JP3096419B2 - 半導体レーザ素子 - Google Patents

半導体レーザ素子

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JP3096419B2
JP3096419B2 JP08003912A JP391296A JP3096419B2 JP 3096419 B2 JP3096419 B2 JP 3096419B2 JP 08003912 A JP08003912 A JP 08003912A JP 391296 A JP391296 A JP 391296A JP 3096419 B2 JP3096419 B2 JP 3096419B2
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智彦 ▲吉▼田
弘之 細羽
健 大林
雅文 近藤
進治 兼岩
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ素子
に関し、特に閾値電流が低く、高効率で発振でき、かつ
高出力の場合でも基本横モード動作することができる半
導体レーザ素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザ素子は多くの分野において
応用されており、より良好な光学特性が要求されてい
る。優れた光学特性を得るために、屈折率導波構造を採
用した半導体レーザ素子が数多く提案されている。上記
屈折率導波構造としては、例えば、VSIS構造や、B
H構造が挙げられる。
【0003】上記VSIS構造の半導体レーザ素子の1
例を図6に示す。この半導体レーザ素子は、電流阻止層
62が積層形成された半導体基板61に断面V形状のス
トライプ状の溝63が形成されており、その上に第1ク
ラッド層64、活性層65、第2クラッド層66、キャ
ップ層67が積層形成されており、基板61側とキャッ
プ層67側にそれぞれ電極69、68が形成されてい
る。この半導体レーザ素子においては、電流阻止層62
に形成された上記溝63にて電流が狭窄される。上記電
流阻止層62は、光吸収作用を有する材料で形成されて
おり、この部分において屈折率導波路が形成されてい
る。このようなVSIS構造を有する半導体レーザ素子
では、上記電流阻止層62の光吸収作用によって、高次
横モードの損失が基本横モードの損失に対して非常に大
きくなるので、極めて安定な基本横モード動作が得られ
る。しかし、この構造を有する半導体レーザ素子では、
上記電流阻止層62の光吸収作用により基本横モードも
ある程度損失されるため、微分効率の低下および発振閾
値電流の増大を招くという欠点があった。特にこの半導
体レーザ素子を高出力で動作させる場合には、動作電流
が増大したり、素子の信頼性が低下するという恐れがあ
った。
【0004】次に上記BH構造の半導体レーザ素子の一
例を図7に示す。この半導体レーザ素子では、基板71
上に第1クラッド層72、活性層73、第2クラッド層
74が形成され、これら3層72、73、74および基
板71の上部が、通常のフォトリソグラフィ法等によっ
て部分的に除去されており、それにより活性領域となる
メサストライプ部75が形成されている。このメサスト
ライプ部75の両側には、例えば、液相成長法のように
選択成長が可能な結晶成長法によって積層された埋込層
76が形成されている。すなわち、メサストライプ部7
5が該埋込層76によって埋め込まれた構造となってい
る。この埋込層76は該活性層73の屈折率より小さな
屈折率を有している。かかる状態の上に、絶縁層78が
積層形成されているが、上記メサストライプ部75の上
部、すなわち図7中破線で囲んだ領域77にはZnが拡
散されており、このZn拡散領域77においてのみメサ
ストライプ部75内に電流が流れ込むように構成されて
いる。
【0005】このBH構造では、上記活性層73の両側
が活性層73の屈折率より低い屈折率を有する埋込層7
6によって埋め込まれているので、この部分が屈折率導
波路となり、電流および光の両方に対して強い閉じ込め
作用を有する。そのため、この半導体レーザ素子では発
振する光の損失が少なく、閾値電流が低い。さらに、活
性層73の側面に光吸収作用をもつ層がないので、微分
効率が高くなり、高効率で発振することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図7に示した
半導体レーザ素子では、基本横モードの損失だけでな
