JP2009542442A - 鋳型内の溶鋼の流動を制御するための方法および装置 - Google Patents
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Abstract
連続スラブ鋳造機内の溶鋼に少なくとも1つの磁場を印加することによって鋳型内の溶鋼の流動を制御するための方法。これは、溶鋼湯面(メニスカス)における溶鋼流速がモールドパウダー巻き込み臨界流速を超えている場合には、浸漬ノズルからの吐出流に安定化および制動力を与えるように静磁場を印加することによって、メニスカスにおける溶鋼流速を所定の溶鋼流速に制御することを備えることと、メニスカスにおける溶鋼流速が介在物付着臨界流速未満である場合には、溶鋼流動を増大するように移動磁場を印加することによって、メニスカスにおける溶鋼流速を介在物付着臨界流速以上からモールドパウダー巻き込み臨界流速以下の範囲に制御することと、によって達成される。
Description
本発明は、連続スラブ鋳造機を使用して鋳型内の溶鋼流動を制御するための方法および装置と、該流動制御方法および装置を使用してスラブを生産するための方法と、に関する。
連続スラブ鋳造機によって生産される鋳造品に必要とされる品質因子のうちの1つは、鋳造品表層内に捕り込まれた介在物の量が少ないことである。鋳造品表層内に捕り込まれるこのような介在物としては、例えば、
(1)アルミニウムなどを使用した脱酸ステップにおいて生じ、溶鋼中に懸濁している脱酸生成物、
(2)タンディッシュ内の溶鋼に吹きつけられた、または浸漬ノズルを通って吹きつけられたアルゴン気泡、および
(3)溶鋼湯面に散布されたモールドパウダーによって生じ、懸濁物質として溶鋼に巻き込まれている介在物、などが挙げられる。
(1)アルミニウムなどを使用した脱酸ステップにおいて生じ、溶鋼中に懸濁している脱酸生成物、
(2)タンディッシュ内の溶鋼に吹きつけられた、または浸漬ノズルを通って吹きつけられたアルゴン気泡、および
(3)溶鋼湯面に散布されたモールドパウダーによって生じ、懸濁物質として溶鋼に巻き込まれている介在物、などが挙げられる。
これらの介在物は、いずれも、鉄鋼製品における表面欠陥となるため、いかなる種類の介在物をも低減することが重要である。例えば、上述の介在物のうち、脱酸生成物やアルゴン気泡を低減させる手段として、鋳型内溶鋼を水平方向に動かし、それによって、溶鋼速度を溶鋼の表面に与えて凝固表面を清浄にするように介在物の捕捉を防止するタイプの、広く使用されているプロセスがある。鋳型内溶鋼を水平方向に回転させるように磁場を印加する実際のプロセスは、鋳型の長辺方向に沿って水平に移動する磁場を、対向する長辺面に沿って互いに反対の方向に移動させて、凝固した表面に沿って水平方向に回転するように動く溶鋼流動を誘導するように、行われる。本稿においては、印加プロセスは、「EMDC」、「EMDCモード」、または「EMDCモード磁場印加」を、「EMLA」、「EMLAモード」、「EMLAモード磁場印加」および/または「EMRS」、「EMRSモード」、「EMRSモード磁場印加」と組み合わせて、異なる撹拌モード(以下の様々な説明を参照)として参照する。
鋳型内の低位置に撹拌機を有するEMDC(Electro Magnetic Direct Current)制動技術は、一般に、断然支配的な技術であり、したがって、周波数をゼロにし、鋳型内において最大磁束密度を達成するように位相角を調整することも可能である。直流技術は、一般に、安定性や自動調節性、すなわち、流速が片側でより高い場合には、制動力もまた高くなる、などといった、多くの利点を有する。1Hzの以下の超低周波と比較すると、鋳型下部の直流磁場は、鋳型内流体の流れのより安定した制動制御を行うことができる。
