JP2003304898A - クレアチン・キナーゼ酵素を検定する方法 - Google Patents

クレアチン・キナーゼ酵素を検定する方法

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JP2003304898A JP2003089237A JP2003089237A JP2003304898A JP 2003304898 A JP2003304898 A JP 2003304898A JP 2003089237 A JP2003089237 A JP 2003089237A JP 2003089237 A JP2003089237 A JP 2003089237A JP 2003304898 A JP2003304898 A JP 2003304898A
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electrophoresis
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air
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JP2003089237A
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Robert J Sarrine
ジェイ. サリーン ロバート
Henry A Garsee
エイ. ガーシー ヘンリー
Charles D Kelley
ディー. ケリー チャールズ
Michael T Everitt
ティー. エベリット マイケル
Earl W Boone
ダヴリュ. ブーン アール
Philip A Guadagno
エイ. グアダグノ フィリップ
Eric H Petersen
エイチ. ピーターセン エリック
Tipton L Golias
エル. ゴリアス ティプトン
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Helena Laboratories Corp
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    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/447Systems using electrophoresis
    • G01N27/44756Apparatus specially adapted therefor
    • G01N27/44782Apparatus specially adapted therefor of a plurality of samples

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体サンプルに含まれるクレアチン・キナー
ゼの検定方法の提供。 【解決手段】 液体サンプルに含まれるクレアチン・キ
ナーゼを検定する方法は、(a)液体サンプルをリセプ
タクル上に乗せ、(b)サンプルを電気泳動媒質層へ移
し、(c)電気泳動媒質層の両端に電場を発生させ、
(d)試薬を電気泳動媒質層上に乗せ、(e)紫外線光
を電気泳動媒質層上に照射し、(f)光センサで電気泳
動媒質層を走査し、(g)走査のステップ前にサンプル
をpH指示薬染料に曝しておくステップからなることを
特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、一般的には、生体標本
などの液体サンプルの電気泳動分野に関し、より具体的
には、本発明は、電気泳動プレートを使用して自動的に
電気泳動法を実施する方法に関する。 【0002】なお、本明細書の記述は本件出願の優先権
の基礎たる米国特許出願第08/079,378号(1
993年6月21日出願)および米国特許出願第08/
124,502号(1993年9月21日出願)明細書
の記載に基づくものであって、当該米国特許出願の番号
を参照することによって当該米国特許出願の明細書の記
載内容が本明細書の一部分を構成するものとする。 【0003】 【従来の技術】貴重な診断情報は、血清などの、ある種
の生物体の流体の分析によって得ることが可能である。
電気泳動法(electrophoresis) は、かかる流体の種々成
分を分離するので、そのあとで光学濃度測定法(optical
densitometry)を用いて分析を行うための効果的な手法
であることは知られている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】電気泳動分析の物理現
象は、実効的な電荷をもち、固体または半固体媒質上に
置かれた粒子を、媒質の両端に電場を加えることによっ
て媒質に対して移動させるという現象である。異種の粒
子は移動速度が異なるため、異種の粒子からなる混合物
は、電気泳動分析によって異なる成分やフラクション(f
raction)に分離されている。これらの分離されたフラク
ションは、適当な試薬に曝すと着色されるので、これら
のフラクションは可視光線や紫外光線を用いて光学的に
検出することができる。 【0005】本発明の目的は、電気泳動法を自動的に実
施するための改良方法による液体サンプルの分析方法を
提供することである。 【0006】さらに、本発明の目的は、クレアチン・キ
ナーゼ(creatine kinase) のイソ酵素(isoenzyme) が自
動電気泳動装置を使用して分析されるとき、アルブミン
(albumin) に起因するバックグラウンド・ノイズを自動
的に防止するための方法を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、液体サ
ンプルに含まれるクレアチン・キナーゼのイソ酵素を分
析する方法は、(a)液体サンプルをリセプタクル上に
乗せ、(b)サンプルを電気泳動媒質層へ移し、(c)
電気泳動媒質層の両端に電場を発生させ、(d)試薬を
電気泳動媒質層上に乗せ、(e)紫外線光を電気泳動媒
質層上に照射し、(f)光センサで電気泳動媒質層を走
査し、(g)走査のステップ前にサンプルをpH指示薬
染料に曝しておくステップからなることを特徴としてい
る。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を実施例を中心として詳細に説明する。 【0009】図1は、本発明による電気泳動装置30を
示す図であり、本装置30と一緒に使用されるキーボー
ド32,ビデオ・モニタ34,およびプリンタ36も示
されている。装置30はハウジング38と前方に突出し
た部分40からなり、突出部分40はほぼU字状の溝4
2をもち、この溝からハウジング38の内部にアクセス
できるようになっている。ハウジング38は空気取入れ
グリル44と空気排出グリル46を備えている。 【0010】図2は、ハウジング38内の主要動作コン
ポーネントを示す図である。主要動作コンポーネントと
しては、電気泳動プラットフォーム48、6つのピペッ
ト52をもつアプリケータ・アセンブリ50、試薬注入
ステーション54、および移動台アセンブリ56があ
る。試薬注入ステーション54は、ヒンジ付きカバー5
8(図1参照)を通してハウジング38の外からアクセ
ス可能になっている。移動台アセンブリ56は、矢印6
0で示した方向にハウジング38内で移動可能になって
いる。電気泳動プラットフォーム48は、ハウジング3
8の外側の位置からハウジング38の内側の位置まで、
矢印61に示すように溝42に沿って移動可能になって
いる。プラットフォーム48は、アプリケータ・アセン
ブリ50、試薬注入ステーション54、および移動台ア
センブリ56の下に配置することが可能である。 【0011】コンピュータ62、バイポーラ電気泳動電
源64および追加電源66はハウジング38内に設置さ
れている。 【0012】図3に示すように、エアー・ダクト68は
ハウジング38の前面に空気入口70をもち、裏側に向
かって空気排出口まで達している。空気入口70付近に
ファン72が設けられ、空気をダクト68に送り込むよ
うになっている。電気泳動電源64はダクト68内部に
配置されている。 【0013】空気を移動台アセンブリ56に供給するエ
アー・ダクト系は空気取入れ部74と空気排出部76を
