速をu1 、溶鋼吐出流の線速度の鋳型幅方
向に沿った平均値をU1 とし、更に、EMLAの磁場の移動
速度をLとすると、吐出流から見た磁場の相対速度は
(L−U0 )となる。この時、EMLAによる溶鋼湯面流速
の速度変化率Av は下記の(11)式で表される。
【0051】
【数28】
【0052】ここで時間Δtを吐出流の流速U0 と鋳型
幅Wの比で代表させると、速度変化率Av は下記の(1
2)式となる。
【0053】
【数29】
【0054】更に、ε=(σ/ρ)・Wとすると、速度
変化率Av は下記の(2)式となる。即ち、EMLAモード
で移動磁場を印加する場合、下記の(2)式で定まる磁
束密度Bで移動磁場を印加することが好ましい。
【0055】
【数30】
【0056】本発明者等は、(2)式が実機で実際に成
り立っているかどうかを調査した。調査は、EMLAの投入
電流を段階的に変えながら、前述した溶鋼流速の測定方
法、つまりMo−ZrO2 サーメットの細棒を溶鋼に浸
漬し、細棒が溶鋼流から抗力を受けて傾く角度から溶鋼
流速を求める方法を用いて行った。この時の鋳造条件
は、鋳片厚み250mm、鋳片幅1186mm、鋳造速
度1.0m/分、浸漬ノズル内へのArガス吹き込み量
12Nl/分で、浸漬ノズルは、吐出口が下向き25
°、一辺が85mmの角孔のものを使用した。
【0057】その結果得られたEMLAの投入電流と溶鋼表
面流速との関係を図3に示し、又、縦軸を(2)式の速
度変化率Av とし、横軸を(L−U0 )/U0 2 ・B2
として両者の関係を調査した結果を図4に示す。ここで
0 は、F値から溶鋼表面流速uを計算する過程で用い
る、後述する(13)式によって求められる吐出流速
を、鋳型幅方向で平均することにより求めることができ
る。
【0058】図4に示すように、図4中のプロットは直
線上に載ることから、(2)式の関係が実機のEMLA印加
においても成立することが分かる。図4中の近似直線の
傾きが(2)式のεに相当する。従って、複数の鋳型幅
で同様の実験を行い、それぞれの鋳型幅におけるεを求
めれば、必要とする加速率Av に対応するEMLAの磁束密
度Bを(2)式から算出することができる。
【0059】又、浸漬ノズルからの吐出流に制動力を与
えるような移動磁場、即ちEMLSの強度は、本発明者等に
よる日本特許第3125665号に開示された下記の
(3)式を用いることが好ましい。但し、(3)式にお
いて、Rv は鋳型短辺側から浸漬ノズル側に向いた溶鋼
流速を正の数値で表示し、その逆の方向の溶鋼流速を負
の数値で表示し、移動磁場を印加しないで鋳造したとき
の鋳型内溶鋼表面流速を分母とし、磁束密度Bで移動磁
場を印加したときの鋳型内溶鋼表面流速を分子としたと
きの比、βは係数、Bは移動磁場の磁束密度(テス
ラ)、V0 は浸漬ノズル吐出口からの溶鋼吐出流の線速
度(m/秒)である。
【0060】
【数31】
【0061】この場合に(3)式のRv の分子に代入す
べきEMLS印加後の目標流速は、本発明者等による日本特
許第3125664号に開示されている流速を引用する
ことが好ましい。即ち、浸漬ノズルから鋳型幅の1/4
の距離だけ鋳型短辺側に離れた鋳片厚み中央位置におけ
る溶鋼湯面の溶鋼流速を、鋳型短辺側から浸漬ノズル側
に向いた溶鋼流速を正の数値で表示し、その逆の方向の
溶鋼流速を負の数値で表示したときに、−0.07m/
秒から0.05m/秒の範囲内に制御することである。
【0062】ここで注意したいことは、EMLS印加後の上
記位置における溶鋼流速は−0.07m/秒から0.0
5m/秒であり、単に流速の値としては、モールドパウ
ダー巻込み臨界流速を下回っているものの、磁場を印加
しない場合の介在物付着臨界流速や皮張り臨界流速をも
下回っている。しかしながら、介在物の付着サイトとな
る凝固界面での流速は、介在物付着防止に必要なだけ維
持されること、及び、鋳型内溶鋼湯面への熱供給も必要
なだけ維持され、溶鋼湯面での皮張りも発生しないこと
を本発明者等は確認している。
【0063】このようになる理由は、EMLSを印加した場
合には、磁場を印加しない場合と比較して鋳型内の溶鋼
流動パターンが大幅に異なるためである。具体的には図
5に示したように、磁場が印加されない場合には、溶鋼
吐出流4によって形成される湯面直下溶鋼流21と、こ
の流れに伴って形成される凝固界面に沿った界面溶鋼流
22とが形成されるが、EMLSを印加した場合には、EMLS
印加前の溶鋼吐出流4によって形成される本来の湯面直
下溶鋼流21と、EMLS印加によって駆動された溶鋼流が
作る湯面直下溶鋼流23とが逆向きとなり、これらの溶
鋼流がバランスすることで、両者の流速は減少し、鋳型
幅4分の1の鋳型短辺寄りの鋳片厚み中央部位置25に
おける湯面直下溶鋼流速は0m/秒近傍になるのであ
る。
【0064】そして、その際にEMLS印加によって減速さ
れた溶鋼吐出流4が鋳型長辺面に沿って発散することで
発生する凝固界面に沿った界面溶鋼流24により凝固界
面における溶鋼流速が維持され、又、溶鋼湯面への熱供
給も維持されることになる。尚、図5は鋳型内の溶鋼流
動を模式的に示す図で、(A)は磁場が印加されない状
態を示す図で、(B)はEMLSが印加された状態を示す図
である。図中の符号11は浸漬ノズルである。
【0065】本発明は上記検討結果に基づきなされたも
ので、第1の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御方法は、
スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動磁場を印加して鋳
型内溶鋼の流動を制御する方法であって、鋳型内溶鋼湯
面における溶鋼流速がモールドパウダー巻き込み臨界流
速を越える場合には、浸漬ノズルからの吐出流に制動力
を与えるように移動磁場を印加して鋳型内溶鋼湯面にお
ける溶鋼流速を所定の溶鋼流速に制御し、鋳型内溶鋼湯
面における溶鋼流速が介在物付着臨界流速未満の場合に
は、鋳型内の溶鋼流動を増大させるように移動磁場を印
加して鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速を介在物付着臨
界流速以上でモールドパウダー巻込み臨界流速以下の範
囲に制御することを特徴とするものである。
【0066】第2の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御方
法は、スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動磁場を印加
して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であって、鋳型内
溶鋼湯面における溶鋼流速がモールドパウダー巻き込み
臨界流速を越える場合には、浸漬ノズルからの吐出流に
制動力を与えるように移動磁場を印加して鋳型内溶鋼湯
面における溶鋼流速を所定の溶鋼流速に制御し、鋳型内
溶鋼湯面における溶鋼流速が介在物付着臨界流速未満の
場合には、鋳型内の溶鋼を水平方向に回転させるように
移動磁場を印加して鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速を
介在物付着臨界流速以上でモールドパウダー巻込み臨界
流速以下の範囲に制御することを特徴とするものであ
る。
【0067】第3の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御方
法は、第2の発明において、鋳型内の溶鋼を水平方向に
回転させるように移動磁場を印加する際に、当該移動磁
場の磁束密度を、上記の(1)式によって定められる磁
束密度とすることを特徴とするものである。
【0068】第4の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御方
法は、スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動磁場を印加
して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であって、鋳型内
溶鋼湯面における溶鋼流速がモールドパウダー巻き込み
臨界流速を越える場合には、浸漬ノズルからの吐出流に
制動力を与えるように移動磁場を印加して鋳型内溶鋼湯
面における溶鋼流速を所定の溶鋼流速に制御し、鋳型内
溶鋼湯面における溶鋼流速が介在物付着臨界流速未満の
場合には、浸漬ノズルからの吐出流に加速力を与えるよ
うに移動磁場を印加して鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流
速を介在物付着臨界流速以上でモールドパウダー巻込み
臨界流速以下の範囲に制御することを特徴とするもので
ある。
【0069】第5の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御方
法は、第4の発明において、浸漬ノズルからの吐出流に
加速力を与えるように移動磁場を印加する際に、当該移
動磁場の磁束密度を、上記の(2)式によって定められ
る磁束密度とすることを特徴とするものである。
【0070】第6の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御方
法は、第1ないし第5の発明において、浸漬ノズルから
の吐出流に制動力を与えるように移動磁場を印加する際
に、当該移動磁場の磁束密度を、上記の(3)式によっ
て定められる磁束密度とすることを特徴とするものであ
る。
【0071】第7の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御方
法は、第1ないし第6の発明において、前記モールドパ
ウダー巻き込み臨界流速を0.32m/秒とし、前記介
在物付着臨界流速を0.20m/秒とすることを特徴と
するものである。
【0072】第8の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御方
法は、スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動磁場を印加
して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であって、鋳型内
溶鋼湯面における溶鋼流速がモールドパウダー巻き込み
臨界流速を越える場合には、浸漬ノズルからの吐出流に
制動力を与えるように移動磁場を印加して鋳型内溶鋼湯
面における溶鋼流速を所定の溶鋼流速に制御し、鋳型内
溶鋼湯面における溶鋼流速が介在物付着臨界流速未満で
且つ湯面皮張り臨界流速以上の場合には、鋳型内の溶鋼
を水平方向に回転させるように移動磁場を印加して鋳型
内溶鋼湯面における溶鋼流速を介在物付着臨界流速以上
でモールドパウダー巻込み臨界流速以下の範囲に制御
し、鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速が湯面皮張り臨界
流速未満の場合には、浸漬ノズルからの吐出流に加速力
を与えるように移動磁場を印加して鋳型内溶鋼湯面にお
ける溶鋼流速を介在物付着臨界流速以上でモールドパウ
ダー巻込み臨界流速以下の範囲に制御することを特徴と
するものである。
【0073】第9の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御方
法は、第8の発明において、鋳型内の溶鋼を水平方向に
回転させるように移動磁場を印加する際に、当該移動磁
場の磁束密度を、上記の(1)式によって定められる磁
束密度とすることを特徴とするものである。
【0074】第10の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、第8又は第9の発明において、浸漬ノズルから
の吐出流に加速力を与えるように移動磁場を印加する際
に、当該移動磁場の磁束密度を、上記の(2)式によっ
て定められる磁束密度とすることを特徴とするものであ
る。
【0075】第11の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、第8ないし第10の発明の何れかにおいて、浸
漬ノズルからの吐出流に制動力を与えるように移動磁場
を印加する際に、当該移動磁場の磁束密度を、上記の
(3)式によって定められる磁束密度とすることを特徴
とするものである。
【0076】第12の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、第8ないし第11の発明において、前記モール
ドパウダー巻き込み臨界流速を0.32m/秒とし、前
記介在物付着臨界流速を0.20m/秒とし、前記湯面
皮張り臨界流速を0.10m/秒とすることを特徴とす
るものである。
【0077】第13の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動磁場を印
加して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であって、鋳型
内溶鋼湯面における溶鋼流速が、モールドパウダーの巻
き込みが最も少なく且つ凝固シェルへの介在物の付着が
最も少ない最適流速値を越える場合には、浸漬ノズルか
らの吐出流に制動力を与えるように移動磁場を印加し、
鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速が前記最適流速値未満
の場合には、鋳型内の溶鋼を水平方向に回転させるよう
に移動磁場を印加することを特徴とするものである。
【0078】第14の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動磁場を印
加して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であって、鋳型
内溶鋼湯面における溶鋼流速が、モールドパウダーの巻
き込みが最も少なく且つ凝固シェルへの介在物の付着が
最も少ない最適流速値を越える場合には、浸漬ノズルか
らの吐出流に制動力を与えるように移動磁場を印加し、
鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速が前記最適流速値未満
の場合には、浸漬ノズルからの吐出流に加速力を与える
ように移動磁場を印加することを特徴とするものであ
る。
【0079】第15の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、第13又は第14の発明において、前記最適流
速値を0.25m/秒とすることを特徴とするものであ
る。
【0080】第16の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動磁場を印
加して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であって、鋳型
内溶鋼湯面における溶鋼流速が、モールドパウダーの巻
き込みが最も少なく且つ凝固シェルへの介在物の付着が
最も少ない最適流速値を越える場合には、浸漬ノズルか
らの吐出流に制動力を与えるように移動磁場を印加し、
鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速が前記最適流速値未満
で且つ湯面皮張り臨界流速以上の場合には、鋳型内の溶
鋼を水平方向に回転させるように移動磁場を印加し、鋳
型内溶鋼湯面における溶鋼流速が湯面皮張り臨界流速未
満の場合には、浸漬ノズルからの吐出流に加速力を与え
るように移動磁場を印加することを特徴とするものであ
る。
【0081】第17の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、第16の発明において、前記最適流速値を0.
