JPH07115251A - 半導体レーザ - Google Patents

半導体レーザ

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JPH07115251A
JPH07115251A JP27069393A JP27069393A JPH07115251A JP H07115251 A JPH07115251 A JP H07115251A JP 27069393 A JP27069393 A JP 27069393A JP 27069393 A JP27069393 A JP 27069393A JP H07115251 A JPH07115251 A JP H07115251A
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JP
Japan
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layer
electrode layer
energy gap
type
electrode
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Application number
JP27069393A
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English (en)
Inventor
Yoshio Itaya
義夫 板屋
Shinichi Matsumoto
信一 松本
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Publication of JPH07115251A publication Critical patent/JPH07115251A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速変調が可能な低い素子抵抗をもつ埋め込
み構造レーザを提供する。 【構成】 半導体レーザは第1の導電型を有する(10
0)半導体基板201上に、第1の導電型を有するバッ
ファ層302、歪量子井戸活性層305、第2の導電型
を有するクラッド層306、第1の電極層307、第2
の電極層308を形成しこれらを加工してメサストライ
プ310とし、メサ側壁を鉄ドープ高抵抗埋込み層31
1により埋込み、SiO2 膜312を付け、窓開けを
し、p形電極314とn形電極315を両側に形成す
る。クラッド層306と接する第1の電極層307のエ
ネルギギャップがクラッド層より小さく、第1の電極層
の上の第2の電極層308のエネルギギャップより大き
くする。電極層は3層以上設け順次エネルギギャップを
大きくしてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光伝送用光源として重要
な埋込み構造半導体レーザに関するものである。
【0002】
【従来の技術】埋込み構造レーザは狭い活性層に電流と
光を有効に閉じ込められることから低電流動作を可能に
し、高効率な光源として光通信に用いられている。埋込
み構造半導体レーザとしては、メサ両側の埋込み層の違
いによりp−n接合埋込み型と高抵抗埋込み型の2種類
がある。まずp−n接合埋込み型の従来技術から説明す
る。図1は我々が開発した全ての結晶成長を有機金属気
相成長(MOVPE)法によって作製した埋込み構造レ
ーザの構造を示した断面斜視図である(参考文献:特開
平1−189185号、近藤、板屋、“埋込み構造半導
体レーザの製造方法”、Itaya,Oishi,Na
kao,Sato,Kondo,Imamura,“L
ow−threshold operation of
1.5μm buried heterostruc
ture DFB lasersgrown enti
rely by low pressure MOVP
E”,Electron.Lett.pp.193−1
94,vol.23,1987)。この構造の特徴はメ
サの高さを1μm以下と低くし、有機金属気相成長法で
