JP3125665B2 - スラブの連続鋳造方法 - Google Patents

スラブの連続鋳造方法

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JP3125665B2 JP08007735A JP773596A JP3125665B2 JP 3125665 B2 JP3125665 B2 JP 3125665B2 JP 08007735 A JP08007735 A JP 08007735A JP 773596 A JP773596 A JP 773596A JP 3125665 B2 JP3125665 B2 JP 3125665B2
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龍三 西町
康嗣 小倉
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鋳型内に注入さ
れた溶鋼に電磁力を印加して、鋳型内の溶鋼の流動を制
御しながらスラブに連続鋳造する、スラブの連続鋳造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造においては、鋳型内に注入され
る溶鋼の酸化防止のために、タンディッシュ内の溶鋼
を、その下部が鋳型内の溶鋼中に浸漬されている、鋳型
の中央部に配置された浸漬ノズルを通し、大気から遮断
して鋳型内に注入している。
【0003】浸漬ノズルは、それを通って溶鋼が流れる
内孔をその軸線に沿って有しており、浸漬ノズルの下部
には、内孔の下端と連通し鋳型短辺に向けて開口する左
右1対の吐出口が形成されている。タンディッシュ内の
溶鋼は、浸漬ノズルの内孔を通り、その下部に形成され
た左右1対の吐出口から、鋳型内にその短辺に向けて実
質的に左右均等に吐出される。
【0004】近年、連続鋳造機の生産性の向上のため
に、連続鋳造速度即ち鋳型内への溶鋼の注入速度を増加
させ、高速鋳造することが課題になっている。このよう
な高速鋳造を行う場合、鋳型内への溶鋼注入速度の増加
に従って、鋳型内に注入された溶鋼の運動エネルギーが
増加するために、連続鋳造されたスラブに種々の欠陥が
発生する問題がある。
【0005】即ち、鋳型内の溶鋼湯面上に散布された溶
融したモールドパウダーが、溶鋼の流れ、および、溶鋼
の流れ同士が干渉し合って生ずる渦により、溶鋼中に液
滴として引き込まれ(以下、「モールドパウダーの巻込
み」という)、引き込まれた液滴は、溶鋼が凝固したシ
ェル(以下、凝固シェルという)に付着する。その結
果、鋳造されたスラブの表層下に、モールドパウダーの
液滴が非金属介在物として存在することになる。
【0006】このようなスラブを薄鋼板に圧延すると、
表層下に存在する非金属介在物が鋼板の表面に露出して
表面疵となる。モールドパウダーの巻込みによる表面疵
の発生を防止するためには、高速鋳造によって増加する
鋳型内の溶鋼の運動エネルギーを低減することが必要で
ある。
【0007】鋳型内における溶鋼の運動エネルギーを低
減する方法の1つとして、例えば、浸漬ノズルの吐出口
からの吐出される溶鋼流(以下、「溶鋼吐出流」とい
う)が水平面となす角度を下向きに大となし、湯面に向
けて湧き上がる溶鋼流を少なくする方法が知られてい
る。しかしながら、溶鋼吐出流の角度を下向きに大にす
ると、ストランドの鋳造方向に向けて流れる溶鋼流が強
くなるために、溶鋼中に存在する脱酸生成物などの非金
属介在物が鋳片内部に押し込まれる結果、鋳片内部の清
浄性が悪化する問題が生ずる。
【0008】鋳型内における溶鋼の運動エネルギーを低
減する他の方法として、浸漬ノズルの吐出口断面積を大
となし、溶鋼吐出流の流速を小さくしたり、または、浸
漬ノズルの内孔底部に凹部を設け、吐出口から吐出され
る直前の溶鋼流を攪乱して、溶鋼流の落下エネルギーを
減衰させる方法が知られている。
【0009】しかしながら、この方法の場合には、溶鋼
流量に比して吐出口の断面積が大きくなりすぎたり、ま
たは、浸漬ノズルの内孔底部に設けられた凹部による溶
鋼流の攪乱が大きすぎると、いづれの場合も、吐出口か
ら左右均等に溶鋼を吐出させなければならない浸漬ノズ
ル本来の機能が損なわれる問題が生ずる。
【0010】上述した理由から、高速鋳造の度合いが進
むに従って、上記従来の方法では、限界のあることがわ
かってきた。そこで、近年、鋳型内の溶鋼に磁場を印加
し、印加された磁場と溶鋼との作用によって誘導電流を
生じさせ、この誘導電流と印加された磁場とが作用して
溶鋼に生じる体積力(以下、「電磁力」という)によ
り、鋳型内における溶鋼の運動エネルギーを制御する方
法を適用する例が増加している。
【0011】このような制御方法のうち、移動磁場を利
用する方法として、リニア移動磁場型電磁攪拌装置によ
り溶鋼の流動を制御する方法が開発されている。図1
は、リニア移動磁場型電磁攪拌装置による鋳型内の溶鋼