く、高次横モードの損失も小さいため、高次横モード発
振がおこりやすく、特に該半導体レーザ素子を高出力に
おいて動作させる場合には、安定して基本横モード動作
させることが極めて困難であるという欠点がある。ま
た、図7に示した構造では、活性領域であるメサストラ
イプ部75を形成してから埋込層76を成長させる間に
活性層73の側面部が空気にさらされるため酸化される
恐れがあり、作製された素子の信頼性が劣るという欠点
がある。
【0007】本発明は、上記欠点を解決しようとするも
のであり、閾値電流が低く、高出力においても高い微分
効率で安定して基本横モード発振することができ、吸収
損失の低い屈折率導波路を備えた信頼性に優れる半導体
レーザ素子を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の半導体
レーザ素子は、半導体基板上に、少なくとも、第1クラ
ッド層、活性層、第2クラッド層、及び保護層がこの順
で形成され、該保護層上に、少なくとも、リッジストラ
イプ状の第3クラッド層が形成され、該第3クラッド層両
側で、且つ、保護層の上に埋込層が形成されてなる半導
体レーザ素子であって、前記保護層は、そのV族元素と
して砒素を含む材料からなると共に、光吸収作用を有し
ており、且つ、その厚さが、0.01μm程度以下であ
って、前記埋込層は、前記第3クラッド層に比べてその
屈折率がより小さく、且つそのAl混晶比がより大きく
定されて、実屈折率差による屈折率導波路が形成されて
なることを特徴とするものである。
【0009】請求項2に記載の半導体レーザ素子は、
記保護層はGaAsからなることを特徴とするものであ
る。
【0010】
【0011】以下、本発明の作用を記載する。本発明に
あっては、活性層の上方に積層形成された第3クラッド
層の両側を該第3クラッド層の屈折率より小さい屈折率
を有する埋込層で覆うことによって、実屈折率差による
屈折率導波路が形成されている。活性層にて発生した光
の基本横モードは前記導波路によって閉じ込められる。
【0012】この埋込層はAlの含有量が多いため、埋
め込み成長を行う場合に、下地の層の表面状態により結
晶性が左右されやすいが、本発明では下地の層をAlを
ほとんど、もしくは全く含有しない保護層としているた
め、酸化などによる劣化のない表面の上に埋め込み成長
を行うことができて、良好な結晶性をもつ埋込層を形成
することが可能となる。
【0013】埋込層は、活性層よりバンドギャップを大
きくすることで光の吸収を抑えているが、上記保護層を
用いることで、結晶性の悪化による吸収の発生が抑えら
れるため、より吸収損失の低い屈折率導波路が形成され
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照して説明する。以下の実施例では、半導体基板として
GaAs基板を用い、該基板上に積層する半導体材料と
してAlGaAs系半導体を用いた。
【0015】図1は本発明の第1実施例の半導体レーザ
素子の要部断面図である。この半導体レーザ素子は、n
型GaAs基板1上に、n型GaAsバッファ層2、n
型AlGaAs第1クラッド層3、AlGaAs活性層
4、p型AlGaAs第2クラッド層5、p型GaAs
第1保護層6、p型AlGaAsエッチストップ層7、
p型GaAs第2保護層8、p型AlGaAs第3クラ
ッド層9、p型GaAs第3保護層10が積層形成され
ている。上記第3保護層10、上記第3クラッド層9、
上記第2保護層8および上記エッチストップ層7は、後
述するエッチングによって一部除去されてメサストライ
プ状に形成され、この部分12が電流狭窄部となってい
る。この電流狭窄部12の両側には、間隙をおいてn型
GaAs電流阻止層13が積層形成されている。この電
流阻止層13は、光吸収作用を有し、光吸収層としても
作用する。
【0016】さらに、上記電流狭窄部12と上記電流阻
止層13を埋め込むようにp型AlGaAsからなる埋
込層14が積層形成されている。すなわち、この埋込層
14により、電流狭窄部12の両側面が覆われ、かつ電
流狭窄部12と電流阻止層13との間隙が埋められてい
る。この埋込層14は、第3クラッド層9の屈折率より
小さい屈折率を有する。例えば、本実施例のようにAl
GaAs系半導体が用いられる場合には、該埋込層14
は、第3クラッド層9のAl混晶比よりもAl混晶比が
大きいAlGaAsを用いて形成される。
【0017】かかる構成の上にp型GaAsキャップ層
15が積層形成されており、基板1側と該キャップ層1
