JP2001223438A - 半導体レーザ素子の製造方法 - Google Patents

半導体レーザ素子の製造方法

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JP2001223438A
JP2001223438A JP2000031845A JP2000031845A JP2001223438A JP 2001223438 A JP2001223438 A JP 2001223438A JP 2000031845 A JP2000031845 A JP 2000031845A JP 2000031845 A JP2000031845 A JP 2000031845A JP 2001223438 A JP2001223438 A JP 2001223438A
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Saburo Yamamoto
三郎 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層構造中の空洞に起因する特性のばらつき
のない半導体レーザ素子の製造方法を提供すること。 【解決手段】 n−GaAs基板1上に、n−GaAs
バッファ層4、n−AlGaAs第1クラッド層5、A
lGaAs活性層6、p−AlGaAs第2下側クラッ
ド層7、GaAsエッチング停止層10、p−AlGa
As第2上側クラッド層11、p−GaAsキャップ層
12、およびAl0.6Ga0.4As成長防止層25を積層
した(a)後、この積層構造体にストライプ状のメサ部
15を形成する(b),(c)。次に、レジスト膜26
を全て除去した後、キャップ層12の両側領域に残った
ひさし部30を、高真空のMBE装置内で蒸発させて消
失した(d)後、電流阻止層18をMBE成長する。上
記ひさし部30が無いので、空洞のない積層構造体を形
成でき、安定した性能の半導体レーザ素子を得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CD(コンパクトディ
スク)、CD−ROM(読出専用コンパクトディスク記
憶媒体)、CD−R(書込可能コンパクトディスク記憶
媒体)等の光ディスクを読み書きする光ディスク装置に
使用され、高出力時においても基本横モードで安定に発
振するリッジストライプ型レーザ素子の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図5は従来の横モード制御型のAlGa
As(アルミニウムガリウム砒素)系リッジストライプ
型レーザ素子の断面図である。図中51はn−GaAs
(n型ガリウム砒素)基板であり、下側にn側電極52
を有する。このn−GaAs基板51上には、n−Ga
Asバッファ層53、n−AlGaAs(n型アルミニ
ウムガリウム砒素)第1クラッド層55、AlGaAs
活性層(または量子井戸層)56、p−AlGaAs
(p型アルミニウムガリウム砒素)第2クラッド層5
7、p−GaAs(p型ガリウム砒素)キャップ層59
が順に積層されており、ダブルヘテロ接合構造を形成し
ている。さらに、上記p‐AlGaAs第2クラッド層
57にはリッジ状のメサ部61を形成しており、この第
2クラッド層57の上側におけるメサ部61の両側領域
62,62には、n−GaAs電流阻止層65を設け
て、自己整合的に電流狭窄と光導波作用をなすようにし
ている。上記p−GaAsキャップ層59およびn−G
aAs電流阻止層65の上側全面には、p‐GaAsコ
ンタクト層66を設けて、さらにその上に、p側電極7
0を設置している。
【0003】上記構成の半導体レーザ素子はリッジスト
ライプ型レーザと呼ばれ、通常、MOCVD(有機金属
気相成長)法により製造される。以下、上記リッジスト
ライプ型レーザ素子の製造方法を簡単に説明する。ま
ず、1回目のMOCVD成長によって、n−GaAs基
板51上に、n−GaAsバッファ層53からp−Ga
Asキャップ層59までの5層を順次形成する。続い
て、上記p−GaAsキャップ層59上に、写真蝕刻に
よって幅5μmのSiO2膜形成してストライプ状マス
