JP2001267689A - 半導体レーザ素子 - Google Patents

半導体レーザ素子

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JP2001267689A
JP2001267689A JP2000074471A JP2000074471A JP2001267689A JP 2001267689 A JP2001267689 A JP 2001267689A JP 2000074471 A JP2000074471 A JP 2000074471A JP 2000074471 A JP2000074471 A JP 2000074471A JP 2001267689 A JP2001267689 A JP 2001267689A
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gaas
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Takeshi Osato
毅 大郷
Toshiaki Fukunaga
敏明 福永
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発振波長が0.9μm〜1.1μmの半導体レーザ
素子において、高出力まで基本横モード発振を可能にす
る。 【解決手段】 n-GaAs基板11上にn-Alx1Ga1-x1Asクラッ
ド層12、nあるいはi-Inx2Ga1-x2As1-y2Py2光導波層1
3、圧縮歪Inx3Ga1-x3As1-y3Py3量子井戸活性層14、pあ
るいはi-Inx2Ga1-x2As1-y2Py2光導波層15、p-GaAsエッ
チング阻止層16、n-InGaPエッチング阻止層17、n-Alx4G
a1-x4As電流狭窄層18、n-GaAsキャップ層19を積層す
る。この上に、SiO2膜20を形成し、3μm程度の幅のス
トライプ領域のSiO2膜20を除去し、SiO2膜20をマスクと
してn-GaAsキャップ層19およびn-Alx4Ga1 -x4As電流狭窄
層18をエッチングする。SiO2膜20を除去し、溝底面のn-
InGaPエッチング阻止層17をエッチングする。その後、p
-Alx1Ga1-x1Asクラッド層21、p-GaAsコンタクト層22を
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ素子
に関し、特に、内部狭窄構造と屈折率導波機構を備えた
半導体レーザ素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、発振波長が0.9μmから
1.1μmの半導体レーザ装置において、基本横モード
を得るために、結晶層の内部に電流狭窄層と屈折率導波
機構を設けることが広くなされている。例えば、0.9
8μm帯の半導体レーザ装置として、1995年発行のIEEE
Journal of selected Topics in Quantum Electronic
s,Vol.1,No.2 pp.102において、n−GaAs基板上に
n−Al0.48Ga0.52As下部クラッド層、アンドープ
Al0.2Ga0.8As光導波路、Al0.2Ga0.8As/I
0.2Ga0.8As二重量子井戸活性層、アンドープAl
0.2Ga0.8As光導波層、p−Al0.48Ga0.52As上
部第一クラッド層、p−Al0.67Ga0.33Asエッチン
グ阻止層、p−Al0.48Ga0.52As上部第二クラッド
層、p−GaAsキャップ層、絶縁膜を積層し、通常の
フォトリソグラフィにより、選択エッチングを利用し
て、p−Al0.67Ga0.33Asエッチング阻止層までの
狭ストライプのリッジ構造を形成し、そのリッジ構造の
両サイドをClガスのアシストによる選択MOCVD成
