JP3908471B2 - 半導体レーザ装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光情報処理などに光源として用いることができる半導体レーザ装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光情報処理の分野で用いられる半導体レーザ装置では、電流狭窄と光閉じ込めのためのブロック層を有した、リッジ型もしくは溝型のストライプ構造のレーザが主流となっている。従来のリッジストライプ型AlGaAs系半導体レーザ装置について、図4の断面構造図を参照して説明する。
【0003】
n型GaAs基板101上に、n型GaAsバッファ層102、n型Al0.55Ga0.45As第1クラッド層103、AlGaAs量子井戸活性層104、p型Al0.55Ga0.45As第2クラッド層105、p型Al0.2Ga0.8Asエッチング停止層106が順次積層されている。エッチング停止層106の上には、p型Al0.55Ga0.45As第3クラッド層107、p型GaAsキャップ層108が積層され、リッジ部109を残して、選択エッチングによりエッチング停止層106の上面までエッチングされている。さらに、一対のn型Al0.6Ga0.4Asブロック層110がリッジ部109を挟むようにエッチング停止層106上に形成されている。また、リッジ部109および一対のブロック層110の上部にはp型GaAsコンタクト層111が形成されている。コンタクト層111上にはpオーミック電極112が、また基板101の下方にはnオーミック電極113が形成されている。
【0004】
上述の従来の半導体レーザ装置を製造する方法について説明する。まず図4に示すように、基板101上に、有機金属化学気相成長(MOCVD)法または分子線エピタキシャル成長(MBE)法により、バッファ層102、第1クラッド層103、活性層104、第2クラッド層105、エッチング停止層106、第3クラッド層107、キャップ層108を順次積層する。
【0005】
続いてキャップ層108の上に、スパッタ法により図示しないSiO2層を形成後、フォトリソグラフィー技術を用いてマスクを形成し、エッチングによりリッジ部109を形成する。このエッチングの工程では、選択性を有するエッチング液を用いて、第3クラッド層107のみを選択的に、エッチング停止層106までエッチングする。例えばAl組成の高い層に対してエッチング速度が大きいフッ酸系のエッチング液を用いることにより、第3クラッド層107のみが選択的にエッチングされ、エッチング停止層106はほとんどエッチングされることなくエッチングを停止することができる。
【0006】
さらにリッジ部109を挟むように、ブロック層110をMOCVD法でエッチング停止層106上に形成する。続いてSiO2マスクを除去し、MOCVD法によりコンタクト層111を形成する。その後コンタクト層111上にpオーミック電極112を、またn型GaAs基板101の下方にnオーミック電極113を形成して、図4に示した半導体レーザ装置を得る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように従来のレーザ装置およびその製造方法では、選択エッチングの工程において用いられるエッチング液は選択性が高く、第3クラッド層107に対するエッチング速度が、エッチング停止層106に対するエッチング速度に比べて10倍から100倍以上大きい。そのためエッチング停止層106はほとんどエッチングされることなく、エッチングが停止する。
【0008】
しかしながら、この第3クラッド層107がエッチングされる過程で、反応生成物が形成され、エッチング停止層106の表面に堆積する。この反応生成物は、高いAl組成の層をエッチングしたことに起因して生成されたAl酸化物を主な成分とし、エッチング液に対して容易に溶解しない性質をもつ。この堆積した反応生成物は、ブロック層110の再成長をおこなう際にブロック層の結晶性を悪化させる要因となる。ブロック層110の結晶性が悪化すると、欠陥準位が導入され光の吸収や散乱損失が生じることによる、発振しきい電流の増大や効率の低下につながる。また結晶性が悪いことで信頼性の低下をまねくことになる。
【0009】
特に、ブロック層110がレーザ発振光の波長に対して透明になるようにAl組成の高い構造とした場合、Alのマイグレーション長が短いため、堆積している反応生成物を原因とする結晶性の悪化が顕著となる。
【0010】
以上はリッジ型ストライプのレーザについて述べたが、溝型ストライプのレーザについても、第3クラッド層の再成長の際に同様の問題が発生する。
【0011】