ク(図示せず)と成す。そして、例えば硫酸系のエッチ
ャントによって、上記ストライプ状マスクを設置した部
分以外において、p−GaAsキャップ層59と、p‐
AlGaAs第2クラッド層57の厚さ方向の途中まで
とをエッチングして、ストライプ状のメサ部61を形成
する。その場合、このメサ部61の両側領域62,62
におけるp−AlGaAs第2クラッド層57の厚さd
は、通常0.2〜0.3μmとなるようにエッチングす
る。次いで2回目のMOCVD成長によって、p−Al
GaAs第2クラッド層57における上記ストライプ状
マスクを配置した部分以外の部分、つまり、メサ部61
の両側面およびメサ部61の両側領域62,62の表面
に、n−GaAs電流阻止層65を選択的に形成する。
その後、上記ストライプ状マスクを除去した後、3回目
のMOCVD成長によって、p−GaAsキャップ層5
9およびn−GaAs電流阻止層65の上の全面に、p
−GaAsコンタクト層66を形成する。最後に、この
コンタクト層66の上にp側電極70を形成する一方、
n−GaAs基板51の下にn側電極52を形成して、
図5に示す構造の半導体レーザ素子が完成する。
【0004】上記p−GaAsキャップ層59は、3回
目のMOCVD成長によって形成するp−GaAsコン
タクト層66が、p‐AlGaAs第2クラッド層57
のメサ部61上にも良好に成長するために設けている。
【0005】上記構造の半導体レーザ素子は、電流狭窄
をn−GaAs電流阻止層65によるpnpn接合で行
う。一方、横モード制御は、段差を有するp−AlGa
As第2クラッド層57のメサ部61の両側領域62,
62において、n−GaAs電流阻止層65による光吸
収ロスで屈折率分布を形成することにより行う。
【0006】しかし、上記リッジストライプ型レーザ素
子は、製造工程において以下の欠点がある。p−AlG
aAs第2クラッド層57を厚さ方向の途中までエッチ
ングしてストライプ状のメサ部61を形成する際、メサ
部61の両側領域62,62に位置するp−AlGaA
s第2クラッド層57の厚さdは、上記エッチングの時
間で決まる。ところが、エッチャントが上記p−AlG
aAs第2クラッド層57の表面に接触する際に、同一
ウエハ内であっても場所によって僅かな時間差が生じた
場合には、エッチング時間がばらつくために、p−Al
GaAs第2クラッド層57の厚さdがウェハ内でばら
つくことになる。また、ウエハが異なると、ウエハ毎の
エッチング時間が僅かに異なるために、p−AlGaA
s第2クラッド層57の厚さdがウエハ間でばらつくこ
とになる。その場合には、上記メサ部61の両側領域6
2,62におけるp−AlGaAs第2クラッド層57
の屈折率分布形態もばらつくことになり、結果的に横モ
ード制御がばらついて、ファーフイールドパターンやし
きい値電流等の特性がばらついてしまうことになる。
【0007】この問題を解決するために、図6に示す構
造を有するリッジストライプ型レーザ素子が提案されて
いる。図6において、図5に示すリッジストライプ型レ
ーザ素子と同様の機能を有する部分には、同じ参照番号
を付している。図6に示す構造を有するリッジストライ
プ型レーザ素子は、メサ部61の下側に位置するp−A
lGaAs第2下側クラッド層57の厚さdを制御性良
くエッチングするために、p−AlGaAs第2下側ク
ラッド層57の上にp−GaAsエッチング停止層72
を設けている。このエッチング停止層72は、フッ酸系
エッチャントはAlGaAsのみをエッチングしてGa
Asは全くエッチングしないという選択性を利用して、
p−AlGaAs第2上側クラッド層58に対するエッ
チングを精度良く停止させる層である。そして、このp
−GaAsエッチング停止層72の上に、p−AlGa
As第2上側クラッド層58によるメサ部61を形成し
ている。
【0008】図6に示す半導体レーザ素子の製造方法を
簡単に説明する。
【0009】図5に示す半導体レーザ素子の製造方法と
同様に、まず、MOCVD成長によって、n−GaAs
基板51上に、n−GaAsバッファ層53からAlG
aAs活性層(または量子井戸層)56までの3層を順
次形成する。次に、その上にp−AlGaAs第2下側