流の制動原理を示す、鋳型の幅方向概略縦断面図であ
り、図2はその概略平面図である。図1および図2に示
すように、鋳型1の幅方向中心部には、浸漬ノズル2が
配置されている。浸漬ノズル2は、それを通って溶鋼が
流れる内孔2aをその軸線に沿って有しており、浸漬ノズ
ル2の下部には、内孔2aの下端と連通し鋳型短辺1a,1a
に向けて開口する左右1対の吐出口2b,2b が形成されて
いる。タンディッシュ内の溶鋼は、浸漬ノズル2の内孔
2aを通り、その下部に形成された左右1対の吐出口2b,2
b から、鋳型1内にその短辺1a,1a に向けて実質的に左
右均等に吐出される。
【0012】鋳型1の長辺1b, 1bに沿って、その外側に
リニア移動磁場型電磁攪拌コイル3a,3b,3a',3b' が設け
られている。電磁攪拌コイル3a,3b,3a',3b' に交番電流
を流し、順次磁場を発生させることによって、発生した
磁場が、スラブの幅方向に平行に且つ水平に、鋳型1の
両短辺1a,1a から浸漬ノズル2に向けて周期的に移動す
るようになっている。このような、リニア移動磁場型電
磁攪拌装置の仕様の一例を表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】電磁攪拌コイル3a,3b,3a',3b' によって発
生した磁場の方向と、浸漬ノズル2からの溶鋼吐出流の
方向とは相対するので、溶鋼吐出流に対し制動力が作用
し、鋳型1内の溶鋼の流動が制御される。このように、
リニア移動磁場型電磁攪拌装置によって、鋳型1内の溶
鋼吐出流に制動力を付与し、鋳型1内における溶鋼の運
動エネルギーを低減し、ひいては、湯面4付近の溶鋼流
を安定にする機能を、以下、”EMLS”(Electromagn
etic Level Stabilizer)と称する。
【0015】図3は、EMLSの溶鋼吐出流に対する効
果を、溶鋼吐出流によって作られる湯面直下溶鋼流の大
きさで評価するための、鋳型短辺近傍の湯面直下溶鋼流
の流速の測定方法を示す図である。図3に示すように、
鋳型1の短辺1aの近傍に、長さ410mm、直径20mmの
モリブデン−ジルコニア系サ−メット製の浸漬棒5が、
その下端部を鋳型1内の溶鋼中に浸漬させた状態で、そ
の上端付近を支点とし鋳型1の幅方向に回動可能に支持
させて取り付けられている。浸漬棒5の下端から湯面4
までの距離即ち溶鋼中への浸漬深さは約100mmであ
る。
【0016】このように鋳型1内の溶鋼中に浸漬棒5を
浸漬すると、湯面直下の溶鋼流によって、浸漬棒5の浸
漬部分が、その上端付近の支点を中心として回動し、浸
漬棒5に働く重力と、湯面直下の溶鋼流による力とが釣
り合ったところで停止する。このときの、浸漬棒5の軸
線方向と鉛直方向とがなす角度θを測定し、浸漬棒5に
働く重力と湯面直下の溶鋼流とによる力の釣り合い計算
によって、湯面直下の溶鋼流の流速を求めることができ
る。
【0017】上述した方法により、鋳型短辺近傍におけ
る湯面直下溶鋼流速のEMLSによる減速効果を調べ、
図4に示した。図4において、縦軸は、湯面直下の溶鋼
流速で、鋳型短辺1aから浸漬ノズル2 に向けた流れを正
方向とし、浸漬ノズル2から鋳型短辺1aに向けた流れを
負方向とし、正方向の流速を正数字で表し、負方向の流
速を負数字で表した。横軸は、EMLS印加電流値であ
る。図4から明らかなように、EMLSの印加電流値を
増すと、湯面直下溶鋼流の流速は単調減少し、印加電流
値に応じた流速が得られる。
【0018】図5に、EMLSの溶鋼吐出流に対する制
動効果を、鋳型1の中央部に配置された浸漬ノズル2か
ら、鋳型幅4分の1の鋳型短辺寄りの位置(以下、1/
4幅位置という)における湯面直下の溶鋼流速によって
評価するために行った状態を示す。図3との相違は、浸
漬棒5による溶鋼流速の測定位置が、1/4幅位置であ
る点のみである。
【0019】図6に、上述した1/4幅位置における湯
面直下の溶鋼流速とEMLS印加電流値との関係を示
す。図6から明らかなように、EMLSの印加電流値を
増すと、湯面直下溶鋼流の流速は単調減少し、印加電流
値に応じた流速が得られる。
【0020】一方、「鉄と鋼 Vol.79 (1993)」p576-582
(以下、先行技術1という)に開示されているように、
非金属介在物の少ない品質の優れたスラブを鋳造するた
めには、鋳型内における溶鋼の流動強さを適正範囲に維
持することが必要である。以下に、先行技術1に関し述
べる。
【0021】浸漬ノズルからの溶鋼吐出流が鋳型短辺に
衝突し、鋳型短辺に沿って上下方向の流れに分岐して生
成する、湯面に向けた溶鋼上昇流の湯面直下における運
動量指数(F値)と、低炭素アルミキルド鋼からなる冷
間圧延コイルの、非金属介在物による表面欠陥発生率と
の関係を、図7に示す。
【0022】上記「F値」は、下記(1)式によって求
