JP4492333B2 - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、浸漬ノズルを用いて溶鋼を鋳型に供給する鋼の連続鋳造において、溶鋼の壁面流を所定の範囲で鋳造することで、高品質鋳片を製造する方法に関する。
鋼の連続鋳造において、鋳型内溶鋼流動状態、特に湯面近傍の流動がモールドパウダーの巻き込み、ノロかみ、介在物捕捉などに関係して、鋳片品質に影響することが知られている。欠陥のない鋳片を製造するために鋳型内の溶鋼流動制御は重要である。
このような観点から、特許文献1では、鋳型の長辺方向に移動磁界発生コイルを配置して、水平方向に旋回攪拌流を形成し、介在物を凝固シェルに捕捉させない方法を提案している。
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、凝固界面の全ての領域において十分な溶鋼流が確保されているわけではなく、溶鋼流速が小さい部分が少なからず存在し、その部分において介在物の捕捉が生じてしまい、表層微小介在物を十分に低減することは困難である。
特開平7−314104号公報
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、介在物の凝固シェルへの捕捉による表層微小介在物を低減することができ、欠陥の極めて少ない鋳片を製造することができる鋼の連続鋳造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、長辺と短辺とを有する矩形状の鋳型内に、鋳型の長辺方向中央に設けられた浸漬ノズルを介して溶鋼を注入して鋳造する鋼の連続鋳造方法であって、
鋳型内における溶鋼の凝固界面のメニスカス位置から50mm下の位置で鋳型長辺方向に沿って測定される溶鋼の壁面流の流速分布が複数の極大値を有し、その最大値が初期凝固界面に付着する介在物を除去するのに必要な流速以上であり、かつその他の極大値が全て最大値の50%以上の大きさになるように、かつ、前記浸漬ノズルから前記鋳型内に注入される溶鋼の、鋳型短辺を基準として鋳型長辺に沿って鋳型幅の1/4の位置における表面流速を、前記鋳型短辺から前記浸漬ノズルに向かう場合を正、前記浸漬ノズルから前記鋳型短辺に向かう場合を負で表したときに、その表面流速が−0.07m/秒から0.05m/秒の範囲内になるように溶鋼を注入することを特徴とする鋼の連続鋳造方法を提供する。
また、本発明は、長辺と短辺とを有する矩形状の鋳型内に、鋳型の長辺方向中央に設けられた浸漬ノズルを介して溶鋼を注入して鋳造する鋼の連続鋳造方法であって、鋳型内における凝固シェルの厚さが1.5mmになる湯面からの深さ位置で鋳型長辺方向に沿って測定される溶鋼の壁面流の流速分布が複数の極大値を有し、その最大値が初期凝固界面に付着する介在物を除去するのに必要な流速以上であり、かつその他の極大値が全て最大値の50%以上の大きさになるように、かつ、前記浸漬ノズルから前記鋳型内に注入される溶鋼の、鋳型短辺を基準として鋳型長辺に沿って鋳型幅の1/4の位置における表面流速を、前記鋳型短辺から前記浸漬ノズルに向かう場合を正、前記浸漬ノズルから前記鋳型短辺に向かう場合を負で表したときに、その表面流速が−0.07m/秒から0.05m/秒の範囲内になるように溶鋼を注入することを特徴とする鋼の連続鋳造方法を提供する。
本発明において、複数の電磁コイルが鋳型の長辺方向の両側に沿って対向するように配列してなる移動磁場式電磁流動制御装置により、鋳型短辺から鋳型幅方向中心に移動する磁場を印加し、前記浸漬ノズルからの溶鋼吐出流を制御しながら溶鋼を注入することが好ましく、この場合に、移動磁場式電磁流動制御装置により形成される磁場の周波数を1.5〜2.5Hzの範囲に設定することが好ましい。
本発明によれば、鋳型に注入される溶鋼の壁面流を適正に制御するので、表層微小介在物を低減することができ、欠陥の少ない鋳片を製造することができる。また、さらに表面流速を制御することによりパウダー巻き込みも抑制することができるので、一層欠陥の少ない鋳片を製造することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、鋼の連続鋳造を行う際の鋳型内の状態を模式的に示す縦断面図、図2は、その水平断面図である。鋳型1は断面が矩形状をなしており、長辺1aおよび短辺1bを有している。鋳型1内の中央には上方から浸漬ノズル2が挿入され、その下部に設けられた吐出孔2aから鋳型1内に溶鋼が吐出される。この浸漬ノズル2は、吐出孔2aを含む下部が鋳型1内の溶鋼3に浸漬された状態となっている。このような連続鋳造の際には、鋳型1内の溶鋼3の湯面6にモールドパウダー4が浮遊した状態となっており、鋳型1の内壁には凝固シェル5が形成される。なお、符号5aは溶鋼3の凝固界面を示し、6aは凝固界面5aのメニスカス位置を示す。