長によりn−Al0.7Ga0.3Asとn−GaAsを埋め
込み、絶縁膜を除去した後、p−GaAsを積層した電
流狭窄と屈折率導波機構を作り付けたことを特徴とする
基本横モード発振する半導体レーザ装置が報告されてい
る。この装置においては、酸化されやすいAl組成の高
い上部第一クラッド層の上に選択成長の困難なAlGa
As上部第二クラッド層を再成長するということが非常
に難しいという問題がある。
【0003】また、0.98−1.02μm帯の半導体
レーザ装置として、1993年発行のIEEE Journal of Quan
tum Electronics Vol.29,No.6 pp.1936において、n−
GaAs基板上にn−Al0.4Ga0.6As下部クラッド
層、アンドープAl0.2Ga0 .8As光導波層、GaAs
/InGaAs二重量子井戸活性層、アンドープAl
0.2Ga0.8As光導波層、p−Al0.4Ga0.6As上部
クラッド層、p−GaAsキャップ層、絶縁膜を積層
し、通常のフォトリソグラフィにより選択エッチングを
利用して、p−Al0.4Ga0.6As上部クラッド層の途
中まで狭ストライプのリッジ構造を形成し、そのリッジ
構造の両サイドを選択MOCVD成長により、n−In
0.5Ga0.5Pとn−GaAsで埋め込み、絶縁膜を除去
した後電極を形成した、電流狭窄と屈折率導波機構を作
り付けたことを特徴とする基本横モード発振する半導体
レーザ装置が報告されている。この装置においては、酸
化されやすいAl組成の高い上部クラッド層の上にV族
組成の違うInGaPを再成長するということが非常に
難しいという問題がある。
【0004】さらに、0.98μm帯のオールAlフリ
ー半導体レーザ装置として、1995年発行のIEEE Journal
of selected Topics in Quantum Electronics,Vol.1,N
o.2pp.189において、n−GaAs基板上に、n−In
GaPクラッド層、アンドープInGaAsP光導波
層、InGaAsP引っ張り歪み障壁層、InGaAs
二重量子井戸活性層、InGaAsP引っ張り歪み障壁
層、アンドープInGaAsP光導波層、p−InGa
P上部第一クラッド層、p−GaAs光導波層、p−I
nGaP上部第二クラッド層、p−GaAsキャップ
層、絶縁膜を積層し、通常のフォトリソグラフィにより
選択エッチングを利用してp−InGaP上部第一クラ
ッド層の上部までの狭ストライプのリッジ構造を形成
し、そのリッジ構造の両サイドを選択MOCVD成長に
より、n−In0.5Ga0.5Pで埋め込み、絶縁膜を除去
したp−GaAsコンタクト層を形成した、電流狭窄層
と屈折率導波機構を作り付けたことを特徴とする基本横
モード発振する半導体レーザが報告されている。この装
置においては、活性層の歪みを補償することにより、良
好な信頼性が得られている。しかし、リッジ幅の制御性
が悪いためにキンクレベルが150mW程度と低い。
【0005】一方、0.8μmの半導体レーザ装置とし
て、1993年発行のIEEE Journal ofquantum Electronic
s,Vol.29,No6 pp1889において、n−GaAs基板に、
n−AlGaAs下部クラッド層、AlGaAs/Ga
As三重量子井戸活性層、p−AlGaAs上部第一ク
ラッド層、n−AlGaAs電流狭窄層、n−AlGa
As保護層を積層し、通常のフォトリソグラフィにより
選択エッチングを利用して、n−AlGaAs電流狭窄
層を突き抜けるまでの狭ストライプの溝を形成し、その
上にp−AlGaAs上部第二クラッド層と、p−Ga
Asコンタクト層を形成したことを特徴とする基本横モ
ード発振する内部ストライプ構造の半導体レーザ装置が
報告されている。この装置においては、溝幅の制御性が