められる。 F=ρQV(1−sinθ)/(4D)・・・・・・・(1) 但し、(1)式において、 ρ:溶鋼密度(Kg/m3) Q:溶鋼流量(m3/ 秒) V:溶鋼吐出流が鋳型短辺に衝突する速度(m/秒) θ:溶鋼吐出流が鋳型短辺に衝突する角度(deg) D:鋳型短辺衝突位置から湯面までの距離(m) 上記V,θおよびDを求めるために、溶鋼が浸漬ノズル
から鋳型に注入される系を水モデル化し、浸漬ノズルか
らの吐出流の軌跡および流速を測定して回帰式を得、吐
出流の軌跡(y)および流速(Ve)が下記(3)〜
(5)式によって表されている。下記式において、αは
浸漬ノズルの溶鋼吐出角度であり、各係数は水モデル実
験から決定できる定数である。図8は、F値の計算に必
要なパラメータを図示した模式図である。
【0023】 y=(a1+b1α+c1S +d1αS)G1X2−(a2+b2α+c2S +d2αS)G2X ・・・・(3) G1 =exp[−ζ1 ・QL e1・Qg f1・Sg1・(90-α) h1〕 ・・・・(4) Ve=A・W・QL m ・dp ・(1/cos α) n ・exp(B・Qg ) ・・(5) 図8において、Vは、Wをスラブ幅としたときのVeの
回帰式から求まる値であり、θはxを浸漬ノズルの軸中
心から鋳型短辺までの水平距離としたときの、yの回帰
式の値を用いて tan-1(y/x)で求まる角度である。そし
て、Dは、xを浸漬ノズルの軸中心から鋳型短辺までの
水平距離としたときのyの回帰式の値に、湯面から浸漬
ノズルの吐出口上端までの距離を加えて求められた値で
ある。
【0024】図7から明らかなように、非金属介在物に
よる冷間圧延コイルの表面欠陥発生率を低くする即ち鋳
型内でのモールドパウダーをはじめとする非金属介在物
の巻込み量を少なくするためには、F値を適正な範囲に
維持することが必要である。
【0025】鋳型内における溶鋼の流動強さを適正な範
囲に維持するために、前述したEMLSを使用し、溶鋼
の流動を制御するにあたっては、常に適正な範囲内のF
値となるように、各鋳造時にどの程度の磁場の強さのE
MLSを印加すべきかを決定することが必要とされる。
【0026】鋳型内における溶鋼の流動制御方法の1つ
として、特開昭63−212051号公報には、鋳型内
湯面上の少なくとも両短辺付近に、鋳型内の湯面の高さ
を逐次測定するための例えば渦流式距離計などのような
湯面計を配置し、この湯面計によって測定された湯面変
動測定値に基づいて、移動磁界発生装置(リニア移動磁
場型電磁攪拌装置のEMLSに相当する)を作動させ、
鋳型内の溶鋼を流動させる方法(以下、先行技術2とい
う)が開示されている。
【0027】先行技術2に開示されている方法で測定さ
れた、鋳型短辺付近の湯面変動量は前述したF値と比例
関係にあることが、先行技術1によって知られている。
図10は、鋳型短辺付近の湯面変動量とF値との関係を
示す図である。また、先行技術1により、鋳型短辺付近
の湯面変動量は、湯面直下の溶鋼流速とも比例関係にあ
ることが知られている。図11は、鋳型短辺付近の平均
湯面変動量と湯面直下の溶鋼流速との関係を示す図であ
る。
【0028】上記から、鋳型短辺付近の湯面変動量から
求められるF値が適正範囲内に維持されるように、EM
LSへの投入電力を制御すればよいことがわかる。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図10
からわかるように、鋳型短辺付近の湯面変動量から推定
されるF値には幅があり、ある1つの湯面変動量であっ
ても、その変動量から推定されるF値には、適正範囲内
の場合もあれば、適正範囲を外れた場合もある。例え
ば、図10において、湯面変動量が8mmのときにのF値
は、約2.0〜3.8の範囲内となる。
【0030】更に、鋳型内における湯面の変動は、タン
ディッシュから鋳型内に供給される溶鋼の量を調節する
制御装置の精度や、ピンチロールによる溶鋼の引抜き速
度の時間的なゆらぎの大きさによっても、大きく影響を
受ける。
【0031】このように、先行技術2により鋳型短辺付
近の湯面変動量に基づいてEMLSの投入電力を決定
し、鋳型内の溶鋼を流動させることには誤差があり、必
ずしも鋳型内における溶鋼の流動が適正範囲内には維持
されないという問題がある。
【0032】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、タンディッシュから鋳型内に供給される溶鋼
の量を調節する制御装置の精度や、ピンチロールによる
溶鋼の引抜き速度の時間的なゆらぎ等の外乱を受けるこ
となく、当該連続鋳造時における湯面直下の溶鋼流速を
精度高く推定し、これを適正範囲に維持して、表面欠陥
の少ない品質の優れたスラブを連続鋳造し得る方法を提
供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
問題を解決し、連続鋳造時における湯面直下の溶鋼流速