本実施形態では、鋳型1内における溶鋼3の凝固界面5aのメニスカス位置6aから50mm下の位置で鋳型1の長辺1a方向に沿って測定される溶鋼の壁面流7(図2参照)の流速(壁面流速)分布が複数の極大値を有し、その最大値が初期凝固界面に付着する介在物を除去するのに必要な流速以上であり、かつその他の極大値が最大値の50%以上の大きさになるように溶鋼を注入する。この場合に、極大値の合計は浸漬ノズルの両側でそれぞれ2つ以上、合計4つ以上あることが好ましい。
このように、凝固界面5aのメニスカス位置6aから50mm下の位置において、壁面流の流速分布の最大値が初期凝固界面に付着する介在物を除去するのに必要な流速以上となるように制御することにより、少なくともその部分において鋼板の表層の介在物を洗い流して表層微小介在物を低減することができる。しかもその他の極大値が最大値の50%以上の大きさになるようにすることにより、流速の小さい領域を少なくすることができ、介在物の捕捉を防止することができる。すなわち、このような構成により、初期凝固界面の少なくとも一部において介在物を確実に除去することができ、初期凝固界面の大部分において介在物の捕捉を防止可能な洗浄流速を確保することができるので、表層微小介在物を低減することができ、欠陥の少ない鋳片を製造することができる。洗浄流速が最大値の50%以上の大きさである他の極大値も初期凝固界面に付着する介在物を除去するのに必要な流速以上とすることにより、表層微小介在物を低減する効果をさらに高めることができる。
凝固界面5aのメニスカス位置6aから50mm下の位置における壁面流速を規定したのは、この部分が鋼板の表層欠陥が問題となる部分であるからである。凝固界面5aのメニスカス位置6aから50mm下の位置における凝固シェル5の厚さは鋳型条件や鋳造条件によって変動するが、ほぼ1.0〜2.0mm程度であり、鋼板の手入れ等を考慮するとこの部分の欠陥が表層欠陥として問題となる。
代表値としては凝固シェル5の厚さが1.5mmの部分の壁面流速が挙げられ、したがって、凝固界面5aのメニスカス位置6aから50mm下の位置に代えて、鋳型内における凝固シェルの厚さが1.5mmになる湯面からの深さ位置において、壁面流の流速分布の最大値が初期凝固界面に付着する介在物を除去するのに必要な流速以上となるように制御することも有効である。
新日鐵,君津:第111回製鋼部会「鋳型内電磁攪拌装置による鋳片品質向上技術」(1994)(以下、文献1という)には、介在物を洗い流す(除去する)ために必要な流速は介在物の径と一定の関係があることが記載されており、その記載によれば、初期凝固界面に付着する介在物を除去するのに必要な流速は、介在物径が400μmで10cm/秒(0.1m/秒)、250μmで15cm/秒(0.15m/秒)、100μmで30cm/秒(0.3m/秒)程度となる。
以上のように、壁面流速を大きくすることで、凝固シェルに捕捉される介在物を洗浄することができるが、その一方で、パウダー巻き込みなどの新たな不純物を溶鋼中に混入させないことも重要である。パウダー巻き込みを有効に防止する観点から、表面流速を十分に小さくすることが好ましく、そのためには、浸漬ノズル2から鋳型1内に注入される溶鋼の、鋳型短辺1bを基準として鋳型長辺に沿って鋳型幅の1/4の位置における表面流速が−0.07m/秒から0.05m/秒の範囲内になるように溶鋼を注入することが好ましい。なお、この場合の表面流速は、便宜上、前記鋳型短辺から前記浸漬ノズルに向かう場合を正、前記浸漬ノズルから前記鋳型短辺に向かう場合を負で表したときの値である。