発生するメサ側壁の異常成長を抑えることで埋込み構造
ができることを明らかにしたものである。作製方法はn
形InP基板(Snドープ、n形不純物濃度2×1018
cm-3)1の上にn形InPバッファ層(n形不純物濃
度2×1018cm-3、厚さ0.5μm)2、アンドープ
のInGaAsP活性層(エネルギギャップ波長1.5
5μm、厚さ0.1μm)3、Znをp形不純物として
ドーピングしたp形InP層(厚さ0.5μm)4を連
続成長し、成長した表面にSiO2 膜をスパッタ法等に
より付け、通常のホトリソグラフィ法とドライエッチン
グ技術により1.5〜2.0μm幅のストライプマスク
を作製し、そのあと塩素系ガスを用いた反応性ドライエ
ッチング技術により活性層の下までエッチングを行ない
メサを形成する。その後、メサ側壁をp形InP層(厚
さ0.7μm、P形不純物濃度1017cm-3)5、n形
InP層(厚さ0.7μm、n形不純物濃度1017cm
-3)6で埋め込む。次に、SiO2 マスクをフッ酸によ
って除去し、全面に渡ってp形InP層(p形不純物濃
度1017cm-3、厚さ1.5μm)7と、さらに電極層
となるp+ 形InGaAs層(厚さ0.5μm)8とを
連続成長する。電極層8の上に電流狭窄用SiO2 膜9
とAuZnNiからなるp形電極10とを設け、基板裏
面にはAuGeNiからなるn形電極11を設ける。こ
の場合、電極層としては金属とオーミック接触が得られ
るようにできるだけ禁制帯のエネルギギャップの小さい
方が望ましい。また、MOVPE法では図2に示したよ
うにエネルギギャップ波長において長波長になるほどよ
り多くp形不純物をドーピングできることがわかってい
る。従って、電極層としてはInGaAsP系での最も
よく不純物をドーピングできるInGaAs結晶を用い
るのが一般的であった。図3はこのようにして作製した
レーザの電流−光出力特性および、電流−微分抵抗特性
を示したものである。レーザは10mAで発振した。し
かし、閾値付近での微分抵抗は約8Ωあり、電流を増加
させるに従って、6Ω程度に漸近していく特性を示し
た。レーザの変調速度は素子の容量(C)と抵抗(R)
によって制限され、f=1/2πRCが電気的なカット
オフ周波数になる。従って、抵抗を下げることが高速変
調を行なうため必須の条件となる。また、素子の発熱が
抵抗に依存することから低抵抗が高温での動作、あるい
は高出力にも必要な条件である。
【0003】次に、高抵抗埋込み型の従来技術を説明す
る。半絶縁性高抵抗埋込みレーザは素子容量を小さくで
きることから、高速変調用の光源として開発が進められ
ている。図4はN.Nordell等によって報告され
た半絶縁性高抵抗埋込みレーザの断面図である(文献:
MOVPE regrowth of semi−in
sulating InP around react
ive ion etched laser mesa
s,Electronics Letterspp.9
26−927,vol.27,1991)。n形InP
基板12上に発振波長が1.55μmとなる多重量子井
戸構造活性層13、p型InPクラッド層14、p+
InGaAs電極層15をMOVPE法により成長し、
幅約2〜2.5μmのメサに加工した後、MOVPE法
により、メサを鉄ドープ高抵抗InP層16によって埋
め込んだレーザである。閾値30mA,光出力20mW
が得られているが、p型の電極をとる電極層に三元混晶
のInGaAs15を用いているので次のような問題点
がある。InGaAs結晶のエネルギギャップは0.7
5eVであり、p型の電極材料としてAuZnNi合金
を用いると金属と半導体の間にできるエネルギギャップ
の差(ショットキー障壁)を小さくすることができ、低
抵抗なオーミック接触が得られる。しかし、メサの構造
が垂直に立っているために、p型電極層15の幅は2μ
mと狭く、閾値付近の電流値においては抵抗が高く、1
0GHz以上の高速の変調がかかり難いという問題があ
った。
【0004】高抵抗埋込みレーザにおいて抵抗を下げる
方法として、P.A.Morton等は図5に示す構造
を報告している(25GHz bandwidth