25m/秒とし、前記湯面皮張り臨界流速を0.10m
/秒とすることを特徴とするものである。
【0082】第18の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、第1ないし第17の発明の何れかにおいて、浸
漬ノズルからの吐出流に制動力を与えるように移動磁場
を印加して鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速を制御する
際に、浸漬ノズルから鋳型幅の1/4の距離だけ鋳型短
辺側に離れた鋳片厚み中央位置における溶鋼湯面の溶鋼
流速を、鋳型短辺側から浸漬ノズル側に向いた溶鋼流速
を正の数値で表示し、その逆の方向の溶鋼流速を負の数
値で表示したときに、−0.07m/秒から0.05m
/秒の範囲内とすることを特徴とするものである。
【0083】第19の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、第1ないし第19の発明の何れかにおいて、移
動磁場の印加に当たり、上記の(4)式によって磁場を
印加しない状態での鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速を
推定し、推定した溶鋼流速に基づいて所定の移動磁場を
印加することを特徴とするものである。
【0084】第20の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、第19の発明において、鋳造中に前記(4)式
を用いて鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速を繰り返し推
定し、その都度、推定した溶鋼流速に基づいて所定の移
動磁場を印加することを特徴とするものである。
【0085】第21の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動磁場を印
加して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であって、鋳造
条件から得られる上記の(5)式に示すF値がモールド
パウダー巻き込み臨界F値を越える場合には、浸漬ノズ
ルからの吐出流に制動力を与えるように移動磁場を印加
し、前記F値が介在物付着臨界F値未満の場合には、鋳
型内の溶鋼を水平方向に回転させるように移動磁場を印
加することを特徴とするものである。
【0086】第22の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、第21の発明において、鋳型内の溶鋼を水平方
向に回転させるように移動磁場を印加する際に、当該移
動磁場の磁束密度を、上記の(1)式によって定められ
る磁束密度とすることを特徴とするものである。
【0087】第23の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動磁場を印
加して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であって、鋳造
条件から得られる上記の(5)式に示すF値がモールド
パウダー巻き込み臨界F値を越える場合には、浸漬ノズ
ルからの吐出流に制動力を与えるように移動磁場を印加
し、前記F値が介在物付着臨界F値未満の場合には、浸
漬ノズルからの吐出流に加速力を与えるように移動磁場
を印加することを特徴とするものである。
【0088】第24の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、第23の発明において、浸漬ノズルからの吐出
流に加速力を与えるように移動磁場を印加する際に、当
該移動磁場の磁束密度を、上記の(2)式によって定め
られる磁束密度とすることを特徴とするものである。
【0089】第25の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、第21ないし第24の発明の何れかにおいて、
浸漬ノズルからの吐出流に制動力を与えるように移動磁
場を印加する際に、当該移動磁場の磁束密度を、上記の
(3)式によって定められる磁束密度とすることを特徴
とするものである。
【0090】第26の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、第21ないし第25の発明の何れかにおいて、
前記モールドパウダー巻き込み臨界F値を4.3とし、
前記介在物付着臨界F値を2.7とすることを特徴とす
るものである。
【0091】第27の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動磁場を印
加して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であって、鋳造
条件から得られる上記の(5)式に示すF値がモールド
パウダー巻き込み臨界F値を越える場合には、浸漬ノズ
ルからの吐出流に制動力を与えるように移動磁場を印加
し、前記F値が介在物付着臨界F値未満で且つ湯面皮張
り臨界F値以上の場合には、鋳型内の溶鋼を水平方向に
回転させるように移動磁場を印加し、前記F値が湯面皮
張り臨界F値未満の場合には、浸漬ノズルからの吐出流
に加速力を与えるように移動磁場を印加することを特徴
とするものである。
【0092】第28の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、第27の発明において、鋳型内の溶鋼を水平方
向に回転させるように移動磁場を印加する際に、当該移
動磁場の磁束密度を、上記の(1)式によって定められ
る磁束密度とすることを特徴とするものである。
【0093】第29の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、第27又は第28の発明において、浸漬ノズル
からの吐出流に加速力を与えるように移動磁場を印加す
る際に、当該移動磁場の磁束密度を、上記の(2)式に
よって定められる磁束密度とすることを特徴とするもの
である。
【0094】第30の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、第27ないし第29の発明の何れかにおいて、
浸漬ノズルからの吐出流に制動力を与えるように移動磁
場を印加する際に、当該移動磁場の磁束密度を、上記の
(3)式によって定められる磁束密度とすることを特徴
とするものである。
【0095】第31の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、第27ないし第30の発明の何れかにおいて、
前記モールドパウダー巻き込み臨界F値を4.3とし、
前記介在物付着臨界F値を2.7とし、前記湯面皮張り
臨界F値を1.4とすることを特徴とするものである。
【0096】第32の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動磁場を印
加して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であって、鋳造
条件から得られる上記の(5)式に示すF値が、モール
ドパウダーの巻き込みが最も少なく且つ凝固シェルへの
介在物の付着が最も少ない最適流速値に対応する最適F
値を越える場合には、浸漬ノズルからの吐出流に制動力
を与えるように移動磁場を印加し、前記F値が最適F値
未満の場合には、鋳型内の溶鋼を水平方向に回転させる
ように移動磁場を印加することを特徴とするものであ
る。
【0097】第33の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動磁場を印
加して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であって、鋳造
条件から得られる上記の(5)式に示すF値が、モール
ドパウダーの巻き込みが最も少なく且つ凝固シェルへの
介在物の付着が最も少ない最適流速値に対応する最適F
値を越える場合には、浸漬ノズルからの吐出流に制動力
を与えるように移動磁場を印加し、前記F値が最適F値
未満の場合には、浸漬ノズルからの吐出流に加速力を与
えるように移動磁場を印加することを特徴とするもので
ある。
【0098】第34の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、第32又は第33の発明において、前記最適F
値を3.4とすることを特徴とするものである。
【0099】第35の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動磁場を印
加して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であって、鋳造
条件から得られる上記の(5)式に示すF値が、モール
ドパウダーの巻き込みが最も少なく且つ凝固シェルへの
介在物の付着が最も少ない最適流速値に対応する最適F
値を越える場合には、浸漬ノズルからの吐出流に制動力
を与えるように移動磁場を印加し、前記F値が最適F値
未満で且つ湯面皮張り臨界F値以上の場合には、鋳型内
の溶鋼を水平方向に回転させるように移動磁場を印加
し、前記F値が湯面皮張り臨界F値未満の場合には、浸
漬ノズルからの吐出流に加速力を与えるように移動磁場
を印加することを特徴とするものである。
【0100】第36の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、第35の発明において、前記最適F値を3.4
とし、前記湯面皮張り臨界F値を1.4とすることを特
徴とするものである。
【0101】第37の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、第21ないし第36の発明の何れかにおいて、
浸漬ノズルからの吐出流に制動力を与えるように移動磁
場を印加して鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速を制御す
る際に、浸漬ノズルから鋳型幅の1/4の距離だけ鋳型
短辺側に離れた鋳片厚み中央位置における溶鋼湯面の溶
鋼流速を、鋳型短辺側から浸漬ノズル側に向いた溶鋼流
速を正の数値で表示し、その逆の方向の溶鋼流速を負の
数値で表示したときに、−0.07m/秒から0.05
m/秒の範囲内とすることを特徴とするものである。
【0102】第38の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、第21ないし第37の発明の何れかにおいて、
鋳造中に前記(5)式を用いてF値を繰り返し算出し、
その都度、算出したF値に基づいて所定の移動磁場を印
加することを特徴とするものである。
【0103】第39の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、鋳造条件として、鋳片厚み、鋳片幅、鋳造速
度、溶鋼流出孔内への不活性ガス吹き込み量、及び浸漬
ノズル形状の少なくとも5つの条件を取得する第1の工
程と、取得した鋳造条件に基づいて鋳型内溶鋼湯面にお
ける溶鋼流速を算出する第2の工程と、算出して得られ
た溶鋼流速をモールドパウダー巻込み臨界流速及び介在
物付着臨界流速と比較し、得られた溶鋼流速が、モール
ドパウダー巻込み臨界流速を超えているか否か、及び、
介在物付着臨界流速より低いか否か、を判定する第3の
工程と、得られた溶鋼流速がモールドパウダー巻込み臨
界流速を超えている場合には、浸漬ノズルからの吐出流
に制動力を与えるように移動磁場を印加し、得られた溶