有している。空気取入れ部74は空気入口78をもち、
ファン80が空気取入れ部74に配置されている。エア
ー・ダクト・バルブ82がファン80の前に設けられ、
ダクトの空気取入れ部74を開閉するようになってい
る。空気取入れ部74のカラー84は、ベロー86(図
15参照)を介して移動台アセンブリ56に接続されて
いる。空気排出部76は類似のカラー(図示せず)を有
し、このカラーはベロー88(図15参照)に接続さ
れ、ベローは移動台アセンブリ56に接続されている。
ファン90が空気排出部76に設けられ、エアー・ダク
ト・バルブ92は空気排出部76を選択的に開閉する。
空気排出部76は空気出口94を有している。 【0014】電気泳動プラットフォーム48用のエアー
・ダクト系は、空気取入れ部96と空気排出部98を含
んでいる。空気取入れ部96は空気入口100とファン
102をもち、取入れ空気を電気泳動プラットフォーム
48に送るようになっている。空気排出部98は取入れ
空気を受け入れる開口(図示せず)を有している。ファ
ン104はダクトの98の部分に配置されており、ダク
トは空気排出部106を有している。空気出口94と1
06は空気排出グリル46の裏側に位置している。空気
入口70、78、および100は空気取入れフィルタ1
08の裏側に位置し、このフィルタ108は空気取入れ
グリル44の裏側に収容されている。 【0015】図4は、電気泳動プラットフォーム48上
に使用されている電気泳動プレート110を示す図であ
る。プレート110は、例えば、薄いマイラ(商標)プ
ラスチック・シートで作られた基板112からなってい
る。基板112は、第1端部116、第2端部118、
および中央部120をもつ電気泳動媒質層114を支え
ている。電気泳動媒質層114は、水分と、水分のアガ
ロース(agarose) のような微小孔支持媒質とを含むゲル
になっている。ここで「微小孔」(microporous) とは、
電気泳動媒質が水分を放出可能に保持する微小孔(tiny
pores)を有していることを意味する。メチル・セルロー
ズなどの界面活性剤や他の成分が水分中に含まれている
ことが好ましい。 【0016】端部116には6つの孔122が設けら
れ、端部118には6つの孔124が設けられている。
基板112には、位置合わせ孔(alignment aperture)1
26と位置合わせスロット(alignment slot)128が設
けられている。さらに、基板112は、孔122の下に
位置合わせされた6つの孔と、孔124の下に位置合わ
せされた6つの孔を有している。 【0017】図5は、くぼみ領域132をもつプラスチ
ック・トレイ130を含む電気泳動プラットフォーム4
8を示す上面図である。一対のリブ134がくぼみ領域
132内でトレイ130から上方に突出し、トラフ(tro
ugh)136がリブ134の外側のくぼみ領域132内に
設けられている。トレイ130は中央に開口138をも
ち、熱伝達部材140がトレイ130の下に取り付けら
れ、熱伝達部材140の上面がくぼみ領域132内でト
レイ130の面と同一面になるように開口138から突
出している。プラスチック・フィルム142が開口13
8の周縁のトレイ130に接着剤で接着され、熱伝達部
材140を覆っている。 【0018】6つの電極144は開口138の一端側の
トレイ130上に設けられ、6つの電極146は開口1
38の他端側のトレイ130上に設けられている。これ
らの電極は圧縮グラファイト(compressed graphite) か
ら作られている。位置合わせロッド(alignment peg) 1
48および150はくぼみ領域132内でトレイ130
から上方に突出している。トレイ130を電気泳動プラ
ットフォーム48上に取り付けるためのねじを受け入れ
る穴152がトレイ130に設けられている。フレキシ
ブル・シーリング部材154は、くぼみ領域132の周
囲のトレイ130上に取り付けられている。 【0019】図4の電気泳動プレート110がトレイ1
30に取り付けられるとき、位置合わせロッド150は
孔126から突出し、位置合わせロッド148がスロッ
ト128から突出する。さらに、電極144,146は
孔122,124から突出する。 【0020】トレイ130には、取外し可能なサンプル
・トレイ158を受け入れるための第2のくぼみ領域1
56が設けられている。トレイ158は第1列160の
サンプルウェル(sample well) 162と第2列164の
サンプルウェル162を備えている。さらに、サンプル
・トレイ158には、アプリケータ・アセンブリ50の
ピペット52(例えば、図2参照)を洗浄するためのク
リーニング溶液用のトラフ166と、ピペットからのク
リーニング溶液を洗浄する水用のトラフ168も設けら
れている。ピペット52は、液体サンプルをサンプルウ
ェル162から電気泳動媒質層114内のサンプルウェ
ル170へ伝達する。ピペットのクリーニング作業のと
きピペットから吸い取る(blot)ための紙片(図示せず)
がサンプル・トレイ158の領域172上に置かれてお
り、領域172には、6つのくぼみ174がピペット5
2の破損を防止するために吸取り紙(blotting paper)の
下に設けられている。 【0021】次に、図6に示すように、電気泳動プラッ
トフォーム48はフィン178をもつヒート・シンク1
76を備えている。サイド・プレート180を介してヒ
ート・シンク176は底プレート182に接続されてい
る。プリント基板(PCB)184は、ヒート・シンク
176の上部に接続され、PCBには、一対のペルチエ
・デバイス(peltier device)186を受け入れるための
開口が中央に設けられている。ペルティエ・デバイス1
86は熱伝達部材140とヒート・シンク176の間に
置かれており、熱を熱伝達部材140に供給して(ある
いは熱を熱伝達部材から取り除いて)電気泳動プレート
110を加熱し、あるいは冷却することができる。 【0022】電極146,144はトレイ130の有底
穴(blind bore)に取り付けられ、ねじによってメタル・
ストラップ188、190に接続されている。 【0023】PCB184はその上面に導体パターン
を、その下面に導体パターンを有しており、PCB18
4の下面の導体パターンはヒート・シンク176から電
気的に絶縁されている。PCB184上面と下面の導体
パターンは、該当個所でメッキ貫通穴を通して接続され
ている。電力はこれらの導体パターンを通してペルチエ
・デバイス186に供給される。さらに、プラットフォ
ーム温度センサ192が熱伝達部材140に設けられ、
PCB184上の導体に電気的に接続されている。 【0024】図6に示すように、スプリング接点194
はPCB184の上面の導体に接続され、同種のスプリ
ング接点は電極144と電気的に接触している。これら
のスプリング接点は、PCB184の下端196の対応
する導体に電気的に接続されている。ハウジング38内
部に設けられたインタロック・レセプタクル198はこ
れらの導体と電気的に接触して、プラットフォーム48
が後退位置にあるときだけ、電極144,146に高電
圧を供給するようにしている。 【0025】電気泳動プラットフォーム48は、ベース
202を含む移送アセンブリ(transport assembly)20
0上に取り付けられており、ベース202には終端部材
204,206が取り付けられている。2つのガイド・
バー208は終端部材204と206に接続されてお
り、シャフト210は部材204,206上に回転可能
にジャーナル軸受され、2つのガイド・バー208間の
中間に設けられている。シャフト210はその長さ方向
の大部分に沿って微細にねじ切りされている。歯付きプ
ーリ212はシャフト210の外端に接続され、シャフ
ト210と共に回転する。電気泳動プラットフォーム4
8の底プレート182は、ガイド・バー208上を走行
すると共にシャフト210のねじ部とかみ合うナット
(図示せず)を格納しているシャーシ214上に取り付
けられ、プーリ212が回転すると、シャーシ214が
矢印216で示すようにガイド・バー208上を移動す
るようになっている。ベロー218は終端部材204と
シャーシ214間に接続され、別のベロー220はシャ
ーシ214と終端部材206間に接続されている。この
ベロー218,220の目的は、ガイド・バー208と