1.55μm GaInAsP p−doped st
rained multiquantum−well
lasers,Electronics Letter
s,pp.2156−2157,vol.28 199
2)。図5の構造ではn形InP基板17の上にn形I
nPバッファ層18、多重量子井戸構造活性層19、p
形InP層20を成長し、メサ加工した後、鉄ドープI
nP層21、n形InP層22で1回目の埋込み成長を
行ない、さらに2回目の成長で全面にp形InP層2
3、p+ 形InGaAs電極層24を成長し、素子の抵
抗を下げるために15μmと広めのメサを形成、3回目
の成長で、高抵抗InP層25で埋込み成長を行なった
ものである。p形電極領域を広く取って素子の抵抗を
2.3Ωまで下げ25GHzまでの高速変調が達成され
ている。しかし、埋込み成長回数が3回と多く、歩留り
の低下をきたすという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は有機金
属気相成長法によって作製する埋込みレーザにおいて高
速変調が可能な低い素子抵抗をもつ埋込み構造レーザを
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は有機金属気相成
長法によって作製する半導体レーザにおいて電極層を多
層にし、電極用金属と接する層のエネルギギャップを小
さくすることで、ショットキー障壁の小さい接触とし、
クラッド層から金属電極に接する層までの層のエネルギ
ギャップを階段状に小さくした構造を最も主要な特徴と
する。
【0007】すなわち、請求項1の発明は、第1の導電
型を有する(100)面半導体基板上に配された少なく
とも活性層、第2の導電型を有するクラッド層、および
電極層からなる積層体がメサストライプ状に加工されて
おり、該メサ側壁を高抵抗半導体結晶層、または下から
第2の導電型を有する半導体層と第1の導電型を有する
半導体層の積層体で埋め込まれた構造を持つ半導体レー
ザにおいて、前記電極層が2層からなり、前記クラッド
層に接する第1の電極層のエネルギギャップが前記クラ
ッド層のエネルギギャップよりも小さく、かつ第1の電
極層の上の第2の電極層のエネルギギャップよりも大き
いことを特徴とする。
【0008】請求項2の発明は、第1の導電型を有する
(100)面半導体基板上に配された少なくとも活性
層、および第2の導電型を有するクラッド層からなる積
層体がメサストライプ状に加工されており、該メサ側壁
を第2の導電型を有する半導体層または高抵抗半導体結
晶層、第1の導電型を有する半導体層から成る埋込み層
で埋込まれ、さらにメサ上部および埋込み層上に第2の
導電型を有する半導体層と電極層を配した構造を持つ半
導体レーザにおいて、前記電極層が2層からなり、前記
クラッド層に接する第1の電極層のエネルギギャップが
前記クラッド層のエネルギギャップよりも小さく、かつ
第1の電極層の上の第2の電極層のエネルギギャップよ
りも大きいことを特徴とする。
【0009】請求項3の発明は、請求項1または2に記
載の半導体レーザにおいて、前記電極層は少なくとも3
層からなり、前記クラッド層に接する第1の電極層のエ
ネルギギャップが前記クラッド層のエネルギギャップよ
りも小さく、第1の電極層の上の第2の電極層のエネル
ギギャップが第1の電極層のエネルギギャップよりも小
さく、第2の電極層の上の第3の電極層のエネルギギャ
ップが第2の電極層のエネルギギャップよりも小さいこ
とを特徴とする。
【0010】
【作用】図6に従来、報告されている有機金属気相成長
法による埋込み構造レーザのp+ 形InGaAs電極層
とp形InPクラッド層のエネルギバンド構造図を示し
た。p形電極からはホールが半導体レーザに注入され、
ホールはエネルギバンドの価電子帯内を移動して活性層
に注入される。活性層上のクラッド層InP101のエ
ネルギギャップは1.4eVであり、電極層のInGa
As層102のエネルギギャップは0.75eVであ
る。エネルギギャップの異なるp型半導体を接合させる
と広いギャップから狭いギャップ側にホールが移動し、