鋳型内の低位置に撹拌機を有するElectromagnetic Level Acceleratingモード(EMLA)で作動する場合、短辺の方へ向かう鋼鉄の外向きの流速は加速され、それによって、確実に、低速鋳造の場合にも二重の流動パターンが達成される。鋳型内の流動を最適化するためには、安定した2ロール流動パターンを生成させる必要がある。モードと、適切なFC MEMS(以下の説明を参照)パラメータとを選択することによって、要求された流動パターンが、異なるスラブ形状および鋳造速度で達成され得る。このことは、分析的F値を使用せずに、異なる運転条件のための関連するパラメータを含むデータベースを使用して、FC MEMSによって制御され得る。これらのパラメータは、通常は、鋳型内の磁場、流体の流れ、および温度挙動をモデリングする、数値3Dモデリングパッケージ(EM Tool)によって発生させる。EMLAモードで作動する場合、FC MEMSは、これの低位置に移動されなければならない。低速鋳造では、FC MEMSは、鋳型内の正常な流動を確実にするために、狭面の方へ流体の流れを加速することができる。F値は、溶鋼表面流速に変換される。しかし、EP−A−1486274に説明されているように、F値および溶鋼流速は1対1の関係を有するため、制御は、F値を溶鋼表面流速に変換せずに使用することにより行われ得る。
スラブ鋳型撹拌機タイプのFC MEMSは、1つの鋳型につき1セットの撹拌機からなる。撹拌機の各セットは、4つの直線状部分撹拌機からなる。鋳型の各側面上にある2つの部分撹拌機は、外部ケーシング内の撹拌機ユニット内に共に組み込まれており、長辺の水ジャケット内の受け板の背後にある既存のポケット内に搭載されている。2つの対向する部分撹拌機どうしが、直列に接続されており且つ1つの周波数変換器に接続されている。合計2つの周波数変換器が1つの鋳型のために必要であり、撹拌機は、鋳型内で連続運転ができるよう、設計および製造されている。撹拌機は、周波数変換器からの低周波電流を低周波磁場に変換し、上記磁場は、鋳型銅板およびストランドの凝固したシェルを貫通し、液体鋼鉄内に電流を誘導する。これらの電流は、進行磁場と相互作用し、液体鋼鉄内に力を、したがって動きを生じさせる。撹拌機は、巻線と成層鉄心とを備える。撹拌機巻線は、長方形断面を有する銅管でできており、閉ループ系内を循環する脱イオンされた精製水によって内部から直接冷却される。撹拌機は、非磁性鋼板でできた側面と非導電材料でできた前面とを有する保護箱内に封入されている。
鋳型内において撹拌するための支配的な技術であるElectromagnetic Rotative Stirringモード(EMRS)は、メニスカスに近い鋳型の上部において行われ、撹拌機の位置は、流体の流れを制御した状態で撹拌するために極めて重要である。制御された最適な撹拌を行うためには、鋳型内の高位置で撹拌することが必須であり、したがって、FC MEMSは、上方に移動されなければならない。低位置での撹拌は、ノズルから出てくる流れと衝突するため、鋳型内に不安定な乱れた流れを引き起こす。したがって、EMLA/EMDCモードから撹拌モードへ変更する際には、撹拌機を上方に移動させることが提案される。FC MEMSは、鋳型内の鋼鉄に回転力を発生させる。周波数変換器を設置することにより、低電流を2つのコイルに印加することができ、流動は、短辺の方へ向けられ、それによって、撹拌パラメータを最適化することが可能になる。しかし、これら2つの周波数変換器は、外乱の可能性を最小にするために、周波数を同期させる必要がある。
上述と同様のプロセスの例が、欧州特許出願第1486274号(JFEエンジニアリング株式会社(JFE Engineering Corporation))に説明されており、EMLS(Electromagnetic Level Stabilizer)が、EMLAおよび/またはEMRSと組み合わせて使用されている。