高く、n−AlGaAs電流狭窄層とp−AlGaAs
上部第二クラッド層との屈折率差により高い光出力まで
基本横モード発振が得られているが、製造方法におい
て、酸化されやすいAlGaAs上へのAlGaAsの
再成長が難しいという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、発振波
長が0.9μm〜1.1μmで内部電流狭窄構造を有す
る半導体レーザにおいて、電流狭窄層を形成した後、上
層を再成長する際、再成長界面にAlを含んでいると、
Alが酸化され再成長が難しいという問題、あるいは再
成長できてもその界面に欠陥が生じるという問題があっ
た。
【0007】本発明は上記事情に鑑みて、高出力下にお
いても基本横モード発振する信頼性の高い半導体レーザ
素子を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザ素
子は、GaAs基板上に、第一導電型Alx1Ga1-x1
s(ただし、0.1≦x1≦0.5)からなる下部クラッド層、
第一導電型あるいはアンドープのInx2Ga1-x2As
1-y2y2(ただし、x2=(0.49±0.01)y2および0≦x2≦
0.3)からなる下部光導波層、圧縮歪を有するInx3Ga
1-x3As1-y3y3(ただし、0<x3≦0.4および0≦y3≦
0.1)からなる活性層、第二導電型あるいはアンドープ
のInx2Ga1-x2As1-y2y2(ただし、x2=(0.49±
0.01)y2および0≦x2≦0.3)からなる上部光導波層、第
二導電型GaAs第一エッチング阻止層、第一導電型I
nGaP第二エッチング阻止層、第一導電型Alx4Ga
1-x4As(ただし、0.1<x4≦0.8、x1<x4)からなる電
流狭窄層、第一導電型GaAsキャップ層がこの順に積
層されており、前記キャップ層および前記電流狭窄層お
よび前記第二エッチング阻止層の電流注入領域となる部
分が除去されて、前記第一エッチング阻止層の直上に溝
が形成されており、該溝を覆うように、前記GaAsキ
ャップ層上に、第二導電型Alx1Ga1-x1As(ただ
し、0.1≦x1≦0.5)からなる上部クラッド層、第二導
電型コンタクト層がこの順に積層されてなることを特徴
とするものである。
【0009】活性層に隣接して、Inx5Ga1-x5As
1-y5y5(ただし、0≦x5≦0.3および0≦y5≦0.6)から
なる引張り歪障壁層が形成されていてもよい。
【0010】また、各光導波層の厚さは、0.05μm以上
0.1μm以下であること、あるいは、0.2μm以上0.64μ
m以下であることが望ましい。
【0011】また、溝の底辺の幅は3μm以上であって
もよい。
【0012】上記第一導電型と第二導電型は互いに導電
性が逆であり、例えば第一導電型がp型であれば、第二
導電型はn型であることを示す。また、アンドープと
は、導電性の不純物がドープされていないことを示す。
【0013】
【発明の効果】本発明の半導体レーザ素子によれば、上
部クラッド層を成長させる界面において、酸化されやす
いAlを含む層はAlx4Ga1-x4As(ただし、0.1<x
4≦0.8、x1<x4)電流狭窄層のみであり、さらに露出し
ている部分も溝の側面のみであるので、上部クラッド層
の再成長を容易に行うことができ、信頼性を向上させる
ことができる。また、電流狭窄層をAlx4Ga1-x4As
(ただし、0.1<x4≦0.8、x1<x4)とし、上部クラッド
層をAlx1Ga1-x1As(ただし、0.1≦x1≦0.5)とす
ることにより、電流狭窄層と上部クラッド層の屈折率差
によって生じる等価屈折率段差を1.5×10-3〜7×10
-3程度にすることができるので、高い出力まで基本横モ
ード発振させることができる。
【0014】また、内部ストライプ構造の溝形成のた