クラッド層57を最適な厚さdでMOCVD成長した後
に、p−GaAsエッチング停止層72を形成する。さ
らに、この上にp−AlGaAs第2上側クラッド層5
8、p−GaAsキャップ層59を順次形成する。次
に、上記p−GaAsキャップ層59上に、ストライプ
状マスク(図示せず)を形成する。そして、硫酸系のエ
ッチャントによって、p−GaAsキャップ層59とp
‐AlGaAs第2上側クラッド層58の厚さ方向の途
中までとをエッチングする。次に、フッ酸系エッチャン
トを用いて、p‐AlGaAs第2上側クラッド層58
をp−GaAsエッチング停止層72までエッチングし
て、メサ部61を形成する。その後、上記ストライプ状
マスクを配置していないp−AlGaAs第2上側クラ
ッド層58のメサ部61の両側面と、このメサ部61の
両側領域62,62のp−GaAsエッチング停止層7
2の上側面とに、n−GaAs電流阻止層65を選択的
に形成する。次に、上記ストライプ状マスクを除去し
て、p−GaAsキャップ層59およびn−GaAs電
流阻止層65の上の全面に、p−GaAsコンタクト層
66を形成する。最後に、このコンタクト層66の上に
p側電極70を形成する一方、n−GaAs基板51の
下にn側電極52を形成して、半導体レーザ素子が完成
する。
【0010】この半導体レーザ素子の製造方法は、メサ
エッチングの際に、フッ酸系エッチャントによるエッチ
ングが確実にp−GaAsエッチング停止層72で止ま
り、また、あらかじめp−AlGaAs第2下側クラッ
ド層57の厚さが最適な厚さdに設定されているので、
エッチング時間のばらつきによるp−AlGaAs第2
下側クラッド層57の厚さdのばらつきが生じない。こ
のp−GaAsエッチング停止層72は、上記メサ部6
1の下側にも存在するが、このp−GaAsエッチング
停止層72の厚さは30〜50オングストロームと薄い
ので、光吸収は無視できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に
示す構造の半導体レーザ素子の製造方法は、以下のよう
な欠点がある。
【0012】p−AlGaAs第2上側クラッド層58
をフッ酸系エッチャントでメサエッチングしてメサ部6
1を形成する際、p‐GaAsキャップ層59はエッチ
ングされないのに対して、硫酸エッチャントによるエッ
チングで形成されたメサ部61の側面はエッチングされ
るために、図6に示すように、p‐GaAsキャップ層
59の両端部が、ひさし部75として残る。このこのひ
さし部75を残したまま、n−GaAs電流阻止層65
をMOCVD成長すると、ひさし部75直下の部分がG
aAsで完全に埋まらないで、空洞76が形成される場
合がある。この空洞76は半導体レーザ素子の特性のば
らつきを引き起こす原因となる。
【0013】そこで、本発明の目的は、メサ部61両側
に生ずる空洞76が原因である特性のばらつきのない半
導体レーザ素子の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明の半導体レーザ素子の製造方法は、リッ
ジストライプ型半導体レーザ素子の製造方法であって、
半導体基板上に、MBE(分子線エピタキシー)法によ
って、第1クラッド層,活性層,第2クラッド層およびキ
ャップ層を順次積層し、ホトリソグラフィ技術およびエ
ッチング技術を用いて、上記第2クラッド層およびキャ
ップ層をリッジ状ストライプの形状にパターニングして
積層構造体を得、この積層構造体をMBE装置内におい
て高真空下で加熱し、上記パターニングの際に上記第2
クラッド層の上面からひさし状に突出して残った上記キ
ャップ層のひさし部を蒸発させて除去し、上記MBE装
置内において、MBE法によって、上記第2クラッド層
の両側領域および上記第2クラッド層の両側面に電流阻
止層を形成することを特徴としている。
【0015】上記構成によれば、MBE法によって形成
した積層構造体において、MBE法によって電流阻止層
を形成する前に、キャップ層のひさし部をMBE装置内
で蒸発して除去するようにしている。そのため、上記ひ
さし部の下に空洞が形成されることを回避して、特性の