シャフト210をほこりや破片から保護することであ
る。移送アセンブリ200は、Thompson Industries, I
nc. (Fort Washington, New York, U.S.A.) 社から"Sup
erslide"の商品名(商標)で市販されているものが使用
できる。 【0026】図7は、ねじで一体に結合されたバック・
プレート222とフロント・プレート224からなるエ
ア・ダクト・バルブ82を示す図である。フロント・プ
レート224は、バック・プレート222の対応する穴
と一致する位置に設けられた矩形穴226を有してい
る。ダクト・バルブ・モータ230には、ねじ232で
バック・プレート222に接続されたフランジ228が
付いている。モータ230はねじ付きシャフト234と
かみ合う内部ナット(図示せず)をもち、シャフト23
4は、ナットがモータ230によって回転したとき直線
に移動するようになっている。シャフト234の下端
は、プレート222と224間をスライド可能に取り付
けられた中間プレート235に接続されている。モータ
230はプレート235を移動させて、穴226を開い
たり、閉じたりする。穴226が開くと、空気はバルブ
82が装着されているダクト部分を通って流れる。エア
・ダクト・バルブ92はバルブ82と同じ構造になって
いる。 【0027】図8は試薬注入ステーション54を示す図
であり、ここには取付け部材236と238が設けられ
ている。試薬ガラスびん(reagent vial)用のレセプタク
ルは第1レセプタクル部242と第2レセプタクル部2
44からなっている。スプリング・フィンガ(spring fi
nger) 246はレセプタクル部242、244に装着さ
れ、ガラスびん240をレセプタクル内に保持してい
る。レセプタクル部242は、穴250に突入したロッ
ド248を有し、取付け部材238に対して回転するよ
うにレセプタクル部242をジャーナル軸受している。
レセプタクル部244には、一対の平坦カム面254
(図には一方のカムが示されている)をもつステム25
2が付いている。取付け部材236の一方の側には、試
薬ドライブ・モータ258の前端を受け入れる凹部25
6が設けられている。モータ258はギア・モータであ
り、その減速ギアがモータ・ハウジング内に収容されて
おり、モータ258のシャフト260はステム252の
開口261に突入している。 【0028】リミット・スイッチ262は、ねじ264
によって取付け部材236に接続され、バック・プレー
ト266にも接続されている。スイッチ262はカム面
254とかみ合う位置にあって、ガラスびん240が反
転しているかどうかを検出する。空のガラスびん240
は、ヒンジ付きカバー(図1)を開くことによって、試
薬注入ステーション54から取り出すことが可能であ
る。 【0029】次に、図9〜図14を参照して、移動台ア
センブリ56について説明する。移動台アセンブリ56
は、光学窓(optical window)270と空気圧窓(pneumat
ic window)272をもつベース268を有している。ベ
ース268上に設けられたブレース(brace) 274は光
学窓270の幅方向にまたがり、光学窓270を2等分
した部分276,278が妨げられないようにしてい
る。コリメータ280はブレース274に装着されてい
る(図13)。コリメータ280は短い中空チューブか
らなり、その上端と下端が閉じている(各端のスリット
282を除く)。スリット282は、光線がコリメータ
280の長軸に平行になっている場合だけ、下端のスリ
ット282を通り抜けた光線が上端のスリット282を
通り抜けるように中心合わせされている。 【0030】ランプ・ハウジング284(図12)は、
光学窓270の上方にベース268上に取り付けられて
いる。ハウジング284はランプ・アセンブリ290上
のラッチ288と一緒に働くラッチ・プレート286を
備えている。ランプ・アセンブリ290は、支持体29
2と、支持体292に結合されたほぼU字形のプリント
基板(PCB)294と、ストラップ300によってP
CB294のアーム298に接続された一対の紫外線ラ
イト296とを含んでいる。ラッチ288は支持体29
2から突出した突部302にピボット可能に軸支され、
ラッチ288の歯部304を下方に付勢するようにスプ
リング(図示せず)によってバイアス(偏倚)されてい
る。 【0031】ランプ・ハウジング284の壁には、PC
B294のアーム298のエッジをスライド可能に受け
入れる溝306が設けられている。ランプ・アセンブリ
290がハウジング284内に挿入されると、ラッチ2
88の歯部304はラッチ・プレート286の歯部30
8とかみ合い、ランプ・アセンブリ290がハウジング
284内部に解除可能にロックされる。ランプ296の
一方の一部は光学窓270の非遮蔽部分276から露出
され、他方のランプ296の一部は光学窓270の非遮
蔽部分278から露出している。コリメータ280は、
PCB294のアーム298間に上方に突出している。 【0032】光電子倍増管(PMT)312用のハウジ
ング310はランプ・ハウジング284に取り付けられ
ている。PMT312用のソケット312はハウジング
310に取り付けられている。ミラー316はプレート
314に取り付けられ、プレート314はハウジング2
84の突出部315に取り付けられている。ミラー31
6はハウジング310のサイドの開口に位置している。
コリメータ280はランプ・ハウジング284を通り抜
けて、ハウジング310に入り込み、ミラー316はコ
リメータ280を通過した光を反射し、紫外線フィルタ
317を通ってPMT312へ達する。 【0033】第1エア・ガイド318はブレース319
および320によってベース268に固着されている。
第1エア・ガイド318には、ベロー86(図15参
照)に接続するためのカラー322が付いている。第2
エア・ガイド324は空気圧窓272上のベース268
に装着されている。第2エア・ガイド324は下端が開
いており、ベース268の空気圧窓272がガイド32
4への入口になっている。ガイド324には、ベロー8
8(図15参照)に接続するためのカラー326が付い
ている。 【0034】エア・ナイフ・ガイド328(図10,図
14)はねじ330によってガイド324に取り付けら
れ、テープ332によってガイド318に気密に結合さ
れている。エア・ナイフ・ガイド328の壁334は、
壁336から若干離れた位置にあって、エア・ナイフ・
スロット338が形成されている。エア・ナイフすなわ
ち移動台ブロワー340およびヒータ342はガイド3
28に取り付けられた取付け部材344に接続されてい
る。温度センサ339はガイド328に取り付けられて
いる。ブロワー340を作動させると、空気は空気圧窓
272の一方の縁にあるエア・ナイフ・スロット338
へ送り込まれる。この空気は空気圧窓272とエア・ガ
イド324を流れていく。 【0035】ブレース348は第1エア・ガイド318
と第2エア・ガイド324の間に取り付けられ、移動台
アセンブリ56の構造上の剛性を強化している。スライ
ド・ベアリング350は、ベース268の両側に沿っ
て、ベース268に取り付けられている。 【0036】次に、図15は電気泳動装置30の裏側を
示している(ハウジング38の一部の構造部品は図面か
ら省かれている)。図15に示すように、ガイド・バー
352(図には1つが示されている)は、ハウジング3
8に取り付けられている。これらのガイド・バーはスラ
イド・ベアリング350の孔に突入し、移動台アセンブ
リ56を横(左右)方向に移動可能に取り付けている。
ブラケット354はハウジング38に接続され、別のブ
ラケット356はエア・ダクト排出部分76に固着され
た支持体358に接続されている。歯付きプーリ360
は回転可能にブラケット356に取り付けられている。
歯付きプーリ362は回転可能にブラケット354に取
り付けられている。プーリ362はハウジング38に接
続された移動台駆動モータ363によって駆動される。
モータ363は、減速ギア付きステップ・モータであ
り、回転位置エンコーダ366を備えている(図20参
照)。歯付きベルト368はプーリ360と362間に
掛かっており、移動台アセンブリ56に接続されてい
る。その結果、モータ363はベルト368を介してガ