鋼流速が介在物付着臨界流速未満の場合には、鋳型内の
溶鋼を水平方向に回転させるように移動磁場を印加する
第4の工程と、を備え、スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼
に所定の移動磁場を印加して鋳型内溶鋼の流動を制御す
ることを特徴とするものである。
【0104】第40の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、鋳造条件として、鋳片厚み、鋳片幅、鋳造速
度、溶鋼流出孔内への不活性ガス吹き込み量、及び浸漬
ノズル形状の少なくとも5つの条件を取得する第1の工
程と、取得した鋳造条件に基づいて鋳型内溶鋼湯面にお
ける溶鋼流速を算出する第2の工程と、算出して得られ
た溶鋼流速をモールドパウダー巻込み臨界流速、介在物
付着臨界流速及び湯面皮張り臨界流速と比較し、得られ
た溶鋼流速が、モールドパウダー巻込み臨界流速を超え
ているか否か、介在物付着臨界流速より低いか否か、及
び湯面皮張り臨界流速より低いか否か、を判定する第3
の工程と、得られた溶鋼流速がモールドパウダー巻込み
臨界流速を超えている場合には、浸漬ノズルからの吐出
流に制動力を与えるように移動磁場を印加し、得られた
溶鋼流速が介在物付着臨界流速未満で且つ湯面皮張り臨
界流速以上の場合には、鋳型内の溶鋼を水平方向に回転
させるように移動磁場を印加し、得られた溶鋼流速が湯
面皮張り臨界流速未満の場合には、浸漬ノズルからの吐
出流に加速力を与えるように移動磁場を印加する第4の
工程と、を備え、スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に所定
の移動磁場を印加して鋳型内溶鋼の流動を制御すること
を特徴とするものである。
【0105】第41の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
方法は、第39又は第40の発明において、前記第1の
工程から第4の工程を鋳造中に繰り返し実施し、その時
点の鋳造条件に対して最適な移動磁場を印加することを
特徴とするものである。
【0106】第42の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
装置は、スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動磁場を印
加して鋳型内溶鋼の流動を制御する装置であって、鋳造
条件として、鋳片厚み、鋳片幅、鋳造速度、溶鋼流出孔
内への不活性ガス吹き込み量、及び浸漬ノズル形状の少
なくとも5つの条件を取得する鋳造条件取得手段と、取
得した鋳造条件に基づいて鋳型内溶鋼湯面における溶鋼
流速を算出する演算出手段と、算出して得られた溶鋼流
速をモールドパウダー巻込み臨界流速及び介在物付着臨
界流速と比較し、得られた溶鋼流速が、モールドパウダ
ー巻込み臨界流速を超えているか否か及び介在物付着臨
界流速より低いか否か、を判定する判定手段と、得られ
た溶鋼流速がモールドパウダー巻込み臨界流速を超えて
いる場合には、浸漬ノズルからの吐出流に制動力を与え
るように移動磁場を印加し、得られた溶鋼流速が介在物
付着臨界流速未満の場合には、鋳型内の溶鋼を水平方向
に回転させるように移動磁場を印加する制御手段と、該
制御手段からの出力に基づいて所定の移動磁場を発生す
る移動磁場発生装置と、を備えていることを特徴とする
ものである。
【0107】第43の発明に係る鋳型内溶鋼の流動制御
装置は、スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動磁場を印
加して鋳型内溶鋼の流動を制御する装置であって、鋳造
条件として、鋳片厚み、鋳片幅、鋳造速度、溶鋼流出孔
内への不活性ガス吹き込み量、及び浸漬ノズル形状の少
なくとも5つの条件を取得する鋳造条件取得手段と、取
得した鋳造条件に基づいて鋳型内溶鋼湯面における溶鋼
流速を算出する演算出手段と、算出して得られた溶鋼流
速をモールドパウダー巻込み臨界流速、介在物付着臨界
流速及び湯面皮張り臨界流速と比較し、得られた溶鋼流
速が、モールドパウダー巻込み臨界流速を超えているか
否か、介在物付着臨界流速より低いか否か及び湯面皮張
り臨界流速より低いか否か、を判定する判定手段と、得
られた溶鋼流速がモールドパウダー巻込み臨界流速を超
えている場合には、浸漬ノズルからの吐出流に制動力を
与えるように移動磁場を印加し、得られた溶鋼流速が介
在物付着臨界流速未満で且つ湯面皮張り臨界流速以上の
場合には、鋳型内の溶鋼を水平方向に回転させるように
移動磁場を印加し、得られた溶鋼流速が湯面皮張り臨界
流速未満の場合には、浸漬ノズルからの吐出流に加速力
を与えるように移動磁場を印加する制御手段と、該制御
手段からの出力に基づいて所定の移動磁場を発生する移
動磁場発生装置と、を備えていることを特徴とするもの
である。
【0108】第44の発明に係る連続鋳造鋳片の製造方
法は、第1ないし第41の発明の何れか1つに記載の流
動制御方法により鋳型内溶鋼の流動制御を行いながら、
タンディッシュ内の溶鋼を鋳型内に注入し、鋳型内で生
成した凝固シェルを下方に引き抜いてスラブ鋳片を製造
することを特徴とするものである。
【0109】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を説明する。図6〜図8は、本発明を実施
する際に用いたスラブ連続鋳造機の概略図であり、図6
は、鋳型部位の概略斜視図、図7は、鋳型部位の概略正
面図、図8は、印加する磁場を制御するための磁場制御
設備の概略構成図である。
【0110】図6〜図8において、相対する鋳型長辺7
と、この鋳型長辺7内に内装された相対する鋳型短辺8
とを具備した鋳型6の上方所定位置にタンディッシュ9
が配置されており、このタンディッシュ9の底部には上
ノズル16が設置され、そして、上ノズル16の下面に
接して、固定板17、摺動板18及び整流ノズル19か
らなるスライディングノズル10が配置され、更に、ス
ライディングノズル10の下面に接して、下部に一対の
吐出孔12を有する浸漬ノズル11が配置され、タンデ
ィッシュ9から鋳型6への溶鋼流出孔20が形成されて
いる。浸漬ノズル11の内壁面へのアルミナ付着防止の
ために、上ノズル16、固定板17、浸漬ノズル11な
どから溶鋼流出孔20内にArガスや窒素ガスなどの不
活性ガスが吹き込まれている。
【0111】鋳型長辺7の背面には、浸漬ノズル11を
境として鋳型長辺7の幅方向左右で2つに分割された合
計4基の移動磁場発生装置13が、その鋳造方向の中心
位置を吐出孔12の直下位置とし、鋳型長辺7を挟んで
対向して配置されている。それぞれの移動磁場発生装置
13は電源28と結線され、又、電源28は、磁場の移
動方向及び磁場強度を制御する制御装置27と接続され
ており、制御装置27から入力される磁場移動方向及び
磁場強度に基づいて電源28から供給される電力によ
り、移動磁場発生装置13から印加される磁場強度及び
磁場移動方向がそれぞれ個別に制御されるようになって
いる。制御装置27は、連続鋳造操業を制御するプロセ
ス制御装置26と接続されており、プロセス制御装置2
6から送られてくる操業情報に基づいて磁場印加の時期
などを制御している。
【0112】この移動磁場発生装置13により印加され
る磁場は移動磁場であり、浸漬ノズル11からの溶鋼吐
出流4に制動力を与えるためのEMLSモードによる印加の
場合には、図9に示すように、移動磁場の移動方向を鋳
型短辺8側から浸漬ノズル11側とし、一方、凝固界面
に沿って水平方向に回転するような溶鋼流動を誘起させ
るためのEMRSモードによる印加の場合には、図10に示
すように、移動磁場の移動方向を相対する鋳型長辺7に
沿ってそれぞれ相反する向きとし、又、浸漬ノズル11
からの溶鋼吐出流4に加速力を与えるためのEMLAモード
による印加の場合には、図11に示すように、移動磁場
の移動方向を浸漬ノズル11側から鋳型短辺8側とす
る。図10では、移動磁場が時計廻りの方向に旋回する
ような移動モードとなっているが、反時計廻りの方向に
磁場が移動する場合でも効果は同一である。尚、図9、
図10、図11は、EMLS、EMRS及びEMLA各々のモードに
おける磁場の移動方向を鋳型6の真上から示した図であ
り、図中の矢印が磁場の移動方向を表している。
【0113】鋳型6の下方には、鋳造される鋳片5を支
持するための複数のガイドロール(図示せず)と鋳片5
を鋳型6の下方に引き抜くための複数のピンチロール1
4が設置されている。尚、図7ではピンチロール14を
1つのみ記載し、他のピンチロールは省略している。
【0114】このように構成される連続鋳造機におい
て、鋳片5の表層に介在物が少なく、良好な品質の鋳片
5を鋳造するには、次のようにして行う。
【0115】溶鋼1を取鍋(図示せず)からタンディッ
シュ9に注入し、タンディッシュ9内の溶鋼量が所定量
になったなら、摺動板18を開き、溶鋼流出孔20を介
して溶鋼1を鋳型6内に注入する。溶鋼1は、鋳型6内
の溶鋼1に浸漬された吐出孔12から、鋳型短辺8に向
かう溶鋼吐出流4となって鋳型6内に注入される。鋳型
6内に注入された溶鋼1は鋳型6により冷却され、凝固
シェル2を形成する。そして、鋳型6内に所定量の溶鋼
1が注入されたならピンチロール14を駆動して、外殻
を凝固シェル2として内部に未凝固の溶鋼1を有する鋳
片5の引き抜きを開始する。引き抜き開始後は溶鋼湯面
3の位置を鋳型6内の略一定位置に制御しながら、鋳造
速度を増速して所定の鋳造速度とする。鋳型6内の溶鋼
湯面3の上にはモールドパウダー15を添加する。モー
ルドパウダー15は溶融して、溶鋼1の酸化防止や凝固
シェル2と鋳型6との間に流れ込み潤滑剤としての効果
を発揮する。
【0116】この鋳造に際し、各々の鋳造条件において
溶鋼湯面3における鋳型短辺近傍の溶鋼流速を定める。
溶鋼流速を定めるための一つの方法は、前述した(4)
式を用いて各々の鋳造条件に基づき、溶鋼湯面3におけ
る溶鋼流速を推定する方法である。この場合には、机上
で推定することができるために実測する必要がなく、種
々の鋳造条件に迅速に対応することができるので、溶鋼
流速を定める方法として好ましい。
【0117】他の方法は、溶鋼湯面3における溶鋼流速
を実測する方法である。溶鋼湯面3における溶鋼流速
は、鋳造条件が決まればその条件下では略一定であるの
で、予め各鋳造条件下で溶鋼湯面3における溶鋼流速を
実測しておき、該当する鋳造条件から定めることができ
る。この場合、溶鋼流速の実測値をリアルタイムで取り
込み、取り込んだ測定値を溶鋼流速と定めてもよい。溶
鋼流速の実測は、例えば、溶鋼湯面3に耐火物製の細棒
を浸漬させ、この細棒の受ける運動エネルギーから測定
することができる。
【0118】そして、溶鋼湯面3における鋳型短辺近傍
の溶鋼流速が介在物付着臨界流速未満の場合、具体的に
は0.20m/秒未満の場合には、EMRS若しくはEMLAの
モードで移動磁場を印加し、一方、溶鋼湯面3における
鋳型短辺近傍の溶鋼流速がモールドパウダー巻き込み臨
界流速を越える場合、具体的には0.32m/秒を越え
る場合には、EMLSのモードで移動磁場を印加する。
【0119】更に、溶鋼湯面3における鋳型短辺近傍の
溶鋼流速が介在物付着臨界流速未満の場合には移動磁場
の印加方法を2通りに細分し、当該溶鋼流速が湯面皮張
り臨界流速未満の場合、具体的には0.10m/秒未満
の場合には、EMLAのモードで移動磁場を印加し、当該溶
鋼流速が介在物付着臨界流速未満で且つ湯面皮張り臨界
流速以上の場合、具体的には0.10m/秒以上で0.