ばらつきがない安定した性能の半導体レーザ素子が得ら
れる。
【0016】さらに、MBE装置内で上記キャップ層の
ひさし部を除去した後に、上記積層構造体を他の装置に
移動することなく、引き続いて上記MBE装置内でMB
E法で電流阻止層を形成するようにしている。したがっ
て、材料の移動が少なく、簡単な手順で安定した性能の
半導体レーザ素子が得られる。
【0017】また、第2の発明の半導体レーザ素子の製
造方法は、リッジストライプ型半導体レーザ素子の製造
方法であって、半導体基板上に、MOCVD法によっ
て、第1クラッド層,活性層,第2クラッド層およびキャ
ップ層を順次積層し、ホトリソグラフィ技術およびエッ
チング技術を用いて、上記第2クラッド層およびキャッ
プ層をリッジ状ストライプの形状にパターニングして積
層構造体を得、この積層構造体をMBE装置内において
高真空下で加熱し、上記パターニングの際に上記第2ク
ラッド層の上面からひさし状に突出して残った上記キャ
ップ層のひさし部を蒸発させて除去し、上記MBE装置
内において、MBE法によって、上記第2クラッド層の
両側領域および上記第2クラッド層の両側面に電流阻止
層を形成することを特徴としている。
【0018】上記構成によれば、MOCVD法によって
形成した積層構造体において、上記第1の発明の場合と
同様に、上記ひさし部の下に空洞が形成されることを回
避して、特性のばらつきがない安定した性能の半導体レ
ーザ素子が得られる。さらに、上記第1の発明の場合と
同様に、材料の移動が少なく、簡単な手順で安定した性
能の半導体レーザ素子が得られる。
【0019】また、本発明の1実施形態による半導体レ
ーザ素子の製造方法は、上記半導体基板がGaAsで形
成され、上記クラッド層および活性層がAlGaAsで
形成され、上記キャップ層がGaAsで形成され、電流
阻止層がGaAsで形成されていることを特徴としてい
る。
【0020】この実施形態によれば、特性のばらつきが
ない安定した性能を有し、かつ、GaAs電流阻止層に
よって実効屈折率分布が形成されたAlGaAs系の実
効屈折率動波路型半導体レーザ素子が得られる。
【0021】また、本発明の1実施形態による半導体レ
ーザ素子の製造方法は、上記半導体基板がGaAsで形
成され、上記クラッド層および活性層がAlGaAsで
形成され、上記キャップ層がGaAsで形成され、電流
阻止層がAlGaAsで形成されていることを特徴とし
ている。
【0022】この実施形態によれば、特性のばらつきが
ない安定した性能を有し、かつ、AlGaAs電流阻止
層によって実屈折率分布が形成されたAlGaAs系の
実屈折率動波路型半導体レーザ素子が得られる。
【0023】また、本発明の1実施形態による半導体レ
ーザ素子の製造方法は、上記電流阻止層を形成するに先
立って、上記キャップ層上に、上記電流阻止層の成長を
防止する成長防止層を形成することを特徴としている。
【0024】この実施形態によれば、第2クラッド層上
に電流阻止層を形成する際に、キャップ層上に形成され
た成長防止層上には上記電流阻止層は成長しないので、
上記第2クラッド層であるリッジ状ストライプの両側面
および両側領域のみに電流阻止層が形成される。
【0025】また、本発明の1実施形態による半導体レ
ーザ素子の製造方法は、上記成長防止層を除去した後、
上記キャップ層および電流阻止層の上に、コンタクト層
を形成することを特徴としている。
【0026】この実施形態によれば、コンタクト層を成
長する前の積層構造体におけるリッジ状ストライプの形
状を有する上記第2クラッド層の側面は、略均一な厚さ
の上記電流阻止層で覆われているので、上記コンタクト
層を形成する際に空洞が形成されることがない。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。 (第1実施の形態)図1は、本実施の形態の半導体レー
ザ素子の製造方法によって製造されたリッジストライプ
型半導体レーザ素子の構造を示す断面図である。この半
導体レーザ素子は、n−GaAs基板1上に、n−Ga
Asバッファ層4、n−AlGaAs第1クラッド層
5、AlGaAs活性層(または量子井戸層)6、p−
AlGaAs第2下側クラッド層7、GaAsエッチン
