JP3244312B2 - AlGaInP系可視光半導体レーザ素子 - Google Patents

AlGaInP系可視光半導体レーザ素子

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JP3244312B2
JP3244312B2 JP27721292A JP27721292A JP3244312B2 JP 3244312 B2 JP3244312 B2 JP 3244312B2 JP 27721292 A JP27721292 A JP 27721292A JP 27721292 A JP27721292 A JP 27721292A JP 3244312 B2 JP3244312 B2 JP 3244312B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はAlGaInP系可視光
半導体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】AlGaInP系化合物半導体レーザ素
子は、従来のAlGaAs系化合物半導体レーザ装置に
比べて発振波長が約100nm短いため、光ディスクの
高密度化、レーザプリンターの高速化など光情報処理装
置の高性能化に必要な光源として注目されている。
【0003】図7(a)は従来のAlGaInP系可視
光半導体素子の構造図であり、図7(b)〜(c)はそ
の製造工程を示す図である。
【0004】図7(a)中、31はn型GaAs基板で
あり、この基板31の上面にはn型GaInPバッファ
層32が設けられており、該n型GaInPバッファ層
32上にはn型AlGaInPクラッド層33、アンド
ープ型AlGaInP活性層34、及びメサストライプ
(メサ型ストライプ状)部135を有するp型AlGa
InPクラッド層35が順次型成されてダブルヘテロ構
造が作成されている。前記p型AlGaInPクラッド
層35の前記メサストライプ部135上面には、p型G
aInPコンタクト層36がこの順に形成されている。
【0005】前記p型GaInPコンタクト層36上面
を除いて、前記p型AlGaInPクラッド層35上及
びp型GaInPコンタクト層36側面には、前記メサ
ストライプ部135に電流を狭窄するためのn型GaA
s電流ブロック層37が形成されている。前記コンタク
ト層36上及びn型GaAsブロック層37上にはp型
GaAsキャップ層38が形成されている。
【0006】そして、このp型GaAsキャップ層38
上面並びにn型GaAs基板31下面には、それぞれA
u−Crからなるp型側電極39、Au−Sn−Crか
らなるn型側電極40が形成されている。
【0007】次に、この半導体レーザ素子の製造方法を
説明する。
【0008】まず、図7(b)に示すように、1回目の
結晶成長で、n型GaAs基板31上にn型GaInP
バッファ層32、n型AlGaInPクラッド層33、
アンドープ型AlGaInP活性層34、p型AlGa
InPクラッド層35、p型GaInPコンタクト層3
6を順次形成する。
【0009】次に、図7(c)に示すように、上記p型
コンタクト層36上にストライプ状に形成したSiO2
膜をマスク層50とし、エッチングによりp型AlGa
InPクラッド層35及びp型GaInPコンタクト層
36をメサストライプ(リッジストライプ)状に形成す
る。次に、2回目の結晶成長によりp型AlGaInP
クラッド層35上及びコンタクト層36側面にn型Ga
As電流ブロック層37を形成する。
【0010】次に、図7(a)に示すように、前記マス
ク層50をフッ酸により除去して、前記マスク層50を
除去した部分にp型コンタクト層36を露出させた後、
3回目の結晶成長によりp型コンタクト層36上及びn
型電流ブロック層37上にp型GaAsキャップ層38
を形成する。最後に、前記p型キャップ層38上面、n
型GaAs基板31下面に、それぞれAu−Crからな