め、第一エッチング阻止層にGaAsを用い、第二エッ
チング阻止層にInGaPを用いることとしているが、
GaAs第一エッチング阻止層は塩酸系のエッチャント
ではエッチングされないので、第二エッチング阻止層を
塩酸系のエッチャントでエッチングすることにより、自
動的にGaAs第一エッチング阻止層の上面でエッチン
グを停止させることができ、ウェットエッチングによる
ストライプ幅の制御性を高めることができる。
【0015】また、各クラッド層を、いずれも前記光導
波層よりバンドギャップが大きいAlx1Ga1-x1As
(ただし、0.1≦x1≦0.5)とすることにより、GaAs
基板に格子整合する組成であって、かつ、光導波層より
バンドギャップが大きく屈折率が小さいため、効率良く
光の閉じ込めを行うことができ、発振モードを安定化で
きる。
【0016】また、各光導波層を、いずれもInx2Ga
1-x2As1-y2y2(ただし、x2=(0.49±0.01)y2およ
び0≦x2≦0.3)とすることにより、GaAs基板に格子
整合する組成であって、活性層よりバンドギャップが大
きく屈折率が小さいので、効率良くキャリアの閉じ込め
を行うことができ、発光効率を向上させることができ
る。
【0017】また、内部に電流狭窄層を設けているの
で、電極とコンタクト層の接触面積を大きくとることが
でき、コンタクト抵抗を低減することができる。
【0018】また、GaAsキャップ層を設けているの
で、Alx4Ga1-x4As電流狭窄層の上に自然酸化膜が
形成されたり、直接レジスト層が形成されて起こる層の
変成等を防止できる。
【0019】また、活性層に隣接して、Inx5Ga1-x5
As1-y5y5(ただし、0≦x5≦0.3および0≦y5≦0.6)
からなる引張り歪障壁を形成することにより、しきい値
電流の低減等、種々の特性および信頼性を向上させるこ
とができる。
【0020】光導波層の各々の厚さ、つまり活性層の上
下に配置されている2つの光導波層のうち、片側の厚さ
を0.05μm以上0.1μm以下とすることにより、活性層
の光密度を低減でき、高出力化が可能であり、信頼性も
向上できる。また、光導波層の片側の厚さを0.2μm以
上0.64μm以下とすることにより、上記同様、活性層の
光密度を低減でき、高出力化が可能であり、信頼性も向
上できる。0.05μm以下では光出力−電流特性において
キンクが発生するという問題があり、また、0.1μmか
ら0.2μmまででは、光密度が高いため光学損傷が起こ
り高出力化が不可能である。さらに0.64μmより大きい
場合は、光密度は減少するが、等価屈折率段差が1×1
-3以下となり、発振モードに不安定が生じる。
【0021】また、溝の底辺の幅、つまり発振領域の幅
が3μm以上の幅広の半導体レーザ装置において、上記
構成による本発明を適用することはより効果的であり、
マルチモードであっても、低雑音で高出力発振する半導
体レーザを得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を用いて詳細に説明する。
【0023】本発明の第1の実施の形態による半導体レ
ーザ素子について説明し、その半導体レーザ素子の作製
過程の断面図を図1に示す。
【0024】図1aに示すように、有機金属気相成長法
により、n−GaAs基板11上にn−Alx1Ga1-x1
sクラッド層(0.1≦x1≦0.5)12、nあるいはi−In
x2Ga1-x2As1-y2y2光導波層13(x2=(0.49±0.01)
y2、0≦x2≦0.3)、圧縮歪Inx3Ga1-x3As1-y3y3
量子井戸活性層14(0<x3≦0.4、0≦y3≦0.1)、pある
いはi−Inx2Ga1-x2As1-y2y2光導波層15、p−
GaAsエッチング阻止層16、n−InGaPエッチン
グ阻止層17、n−Alx4Ga1-x4As電流狭窄層18(0.