グ停止層10、p−AlGaAs第2上側クラッド層1
1、p−GaAsキャップ層12が順に積層されてお
り、ダブルヘテロ接合構造を形成している。上記p‐A
lGaAs第2上側クラッド層11はリッジ状のメサ部
15を形成しており、このメサ部15両側の平坦部1
6,16における第2下側クラッド層7の上側と、メサ
部15の側面とに接して、n−GaAs電流阻止層18
を設けている。上記p−GaAsキャップ層12および
n−GaAs電流阻止層18の上側全面には、p‐Ga
Asコンタクト層19を設け、さらにその上に、p側電
極21を設置している。一方、n−GaAs基板1の下
側にはn側電極22を配設している。
【0028】上記構成を有する半導体レーザ素子の製造
方法を、図2および3に示す工程別断面図に沿って説明
する。
【0029】まず、面方位(100)のn−GaAs基
板1上に、MBE装置を用いて、n−GaAsバッファ
層4(厚さ0.5μm)、n−Al0.5Ga0.5As第1
クラッド層5(1μm)、Al0.14Ga0.86As活性層
6(0.05μm)、p−Al0.5Ga0.5As第2下側
クラッド層7(0.2μm)、p‐GaAsエッチング
停止層10(50Å)、p−Al0.5Ga0.5As第2上
側クラッド層11(1μm)、p‐GaAsキャップ層
12(500Å)、Al0.6Ga0.4As成長防止層25
(0.2μm)を、順次結晶成長して積層する。その
後、表面にレジスト膜26を約2000Åの厚さに塗布
する(図2(a))。
【0030】次に、上記レジスト膜26を写真蝕刻法に
よって幅6μmのストライプ状にパターニングした後、
GaAsとAlGaAsとの間で選択性のない硫酸系エ
ッチング液を用いて、ストライプ状レジスト膜26が被
覆していない部分のAl0.6Ga0.4As成長防止層25
と、p‐GaAsキャップ層12と、p−Al0.5Ga
0.5As第2上側クラッド層11の途中までとをエッチ
ングして、ストライプ状のメサ部15を形成する(図2
(b))。
【0031】さらに、図2(b)の工程において途中ま
でエッチングされたp‐Al0.5Ga0.5As第2上側ク
ラッド層11のレジスト膜26で被覆されていない部分
を、フッ酸系エッチング液を用いて、p−GaAsエッ
チング停止層10が現れるまで全てエッチングする。こ
のとき、p−Al0.5Ga0.5As第2上側クラッド層1
1の側面およびAl0.6Ga0.4As成長防止層25の側
面もエッチングされ、p−GaAsキャップ層12とレ
ジスト膜26との両側領域が、ひさし部30として残る
(図2(c))。
【0032】この段階で、p−Al0.5Ga0.5As第2
上側クラッド層11のメサ部15下端の幅wは4μmと
なる。図2(b)と図2(c)との工程で、硫酸系エッ
チングとフッ酸系エッチングの2段階に分けてエッチン
グを行う理由は、上記メサ部15下端の幅wを制御良く
形成するためである。
【0033】また、上記p−GaAsエッチング停止層
10は、所望の横モード制御に対応する最適な厚さd
(図1参照)にあらかじめ形成されたp−Al0.5Ga
0.5As第2下側クラッド層7上に積層されている。し
たがって、上記フッ酸系エッチャントによるエッチング
の際に、上記第2下側クラッド層7は、上記エッチング
停止層10に保護されてエッチングされず、予め設定さ
れた厚さdを保つことができる。その結果、この第2下
側クラッド層7の厚さdが、同一のウエハ内および異な
るウェハ間においてばらつくことがない。すなわち、第
2下側クラッド層7における実効屈折率差または実屈折
率差を同一のウエハ内および異なるウェハ間において均
一に再現でき、安定した性能を有する半導体レーザ素子
を製造できるのである。
【0034】次に、上記レジスト膜26を全て除去した
後、高真空のMBE装置内で基板温度を720℃以上に
加熱することにより、高真空中に露出したp‐GaAs
キャップ層12のひさし部30と、メサ部15両側の平
坦部16,16に位置するp‐GaAsエッチング停止
層10とを、蒸発させて除去する(図2(d))。
【0035】その後、基板温度を620℃程度まで下
げ、図2(d)に示す構造の上に、n−GaAs電流阻