るp型側電極39、Au−Sn−Crからなるn型側電
極40を真空蒸着法により形成する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7
(c)のメサエッチング工程において、前記p型クラッ
ド層35はメサストライプ部135以外の部分で層厚W
が所定値、例えば約0.2〜0.3μmとなるようにエ
ッチング除去する必要がある。従来、この工程はエッチ
ング時間の制御により行われていたが、前記所定値に正
確に制御することは困難であり、半導体レーザ素子の特
性の歩留まりに影響を与えていた。
【0012】この問題を解決するために、前記p型クラ
ッド層35内にGaAs基板1と格子整合可能な、即ち
歪みのないGa0.51In0.49P(通常Ga0.5In0.5
と記す)からなるエッチングストッパー層を形成するこ
とが知られている。しかしこの方法の場合には、図8に
示す前記エッチングストッパー層の層厚とそのフォトル
ミネッセンス(PL)ピーク波長(即ち、バンドギャッ
プエネルギー)の関係から判るように、半導体レーザ素
子が発振する光の波長が小さくなるに従って、エッチン
グストッパー層に量子効果を持たせ、即ち層厚を小さく
して該光を吸収しないようにする必要があり、例えば発
振波長が630nm程度以下である場合は30Åより更
に小さな値にする必要がある。このエッチングストッパ
ー層はその層厚が30Åより更に小さくなると、ストッ
パー層として十分に機能しない惧れがあり、またこのよ
うな薄層の層厚を正確に制御することが困難になる。こ
の結果、短波長発振のレーザ素子では、前記エッチング
ストッパー層を用いることができないといった問題があ
った。
【0013】一方、バンドギャップエネルギーが大きい
エッチングストッパー層としては、AlGaInP層が
利用できるが、この場合には前記p型AlGaInPク
ラッド層35とのエッチングレートの差が小さくなり、
p型AlGaInPクラッド層35を選択的にエッチン
グすることが困難であるといった問題があった。
【0014】本発明は上述の問題点を鑑み成されたもの
であり、短い発振波長であっても歩留まりの高いAlG
aInP系可視光半導体レーザ素子を提供することを課
題とする。
【0015】
【0016】
【課題を解決するための手段】 本発明の AlGaInP
系可視光半導体レーザ素子は、第1導電型のGaAs基
板と、この基板上に設けられたAlGaInPからなる
第1導電型の第1クラッド層と、活性層と、AlGaI
nPからなる第2導電型の第2クラッド層とで構成され
るダブルヘテロ接合部と、前記第2クラッド層上に形成
されたGa r In 1-r 井戸層とAlGaInP障壁層と
が交互に積層されてなる多重量子井戸構造であって前記
活性層よりバンドギャップエネルギーが大きいエッチン
グストッパー層と、該エッチングストッパー層上に形成
されたAlGaInPからなるメサストライプ状の第2
導電型の第3クラッド層とを含む多層構造を有し、前記
Ga r In 1-r P井戸層の組成比rが0.51<r≦0.
65であることを特徴とする。
【0017】
【作用】引っ張り歪みをもつGaInPからなるエッチ
ングストッパー層は、AlGaInPからなるクラッド
層に対してGa0.51In0.49P(歪みなし)層と略同等
のエッチングレート差を有し、且つ同じ厚みのGa0.51
In0.49P層に比べてバンドギャップエネルギーが大き
いため、短い発振波長においてもGa0.51In0. 49P層
に比べて十分な層厚を選択できる。従って、エッチング
ストッパー層を制御良く作製できるので、エッチングス
トッパー層として十分に機能する。
【0018】また、GaInP井戸層とAlGaInP
障壁層とが交互に積層されてなる多重量子井戸構造のエ
ッチングストッパー層は、エッチングストッパー層とし
て働くGaInP井戸層が複数層ある構成なので、短い
発振波長においても、即ちGaInP井戸層の層厚が小
