JP2003318490A - 半導体レーザ素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ素子およびその製造方法

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JP2003318490A
JP2003318490A JP2002124373A JP2002124373A JP2003318490A JP 2003318490 A JP2003318490 A JP 2003318490A JP 2002124373 A JP2002124373 A JP 2002124373A JP 2002124373 A JP2002124373 A JP 2002124373A JP 2003318490 A JP2003318490 A JP 2003318490A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層構造中に空洞が形成されるのを阻止でき
るか、または、積層構造中に形成される空洞を大幅に縮
小できる半導体レーザ素子およびその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 p型多層エッチング停止層8上には、p
型Al0.5Ga0.5As第2上クラッド層9とp型GaA
sキャップ層10との積層からなって所定のパターン幅
で共振器方向に延びるリッジストライプ部23が形成さ
れている。また、p型多層エッチング停止層8は、第1
エッチング停止層8bおよび第2エッチング停止層8c
を有している。第1エッチング停止層108bはp型A
0.5Ga0.5As第2上クラッド層109の材料と同じ
材料からなり、第2エッチング停止層8cはp型GaA
sキャップ層の材料と同じ材料からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体レーザ素子お
よびその製造方法に関し、例えば、CD−ROM(読み
出し専用コンパクトディスク)、CD−R(書き込み可
能コンパクトディスク)およびCD−RW(書き替え可
能コンパクトディスク)などの光ディスク装置に好適に
使用される半導体レーザ素子およびその製造方法に関す
る。特に、高出力時においても基本横モードで安定に発
振するリッジストライプ型の半導体レーザの素子および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のリッジストライプ型の半導体レー
ザとしては、米国特許第5956361号に開示された
ものがある。
【0003】図14に、米国特許第59556361号
で開示されている技術にしたがって製造した実屈折率型
リッジストライプ半導体レーザ素子の構造を模式的に示
す。この実屈折率型リッジストライプ半導体レーザ素子
は、AlGaAs(アルミニウムガリウム砒素)系の半
導体レーザ素子であり、横モード制御機構を有してい
る。
【0004】図14において501はn型GaAs基板
であり、このn型GaAs基板501の下側にはn側電
極541を設けている。また、n型GaAs基板501
の上側には、n型GaAsバッファ層502、n型Al
GaAs下クラッド層503、AlGaAs下ガイド層
504、AlGaAs活性層505、AlGaAs上ガ
イド層506、p型AlGaAs第1上クラッド層50
7、p型GaAsエッチング停止層508、p型AlG
aAs第2上クラッド層509およびp型GaAsキャ
ップ層510を順次積層することにより、ダブルヘテロ
構造を形成している。p型AlGaAs第2上クラッド
層509とp型GaAsキャップ層510とは、所定の
パターン幅で共振器方向に延びるリッジストライプ部5
23を構成している。このリッジストライプ部523を
両側側から挟むように、n型AlGaAs電流阻止層5
21を自己整合的に設けている。また、p型GaAsキ
ャップ層510およびn型AlGaAs電流阻止層52
1の上側全面にp型GaAsコンタクト層531を設
け、さらにp型GaAsコンタクト層531上にp側電
極542を設けている。
【0005】上記構成の半導体レーザ素子では、p型A
lGaAs第2上クラッド層509,p型GaAsキャ
ップ層510とn型AlGaAs電流阻止層521との
pnpn接合により電流狭窄を行っている。また、リッ
ジストライプ形状を有するp型AlGaAs第2上クラ
ッド層509を両側面側から挟むようにn型AlGaA
s電流阻止層521を形成することによる屈折率分布を
用いて、横モード制御を行っている。
【0006】以下、図14に示す半導体レーザ素子の製
造方法について説明する。なお、以下の説明では、上記
半導体レーザ素子の製造過程をプロセス順に並べた図1
5〜図23に基づいて行う。図15〜図23の全ては、
リッジストライプ方向、つまりリッジストライプ部52
3が延びる方向に対して直交する垂直断面を示す図であ
る。
【0007】まず、図15に示すように、n型GaAs
基板601上に、n型GaAsバッファ層502、n型
AlGaAs下クラッド層503、AlGaAs下ガイ
ド層504、AlGaAs活性層505、AlGaAs
上ガイド層506、p型AlGaAs第1上クラッド層
507、p型GaAsエッチング停止層508、p型A
lGaAs第2上クラッド層609およびp型GaAs
キャップ層610の9層を順次結晶成長する。
【0008】図16に、p型AlGaAs第1上クラッ
ド層507から上側の部分の拡大図を示す。また、図1
6と同様に図17〜図23も、p型AlGaAs第1上
クラッド層507から上側の部分の拡大図を示す。引き
続き、図17〜図23を用いて説明を行う。
【0009】図17に示すように、p型GaAsキャッ
プ層610上にストライプ形状のフォトレジスト膜11
を形成する。
【0010】次に、硫酸系エッチング液を用いて、p型