を精度高く推定し、これを適正範囲に維持して、表面欠
陥の少ない品質の優れたスラブを連続鋳造し得る方法を
開発すべく鋭意研究を重ねた。
【0034】前述したように、鋳型短辺付近の湯面変動
量測定値に基づいてEMLSの投入電力を決定すること
には誤差がある。そこで、連続鋳造中に、直接湯面直下
の溶鋼流速を、モリブデン−ジルコニア系サ−メット製
の浸漬棒によって測定し、測定された溶鋼流速が適正範
囲内に維持されるように、EMLSの投入電力を制御す
ることが考えられる。
【0035】しかしながら、溶鋼流速の測定に使用され
るモリブデン−ジルコニア系サ−メット製の浸漬棒は、
溶鋼流によって機械的損耗を受けるために、その連続測
定可能時間は約40分程度に過ぎない。従って、通常1
50分間程度、最長300分間程度行われる連続鋳造
中、溶鋼の流速を連続的に測定するためには、複数本の
浸漬棒を準備し、損耗の都度これを交換して使用する必
要があるが、浸漬棒は高価なために、これを常時使用す
ることは不経済である。
【0036】そこで、本発明者等は、上記浸漬棒によっ
て測定された湯面直下の溶鋼流速と(1)式によって求
められたF値との関係について調べた。図12は、1/
4幅位置における湯面直下溶鋼流速の測定値とF値との
関係を示す図である。図中には、最小自乗法による近似
直線も示されており、その決定係数R2 は0.9374
であり、相関係数Rは0.9682であって、良い相関
のあることがわかった。そこでF値を求めこれに基づき
湯面直下溶鋼流の流速を推定することにした。
【0037】この方法は、従来技術の鋳型両短辺付近の
湯面変動量測定値からF値を求める方法に比べて誤差が
少ない。このように誤差が少ない理由は、鋳造中にバラ
ツキを生じにくいパラメータを組合わせてF値が算出さ
れていること、および、実機での湯面直下溶鋼流の流速
測定方法が単純で外乱を受けにくいことに起因するもの
と考えられる。
【0038】一方、前述したように、従来技術の場合に
は、鋳型内における湯面の変動は、タンディッシュから
モールドに供給される溶鋼の供給量を調節する制御装置
の精度や、ピンチロールによる溶鋼の引抜き速度の時間
的なゆらぎの大きさによっても大きく影響を受けるため
に、これらが、鋳型短辺付近の湯面変動量測定値からF
値を推定する場合の誤差となる。
【0039】そこで、EMLSによる湯面直下の溶鋼流
速の減速度合いと、EMLSの投入電力との関係の回帰
式を作成し、各鋳造時に、この回帰式に基づいてEML
Sの投入電力を決定すれば、製品品質と相関のある湯面
直下溶鋼流の流速を適正範囲に維持するためのEMLS
の投入電力を、直接求め得ることがわかった。
【0040】この発明は、上記知見に基づいてなされた
ものであって、下記を特徴とするものである。鋳型内
に、その幅方向中心部に設けられた浸漬ノズルを通って
注入された溶鋼に対し、鋳型長辺に沿いその外側に設け
られたリニア移動磁場型電磁攪拌装置により、鋳型短辺
から鋳型幅方向中心に向かう流れを付与して、前記浸漬
ノズルからの溶鋼吐出流を減速し、このようにして、前
記鋳型内における溶鋼の流動を制御しながら、前記溶鋼
をスラブに連続鋳造する方法において、前記浸漬ノズル
からの溶鋼吐出流が前記鋳型短辺に衝突して生成する、
湯面に向けた溶鋼上昇流の運動量指数(F値)を、下記
(1)式によって算出し、 F=ρQV(1−sinθ)/(4D)・・・・(1) 但し、ρ:溶鋼密度(Kg/m3) Q:溶鋼流量(m3/ 秒) V:溶鋼吐出流が鋳型短辺に衝突する速度(m/秒) θ:溶鋼吐出流が鋳型短辺に衝突する角度(deg) D:鋳型短辺衝突位置から湯面までの距離(m) 算出された前記運動量指数(F値)によって、前記鋳型
内の湯面直下溶鋼流速を求め、そして、前記リニア移動
磁場型電磁攪拌装置により前記鋳型内の溶鋼に印加され
る磁束密度を下記(2)式に基づいて決定し、これによ
って、前記湯面直下溶鋼流速を所望の値となるように制
御する。
【0041】 Rv=1−βB4 /U0 ・・・・・・・・・・・・(2) 但し、Rv:鋳型短辺から浸漬ノズルに向けた湯面直下
溶鋼流速を正とし、浸漬ノズルから鋳型短辺に向けた湯
面直下溶鋼流速を負とし、リニア移動磁場型電磁攪拌装
置を運転しないで鋳造したときの鋳型幅方向の湯面直下
溶鋼流速を分母とし、リニア移動磁場型電磁攪拌装置を
磁束密度Bで運転したときの湯面直下溶鋼流速を分子と
した比。
【0042】β:係数 B:リニア移動磁場型電磁攪拌装置の発生する磁束密度
(テスラ) U0 :浸漬ノズル吐出口からの溶鋼吐出流の線速度(m
/秒)
【0043】
【発明の実施の形態】以下に、EMLSによる湯面直下
の溶鋼流速の減速度合いと、EMLSの投入電力との関
係の回帰式を構成する変数と、回帰式の形を決定する理
論的な手続きについて述べる。
【0044】体積Vの溶鋼に磁束密度Bの磁場を印加し
たときに溶鋼に働く電磁力Fは、次式によって表され