さくてもエッチングストッパー層として十分に機能する
ことが可能である。
【0019】
【実施例】先ず、本発明に係る参考例を図面を参照しつ
つ詳細に説明する。図1(a)は本参考例の可視光半導
体レーザ素子を示す断面図、図1(b)及び図1(c)
はこの半導体レーザ素子の製造工程図である。
【0020】図中、1は150μm厚のn型GaAs基
板であり、該n型GaAs基板1上には、n型Ga0.5
In0.5Pバッファー層2が形成されている。
【0021】前記n型Ga0.5In0.5Pバッファー層2
上には、活性層よりバンドギャップエネルギーが大きい
n型(AlxGa1-x0.5In0.5P(0.4≦x≦1、
望ましくはx=0.7)第1クラッド層3、アンドープ
の(AlqGa1-q0.5In0 .5P(0≦q≦0.2で選
択でき、ここではq=0.15)活性層4、該活性層4
よりバンドギャップエネルギーが大きいp型(Aly
1-y0.5In0.5P(0.4≦y≦1、望ましくはy
=0.7)第2クラッド層5が形成されてダブルヘテロ
構造部が作成されている。
【0022】前記第2クラッド層5上には後述のメサエ
ッチング工程において、エッチングストッパー層として
作用する引っ張り歪みを持ち且つ前記活性層4よりバン
ドギャップエネルギーが大きいp型GavIn1-vP(v
>0.51)エッチングストッパー層6が形成されてい
る。このエッチングストッパー層6は該層6が良好に結
晶成長するために、前記GaAs基板1に対する歪み量
Δa/a0(ここで、Δa=GaAs基板1の格子定数
−エッチングストッパー層6の格子定数、a0はGaA
s基板1の格子定数)が−1%以上、即ち組成比vが
0.51<v≦0.65が望ましく、本参考例ではv=
0.55である。又、このエッチングストッパー層6の
層厚は本参考例では30Åである。
【0023】前記エッチングストッパー層6上には前記
活性層4よりバンドギャップエネルギーが大きいメサス
トライプ状のp型(AlzGa1-z0.5In0.5P(0.
4≦z≦1、望ましくはz=0.7)第3クラッド層7
が形成され、該第3クラッド層7上にはp型Ga0.5
0.5Pコンタクト層8が形成されてメサストライプ部
9が作成されている。前記エッチングストッパー層6の
うちこのメサストライプ部9が形成されていない部分
上、及び該ストライプ部9の側面にはn型GaAs電流
ブロック層10が形成されている。
【0024】前記コンタクト層8上及びn型GaAsブ
ロック層10上には、p型GaAsキャップ層11が形
成されている。このp型GaAsキャップ層11上面、
n型GaAs基板1下面には、それぞれAu−Crから
なるp型側オーミック電極12、Au−Sn−Crから
なるn型側オーミック電極13が形成されている。尚、
本参考例の半導体レーザ素子の発振波長は632nmで
ある。
【0025】次に、図1(b)〜(c)を参照してこの
半導体レーザ装置の製造方法について説明する。
【0026】最初に、図1(b)に示すように、n型G
aAs基板1を用意する。次に、有機金属気相成長法
(MOCVD法)により、前記n型GaAs基板1上に
約0.3μm厚のn型GaInPバッファー層2、約
0.8μm厚のn型AlGaInP第1クラッド層3、
不純物をドープしない約0.07μm厚のアンドープ型
AlGaInP活性層4、約0.2〜0.3μm厚のp
型AlGaInP第2クラッド層5、30Å厚のp型G
aInPエッチングストッパー層6、約0.5μm厚の
p型AlGaInP第3クラッド層7、及び0.1μm
厚のp型GaInPコンタクト層8を連続成長させる。
次に、化学気相堆積法(CVD法)及びエッチング技術
を用いて、前記コンタクト層8上にSiO2からなる層
厚0.4〜0.6μm、幅約4μmのストライプ状のマ
スク層20を形成する。
【0027】その後、図1(c)に示すように、前記マ
スク層20をマスクとして、前記コンタクト層8を臭化
水素(HBr)系エッチング液でエッチングした後、前