本発明は、連続スラブ鋳造機を使用して鋳型内の溶鋼湯面(メニスカス)における溶鋼流速を所定の溶鋼流速に制御するための方法および装置と、該流動制御方法および装置を使用してスラブを生産するための方法とに対し、改良を提供する。
これは、メニスカスにおける溶鋼流速がモールドパウダー巻き込み臨界流速を超えている場合には、浸漬ノズルからの吐出流に安定化および制動力を与えるように静磁場を印加することと、メニスカスにおける溶鋼流速が介在物付着臨界流速未満である場合には、溶鋼流動を増大するように移動磁場を印加することによって、溶鋼湯面における溶鋼流速を介在物付着臨界流速以上からモールドパウダー巻き込み臨界流速以下の範囲に制御することと、によって、達成される。
メニスカスにおける溶鋼流速が0.32m/秒のモールドパウダー巻き込み臨界流速を超えている場合には、溶鋼流速は、浸漬ノズルからの吐出流を安定させ且つこれに制動力を与えるように静磁場を印加することによって、所定の溶鋼流速に制御される。溶鋼流速が、0.20m/秒の介在物付着臨界流速未満であり、且つ0.10m/秒のメニスカス皮張り臨界流速以上である場合には、溶鋼流速は、鋳型内溶鋼を水平方向に回転させるように移動磁場を印加することによって、0.20〜0.32m/秒の範囲に制御される。溶鋼流速が介在物付着臨界流速未満である場合には、溶鋼流速は、浸漬ノズルからの吐出流に加速力を与えるように移動磁場を印加することによって、0.20〜0.32m/秒の範囲に制御される。
FC MEMSは、例えばEMLA、EMRSおよびEMDCなどの異なるモードで作動し、且つFC MEMSの設計は、他の撹拌設備とは複数の点で異なる。すなわち、
−本撹拌機は、2相系と比較して相あたり1本のケーブルを省略する3相電流用に設計されている。3相の標準変換器が使用される場合には、コイルへの最大相電流もまた、最小にされ得る。2相系では、共通の帰り線において√2大きい相電流が必要となる。撹拌機印加のためのこの標準変換器システムは、変更が加えられており、異なる相電流において対称性を有するという特徴も含む。複数の相電流において達成される対称性が高ければ高いほど、より高い性能が撹拌機によって達成され得る。通常の周波数変換器は共通の相電圧で作動し、異なる巻線間の相互インダクタンスが異なるため、異なる相電流が生じるという結果になる。
−本撹拌機は、2相系と比較して相あたり1本のケーブルを省略する3相電流用に設計されている。3相の標準変換器が使用される場合には、コイルへの最大相電流もまた、最小にされ得る。2相系では、共通の帰り線において√2大きい相電流が必要となる。撹拌機印加のためのこの標準変換器システムは、変更が加えられており、異なる相電流において対称性を有するという特徴も含む。複数の相電流において達成される対称性が高ければ高いほど、より高い性能が撹拌機によって達成され得る。通常の周波数変換器は共通の相電圧で作動し、異なる巻線間の相互インダクタンスが異なるため、異なる相電流が生じるという結果になる。
−このFC MEMS設計は、EMDCのための静磁場と、EMLAおよびEMRSのための移動磁場とを生成させ得るコイルを含む。EMLAおよびEMRSのための移動磁場は、コイルに供給する多相交流電流を使用することにより、生成される。対応する静磁場が、直流を異なる相で供給することによって、また、異なる電流の強さを異なる相で供給することによって、生成され、鋳型に作用する磁場の分布が異なることとなり、結果的に、制動の影響もまた、鋳型の異なる部分でそれぞれ異なることになる。経時的に制動効果を変動させることは、利点であり得、したがって、複数の相における直流電流の関係を経時的に変更することが望ましい。一定の流動パターンを生成するための時間は少なくとも10秒であるため、上記時間内に直流電流を変動できることが望ましい。