る。 F=aρV ・・・・・(6) =σUB2 V ・・・・・(7) 但し、a:加速度 ρ:溶鋼の密度 σ:溶鋼の電気伝導度 U:溶鋼と磁場との相対速度 上記電磁力Fを受けた溶鋼の流速が、微小時間Δtの間
にΔUだけ変化したとすると、(6)、(7)式から、
ΔUは次式によって表される。
【0045】 ΔU=aΔt ・・・・・(8) =(σUB2 /ρ)Δt・・・・・(9) 従って、溶鋼が減速される場合には、Δt時間後の溶鋼
の流速U’は次式によって表される。
【0046】 U’=U−(σUB2 /ρ)Δt・・・(10) EMLSによる湯面直下の溶鋼流速の減速度合を規格化
するために、Rv=(U’/U)をEMLSによる湯面
直下の溶鋼流速の減速率とすれば、Rvは、次式によっ
て表される。
【0047】 Rv=(U’/U) ・・・・・(11) =1−(σB2 /ρ)Δt・・・・・(12) ここで、Δtは、溶鋼吐出流がEMLSの移動磁場によ
り制動作用を受けている時間である。この時間Δtは、
溶鋼吐出流が移動磁場と作用する前の速度が大きければ
短く、小さければ長い。そこで、Δtを、溶鋼吐出流が
浸漬ノズルの吐出口を出た直後の線速度の逆数(1/U
0 )で表すと、(12)式は次式のようになる。
【0048】 Rv∝1−(σB2 /ρU0 )・・・・・(13) σおよびρは定数であり、その他(13)式を等式化す
るための係数もまとめてαとすると、(13)式は次式
のようになる。
【0049】 Rv=1−α(B2 /U0 ) ・・・・・(14) (14)式は、EMLSの制動効果のうち、溶鋼吐出流
と移動磁場とが交差して両者の相対速度により誘導電流
が生じ、溶鋼吐出流を制動する方向に力が働く効果(以
下、「吐出流交差による制動効果」という)を表してい
る。
【0050】前述したように、移動磁場の場合には、静
磁場の場合と異なって、鋳型内における溶鋼吐出流以外
の溶鋼に対しても電磁力を作用させ、これらの溶鋼を、
鋳型両短辺から浸漬ノズルに向けて集まるように駆動す
る作用を有している。従って、このような運動が与えら
れた、鋳型内における浸漬ノズルからの溶鋼吐出流以外
の溶鋼も溶鋼吐出流と相対し、溶鋼吐出流に制動力を作
用させる(以下、鋳型内溶鋼駆動による制動効果」とい
う)。
【0051】上述した鋳型内溶鋼駆動による制動効果
を、上記(14)式の回帰式の形の中に反映させるため
に、本発明者等は、以下のように考えた。即ち、鋳型内
溶鋼の駆動による制動効果も、吐出流の交差による制動
効果と同様に、鋳型内の溶鋼と移動磁場とが交差して、
両者の相対速度により誘導電流が生じ、鋳型内の溶鋼を
駆動する電磁力が働く。従って、この効果をAとする
と、Aは、(14)式と同様の形で考えることができ
る。また、移動磁場と鋳型内溶鋼との相対速度は、溶鋼
吐出流の流速には影響されず一定と考えられるので、U
0 の項は省略することができる。また、Aは、磁場を増
すに従って鋳型内溶鋼を駆動し加速するので、(14)
式の右辺変数項にあたる項は、Aを増加させるように働
く。従って、Aを次式のように表わすことができる。
【0052】 A=1+γB2 ・・・・・(15) 但し、γ:係数 そこで、(14)式のαにAを乗じることによって、E
MLSの減速効果を表す回帰式の形の中に、吐出流交差
による制動効果と、鋳型内溶鋼駆動による制動効果とを
折り込むことができ、これによって次式が得られる。
【0053】 Rv=1−α(1+γB2 )(B2 /U0 ) ・・・(16) =1−α(B2 /U0 )−α・γ(B4 /U0 )・・・(17) 上記(17)式において、B4 項と比してB2 項のRv
に与える影響を無視できるほど小さいとすると、(1
7)式は下記(2)式のようになり、これが求めるEM
LSによる湯面直下の溶鋼流速減速率となる。
【0054】 Rv=1−βB4 /U0 ・・・・・(2) 但し、β:係数 一方、溶鋼吐出流が浸漬ノズルの吐出口を出た直後の線
速度U0 は、連続鋳造機の浸漬ノズルから鋳型に溶鋼を
注入する系を水モデル化し、ここで、浸漬ノズル吐出口
直後における水流の線速度を測定することによって得ら
れる。このU0は、次の回帰式によって表される。 U0 =S・W・QL m ・dp ・(1/cos α) n ・exp(B・Qg ) ・・・(18) 但し、 S, m, p, n, B :浸漬ノズルの形状によって決定される
実験定数 W :鋳型全幅(mm) QL :単位時間当り浸漬ノズルから鋳型内に注入される
溶鋼の体積(m3/sec) d :浸漬ノズルの吐出口の口径(m) α :浸漬ノズルの吐出流の軸線が水平線となす角度
(deg) Qg :ガス吹込み速度(Nm3/sec) 上記実験定数は、例えば、内径90mm、吐出孔下向き2
5度の浸漬ノズルの場合に、実験によって次のように求
められた。
【0055】S=0.3716、 m=0.745、
p=−1.165、n=−0.507、 B=100.