GaAsキャップ層610の一部をp型AlGaAs第
2上クラッド層609までウェットエッチングし、さら
にp型AlGaAs第2上クラッド層609の一部の厚
さ方向の途中までをウェットエッチングする。そうする
と、図18に示すように、p型GaAsエッチング停止
層508上に、p型AlGaAs第2上クラッド層70
9とp型GaAsキャップ層710とが得られる。この
とき、p型AlGaAs第2上クラッド層709の頂部
側の幅W61は、p型GaAsキャップ層710の底部
側の幅W52と略一致する。
【0011】次に、フッ酸系エッチング液を用いて、p
型AlGaAs第2上クラッド層709の一部をp型G
aAs層エッチング停止層108までエッチングする。
このとき、フッ酸系エッチング液は、Alを多く含む
(Al組成比の高い)p型AlGaAs第2上クラッド
層709を浸蝕する一方、Alを含まないp型GaAs
キャップ層710を浸蝕しない。このため、p型AlG
aAs第2上クラッド層709の一部の上面と共に、p
型AlGaAs第2上クラッド層709の側面もエッチ
ングされる。これにより、図19に示すように、p型G
aAsエッチング停止層508上に、メサ形状つまりリ
ッジストライプ形状のp型AlGaAs第2上クラッド
層509が形成される。このとき、p型AlGaAs第
2上クラッド層509の頂部側の幅W51は、p型Ga
Asキャップ層710の底部側の幅W52よりも小さく
なる。
【0012】次に、ストライプ形状のフォトレジスト膜
11を、図20に示すように除去する。
【0013】その後、図21に示すように、p型GaA
sエッチング停止層508およびp型GaAsキャップ
層710上にn型AlGaAs電流阻止層621を結晶
成長させる。
【0014】次に、フォトリソグラフィ法とウェットエ
ッチング法を用いて、p型GaAsキャップ層710上
に成長させたn型AlGaAs電流阻止層621を除去
する。これにより、図22に示すように、n型AlGa
As電流阻止層521から、p型GaAsキャップ層5
10の頂部が露出する。
【0015】その後、図示しない表面のフォトレジスト
膜を除去して、図23に示すように、p型GaAsキャ
ップ層510およびn型AlGaAs電流阻止層521
上にp型GaAsコンタクト層531を結晶成長させ
る。
【0016】次に、n型GaAs基板601の下面を研
磨し、これまでの工程で形成した積層構造を有するウエ
ハ全体の厚さを120μm程度にした後、図14に示す
ように、p型GaAsコンタクト層531上にp側電極
542を形成する一方、n型GaAs基板501下にn
側電極541を形成して、半導体レーザ素子の基本部分
が完成する。
【0017】このような半導体レーザ素子の製造方法で
は、フッ酸系のエッチング液を用い、Alを多く含んだ
(Al組成比の高い)p型AlGaAs第2上クラッド
層709を選択的にウェットエッチングすることによ
り、リッジストライプ形状のp型AlGaAs第2上ク
ラッド層509を得ることを特徴としている。そのp型
AlGaAs第2上クラッド層709の選択エッチング
時には、Al組成比の低い層はフッ酸系のエッチング液
ではエッチングされないため、エッチング時間を調節す
ることにより、p型GaAsエッチング停止層508上
に所望のリッジストライプ幅を持つp型AlGaAs第
2上クラッド層509を形成できる。
【0018】また、上記半導体レーザ素子によれば、レ
ーザ光の水平方向、垂直方向の放射特性は、リッジスト
ライプ形状のp型AlGaAs第2上クラッド層509
の底部幅に強い相関がある。このため、上記放射特性の
そろった半導体レーザ素子を安定的に製造するには、p
型AlGaAs第2上クラッド層509の底部幅を制御
する必要がある。したがって、上記放射特性のそろった
半導体レーザ素子を安定的に製造する上で、上述の半導
体レーザ素子の製造方法は、p型AlGaAs第2上ク
ラッド層509の底部幅を制御できるので有用である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図14
に示す構造の半導体レーザ素子の製造方法には、以下の
ような欠点があった。
【0020】フッ酸系エッチング液のウエットエッチン
グによりリッジストライプ形状のp型AlGaAs第2
上クラッド層509を形成する際に、p型AlGaAs
第2上クラッド層509の側面もエッチングされる。こ
のため、図20に示すように、p型AlGaAs第2上
クラッド層109の頂部と、p型GaAsキャップ層7
10の底部との間に明確な段差が生じてしまう。すなわ
ち、p型AlGaAs第2上クラッド層109の頂部側
の幅W51と、p型GaAsキャップ層710の底部側
の幅W52との差が大きくなる。このときの状態は、ち
ょうどp型GaAsキャップ層710の両端部が、p型
AlGaAs第2上クラッド層509に対して家屋のひ
さし様の形状として残った状態に相当する。このような
状態で図21のn型AlGaAs電流阻止層621を結
晶成長すると、p型GaAsキャップ層710のひさし
状両端部の直下から成長したn型AlGaAsと、p型
GaAsエッチング停止層508の表面から成長始めた
n型AlGaAsが途中で連結して、p型AlGaAs
第2上クラッド層509の側方に空洞522が形成され
る場合があるという欠点がある(図14、図21〜図2
3参照)。
【0021】上記空洞522はレーザを最終的に素子化
した際にレーザ光の吸収を引き起こし、微分効率の低下
と駆動動作電流の増大を引き起こすことが分かってい
る。さらに、今まで述べてきた半導体レーザ素子の製造
方法は、空洞522の形状をコントロールすることは困
難であり、同一基板内での特性バラツキが生じるため、
歩留の低下を引き起こしてしまう。
【0022】そこで、本発明の課題は、積層構造中に空
洞が形成されるのを阻止できるか、または、積層構造中