−本撹拌機は、EMLA(加速モード)およびEMRS(撹拌モード)用に設計されている。定格電流は、0.4〜2Hzの間の周波数で使用され得る。撹拌機は、ステンレス鋼ケーシング内に保護されており、乾燥空気の僅かな過圧力が、湿気を避けるために使用されている。撹拌機ユニットは、冷却水用の2重の入口および出口を有する。どちらか一方のセットが、鋳型内の撹拌機の位置に依存して使用され、他方は閉鎖されている。
本発明を、添付の概咯図に関連して、更に詳細に説明する。
本発明の実施形態を、添付図面を参照して、本願明細書において以下に説明する。図1および2は、それぞれ、本発明を実施する際に使用される連続スラブ鋳造機の概略図である。より詳しくは、図1および2は、共に、本発明による鋳型部分の概略の斜視図/正面図である。
図1および2を参照すると、相互に対向する鋳型長辺(2)とこれら鋳型長辺(2)の間の内側に設けられた相互に対向する鋳型短辺(3)とを有する鋳型(1)の上方の所定の位置に、タンディッシュ(図示せず)が配置されている。下部に一対の吐出口(5)を有する浸漬ノズル(4)が、タンディッシュに接続されたスライディングノズル(図示せず)の下面と接触して、配置されている。溶鋼流出孔(6)が、タンディッシュから鋳型(1)へ溶鋼が流出するように形成されている。鋳型長辺(2)の背面には、合計4つの磁場発生装置(7)が、2つの対向する側に分けられ、さらに、浸漬ノズル(4)を鋳型長辺(2)のそれぞれの幅方向における境とし、左右に分けられて配置されている。したがって、個々の側面上にある発生器は、鋳造方向の中心位置を吐出口(5)の真下の下流位置とし、鋳型長辺(2)を間に挟んで設置されている。個々の磁場発生装置(7)は、電源(図示せず)に接続されており、電源は、磁場移動方向および磁場強度を制御する制御ユニット(図示せず)に接続されている。磁場強度および磁場移動方向は、制御ユニットから入力された磁場移動方向および磁場強度に従って、電源から供給された電力によって個別に制御される。制御ユニットは、連続鋳造操業を制御するプロセス制御ユニット(図示せず)に接続されており、プロセス制御ユニットから送られてくる操業情報に従って、磁場印加のタイミングなどを制御する。
凝固表面で水平方向に回転するような溶鋼流動を誘導するためのEMRSモードによる磁場印加の場合には、図1に示すように、移動磁場の移動方向は、互いに対向する鋳型長辺(2)に沿って、互いに反対の向きに設定される。浸漬ノズル(4)から吐出される溶鋼吐出流(8)に、加速力を与えるためのEMLAモードによる磁場印加の場合には、図2に示すように、磁場の移動方向は、浸漬ノズル(4)側から鋳型短辺(3)側へ向かうように設定される。図1では、移動磁場が時計回りに回転するような移動モードに設定されているが、磁場が反時計回りに移動する場合でも、効果は同一である。
一方、図1および2は、それぞれ、鋳型(1)の真上の位置から見た、EMRSおよびEMLAモードに従って印加されている磁場の移動方向の図であり、矢印は、磁場の移動方向を示している。
鋳型(1)の下方には、鋳造によって生産される鋳造品(図示せず)を支持するための複数のガイドロール(図示せず)と、鋳造品を引き抜くための複数のピンチロール(図示せず)とが、設置されている。
溶鋼は、取鍋(図示せず)からタンディッシュ(図示せず)へ注入される。溶鋼量が所定の量に達すると、摺動板(図示せず)が開かれて、溶鋼が溶鋼流出孔(6)を介して鋳型(1)内へ注入され得るようになる。溶鋼は、鋳型短辺(3)へと進む溶鋼吐出流(8)を形成し、次いで、鋳型(1)内の溶鋼に浸漬された吐出口(5)から鋳型(1)に注入される。鋳型(1)に注入された溶鋼は、鋳型(1)によって冷却され、凝固シェル(図示せず)を形成する。溶鋼の所定の量が鋳型(1)に注入されると、凝固シェルとしての外部シェルを有する、内部に未凝固の溶鋼を含む鋳造品(図示せず)の引き抜きが、開始される。引き抜きの開始後は、溶鋼メニスカス(9)の位置が鋳型(1)内の実質的に一定の位置に制御されつつ、鋳造速度が所定の鋳造速度に上げられる。次いで、モールドパウダーが、鋳型(1)内のメニスカス(9)に添加される。モールドパウダーは溶融し、例えば、溶鋼の酸化を防止する効果を発揮する。同時に、溶融したモールドパウダーは、凝固シェルと鋳型(1)との間に流れ込み、潤滑剤としての効果を発揮する。この鋳造作業において、メニスカス(9)における鋳型(1)短辺(3)近傍の溶鋼流速は、個々の鋳造条件に従って決定される。