9。以上述べたようにして、EMLSの磁束密度から湯
面直下溶鋼流速の減速率を直接求めることができる。
【0056】図26は、この発明によるEMLSの減速
効果回帰式等を使用し、実際の連続鋳造機でEMLSの
運転条件を決定するまでの手続きを示すフローチャート
である。図26に示すように、まず、スラブ厚、スラブ
幅、鋳造速度、Arガス流量、浸漬ノズル形状等の鋳造
条件を定め、これら鋳造条件から、浸漬ノズルからの溶
鋼吐出流が鋳型短辺に衝突して生成する、湯面に向けた
溶鋼上昇流の運動量指数F値を、(1)式により算出す
る。
【0057】次いで、算出されたF値から、EMLSを
使用していないとき即ち電磁力を印加していないとき
の、鋳型内の1/4幅位置における湯面直下溶鋼流速を
図12によって求める。1/4幅位置における溶鋼流速
(U’)を、例えば図9に示すように、冷延コイル表面
欠陥発生率の少ない−0.07〜0.05m/秒の範囲
内に定め、これと図12によってF値から算出した溶鋼
流速(U)とから減衰率(Rv)を算出する。
【0058】一方、(18)式から線速度(U0)を算出
し、(2)式に線速度(U0)と減衰率(Rv)とを代入
して、磁束密度(B)を定め、磁束密度が所望の値Bと
なる電流値を印加してEMLSを運転し、湯面直下溶鋼
流速を制御する。
【0059】連続鋳造機のプロセスコンピューター等
に、図26に示すフローチャートによるリニア移動磁場
型電磁攪拌装置の運転プログラムを構築すれば、本発明
による自動連続鋳造操業が可能となる。
【0060】
【実施例】次にこの発明を、実施例により説明する。表
2に示した仕様のスラブ連続鋳造機を使用し、表3に示
した化学成分組成の極低炭素鋼からなる溶鋼をスラブに
連続鋳造した。表4に、EMLSの投入電力を変化させ
ながら鋳型内における湯面直下の溶鋼流速を測定したと
きの鋳造条件と、それぞれの条件で(18)式により求
めた線速度(U0 )を、水準1〜3の3水準について示
す。また、表5に、F値を算出するに必要な(3)
(4)および(5)式の回帰式の係数を示す。
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】表4に示す1〜3の3つの水準で、EML
Sの投入電力を変化させながら、1/4幅位置における
湯面直下の溶鋼流速を測定した結果を、図13、図14
および図15に示す。図13は表4の水準1に対応し、
図14は水準2に対応し、図15は水準3に対応する。
図13〜15から明らかなように、1/4幅位置におけ
る湯面直下の溶鋼流速は、図6に示した例と同じく、E
MLSの電流値に対して単調に減少し、それぞれの電流
値に応じた流速となった。
【0066】図16、図17および図18は、上記図1
3、図14および図15のデータに基づき、横軸にB4
/U0 をとり縦軸にRvをとってプロットし、更に、
(2)式に基づいて回帰直線を引いて示した図である。
図16は水準1に対応し、図17は水準2に対応し、図
18は水準3に対応する。いづれの水準においても、回
帰直線の決定係数R2 は、0.95〜0.98で極めて
高く、精度の高い推定のできることがわかる。
【0067】図19、図20および図21は、上記図1
3、図14および図15のデータに基づき、横軸にB2
/U0 をとり縦軸にRvをとってプロットし、更に(1
4)式に基づいて回帰直線を引いて示した図である。図
19は水準1に対応し、図20は水準2に対応し、図2
1は水準3に対応する。いづれの水準においても、回帰
直線の決定係数R2 は0.79〜0.86であって、
(2)式に基づく回帰と比して低い決定係数になってい
る。
【0068】図16、図17および図18によって得ら
れた回帰式に、1/4幅位置の湯面直下溶鋼流速を測定
したときのEMLSの磁束密度(B)と(18)式によ
り求められた、溶鋼吐出流が浸漬ノズルの吐出口を出た
直後の線速度(U0 )とを代入して求めた、1/4幅位
置における湯面直下の溶鋼流速の減速率の計算値を、図
5に示した測定法によって測定した実測値と共に、図2
2、図23および図24に示す。図22は水準1に対応
し、図23は水準2に対応し、図24は水準3に対応す
る。図16、図17および図18の高い決定係数にも表
されているように、上記計算値と実測値とは良く一致
し、1/4幅位置における湯面直下の溶鋼流速のEML
Sによる減速の程度が、(2)式によって推定し得るこ
とがわかる。
【0069】図25は、水準1〜3のそれぞれについて
得られた(2)式の係数βを、スラブ幅を横軸としてプ
ロットした図である。係数βは、湯面直下の溶鋼流速に