に形成される空洞を大幅に縮小できる半導体レーザ素子
およびその製造方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の半導体レーザ素子は、半導体基板上に、少
なくとも、発光する活性層とエッチング停止層とが順次
積層されている。そして、上記エッチング停止層上に
は、所定のパターン幅で共振器方向に延びる第2導電型
のリッジストライプ部が形成されている。上記リッジス
トライプ部は、上記活性層のバンドギャップよりも大き
なバンドギャップを有するクラッド層と、このクラッド
層を覆って保護するキャップ層との積層からなってい
る。また、上記リッジストライプ部を両側面側から挟む
ように第1導電型の電流阻止層が形成されている。
【0024】上記エッチング停止層は、第1ストップ層
と、上記第1ストップ層上に積層された第2ストップ層
とを有している。上記第1ストップ層は、上記キャップ
層を選択エッチング可能にする材料からなる。また、上
記第2ストップ層は、上記クラッド層を選択エッチング
可能にする材料からなる。
【0025】なお、本明細書において、第1導電型と
は、p型またはn型を意味する。また、第2導電型と
は、第1導電型がp型の場合はn型、n型の場合はp型
を意味する。
【0026】また、本明細書において、エッチング停止
層、第1ストップ層および第2ストップ層とは、エッチ
ング停止層より上の層をエッチングするときに使用する
エッチング液でエッチングされない、または、そのエッ
チング液でエッチングされにくい材料からなる層のこと
である。
【0027】また、本明細書において、選択エッチング
とは、例えば二層の材料間のエッチング速度比を利用し
て、必要とする二層の材料パターン構造を得るエッチン
グのことである。したがって、例えば、上記第1ストッ
プ層を用いた選択エッチングとは、エッチング液が第1
ストップ層より下の層に接触するのを第1ストップ層で
防ぎ、対象となる層をエッチングすることを意味する。
【0028】上記構成の半導体レーザ素子によれば、上
記エッチング停止層上に、クラッド層の材料とすべき材
料層(以下、これを「第1材料層」と呼ぶ。)と、キャ
ップ層の材料とすべき材料層(以下、これを「第2材料
層」と呼ぶ。)とを順次積層した後、第2ストップ層を
用いた選択エッチングを行うことにより、第1材料層を
パターン加工してリッジストライプ部をなすクラッド
層、つまり所定のパターン幅を有するクラッド層が得ら
れる。このとき、上記クラッド層を選択エッチング可能
にする材料からなる第2ストップ層を用いるので、第2
ストップ層より下の層が侵食されるのを防止できる。
【0029】そして、上記第1ストップ層を用いた選択
エッチングにより、第2材料層をパターン加工してリッ
ジストライプ部をなすキャップ層、つまり所定のパター
ン幅を有するキャップ層が得られる。このとき、上記キ
ャップ層を選択エッチング可能にする材料からなる第1
ストップ層を用いるので、第1ストップ層より下の層が
侵食されるのを防止できる。また、上記キャップ層を選
択エッチングにより形成しているので、クラッド層の幅
を大きく変えることなく、キャップ層の幅を所望のパタ
ーン幅にすることができる。したがって、上記クラッド
層,キャップ層間の段差を小さくできる。
【0030】また、上記クラッド層,キャップ層間の段
差が小さい状態で、クラッド層とキャップ層とを両側面
側から挟むように電流阻止層を形成することにより、積
層構造中に空洞が形成されるのを阻止できる。または、
積層構造中に形成される空洞を大幅に縮小できる。
【0031】一実施形態の半導体レーザ素子において、
上記クラッド層は上記第1ストップ層と同じ材料からな
り、上記キャップ層は上記第2ストップ層と同じ材料か
らなる。
【0032】上記実施形態の半導体レーザ素子によれ
ば、上記クラッド層は第1ストップ層と同じ材料からな
り、上記キャップ層は第2ストップ層と同じ材料からな
るので、第1ストップ層、第2ストップ層、第1材料層
および第2材料層の連続成長を容易に行うことができ
る。
【0033】一実施形態の半導体レーザ素子において、
上記エッチング停止層は、上記第1ストップ層下に設け
られ、上記クラッド層を選択エッチング可能にする材料
からなる第3ストップ層を有する。
【0034】上記実施形態の半導体レーザ素子によれ
ば、上記第3クラッド層の一部が露出した状態でクラッ
ド層をエッチングする場合、第3ストップ層はクラッド
層を選択エッチング可能にする材料からなるので、第3
ストップ層より下の層が侵食されるのを第3ストップ層
で阻止できる。
【0035】好ましくは、一実施形態の半導体レーザ素
子において、上記第3ストップ層は上記キャップ層と同
じ材料からなる。
【0036】この場合、上記第3ストップ層の一部を露
出させた後、露出した第3ストップ層上に電流阻止層を
成長させると、第3ストップ層はキャップ層と同じ材料
からなるので、電流阻止層を成長させる際に発生しやす
い三次元成長などの異常成長を抑制できる。
【0037】一実施形態の半導体レーザ素子において、
上記リッジストライプ部における共振器方向に対して垂
直な断面では、上記キャップ層の上記クラッド層に接す
る部分の幅が、上記クラッド層の上記キャップ層に接す
る部分の幅よりも小さくなっている。
【0038】上記実施形態の半導体レーザ素子におい
て、上記キャップ層のクラッド層に接する部分の幅が、
クラッド層のキャップ層に接する部分の幅よりも小さい
ので、クラッド層とキャップ層とからなるリッジストラ
イプ部を両側面側から挟むように電流阻止層を形成して
も、積層構造中に空洞が形成されるのを阻止できる。ま
たは、積層構造中に形成される空洞を大幅に縮小でき
る。
【0039】好ましくは、一実施形態の半導体レーザ素
子において、上記クラッド層はAlを含有する。
【0040】好ましくは、一実施形態の半導体レーザ素