ホールが蓄積された蓄積層が形成される。そのために、
図6に示すように、ホールにとっては障壁となるノッチ
(ΔEv1)103が現われる。そのためにホールが障
壁を超えられる電圧までは電流が流れ難く、高い微分抵
抗を示すことになる。これに対して、図7は本発明のエ
ネルギバンド構造図を示したものであり、電極層を金属
と接するp+ 形InGaAs電極層(Eg=0.75e
V)102からp形InGaAsP層(エネルギギャッ
プ波長λ=1.3μm、Eg=0.95eV)104、
p形InPクラッド層(Eg=1.4eV)101へと
階段状にエネルギギャップを大きくすることにより、ホ
ールの蓄積による障壁(ΔEv2,ΔEv3)105,
106の高さを低くし、金属電極からクラッド層へホー
ルを効率よく注入できる。このため素子抵抗が下がる。
【0011】
【実施例】本発明の第一の実施例について説明する。図
8〜図12を用いて本発明の製造方法について説明す
る。ここではInGaAsP/InP系レーザを例とし
た。図8はn形InP基板(n型不純物濃度2×1018
cm-3)201の上にn形InPバッファ層(n形不純
物濃度2×1018cm-3、厚さ0.5μm)202,I
nGaAsを井戸層203とし、InGaAsP(エネ
ルギギャップ波長λ=1.3μm)をバリア層204と
する6〜12井戸数の歪量子井戸活性層205、p形I
nP層(p形不純物濃度2×1017cm-3、厚さ0.5
μm)206をMOVPE法により順次成長する。次に
SiO2 膜をスパッタ法により表面に付ける。SiO2
ストライプマスク207を通常のホトリソグラフィ法と
CF4 とH2 をエッチングガスとして用いたドライエッ
チング法により成長面に形成する。ストライプの幅はレ
ーザ光の単一横モードを得るために1.5μmとする。
埋込み用のメサはエタンガスと水素の混合ガスを用いた
リアクティブイオンエッチング(RIE)法によって活
性層の下までメサの高さが約1μmになるようにエッチ
ングする。エタンガスを用いたRIE法では、図9に示
すように、側壁が垂直なメサが形成される。次に、Si
2 マスクをそのまま選択成長用マスクとして、メサス
トライプの両側をp形InP層(厚さ0.7μm、p形
不純物濃度1017cm-3)208、n形InP層(厚さ
0.7μm、n形不純物濃度1017cm-3)209で埋
め込む。この場合、p形InP層の代りに鉄ドープ高抵
抗InP層を用いてもよい。このように選択的に埋込み
成長を行なうと図10のようになる。次に、SiO2
スク207をフッ酸によって除去し、さらに全面に渡っ
てp形InP層(p形不純物濃度1017cm-3、厚さ
1.5μm)210、さらに電極層となるp形InGa
AsP層(エネルギギャップ波長1.3μm、p形不純
物濃度7×1017cm-3、厚さ0.1μm)211、p
+ 形InGaAs層(厚さ0.5μm)212を連続成
長する。成長した表面にSiO2 膜213を表面に付
け、通常のホトリソグラフィ法とドライエッチング法に
より電極用の窓開け214を行なう(図11)。その
後、基板裏面側を研磨し、ウェハの厚さを約100μm
としたのち、成長面側にp形の電極としてAuZnNi
215をリフトオフ法により窓214の部分にのみ付
け、基板裏面側にn形電極としてAuGeNi216を
蒸着し、窒素雰囲気中約420℃でシンタリングをおこ
なう。さらにボンディング用に金217を図12に示す
ように電流注入用窓214の上とパッド部にメッキし
た。レーザチップは長さ300μmとし、劈開により形
成した。
【0012】次に、この実施例の動作について説明す
る。図13は電流−微分抵抗特性と電流−光出力特性を
示したもので、発振しきい値は10mAであり、電流が
80mAでの光出力は18mWであった。また、しきい
値における効率は26%の高効率となり、良好な特性を
示した。また、電流−微分抵抗特性は発振しきい値にお
いて折れ曲がり、発振しきい値以上の電流値では抵抗値
は2Ωで一定となり、きわめて良好な特性を示した。図
3と比較すると、電極層がInGaAsのみでできたも