対するEMLSの減速効果係数とみなすことができ、図
25は、この減速効果係数βがスラブ幅に対し線形であ
ることを示している。このことは、スラブ幅即ち鋳型幅
の広い方が、EMLSを発揮するリニア移動磁場型電磁
攪拌装置のコイルの幅方向の、より多い部分が、鋳型内
溶鋼と相対することになり、その分、溶鋼吐出量は、長
時間EMLSの移動磁場と相対するので、減速効果が大
きくなることを示していると考えられる。
【0070】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
タンディッシュからモールドへの溶鋼供給量を調節する
制御装置の精度や、ピンチロールによる溶鋼の引抜き速
度の時間的なゆらぎ等の外乱を受けることなく、当該連
続鋳造時における湯面直下の溶鋼流速を精度高く推定
し、更に、良好な品質のスラブを鋳造するために維持す
べき、湯面直下の溶鋼流速の適正範囲を維持するために
必要な、リニア移動磁場型電磁攪拌装置の投入電力を精
度高く求めることができ、これらによって、モールドパ
ウダー液滴を非金属介在物として取り込むことの少ない
品質の優れたスラブを連続鋳造し、その製造歩留りを向
上させることができる、工業上有用な効果がもたらされ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】リニア移動磁場型電磁攪拌装置による鋳型内の
溶鋼流の制動原理を示す、鋳型の幅方向概略縦断面図で
ある。
【図2】図1の概略平面図である。
【図3】EMLSの溶鋼吐出流に対する効果を、溶鋼吐
出流によって作られる湯面直下の溶鋼流の大きさで評価
するために行った鋳型短辺近傍の湯面直下溶鋼流速の測
定方法を示す図である。
【図4】図3の測定方法による鋳型短辺近傍の湯面直下
溶鋼流速のEMLSによる減速効果を示す図である。
【図5】EMLSの溶鋼吐出流に対する効果を、溶鋼吐
出流によって作られる湯面直下の溶鋼流の大きさで評価
するために行った、1/4幅位置における湯面直下の溶
鋼流速の測定方法を示す図である。
【図6】1/4幅位置における湯面直下の溶鋼流速とE
MLS印加電流値との関係を示す図である。
【図7】溶鋼吐出流が鋳型短辺に衝突し上下方向の流れ
に分岐したときの、湯面に向かう流れの湯面直下での運
動量を規格化した指数であるF値と、低炭素アルミキル
ド鋼の非金属介在物による冷間圧延コイル表面欠陥発生
率との関係を示す図である。
【図8】F値の計算に必要なパラメーターを示した図で
ある。
【図9】図5に示した方法により、種々の条件で測定し
た、鋳型内1/4幅位置の湯面直下溶鋼流の流速と、当
該溶鋼によって鋳造したスラブによる冷間圧延コイルの
表面欠陥発生率との関係を示す図である。
【図10】鋳型短辺付近の湯面変動量とF値との関係を
示す図である。
【図11】鋳型短辺付近の平均湯面変動量と湯面直下溶
鋼流の流速との関係を示す図である。
【図12】1/4幅位置の湯面直下溶鋼流速とF値との
関係を示す図である。
【図13】水準1の鋳造条件でEMLSの投入電力量を
変化させながら、1/4幅位置の湯面直下溶鋼流の流速
を測定した結果を示す図である。
【図14】水準2の鋳造条件でEMLSの投入電力量を
変化させながら、1/4幅位置の湯面直下溶鋼流の流速
を測定した結果を示す図である。
【図15】水準3の鋳造条件でEMLSの投入電力量を
変化させながら、1/4幅位置の湯面直下溶鋼流の流速
を測定した結果を示す図である。
【図16】水準1の鋳造条件で横軸にB4 /U0 をと
り、縦軸にRvをとってプロットし更に(2)式に基づ
いた回帰直線を引いて示した図である。
【図17】水準2の鋳造条件で横軸にB4 /U0 をと
り、縦軸にRvをとってプロットし更に(2)式に基づ
いた回帰直線を引いて示した図である。
【図18】水準3の鋳造条件で横軸にB4 /U0 をと
り、縦軸にRvをとってプロットし更に(2)式に基づ
いた回帰直線を引いて示した図である。
【図19】図13のデータに基づき、横軸にB2 /U0
をとり、縦軸にRvをとってプロットし更に(14)式
に基づいた回帰直線を引いて示した図である。
【図20】図14のデータに基づき、横軸にB2 /U0
をとり、縦軸にRvをとってプロットし更に(14)式
に基づいた回帰直線を引いて示した図である。
【図21】図15のデータに基づき、横軸にB2 /U0
をとり、縦軸にRvをとってプロットし更に(14)式
に基づいた回帰直線を引いて示した図である。
【図22】図16によって得られた回帰式に、1/4幅
位置の湯面直下溶鋼流速を測定したときのEMLSの磁