子において、上記電流阻止層はAlを含有し、上記電流
阻止層のAl組成比は上記上クラッド層のAl組成比よ
りも大きい。
【0041】この場合、上記電流阻止層のAl組成比は
第2導電型第2上クラッドのAl組成比よりも大きいの
で、電流阻止層のバンドギャップが第2導電型第2上ク
ラッドのバンドギャップよりも広くなる。したがって、
上記電流阻止層によるレーザ光の吸収を抑えることがで
きると共に、高微分効率と低駆動動作電流を得ることが
できる。
【0042】好ましくは、一実施形態の半導体レーザ素
子において、上記キャップ層はGaAsからなる。
【0043】好ましくは、一実施形態の半導体レーザ素
子において、上記第1ストップ層と上記第2ストップ層
とはストライプ形状にエッチングされている。
【0044】さらに好ましくは、上記第1ストップ層お
よび上記第2ストップ層の側面はクラッド層の側面と滑
らかに連なる。つまり、上記第1ストップ層および上記
第2ストップ層の側面とクラッド層の側面との段差がな
い、または、第1ストップ層および上記第2ストップ層
の側面とクラッド層の側面との段差が小さい。
【0045】好ましくは、一実施形態の半導体レーザ素
子において、上記電流阻止層が上記リッジストライプ部
の両側面を隙間なく覆っている。
【0046】この場合、上記電流阻止層がリッジストラ
イプ部の両側面を隙間なく覆っているので、レーザー光
の吸収を抑えることができる。つまり、光出力が減少す
るのを阻止することができる。
【0047】好ましくは、一実施形態の半導体レーザ素
子において、上記キャップ層の頂部と接する第2導電型
コンタクト層を形成する。
【0048】本明細書において、上記キャップ層の頂部
とは、キャップ層においてクラッド層と反対側の部分を
意味する。
【0049】好ましくは、上記半導体レーザ素子を半導
体レーザユニットに搭載する。
【0050】好ましくは、上記半導体レーザユニットを
電子機器に搭載する。
【0051】また、本発明の半導体レーザ素子の製造方
法は、半導体基板上に、少なくとも、発光する活性層と
エッチング停止層とが順次積層され、クラッド層とこの
クラッド層を覆うキャップ層との積層からなって所定の
パターン幅で共振器方向に延びる第2導電型のリッジス
トライプ部が上記エッチング停止層上に形成されると共
に、上記リッジストライプ部を両側面側から挟むように
第1導電型の電流阻止層が形成されている半導体レーザ
素子を製造する製造方法である。
【0052】このような半導体レーザ素子の製造方法で
は、まず、上記半導体基板上に、少なくとも、発光する
活性層とエッチング停止層とを順次積層した後、上記エ
ッチング停止層として、上記キャップ層を選択エッチン
グ可能にする材料からなる第1ストップ層と、上記クラ
ッド層を選択エッチング可能にする材料からなる第2ス
トップ層とを順次積層する。
【0053】次に、上記エッチング停止層上に、上記ク
ラッド層の材料とすべき第1材料層と、上記キャップ層
の材料とすべき第2材料層とを順次積層する。
【0054】次に、上記第1,第2材料層のうち上記リ
ッジストライプ部よりも広い領域を残して、その領域の
両側に相当する部分をエッチングして除去する。
【0055】次に、上記第1材料層のうち残された領域
の側部を、上記第2ストップ層を用いて選択エッチング
することにより、上記リッジストライプ部をなす上記ク
ラッド層を得る。
【0056】次に、上記第2材料層のうち残された領域
の側部を、上記第1ストップ層を用いて選択エッチング
することにより、上記リッジストライプ部をなす上記キ
ャップ層を得る。
【0057】次に、上記クラッド層および上記キャップ
層を両側面側から挟むように第1導電型の電流阻止層を
形成する。
【0058】上記構成の半導体レーザ素子の製造方法に
よれば、上記エッチング停止層上に、クラッド層の材料
とすべき第1材料層と、キャップ層の材料とすべき第2
材料層とを順次積層する。そして、上記第1,第2材料
層のうちリッジストライプ部よりも広い領域を残して、
その領域の両側に相当する部分をエッチングして除去し
た後、第2ストップ層を用いた選択エッチングを行う。
これにより、上記第1材料層をパターン加工してクラッ
ド層、つまり所定のパターン幅を有するクラッド層を得
る。このとき、上記クラッド層を選択エッチング可能に
する材料からなる第2ストップ層を用いるので、第2ス
トップ層より下の層が侵食されるのを防止できる。
【0059】さらに、上記第1ストップ層を用いた選択
エッチングを行うことにより、第2材料層をパターン加
工してキャップ層、つまり所定のパターン幅を有するキ
ャップ層を得る。このとき、上記キャップ層を選択エッ
チング可能にする材料からなる第1ストップ層を用いる
ので、第1ストップ層より下の層が侵食されるのを防止
できる。また、上記キャップ層を選択エッチングにより
形成しているので、クラッド層の幅を大きく変えること
なく、キャップ層の幅を所望のパターン幅にすることが
できる。したがって、上記クラッド層,キャップ層間の
段差を小さくできる。
【0060】上記クラッド層,キャップ層間の段差が小
さい状態で、クラッド層とキャップ層とを両側面側から
挟むように電流阻止層を形成することにより、積層構造
中に空洞が形成されるのを阻止できる。または、積層構
造中に形成される空洞を大幅に縮小できる。
【0061】好ましくは、上記クラッド層を形成時に使
用するエッチング液は、クラッドに対してエッチングレ
ートが大であり、かつ、キャップ層,第2ストップ層に
対してエッチング不可能またはエッチングレートが小な
エッチング液である。
【0062】好ましくは、上記キャップ層を形成時に使
用するエッチング液は、キャップ層に対してエッチング
レートが大であり、かつ、クラッド,第1ストップ層に
対してエッチング不可能またはエッチングレートが小な
エッチング液である。
【0063】好ましくは、一実施形態の半導体レーザ素