溶鋼流速を決定するための方法のうちの1つは、個々の鋳造条件に従って公知の式を使用することにより、メニスカス(9)における溶鋼流速を推定するタイプの方法である。
更なる方法は、メニスカス(9)における溶鋼流速を実測するタイプの方法である。鋳造条件が決定且つ設定されると、メニスカス(9)における溶鋼流速は、この条件下で実質的に一定である。したがって、個々の鋳造条件下でのメニスカス(9)における溶鋼流速を予め測定しておくと、流速は、対応する鋳造条件から決定され得る。この場合、溶鋼流速の実測値は保存しておいてもよく、この溶鋼流速の保存された実測値を、溶鋼流速として決定してもよい。溶鋼流速は、耐火物製の細棒をメニスカス(9)内に浸漬するようなやり方で測定されることができ、流速は、この細棒が受ける運動エネルギーから測定され得る。
メニスカス(9)における鋳型(1)短辺(3)近傍の溶鋼流速が介在物付着臨界流速以下である場合、より具体的には、0.20m/秒未満である場合には、移動磁場が、EMRSまたはEMLAモードに従って印加される。
溶鋼メニスカス(9)における鋳型短辺近傍の溶鋼流速がモールドパウダー巻き込み臨界流速を超えている場合、より具体的には、0.32m/秒を超えている場合には、静磁場が、EMDCモードに従って印加される。
さらに、メニスカス(9)における鋳型短辺近傍の溶鋼流速が介在物付着臨界流速未満である場合には、移動磁場の印加プロセスは、2つの下位プロセスに分けられる。
上述の溶鋼流速がメニスカス皮張り臨界流速未満である場合、より具体的には、0.10m/秒未満である場合には、移動磁場は、好ましくはEMLAモードに従って印加される。
上述の溶鋼流速が、介在物付着臨界流速未満であり、且つ同時にメニスカス(9)皮張り臨界流速以上である場合、より具体的には、0.10m/秒以上且つ0.20m/秒未満である場合には、移動磁場は、好ましくはEMRSモードに従って印加される。
上述のやり方において、鋳型(1)内の溶鋼流動を制御しつつ、溶鋼を連続的に鋳造することによって、脱酸生成物やアルゴン気泡などの物質の量が極めて少ないだけでなく、モールドパウダーの巻き込み量が極めて少ない鋳造品、すなわち清浄な高品質の鋳造品が、広範囲にわたる鋳造速度における鋳造であっても、着実に生産され得る。
本発明は、開示した実施形態に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲内において変更および修正することができる。
Claims (18)
- 連続スラブ鋳造機内の溶鋼に少なくとも1つの磁場を印加することによって鋳型内の前記溶鋼の流動を制御するための方法であって、
メニスカスにおける溶鋼流速がモールドパウダー巻き込み臨界流速を超えている場合には、浸漬ノズルからの吐出流に安定化および制動力を与えるように静磁場を印加することによって、前記メニスカスにおける前記溶鋼流速を所定の溶鋼流速に制御することと、
前記メニスカスにおける前記溶鋼流速が介在物付着臨界流速未満である場合には、前記溶鋼流動を増大するように移動磁場を印加することによって、前記メニスカスにおける前記溶鋼流速を前記介在物付着臨界流速以上からモールドパウダー巻き込み臨界流速以下の範囲に制御することと、
を備えることを特徴とする方法。 - 連続スラブ鋳造機内の溶鋼に少なくとも1つの磁場を印加することによって鋳型内の前記溶鋼の流動を制御するための方法であって、