束密度Bと、溶鋼吐出流が浸漬ノズルの吐出口を出た直
後の線速度U0 を代入して求めた、1/4幅位置の湯面
直下溶鋼流速の減速率の計算値を実測値と共に示した図
である。
【図23】図17によって得られた回帰式に、1/4幅
位置の湯面直下溶鋼流速を測定したときのEMLSの磁
束密度Bと、溶鋼吐出流が浸漬ノズルの吐出口を出た直
後の線速度U0 を代入して求めた、1/4幅位置の湯面
直下溶鋼流速の減速率の計算値を実測値と共に示した図
である。
【図24】図18によって得られた回帰式に、1/4幅
位置の湯面直下溶鋼流速を測定したときのEMLSの磁
束密度Bと、溶鋼吐出流が浸漬ノズルの吐出口を出た直
後の線速度U0 を代入して求めた、1/4幅位置の湯面
直下溶鋼流速の減速率の計算値を実測値と共に示した図
である。
【図25】水準1〜3のそれぞれについて得られた
(2)式の係数βを、スラブ幅を横軸にとってプロット
した図である。
【図26】本発明の方法により、実機でのEMLSの運
転条件を決定するまでの手順を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1 鋳型 1a 鋳型短辺 1b 鋳型長辺 2 浸漬ノズル 2a 内孔 2b 吐出孔 3a,3b,3a',3b' リニア移動磁場型電磁攪拌コイル 4 湯面 5 浸漬棒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 俊夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 鈴木 真 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 中田 正之 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−160862(JP,A) 特開 平7−314100(JP,A) 特開 昭63−104763(JP,A) 特開 昭63−212051(JP,A) 特開 平1−127157(JP,A) 特開 昭63−16841(JP,A) 特開 昭63−16840(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/11 B22D 11/04 311 B22D 11/115 B22D 11/16 104

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳型内に、その幅方向中心部に設けられ
    た浸漬ノズルを通って注入された溶鋼に対し、鋳型長辺
    に沿いその外側に設けられたリニア移動磁場型電磁攪拌
    装置により、鋳型短辺から鋳型幅方向中心に向かう流れ
    を付与して、前記浸漬ノズルからの溶鋼吐出流を減速
    し、このようにして、前記鋳型内における溶鋼の流動を
    制御しながら、前記溶鋼をスラブに連続鋳造する方法に
    おいて、 前記浸漬ノズルからの溶鋼吐出流が前記鋳型短辺に衝突
    して生成する、湯面に向けた溶鋼上昇流の運動量指数
    (F値)を、下記(1)式によって算出し、 F=ρQV(1−sinθ)/(4D)・・・・(1) 但し、ρ:溶鋼密度(Kg/m3) Q:溶鋼流量(m3/ 秒) V:溶鋼吐出流が鋳型短辺に衝突する速度(m/秒) θ:溶鋼吐出流が鋳型短辺に衝突する角度(deg) D:鋳型短辺衝突位置から湯面までの距離(m) 算出された前記運動量指数(F値)によって、前記鋳型
    内の湯面直下溶鋼流速を求め、そして、前記リニア移動
    磁場型電磁攪拌装置により前記鋳型内の溶鋼に印加され
    る磁束密度を下記(2)式に基づいて決定し、これによ
    って、前記湯面直下溶鋼流速を所望の値となるように制
    御することを特徴とする、スラブの連続鋳造方法。 Rv=1−βB4 /U0 ・・・・・・・・・・・・(2) 但し、Rv:鋳型短辺から浸漬ノズルに向けた湯面直下
    溶鋼流速を正とし、浸漬ノズルから鋳型短辺に向けた湯
    面直下溶鋼流速を負とし、リニア移動磁場型電磁攪拌装
    置を運転しないで鋳造したときの鋳型幅方向の湯面直下
    溶鋼流速を分母とし、リニア移動磁場型電磁攪拌装置を
    磁束密度Bで運転したときの湯面直下溶鋼流速を分子と
    した比。 β:係数 B:リニア移動磁場型電磁攪拌装置の発生する磁束密度
    (テスラ) U0 :浸漬ノズル吐出口からの溶鋼吐出流の線速度(m
    /秒)
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