子の製造方法において、上記リッジストライプ部を、フ
ォトリソグラフ法を用いた選択的ウェットエッチングに
よって形成する。
【0064】好ましくは、一実施形態の半導体レーザ素
子の製造方法において、上記電流阻止層を有機金属化学
気相堆積法を用いて形成する。
【0065】この場合、上記電流阻止層を有機金属化学
気相堆積法を用いて形成することにより、リッジストラ
イプ部の側面を電流阻止層で容易かつ確実に覆うことが
できる。
【0066】
【発明の実施の形態】以下、本発明の半導体レーザ素子
およびその製造方法を図示の実施の形態により詳細に説
明する。
【0067】図1は、本発明の実施の一形態の実屈折率
型リッジストライプ半導体レーザ素子の構造を模式的に
示す図である。また、図2から図12までは、図1の実
屈折率型リッジストライプ半導体レーザ素子の製造過程
をプロセス順に並べた模式図面であって、全て図1のリ
ッジストライプ方向に対して垂直な断面図である。
【0068】以下、上記実屈折率型リッジストライプ半
導体レーザ素子の製造方法について説明する。
【0069】まず、図2に示すように、半導体基板の一
例としての面方位(100)のn型GaAs基板101
上に、n型GaAsバッファ層2(厚さ0.5μm)、
n型Al0.5Ga0.5As下クラッド層3(厚さ2.5μ
m)、Al0.3Ga0.7As下ガイド層4、活性層の一例
としてのAl0.1Ga0.9As活性層5(厚さ0.05μ
m)、Al0.3Ga0.7As上ガイド層6、p型Al0.5
Ga0.5As第1上クラッド層7(厚さ0.2μm)、
p型多層エッチング停止層108、第1材料層の一例と
してのp型Al0.5Ga0.5As第2上クラッド層109
(厚さ1.3μm)および第2材料層の一例としてのp
型GaAsキャップ層110(厚さ0.7μm)を、結
晶成長装置を用いて順次結晶成長して積層する。Al
0.1Ga0.9As活性層5は、Al0.3Ga0.7As下ガイ
ド層4とAl0.3Ga0.7As上ガイド層6とにより上下
から挟み込まれている。
【0070】図3に、図2のp型AlGaAs第1上ク
ラッド層7から上側の部分の拡大図を示す。
【0071】p型多層エッチング停止層108は、第3
ストップ層の一例としての第3エッチング停止層8a
と、第1エッチング停止層108bと、第2エッチング
停止層108cとによって構成されている。第3エッチ
ング停止層8aおよび第2エッチング停止層108cの
それぞれは単層のGaAs薄膜であり、第1エッチング
停止層108bはp型Al0.5Ga0.5As第2上クラッ
ド層109の材料と同じ材料からなる単層の薄膜であ
る。また、第1エッチング停止層108bは、第3エッ
チング停止層8aと第2エッチング停止層108cとの
間に挟み込まれている。
【0072】図3と同様に図4〜図12に、図2のp型
AlGaAs第1上クラッド層7から上側の部分の拡大
図を示す。以降は、図4〜図12を用いて説明を行う。
【0073】次に、p型GaAsキャップ層110の表
面にフォトレジスト膜を約0.2μmの厚さに塗布し、
図4に示すように、写真蝕刻法によって幅6μmのスト
ライプ形状のフォトレジスト膜11をp型GaAsキャ
ップ層110上に形成する。
【0074】その後、GaAsとAlGaAsとの間で
エッチング選択性のない硫酸系エッチング液を用いて、
ストライプ形状のフォトレジスト膜11が被覆していな
い部分のp型GaAsキャップ層110をp型Al0.5
Ga0.5As第2上クラッド層109までウェットエッ
チングし、さらにp型Al0.5Ga0.5As第2上クラッ
ド層109の一部の厚さ方向の途中までをウェットエッ
チングする。そうすると、図5に示すように、パターン
加工途中のp型Al0.5Ga0.5As第2上クラッド層2
09と、目標パターン幅よりも大きなパターン幅を有す
るp型GaAsキャップ層210とが、第2エッチング
停止層108c上に得られる。このp型Al0.5Ga0.5
As第2上クラッド層209のp型GaAsキャップ層
210に接する部分の幅W11は、p型GaAsキャッ
プ層210のp型Al0.5Ga0.5As第2上クラッド層
209に接する部分の幅W12と略一致する。
【0075】次に、フッ酸系エッチング液を使ってp型
Al0.5Ga0.5As第2上クラッド層209を選択エッ
チングすると、図6に示すように、目標パターン幅より
も少し大きなパターン幅を有するp型Al0.5Ga0.5
s第2上クラッド層309が第2エッチング停止層10
8c上に形成される。このp型Al0.5Ga0.5As第2
上クラッド層309のp型GaAsキャップ層210に
接する部分の幅W21は、p型GaAsキャップ層21
0のp型Al0.5Ga0.5As第2上クラッド層309に
接する部分の幅W12に比べて小さい。フッ酸系エッチ
ング液では、p型GaAsキャップ層210と、p型多
層エッチング停止層108の最上層である第2エッチン
グ停止層108cとがエッチングされない。したがっ
て、フッ酸系エッチング液の浸漬時間を管理することに
より、p型Al0.5Ga0.5As第2上クラッド層309
のストライプ下部幅(底部側の幅)を制御することが可
能である。
【0076】次に、アンモニアを含むエッチング液を使
ってエッチングを行う。このエッチング液はGaAsを
強く浸蝕する一方、AlGaAsをほとんど浸蝕しな
い。このため、上記エッチング液によるエッチングで
は、p型GaAsキャップ層210の側面がエッチング
されると同時に、露出している第2エッチング停止層1
08cの一部がエッチングされる。これにより、図7に
示すように、目標パターン幅を有するp型GaAsキャ
ップ層310と、第2ストップ層の一例としての第2エ
ッチング停止層8cとが得られて、第1エッチング停止
層108bの一部が新たに露出する。この際、第2エッ
チング停止層8cのサイドも浸蝕されて、第2エッチン