メニスカスにおける溶鋼流速がモールドパウダー巻き込み臨界流速を超えている場合には、浸漬ノズルからの吐出流に安定化および制動力を与えるように静磁場を印加することによって、前記メニスカスにおける前記溶鋼流速を所定の溶鋼流速に制御することと、
前記メニスカスにおける前記溶鋼流速が介在物付着臨界流速未満である場合には、前記溶鋼を水平方向に回転させるように移動磁場を印加することによって、前記メニスカスにおける前記溶鋼流速を前記介在物付着臨界流速以上からモールドパウダー巻き込み臨界流速以下の範囲に制御することと、
を備えることを特徴とする方法。 - 連続スラブ鋳造機内の溶鋼に少なくとも1つの磁場を印加することによって鋳型内の前記溶鋼の流動を制御するための方法であって、
メニスカスにおける溶鋼流速がモールドパウダー巻き込み臨界流速を超えている場合には、浸漬ノズルからの吐出流に安定化および制動力を与えるように静磁場を印加することによって、前記メニスカスにおける前記溶鋼流速を所定の溶鋼流速に制御することと、
前記メニスカスにおける前記溶鋼流速が介在物付着臨界流速未満である場合には、前記浸漬ノズルからの前記吐出流に加速力を与えるように移動磁場を印加することによって、前記メニスカスにおける前記溶鋼流速を前記介在物付着臨界流速以上からモールドパウダー巻き込み臨界流速以下の範囲に制御することと、
を備えることを特徴とする方法。 - 前記モールドパウダー巻き込み臨界流速は0.32m/秒であり、且つ前記介在物付着臨界流速は0.20m/秒であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 連続スラブ鋳造機内の溶鋼に少なくとも1つの磁場を印加することによって前記溶鋼の流動を制御するための方法であって、
メニスカスにおける溶鋼流速がモールドパウダー巻き込み臨界流速を超えている場合には、浸漬ノズルからの吐出流に安定化および制動力を与えるように静磁場を印加することによって、前記メニスカスにおける前記溶鋼流速を所定の溶鋼流速に制御することと、
前記メニスカスにおける前記溶鋼流速が介在物付着臨界流速未満であり、且つメニスカス皮張り臨界流速以上である場合には、前記溶鋼を水平方向に回転させるように移動磁場を印加することによって、前記メニスカスにおける前記溶鋼流速を前記介在物付着臨界流速以上からモールドパウダー巻き込み臨界流速以下の範囲に制御することと、
前記メニスカスにおける前記溶鋼流速が前記メニスカス皮張り臨界流速未満である場合には、前記浸漬ノズルからの前記吐出流に加速力を与えるように移動磁場を印加することによって、前記メニスカスにおける前記溶鋼流速を前記介在物付着臨界流速以上から前記モールドパウダー巻き込み臨界流速以下の前記範囲に制御することと、
を備えることを特徴とする方法。 - 前記モールドパウダー巻き込み臨界流速は0.32m/秒であり、前記介在物付着臨界流速は0.20m/秒であり、前記メニスカス皮張り臨界流速は0.10m/秒であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
- 連続スラブ鋳造機内の溶鋼に少なくとも1つの磁場を印加することによって鋳型内の前記溶鋼の流動を制御するための方法であって、
メニスカスにおける溶鋼流速が、モールドパウダー巻き込みが最少になり且つ凝固シェルへの介在物付着が最少になる最適流速値を超えている場合には、浸漬ノズルからの吐出流に安定化および制動力を与えるように静磁場を印加することと、
前記メニスカスにおける前記溶鋼流速が前記最適流速値未満である場合には、前記溶鋼を水平方向に回転させるように移動磁場を印加することと、
を備えることを特徴とする方法。 - 連続スラブ鋳造機内の溶鋼に少なくとも1つの磁場を印加することによって鋳型内の前記溶鋼の流動を制御するための方法であって、