のの電流−微分抵抗特性は、InGaAs層とInP層
の間にできるエネルギ障壁(ΔEv1)103によって
ホールが流れ難く、発振しきい値付近の抵抗が高く、ま
た、折れ曲がりのない特性になっていることが本発明と
異なる。本発明の実施例に示した電極層の構造による抵
抗の低下により3dB変調帯域として20GHzが得ら
れた。また、150℃までのレーザ発振が確認された。
【0013】図14〜図18を用いて本発明の第2の実
施例について説明する。図14〜図18は製造方法を説
明する図である。ここではInGaAsP/InP系レ
ーザを例とした。図14はn形InP基板(n型不純物
濃度2×1018cm-3)301の上にn形InPバッフ
ァ層(n形不純物濃度2×1018cm-3、厚さ0.5μ
m)302,InGaAsを井戸層303とし、InG
aAsP(エネルギギャップ波長λ=1.3μm)をバ
リア層304とする6〜12井戸数の歪量子井戸活性層
305、p形InPクラッド層(p形不純物濃度2×1
17cm-3、厚さ1.5μm)306,p形InGaA
sP(エネルギギャップ波長λ=1.3μm、p形不純
物濃度2×1018cm-3、厚さ0.2μm)307,p
+ 形InGaAs(p形不純物濃度5×1018cm-3
厚さ0.3μm)308をMOVPE法により順次成長
する。次に、SiO2 膜をスパッタ法により埋込み成長
面側に付ける。SiO2 ストライプマスク309を通常
のホトリソグラフィ法とCF4 とH2 をエッチングガス
として用いたドライエッチング法とにより成長面に形成
する。ストライプの幅はレーザ光の単一横モードを得る
ために1.5μmとする。埋込み用のメサはエタンガス
と水素の混合ガスを用いたリアクティブイオンエッチン
グ(RIE)法によって活性層の下まで約2.7μmエ
ッチングする。エタンガスを用いたRIE法では図15
に示すような側壁が垂直なメサ310が形成される。次
に、SiO2 マスクをそのまま選択成長用マスクとし
て、メサストライプの両側を鉄ドープ高抵抗InP埋込
み層311により選択的に埋込み成長を行なうと図16
のようになる。SiO2 マスクを剥離後、再度電流阻止
用SiO2 膜312を表面に付け、通常のホトリソグラ
フィ法とドライエッチング法により電極用の窓開け31
3を行なう(図17)。その後、基板裏面側を研磨し、
ウェハの厚さを約100μmとしたのち、成長面側にp
形の電極としてAuZnNiをリフトオフ法により窓3
13の部分にのみ付け、基板裏面側にn形の電極として
AuGeNi315を蒸着し、窒素雰囲気中約420℃
でシンタリングを行う。さらにボンディング用に金31
6を図18に示すように電流注入用窓313の上とパッ
ド部にメッキした。レーザチップは長さ300μmと
し、劈開により形成した。
【0014】次に、この実施例の動作について説明す
る。発振しきい値は10mAであり、電流が80mAで
の光出力は15mWと良好な特性を示した。また、電流
−微分抵抗特性は発振しきい値において折れ曲がり、発
振しきい値以上の電流値では抵抗値2Ωで一定となり
(図13の特性と同様)、きわめて良好な特性を示し
た。本発明の実施例に示した電極層の構造による抵抗の
低下と半絶縁埋込み層による素子容量の低下(約2p
F)により3dB変調帯域として20GHzが得られ
た。
【0015】実施例には電極層として2層のものを示し
たが、図19に示すように電極層の構造を第1のp形I
nGaAsP(エネルギギャップ波長λ=1.1μm、
厚さ0.1μm)、第2のp形InGaAsP(エネル
ギギャップ波長λ=1.3μm、厚さ0.1μm)、p
+ 形InGaAs層の3層構造としてもよい。さらに電
極層を図20のエネルギバンド構造に示すようにp形I
nGaAsP層のエネルギギャップが402a,…,4
02mからなるようにエネルギギャップが階段状に順次
小さくなるような構造とし、さらにp+ 形InGaAs
電極層102を加えた多層構造としてもよい。
【0016】材料系としては、InGaAsP/InP
系を用いて説明したが、電極層の材料、構造はこれに限
定されるものではなく、InGaAs/InAlAs