記第3クラッド層7を塩酸(HCl)系エッチング液
(例えば塩酸と水の体積比が1対2である混合液)によ
りエッチングして、該第3クラッド層7及びコンタクト
層8をメサストライプ状(リッジストライプ状)に形成
してメサストライプ部9を作成する。この塩酸系エッチ
ング液は(AlzGa1-z0.5In0.5Pをエッチング
し、GavIn1-vPを殆どエッチングしないので(エッ
チングレート比は約100対1)、前記メサストライプ
エッチングは前記エッチングストッパー層6で制御良く
停止する。
【0028】その後、図1(a)に示すように、前記マ
スク層20を介した状態で、MOCVD法により前記エ
ッチングストッパー層6上及びメサストライプ部9側面
上にn型GaAs電流ブロック層10を形成した後、前
記マスク層20をフッ酸により除去して、該除去部にコ
ンタクト層8を露出させる。その後、前記コンタクト層
8及びブロック層10上にキャップ層11をMOCVD
法により形成する。次に、前記キャップ層11上面にそ
れぞれAu−Cr電極12を蒸着法等により形成すると
共に前記基板1下面にAu−Sn−Cr電極を蒸着法等
により形成する。
【0029】斯る半導体レーザ素子はエッチングストッ
パー層6にてメサエッチングが制御良く停止するので、
歩留まりが従来に比べて約2倍程度に改善できた。この
理由を以下に説明する。
【0030】図2にGavIn1-vPエッチングストッパ
ー層6の歪み量(組成比v)とフォトルミネッセンス
(PL)ピーク波長の関係を実線で示す。ここでは、エ
ッチングストッパー層6の層厚は30Åの場合である。
尚、エッチングストッパー層6の層厚が30Åと異なる
場合、屈曲線A(実線)は図8において対応する層厚の
PLピーク波長に等しいPLピーク波長を持つ格子整合
点(層厚30Åの場合点X)を通るように平行移動す
る。
【0031】この図2から判るように、層厚が同じ場合
に、引っ張り歪みをもつGavIn1 -vP(v>0.5
1)は従来のGa0.51In0.49Pに比べてPLピーク波
長が小さくなる。従って、エッチングストッパー層を本
実施例のようにGavIn1-vP(v>0.51)層にし
た場合に該層はGa0.51In0.49P層と略同じエッチン
グレートをもつので層厚を従来のGa0.51In0.49P層
に比べて大きくできる。このように、組成比vが大きく
なる程(特に図2中の屈曲点Qでの組成比より大きい組
成比vの場合には顕著に)エッチングストッパー層6の
PLピーク波長が小さく(バンドギャップエネルギーが
大きく)なるので、該組成比vを選択して610nm程
度までの発振波長に対して光吸収が起こらないようにで
きる。従って、発振波長が610nm程度の短い波長で
あっても層厚30Å以上の層厚を選択でき、この結果メ
サエッチングが制御よく停止できるエッチングストッパ
ー層を提供できる。
【0032】次に、本発明の実施例について図を参照し
て説明する。図3は本実施例の半導体レーザ素子の断面
図であり、図4(a)は図3中の活性層の拡大図、図4
(b)は図3中のエッチングストッパー層の拡大図であ
る。尚、参考例と異なる点は参考例で用いたGavIn
1-vP(v>0.51)エッチングストッパー層6に代
えてGarIn1-rP層と(AluGa1-u0.5In0.5
層とが交互に積層されてなる多重量子井戸構造(MQW
構造)のエッチングストッパー層を用いた点と、参考例
で用いた(AlqGa1-q0.5In0.5P活性層に代えて
(All Ga1-l0.5In0.5P層とGamIn1-mP層
が交互に積層してなる多重量子井戸構造である。参考例
と同一部分及び対応する部分には同一符号を付す。
【0033】図中、1は150μm厚のn型GaAs基
板であり、該n型GaAs基板1上には、0.3μm厚
のn型Ga0.5In0.5Pバッファー層2が形成されてい
る。
【0034】前記バッファー層2上には、0.8μm厚
のn型(AlxGa1-x0.5In0.5P(0.4≦x≦