本発明は上述の問題を解決するもので、再成長層の結晶性の悪化が防止された、特性の良いレーザ装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、第1の基本構成によれば、結晶基板上に、第1クラッド層、活性層、第2クラッド層、エッチング停止層、および第3クラッド層を順次積層する工程と、前記第3クラッド層上にマスクを形成する工程と、前記第3クラッド層の一部をエッチングして除去する第1のエッチング工程と、前記第1のエッチング工程の後に前記エッチング停止層の表面をエッチングする第2のエッチング工程と、前記第2のエッチング工程の後に前記エッチング停止層上にブロック層を形成する工程とを備える。上記課題を解決するために、前記第3クラッド層はAlを含み、前記第3クラッド層のAl組成は0.4より大きく、前記エッチング停止層のAl組成は0.4よりも小さく、前記第1のエッチング工程は、前記第3クラッド層に対するエッチング速度が前記エッチング停止層に対するエッチング速度よりも大きい第1のエッチング液でエッチングし、前記第2のエッチング工程は、前記エッチング停止層のエッチング速度に対する、前記第3クラッド層のエッチング速度の割合が、前記第1のエッチング工程よりも小さいことを特徴とする
【0018】
本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、第2の基本構成によれば、結晶基板上に、第1クラッド層、活性層、第2クラッド層、エッチング停止層、およびブロック層を順次積層する工程と、前記ブロック層上にマスクを形成する工程と、前記ブロック層の一部をエッチングして除去する第1のエッチング工程と、前記第1のエッチング工程の後に前記エッチング停止層の表面をエッチングする第2のエッチング工程と、前記第2のエッチング工程の後に前記エッチング停止層上に第3クラッド層を形成する工程とを備える。上記課題を解決するために、前記ブロック層はAlを含み、前記ブロック層のAl組成は0.4より大きく、前記エッチング停止層のAl組成は0.4よりも小さく、前記第1のエッチング工程は、前記ブロック層に対するエッチング速度が前記エッチング停止層に対するエッチング速度よりも大きい第1のエッチング液でエッチングし、前記第2のエッチング工程は、前記エッチング停止層のエッチング速度に対する、前記ブロック層のエッチング速度の割合が、前記第1のエッチング工程よりも小さいことを特徴とする
【0019】
上記のいずれかの構成に基づく実施態様では、前記第1のエッチング液フッ酸系のエッチング液であり、前記第3クラッド層及び前記エッチング停止層はAlGaAs系の化合物半導体であり、前記第2のエッチング工程が硫酸系のエッチング液によって行われる。
【0020】
また他の実施態様では、前記第1のエッチング液はフッ酸系のエッチング液であり、前記ブロック層及び前記エッチング停止層はAlGaAs系の化合物半導体であり、前記第2のエッチング工程は硫酸系のエッチング液によって行われる。
また他の実施態様では、前記第2のエッチング工程がドライエッチングによって行われる。
【0021】
上述のように構成された本発明の半導体レーザ装置によれば、表面が除去されたエッチング停止層の上に、ブロック層または第3クラッド層が再成長させられているので、それらの再成長層の結晶性は良好である。従って発振しきい電流の増大や効率の低下が抑制され、動作電流が小さく、信頼性の高いレーザを実現できる。
【0022】
また上述のように構成された本発明の半導体レーザ装置の製造方法によれば、エッチング停止層で第1のエッチングが停止され、続く第2のエッチング工程でエッチング停止層の一部までがエッチングされる。そのため、エッチング停止層の上面でエッチングが停止されたときに、その表面に形成され堆積したエッチング液に溶解しない反応生成物が、第2のエッチングでエッチング停止層の表面がエッチングされるために、エッチング層の表面と一緒に取り除かれる。また、エッチング停止層はAl組成がブロック層やクラッド層に比べて低いので、エッチング停止層がエッチングされる過程においては、Al酸化物を主な成分とする反応生成物の形成は抑制される。以上の結果、再成長層の結晶性の悪化を抑えることができるので、発振しきい電流の増大や効率の低下を抑制し、動作電流が小さく、信頼性の高いレーザが作製できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるリッジストライプ型半導体レーザの構造を示す断面図である。この構造について、製造方法の実施例とともに説明する。
【0024】
n型GaAs基板1上に、MOCVD法によってn型GaAsバッファ層2(厚さ0.5μm)、n型Al0.55Ga0.45As第1クラッド層3(厚さ2μm)、GaAs量子井戸層とAl0.3Ga0.7Asの障壁層とからなる量子井戸活性層4、p型Al0.55Ga0.45As第2クラッド層5(厚さ0.15μm)、p型Al0.2Ga0.8Asエッチング停止層6(厚さ0.01μm)、p型Al0.55Ga0.45As第3クラッド層7(厚さ2μm)、およびp型GaAsキャップ層8(厚さ0.1μm)を順次積層する。次にキャップ層8の上に図示しないSiO2層をスパッタ法によって形成し、さらにフォトリソグラフィーによってストライプ状にSiO2層を残したマスクを形成し、エッチング工程によりリッジ部9を形成する。