止層18をMBE成長する。このn−GaAs電流阻止
層18は、メサ部15の両側に位置する平坦部16,1
6上において0.7μmの厚さに成長させる。このと
き、上記電流阻止層18としてのn−GaAsは、メサ
部15の両側面には成長するが、メサ部15上のAl
0.6Ga0.4As成長防止層25の上面には成長しない
(図3(e))。なぜならば、上記成長防止層25の表
面は空気中で酸化されているので、MBE成長が起こら
ないからである。
【0036】次に、メサ部15上のAl0.6Ga0.4As
成長防止層25を、フッ酸によりエッチング除去する
(図3(f))。
【0037】そして、LPE法により、図3(f)に示
す構造を有するウエハー上面に、n−GaAsコンタク
ト層19(約40μm)を成長する。このコンタクト層
19のLPE成長前のウェハ表面は、キャップ層12お
よび電流阻止層18のGaAsが露出しているので、こ
のウェハ表面にGaAsが良好に成長して、穴などの欠
陥のない良好なコンタクト層19が得られる(図3
(g))。
【0038】次に、n−GaAs基板1の下面を研磨
し、これまでの工程で形成した積層構造を有するウェハ
ー全体の厚さを120μmにした後、上記コンタクト層
19の上面と上記n−GaAs基板1の下面とに、p側
電極21とn側電極22とを形成する(図3(h))。
【0039】最後に、共振器長が500μmになるよう
にウェハーをへき開した後、電子ビーム蒸着によって光
出射端面にAl23保護膜を形成して低反射率(約5
%)にする一方、後端面にはAl23/a−Siの多層
膜を形成して高反射率(約95%)にして、本発明の半
導体レーザ素子の製造方法によるリッジストライプ型半
導体レーザ素子が完成する。
【0040】本実施の形態による半導体レーザ素子のメ
サ部15への電流狭窄は、n−GaAs電流阻止層18
によるpnpn構造によって行う一方、横モード制御は
n−GaAs電流阻止層18での光吸収ロスによる実効
屈折率分布によって行う。
【0041】本実施の形態による半導体レーザ素子の特
性については、発振波長780mn、しきい値電流35
mA、光出力120mWまでキンクフリーであった。ま
た、この半導体レーザ素子を、雰囲気温度70℃の環境
で光出力60mWで継続して発光させて信頼性試験を行
った。その結果、3000時間の発光時間に亘って特性
劣化は見られなかった。 (第2実施の形態)図4は、本実施の形態の半導体レー
ザ素子の製造方法によって製造された半導体レーザ素子
の構造を示す断面図であり、第1実施の形態における半
導体レーザ素子と同一の機能を有する部分には同一の参
照番号を付している。第2実施の形態による構造におけ
る第1実施の形態による構造と異なる点は、電流阻止層
18が、n−GaAs電流阻止層18aとn−A10.7
Ga0.3As電流阻止層18bとの2種類の材料によっ
て2層で構成されていることである。上記n−Al0.7
Ga0.3As電流阻止層18bは、メサ部15の内部お
よび外部に実屈折率分布を形成する。上記n−GaAs
電流阻止層18aは、n−Al0.7Ga0.3As電流阻止
層18bの表面の酸化を防止すると共に、n−GaAs
コンタクト層19の成長を良好にする役割を果たす。こ
の第2実施の形態の製造方法は、図2および3で示す第
1実施の形態の製造方法における図3(e)の工程で、
n−GaAs電流阻止層18のMBE成長の前にn−A
0.7Ga0.3Asを成長させて電流阻止層18bを形成
する点のみが、異なる。
【0042】上記第2実施の形態による半導体レーザ素
子の特性については、発振波長780nm、しきい値電
流25mA、光出力180mWまでキンクフリーであっ
た。また、雰囲気温度70℃の環境で光出力100mW
で継続発光させて信頼性試験を行ったところ、3000
時間の発光時間に亘って特性劣化が見られなかった。
【0043】以上のように、上記各実施の形態による半
導体レーザ素子は特性が均一であり、特に50mW以上
の高出力での信頼性に優れていることが分かる。
【0044】上記各実施の形態において、n−GaAs
基板1上に、MBE装置を用いて、n−GaAsバッフ
ァ層4、n−Al0.5Ga0.5As第1クラッド層5、A