イド・ロッド352に沿って、移動台アセンブリ56を
横方向にスライドさせることができる(図15) ハウジング38に取り付けられたプラットフォーム駆動
モータ370はステップ・モータであり、回転位置エン
コーダ372を備えている(図20)。歯付きプーリ3
74はモータ370のシャフトに接続され、歯付きベル
ト376はプーリ374と212間に掛かっている。モ
ータ370は、ベルト376と移送アセンブリ200を
介して、前後方向に移動させる(図15)。 【0037】図15は、ハウジング38のリア・パネル
378を示す図であり、このパネルには、コンピュータ
62の冷却ファンと同列に並んだ空気流および通風38
2用のグリル380が付いている。パネル378には、
コンピュータ62の裏側の種々コネクタ386が外から
見える窓384が付いている。 【0038】図16は、図2において前面に位置するプ
ラットフォーム48と右側に位置する移動台アセンブリ
56を示している。移動台アセンブリ56は点線で示さ
れている。電気泳動過程では、電気泳動プレート110
のウェル170に乗せたサンプルの異なるフラクション
は、一点鎖線388で概略化して示されている6つのト
ラック上を異なる速度で物理的に移動する。 【0039】プラットフォーム48はプラットフォーム
通路390上を移動可能であり、必要に応じて、アプリ
ケータ・アセンブリ50、試薬注入ステーション54、
または移動台アセンブリ56の下面に置くことが可能で
ある。プラットフォーム通路390の内側端部にホーム
・スイッチ392が設けられている。移動台アセンブリ
56は、プラットフォーム通路390に直交する移動台
通路394上を移動可能である。移動台通路394の一
端側にホーム・スイッチ396が設けられている。 【0040】電気泳動過程では、移動台アセンブリ56
は図16に示す位置にあり、電気泳動プラットフォーム
48はプラットフォーム通路390に沿って電気泳動位
置まで移動され、電気泳動プレート110は空気圧窓2
72のすぐ下にあり、シーリング部材154は窓272
の周辺のベース268の下面に当接している。その結
果、プラットフォーム48と移動台アセンブリ56が一
緒になって、電気泳動室を構成している。電気泳動ステ
ップが終わると、プラットフォーム48はプラットフォ
ーム通路390上に沿って(図16の上部に向かって)
試薬注入ステーション54の下に移動され、そこでガラ
スびんに入った試薬がプレート110上に注入される。
プラットフォーム48はさらにプラットフォーム通路3
90上を試薬散布位置まで移動される。この位置は電気
泳動位置に対応するものである。移動台アセンブリ56
は移動台通路394上を前後方向に(図16中の左右)
移動され、その間に、空気がエア・ナイフ・スロット3
38から下向きに緩やかに吹き付けられ、試薬が電気泳
動媒質層114全体に均等に分布または分散されるよう
にする。エア・ナイフ・スロット338からの空気は、
空気圧窓272から放出される。あとで、試薬は、空気
をエア・ナイフ・スロットから強く吹き付けることによ
って取り除き(移動台アセンブリ56が電気泳動プレー
ト110の横断方向に移動している間に)、試薬をトラ
フ136に送り込むことができる。 【0041】試薬を加温放置(incubation)して乾燥させ
たあと、移動台アセンブリ56は、スリット282が第
1トラック388と同列に並ぶまで移動台通路394上
を移動される。ランプ296からの紫外線光を受ける
と、このトラック上の試薬で処理されたサンプルは蛍光
を発し、真上に向かって放出された蛍光はコリメータ2
80を通り抜けて、ミラー316によって反射されてP
MT312に達する。プラットフォーム48はプラット
フォーム通路390上を移動され、スリット282を通
る第1トラック全体が観察され、そのあと、移動台通路
394上の移動台アセンブリの位置が第2トラック38
8上のスリット282と同列に並ぶように移動される。
このようにして、電気泳動プラットフォーム48と移動
台アセンブリ56は一緒に働いて各トラックの全長を順
次に完全に走査していく。 【0042】図17は、アプリケータ・アセンブリ50
を示しており、これは、矢印402で示すように、上下
運動するように取り付けられたバック・プレート400
を備えている。ピペット・バレル・モータ406はプレ
ート400の裏側に接続されている。モータ406は位
置決めエンコーダ408(図20参照)とモータの両端
から突出したシャフト410をもつギア・モータであ
る。ピニョン412はシャフト410の各端に接続さ
れ、電気泳動装置のハウジング38に接続された、それ
ぞれの歯付きラック414とかみ合っている。モータ4
06を作動させると、プレート400は矢印402の方
向に移動し、ホーム・スイッチ416は、モータ406
がプレート400をあらかじめ決めた上昇位置まで持ち
上げるとクローズする。 【0043】ピペット・バー418はバック・プレート
400に接続されたスペーサ420に接続されている。
6つのピペット・バレル422は、その下側でピペット
・バー418に接続されている。 【0044】アクチュエータ・ヨーク424は、矢印4
26で示すように、上下運動するようにバック・プレー
ト400に取り付けられている。一対のレグ428はヨ
ーク424から後方に突出し、その終端は歯付きラック
429に達している。ピペット・プランジャ・モータ4
30はプレート400に接続され、一対のピニョン43
4に接続されたシャフト432を備えている。モータ4
30は、エンコーダ431(図20参照)付きギア・モ
ータであり、ピニョン434は歯付きラック429とか
み合い、モータ430を作動させると、ヨーク424が
バック・プレート400に対して矢印426の方向に移
動可能になっている。ホーム・スイッチ436はバック
・プレート400に接続され、モータ430がヨーク4
24をスペーサ420の上方のあらかじめ決めた位置ま
で持ち上げるとクローズする。 【0045】プランジャ・バー438はアクチュエータ
・ヨーク424の前面に接続されている。6つのピペッ
ト・プランジャ440はバー438の下端に接続され、
ピペット・バー418の開口442を通り抜けてピペッ
ト・バレル422内に入り込んでいる。各バレル422
とその関連プランジャ440は作用し合ってピペット5
2を形成している。ピペット52の垂直位置はモータ4
06によって制御され、モータ430は流体をピペット
52に導入したり、流体をピペットから吐き出したりす
るのを制御する。 【0046】次に、図18〜図20を参照して、電気泳
動装置30の電気回路について説明する。 【0047】コンピュータ62は、CPU 550、読
み書きメモリ502、およびハード・ディスク形体の非
揮発性メモリ504を装備し、非揮発性メモリは電気泳
動装置30を動作するためのプログラムおよび較正値を
含むデータをストアしている。コンピュータ62は、バ
ス508によってディジタル入出力回路506に、バス
512によってアナログ入出力回路510に接続されて
いる。アナログ入出力回路510はD/Aコンバータと
A/Dコンバータを含んでいる。 【0048】電源66(図2)は、ランプ電源513
(図20)、ペルチエ電源514(図19)、および光
電子倍増管312用電源516を含んでいる。PMT電
源516(図19)はアナログ入出力回路510から電
圧制御信号を受信し、PMT電圧をPMT312のアノ
ード(図示せず)に供給する。PMT電圧モニタ518
は電源516に接続され、電源516の実際の出力信号
に比例するモニタ信号を回路510へ入力する。PMT
312の出力は増幅器520によって増幅され、回路5
10に入力されて、回路510から増幅PMT出力がデ
ィジタル形式でコンピュータ62へ転送される。増幅器
520は利得入力ポートとオフセット入力ポートをも
ち、それぞれ入出力回路510から信号が受信し、増幅
器520の利得(信号増幅係数)をセットし、増幅器5
20のオフセット(DCレベル)をセットする。 【0049】ペルチエ電源514は、加熱する方向また
は冷却する方向の電流をペルチエ・デバイス186に供
給する。電源514には電流モニタ522が接続され、
実際の電流出力と極性に比例するモニタ信号を回路51
0に与える。熱伝達部材140に取り付けられたプラッ
トフォーム温度センサ192(図6)は、ペルチエ・デ