1≦x4≦0.8、x1<x4)、n−GaAsキャップ層を積層
する。この上に、SiO2膜20を形成し、(011)方
向に通常のリソグラフィにより3μm程度の幅のストラ
イプ領域のSiO2膜20を除去する。
【0025】次に、図1bに示すように、SiO2膜20
をマスクとして、硫酸系のエッチャントでn−GaAs
キャップ層19およびn−Alx4Ga1-x4As電流狭窄層
18をエッチングすることによりn−InGaPエッチン
グ阻止層17を露出させる。
【0026】次に、図1cに示すように、SiO2膜20
をフッ酸系のエッチャントで除去し、引き続き塩酸系の
エッチャントにより溝底面のn−InGaPエッチング
阻止層17をエッチングし、p−GaAsエッチング阻止
層16を露出させる。その後、p−Alx1Ga1-x1Asク
ラッド層21、p−GaAsコンタクト層22を形成する。
p側電極23を形成し、その後、基板の研磨を行いn側電
極24を形成する。
【0027】上記のように作製された試料をへき開して
形成した共振器面に高反射率コート、低反射率コートを
行い、その後チップ化して半導体レーザ素子を形成す
る。クラッド層21は基本横モード発振が高出力まで維持
できる厚さとする。
【0028】本実施の形態では屈折率導波機構付き半導
体レーザ素子について説明したが、本発明は回折格子付
き半導体レーザ素子や光集積回路の作製にも用いること
ができる。
【0029】また、本実施の形態ではGaAs基板はn
型の導電性のもので記載したが、p型の導電性の基板を
用いてもよく、この場合、上記すべての層の導電性を反
対にすればよい。
【0030】また、各層の成長方法としては、固体ある
いはガスを原料とする分子線エピタキシャル成長法であ
ってもよい。また、ストライプ幅は3μm以上にして、
幅広の半導体レーザ素子を作製することができる。
【0031】次に本発明の第2の実施の形態による半導
体レーザ素子について説明し、その断面図を図2に示
す。図2に示すように、有機金属気相成長法により、n
−GaAs基板31上にn−Alx1Ga1-x1Asクラッド
層(0.1≦x1≦0.5)32、nあるいはi−Inx2Ga1-x2
As1-y2y2光導波層33(x2=(0.49±0.01)y2、0≦x2
≦0.3)、Inx5Ga1-x5As1-y5y5引張り歪障壁層3
4(0≦x5≦0.3、0≦y5≦0.6)、圧縮歪Inx6Ga1-x6
As1-y6y6量子井戸活性層35(0<x6≦0.4、0≦y6≦
0.1)、Inx5Ga1-x5As1-y5y5引張り歪障壁層3
6、pあるいはi−Inx2Ga1-x2As1-y2y2光導波
層37、p−GaAsエッチング阻止層38、n−InGa
Pエッチング阻止層39、n−Alx4Ga1-x4As電流狭
窄層40(0.1≦x4≦0.8、x1<x4)、n−GaAsキャッ
プ層41を積層する。この上に、SiO2膜42(図示せ
ず)を形成し、(011)方向に通常のリソグラフィに
より3μm程度の幅のストライプ領域のSiO2膜42を
除去する。
【0032】次に、SiO2膜42をマスクとして、硫酸
系のエッチャントでn−GaAsキャップ層41およびn
−Alx4Ga1-x4As電流狭窄層40をエッチングするこ
とによりn−InGaPエッチング阻止層39を露出させ
る。次に、SiO2膜42をフッ酸系のエッチャントで除
去し、引き続き塩酸系のエッチャントにより溝底面のn
−InGaPエッチング阻止層37をエッチングし、p−
GaAsエッチング阻止層38を露出させる。その後、p
−Alx1Ga1-x1Asクラッド層43、p−GaAsコン
タクト層44を形成する。p側電極45を形成し、その後、
基板の研磨を行いn側電極46を形成する。
【0033】上記のように作製された試料をへき開して
形成した共振器面に高反射率コート、低反射率コートを
行い、その後チップ化して半導体レーザ素子を形成す
る。クラッド層32の基本横モード発振が高出力まで維持
できる厚さとする。
【0034】なお、ここで用いる量子井戸活性層は圧縮
歪活性層であり、歪量と膜厚の積が0.3nm以下とするこ
とが望ましい。また、引張り歪障壁層を備える場合、引
張り歪障壁層の歪量と合計膜厚の積と、活性層の圧縮歪
量と膜厚の積の差が0.3nm以下となるようにすることが
望ましい。本実施の形態のように、引張り歪障壁層を設