メニスカスにおける溶鋼流速が、モールドパウダー巻き込みが最少になり且つ凝固シェルへの介在物付着が最少になる最適流速値を超えている場合には、浸漬ノズルからの吐出流に安定化および制動力を与えるように静磁場を印加することと、
前記メニスカスにおける前記溶鋼流速が前記最適流速値未満である場合には、前記浸漬ノズルからの前記吐出流に加速力を与えるように移動磁場を印加することと、
を備えることを特徴とする方法。 - 前記最適流速値は0.25m/秒であることを特徴とする、請求項7または8に記載の方法。
- 連続スラブ鋳造機の溶鋼に少なくとも1つの磁場を印加することによって前記溶鋼の流動を制御するための方法であって、前記方法が、
メニスカスにおける溶鋼流速が、モールドパウダー巻き込みが最少になり且つ凝固シェルへの介在物付着が最少になる最適流速値を超えている場合には、浸漬ノズルからの吐出流に安定化および制動力を与えるように静磁場を印加することと、
前記メニスカスにおける前記溶鋼流速が前記最適流速値未満であり、且つメニスカス皮張り臨界流速以上である場合には、前記溶鋼を水平方向に回転させるように移動磁場を印加することと、
前記メニスカスにおける前記溶鋼流速が前記メニスカス皮張り臨界流速未満である場合には、前記浸漬ノズルからの前記吐出流に加速力を与えるように前記メニスカスにおける前記溶鋼流速を印加することと、
を備えることを特徴とする方法。 - 前記最適流速値は0.25m/秒であり、且つ前記メニスカス皮張り臨界流速は0.10m/秒であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
- 前記静磁場は、異なる構造を有し、且つこれらの構造の間で経時的に移動されることが可能であり、各構造のホールド時間が最低10秒であることを特徴とする、請求項1〜11に記載の方法。
- 鋳型内の溶鋼の流動を制御するための方法であって、
鋳造品厚さ、鋳造品幅、鋳造速度、溶鋼流出孔ノズルへの不活性ガス吹き込み量、および浸漬ノズル形状に関する鋳造条件としての少なくとも1つの条件を得る第1のステップと、
前記得られた鋳造条件に従ってメニスカスにおける溶鋼流速を算出する第2のステップと、
前記得られた溶鋼流速をモールドパウダー巻き込み臨界流速および介在物付着臨界流速と比較することによって、前記得られた溶鋼流速が前記モールドパウダー巻き込み臨界流速を越えているか否か、および前記溶鋼流速が前記介在物付着臨界流速未満であるか否かを判定する第3のステップと、
前記得られた溶鋼流速が前記モールドパウダー巻き込み臨界流速を越える場合には、浸漬ノズルからの吐出流に安定化および制動力を与えるように静磁場を印加し、前記得られた溶鋼流速が前記介在物付着臨界流速未満である場合には、前記溶鋼を水平方向に回転させるように移動磁場を印加する、第4のステップと、
を備え、
前記溶鋼の前記流動は、連続スラブ鋳造機内の前記溶鋼に所定の移動磁場を印加することによって制御されることを特徴とする、
方法。 - 鋳型内の溶鋼の流動を制御するための方法であって、
鋳造品厚さ、鋳造品幅、鋳造速度、溶鋼流出孔ノズルへの不活性ガス吹き込み量、および浸漬ノズル形状に関する鋳造条件としての少なくとも1つの条件を得る、第1のステップと、
前記得られた鋳造条件に従ってメニスカスにおける溶鋼流速を算出する第2のステップと、
前記得られた溶鋼流速をモールドパウダー巻き込み臨界流速、介在物付着臨界流速およびメニスカス皮張り臨界流速と比較することによって、前記得られた溶鋼流速が前記モールドパウダー巻き込み臨界流速を越えているか否か、前記溶鋼流速が前記介在物付着臨界流速未満であるか否か、および前記溶鋼流速が前記メニスカス皮張り臨界流速未満であるか否かを判定する、第3のステップと、