20m/秒未満の場合には、EMRSのモードで移動磁場を
印加することが好ましい。
【0120】移動磁場の磁束密度は、鋳型6内の溶鋼1
を水平方向に回転させるように移動磁場を印加する場合
には上記(1)式に基づき設定し、浸漬ノズル11から
の溶鋼吐出流4に加速力を与えるように移動磁場を印加
する場合には上記(2)式に基づき設定し、浸漬ノズル
11からの溶鋼吐出流4に制動力を与えるように移動磁
場を印加する場合には上記(3)式に基づいて設定す
る。移動磁場印加後の溶鋼湯面3における溶鋼流速の目
標値は0.25m/秒とする。
【0121】F値に基づき、このようにして移動磁場を
印可する際のフローチャートを図12〜図17に示す。
図12は、F値による鋳型短辺近傍の溶鋼表面流速が介
在物付着臨界流速未満のときにはEMRSモードで印加する
場合のフローチャート図(フローチャートA−1)、図
13は、F値による鋳型短辺近傍の溶鋼表面流速が介在
物付着臨界流速未満のときにはEMLAモードで印加する場
合のフローチャート図(フローチャートA−2)、図1
4は、F値による鋳型短辺近傍の溶鋼表面流速が湯面皮
張り臨界流速未満のときにはEMLAモードで印加し、F値
による鋳型短辺近傍の溶鋼表面流速が介在物付着臨界流
速未満で且つ湯面皮張り臨界流速以上のときにはEMRSモ
ードで印加する場合のフローチャート図(フローチャー
トA−3)、図15は、EMLSモードで印可する場合の磁
束密度の決定方法を示すフローチャート図(フローチャ
ートB)、図16は、EMLAモードで印可する場合の磁束
密度の決定方法を示すフローチャート図(フローチャー
トC)、図17は、EMRSモードで印可する場合の磁束密
度の決定方法を示すフローチャート図(フローチャート
D)である。
【0122】図12〜14に示すように、鋳片厚み、鋳
片幅、鋳造速度、溶鋼流出孔20内へのArガスなどの
不活性ガスの吹き込み量、及び使用している浸漬ノズル
11の形状を含む鋳造条件情報に基づき、前述した
(5)式を用いてその鋳造条件におけるF値を求め、前
述した(4)式を用いて求めたF値から鋳型短辺近傍に
おける溶鋼表面流速を算出する。そして、算出により得
られた溶鋼表面流速をモールドパウダー巻き込み臨界流
速、介在物付着臨界流速及び湯面皮張り臨界流速と対比
させ、流速区分に応じて印可する移動磁場をEMLSモー
ド、EMLAモード、EMRSモードに振り分ける。EMLSモード
で印加する場合には図15のフローチャートBに基づ
き、必要な磁束密度を算出して所定の電流値を定めて印
加し、EMLAモードで印加する場合には図16のフローチ
ャートCに基づき、必要な磁束密度を算出して所定の電
流値を定めて印加し、EMRSモードで印加する場合には図
17のフローチャートDに基づき、必要な磁束密度を算
出して所定の電流値を定めて印加する。
【0123】この場合、鋳造条件はプロセス制御装置2
6の保有する情報が制御装置27に入力され、制御装置
27ではF値の算出工程から所定の磁束密度を発生する
ための電流値の算出工程までを行い、電源28は、制御
装置27から入力された磁場モード及び電流値に基づい
て移動磁場発生装置13へ電力を供給する。鋳造中、制
御装置27は、定期的或いは鋳造条件が変更された時点
で上記フローチャートに沿って移動磁場の種類及び磁束
密度を求め、その都度、電源28に移動磁場の種類及び
電流値を指示する。従って、鋳造条件が変更されても常
に最適なモードで移動磁場を印加することができる。
【0124】尚、図12〜14ではF値を溶鋼表面流速
に換算しているが、前述したようにF値と溶鋼流速とは
一対一の関係があるため、溶鋼表面流速に換算せずに、
F値を用いて制御することができる。又、図15におい
て「F値からの回帰式により1/4幅位置の湯面直下溶
鋼流速を求める」と記しているが、前述の(4)式は鋳
型短辺近傍の溶鋼流速であり、1/4幅位置の湯面直下
溶鋼流速を求める場合には(4)式の係数kを変えるこ
とによって求めることができる。1/4幅位置の湯面直
下溶鋼流速と鋳型短辺近傍の溶鋼流速とは前述した図1
に示すように相関があり、1/4幅位置の湯面直下溶鋼
流速もF値から求めることができる。
【0125】上記説明の磁場印加方法では、鋳型短辺近
傍の溶鋼表面流速が、介在物付着臨界流速以上でモール
ドパウダー巻き込み臨界流速以下の範囲では移動磁場を
印加していないが、この範囲でも移動磁場を印可するこ
とが好ましい。
【0126】即ち、前述したように、鋳型内溶鋼湯面に
おける溶鋼流速には鋳片品質上の最適流速値(=0.2
5m/秒)が存在し、常にこの最適流速値となるように
制御することが好ましい。従って、鋳型内溶鋼湯面にお
ける鋳型短辺近傍の溶鋼流速が介在物付着臨界流速以上
で最適流速値未満の場合には、溶鋼表面流速を最適流速
値にするために、EMRSモード又はEMLAモードで印加し、
一方、鋳型内溶鋼湯面における鋳型短辺近傍の溶鋼流速
が最適流速値を超えてモールドパウダー巻き込み臨界流
速未満の場合には、溶鋼表面流速を最適流速値にするた
めに、EMLSモードで印加する。この場合、鋳型内溶鋼湯
面における鋳型短辺近傍の溶鋼流速が最適流速値に近づ
くと共に、印加する磁束密度を小さくする必要がある。
この印加方法でF値に基づき制御する場合には、図12
〜14のフローチャートの「モールドパウダー巻き込み
臨界流速」を「最適流速値」に替えたフローチャートで
実施すればよい。
【0127】図18に、これらの考え方によって鋳型内
溶鋼の流動制御を行う方法の模式図を示す。溶鋼湯面3
における鋳型短辺近傍の溶鋼流速が0.20m/秒以上
から0.32m/秒以下の範囲の場合には移動磁場を印
加する必要はないが、前述したように、溶鋼流速の目標
値を最適流速値の0.25m/秒とするために、図18
に示すように、溶鋼湯面3における鋳型短辺近傍の溶鋼
流速が0.20m/秒以上から0.25m/秒未満の範
囲の場合にはEMRS若しくはEMLAのモードで印加し、0.
25m/秒を越えて0.32m/秒以下の範囲の場合に
はEMLSのモードで印加することもできる。この場合、溶
鋼流速が目標値の0.25m/秒に近づくにつれ、磁場
強度を小さくする。
【0128】このようにして、鋳型6内の溶鋼流動を制
御しつつ溶鋼1を連続鋳造することにより、広範囲の鋳
造速度においても脱酸生成物やArガス気泡のみなら
ず、モールドパウダー15の巻込みが極めて少なく、清
浄な高品質の鋳片5を安定して鋳造することが可能とな
る。
【0129】尚、上記説明では2枚板構成のスライディ
ングノズル10の例を挙げたが、3枚板構成のスライデ
ィングノズルについても上記に沿って本発明を適用する
ことができる。又、ストッパー方式の場合にも、上記に
沿って本発明を適用することができる。
【0130】
【実施例】図6〜図8に示すスラブ連続鋳造機を用い、
鋳造速度を4水準に変化させた条件下で、EMRSモードの
磁場印加、EMLSモードの磁場印加、EMLAモードの磁場印
加、及び磁場印加なしの4水準の条件で鋳造し、磁場印
加による鋳片表面品質に及ぼす影響を調査した。表2に
用いた連続鋳造機の仕様を示し、表3に用いた移動磁場
発生装置の諸元を示す。鋳造には、C:0.03〜0.
05mass%、Si:0.03mass%以下、Mn:0.2
〜0.3mass%、P:0.020mass%以下、sol.A
l:0.03〜0.06mass%、N:0.003〜0.