けることにより、しきい値電流を低減することができ
る。
【0035】また、電流狭窄層とクラッド層のAlGa
Asの組成は、等価屈折率段差が、1×10-3〜7×1
-3程度となるように選択することが望ましい。これに
より精度の高い内部狭窄構造と実屈折率構造が形成さ
れ、高い出力まで基本横モード発振を実現し、かつ信頼
性の高い半導体レーザ素子を提供することができる。
【0036】また、半導体レーザ素子の高出力において
は、光出射端面の光密度が増大して光学損傷が発生する
という問題があるため、光導波層の厚さは高出力まで基
本横モード発振できる厚さが好ましい。そこで、図3に
光密度の逆数に比例するd/Γと光導波層(片側)の厚
さとの関係を示す。d/Γにおいて、dは量子井戸の厚
さ[μm]を示し、Γは量子井戸内へのレーザ光の閉じ込
め係数を示すものである。図3に示すように、光導波層
の厚さを大きくすることにより、d/Γは放物線状の値
を示す。0.1μmから0.2μmまでの範囲では、光密度が
高過ぎ、光学損傷が起こり信頼性に支障を来すことが判
明している。よって光導波層の片側の厚さは0.05μm以
上0.1μm以下、あるいは0.2μm以上であることが望ま
しい。0.05μmより小さいと光出力−電流特性において
キンクが発生することが確認されている。
【0037】さらに、図4に光導波層の片側の厚さと等
価屈折率段差の関係を示すグラフを示す。ここで、等価
屈折率段差とは、内部ストライプ型の場合には、電流狭
窄層の電流注入窓となる部分が除去されてクラッド層が
形成された領域での積層方向の伝搬モードの等価屈折率
と電流狭窄層が存在する領域での積層方向の伝搬モード
の等価屈折率との差を示す。ここでは、光導波層の最大
許容厚を求めるため、光導波層の組成は屈折率が一番小
さいGaAsとし、電流狭窄層の組成をAl0. 8Ga0.2
Asとしたものである。前述したように、図3において
は、光導波層の片側の厚さを0.15μmあたりから大きく
するに従って光密度が低減されることが判っているが、
図4から、0.64μmより大きくすると、等価屈折率段差
が1×10-3以下となることがわかる。これにより、発
振モードに不安定が生じるので、光導波層の片側の厚さ
は0.64μm以下が望ましい。
【0038】また、光導波層の片側の厚さを0.05μm以
上0.1μm以下あるいは0.2μm以上0.64μm以下にした
場合の効果の一つとして、図5に積層方向の近視野像強
度のグラフを示す。横軸に、活性層を原点として積層方
向の距離[μm]を示し、縦軸に近視野像強度を示す。図
5aに、光導波層の片側の厚さが0.1μmのときの近視
野像強度のグラフを示し、図5bに、光導波層の片側の
厚さが0.4μmのときの近視野像強度のグラフを示す。
いずれも、光導波層の組成はIn0.1Ga0.9As0.8
0.2であり、クラッド層の組成はAl0.3Ga0.7Asで
ある。図5aと図5bを比較すると、図5bの方がクラ
ッド層へしみだすエバネッセント光の裾引きが減少する
ため、クラッド層を薄くしてもキャップ層による光の吸
収の悪影響を受けにくくなる。よって、クラッド層に抵
抗および熱抵抗の大きいAlGaAsを用いているた
め、0.4μm付近にすることにより、抵抗の低下が図ら
れ、特性が向上するという利点もある。
【0039】次に、光導波層の厚さを変えた場合の信頼
性評価について説明する。図6に駆動時間[時間]と規格
化電流のグラフを示す。この試験に用いた半導体レーザ
素子のストライプ幅は50μmであり、25℃、出力5
00mWでAPC駆動させたものである。図6aに光導
波層の片側の厚さが0.1μmの場合、図6bに光導波層
の片側の厚さが0.15μmの場合、図6cに光導波層の片
側の厚さが0.3μmの場合の試験結果を示す。光導波層
厚0.15μmでは、図6bに示すように、駆動時間900時
間で駆動電流が初期状態から最大0.6%増加しているの
に比べ、光導波層厚0.1μmでは、図6aに示すよう
に、同駆動時間で約0.3%電流が増加し、光導波層0.4μ
mでは、図6cに示すように、同駆動時間で約0.2%増
加に留まっている。これは、前述の光密度と密接に関係
していることがわかる。よって、光導波層の片側の厚さ
は0.1μm〜0.2μmの範囲を外した厚さとすることが望
ましい。