系、GaAs/AlGaAs系の材料であってもよい。
また、活性層はMQW構造、DH構造を用いてもよい。
また、p型とn型を逆にしてもよい。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
低抵抗の半導体レーザが得られ、高出力、高温動作、高
速変調動作が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の全ての結晶成長を有機金属気相成長法で
行なった埋込み半導体構造レーザの断面斜視図である。
【図2】InGaAsP結晶系におけるエネルギギャッ
プ波長と有機金属気相成長法によってドーピング可能な
p形不純物濃度の関係を示す図である。
【図3】従来のp+ 形InGaAs層のみを電極層にし
た埋込み構造半導体レーザの電流−光出力特性と電流−
微分抵抗特性を示す図である。
【図4】従来の半絶縁性高抵抗埋込みレーザの構造図で
ある。
【図5】従来の3回の埋込み成長による半絶縁性高抵抗
埋込みレーザの構造図である。
【図6】従来の埋込み構造半導体レーザのクラッド層と
電極層のエネルギバンド構造を示す図である。
【図7】本発明の埋込み構造半導体レーザの2層電極層
とp型InPクラッド層のエネルギバンド構造を示す図
である。
【図8】本発明の埋込み構造半導体レーザの製造工程の
一段階で形成される製品の断面斜視図である。
【図9】本発明の埋込み構造半導体レーザの製造工程の
一段階で形成される製品の断面斜視図である。
【図10】本発明の埋込み構造半導体レーザの製造工程
の一段階で形成される製品の断面斜視図である。
【図11】本発明の埋込み構造半導体レーザの製造工程
の一段階で形成される製品の断面斜視図である。
【図12】本発明の埋込み構造半導体レーザの製造工程
の一段階で形成される製品の断面斜視図である。
【図13】本発明の2層電極層にした埋込み構造半導体
レーザの電流−光出力特性と電流−微分抵抗特性を示す
図である。
【図14】本発明の半絶縁性高抵抗埋込みレーザの製造
工程の一段階で形成される製品の断面斜視図である。
【図15】本発明の半絶縁性高抵抗埋込みレーザの製造
工程の一段階で形成される製品の断面斜視図である。
【図16】本発明の半絶縁性高抵抗埋込みレーザの製造
工程の一段階で形成される製品の断面斜視図である。
【図17】本発明の半絶縁性高抵抗埋込みレーザの製造
工程の一段階で形成される製品の断面斜視図である。
【図18】本発明の半絶縁性高抵抗埋込みレーザの製造
工程の一段階で形成される製品の断面斜視図である。
【図19】本発明の埋込み構造半導体レーザの電極層と
クラッド層のエネルギバンド構造の一例を示す図であ
る。
【図20】本発明の埋込み構造半導体レーザの電極層と
クラッド層のエネルギバンド構造の他の例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 n形半導体基板 2 n形InPバッファ層 3 InGaAsP活性層 4 薄いp形InP層 5 p形InP埋込み層、あるいは鉄をドープした高抵
抗埋込み層 6 n形InP埋込み層 7 p形InPクラッド層 8 P+ 形InGaAs電極層 9 電流狭窄用SiO2 膜 10 AuZnNip形電極 11 AuGeNin形電極 12 n形InP基板 13 多重量子井戸構造の活性層 14 p形InPクラッド層 15 p+ 形InGaAs電極層 16 鉄ドープ高抵抗埋込み層 17 n形InP基板 18 n形InPバッファ層 19 多重量子井戸構造活性層 20 薄いp形InP層 21 鉄ドープ高抵抗埋込み層 22 n形InP埋込み層 23 p形InP埋込み層 24 p+ 形InGaAs電極層 25 鉄ドープ高抵抗埋込み層 101 p形InPクラッド層 102 p+ 形InGaAs電極層 103 ヘテロ接合面にできたエネルギ障壁(ノッチ) 104 p形InGaAsP(エネルギギャップ波長λ
=1.3μm) 105 p形InP層とp形InGaAsP(エネルギ
ギャップ波長λ=1.3μm)の境面にできるエネルギ
障壁(ノッチ) 106 p形InGaAsP(エネルギギャップ波長λ