006mass%の低炭素Alキルド鋼を供した。
【0131】
【表2】
【0132】
【表3】
【0133】鋳型内溶鋼湯面における鋳型短辺近傍の溶
鋼流速(u)は前述した(4)式により推定した。しか
し、(4)式から鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速を求
めるには、前述したように、速度(Ve )、角度(θ)
及び距離(D)を求める必要があり、本実施例ではこれ
らを次のようにして求めた。
【0134】速度(Ve )は、溶鋼吐出流軌跡に関する
水モデル実験における結果を重回帰分析して得られた下
記の(13)式により求めた。但し、(13)式におい
て、Wは鋳片全幅(mm)、QL は単位時間当たりの溶
鋼注入量(m3 /秒)、dは吐出孔径(m)、αは浸漬
ノズルの吐出角度(deg)、Qg は溶鋼流出孔内への
Arガス吹き込み量(Nm3 /秒)、A1 、B1 、l、
m、n、pは定数であり、その値を表4に示す。
【0135】
【数32】
【0136】
【表4】
【0137】又、角度(θ)及び距離(D)は、溶鋼吐
出流の軌跡から求めた。この場合、先ず、溶鋼吐出流の
軌跡を溶鋼吐出流軌跡に関する水モデル実験における結
果を重回帰分析して得られた下記の(14)式により求
めた。但し、(14)式において、yは浸漬ノズル吐出
孔出口を原点とした垂直方向距離(m)、xは浸漬ノズ
ル吐出孔出口を原点とした水平方向距離(m)、αは浸
漬ノズルの吐出角度(deg)、Sは平均吐出孔径
(m)、a1 、a2 、b1 、b2 、c1 、c2 、d 1
2 は、その値を表4に示す定数、G1 及びG2 は下記
の(15)式で定まる数値である。但し、(15)式に
おいて、QL は単位時間当たりの溶鋼注入量(m3
秒)、Qg は溶鋼流出孔内へのArガス吹き込み量(N
3 /秒)、ζ 1 、ζ2 、ξ1 1、ξ1 2、ξ1 3、ξ1 4、ξ
2 1、ξ2 2、ξ2 3、ξ2 4は定数であり、その値を表4に示
す。
【0138】
【数33】
【0139】
【数34】
【0140】そして、(14)式から得られる溶鋼吐出
流の軌跡のx=W/2位置における微分値から角度
(θ)を求め、(14)式から得られる溶鋼吐出流の軌
跡のx=W/2位置におけるy値に基づき距離(D)を
求めた。これらの算出方法を下記の(16)式及び(1
7)式に示す。但し(17)式におけるhは鋳型内溶鋼
湯面から吐出孔上端までの距離(m)である。
【0141】
【数35】
【0142】
【数36】
【0143】このようにして求めた速度(Ve )、角度
(θ)及び距離(D)と、鋳造条件及び溶鋼密度(70
00kg/m3 )から溶鋼流速(u)を算出した。定数
kは0.036とした。
【0144】表5に、試験No.1〜11の各試験鋳造に
おける鋳造条件を示す。表5に示すように、試験条件
は、鋳造速度によってA、B、C、Dの4水準に大別さ
れ、水準Aは、鋳型内溶鋼湯面の溶鋼流速が過大でモー
ルドパウダー巻き込み臨界流速を超えている場合であ
り、逆に水準B及び水準Dは、鋳型内溶鋼湯面の溶鋼流
速が過小で、介在物付着臨界流速を下回っている場合で
あり、特に、水準Dは湯面皮張り臨界流速さえも下回っ
ている場合である。
【0145】水準A、水準B及び水準Dのそれぞれの水
準で、(1):本発明方法に基いて最適な移動磁場のモ
ードと強度を選択した場合(試験No.1,試験No.5,
試験No.10;この場合、磁場を印加した後の鋳型内溶
鋼湯面における溶鋼流速の目標値は0.25m/秒とし
た)、(2):最適な移動磁場のモードと異なるモード
の移動磁場を印加した場合(試験No.2,試験No.4,
試験No.6,試験No.9)、(3):移動磁場を印加し
なかった場合(試験No.3,試験No.7,試験No.1
1)の3ケースをそれぞれ設けた。これらの条件を前述
した図18に重ね合わせた模式図を図19に示す。水準
C(試験No.8)は、鋳型内溶鋼湯面の溶鋼流速が適切
な範囲であり、移動磁場は印加していない。
【0146】
【表5】
【0147】鋳造後の鋳片を長辺表面から1mm研削
し、エッチング処理を行なった後に光学顕微鏡で観察
し、直径60μm以上の介在物の個数を計数した。又、
介在物は検鏡時の色調・形状から脱酸生成物(アルミ
ナ)、モールドパウダーの別を判定し、種類別に個数を
計数した。検鏡視野は1試験当り3600mm2 であ
る。
【0148】この検鏡結果を図20〜図30に示す。こ
れらの図に示すように、水準AではEMLSを印加した試験
No.1(水準A−1)において、介在物個数は最も少な
くなっており、且つ、モールドパウダーと判定された介
在物はなかった。これは、EMLSによって溶鋼湯面の溶鋼
流速が、モールドパウダー巻込み臨界流速以下の目標値
に制御されたためと考えられる。一方、他の2つの試験
(水準A−2,A−3)ではモールドパウダーと判定さ
れた介在物があり、これらの介在物は大きさも100μ
m以上であるため、圧延後にスリバーなどの表面欠陥を
生成する可能性が高いことが分かった。
【0149】水準Bでは、EMRSを印加した試験No.5
(水準B−2)において、介在物の個数が最も少なくな
っていた。これはEMRSによって凝固界面の流速が介在物
付着臨界流速以上の目標値によく制御されたためと考え
られる。又、EMLAを印加した試験No.6(水準B−3)
においても、試験No.5と同様に介在物個数は少なく良
好であった。但し、EMLAの場合には、吐出流を加速する
ので、印加強度が過大になると、モールドパウダーの巻
込みの頻度が大きくなるため、F値に応じてEMLAの印加
強度を調節する必要があり、EMRSと比較するとその操作
は煩雑である。一方、EMLSを印加した試験No.4(水準
B−1)及び移動磁場を何も印加しなかった試験No.7
(水準B−4)では、凝固界面流速が過小であると考え
られるため、介在物の個数が多くなっていた。
【0150】水準Dでは、EMLAを印加した試験No.10
(水準D−2)において、介在物の個数が最も少なくな
っていた。これはEMLAによって鋳型内溶鋼湯面における
溶鋼が更新されると共に、鋳型内溶鋼湯面の流速が増大
したことにより、皮張りの防止と介在物の付着防止とが
なされたためと考えられる。EMRSを印加した試験No.9
(水準D−1)では、介在物の総数は少ないものの、皮
張りによるモールドパウダーの噛み込みに起因すると考
えられる大型のモールドパウダー性介在物が観察され
た。磁場を印加しない試験No.11(水準D−3)で
は、凝固界面流速が過小であると考えられるため、介在
物の個数が多くなっていた。
【0151】尚、試験No.8(水準C−1)では、溶鋼
湯面の溶鋼流速がモールドパウダー巻込み臨界流速以下
で、且つ介在物付着臨界流速以上であったため、EMLS、
EMRS、EMLAの何れも印加しない条件ではあるが、介在物
の個数は少ないことが分かった。
【0152】
【発明の効果】本発明によれば、広範囲の鋳造速度にお
いて表層介在物の少ない高品質の鋳片を鋳造することが
可能となる。その結果、鋳片を手入れすることなく直接
圧延することが可能となり、鋳片の手入れ作業費、圧延
加熱炉の燃料原単位、鋳造から圧延までのリードタイム
の何れをも低減することが達成される。このように鉄鋼
製品の製造コストの低減において本発明の寄与は極めて
大きい。又、本発明におけるEMLS、EMRS、EMLAの各モー
ドによる磁場印加は、磁場の移動方向を切り替えること
によって1つの移動磁場発生装置で得ることができるた
め、溶鋼流動を制御するための磁場発生装置に費やす設
備費を低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】数値流体シミュレーションによる鋳型厚み中央
の幅方向に沿った鋳型内溶鋼湯面流速のプロファイルを
示す図である。
【図2】実機で測定した鋳型短辺近傍の鋳型内溶鋼湯面
流速とその鋳造条件でのF値との関係を示す図である。
【図3】実機で実測した溶鋼表面流速とEMLA投入電流と
の関係を示す図である。
【図4】図3のプロットを(2)式のパラメーターでプ
ロットし直した図である。
【図5】鋳型内の溶鋼流動を模式的に示す図で、(A)
は磁場が印加されない状態を示す図で、(B)はEMLSが
印加された状態を示す図である。
【図6】本発明を実施する際に用いたスラブ連続鋳造機
の概略図であり、鋳型部位の概略斜視図である。
【図7】本発明を実施する際に用いたスラブ連続鋳造機
の概略図であり、鋳型部位の概略正面図である。
【図8】本発明を実施する際に用いたスラブ連続鋳造機
の概略図であり、印加する磁場を制御するための磁場制
御設備の概略構成図である。
【図9】EMLSモードにおける磁場の移動方向を鋳型の真
上から示した図である。
【図10】EMRSモードにおける磁場の移動方向を鋳型の
真上から示した図である。
【図11】EMLAモードにおける磁場の移動方向を鋳型の
真上から示した図である。
【図12】本発明の実施の形態例を示す図で、F値によ
る鋳型短辺近傍の溶鋼表面流速が介在物付着臨界流速未
満のときにはEMRSモードで印加する場合のフローチャー
ト図である。
【図13】本発明の実施の形態例を示す図で、F値によ
る鋳型短辺近傍の溶鋼表面流速が介在物付着臨界流速未
満のときにはEMLAモードで印加する場合のフローチャー
ト図である。
【図14】本発明の実施の形態例を示す図で、F値によ
る鋳型短辺近傍の溶鋼表面流速が湯面皮張り臨界流速未
満のときにはEMLAモードで印加し、F値による鋳型短辺
近傍の溶鋼表面流速が介在物付着臨界流速未満で且つ湯
面皮張り臨界流速以上のときにはEMRSモードで印加する
場合のフローチャート図である。
【図15】本発明の実施の形態例を示す図で、EMLSモー
ドで印可する場合の磁束密度の決定方法を示すフローチ
ャート図である。
【図16】本発明の実施の形態例を示す図で、EMLAモー
ドで印可する場合の磁束密度の決定方法を示すフローチ
ャート図である。
【図17】本発明の実施の形態例を示す図で、EMRSモー
ドで印可する場合の磁束密度の決定方法を示すフローチ
ャート図である。
【図18】本発明による鋳型内溶鋼の流動制御を行う方
法の模式図である。
【図19】実施例の試験条件を図18に重ね合わせた模
式図である。
【図20】実施例の水準A−1における鋳片の検鏡結果
を示す図である。
【図21】実施例の水準A−2における鋳片の検鏡結果
を示す図である。
【図22】実施例の水準A−3における鋳片の検鏡結果
を示す図である。
【図23】実施例の水準B−1における鋳片の検鏡結果
を示す図である。
【図24】実施例の水準B−2における鋳片の検鏡結果
を示す図である。
【図25】実施例の水準B−3における鋳片の検鏡結果
を示す図である。
【図26】実施例の水準B−4における鋳片の検鏡結果
を示す図である。
【図27】実施例の水準C−1における鋳片の検鏡結果
を示す図である。
【図28】実施例の水準D−1における鋳片の検鏡結果
を示す図である。
【図29】実施例の水準D−2における鋳片の検鏡結果
を示す図である。
【図30】実施例の水準D−3における鋳片の検鏡結果
を示す図である。
【符号の説明】
1 溶鋼 2 凝固シェル 3 溶鋼湯面 4 溶鋼吐出流 5 鋳片 6 鋳型 7 鋳型長辺 8 鋳型短辺 9 タンディッシュ 10 スライディングノズル 11 浸漬ノズル 12 吐出孔 13 移動磁場発生装置 14 ピンチロール 15 モールドパウダー 26 プロセス制御装置 27 制御装置 28 電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 恒雄 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4E004 AA09 MB12

Claims (44)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動磁
    場を印加して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であっ