以上のように規定する壁面流、または壁面流および表面流を実現するためには、移動磁場式電磁流動制御装置を用いることが好ましい。移動磁場式電磁流動制御装置としては、図3に示すものが例示される。図3の移動磁場式電磁流動制御装置10は、矩形状の鋳型1において、浸漬ノズル2から吐出流が吐出される位置に配置されており、複数の電磁コイル11が矩形状の鋳型1の長辺1aの両側に沿って(幅方向に)対向するように配列してなり、隣り合うコイルに流す電流の位相をずらすことにより、いわゆるリニアタイプの移動磁場を発生させている。そして、この移動磁場式電磁流動制御装置10により、短辺1bから鋳型幅方向中心に移動する磁場を印加し、これにより浸漬ノズル2からの溶鋼吐出流を制御しながら溶鋼を注入する。
その磁場の移動速度は、コイル1のポールピッチ(S極からN極までの距離)τと電磁コイル1から発生する磁場の周波数fで以下の(1)式のように表現することができる。なお、以下の式において、各物理量の添え字X、Y、Zは、図3のX方向、Y方向、Z方向のものであることを示す。
=2τf (1)
また、図3に示すように印加磁場Bは、鋳型1を短辺方向に貫く方向に印加され、したがって、ローレンツの法則より、誘導電流は以下の(2)式のように表現することができる。
=σV (2)
さらに、電磁力は以下の(3)式で表現することができ、主に磁場の移動方向と同じ向きに電磁力が働くことが示される。
=J=2τσfB (3)
上記移動磁場式電磁流動制御装置10により溶鋼の好ましい流動制御を行うためには、これにより形成される磁場の周波数fを1.5〜2.5Hzの範囲に設定することが好ましい。
以上のように、本実施形態では、鋳型に注入される溶鋼の壁面流を適正に制御するため、表層微小介在物を低減することができ、欠陥の少ない鋳片を製造することができる。また、さらに表面流速を制御することにより、パウダー巻き込みも抑制することができ、欠陥の一層少ない鋳片を製造することができる。
(実施例1)
発明の効果を確認するために、スループット6トン/分までの高速鋳造が可能なスラブ連鋳機にてアルミキルド鋼の鋳造実験を行なった。鋳型厚みは220mm、鋳型幅は1300mm、鋳造速度2.7m/minとした。浸漬ノズルとしては、底形状がプール型である2孔ノズルで吐出角度が下向き25度、ノズル内径が90mmφのものを用いた。また、移動磁場式電磁流動制御装置を設置した。この装置の流動制御用の電磁コイルは、3相交流のリニア移動磁場型であり、磁場が鋳型短辺側から浸漬ノズル方向に移動するようにした。移動磁場式電磁流動制御装置の長さは2100mmで鋳型幅を充分カバーするものであった。コイルのポールピッチτは0.28mとした。コイルは湯面から380mmの深さに中心が来るように設置し、磁場の周波数と磁場強度の両方を変更して鋳造を行った。鋳造後、鋳片サンプルを切り出し、幅方向(鋳型の長辺方向に対応)で12箇所,表層から1.5mm(メニスカス下50mmに対応)位置におけるデンドライト傾角を測定し、壁面流速を推定した。このような実機実験と合わせて、参考のために数値流動解析を行い、対応する位置での壁面流の流速分布を求めた。
条件1では、電磁流動制御装置の周波数を3Hz、磁場強度のピーク値を580Gaussに設定して鋳造を行なった。条件2では、電磁流動制御装置の周波数を1.5Hz、磁場強度のピーク値を735Gaussに設定して鋳造を行なった。条件1の場合の壁面流の流速分布を図4に示し、条件2の場合の壁面流の流速分布を図5に示す。図4,5中、四角プロットは実機測定値を示し、線は数値流動解析による計算値を示す。なお、デンドライト傾角から求めた壁面流速は、壁面から約1.5mmの部分の流速であるが、数値流動解析は、分割単位が制限される関係上、正確な位置での壁面流速は求められない。しかし、これらの図に示すように、計算値は実測値と良く一致していた。
上記文献1によれば、品質上実質的に悪影響を及ぼす250μm以上の介在物を洗浄することができる流速はおよそ0.15m/秒と推定できる。条件1では,壁面流の流速分布の最も大きな極大値、つまり最大値は0.24m/秒であるが、鋳型幅の端に近い極大値が0.11m/秒と小さく、流速分布の最大値の50%以下になってしまっている。一方、条件2では、壁面流の流速分布の極大値は4つ確認することができ、ぞれぞれ0.19、0.14、0.16、0.20m/秒であった。つまり、最大値が0.15m/秒以上であり、他の極大値が最大値の50%以上の大きさになっていたことを確認することができた。