グ停止層8cの幅はp型Al0.5Ga0.5As第2上クラ
ッド層309の底部側の幅よりも少し小さくなる。ま
た、p型GaAsキャップ層310のp型Al0.5Ga
0.5As第2上クラッド層309に接する部分の幅W2
は、p型Al0.5Ga0.5As第2上クラッド層309の
p型GaAsキャップ層310に接する部分の幅W21
よりも小さくなる。その幅W2は、アンモニアを含むエ
ッチング液の浸漬時間を管理することにより制御するこ
とが可能である。
【0077】次に、フッ酸系エッチング液を再度用い
て、p型Al0.5Ga0.5As第2上クラッド層309の
側面と、第1エッチング停止層108bの露出した部分
とをエッチングする。これにより、アンモニアを含むエ
ッチング液により酸化されたAlGaAs表面が除去さ
れ、図8に示すように、第1ストップ層の一例としての
第1エッチング停止層8bと、目標パターン幅を有する
クラッド層の一例としてのp型Al0.5Ga0.5As第2
上クラッド層と9が得られる。また、このフッ酸系エッ
チング液のエッチングにより、アンモニアを含むエッチ
ング液でエッチングされてできた段差がなくなる。すな
わち、p型Al0.5Ga0.5As第2上クラッド層9の底
部側の幅と、第1,第2エッチング停止層8b,8cの
幅とが略一致する。これにより、p型Al0.5Ga0.5
s第2上クラッド層9の側面と、第1,第2エッチング
停止層8b,8cの側面とが滑らかに連なる。また、p
型Al0.5Ga0.5As第2上クラッド層9のp型GaA
sキャップ層310に接する部分の幅W1に比べて、p
型GaAsキャップ層310のp型Al0.5Ga0.5As
第2上クラッド層9に接する部分の幅W2は小さくな
る。なお、第1エッチング停止層8b、第2エッチング
停止層8cおよび第3エッチング停止層8aは、エッチ
ング停止層の一例としてのp型多層エッチング停止層8
を構成する。また、p型Al0.5Ga0.5As第2上クラ
ッド層9とp型GaAsキャップ層310とは、目標高
さより高いリッジストライプ部123を構成する。
【0078】次に、図9に示すように、ストライプ形状
のフォトレジスト膜11を除去する。
【0079】次に、図10に示すように、n型AlGa
As電流阻止層121をMOCVD法(有機金属化学気
相堆積法)を用いて1.5μm結晶成長する。このと
き、n型AlGaAs電流阻止層121は、p型Al
0.5Ga0.5As第2上クラッド層9およびp型GaAs
キャップ層310の両側面を隙間なく覆う。
【0080】このように、n型AlGaAs電流阻止層
121を積層する際、リッジストライプ部123以外の
部分でGaAs薄膜(第3エッチング停止層8a)が露
出しているので、n型AlGaAs電流阻止層121を
積層する際に発生しやすい三次元成長などの異常成長を
抑えることができる。
【0081】また、n型AlGaAs電流阻止層121
のAl組成比を0.7の高組成とし、電流狭窄をpnp
n構造によって行う一方、実屈折率分布構造を用いて横
モード制御を行っている。MOCVD法のような気相成
長法を用いれば、少々の段差があっても連続した膜でリ
ッジストライプ部123の側面を連続して覆うことがで
き、図14、図21〜図23に示すような空洞部22の
発生をなくすか、または、その空洞部522の大きさを
大幅に縮小させることができる。
【0082】次に、フォトリソグラフィ法とウェットエ
ッチング法を用いて、p型GaAsキャップ層310お
よびn型AlGaAs電流阻止層121の頂部を除去す
る。これにより、図11に示すように、第1導電型の電
流阻止層の一例としてのn型AlGaAs電流阻止層2
1からp型GaAsキャップ層10の頂部が露出する。
なお、p型Al0.5Ga0.5As第2上クラッド層9とp
型GaAsキャップ層10とが、第2導電型のリッジス
トライプ部の一例としての所定のパターン幅のリッジス
トライプ部23を構成する。
【0083】その後、図示しない表面のフォトレジスト
膜を除去し、図12に示すように、p型GaAsキャッ
プ層10およびn型AlGaAs電流阻止層21上にp
型GaAsコンタクト層31を約40μm結晶成長す
る。
【0084】次に、n型GaAs基板101の下面を研
磨し、これまでの工程で形成した積層構造を有するウエ
ハ全体の厚さを120μm程度にして、図1に示すn型
GaAs基板1を得る。その後、p型GaAsコンタク
ト層31上にp側電極42を形成する一方、n型GaA
s基板1下にn側電極41を形成する。そして、共振器
長が800μmになるようにウエハをへき開する。この
とき、上記リッジストライプ部23は所定のパターン幅
で共振器方向に延びている。その後、光出射端面にはA
23保護膜(図示せず)を形成して低反射率(約5
%)にする。一方、光出射端面とは反対側の後端面に
は、Al23/a−Siの多層膜(図示せず)を形成し
て高反射率(約95%)にして、実屈折率型リッジスト
ライプ半導体レーザ素子が完成する。
【0085】上記実屈折率型リッジストライプ半導体レ
ーザ素子の特性については、発振波長780nm、閾値
電流35mA、光出力180mWまでキンクフリーであ
った。
【0086】図13に、本実施の形態の実屈折率型リッ
ジストライプ半導体レーザ素子と、図14の従来例の実
屈折率型リッジストライプ半導体レーザ素子との駆動電
流特性を示す。図13では、本実施の形態の実屈折率型
リッジストライプ半導体レーザ素子の駆動電流特性を一
点鎖線製で示し、図14の従来例の実屈折率型リッジス
トライプ半導体レーザ素子との駆動電流特性を実線で示
している。
【0087】図13から分るように、本実施の形態,図
14の従来例において閾値電流値は共に略35mAと同
じであるが、駆動電流対光出力の傾きから読み取られる
微分効率は、図14の従来例で0.93〜0.97W/
Aであったのに対して、本実施の形態で1.04〜1.