5側にそれぞれn側電極17とp側電極16が形成され
ている。
【0018】この半導体レーザ素子の製造方法を図2に
示す。まず、図2(a)に示すように分子線エピタキシ
ー(MBE)法によってウェハ状の上記基板1上に、上
記バッファ層2、第1クラッド層3、活性層4、第2ク
ラッド層5、第1保護層6、エッチストップ層7、第2
保護層8、第3クラッド層9、第3保護層10を成長さ
せ、さらにその上にp型AlqGa1-qAsからなる成長
阻止層11(qは0より大で、1未満である)を積層形
成する。
【0019】次に、図2(b)に示すようにフォトリソ
グラフィ法により、幅約2.5μmのストライプ状のレ
ジストパターンを形成し、ストライプ部分を残して上記
成長阻止層11、第3保護層10および第3クラッド層
9を除去し、電流狭窄部となるメサストライプ部12を
形成する。このとき、選択エッチング法を用いることに
より、第2保護層8の表面で正確にエッチングが止めら
れる。その後、フォトリソグラフィ法及び選択エッチン
グ法により、上記電流狭窄部12の両側の第2保護層8
が幅0.5μmのストライプ状に除去され、電流狭窄部
12の両側にエッチストップ層7が露出される。このよ
うにエッチストップ層7が形成されていると、その下部
の第1保護層6までエッチングされることが防止され
る。
【0020】第2保護層8がストライプ状に除去された
後、レジスト等を除去し、図2(c)に示すように、残
存する第2保護層8上に、液相成長法等の選択成長可能
な成長方法によってGaAs電流阻止層13を積層形成
した。この実施例では、上述のようにp型GaAsから
なる第2保護層8をストライプ状に除去することによ
り、この除去された部分にはAlGaAsからなるエッ
チストップ層7が露出されるので、GaAsからなる電
流阻止層13を、電流狭窄部12の両側部分に間隙をあ
けて選択的に積層することが可能になる。
【0021】また、電流狭窄部12の上にAlGaAs
からなる成長阻止層11が形成されていることにより、
電流狭窄部12上にGaAs層が成長することが妨げら
れる。
【0022】上記電流阻止層13を形成した後、選択エ
ッチング法によって、エッチストップ層7および成長阻
止層10を除去する。
【0023】次に、図2(d)に示すように、埋込層1
5およびキャップ層16を積層形成した。その後、通常
の方法によってn側電極17およびp側電極16を形成
し、得られた積層体を劈開によってチップ分割して半導
体レーザ素子とする。
【0024】第1実施例においては、GaAsからなる
第3保護層10が形成されていることにより、選択エッ
チングの後に容易に埋込層15およびキャップ層16を
積層形成することができる。
【0025】この半導体レーザ素子においては、電流狭
窄部12の両側が該第3クラッド層9の屈折率よりも小
さい屈折率を有する埋込層14で埋め込まれているた
め、この部分において実効屈折率差による第1の屈折率
導波路が形成されている。さらに、上記埋込層14の両
側には、光吸収作用を有する電流阻止層13が形成され
ており、これにより第2の屈折率導波路が形成されてい
る。
【0026】活性層4にて発生した光の基本横モードは
その大部分が第1の導波路によって閉じ込められる。高
次横モードは基本モードに比べ接合面に平行な方向への
しみだしが大きく、光吸収作用を有する電流阻止層13
による損失が大きくなる。その結果、安定な基本横モー
ド発振が得られる。
【0027】上記半導体レーザ素子においては、良好な
第1屈折率導波路を形成するためには、第3クラッド層
を形成するAlGaAsのAl混晶比、すなわちp型A
wGa1-wAsにおけるAl混晶比wは0.4以上0.
5以下の範囲内であることが好ましい。
【0028】また、上記実施例1において、上記選択エ
ッチングを円滑に行うためには、エッチストップ層7を
形成するp型AlpGa1-pAsのAl混晶比pおよび成
長阻止層11を形成するAlqGa1-qAsの混晶比qは
0.4以上であることが好ましく、第3クラッド層9に
おける混晶比wが0.5以下である場合にはqはwより
大きく、かつwとqとの差がある程度大きいことが好ま
しい。
【0029】この実施例の半導体レーザ素子において基
板1上に形成された上記各半導体層の詳細は以下の通り
である。
【0030】 バッファ層2:n型GaAs、厚さ1μm、 第1クラッド層3:n型AlxGa1-xAs,x=0.4
5,厚さ1.5μm、 活性層4:AlyGa1-yAs,y=0.14,厚さ0.