    て、鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速がモールドパウダ
    ー巻き込み臨界流速を越える場合には、浸漬ノズルから
    の吐出流に制動力を与えるように移動磁場を印加して鋳
    型内溶鋼湯面における溶鋼流速を所定の溶鋼流速に制御
    し、鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速が介在物付着臨界
    流速未満の場合には、鋳型内の溶鋼流動を増大させるよ
    うに移動磁場を印加して鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流
    速を介在物付着臨界流速以上でモールドパウダー巻込み
    臨界流速以下の範囲に制御することを特徴とする、鋳型
    内溶鋼の流動制御方法。
  2. 【請求項2】 スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動磁
    場を印加して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であっ
    て、鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速がモールドパウダ
    ー巻き込み臨界流速を越える場合には、浸漬ノズルから
    の吐出流に制動力を与えるように移動磁場を印加して鋳
    型内溶鋼湯面における溶鋼流速を所定の溶鋼流速に制御
    し、鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速が介在物付着臨界
    流速未満の場合には、鋳型内の溶鋼を水平方向に回転さ
    せるように移動磁場を印加して鋳型内溶鋼湯面における
    溶鋼流速を介在物付着臨界流速以上でモールドパウダー
    巻込み臨界流速以下の範囲に制御することを特徴とす
    る、鋳型内溶鋼の流動制御方法。
  3. 【請求項3】 鋳型内の溶鋼を水平方向に回転させるよ
    うに移動磁場を印加する際に、当該移動磁場の磁束密度
    を、下記の(1)式によって定められる磁束密度とする
    ことを特徴とする、請求項2に記載の鋳型内溶鋼の流動
    制御方法。 【数1】 但し、(1)式において、Rは溶鋼と磁場との相対速
    度、γは装置毎に決まる定数、Bは移動磁場の磁束密度
    (テスラ)、fは移動磁場発生装置への投入電流周波数
    である。
  4. 【請求項4】 スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動磁
    場を印加して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であっ
    て、鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速がモールドパウダ
    ー巻き込み臨界流速を越える場合には、浸漬ノズルから
    の吐出流に制動力を与えるように移動磁場を印加して鋳
    型内溶鋼湯面における溶鋼流速を所定の溶鋼流速に制御
    し、鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速が介在物付着臨界
    流速未満の場合には、浸漬ノズルからの吐出流に加速力
    を与えるように移動磁場を印加して鋳型内溶鋼湯面にお
    ける溶鋼流速を介在物付着臨界流速以上でモールドパウ
    ダー巻込み臨界流速以下の範囲に制御することを特徴と
    する、鋳型内溶鋼の流動制御方法。
  5. 【請求項5】 浸漬ノズルからの吐出流に加速力を与え
    るように移動磁場を印加する際に、当該移動磁場の磁束
    密度を、下記の(2)式によって定められる磁束密度と
    することを特徴とする、請求項4に記載の鋳型内溶鋼の
    流動制御方法。 【数2】 但し、(2)式において、Av は鋳型短辺側から浸漬ノ
    ズル側に向いた溶鋼流速を正の数値で表示し、その逆の
    方向の溶鋼流速を負の数値で表示し、移動磁場を印加し
    ないで鋳造したときの溶鋼表面流速を分母とし、磁束密
    度Bで移動磁場を印加したときの溶鋼表面流速を分子と
    したときの比、εは係数、Lは移動磁場の移動速度、U
    0 は浸漬ノズル吐出口からの溶鋼吐出流の線速度の鋳型
    幅方向に沿った平均値(m/秒)、Bは移動磁場の磁束
    密度(テスラ)である。
  6. 【請求項6】 浸漬ノズルからの吐出流に制動力を与え
    るように移動磁場を印加する際に、当該移動磁場の磁束
    密度を、下記の(3)式によって定められる磁束密度と
    することを特徴とする、請求項1ないし請求項5の何れ
    か1つに記載の鋳型内溶鋼の流動制御方法。 【数3】 但し、(3)式において、Rv は鋳型短辺側から浸漬ノ
    ズル側に向いた溶鋼流速を正の数値で表示し、その逆の
    方向の溶鋼流速を負の数値で表示し、移動磁場を印加し
    ないで鋳造したときの溶鋼表面流速を分母とし、磁束密
    度Bで移動磁場を印加したときの溶鋼表面流速を分子と
    したときの比、βは係数、Bは移動磁場の磁束密度(テ
    スラ)、V0 は浸漬ノズル吐出口からの溶鋼吐出流の線
    速度(m/秒)である。
  7. 【請求項7】 前記モールドパウダー巻き込み臨界流速
    を0.32m/秒とし、前記介在物付着臨界流速を0.
    20m/秒とすることを特徴とする、請求項1ないし請
    求項6の何れか1つに記載の鋳型内溶鋼の流動制御方
    法。
  8. 【請求項8】 スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動磁
    場を印加して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であっ
    て、鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速がモールドパウダ
    ー巻き込み臨界流速を越える場合には、浸漬ノズルから
    の吐出流に制動力を与えるように移動磁場を印加して鋳
    型内溶鋼湯面における溶鋼流速を所定の溶鋼流速に制御
    し、鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速が介在物付着臨界
    流速未満で且つ湯面皮張り臨界流速以上の場合には、鋳
    型内の溶鋼を水平方向に回転させるように移動磁場を印
    加して鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速を介在物付着臨
    界流速以上でモールドパウダー巻込み臨界流速以下の範
    囲に制御し、鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速が湯面皮
    張り臨界流速未満の場合には、浸漬ノズルからの吐出流
    に加速力を与えるように移動磁場を印加して鋳型内溶鋼
    湯面における溶鋼流速を介在物付着臨界流速以上でモー
    ルドパウダー巻込み臨界流速以下の範囲に制御すること
    を特徴とする、鋳型内溶鋼の流動制御方法。
  9. 【請求項9】 鋳型内の溶鋼を水平方向に回転させるよ
    うに移動磁場を印加する際に、当該移動磁場の磁束密度
    を、下記の(1)式によって定められる磁束密度とする
    ことを特徴とする、請求項8に記載の鋳型内溶鋼の流動
    制御方法。 【数4】 但し、(1)式において、Rは溶鋼と磁場との相対速
    度、γは装置毎に決まる定数、Bは移動磁場の磁束密度
    (テスラ)、fは移動磁場発生装置への投入電流周波数
    である。
  10. 【請求項10】 浸漬ノズルからの吐出流に加速力を与
    えるように移動磁場を印加する際に、当該移動磁場の磁
    束密度を、下記の(2)式によって定められる磁束密度
    とすることを特徴とする、請求項8又は請求項9に記載
    の鋳型内溶鋼の流動制御方法。 【数5】 但し、(2)式において、Av は鋳型短辺側から浸漬ノ
    ズル側に向いた溶鋼流速を正の数値で表示し、その逆の
    方向の溶鋼流速を負の数値で表示し、移動磁場を印加し
    ないで鋳造したときの溶鋼表面流速を分母とし、磁束密
    度Bで移動磁場を印加したときの溶鋼表面流速を分子と
    したときの比、εは係数、Lは移動磁場の移動速度、U
    0 は浸漬ノズル吐出口からの溶鋼吐出流の線速度の鋳型
    幅方向に沿った平均値(m/秒)、Bは移動磁場の磁束
    密度(テスラ)である。
  11. 【請求項11】 浸漬ノズルからの吐出流に制動力を与
    えるように移動磁場を印加する際に、当該移動磁場の磁
    束密度を、下記の(3)式によって定められる磁束密度
    とすることを特徴とする、請求項8ないし請求項10の
    何れか1つに記載の鋳型内溶鋼の流動制御方法。 【数6】 但し、(3)式において、Rv は鋳型短辺側から浸漬ノ
    ズル側に向いた溶鋼流速を正の数値で表示し、その逆の
    方向の溶鋼流速を負の数値で表示し、移動磁場を印加し
    ないで鋳造したときの溶鋼表面流速を分母とし、磁束密
    度Bで移動磁場を印加したときの溶鋼表面流速を分子と
    したときの比、βは係数、Bは移動磁場の磁束密度(テ
    スラ)、V0 は浸漬ノズル吐出口からの溶鋼吐出流の線
    速度(m/秒)である。
  12. 【請求項12】 前記モールドパウダー巻き込み臨界流
    速を0.32m/秒とし、前記介在物付着臨界流速を
    0.20m/秒とし、前記湯面皮張り臨界流速を0.1
    0m/秒とすることを特徴とする、請求項8ないし請求
    項11の何れか1つに記載の鋳型内溶鋼の流動制御方
    法。
  13. 【請求項13】 スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動
    磁場を印加して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であっ
    て、鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速が、モールドパウ
    ダーの巻き込みが最も少なく且つ凝固シェルへの介在物
    の付着が最も少ない最適流速値を越える場合には、浸漬
    ノズルからの吐出流に制動力を与えるように移動磁場を
    印加し、鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速が前記最適流
    速値未満の場合には、鋳型内の溶鋼を水平方向に回転さ
    せるように移動磁場を印加することを特徴とする、鋳型
    内溶鋼の流動制御方法。
  14. 【請求項14】 スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動
    磁場を印加して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であっ
    て、鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速が、モールドパウ
    ダーの巻き込みが最も少なく且つ凝固シェルへの介在物
    の付着が最も少ない最適流速値を越える場合には、浸漬
    ノズルからの吐出流に制動力を与えるように移動磁場を
    印加し、鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速が前記最適流
    速値未満の場合には、浸漬ノズルからの吐出流に加速力
    を与えるように移動磁場を印加することを特徴とする、
    鋳型内溶鋼の流動制御方法。