1、望ましくはx=0.7)第1クラッド層3、500
Å厚のアンドープの(Al0.5Ga0.50.5In0.5P光
ガイド層24aと該光ガイド層24a上に設けられた3
0Å厚のアンドープのGamIn1-mP井戸層24b(本
実施例ではm=0.51、全8層)と40Å厚のアンド
ープの(AllGa1-l 0.5In0.5P障壁層24c(本
実施例ではl=0.5、全7層)とが交互に積層されて
なる多重量子井戸構造部と該構造部上に設けられたけら
れた500Å厚のアンドープの(Al0.5Ga0.50.5
In0.5P光ガイド層24dとからなる活性層24、
0.2μm厚のp型(AlyGa1-y0.5In0.5
(0.4≦y≦1、望ましくはy=0.7)第2クラッ
ド層5が形成されてダブルヘテロ構造部が作成され、該
p型クラッド層5上にはメサエッチング工程において、
エッチングストッパー層として作用する30Å厚のGa
rIn1-rP井戸層(本実施例ではr=0.55、全4
層)16aと40Å厚の(AluGa1-u0.5In0.5
障壁層(本実施例ではu=0.7、全3層)16bとが
交互にこの順序に積層されてなる多重量子井戸構造をも
つ前記活性層4よりバンドギャップエネルギーが大きい
エッチングストッパー層16が形成されている。
【0035】前記エッチングストッパー層16上にはメ
サストライプ状のp型(AlzGa1 -z0.5In0.5
(0.4≦z≦1、望ましくはz=0.7)第3クラッ
ド層7が形成され、該第3クラッド層7上にはp型Ga
0.5In0.5Pコンタクト層8が形成されてメサストライ
プ部9が作成されている。前記エッチングストッパー層
16のうちこのメサストライプ部9が形成されていない
部分上、及び該ストライプ部9の側面にはn型GaAs
ブロック層10が形成されている。
【0036】前記コンタクト層8上及びn型GaAsブ
ロック層10上には、p型GaAsキャップ層11が形
成されている。このp型GaAsキャップ層11上面、
n型GaAs基板1下面には、それぞれAu−Crから
なるp型側オーミック電極12、Au−Sn−Crから
なるn型側オーミック電極13が形成されている。
【0037】尚、本実施例の場合発振波長は630nm
である。
【0038】斯る構造の半導体レーザ素子の製造は、
考例のエッチングストッパー層6に代えてp型GaIn
P井戸層16aとp型AlGaInP障壁層16bを交
互にをMOCVD法により形成すると共にAlGaIn
P活性層4に代えて活性層24も同様にMOCVD法に
より形成する以外は参考例と同様に作成できる。
【0039】本実施例の製造方法で作成した半導体レー
ザ素子25個とエッチングストッパー層を用いない従来
例の製造方法で作成した半導体レーザ素子の特性を測定
した。本実施例による歩留まりは約80%であり、従来
の歩留まり約40%の2倍に改善できた。図5はレーザ
発振閾値電流のバラツキを示し、図6はスロープ効率の
バラツキを示す。
【0040】これら図から判るように、本実施例の半導
体レーザ素子の特性が均一であることが判る。
【0041】このように歩留まりも良く特性の均一な半
導体レーザ素子が得られたのは、前記エッチングストッ
パー層16がエッチングストッパー層として十分に機能
し且つエッチングストッパー層16にて発振波長の光を
吸収しなかったためである。
【0042】斯る構造のエッチングストッパー層16
は、前記井戸層16aの組成比rを大きく(0.51<
r≦0.65)、該層16aの層厚を小さく、障壁層1
6bの組成比uを1に近づけまたは1に等しくし、又は
全層数を少なく選択することにより、前記エッチングス
トッパー層16のバンドギャップエネルギーを活性層の
バンドギャップエネルギーより大きくして、発振波長が
590nm程度でも用いることができると共に前記井戸
層16aの層厚が小さい場合でもこれら層16aが複数
層含まれているので、メサエッチングがエッチングスト
ッパー層16で制御良く停止できる。