【0025】
本実施例では、まず第1のエッチング工程を、第1のエッチング液として、フッ酸(50%含有)とリン酸(86%含有)と過酸化水素水が、それぞれ体積比で800:2400:1の混合液を用いて行う。この第1のエッチング液は、Al組成が0.4より大きいAlGaAsはエッチングするものの、0.4より小さいAlGaAsに対してはエッチング速度がほぼ0とみなせる選択エッチング液である。このエッチング液により第3クラッド層7がエッチングされ、エッチング停止層6の上面でエッチングは停止される。この第3クラッド層7がエッチングされる過程で、Al酸化物を主な成分とする反応生成物がエッチング停止層6の表面に堆積している。
【0026】
次に第2のエッチング工程を、硫酸(97%含有)と過酸化水素水と水が、体積比で2:1:1の割合で含まれる混合液(第2のエッチング液)を用いて行う。この硫酸系のエッチング液は、第3クラッド層7とエッチング停止層6に対するエッチング速度がほぼ等しい。この第2のエッチング工程において、エッチング停止層6の表面がエッチングされるため、その表面に堆積していた第1のエッチング工程による反応生成物が、エッチング停止層の表面と一緒に取り除かれる。またエッチング停止層6のAl組成が0.2と小さいため、第2のエッチング工程では、反応生成物の堆積が抑制される。
【0027】
エッチング工程に続いて、MOCVDにより、一対のn型Al0.6Ga0.4Asブロック層10を、リッジ部9を挟むようにエッチング停止層6上に形成する。さらに前記SiO2マスクを除去し、MOCVD法でp型GaAsコンタクト層11(厚さ0.1μm)を形成する。その後コンタクト層11上にpオーミック電極12を、またn型GaAs基板1の下方にnオーミック電極13を形成する。
【0028】
本実施例では、ブロック層10のAl組成を大きくして、ブロック層のバンドギャップエネルギーを発振波長のエネルギーよりも大きくすることで、ブロック層10をレーザの発振波長に対して実質透明とし、動作電流の低減を図ることができる。さらに特にブロック層10のAl組成を第3クラッド層7のAl組成よりも大きくすることにより、ブロック層の屈折率をクラッド層の屈折率よりも小さくし、安定した横モード発振が実現される。
【0029】
エッチング停止層6の層厚を、本実施例では10nmとしたが、この層厚が厚すぎると垂直方向の光分布の非対称性が増大し、垂直拡がり角制御が困難となる。このためエッチング停止層6の層厚は、およそ100nm以下であることが望ましい。
【0030】
第2のエッチング工程では、反応生成物を除去するために十分なエッチングが行われる必要がある。そのためには、ブロック層10下部のエッチング停止層6の層厚は、第3クラッド層7下部のエッチング停止層6の層厚よりも1nm以上薄くする必要がある。これにより、反応生成物を完全に除去することができる。また、ブロック層10下部のエッチング停止層6の層厚が薄すぎる場合は、部分的にAl組成の高い第2クラッド層5が露出することになるので、ブロック層10を結晶性良く再成長することが困難になる。このためブロック層10下部のエッチング停止層6の層厚は、1nmより大とすることが望ましい。本実施例においては、ブロック層10下部のエッチング停止層6の層厚は8nmとした。
【0031】
図2は、本実施例のレーザ装置と従来例のレーザの、I−L特性曲線を示す。従来例のレーザは、第3クラッド層7下部のエッチング停止層6の層厚とブロック層10下部のエッチング停止層の層厚が等しい他は、本実施例と同じ構成を有するものである。従来例では29mAであった発振しきい電流が、本実施例においては22mAに低減されている。また微分効率も0.8から0.94に改善されている。その結果、出力が90mWのとき、本実施例のレーザ装置の動作電流は、従来のレーザ装置の動作電流に比べて23mA小さい値となっている。
【0032】
本実施例では、エッチング停止層6が単一の層で構成されている場合について述べたが、エッチング停止層6が多層で構成されている場合でも同様の効果を得ることができる。
【0033】
また、第1のエッチング液は、フッ酸と混合する液が、フッ化アンモニウム、硫酸、塩酸、酒石酸または酢酸であるフッ酸系のエッチング液あってもよい。また第2のエッチング工程がドライエッチング工程であっても同様の効果を得ることができる。
【0034】
また本発明は、上記のようなAlGaAs系半導体を材料とするレーザに限らず、AlGaInP系、AlGaInN系半導体を材料とする半導体レーザについても同様に適用できる。
【0035】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における溝状ストライプ型半導体レーザの構造を示す断面図である。この構造について、製造方法の実施例とともに説明する。
【0036】