【0040】よって、光導波層の厚さを上記のように設
定することにより、0.9μm〜1.1μmの半導体レーザ素
子において、光出力および信頼性を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による半導体レーザ
素子を示す断面図
【図2】本発明の第2の実施の形態による半導体レーザ
素子を示す断面図
【図3】光密度の逆数に比例するd/Γと光導波層(片
側)の厚さとの関係を示すグラフ
【図4】光導波層の片側の厚さと等価屈折率段差の関係
を示すグラフ
【図5】積層方向の近視野像強度を示すグラフ
【図6】駆動時間と規格化電流のグラフ
【符号の説明】
11 GaAs基板 12 n−Alx1Ga1-x1Asクラッド層 13 nあるいはi−Inx2Ga1-x2As1-y2y2光導
波層 14 圧縮歪Inx3Ga1-x3As1-y3y3量子井戸活性
層 15 pあるいはi−Inx2Ga1-x2As1-y2y2光導
波層 16 p−GaAsエッチング阻止層 17 n−InGaPエッチング阻止層 18 n−Alx4Ga1-x4As電流狭窄層 19 n−GaAsキャップ層 20 SiO2膜 21 p−Alx1Ga1-x1Asクラッド層 22 p−GaAsコンタクト層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GaAs基板上に、 第一導電型Alx1Ga1-x1As(ただし、0.1≦x1≦0.
    5)からなる下部クラッド層、 第一導電型あるいはアンドープのInx2Ga1-x2As
    1-y2y2(ただし、x2=(0.49±0.01)y2および0≦x2≦
    0.3)からなる下部光導波層、 圧縮歪を有するInx3Ga1-x3As1-y3y3(ただし、
    0<x3≦0.4および0≦y3≦0.1)からなる活性層、 第二導電型あるいはアンドープのInx2Ga1-x2As
    1-y2y2(ただし、x2=(0.49±0.01)y2および0≦x2≦
    0.3)からなる上部光導波層、 第二導電型GaAs第一エッチング阻止層、 第一導電型InGaP第二エッチング阻止層、 第一導電型Alx4Ga1-x4As(ただし、0.1<x4≦0.
    8、x1<x4)からなる電流狭窄層、 第一導電型GaAsキャップ層がこの順に積層されてお
    り、 前記キャップ層および前記電流狭窄層および前記第二エ
    ッチング阻止層の電流注入領域となる部分が除去され
    て、前記第一エッチング阻止層の直上に溝が形成されて
    おり、 該溝を覆うように、前記GaAsキャップ層上に、 第二導電型Alx1Ga1-x1As(ただし、0.1≦x1≦0.
    5)からなる上部クラッド層、 第二導電型コンタクト層がこの順に積層されてなること
    を特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 前記活性層に隣接して、Inx5Ga1-x5
    As1-y5y5(ただし、0≦x5≦0.3および0≦y5≦0.6)
    からなる引張り歪障壁層が形成されていることを特徴と
    する請求項1記載の半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 前記各光導波層の厚さが、0.05μm以上
    0.1μm以下であることを特徴とする請求項1または2
    記載の半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】 前記各光導波層の厚さが、0.2μm以上
    0.64μm以下であることを特徴とする請求項1または2
    記載の半導体レーザ素子。
  5. 【請求項5】 前記溝の底辺の幅が3μm以上であるこ
    とを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の半導
    体レーザ素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009038410A (ja) * 2002-01-28 2009-02-19 Sharp Corp 半導体レーザ素子

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