バイス186の温度を検知する。センサ192はセンサ
信号を回路510に与える。 【0050】電気泳動電源64(図19)は、2つの出
力ポート524および526をもつバイポーラ電源であ
り、一方はアースに対し正極に、他方はアースに対し負
極になっている。回路510は、正電位と負電位を0〜
750ボルトの値にセットするための制御信号を電源6
4に与える。ポート524および526は、電気泳動プ
ラットフォーム48が電気泳動位置にあるとき、インタ
ロック・レセプタクル198(図6参照)によって電極
144,146に接続されている。電極電流・電圧モニ
タ528は電源64に接続され、回路510にモニタ信
号を与える。 【0051】移動台ヒータ制御回路530は回路510
から制御信号を受信し、制御信号で判断された出力レベ
ルで移動台ヒータ342を駆動する。移動台温度センサ
443は回路510にセンサ信号を与える。 【0052】エア・ナイフすなわち移動台ブロワー34
0(図14)は、回路510から制御信号を受信するモ
ータ制御回路534によって駆動される移動台ブロワー
・モータ532を備えている。 【0053】ファン102および104(図3)はダク
ト・ファン・モータ536を備え、ファン80および9
0はダクト・ファン・モータ538を備えている。モー
タ制御回路540および542は回路506から信号を
受信し、これらの4ファンを制御する。モータ制御回路
544は入出力回路506に接続され、エア・ダクト・
バルブ82および92を開閉するようにダクト・バルブ
・モータ230を制御し、モータ制御回路546は回路
506から制御信号を受信し、その信号に応じて移動台
駆動モータ364を駆動する。モータ制御回路548は
回路506から制御信号を受信し、ピペット・プランジ
ャ・モータ430を駆動する。モータ制御回路550は
回路506から制御信号を受信し、ピペット・バレル・
モータ406を駆動する。モータ制御回路552は回路
506から制御信号を受信し、試薬駆動モータを駆動す
る。モーア制御回路554は回路506から制御信号を
受信し、その信号に応じてプラットフォーム駆動モータ
370を駆動する。位置エンコーダ366,372,4
08および431は、それぞれのモータの回転と共にパ
ルスを放出して回路506へ送る。各パルスは、それぞ
れのモータがあらかじめ決めた小さな角度だけ回転した
ことを示している。 【0054】ホーム・スイッチ392は、電気泳動プラ
ットフォーム48がそのホーム位置(図16参照)に置
かれているとき、信号を回路506へ送る。ホーム・ス
イッチ396は、移動台アセンブリ56がそのホーム位
置にあるとき、信号を回路506へ送る。ホーム・スイ
ッチ416および436は、ピペット・バレル・モータ
406とピペット・プランジャ・モータ430がそのホ
ーム位置にあるとき、信号を回路506へ送る。 【0055】ハード・ディスク504は、分析を行うよ
うに電気泳動装置30を動作させるためのプログラム
と、分析のための温度と時間などの、ユーザがプログラ
ム可能な値とをストアしている。さらに、ハード・ディ
スク504は、例えば、温度センサの特性といった、装
置の種々コンポーネントを特徴づける値もストアしてお
り、機械的コンポーネントの特定位置を表しているエン
コーダ・パルスの総和値は、プログラムによる使用に備
えて事前にストアされている。概算の省略時値は装置3
0の製造時にストアされているが、使用前に装置30を
較正して、これらの省略時値を別の値に置き換えておく
ことが好ましい。 【0056】図21〜図33は電気泳動装置30の代表
的な使用例を示し、患者のクレアチン・キナーゼのイソ
型タンパク質(isoforms)を分析し、心筋梗塞の診断を確
認するためのプログラムを示している。これらのイソ型
タンパク質には、MMイソ酵素またはフラクション(こ
れは、筋肉運動やけが、あるいは筋肉消耗病に関係する
ものである)、MBイソ酵素またはフラクション(これ
は心臓組織に関係するものである)、およびBBイソ酵
素またはフラクション(これは神経系と消化器系に関係
するものである)が含まれる。これらのイソ酵素の実際
量と相対量の測定を、特に傾向を知るために異なる時間
に行うと、外科医は貴重な診断情報を得ることができ
る。 【0057】次に、代表的な事例について説明すると、
1時間ごとに連続して患者から血液を3回採血して、遠
心分離して3つのプラズマ・サンプルを得る。分析を行
うオペレータはこれらの3つのサンプルを、サンプル・
トレイ158の列160または164の1つのウェル1
62(図5参照)の3つに入れる。次に、オペレータは
正常制御流体、異常制御流体、および参照または較正流
体を、列の残りの3ウェル162に入れる。次に、オペ
レータはサンプル・トレイ158と電気泳動プレート1
10を電気泳動プラットフォーム48上に載置する。 【0058】図21に示すように、紫外線ランプ296
と光電子倍増管312は、ステップ600でオンにされ
る。ランプとPMTは安定化する前にウォームアップす
る必要があるので、ウォームアップ・タイマは2分にセ
ットされる。次に、ステップ602で、移動台アセンブ
リ56の位置が確認される。これがホーム・スイッチ3
96(図16参照)の位置にあれば、移動台位置カウン
タはステップ604でクリアされる。ホーム・スイッチ
396の位置になければ、移動台はステップ606でそ
の位置に移されてから、移動台位置カウンタがクリアさ
れる。移動台位置カウンタは、位置エンコーダ366
(図20参照)からのパルスをカウントするアップ/ダ
ウン・カウンタであるので、移動台位置カウンタの内容
は、移動台通路394上の移動台アセンブリ56の位置
に連続的に対応している。移動台アセンブリ56は、移
動台位置カウンタの内容が以前にストアされたカウント
値(図16に示す移動台位置に対応している)に等しく
なるまで、モータ制御回路546(図20参照)を使用
してモータを所望方向に駆動することにより、図16に
示す位置まで右へ移動される(ステップ608)。 【0059】同様に、電気泳動プラットフォーム48の
位置はステップ610で確認され、まだホーム・スイッ
チ392の位置になければ(図16)、プラットフォー
ム48が移動されてから(ステップ612)、プラット
フォーム位置カウンタがステップ614でクリアされ
る。プラットフォーム48は、ステップ616で図16
に示す前方位置まで移される。同様に、プランジャ44
0の位置(図17)はステップ618で確認され、上方
位置になければ、プランジャが移動されてから(ステッ
プ620)、プランジャ位置カウンタがクリアされる
(ステップ622)。これらの位置カウンタの各々はア
ップ/ダウン・カウンタである。ステップ626で、ピ
ペット52(もっと正確には、バレル422)の位置が
判断され、必要ならば、ステップ628で上方位置に移
動される。そのあと、ピペット位置カウンタはステップ
630でクリアされる。ダクト・バルブ・モータ(図7
および図20)はステップ・モータである。これらのモ
ータはステップ632でオーバドライブされ、ステップ
632の実行前のその位置に関係なく、ダクト・バルブ
82および92が閉位置にあることが確かめられる。ス
テップ632の実行が完了したあと、ダクト・バルブ8
2および92は、モータ230を駆動して、そのシャフ
ト234を所望方向に一定距離だけ移動させることで、
開閉することができる。 【0060】ピペット52はステップ640で洗浄され
る。これは、洗浄溶液のトラフ166がピレット52の
下に来るように電気泳動プラットフォーム48を移動さ
せたあと、ピペットを下げて洗浄溶液に入れ、ピペット
が浸されている間にプランジャ440を数回往復させ、
ピペットをトラフ166の上に上昇させ、プランジャを
下げて、残留している洗浄溶液を吐き出し、水トラフ1
68がピペット52の下に同列に並ぶようにプラットフ
ォーム48を移動し、ピペットを再び下げて、プランジ
ャを数回往復させ、ピペットを上昇させ、プランジャを
下げて、残留している水を吐き出し、吸取り領域(blott
ing region) 172がピペット52の下に同列に並ぶま
でプラットフォーム48を移動し、ピペットを下げて領
域172上の紙片にピペットを押し付けて吸い取り、再
びピペットを上昇させることによって行われる。 【0061】ステップ642で、サンプルはサンプル・
トレイ158上のウェル列162から電気泳動プレート