07W/Aと向上している。すなわち、本実施の形態の
実屈折率型リッジストライプ半導体レーザ素子は光出力
特性が改善している。
【0088】上記実施の形態では、AlGaAs系材料
を用いてクラッド層を形成したが、例えば、AlとGa
とを含む材料、AlGaInP系材料、AlGaInA
s系材料などを用いてクラッド層を形成してもよい。つ
まり、本発明の半導体レーザ素子の材料は本実施の形態
に限定されない。
【0089】また、上記実施の形態では、第2上クラッ
ド層の材料と同じ材料からなる第1エッチング停止層を
用いていたが、第2上クラッド層の材料と異なる材料か
らなる第1エッチング停止層を用いてもよい。この場
合、キャップ層に対してエッチングレートが大であり、
かつ、第2上クラッド層と第1エッチング停止層とに対
してエッチング不可能またはエッチングレートが小なエ
ッチング液を用いて、p型キャップ層の選択エッチング
を行う。
【0090】また、上記実施の形態では、キャップ層の
材料と同じ材料からなる第2,第3エッチング停止層を
用いていたが、キャップ層の材料と異なる材料からなる
第2,第3エッチング停止層を用いてもよい。この場
合、第2上クラッド層に対してエッチングレートが大で
あり、かつ、キャップ層と第1,第2エッチング停止層
とに対してエッチング不可能またはエッチングレートが
小なエッチング液を用いて、第2上クラッド層の選択エ
ッチングを行う。
【0091】また、上記実施の形態では、3層からなる
多層エッチング停止層を用いていたが、互いに組成が異
なる4層以上の層からなる多層エッチング停止層を用い
てもよい。または、n−1層(nは2以上の整数)の第
1ストップ層と、この第1ストップ層の組成とは異なる
n層の第2ストップ層とで4層以上の層からなる多層エ
ッチング停止層を構成してもよい。
【0092】また、上記実施の形態における各層の導電
型を逆にして、実屈折率型リッジストライプ半導体レー
ザ素子を形成してもよい。
【0093】また、本実施の形態の実屈折率型リッジス
トライプ半導体レーザ素子は半導体レーザユニットに搭
載してもよい。そして、この半導体レーザユニットは電
子機器に使用してもよい。
【0094】
【発明の効果】以上より明らかなように、本発明の半導
体レーザ素子は、エッチング停止層の第1ストップ層が
キャップ層を選択エッチング可能にする材料からなり、
エッチング停止層の第2ストップ層がクラッド層を選択
エッチング可能にする材料からなるので、第1,第2ス
トップ層を用いてキャップ層とクラッド層とのそれぞれ
を選択エッチングで形成して、クラッド層,キャップ層
間の段差を小さくできる。したがって、上記クラッド
層,キャップ層間の段差が小さい状態で、クラッド層と
キャップ層とを両側面側から挟むように電流阻止層を形
成することにより、積層構造中に空洞が形成されるのを
阻止できる。または、積層構造中に形成される空洞を大
幅に縮小できる。
【0095】本発明の半導体レーザ素子の製造方法によ
れば、第1材料層をパターン加工してクラッド層にする
とき、クラッド層を選択エッチング可能にする材料から
なる第2ストップ層を用いるので、第2ストップ層より
下の層が侵食されるのを防止できる。
【0096】また、第2材料層をパターン加工してキャ
ップ層を得るとき、キャップ層を選択エッチング可能に
する材料からなる第1ストップ層を用いているので、第
1ストップ層より下の層が侵食されるのを防止できる。
【0097】また、上記キャップ層を選択エッチングに
より形成しているので、クラッド層の幅を大きく変える
ことなく、キャップ層の幅を所望のパターン幅にするこ
とができる。したがって、上記クラッド層,キャップ層
間の段差を小さくできる。
【0098】また、上記クラッド層,キャップ層間の段
差を小さくできるので、クラッド層,キャップ層間の段
差が小さい状態で、クラッド層とキャップ層とを両側面
側から挟むように電流阻止層を形成することにより、積
層構造中に空洞が形成されるのを阻止できる。または、
積層構造中に形成される空洞を大幅に縮小できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施の一形態の実屈折率型リ
ッジストライプ半導体レーザ素子の模式構造図である。
【図2】 図2は上記実施の一形態の実屈折率型リッジ
ストライプ半導体レーザ素子の製造過程のうちの1つの
工程の模式断面図である。
【図3】 図3は上記実施の一形態の実屈折率型リッジ
ストライプ半導体レーザ素子の製造過程のうちの1つの
工程の模式断面図である。
【図4】 図4は上記実施の一形態の実屈折率型リッジ
ストライプ半導体レーザ素子の製造過程のうちの1つの
工程の模式断面図である。
【図5】 図5は上記実施の一形態の実屈折率型リッジ
ストライプ半導体レーザ素子の製造過程のうちの1つの
工程の模式断面図である。
【図6】 図6は上記実施の一形態の実屈折率型リッジ
ストライプ半導体レーザ素子の製造過程のうちの1つの
工程の模式断面図である。
【図7】 図7は上記実施の一形態の実屈折率型リッジ
ストライプ半導体レーザ素子の製造過程のうちの1つの
工程の模式断面図である。
【図8】 図8は上記実施の一形態の実屈折率型リッジ
ストライプ半導体レーザ素子の製造過程のうちの1つの
工程の模式断面図である。
【図9】 図9は上記実施の一形態の実屈折率型リッジ
ストライプ半導体レーザ素子の製造過程のうちの1つの
工程の模式断面図である。
【図10】 図10は上記実施の一形態の実屈折率型リ
ッジストライプ半導体レーザ素子の製造過程のうちの1
つの工程の模式断面図である。
【図11】 図11は上記実施の一形態の実屈折率型リ
ッジストライプ半導体レーザ素子の製造過程のうちの1
つの工程の模式断面図である。
【図12】 図12は上記実施の一形態の実屈折率型リ
ッジストライプ半導体レーザ素子の製造過程のうちの1
つの工程の模式断面図である。
【図13】 図13は、本実施の形態の実屈折率型リッ