0. 14Ga0.86As活性層6、p−Al0.5Ga0.5As
第2下側クラッド層7、p‐GaAsエッチング停止層
10、p−Al0.5Ga0.5As第2上側クラッド層1
1、p‐GaAsキャップ層12、およびAl0.6Ga
0.4As成長防止層25を順次結晶成長して積層した
が、上記積層構造の積層方法はMBE法に限らず、例え
ばMOCVD法によって積層してもよい。
【0045】
【発明の効果】以上より明らかなように、この発明によ
れば、MBE法あるいはMOCVD法によって形成され
た積層構造を有するリッジストライプ型半導体レーザ素
子の製造方法において、MBE法によって電流阻止層を
形成する前に、MBE装置内で積層構造体を高真空中で
加熱して、エッチングによって第2クラッド層をリッジ
状ストライプの形状にパターニングする際に発生したキ
ャップ層のひさし部を蒸発させて除去するので、後に電
流阻止層およびコンタクト層を形成する際に上記ひさし
部の下に空洞が形成されることを回避できる。したがっ
て、特性のばらつきがない安定した性能の半導体レーザ
素子を製造できる。
【0046】また、この発明によれば、MBE装置内で
上記キャップ層のひさし部を除去した後に、同じMBE
装置内で、引き続いて電流阻止層をMBE法によって形
成するので、簡単な手順で安定した性能の半導体レーザ
素子を製造できる。
【0047】また、この発明の1実施形態によれば、上
記電流阻止層がGaAsで形成されてなる実効屈折率動
波路型半導体レーザ素子、あるいは、上記電流阻止層が
AlGaAsで形成されてなる実屈折率動波路型半導体
レーザ素子を製造する際に、MBE法によって電流阻止
層を形成する前に、キャップ層のひさし部をMBE装置
内で蒸発して除去するので、特性のばらつきがない安定
した性能の実効屈折率動波路型半導体レーザ素子あるい
は実屈折率動波路型半導体レーザ素子を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施の形態によるAlGaAs
系半導体レーザ素子の断面図である。
【図2】(a),(b),(c),(d) 図1に示す
第1実施の形態の半導体レーザ素子の製造方法を示す工
程断面図である。
【図3】(e),(f),(g),(h) 図1に示す
第1実施の形態の半導体レーザ素子の製造方法を示す工
程断面図であり、図2に示した工程に続く工程断面図で
ある。
【図4】 本発明の第2実施の形態によるAlGaAs
系半導体レーザ素子の断面図である。
【図5】 従来の製造方法による半導体レーザ素子の断
面図である。
【図6】 従来の製造方法による半導体レーザ素子の断
面図である。
【符号の説明】
1 n−GaAs基板 4 n−GaAsバッファ層 5 n−AlGaAs第1クラッド層 6 AlGaAs活性層(または量子井戸層) 7 p−AlGaAs第2下側クラッド層 10 p−GaAsエッチング停止層 11 p−AlGaAs第2上側クラッド層 12 p−GaAsキャップ層 15 メサ部 16 平坦部 18 n−GaAs電流阻止層 18a n−GaAs電流阻止層 18b n−Al0.7Ga0.3As電流阻止層 19 p‐GaAsコンタクト層 21 p側電極 22 n側電極 25 Al0.6Ga0.4As成長防止層 26 レジスト膜 30 ひさし部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リッジストライプ型半導体レーザ素子の
    製造方法であって、半導体基板上に、分子線エピタキシ
    ー法によって、第1クラッド層,活性層,第2クラッド層
    およびキャップ層を順次積層し、 ホトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、
    上記第2クラッド層およびキャップ層をリッジ状ストラ
    イプの形状にパターニングして積層構造体を得、 この積層構造体を分子線エピタキシー装置内において高
    真空下で加熱し、上記パターニングの際に上記第2クラ
    ッド層の上面からひさし状に突出して残った上記キャッ
    プ層のひさし部を蒸発させて除去し、 上記分子線エピタキシー装置内において、分子線エピタ