05μm、 第2クラッド層5:p型AlzGa1-zAs,z=0.4
5,厚さ0.15μm、 第1保護層6:p型GaAs、厚さ0.005μm、 エッチストップ層7:p型AlpGa1-pAs,p=0.
7,厚さ0.018μm、 第2保護層8:p型GaAs、厚さ0.005μm、 第3クラッド層9:p型AlwGa1-wAs,w=0.4
5,厚さ1.5μm、 第3保護層10:p型GaAs、厚さ0.01μm、 成長阻止層11:p型AlqGa1-qAs,q=0.7,
厚さ0.03μm、 電流阻止層13:n型GaAs、厚さ1μm、 埋込層14:p型AluGa1-uAs,u=0.7、 キャップ層15:p型GaAs、厚さ1μm。
【0031】ところで、第1実施例の半導体レーザ素子
では、電流狭窄部12において、第3クラッド層9の下
方にGaAsからなる第1保護層6および第2保護層8
が、上方にGaAsからなる第3保護層10が存在す
る。これら第1保護層6、第2保護層8および第3保護
層10はいずれも光吸収作用を有しているので、この光
吸収効果を抑えるため、これら第1保護層6、第2保護
層8および第3保護層10の厚さは0.01μm程度以
下であることが好ましい。第1実施例においては、これ
ら第1保護層6、第2保護層8および第3保護層10の
厚さは、いずれも0.005μmであり十分に薄く形成
されているので、これら第1保護層6、第2保護層8お
よび第3保護層10における光吸収効果は十分に小さ
く、半導体レーザ素子の動作にほとんど影響しない。
【0032】また、第1保護層6、第2保護層8および
これらの間に形成されたエッチストップ層7の3層にお
けるAl組成比の平均値は、第2クラッド層5および第
3クラッド層9のAl組成比と同じであるように構成し
ているので、これら3層の積層部分における光学的影響
はない。
【0033】第1の実施例の半導体レーザ素子は、その
閾値電流が25mAであり、低い閾値電流で発振するこ
とができた。
【0034】さらに、この半導体レーザ素子の2つの端
面に、それぞれ5%以下の反射率を有する反射膜と95
%以下の反射率を有する反射膜を形成し、非対称コーテ
ィングをすると、200mW以上の高出力動作させた場
合でも安定した基本横モード発振が得られた。
【0035】図3は本発明の第2実施例を示す縦断面図
である。
【0036】この半導体レーザ素子は、n型GaAs基
板21上に、n型GaAsバッファ層22、n型AlG
aAs第1クラッド層23、AlGaAs第1光ガイド
層24、多重量子井戸構造活性層25、AlGaAs第
2光ガイド層26、p型AlGaAs第2クラッド層2
7、p型GaAs保護層28、p型AlGaAs第3ク
ラッド層29が積層形成されている。上記第3クラッド
層29は、後述するエッチングによって一部除去されて
その上部の幅が下部の幅より大きい逆メサストライプ形
状に形成され、電流狭窄部が形成されている。逆メサス
トライプ形状の第3クラッド層29の両側には、第3ク
ラッド層29と間隙をおいてn型GaAs電流阻止層3
1が積層形成されている。この電流阻止層31は光吸収
作用を有する。
【0037】さらにその上には、上記第3クラッド層2
9と上記電流阻止層31を埋め込むようにp型AlGa
Asからなる埋込層32が積層形成されている。この埋
込層32により第3クラッド層29の両側面が覆われ、
第3クラッド層29と電流阻止層31との間隙が埋めら
れている。かかる構成の上にp型GaAsキャップ層3