まず、n型GaAs基板1上に、MOCVD法によってn型GaAsバッファ層2(厚さ0.5μm)、n型Al0.55Ga0.45As第1クラッド層3(厚さ2μm)、GaAs量子井戸層とAl0.3Ga0.7Asの障壁層とからなる量子井戸活性層4、p型Al0.55Ga0.45As第2クラッド層5(厚さ0.1μm)、p型Al0.2Ga0.8Asエッチング停止層6(厚さ0.01μm)、およびp型Al0.6Ga0.4Asブロック層10(厚さ0.8μm)を順次積層する。次にブロック層10の上に、フォトリソグラフィーによってストライプ状に開口したフォトレジストによるマスクを形成し、エッチング工程により溝部14を形成する。
【0037】
本実施例では、まず第1のエッチング工程を、第1のエッチング液として、フッ酸(50%含有)とリン酸(86%含有)と過酸化水素水が、それぞれ体積比で800:2400:1の混合液を用いて行う。このエッチング液は、Al組成が0.4より大きいAlGaAsはエッチングするものの、0.4より小さいAlGaAsに対してはエッチング速度がほぼ0とみなせる選択エッチング液である。このエッチング液によりブロック層10がエッチングされ、エッチング停止層6でエッチングは停止される。このときブロック層がエッチングされる過程で生成された、Al酸化物を主な成分とする反応生成物がエッチング停止層6の表面に堆積している。次に第2のエッチング工程として、硫酸(97%含有)と過酸化水素水と水が、体積比で2:1:1の混合液をエッチング液とするエッチングをおこなう。この硫酸系のエッチング液は、ブロック層10とエッチング停止層6に対するエッチング速度がほぼ等しい。この第2のエッチング工程において、エッチング停止層6の表面がエッチングされるため、その表面に堆積していた反応生成物が、エッチング停止層6の表面と一緒に取り除かれる。またエッチング停止層6のAl組成が小さいため、第2のエッチング工程では、反応生成物の堆積が抑制される。
【0038】
エッチング工程に続いて、マスクを除去し、MOCVD法によってn型Al0.55Ga0.45As第3クラッド層7(厚さ2μm)を、溝部14を埋め込むようにエッチング停止層6上およびブロック層10上に形成し、p型GaAsコンタクト層11(厚さ0.1μm)を形成する。その後コンタクト層11上にpオーミック電極12を、またn型GaAs基板1の下方にnオーミック電極13を形成する。
【0039】
ブロック層10のAl組成を大きくして、ブロック層のバンドギャップエネルギーを発振波長のエネルギーよりも大きくすることで、ブロック層10をレーザの発振波長に対して実質透明とし動作電流の低減を図ることができる。さらに特にブロック層10のAl組成をp型Al0.55Ga0.45As第3クラッド層7のAl組成よりも大きくすることにより、ブロック層10の屈折率をクラッド層の屈折率よりも小さくし、安定した横モード発振が実現される。
【0040】
エッチング停止層6の層厚を、本実施例では10nmとしたが、この層厚が厚すぎると垂直方向の光分布の非対称性が増大し、垂直拡がり角制御が困難となる。このためエッチング停止層6の層厚は、およそ100nm以下であることが望ましい。
【0041】
第2のエッチング工程では、反応生成物を除去するために十分なエッチングが行われる必要がある。そのためには、第3クラッド層7下部のエッチング停止層6の層厚は、ブロック層10下部のエッチング停止層6の層厚よりも1nm以上薄くする必要がある。これにより、反応生成物を完全に除去することができる。また、第3クラッド層7下部のエッチング停止層6の層厚が薄すぎる場合は、部分的にAl組成の高い第2クラッド層5が露出することになるので、第3クラッド層7を結晶性良く再成長することが困難になる。このため第3クラッド層7下部のエッチング停止層6の層厚は、1nmより大とすることが望ましい。本実施例においては、第3クラッド層7下部のエッチング停止層6の層厚は、9nmとした。
【0042】
本実施例のレーザと、第3クラッド層7下部のエッチング停止層6の層厚とブロック層10下部のエッチング停止層6の層厚が等しい他は、本実施例のレーザと同じ構成である従来のレーザについて、I−L特性を比較すると、本実施例のレーザでは、発振しきい電流の低減と微分効率の向上が確認された。出力が90mWのとき、本実施例のレーザ装置の動作電流は、従来のレーザ装置の動作電流に比べて17mA小さい値となっている。
【0043】
本実施例では、エッチング停止層が単一の層で構成されている場合について述べたが、エッチング停止層が多層で構成されている場合でも同様の効果を得ることができる。
【0044】
また、第1のエッチング液は、フッ酸と混合する液が、フッ化アンモニウム、硫酸、塩酸、酒石酸または酢酸であるフッ酸系のエッチング液であってもよい。また第2のエッチング工程がドライエッチング工程であっても同様の効果を得ることができる
また本発明は、AlGaAs系半導体を材料とするレーザに限らず、AlGaInP系、AlGaInN系半導体を材料とする半導体レーザについても同様に適用できる。
【0045】
【発明の効果】
【0046】