    キシー法によって、上記第2クラッド層の両側領域およ
    び上記第2クラッド層の両側面に電流阻止層を形成する
    ことを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 リッジストライプ型半導体レーザ素子の
    製造方法であって、 半導体基板上に、有機金属気相成長法によって、第1ク
    ラッド層,活性層,第2クラッド層およびキャップ層を順
    次積層し、 ホトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、
    上記第2クラッド層およびキャップ層をリッジ状ストラ
    イプの形状にパターニングして積層構造体を得、 この積層構造体を分子線エピタキシー装置内において高
    真空下で加熱し、上記パターニングの際に上記第2クラ
    ッド層の上面からひさし状に突出して残った上記キャッ
    プ層のひさし部を蒸発させて除去し、 上記分子線エピタキシー装置内において、分子線エピタ
    キシー法によって、上記第2クラッド層の両側領域およ
    び上記第2クラッド層の両側面に電流阻止層を形成する
    ことを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の半導体レーザ
    素子の製造方法において、 上記半導体基板はGaAsで形成され、 上記クラッド層および活性層はAlGaAsで形成さ
    れ、 上記キャップ層はGaAsで形成され、 上記電流阻止層はGaAsで形成されていることを特徴
    とする半導体レーザ素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の半導体レーザ
    素子の製造方法において、 上記半導体基板はGaAsで形成され、 上記クラッド層および活性層はAlGaAsで形成さ
    れ、 上記キャップ層はGaAsで形成され、 上記電流阻止層はAlGaAsで形成されていることを
    特徴とする半導体レーザ素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載の半導体レーザ
    素子の製造方法において、 上記電流阻止層の形成に先立って、上記キャップ層上
    に、上記電流阻止層の成長を防止する成長防止層を形成
    することを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の半導体レーザ素子の製
    造方法において、 上記成長防止層を除去した後、上記キャップ層および電
    流阻止層の上に、コンタクト層を形成することを特徴と
    する半導体レーザ素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載の半導体レーザ素子の製
    造方法において、 上記電流阻止層の形成に先立って、上記キャップ層上
    に、電流阻止層の成長を防止するAlGaAs成長防止
    層を形成し、 上記AlGaAs成長防止層をフッ酸系エッチング液で
    除去した後、GaAsコンタクト層を液相エピタキシー
    法によって形成することを特徴とする半導体レーザ素子
    の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003218465A (ja) * 2002-01-22 2003-07-31 Sharp Corp ストライプ導波構造型半導体レーザ素子及びその製造方法
JP2003318490A (ja) * 2002-04-25 2003-11-07 Sharp Corp 半導体レーザ素子およびその製造方法
JP2005005452A (ja) * 2003-06-11 2005-01-06 Sharp Corp 半導体レーザ用エピタキシャルウエハおよびその用途
CN100391068C (zh) * 2004-10-29 2008-05-28 夏普株式会社 半导体激光元件的制造方法

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