3が積層形成されており、基板21側と該キャップ層3
3側にそれぞれn側電極35とp側電極34が形成され
ている。
【0038】この半導体レーザ素子の製造方法を図4に
示す。まず、図4(a)に示すように、MBE法によっ
て、ウェハ状の上記基板21上に、上記バッファ層2
2、第1クラッド層23、第1光ガイド層24、多重量
子井戸活性層25、第2光ガイド層26、第2クラッド
層27、保護層28、第3クラッド層29を積層形成す
る。
【0039】次に、図4(b)に示すように、フォトリ
ソグラフィ法により、幅約6μmのストライプ状のレジ
ストパターンを形成し、ストライプ部分を残して上記第
3クラッド層29を除去し、その上部の幅がその下部の
幅より大きい逆メサストライプ形状にエッチングする。
このとき、選択エッチング法を用いることにより、保護
層28の表面で正確にエッチングを止めることができ
る。第2実施例においても第2クラッド層27が酸化さ
れるのを防止するため、第2クラッド層27の上に上記
保護層28を形成することが好ましい。
【0040】次いで、レジストを除去した後、MBE法
により上記電流阻止層31を成長させるが、その際に
は、上記第3クラッド層29の上方から分子線を照射す
る。第2実施例においては、上記第3クラッド層29が
上述のように逆メサストライプ形状であり、その上部の
幅が下部より大きいので、電流阻止層31を成長させる
ときにマスクとして用いることができ、第3クラッド層
29の両側に間隙をおいて上記電流阻止層31が積層さ
れる。第2実施例では、このように第3クラッド層29
の逆メサストライプ形状をマスクとして利用し選択積層
することが可能であるため、電流阻止層31を形成する
前にマスクを作製する工程を省略することができる。
【0041】電流阻止層31形成後、フォトリソグラフ
ィ等によって第3クラッド層29上に積層された電流阻
止層31を除去し、MOCVD法によって埋込層32お
よびキャップ層33が形成され、その後、通常の方法に
よってn側電極35およびp側電極34が形成される。
得られた積層体は劈開によってチップ分割されて半導体
レーザ素子となる。
【0042】第2実施例においても、第3クラッド層2
9の両側が該第3クラッド層29の屈折率よりも小さい
屈折率を有する埋込層32で埋め込まれているため、こ
の部分において実屈折率差による第1の屈折率導波路が
形成されている。さらに、上記埋込層32の両側には、
光吸収作用を有する電流阻止層31が形成されており、
これにより第2の屈折率導波路が形成されている。
【0043】本発明はこのように量子井戸構造を有する
半導体レーザ素子においても適用できる。
【0044】第2実施例の半導体レーザ素子において基
板21上に形成された上記各半導体層の詳細は、以下の
通りである。
【0045】 バッファ層22:n型GaAs、厚さ1μm、 第1クラッド層23:n型AlxGa1-xAs,x=0.
45,厚さ1.5μm、 第1光ガイド層24:AlsGa1-sAs,s=0.3
5,厚さ0.05μm、 多重量子井戸活性層25:厚さ0.01μmのGaAs
3層と厚さ0.004μmのAlmGa1-mAs(m=
0.35)2層からなる多重量子井戸層、 第2光ガイド層26:AltGa1-tAs,t=0.3
5,厚さ0.05μm、 第2クラッド層27:p型AlzGa1-zAs,z=0.
45,厚さ0.15μm、 保護層28:p型GaAs、厚さ0.005μm、 第3クラッド層29:p型AlwGa1-wAs,w=0.