前記得られた溶鋼流速が前記モールドパウダー巻き込み臨界流速を越えている場合には、浸漬ノズルからの吐出流に安定化および制動力を与えるように静磁場を印加し、前記得られた溶鋼流速が前記介在物付着臨界流速未満であり且つ前記メニスカス皮張り臨界流速以上である場合には、前記鋳型内溶鋼を水平方向に回転させるように移動磁場を印加し、浸漬ノズルからの吐出流に加速力を与えるように移動磁場を印加する、第4のステップと、
を備え、
前記溶鋼の前記流動は、連続スラブ鋳造機内の前記溶鋼に所定の移動磁場を印加することによって制御されることを特徴とする方法。 - 第1〜第4のステップが、鋳造の間、繰り返し実行され、且つ前記実行の間、鋳造条件に応じて最適な移動磁場が印加されることを特徴とする、請求項13または14に記載の方法。
- 連続スラブ鋳造機内の溶鋼に少なくとも1つの磁場を印加することによって鋳型内の前記溶鋼の流動を制御するための装置であって、前記装置は、
鋳造品厚さ、鋳造品幅、鋳造速度、溶鋼流出孔ノズルへの不活性ガス吹き込み量、および浸漬ノズル形状に関する鋳造条件としての少なくとも1つの条件を得るための鋳造条件取得手段と、
前記得られた鋳造条件に従ってメニスカスにおける溶鋼流速を算出するための算出手段と、
前記得られた溶鋼流速をモールドパウダー巻き込み臨界流速および介在物付着臨界流速と比較することによって、前記得られた溶鋼流速が前記モールドパウダー巻き込み臨界流速を越えているか否か、および前記溶鋼流速が前記介在物付着臨界流速未満であるか否かを判定するための判定手段と、
前記得られた溶鋼流速が前記モールドパウダー巻き込み臨界流速を越えている場合には、浸漬ノズルからの吐出流に安定化および制動力を与えるように静磁場を印加し、前記得られた溶鋼流速が前記介在物付着臨界流速未満である場合には、前記溶鋼を水平方向に回転させるように移動磁場を印加するための制御手段と、
前記制御手段からの出力に従って所定の移動磁場を発生させるための移動磁場発生装置と、
を備えることを特徴とする装置。 - 連続スラブ鋳造機内の溶鋼に少なくとも1つの磁場を印加することによって鋳型内の前記溶鋼の流動を制御するための装置であって、前記装置は、
鋳造品厚さ、鋳造品幅、鋳造速度、溶鋼流出孔ノズルへの不活性ガス吹き込み量、および浸漬ノズル形状に関する鋳造条件としての少なくとも1つの条件を得るための鋳造条件取得手段と、
前記得られた鋳造条件に従ってメニスカスにおける溶鋼流速を算出するための算出手段と、
前記得られた溶鋼流速をモールドパウダー巻き込み臨界流速、介在物付着臨界流速および前記メニスカス皮張り臨界流速と比較することによって、前記得られた溶鋼流速が前記モールドパウダー巻き込み臨界流速を越えているか否か、前記溶鋼流速が前記介在物付着臨界流速未満であるか否か、および前記溶鋼流速が前記メニスカス皮張り臨界流速未満であるか否かを、判定するための判定手段と、
前記得られた溶鋼流速が前記モールドパウダー巻き込み臨界流速を越えている場合には、浸漬ノズルからの吐出流に安定化および制動力を与えるように静磁場を印加し、前記得られた溶鋼流速が前記介在物付着臨界流速未満であり且つ前記メニスカス皮張り臨界流速以上である場合には、前記溶鋼を水平方向に回転させるように移動磁場を印加し、前記得られた溶鋼流速が前記メニスカス皮張り臨界流速未満である場合には、前記浸漬ノズルからの前記吐出流に加速力を与えるように移動磁場を印加するための制御手段と、
前記制御手段からの出力に従って所定の移動磁場を発生させるための移動磁場発生装置と、
を備えることを特徴とする装置。 - 連続鋳造機械内で鋳造品を生産するための方法であって、請求項1〜17のいずれか1項に定義した溶鋼の流動を制御するための方法に従って溶鋼流動制御が実行されている間に、タンディッシュ内の溶鋼が鋳型に注入され、スラブが、前記鋳型内に生成された凝固したシェルを引き抜くことによって製造されることを特徴とする方法。
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