110(図4)の対応するウェル170に移される。こ
れは、ウェル列162がピペット52の下に同列に並ぶ
まで電気泳動プラットフォーム48を移動することによ
って行われる。次に、ピペットは下げられて、ウェルに
入り込み、プランジャ440は上昇されて1マイクロリ
ッタの流体が各ピレットに吸い込まれ、そのあと、ピレ
ットは上昇される。次に、ピレット52が吸取り領域1
72の上方に同列に並ぶようにプラットフォーム48が
移動され、プランジャは下げられて、サンプルを吸取り
紙上に吐き出す。次に、ピペットが未使用の吸取り紙の
上方に同列に並ぶようにプラットフォーム48がわずか
な距離だけ移動され、ピペット52は紙に押し付けられ
て吸い取られる。ピペットを上昇させたあと、プラット
フォーム48は、列162がピペット52の下に同列に
並ぶまで移動され、ピペットは下げられてウェルに入り
込み、プランジャは上昇されて5マイクロリッタの流体
が各ピペットに吸い込まれる。ピペットがウェルに浸さ
れている間に、プランジャは下げられて、サンプルを吐
き出してウェル162に戻される。これにより、サンプ
ルは攪拌され、エア・バブル(空気の泡)が除かれる。
次に、プランジャが上昇されて、2マイクロリッタの流
体が各ピレットに吸い込まれる。次に、ピレットは上昇
され、1マイクロリッタの流体が吐き出されてサンプル
ウェルに戻される。従って、各ピレットには1マイクロ
リッタの流体が残っている。2マイクロリッタを吸い込
み、1マイクロリッタを吐き出すようにすると、ピレッ
トの下端に残っているエア・バブルが除かれることにな
る。 【0062】プラットフォーム48は、電気泳動プレー
ト110のウェル170がピレット52の下に同列に並
ぶまで再び移動される。プランジャ440を下げると、
各バレルの端部に水滴が形成され、そのあと、バレル4
42を下げると、水滴がサンプルウェル170に入れら
れる。正確には、1マイクロリッタの流体が各ウェル1
70に移される。 【0063】ウェル170内のサンプルは、電気泳動媒
質層114内に分散させなければならないので、ステッ
プ644で、吸収タイマはユーザがプログラムした値に
セットされる(値を90秒にするのが代表的である)。
(吸収時間および他のユーザ・プログラマブル値はスト
アされ、装置30の製造時にストアされた省略時値はこ
の値によって置き換えられる。)ピペット洗浄プロシー
ジャがステップ646で再び実行されたあと、電気泳動
プラットフォーム48は、移動台アセンブリ56が図1
6に示す右側に位置するとき、電気泳動媒質層114が
移動台アセンブリ56の開口272の真下に同列に並ぶ
までプラットフォームをプラットフォーム通路390上
の後方に移動することによって、電気泳動位置に移動さ
れる。 【0064】ファン102および104はステップ65
0でオンにされる。プラットフォーム48が電気泳動位
置にあるときは、ヒート・シンク・フィン178はファ
ン102の前に位置しており、ファン102によってフ
ィン178に送り込まれた空気はエア・ダクト系の空気
排出部分98によって集められたあと、空気排出口10
6から吐き出される。さらに、ステップ650で、ペル
チエ・デバイス186はオンにされ、ペルチエ・デバイ
スに供給される電流の極性は、ペルチエ・デバイスの底
面を加熱し、上面を冷却するように選択される。この結
果、熱が電気泳動プレート110から取り除かれる。 【0065】ステップ652で、吸収タイマにセットし
た吸収時間が経過したかどうかが判断され、経過してい
ると、プラットフォーム温度センサ192が電気泳動温
度までに達したかどうかが、ステップ654でチェック
される。そのあと、電気泳動電源64がオンにされ(ス
テップ656)、電気泳動タイマがステップ658でセ
ットされる。電極144と146の両端に印加される電
圧値は、1500ボルトに、電流は30ミリアンペアに
するのが代表的である。電気泳動時間は5分にするのが
代表例である。電気泳動操作期間には、電気泳動媒質1
14で45ワットが発散されるが、この熱は、熱伝達部
材140とペルチエ・デバイス186によってヒート・
シンク176へ伝達され、エア・ダクトの入口部分96
と出口部分98を通る空気流によってこの熱が除かれ
る。その結果、電気泳動媒質層114は電流によって発
生する熱にもかかわらず、電気泳動温度に保たれてい
る。 【0066】電気泳動時間が経過すると(ステップ66
0)、電気泳動電源64、ファン102と104、およ
びペルチエ・デバイス186はオフにされ(ステップ6
62)、電気泳動プレート48は試薬注入ステーション
54の下の試薬塗布位置まで前進され(ステップ66
4)、試薬駆動モータ258が作動されてガラスびん2
40を反転し(ステップ666)、プラットフォーム4
8はプラットフォーム通路390上を後方に試薬散布位
置(これは電気泳動位置と同じである)まで移動される
(ステップ668)。そのあと、ダクト・バルブ82お
よび92が開かれ(ステップ670)、エア・ナイフ・
ブロワー340が低速でオンにされる(ステップ67
2)。空気は空気取入れ部分74から引き込まれ、ベロ
ー86を通って移動台アセンブリ56のエア・ガイド3
16に入って、エア・ナイフ・スロット338から電気
泳動プレート110に吹き付けられたあと、移動台アセ
ンブリ56のエア・ガイド324、ベロー88、および
エア・ダクト排出部分76から排気される。移動台アセ
ンブリ56は4回前後方向に移動され(ステップ67
4)、エア・ナイフは電気泳動媒質層114の部分12
0上に試薬を分散させる。次に、エア・ナイフ・ブロワ
ー340はオフにされ(ステップ676)、ダクト・バ
ルブ82および92が再び閉じられて、移動台アセンブ
リ56は外気から遮断され(ステップ678)、試薬吸
収タイマが2分間の期間で始動され、試薬が吸収される
(ステップ680)。 【0067】2分間の吸収期間が経過すると(ステップ
682)、ダクト・バルブ82および92は再び開かれ
(ステップ684)、移動台アセンブリ56は分散開始
位置に移動される(ステップ686)。次に、エア・ナ
イフ・ブロワー340が高速でオンにされ(ステップ6
88)、移動台アセンブリ56は分散終了位置に移動さ
れる。この位置では、エア・ナイフ・スロット338は
電気泳動媒質層114の左側に位置している。そこで、
エア・ナイフは電気泳動媒質層114の横断方向に1回
スイープまたは横断し、空気が相対的に高速で吹き付け
られて、電気泳動媒質層114上に残留している試薬が
除去される。ブロワー340はステップ700でオフに
される。エア・ナイフが作用している間に、電気泳動プ
レート110から除去された試薬はトラフ136に集め
られる。ダクト・バルブ82,92はステップ702で
閉じられる。 【0068】次に、電気泳動プレート110は加温放置
され、その間に、電気泳動プロシージャによって分離さ
れたイソ酵素と試薬が化学的に結合される。移動台アセ
ンブリ56は、ステップ704で加温放置位置(これは
電気泳動位置と同じである)に移動される。ペルチエ・
デバイス186はステップ706でオンにされ、電流の
極性は電気泳動プレート110を加熱するように選択さ
れ、ファン102および104がオンにされて、ヒート
・シンク・フィン178(図6参照)に空気が強制的に
送り込まれる。ステップ708で、電気泳動プラットフ
ォーム48(もっと正確には、図19に示すプラットフ
ォーム温度センサ192)が45℃の加温放置温度に達
したかどうかを判断するチェックが行われる。温度がユ
ーザがプログラムした値(例えば、45℃)に達したあ
と、加温放置温度タイマがステップ710でセットされ
る。 【0069】加温放置期間が経過すると、ダクト・バル
ブ82および92はステップ714で開かれる。次に、
電気泳動媒質層114を乾燥して、試薬とイソ酵素との
間の化学反応を終わらせなければならない。ステップ7
16で、ペルチエ・デバイス186への加熱電流が増加
され、ヒータ342がオンにされる。エア・ナイフ・ブ
ロワー340がオンにされ、ファン102および104
がオンにされて、空気がヒート・シンク・フィン178
に強制的に送り込まれ、移動台アセンブリ56は、ステ
ップ718で電気泳動プレート110の横断方向に低速
で前後に移動される。 【0070】乾燥温度と乾燥時間はユーザがプログラム