  15. 【請求項15】 前記最適流速値を0.25m/秒とす
    ることを特徴とする、請求項13又は請求項14に記載
    の鋳型内溶鋼の流動制御方法。
  16. 【請求項16】 スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動
    磁場を印加して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であっ
    て、鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速が、モールドパウ
    ダーの巻き込みが最も少なく且つ凝固シェルへの介在物
    の付着が最も少ない最適流速値を越える場合には、浸漬
    ノズルからの吐出流に制動力を与えるように移動磁場を
    印加し、鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速が前記最適流
    速値未満で且つ湯面皮張り臨界流速以上の場合には、鋳
    型内の溶鋼を水平方向に回転させるように移動磁場を印
    加し、鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速が湯面皮張り臨
    界流速未満の場合には、浸漬ノズルからの吐出流に加速
    力を与えるように移動磁場を印加することを特徴とす
    る、鋳型内溶鋼の流動制御方法。
  17. 【請求項17】 前記最適流速値を0.25m/秒と
    し、前記湯面皮張り臨界流速を0.10m/秒とするこ
    とを特徴とする、請求項16に記載の鋳型内溶鋼の流動
    制御方法。
  18. 【請求項18】 浸漬ノズルからの吐出流に制動力を与
    えるように移動磁場を印加して鋳型内溶鋼湯面における
    溶鋼流速を制御する際に、浸漬ノズルから鋳型幅の1/
    4の距離だけ鋳型短辺側に離れた鋳片厚み中央位置にお
    ける溶鋼湯面の溶鋼流速を、鋳型短辺側から浸漬ノズル
    側に向いた溶鋼流速を正の数値で表示し、その逆の方向
    の溶鋼流速を負の数値で表示したときに、−0.07m
    /秒から0.05m/秒の範囲内とすることを特徴とす
    る、請求項1ないし請求項17の何れか1つに記載の鋳
    型内溶鋼の流動制御方法。
  19. 【請求項19】 移動磁場の印加に当たり、下記の
    (4)式によって磁場を印加しない状態での鋳型内溶鋼
    湯面における溶鋼流速を推定し、推定した溶鋼流速に基
    づいて所定の移動磁場を印加することを特徴とする、請
    求項1ないし請求項18の何れか1つに記載の鋳型内溶
    鋼の流動制御方法。 【数7】 但し、(4)式において、uは鋳型内溶鋼湯面における
    溶鋼流速即ち溶鋼表面流速(m/秒)、kは係数、ρは
    溶鋼の密度(kg/m3 )、QL は単位時間当たりの溶
    鋼注入量(m3 /秒)、Ve は溶鋼吐出流が鋳型短辺面
    と衝突する時の速度(m/秒)、θは溶鋼吐出流が鋳型
    短辺面と衝突する位置における水平となす角度(de
    g)、Dは溶鋼吐出流が鋳型短辺面に衝突する位置から
    鋳型内溶鋼湯面までの距離(m)である。
  20. 【請求項20】 鋳造中に前記(4)式を用いて鋳型内
    溶鋼湯面における溶鋼流速を繰り返し推定し、その都
    度、推定した溶鋼流速に基づいて所定の移動磁場を印加
    することを特徴とする、請求項19に記載の鋳型内溶鋼
    の流動制御方法。
  21. 【請求項21】 スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動
    磁場を印加して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であっ
    て、鋳造条件から得られる下記の(5)式に示すF値が
    モールドパウダー巻き込み臨界F値を越える場合には、
    浸漬ノズルからの吐出流に制動力を与えるように移動磁
    場を印加し、前記F値が介在物付着臨界F値未満の場合
    には、鋳型内の溶鋼を水平方向に回転させるように移動
    磁場を印加することを特徴とする、鋳型内溶鋼の流動制
    御方法。 【数8】 但し、(5)式において、ρは溶鋼の密度(kg/m
    3 )、QL は単位時間当たりの溶鋼注入量(m3
    秒)、Ve は溶鋼吐出流が鋳型短辺面と衝突する時の速
    度(m/秒)、θは溶鋼吐出流が鋳型短辺面と衝突する
    位置における水平となす角度(deg)、Dは溶鋼吐出
    流が鋳型短辺面に衝突する位置から鋳型内溶鋼湯面まで
    の距離(m)である。
  22. 【請求項22】 鋳型内の溶鋼を水平方向に回転させる
    ように移動磁場を印加する際に、当該移動磁場の磁束密
    度を、下記の(1)式によって定められる磁束密度とす
    ることを特徴とする、請求項21に記載の鋳型内溶鋼の
    流動制御方法。 【数9】 但し、(1)式において、Rは溶鋼と磁場との相対速
    度、γは装置毎に決まる定数、Bは移動磁場の磁束密度
    (テスラ)、fは移動磁場発生装置への投入電流周波数
    である。
  23. 【請求項23】 スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動
    磁場を印加して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であっ
    て、鋳造条件から得られる下記の(5)式に示すF値が
    モールドパウダー巻き込み臨界F値を越える場合には、
    浸漬ノズルからの吐出流に制動力を与えるように移動磁
    場を印加し、前記F値が介在物付着臨界F値未満の場合
    には、浸漬ノズルからの吐出流に加速力を与えるように
    移動磁場を印加することを特徴とする、鋳型内溶鋼の流
    動制御方法。 【数10】 但し、(5)式において、ρは溶鋼の密度(kg/m
    3 )、QL は単位時間当たりの溶鋼注入量(m3
    秒)、Ve は溶鋼吐出流が鋳型短辺面と衝突する時の速
    度(m/秒)、θは溶鋼吐出流が鋳型短辺面と衝突する
    位置における水平となす角度(deg)、Dは溶鋼吐出
    流が鋳型短辺面に衝突する位置から鋳型内溶鋼湯面まで
    の距離(m)である。
  24. 【請求項24】 浸漬ノズルからの吐出流に加速力を与
    えるように移動磁場を印加する際に、当該移動磁場の磁
    束密度を、下記の(2)式によって定められる磁束密度
    とすることを特徴とする、請求項23に記載の鋳型内溶
    鋼の流動制御方法。 【数11】 但し、(2)式において、Av は鋳型短辺側から浸漬ノ
    ズル側に向いた溶鋼流速を正の数値で表示し、その逆の
    方向の溶鋼流速を負の数値で表示し、移動磁場を印加し
    ないで鋳造したときの溶鋼表面流速を分母とし、磁束密
    度Bで移動磁場を印加したときの溶鋼表面流速を分子と
    したときの比、εは係数、Lは移動磁場の移動速度、U
    0 は浸漬ノズル吐出口からの溶鋼吐出流の線速度の鋳型
    幅方向に沿った平均値(m/秒)、Bは移動磁場の磁束
    密度(テスラ)である。
  25. 【請求項25】 浸漬ノズルからの吐出流に制動力を与
    えるように移動磁場を印加する際に、当該移動磁場の磁
    束密度を、下記の(3)式によって定められる磁束密度
    とすることを特徴とする、請求項21ないし請求項24
    の何れか1つに記載の鋳型内溶鋼の流動制御方法。 【数12】 但し、(3)式において、Rv は鋳型短辺側から浸漬ノ
    ズル側に向いた溶鋼流速を正の数値で表示し、その逆の
    方向の溶鋼流速を負の数値で表示し、移動磁場を印加し
    ないで鋳造したときの溶鋼表面流速を分母とし、磁束密
    度Bで移動磁場を印加したときの溶鋼表面流速を分子と
    したときの比、βは係数、Bは移動磁場の磁束密度(テ
    スラ)、V0 は浸漬ノズル吐出口からの溶鋼吐出流の線
    速度(m/秒)である。
  26. 【請求項26】 前記モールドパウダー巻き込み臨界F
    値を4.3とし、前記介在物付着臨界F値を2.7とす
    ることを特徴とする、請求項21ないし請求項25の何
    れか1つに記載の鋳型内溶鋼の流動制御方法。
  27. 【請求項27】 スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動
    磁場を印加して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であっ
    て、鋳造条件から得られる下記の(5)式に示すF値が
    モールドパウダー巻き込み臨界F値を越える場合には、
    浸漬ノズルからの吐出流に制動力を与えるように移動磁
    場を印加し、前記F値が介在物付着臨界F値未満で且つ
    湯面皮張り臨界F値以上の場合には、鋳型内の溶鋼を水
    平方向に回転させるように移動磁場を印加し、前記F値
    が湯面皮張り臨界F値未満の場合には、浸漬ノズルから
    の吐出流に加速力を与えるように移動磁場を印加するこ
    とを特徴とする、鋳型内溶鋼の流動制御方法。 【数13】 但し、(5)式において、ρは溶鋼の密度(kg/m
    3 )、QL は単位時間当たりの溶鋼注入量(m3
    秒)、Ve は溶鋼吐出流が鋳型短辺面と衝突する時の速
    度(m/秒)、θは溶鋼吐出流が鋳型短辺面と衝突する
    位置における水平となす角度(deg)、Dは溶鋼吐出
    流が鋳型短辺面に衝突する位置から鋳型内溶鋼湯面まで
    の距離(m)である。
  28. 【請求項28】 鋳型内の溶鋼を水平方向に回転させる
    ように移動磁場を印加する際に、当該移動磁場の磁束密
    度を、下記の(1)式によって定められる磁束密度とす
    ることを特徴とする、請求項27に記載の鋳型内溶鋼の
    流動制御方法。 【数14】 但し、(1)式において、Rは溶鋼と磁場との相対速
    度、γは装置毎に決まる定数、Bは移動磁場の磁束密度
    (テスラ)、fは移動磁場発生装置への投入電流周波数
    である。
  29. 【請求項29】 浸漬ノズルからの吐出流に加速力を与
    えるように移動磁場を印加する際に、当該移動磁場の磁
    束密度を、下記の(2)式によって定められる磁束密度
    とすることを特徴とする、請求項27又は請求項28に
    記載の鋳型内溶鋼の流動制御方法。 【数15】 但し、(2)式において、Av は鋳型短辺側から浸漬ノ
    ズル側に向いた溶鋼流速を正の数値で表示し、その逆の
    方向の溶鋼流速を負の数値で表示し、移動磁場を印加し
    ないで鋳造したときの溶鋼表面流速を分母とし、磁束密
    度Bで移動磁場を印加したときの溶鋼表面流速を分子と
    したときの比、εは係数、Lは移動磁場の移動速度、U
    0 は浸漬ノズル吐出口からの溶鋼吐出流の線速度の鋳型
    幅方向に沿った平均値(m/秒)、Bは移動磁場の磁束
    密度(テスラ)である。
  30. 【請求項30】 浸漬ノズルからの吐出流に制動力を与
    えるように移動磁場を印加する際に、当該移動磁場の磁
    束密度を、下記の(3)式によって定められる磁束密度
    とすることを特徴とする、請求項27ないし請求項29
    の何れか1つに記載の鋳型内溶鋼の流動制御方法。 【数16】 但し、(3)式において、Rv は鋳型短辺側から浸漬ノ
    ズル側に向いた溶鋼流速を正の数値で表示し、その逆の
    方向の溶鋼流速を負の数値で表示し、移動磁場を印加し
    ないで鋳造したときの溶鋼表面流速を分母とし、磁束密
    度Bで移動磁場を印加したときの溶鋼表面流速を分子と
    したときの比、βは係数、Bは移動磁場の磁束密度(テ