鋳造後のスラブを薄鋼板に圧延し、コイルの表面欠陥計にて欠陥個数をカウントした。そのうち、脱酸生成物を起因とする非金属介在物の欠陥率を算出した。その結果、条件1では0.44であり、特に短辺近傍に対応するコイル端部で欠陥が多く発生していた。これに対して、条件2では、そのような欠陥率が0.14であった。以上のことより、本発明の条件を満足することにより、表層の微小介在物の少ない高品質スラブが製造できることが確認された。
(実施例2)
発明の効果を確認するために、実施例1と同様の、スループット6トン/分までの高速鋳造が可能なスラブ連鋳機にてアルミキルド鋼の鋳造実験を行なった。鋳型形状、鋳造速度、浸漬ノズル形状、移動磁場式電磁流動制御装置の構成および大きさ、設置位置等は全て実施例1と同様のものとし、磁場の周波数と磁場強度の両方を変更して鋳造を行った。
本実施例では、表面流速を把握するために、特許第3125664号公報に記載されている方法を用いた。これを図6の概略図に基づいて説明する。なお、図6において図1と共通のものには図1と同じ符号を付している。1/4幅位置で長さ410mm、直径20mmのモリブデン−ジルコニア系サーメット製の浸漬棒15をその下端部を鋳型1内の溶鋼3中に浸漬させた状態で、その上端付近を支点とし、鋳型1の幅方向に回転可能に支持させて取り付けた。浸漬棒15の下端から湯面6までの距離、すなわち浸漬棒15の溶鋼3内における浸漬深さは約100mmとした。このように鋳型1内の溶鋼3中に浸漬棒15を浸漬すると、浸漬棒15の浸漬部分は、湯面直下の溶鋼流(表面流)によって、その上端付近の支点と中心として回動し、浸漬棒15に働く重力と湯面直下の溶鋼流による力がつりあったところで停止する。このときの浸漬棒15の傾きから流速値(表面流速)を算出した。壁面流の流速分布については、実施例1と同じ実機実験により求めた。また、このような実機実験と合わせて、参考のために数値流動解析を行い、対応する位置での壁面流の流速分布を求めた。
条件3では、条件2と同様、電磁流動制御装置の周波数を1.5Hz、磁場強度のピーク値を735Gaussに設定して鋳造を行なった。条件4では、電磁流動制御装置の周波数を1.5Hz、磁場強度のピーク値を826Gaussに設定して鋳造を行なった。条件3の場合の壁面流の流速分布を図7に示し、表面流の流速(厚み中央の流速)分布を図8に示す。また、条件4の場合の壁面流の流速分布を図9に示し、表面流の流速(厚み中央の流速)分布を図10に示す。図7〜10中、四角プロットは実機測定値を示し、線は数値流動解析による計算値を示す。
図7に示すように、条件3では、壁面流速分布の極大値は4つ確認することができ、それぞれ0.19、0.14、0.16、0.20m/秒であり、最大値が上述のように250μm以上の介在物を洗浄することができる0.15m/秒以上であり、他の極大値が最大値の50%以上の大きさになっていたことを確認することができた。また、図9に示すように、条件4でも、壁面流の流速分布の極大値は4つ確認することができ、それぞれ0.15、0.16、0.15、0.14m/秒であり、やはり最大値が上述のように250μm以上の介在物を洗浄することができる0.15m/秒以上であり、他の極大値が最大値の50%以上の大きさになっていたことを確認することができた。
表面流速に関しては、条件3では、鋳型幅4分の1の位置における表面流速が、−0.07m/秒から0.05m/秒の好ましい範囲内をはずれているが、条件4では表面流速がこの範囲内であった。
鋳造後のスラブを薄鋼板に圧延し、コイルの表面欠陥計にて欠陥個数をカウントした。そのうち、脱酸生成物を起因とする非金属介在物の欠陥率とパウダー性の欠陥率をそれぞれ算出した。その結果、脱酸生成物を起因とする非金属介在物の欠陥率は、条件3では0.14であり、条件4では0.16であった。一方、パウダー性の欠陥率は、条件3では0.30であり、条件4では0.23であった。すなわち、条件3,4のいずれも表層の微小介在物は少なく、パウダー性欠陥も許容範囲であったが、表面流速が好ましい範囲内の条件4のほうがパウダー性欠陥が少ないことが確認された。
以上のことより、表面流速が−0.07m/秒から0.05m/秒の範囲内になるように溶鋼を注入することにより、パウダー巻き込みをより有効に防止して、より高品質スラブが製造できることが確認された。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々変形することが可能である。例えば、移動磁場式電磁流動制御装置の構成は上記実施形態に記載したものに限るものではなく、他の方式の電磁流動制御を行なってもよい。また、制御パラメータとして磁場の周波数と印加磁場強度を例示したが、これに限るものではない。また、電磁流動制御は必須なものではなく、例えば浸漬ノズル内へのアルゴンガス吹込み量などを調整して溶鋼の流動制御を行ってもよい。