【0043】尚、本実施例では各半導体層をMOCVD
法で形成したが、分子線エピタキシャル成長法で行って
もよい。又、メサエッチングを行うエッチング液は塩酸
系溶液に代えて燐酸系溶液、硫酸系溶液、又は臭化水素
酸系溶液でもよい。
【0044】更に、本実施例で用いる活性層は上述のよ
うにAlGaInP層でもよく、(AltGa1-tw
1-wP井戸層と(AlsGa1-s0.5In0.5P(0≦
t<s≦1、0.3<w<0.7)障壁層が交互に積層
されてなる多重量子井戸構造層であってもよく、又Ga
InP層でもよい。
【0045】また、AlGaInPからなる第2クラッ
ド層には、例えば(AlgGa1-g 0.5In0.5P井戸層
と(AlhGa1-h0.5In0.5P(0≦g<h≦1)障
壁層が交互に積層されてなる多重量子井戸構造(MQB
構造)層が含まれていてもよい。
【0046】
【0047】
【発明の効果】 本発明 によれば、エッチングストッパー
層にGa r In 1-r P層(0.51<r≦0.65)とA
lGaInP層を交互に積層してなる多重量子井戸構造
を用いるので、該エッチングストッパー層のバンドギャ
ップエネルギーを大きくすることが可能であると共にエ
ッチングストッパーとして作用するGaInP層が複数
存在するので、発振波長が短い場合であっても歩留まり
よく特性の良いレーザ素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る参考例の半導体レーザ素子の断面
図とその製造工程を示す図である
【図2】GavIn1-vP層の歪み量とPLピー波長の関
係を示す図である。
【図3】本発明に係る実施例の半導体レーザ素子の断面
図である。
【図4】上記実施例の半導体レーザ素子の要部拡大断面
図である。
【図5】上記実施例の半導体レーザ素子のレーザ発振閾
値に関するヒストグラム図である。
【図6】上記実施例の半導体レーザ素子のスロープ効率
に関するヒストグラム図である。
【図7】従来例の半導体レーザ素子の断面図である。
【図8】従来のGa0.51In0.49Pエッチングストッパ
ー層の層厚とバンドギャップエネルギーの関係を示す図
である。
【符号の説明】
1 n形GaAs基板 3 第1クラッド層(n型AlGaInP) 4 活性層(AlGaInP) 5 第2クラッド層(p型AlGaInP) 6 エッチングストッパー層(p型GavIn1-v
P) 7 第3クラッド層(p型AlGaInP) 16 エッチングストッパー層(多重量子井戸構造) 16a p型GaInP井戸層 16b p型AlGaInP障壁層 24 活性層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型のGaAs基板と、この基板
    上に設けられたAlGaInPからなる第1導電型の第
    1クラッド層と、活性層と、AlGaInPからなる第
    2導電型の第2クラッド層とで構成されるダブルヘテロ
    接合部と、前記第2クラッド層上に形成されたGa r
    1-r 井戸層とAlGaInP障壁層とが交互に積層
    されてなる多重量子井戸構造であって前記活性層よりバ
    ンドギャップエネルギーが大きいエッチングストッパー
    層と、該エッチングストッパー層上に形成されたAlG
    aInPからなるメサストライプ状の第2導電型の第3
    クラッド層とを含む多層構造を有し、前記Ga r In 1-r
    P井戸層の組成比rが0.51<r≦0.65である
    とを特徴とするAlGaInP系可視光半導体レーザ素
    子。
JP27721292A 1992-10-15 1992-10-15 AlGaInP系可視光半導体レーザ素子 Expired - Fee Related JP3244312B2 (ja)

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