することができる。代表的な値は、それぞれ54℃と2
分間である。ステップ720で、コンピュータは、乾燥
タイマが始動されたかどうかを判断し、始動されていな
ければ、プラットフォーム温度センサ192と移動台温
度センサ443が乾燥温度に達していたかどうかが判断
される(ステップ722)。乾燥温度に達していると、
ステップ724で乾燥タイマが始動される。 【0071】ステップ720に戻り、乾燥タイマが始動
されると、コンピュータは乾燥サイクルが完了したかど
うかを判断する(ステップ726)。ペルチエ・デバイ
ス186、移動台ヒータ342、エア・ナイフ・ブロワ
ー340、およびファン102と104は、乾燥時間が
完了するとオフにされ、ダクト・バルブ82および92
が閉じられる(ステップ728と730)。 【0072】光電子倍増管312のアノードに供給され
る電圧は、PMT312を使用して電気泳動プレート1
10からデータを収集する前にセットされていなければ
ならない。PMTの利得(ゲイン)はアノード電圧の関
数である。利得Gの一般式は、式1に示すとおりであ
る。 【0073】G=kVαn (1) 上式において、Vはアノード電圧を表し、nは光電子倍
増管のステージ(段)数であり、kとαは定数(PMT
のメーカが定めたもの)である。PMT 312は、Ha
mamatsu Photonics 社(日本国)提供の9ステージ倍増
管(n=9)にすることが好ましい。 【0074】アナログ入出力回路510は、−5V〜+
5Vの範囲のアナログ信号を符号ビット付きの12ビッ
ト・ディジタル信号に変換する機能を備えたA/Dコン
バータを含んでいる。つまり、A/Dコンバータは、入
力信号を1.22ミリボルト・セグメントに分割し、2
12(=4096)個のセグメントが得られる機能を備
えている。増幅器520からA/Dコンバータへの出力
信号の絶対値が、「フルスケール」値である5ボルトを
越えると、誤動作が発生する。+5Vは「正」のフルス
ケール値である。 【0075】PMT312のアノード電圧は、相対的に
高い利得を得るために相対的に高い値に初期設定され
る。そのあと、6つのトラックが順次に走査される。測
定値(増幅器520の出力)がフルスケール値の一定の
分数を越えるたびに、新しい利得が計算され、減少した
利得を得るために減少した電圧がPMT312に印加さ
れる。新しい利得は、測定値でフルスケールの分数で表
した減少係数を割り、その商に前の利得、つまり、
「旧」利得を掛けることによって求められる。これを示
したのが式2である。 【0076】 Gnew =Gold ×(R/M) (2) 上式において、Rは減少係数を表し、Mは測定値を表し
ている。電気泳動装置30では、Mは正のフルスケール
値の1/2(2.5V)になるように選択されており、
Rは正のフルスケール値の1/4(1.25V)になる
ように選択されている。従って、測定値が2.5Vを越
えるたびに、旧利得の1/2を越えない新しい利得が計
算されるが、新利得の正確な値は、測定値によって左右
される。 【0077】所望の利得を得るためにPMT312のア
ノードに印加される電圧は、式1を解くことによって求
められる。この電圧は式3に示されている。 【0078】 V=( G/K )1/αn (3) 上式において、値Gは新しい利得である。 【0079】図28において、ペルチエ・デバイス18
6は、ステップ732で電気泳動プレート110を冷却
するためにオンにされ、コンピュータは、プラットフォ
ーム温度センサ192が走査温度(200℃)に減少さ
れているかどうかを判断する(ステップ734)。次
に、コンピュータは、ウォームアップ・タイマ(ステッ
プ600でセットしたもの)がタイムアウトまたはその
サイクルを完了したかどうかを判断し(ステップ73
6)、その時点で、PMT増幅器520の利得は1にセ
ットされ、オフセットはゼロにセットされる(ステップ
738)。さらに、アノード電圧は、初期PMT利得が
約400になるように647ボルトにセットされ、トラ
ック・カウンタは1にセットされる(ステップ74
0)。トラック1は図16に示すように右端のトラック
388であり、トラック6は左端のトラック388であ
る。 【0080】移動台アセンブリ56は、スリット282
がトラック1と同列に並ぶように移動され(ステップ7
42)、電気泳動プラットフォーム48は走査開始位置
まで移動され(ステップ744)、スリット282は図
16に示すように、トラックが開始する前のウェル17
0の下に置かれている。プラットフォーム48は装置3
0の前方方向へ移動を始め(ステップ746)、トラッ
ク1の走査を開始する。トラック1上のフラクションと
化学的に結合した試薬は紫外線光296を受けて蛍光を
発し、コリメータ280により、電気泳動プレート11
0に直交する蛍光がPMT312に届くことになる。P
MT312の出力はPMT増幅器520によって増幅さ
れる。増幅器520の出力が2.5V(つまり、正のフ
ルスケール値の1/2)を越えていると、PMT312
の電圧が減少され(前述したとおり)、PMT利得が減
少される(ステップ750)。次に、プラットフォーム
48がトラック終了位置まで来たかどうかが判断される
(ステップ752)。図16に示すように、トラック終
了位置は、トラック388を示している一点鎖線の上に
位置している。プラットフォーム48がトラック終了位
置に到達すると、プラットフォーム48は相対的に高速
でトラック開始位置に戻り(ステップ754)、トラッ
ク・カウンタがインクリメントされる。トラック番号が
6を越えていなければ(ステップ756)、走査すべき
別のトラックが残っているので、処理はステップ742
に戻ることになる。6トラックすべてが走査されたあ
と、プレート110上の最も明るい点からは、1.25
〜2.5Vの増幅器出力が得られることになる。 【0081】PMTのアノード電圧がセットされたあ
と、PMT増幅器520の利得とオフセットはトラック
単位でセットされ、利得とオフセットがセットされたあ
と各トラック上でデータ収集の実行が行われる。データ
収集を行うために、トラック・カウンタが再び1にセッ
トされ(ステップ758)、移動台アセンブリ56が再
びトラック1位置まで移動され(ステップ760)、プ
ラットフォーム48が走査開始位置に移動され(ステッ
プ762)、低レジスタと高レジスタの初期値がセット
され(ステップ764と766)、プラットフォーム4
8が装置30の前方方向へ移動を開始してトラック1の
走査が開始される(ステップ768)。コンピュータ
は、PMT増幅器520の現在の出力が低レジスタにス
トアされた値より小であるかどうかを判断し(ステップ
770)、小であれば、低レジスタにストアされた値
は、増幅器520の現在の出力によって置き換えられ
(ステップ772)、コンピュータは、増幅器520の
現在の出力が高レジスタにストアされた値より大である
かどうかを判断し(ステップ774)、大であれば、古
い値は現在の値で置き換えられる(ステップ776)。
走査期間に検出された高値と低値は、プラットフォーム
48がその終了位置に到達したあとでストアされ(ステ
ップ778と780)、増幅器520のオフセットは、
増幅器出力が走査期間に検出された最低点でゼロになる
ようにセットされ、増幅器の利得は、走査期間に検出さ
れた最高点が9Vを出力するようにセットされる(ステ
ップ782と784)。プラットフォーム48は、ステ
ップ786で走査開始位置に戻される。そのあと、デー
タ収集走査がステップ778で行われ、データがストア
される。トラック・カウンタはステップ790でインク
リメントされ、最後のトラックがまだ走査されていなけ
れば(ステップ792)、処理はステップ760に戻
る。ペルチエ・デバイス186とファン102および1
04は、最後のトラックが走査されるとオフにされ(ス
テップ794)、プラットフォーム48は装置30の前
面の最終位置に戻される(ステップ796)。 【0082】走査による測定結果は、ユーザがプログラ
ムできるオプションとして、色々な形式で表示すること
が可能である。例えば、結果は国際単位で自動的にスケ
ールしたり、グラフィックで表現したすることができ
る。分析期間には、結果を国際単位でグラフィックで表
現し、ストアされた6走査すべてを選択したフルスケー
ル値に対してスケールするか(ステップ810)の判断
を行う(ステップ800)。結果を自動スケールするこ