鋼の連続鋳造を行う際の鋳型内の状態を模式的に示す縦断面図。 鋼の連続鋳造を行う際の鋳型内の状態を模式的に示す水平断面図。 鋼の連続鋳造を行う際の鋳型に移動磁場式電磁流動装置を設置した状態を模式的に示した斜視図。 実施例1の条件1における溶鋼の凝固界面のメニスカス位置から50mm下の位置で鋳型長辺方向に沿って測定される溶鋼の壁面流の流速分布を示す図。 実施例1の条件2における溶鋼の凝固界面のメニスカス位置から50mm下の位置で鋳型長辺方向に沿って測定される溶鋼の壁面流の流速分布を示す図。 鋳型厚み中央における表面流速の測定方法を示す図。 実施例2の条件3における溶鋼の凝固界面のメニスカス位置から50mm下の位置で鋳型長辺方向に沿って測定される溶鋼の壁面流の流速分布を示す図。 実施例2の条件3における鋳型厚み中央における表面流の流速分布を示す図。 実施例2の条件4における溶鋼の凝固界面のメニスカス位置から50mm下の位置で鋳型長辺方向に沿って測定される溶鋼の壁面流の流速分布を示す図。 実施例2の条件4における鋳型厚み中央における表面流の流速分布を示す図。
符号の説明
1;鋳型
1a;長辺
1b;短辺
2;浸漬ノズル
3;溶鋼
4;モールドパウダー
5;凝固シェル
5a;凝固界面
6a;メニスカス位置
7;壁面流
8;表面流
10;移動磁場式電磁流動制御装置
11;コイル
15;浸漬棒

Claims (4)

  1. 長辺と短辺とを有する矩形状の鋳型内に、鋳型の長辺方向中央に設けられた浸漬ノズルを介して溶鋼を注入して鋳造する鋼の連続鋳造方法であって、
    鋳型内における溶鋼の凝固界面のメニスカス位置から50mm下の位置で鋳型長辺方向に沿って測定される溶鋼の壁面流の流速分布が複数の極大値を有し、その最大値が初期凝固界面に付着する介在物を除去するのに必要な流速以上であり、かつその他の極大値が全て最大値の50%以上の大きさになるように
    かつ、前記浸漬ノズルから前記鋳型内に注入される溶鋼の、鋳型短辺を基準として鋳型長辺に沿って鋳型幅の1/4の位置における表面流速を、前記鋳型短辺から前記浸漬ノズルに向かう場合を正、前記浸漬ノズルから前記鋳型短辺に向かう場合を負で表したときに、その表面流速が−0.07m/秒から0.05m/秒の範囲内になるように溶鋼を注入することを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
  2. 長辺と短辺とを有する矩形状の鋳型内に、鋳型の長辺方向中央に設けられた浸漬ノズルを介して溶鋼を注入して鋳造する鋼の連続鋳造方法であって、
    鋳型内における凝固シェルの厚さが1.5mmになる湯面からの深さ位置で鋳型長辺方向に沿って測定される溶鋼の壁面流の流速分布が複数の極大値を有し、その最大値が初期凝固界面に付着する介在物を除去するのに必要な流速以上であり、かつその他の極大値が全て最大値の50%以上の大きさになるように
    かつ、前記浸漬ノズルから前記鋳型内に注入される溶鋼の、鋳型短辺を基準として鋳型長辺に沿って鋳型幅の1/4の位置における表面流速を、前記鋳型短辺から前記浸漬ノズルに向かう場合を正、前記浸漬ノズルから前記鋳型短辺に向かう場合を負で表したときに、その表面流速が−0.07m/秒から0.05m/秒の範囲内になるように溶鋼を注入することを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
  3. 複数の電磁コイルが鋳型の長辺方向の両側に沿って対向するように配列してなる移動磁場式電磁流動制御装置により、鋳型短辺から鋳型幅方向中心に移動する磁場を印加し、前記浸漬ノズルからの溶鋼吐出流を制御しながら溶鋼を注入することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鋼の連続鋳造方法。
  4. 移動磁場式電磁流動制御装置により形成される磁場の周波数を1.5〜2.5Hzの範囲に設定することを特徴とする請求項に記載の鋼の連続鋳造方法。
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