発明の半導体レーザ装置の製造方法によれば、エッチング工程において、エッチング停止層の一部までをエッチングすることによって、エッチング過程で反応生成される堆積物を除去でき、エッチング停止層上の再成長層を結晶性よく形成することができる。このため、発振しきい電流が小さく、効率のよい、動作電流の小さな、信頼性の高い半導体レーザ装置を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における半導体レーザ装置の断面構造図である。
【図2】本発明の実施の形態1における半導体レーザ装置と従来の半導体レーザ装置のI−L特性曲線を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態2における半導体レーザ装置の断面構造図である。
【図4】従来の半導体レーザ装置の断面構造図である。
【符号の説明】
1 基板
2 バッファ層
3 第1クラッド層
4 活性層
5 第2クラッド層
6 エッチング停止層
7 第3クラッド層
8 キャップ層
9 リッジ部
10 ブロック層
11 コンタクト層
12 pオーミック電極
13 nオーミック電極
14 溝部
101 基板
102 バッファ層
103 第1クラッド層
104 活性層
105 第2クラッド層
106 エッチング停止層
107 第3クラッド層
108 キャップ層
109 リッジ部
110 ブロック層
111 コンタクト層
112 pオーミック電極
113 nオーミック電極

Claims (5)

  1. 結晶基板上に、第1クラッド層、活性層、第2クラッド層、エッチング停止層、および第3クラッド層を順次積層する工程と、
    前記第3クラッド層上にマスクを形成する工程と、
    前記第3クラッド層の一部をエッチングして除去する第1のエッチング工程と、
    前記第1のエッチング工程の後に前記エッチング停止層の表面をエッチングする第2のエッチング工程と、
    前記第2のエッチング工程の後に前記エッチング停止層上にブロック層を形成する工程とを備える半導体レーザ装置の製造方法であって、
    前記第3クラッド層はAlを含み、
    前記第3クラッド層のAl組成は0.4より大きく、
    前記エッチング停止層のAl組成は0.4よりも小さく、
    前記第1のエッチング工程は、前記第3クラッド層に対するエッチング速度が前記エッチング停止層に対するエッチング速度よりも大きい第1のエッチング液でエッチングし、
    前記第2のエッチング工程は、前記エッチング停止層のエッチング速度に対する、前記第3クラッド層のエッチング速度の割合が、前記第1のエッチング工程よりも小さいことを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
  2. 結晶基板上に、第1クラッド層、活性層、第2クラッド層、エッチング停止層、およびブロック層を順次積層する工程と、
    前記ブロック層上にマスクを形成する工程と、
    前記ブロック層の一部をエッチングして除去する第1のエッチング工程と、
    前記第1のエッチング工程の後に前記エッチング停止層の表面をエッチングする第2のエッチング工程と、
    前記第2のエッチング工程の後に前記エッチング停止層上に第3クラッド層を形成する工程とを備える半導体レーザ装置の製造方法であって
    前記ブロック層はAlを含み、
    前記ブロック層のAl組成は0.4より大きく、
    前記エッチング停止層のAl組成は0.4よりも小さく、
    前記第1のエッチング工程は、前記ブロック層に対するエッチング速度が前記エッチング停止層に対するエッチング速度よりも大きい第1のエッチング液でエッチングし、
    前記第2のエッチング工程は、前記エッチング停止層のエッチング速度に対する、前記ブロック層のエッチング速度の割合が、前記第1のエッチング工程よりも小さいことを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
  3. 前記第1のエッチング液フッ酸系のエッチング液であり、
    前記第3クラッド層及び前記エッチング停止層はAlGaAs系の化合物半導体であり、
    前記第2のエッチング工程が硫酸系のエッチング液によって行われる請求項記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  4. 前記第1のエッチング液はフッ酸系のエッチング液であり、
    前記ブロック層及び前記エッチング停止層はAlGaAs系の化合物半導体であり、
    前記第2のエッチング工程は硫酸系のエッチング液によって行われる請求項2記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  5. 前記第2のエッチング工程がドライエッチングによって行われる請求項または請求項記載の半導体レーザ装置の製造方法。
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