45,厚さ1.5μm、 電流阻止層31:n型GaAs、厚さ0.5μm、 埋込層32:p型AluGa1-uAs,u=0.7、 キャップ層33:p型GaAs、厚さ1μm。
【0046】第2実施例の半導体レーザ素子において
は、閾値電流が20mAであり、さらに低い閾値電流で
発振することができた。
【0047】さらに、この半導体レーザ素子の2つの端
面に、それぞれ5%以下の反射率を有する反射膜と95
%以下の反射率を有する反射膜を形成し、非対称コーテ
ィングをすると、200mW以上の高出力動作させた場
合でも安定した基本横モード発振が得られた。
【0048】図5は第3実施例の半導体レーザ素子を示
す縦断面図である。この半導体レーザ素子は第1実施例
の半導体レーザ素子とほぼ同じ構造を有し、第1実施例
と同様にして作製される。この半導体レーザ素子は、n
型基板51上に、n型GaAsバッファ層52、n型G
aAs第1クラッド層53、AlGaAs活性層54、
p型AlGaAs第2クラッド層55、p型GaAs第
1保護層56、p型AlGaAsエッチストップ層5
7、p型GaAs第2保護層58、第3クラッド層59
およびp型GaAs第3保護層510が積層形成されて
いる。上記p型GaAs第3保護層510、第3クラッ
ド層59、第2保護層58およびエッチストップ層57
はメサストライプ状に形成され、この部分12が電流狭
窄部となっている。n型GaAs電流阻止層513、n
型AlGaAs埋込層514、p型GaAsキャップ層
515も第1実施例と同様に形成されており、基板51
側にn側電極517、キャップ層515側にp側電極5
16が形成されている。第3実施例においては上述した
各半導体層の組成及び組成比も第1実施例と同様である
が、上記埋込層514の導電型が第1実施例とは反対の
n型で形成されていることが異なり、図中破線で囲んで
示した電流狭窄部512の上側部分518には、例えば
Znのようなアクセプタが拡散されている。したがっ
て、第3実施例においては、アクセプタ拡散領域518
のみ電流が流れ、電流通路がさらに狭くなり、上記電流
狭窄部512における電流狭窄効果がさらに高くなるた
め、閾値電流をさらに低くすることが可能である。
【0049】このように、埋込層の導電型を反対にし、
アクセプタの拡散領域を設ける構成は、第2実施例の半
導体レーザ素子に対しても適用可能であり、同様な効果
が得られる。
【0050】なお、これらの実施例においては、上記埋
込層は上記電流狭窄部の上方部分にも積層形成されてい
るが、該電流狭窄部の側面部のみが覆われるように形成
されていてもよい。
【0051】これら実施例においてはAlGaAs系材
料を用いて半導体レーザ素子を形成したが、InGaA
lP混晶で形成される半導体レーザ素子においても、本
発明を適用することが可能である。InGaAlP系半
導体が用いられる場合にも、埋込層は、第3クラッド層
のAl混晶比よりAl混晶比が大きいInGaAlPを
用いて形成される。
【0052】
【発明の効果】本発明の半導体レーザ素子によれば、活
性層よりもバンドギャップの大きい埋込層を保護層の上
に形成することで、吸収損失のきわめて低い屈折率導波
路が形成できるので、閾値電流が低く、高い効率で発振
できる半導体レーザ素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の半導体レーザ素子の縦断
面図である。
【図2】第1実施例の半導体レーザ素子の製造工程を説
明する図である。
【図3】本発明の第2実施例の半導体レーザ素子の縦断
面図である。
【図4】第2実施例の半導体レーザ素子の製造工程を説
明する図である。
【図5】本発明の第3実施例の半導体レーザ素子を示す
模式図である。
【図6】従来のVSIS構造の半導体レーザ素子の縦断
面図である。
【図7】従来のBH構造の半導体レーザ素子を示す模式
図である。
【符号の説明】
1 基板 3 第1クラッド層 4 活性層 5 第2クラッド層 9 第3クラッド層 13 電流阻止層(光吸収層) 14 埋込層 21 基板 23 第1クラッド層 24 活性層 27 第2クラッド層 29 第3クラッド層 31 電流阻止層(光吸収層) 51 基板 53 第1クラッド層 54 活性層 55 第2クラッド層 59 第3クラッド層 513 電流阻止層(光吸収層) 514 埋込層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大林 健 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 近藤 雅文 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 兼岩 進治 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 幡 俊雄 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−296076(JP,A) 特開 昭60−110188(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に、少なくとも、第1クラ
    ッド層、活性層、第2クラッド層、及び保護層がこの順
    で形成され、 該保護層上に、少なくとも、リッジストライプ状の第3
    クラッド層が形成され、 該第3クラッド層両側で、且つ、保護層の上に埋込層が
    形成されてなる半導体レーザ素子であって、 前記保護層は、そのV族元素として砒素を含む材料から
    なると共に、光吸収作用を有しており、且つ、その厚さ
    が、0.01μm程度以下であって、 前記埋込層は、前記第3クラッド層に比べてその屈折率
    がより小さく、且つそのAl混晶比がより大きく設定され
    て、実屈折率差による屈折率導波路が形成されてなるこ
    とを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 前記保護層はGaAsからなることを特徴と
    する請求項1に記載の半導体レーザ素子。
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