ジストライプ半導体レーザ素子と、図14の従来の実屈
折率型リッジストライプ半導体レーザ素子との駆動電流
特性を示すグラフである。
【図14】 図14は従来の実屈折率型リッジストライ
プ半導体レーザ素子の模式構造図である。
【図15】 図15は上記従来の実屈折率型リッジスト
ライプ半導体レーザ素子の製造過程のうちの1つの工程
の模式断面図である。
【図16】 図16は上記従来の実屈折率型リッジスト
ライプ半導体レーザ素子の製造過程のうちの1つの工程
の模式断面図である。
【図17】 図17は上記従来の実屈折率型リッジスト
ライプ半導体レーザ素子の製造過程のうちの1つの工程
の模式断面図である。
【図18】 図18は上記従来の実屈折率型リッジスト
ライプ半導体レーザ素子の製造過程のうちの1つの工程
の模式断面図である。
【図19】 図19は上記従来の実屈折率型リッジスト
ライプ半導体レーザ素子の製造過程のうちの1つの工程
の模式断面図である。
【図20】 図20は上記従来の実屈折率型リッジスト
ライプ半導体レーザ素子の製造過程のうちの1つの工程
の模式断面図である。
【図21】 図21は上記従来の実屈折率型リッジスト
ライプ半導体レーザ素子の製造過程のうちの1つの工程
の模式断面図である。
【図22】 図22は上記従来の実屈折率型リッジスト
ライプ半導体レーザ素子の製造過程のうちの1つの工程
の模式断面図である。
【図23】 図23は上記従来の実屈折率型リッジスト
ライプ半導体レーザ素子の製造過程のうちの1つの工程
の模式断面図である。
【符号の説明】
1 n型GaAs基板 5 Al0.1Ga0.9As活性層 8 p型多層エッチング停止層 8a 第3エッチング停止層 8b 第1エッチング停止層 8c 第2エッチング停止層 9 p型Al0.5Ga0.5As第2上クラッド層 10 p型GaAsキャップ層 21 n型AlGaAs電流阻止層 23 リッジストライプ部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に、少なくとも、発光する
    活性層とエッチング停止層とが順次積層され、クラッド
    層とこのクラッド層を覆うキャップ層との積層からなっ
    て所定のパターン幅で共振器方向に延びる第2導電型の
    リッジストライプ部が上記エッチング停止層上に形成さ
    れると共に、上記リッジストライプ部を両側面側から挟
    むように第1導電型の電流阻止層が形成されている半導
    体レーザ素子において、 上記エッチング停止層は、 上記キャップ層を選択エッチング可能にする材料からな
    る第1ストップ層と、この第1ストップ層上に積層さ
    れ、上記クラッド層を選択エッチング可能にする材料か
    らなる第2ストップ層とを有することを特徴とする半導
    体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体レーザ素子にお
    いて、 上記クラッド層は上記第1ストップ層と同じ材料からな
    り、上記キャップ層は上記第2ストップ層と同じ材料か
    らなることを特徴とする半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の半導体レーザ素子にお
    いて、 上記エッチング停止層は、上記第1ストップ層下に設け
    られ、上記クラッド層を選択エッチング可能にする材料
    からなる第3ストップ層を有することを特徴とする半導
    体レーザ素子。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の半導体レーザ素子にお
    いて、 上記リッジストライプ部における共振器方向に対して垂
    直な断面では、上記キャップ層の上記クラッド層に接す
    る部分の幅が、上記クラッド層の上記キャップ層に接す
    る部分の幅よりも小さくなっていることを特徴とする半
    導体レーザ素子。
  5. 【請求項5】 半導体基板上に、少なくとも、発光する
    活性層とエッチング停止層とが順次積層され、クラッド
    層とこのクラッド層を覆うキャップ層との積層からなっ
    て所定のパターン幅で共振器方向に延びる第2導電型の
    リッジストライプ部が上記エッチング停止層上に形成さ
    れると共に、上記リッジストライプ部を両側面側から挟
    むように第1導電型の電流阻止層が形成されている半導
    体レーザ素子を製造する製造方法であって、 上記エッチング停止層として、上記キャップ層を選択エ
    ッチング可能にする材料からなる第1ストップ層と、上
    記クラッド層を選択エッチング可能にする材料からなる
    第2ストップ層とを順次積層する工程と、 上記エッチング停止層上に、上記クラッド層の材料とす
    べき第1材料層と、上記キャップ層の材料とすべき第2
    材料層とを順次積層する工程と、 上記第1,第2材料層のうち上記リッジストライプ部よ
    りも広い領域を残して、その領域の両側に相当する部分
    をエッチングして除去する工程と、 上記第1材料層のうち残された領域の側部を、上記第2
    ストップ層を用いて選択エッチングすることにより、上
    記リッジストライプ部をなす上記クラッド層を得る工程
    と、 上記第2材料層のうち残された領域の側部を、上記第1
    ストップ層を用いて選択エッチングすることにより、上
    記リッジストライプ部をなす上記キャップ層を得る工程
    と、 上記クラッド層および上記キャップ層を両側面側から挟
    むように第1導電型の電流阻止層を形成する工程とを備
    えたことを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法。
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