=1.3μm)とp+形InGaAs層の境面にできる
エネルギ障壁(ノッチ) 201 InP基板 202 n形InPバッファ層 203 InGaAs井戸層 204 InGaAsP(エネルギギャップ波長λ=
1.3μm)バリア層 205 歪量子井戸活性層 206 薄いInPクラッド層 207 メサ形成用SiO2 ストライプマスク 208 p形InP埋込み層、あるいは鉄をドープした
高抵抗埋込み層 209 n形InP埋込み層 210 p形InPクラッド層 211 第1の電極層(p形InGaAsP(エネルギ
ギャップ波長λ=1.3μm)) 212 第2の電極層(p+ 形InGaAs) 213 電流狭窄用SiO2 膜 214 電流注入用窓 215 p形電極(AuZnNi) 216 n形電極(AuGeNi) 217 金属電極(Au) 301 n形InP基板 302 n形InPバッファ層 303 InGaAs井戸層 304 InGaAsP(エネルギギャップ波長λ=
1.3μm)バリア層 305 歪量子井戸活性層 306 p形InPクラッド層 307 p形InGaAsP(エネルギギャップ波長λ
=1.3μm)第1の電極層 308 p+ 形InGaAs第2の電極層 309 SiO2 ストライプマスク 310 埋込み用メサストライプ 311 鉄ドープInP高抵抗埋込み層 312 電流阻止用SiO2 膜 313 電流注入用窓 314 p形電極(AuZnNi) 315 n形電極(AuGeNi) 316 金属電極(Au) 401 p形InGaAsP(エネルギギャップ波長λ
=1.3μm) 402a〜m 組成が異なるp形InGaAsP F フェルミレベル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の導電型を有する(100)面半導
    体基板上に配された少なくとも活性層、第2の導電型を
    有するクラッド層、および電極層からなる積層体がメサ
    ストライプ状に加工されており、該メサ側壁を高抵抗半
    導体結晶層、または下から第2の導電型を有する半導体
    層と第1の導電型を有する半導体層の積層体で埋め込ま
    れた構造を持つ半導体レーザにおいて、 前記電極層が2層からなり、前記クラッド層に接する第
    1の電極層のエネルギギャップが前記クラッド層のエネ
    ルギギャップよりも小さく、かつ第1の電極層の上の第
    2の電極層のエネルギギャップよりも大きいことを特徴
    とする半導体レーザ。
  2. 【請求項2】 第1の導電型を有する(100)面半導
    体基板上に配された少なくとも活性層、および第2の導
    電型を有するクラッド層からなる積層体がメサストライ
    プ状に加工されており、該メサ側壁を第2の導電型を有
    する半導体層または高抵抗半導体結晶層、第1の導電型
    を有する半導体層から成る埋込み層で埋込まれ、さらに
    メサ上部および埋込み層上に第2の導電型を有する半導
    体層と電極層を配した構造を持つ半導体レーザにおい
    て、 前記電極層が2層からなり、前記クラッド層に接する第
    1の電極層のエネルギギャップが前記クラッド層のエネ
    ルギギャップよりも小さく、かつ第1の電極層の上の第
    2の電極層のエネルギギャップよりも大きいことを特徴
    とする半導体レーザ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の半導体レーザ
    において、前記電極層は少なくとも3層からなり、前記
    クラッド層に接する第1の電極層のエネルギギャップが
    前記クラッド層のエネルギギャップよりも小さく、第1
    の電極層の上の第2の電極層のエネルギギャップが第1
    の電極層のエネルギギャップよりも小さく、第2の電極
    層の上の第3の電極層のエネルギギャップが第2の電極
    層のエネルギギャップよりも小さいことを特徴とする半
    導体レーザ。
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