    スラ)、V0 は浸漬ノズル吐出口からの溶鋼吐出流の線
    速度(m/秒)である。
  31. 【請求項31】 前記モールドパウダー巻き込み臨界F
    値を4.3とし、前記介在物付着臨界F値を2.7と
    し、前記湯面皮張り臨界F値を1.4とすることを特徴
    とする、請求項27ないし請求項30の何れか1つに記
    載の鋳型内溶鋼の流動制御方法。
  32. 【請求項32】 スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動
    磁場を印加して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であっ
    て、鋳造条件から得られる下記の(5)式に示すF値
    が、モールドパウダーの巻き込みが最も少なく且つ凝固
    シェルへの介在物の付着が最も少ない最適流速値に対応
    する最適F値を越える場合には、浸漬ノズルからの吐出
    流に制動力を与えるように移動磁場を印加し、前記F値
    が最適F値未満の場合には、鋳型内の溶鋼を水平方向に
    回転させるように移動磁場を印加することを特徴とす
    る、鋳型内溶鋼の流動制御方法。 【数17】 但し、(5)式において、ρは溶鋼の密度(kg/m
    3 )、QL は単位時間当たりの溶鋼注入量(m3
    秒)、Ve は溶鋼吐出流が鋳型短辺面と衝突する時の速
    度(m/秒)、θは溶鋼吐出流が鋳型短辺面と衝突する
    位置における水平となす角度(deg)、Dは溶鋼吐出
    流が鋳型短辺面に衝突する位置から鋳型内溶鋼湯面まで
    の距離(m)である。
  33. 【請求項33】 スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動
    磁場を印加して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であっ
    て、鋳造条件から得られる下記の(5)式に示すF値
    が、モールドパウダーの巻き込みが最も少なく且つ凝固
    シェルへの介在物の付着が最も少ない最適流速値に対応
    する最適F値を越える場合には、浸漬ノズルからの吐出
    流に制動力を与えるように移動磁場を印加し、前記F値
    が最適F値未満の場合には、浸漬ノズルからの吐出流に
    加速力を与えるように移動磁場を印加することを特徴と
    する、鋳型内溶鋼の流動制御方法。 【数18】 但し、(5)式において、ρは溶鋼の密度(kg/m
    3 )、QL は単位時間当たりの溶鋼注入量(m3
    秒)、Ve は溶鋼吐出流が鋳型短辺面と衝突する時の速
    度(m/秒)、θは溶鋼吐出流が鋳型短辺面と衝突する
    位置における水平となす角度(deg)、Dは溶鋼吐出
    流が鋳型短辺面に衝突する位置から鋳型内溶鋼湯面まで
    の距離(m)である。
  34. 【請求項34】 前記最適F値を3.4とすることを特
    徴とする、請求項32又は請求項33に記載の鋳型内溶
    鋼の流動制御方法。
  35. 【請求項35】 スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動
    磁場を印加して鋳型内溶鋼の流動を制御する方法であっ
    て、鋳造条件から得られる下記の(5)式に示すF値
    が、モールドパウダーの巻き込みが最も少なく且つ凝固
    シェルへの介在物の付着が最も少ない最適流速値に対応
    する最適F値を越える場合には、浸漬ノズルからの吐出
    流に制動力を与えるように移動磁場を印加し、前記F値
    が最適F値未満で且つ湯面皮張り臨界F値以上の場合に
    は、鋳型内の溶鋼を水平方向に回転させるように移動磁
    場を印加し、前記F値が湯面皮張り臨界F値未満の場合
    には、浸漬ノズルからの吐出流に加速力を与えるように
    移動磁場を印加することを特徴とする、鋳型内溶鋼の流
    動制御方法。 【数19】 但し、(5)式において、ρは溶鋼の密度(kg/m
    3 )、QL は単位時間当たりの溶鋼注入量(m3
    秒)、Ve は溶鋼吐出流が鋳型短辺面と衝突する時の速
    度(m/秒)、θは溶鋼吐出流が鋳型短辺面と衝突する
    位置における水平となす角度(deg)、Dは溶鋼吐出
    流が鋳型短辺面に衝突する位置から鋳型内溶鋼湯面まで
    の距離(m)である。
  36. 【請求項36】 前記最適F値を3.4とし、前記湯面
    皮張り臨界F値を1.4とすることを特徴とする、請求
    項35に記載の鋳型内溶鋼の流動制御方法。
  37. 【請求項37】 浸漬ノズルからの吐出流に制動力を与
    えるように移動磁場を印加して鋳型内溶鋼湯面における
    溶鋼流速を制御する際に、浸漬ノズルから鋳型幅の1/
    4の距離だけ鋳型短辺側に離れた鋳片厚み中央位置にお
    ける溶鋼湯面の溶鋼流速を、鋳型短辺側から浸漬ノズル
    側に向いた溶鋼流速を正の数値で表示し、その逆の方向
    の溶鋼流速を負の数値で表示したときに、−0.07m
    /秒から0.05m/秒の範囲内とすることを特徴とす
    る、請求項21ないし請求項36の何れか1つに記載の
    鋳型内溶鋼の流動制御方法。
  38. 【請求項38】 鋳造中に前記(5)式を用いてF値を
    繰り返し算出し、その都度、算出したF値に基づいて所
    定の移動磁場を印加することを特徴とする、請求項21
    ないし請求項37の何れか1つに記載の鋳型内溶鋼の流
    動制御方法。
  39. 【請求項39】 鋳造条件として、鋳片厚み、鋳片幅、
    鋳造速度、溶鋼流出孔内への不活性ガス吹き込み量、及
    び浸漬ノズル形状の少なくとも5つの条件を取得する第
    1の工程と、取得した鋳造条件に基づいて鋳型内溶鋼湯
    面における溶鋼流速を算出する第2の工程と、算出して
    得られた溶鋼流速をモールドパウダー巻込み臨界流速及
    び介在物付着臨界流速と比較し、得られた溶鋼流速が、
    モールドパウダー巻込み臨界流速を超えているか否か、
    及び、介在物付着臨界流速より低いか否か、を判定する
    第3の工程と、得られた溶鋼流速がモールドパウダー巻
    込み臨界流速を超えている場合には、浸漬ノズルからの
    吐出流に制動力を与えるように移動磁場を印加し、得ら
    れた溶鋼流速が介在物付着臨界流速未満の場合には、鋳
    型内の溶鋼を水平方向に回転させるように移動磁場を印
    加する第4の工程と、を備え、スラブ連続鋳造機の鋳型
    内溶鋼に所定の移動磁場を印加して鋳型内溶鋼の流動を
    制御することを特徴とする、鋳型内溶鋼の流動制御方
    法。
  40. 【請求項40】 鋳造条件として、鋳片厚み、鋳片幅、
    鋳造速度、溶鋼流出孔内への不活性ガス吹き込み量、及
    び浸漬ノズル形状の少なくとも5つの条件を取得する第
    1の工程と、取得した鋳造条件に基づいて鋳型内溶鋼湯
    面における溶鋼流速を算出する第2の工程と、算出して
    得られた溶鋼流速をモールドパウダー巻込み臨界流速、
    介在物付着臨界流速及び湯面皮張り臨界流速と比較し、
    得られた溶鋼流速が、モールドパウダー巻込み臨界流速
    を超えているか否か、介在物付着臨界流速より低いか否
    か、及び湯面皮張り臨界流速より低いか否か、を判定す
    る第3の工程と、得られた溶鋼流速がモールドパウダー
    巻込み臨界流速を超えている場合には、浸漬ノズルから
    の吐出流に制動力を与えるように移動磁場を印加し、得
    られた溶鋼流速が介在物付着臨界流速未満で且つ湯面皮
    張り臨界流速以上の場合には、鋳型内の溶鋼を水平方向
    に回転させるように移動磁場を印加し、得られた溶鋼流
    速が湯面皮張り臨界流速未満の場合には、浸漬ノズルか
    らの吐出流に加速力を与えるように移動磁場を印加する
    第4の工程と、を備え、スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼
    に所定の移動磁場を印加して鋳型内溶鋼の流動を制御す
    ることを特徴とする、鋳型内溶鋼の流動制御方法。
  41. 【請求項41】 前記第1の工程から第4の工程を鋳造
    中に繰り返し実施し、その時点の鋳造条件に対して最適
    な移動磁場を印加することを特徴とする、請求項39又
    は請求項40に記載の鋳型内溶鋼の流動制御方法。
  42. 【請求項42】 スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動
    磁場を印加して鋳型内溶鋼の流動を制御する装置であっ
    て、鋳造条件として、鋳片厚み、鋳片幅、鋳造速度、溶
    鋼流出孔内への不活性ガス吹き込み量、及び浸漬ノズル
    形状の少なくとも5つの条件を取得する鋳造条件取得手
    段と、取得した鋳造条件に基づいて鋳型内溶鋼湯面にお
    ける溶鋼流速を算出する演算出手段と、算出して得られ
    た溶鋼流速をモールドパウダー巻込み臨界流速及び介在
    物付着臨界流速と比較し、得られた溶鋼流速が、モール
    ドパウダー巻込み臨界流速を超えているか否か及び介在
    物付着臨界流速より低いか否か、を判定する判定手段
    と、得られた溶鋼流速がモールドパウダー巻込み臨界流
    速を超えている場合には、浸漬ノズルからの吐出流に制
    動力を与えるように移動磁場を印加し、得られた溶鋼流
    速が介在物付着臨界流速未満の場合には、鋳型内の溶鋼
    を水平方向に回転させるように移動磁場を印加する制御
    手段と、該制御手段からの出力に基づいて所定の移動磁
    場を発生する移動磁場発生装置と、を備えていることを
    特徴とする、鋳型内溶鋼の流動制御装置。
  43. 【請求項43】 スラブ連続鋳造機の鋳型内溶鋼に移動
    磁場を印加して鋳型内溶鋼の流動を制御する装置であっ
    て、鋳造条件として、鋳片厚み、鋳片幅、鋳造速度、溶
    鋼流出孔内への不活性ガス吹き込み量、及び浸漬ノズル
    形状の少なくとも5つの条件を取得する鋳造条件取得手
    段と、取得した鋳造条件に基づいて鋳型内溶鋼湯面にお
    ける溶鋼流速を算出する演算出手段と、算出して得られ
    た溶鋼流速をモールドパウダー巻込み臨界流速、介在物
    付着臨界流速及び湯面皮張り臨界流速と比較し、得られ
    た溶鋼流速が、モールドパウダー巻込み臨界流速を超え
    ているか否か、介在物付着臨界流速より低いか否か及び
    湯面皮張り臨界流速より低いか否か、を判定する判定手
    段と、得られた溶鋼流速がモールドパウダー巻込み臨界
    流速を超えている場合には、浸漬ノズルからの吐出流に
    制動力を与えるように移動磁場を印加し、得られた溶鋼
    流速が介在物付着臨界流速未満で且つ湯面皮張り臨界流
    速以上の場合には、鋳型内の溶鋼を水平方向に回転させ
    るように移動磁場を印加し、得られた溶鋼流速が湯面皮
    張り臨界流速未満の場合には、浸漬ノズルからの吐出流
    に加速力を与えるように移動磁場を印加する制御手段
    と、該制御手段からの出力に基づいて所定の移動磁場を
    発生する移動磁場発生装置と、を備えていることを特徴
    とする、鋳型内溶鋼の流動制御装置。
  44. 【請求項44】 請求項1ないし請求項41の何れか1
    つに記載の流動制御方法により鋳型内溶鋼の流動制御を
    行いながら、タンディッシュ内の溶鋼を鋳型内に注入
    し、鋳型内で生成した凝固シェルを下方に引き抜いてス
    ラブ鋳片を製造することを特徴とする、連続鋳造鋳片の
    製造方法。
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