とにしたときは(ステップ800で“no”)、ストア
された走査はすべて最大ピーク値に対してスケールされ
る(ステップ812)。スケールしたあと(ステップ8
10または812)、ストアされた値はバックグラウン
ド・ノイズと不要な信号を除くように編集される(ステ
ップ814)。 【0083】次に、図34を参照してステップ814に
ついて詳しく説明する。グラフはあるトラックの走査の
例を示している。図34において、縦軸は光電子倍増管
312によって検出された光の強度を示し、横軸は関係
するトラック388上の距離を示している。グラフは、
最大ピーク値に対してスケールされた走査を示している
(ステップ812)。スパイク816はクレアチン・キ
ナーゼのMMイソ酵素を表し、スパイク818はMBイ
ソ酵素を表し、スパイク820はBBイソ酵素を表して
いる。 【0084】バックグラウンド・ノイズの主要原因は3
つある。1つは空気で運ばれる糸くずである。多くの洗
剤は、増白剤として蛍光物質を使用しているので、衣服
の繊維がトラック388のいずれかに接触したとき、疑
似信号を発生するおそれがある。バックグラウンド・ノ
イズのもう1つの原因と考えられるアルブミンは、血清
やプラズマ中に存在しているのが通常であるが、普通の
アルブミンは、クレアチン・キナーゼの分析で使用され
る試薬と化学結合しないので、この種の分析では問題と
ならないのが普通である。しかし、蛍光性の変種のアル
ブミンは、腎臓病患者や抗凝血剤(anti-clotting drug)
を投与された患者の血液中に存在している場合がある。 【0085】バックグラウンド・ノイズの第3の主要原
因と考えられるものは、マクロクレアチン・キナーゼ(m
acro creatine kinase) であり、これは紫外線光を受け
ると蛍光を発する性質をもっている。マクロクレアチン
・キナーゼは、ある種の自己免疫病をもつ高年齢の患者
に時々起こるように、ある種の抗体がクレアチン・キナ
ーゼと結合すると発生する。 【0086】ダクト・バルブ82および92(図3参
照)は、分析プロシージャの主要部分が行われていると
き、電気泳動プレート110を外気から物理的に隔離す
るので、汚染の危険が減少する。ダクト・バルブは、エ
ア・ナイフ・ブロワー340の動作でその必要が起こっ
たときだけ開かれる(図14参照)。 【0087】電気泳動プレート110が糸くずで汚れた
場合であっても、その結果起こるバックグラウンド・ノ
イズを電子的に除去できることがよくある。図34付加
された矢印822,824,826,828,830
は、グラフの極小値を示している。これらの極小値は、
カーブの勾配がどこで負から正に変わったかを見つける
ことで知ることができる。スパイク816,818,8
20以外のピークは、疑似として除去が可能である。例
えば、矢印824と826の間に示す小さなピークは、
糸くずやマクロクレアチン・キナーゼなどの他の原因に
起因することが考えられるが、クレアチン・キナーゼの
MM、MBまたはBBイソ酵素に起因しないことは明ら
かである。このような位置から外れたピークは、編集ス
テップ814のときに除去される。 【0088】さらに、編集ステップ814のとき、矢印
822,824,826,828および830で示され
た極小値を通るベースライン832が計算される。ベー
スライン832の下の区域は、例えば、血液中に存在す
る変種のアルブミンに起因する疑似信号を表している。
ベースライン832は、編集ステップ814のときスパ
イク816,818および820から減算される。 【0089】変種のアルブミンに起因するバックグラウ
ンド・ノイズは、ベースラインを求めることで電子的に
編集することができる。バックグラウンド・ノイズは、
pH指示薬染料であるメチール・レッドがアルブミンと
密結合され、以前にアルブミンと結合されていた物質が
あると、その物質を置換するので、化学的に除去するこ
とができる。メチール・レッドと結合されたアルブミン
は蛍光を発せず、実際には、紫外線光を吸収する。従っ
て、変種アルブミンに起因するバックグラウンド・ノイ
ズは、容積比で1パーセントのメチール・レッドを血清
に添加し、メチール・レッドが結合するまで5分間待っ
てから、電気泳動プロシージャを始めることで避けるこ
とができる。電気泳動プレートの電気泳動媒質層または
試薬にpH指示薬染料を添加すると、アルブミンに起因
するノイズを減少させることができる。メチール・オレ
ンジを使用できるが、メチール・レッドによると最高の
結果が得られる。 【0090】編集された6つの走査は、ステップ836
でビデオ・モニタ34(図1参照)から順次に表示さ
れ、ステップ836でプリンタ36から印刷される。図
35はビデオ表示と印刷コピーを示しており、これは、
結果を国際単位で表すオプションが選択された場合に図
34に示す未編集走査に対応している。「フルスケー
ル」を表すために50の国際単位が選択されている。図
36は、結果を自動的にスケールするオプションが選択
された場合の同じ結果を示している。3つのフラクショ
ンの相対的パーセンテージと国際単位は自動的に印刷さ
れる。 【0091】最後に、ステップ838で、移動台アセン
ブリ56は元の位置に戻される。 【0092】図21〜図33のプログラムは、クレアチ
ン・キナーゼを分析する場合について説明してきたが、
装置30は、乳酸デヒドロゲナーゼ(lactate dehydroge
nase) といった、他の物質を分析することも可能であ
る。乳酸デヒドロゲナーゼの検定は、心臓病や腎臓病を
診断する外科医に有用である。 【0093】色々な側面から見た、電気泳動装置30に
関する情報は、図21〜図33に示すプログラムを実行
するためにコンピュータ62が必要とするものである。
この情報の一部は、装置30が製造される時点で分かっ
ている。例えば、エンコーダ366(図19参照)から
の連続パルス期間に移動台アセンブリ56が移動する距
離は正確に分かっているので、装置30の製造時にハー
ド・ディスク504(図17参照)にストアしておくこ
とができる。他の値は、変化し、製造上の許容誤差の理
由により、製造時には正確に分かっていない。例えば、
市販の温度センサの性能は変化することがあり、また、
あらかじめ決めたトラック388上に並んだとき、ホー
ム・スイッチ396からのエンコーダ・パルスによって
カウントされるスリット282の正確な位置は、コンポ
ーネントを取り付けるときの精度に左右される。これら
のパラメータの概算省略時値は、ハード・ディスク50
4にストアされているが、これらの省略時値をもっと正
確な値で置き換えるように装置30を較正することが望
ましい。 【0094】図37〜図39は、プラットフォーム温度
センサ192の較正プロシージャを示している。プロー
ブ付きの高精度電子サーモミタが使用され、プローブは
初めに熱伝達部材140(図6)の上部に挿入される。 【0095】温度センサ192は高度に線形的であり、
その性能は次の一次式(4)で正確に表すことができ
る。 【0096】 T=mS+b (4) 上記において、Sはミリボルトで表したセンサ出力、T
は温度、mは線形的関係の勾配を表し、これは「解像
度」と呼ぶことにする。bは縦座標軸との切片(interce
pt) で、これは「オフセット」と呼ぶことにする。この
較正プロシージャでは、センサ出力は2つの異なる温度
で測定され、2つの一次式(式4で表したもの)を得て
いる。この2式を解くと、解像度mとオフセットbを求
めることができる。 【0097】ステップ834で、解像度mとオフセット
bの省略時値は、センサ較正レジスタから読み取られ
る。この省略時値を使用して、センサ出力は温度が10
o Cになるように式4を用いて計算され、これは、S
LOW と名付けてストアされる(ステップ838)。
ペルチエ電源514(図19参照)は、プラットフォー
ム温度センサ192の出力がSLOW に等しくなるよ
うにペルチエ・デバイス186を駆動する(ステップ8
40)。電源514は閉ループ・サーボ制御でペルチエ
・デバイス186を制御する。ペルチエ・デバイス18
6は、センサ192が所望出力を検出するまで駆動さ
れ、そのあと、駆動電流はセンサ192の出力が所望出
力から若干離れるまで減少され、その結果、ペルチエ・
デバイス186は増加電流で駆動される。温度は狭いバ
ンド範囲で制御される。 【0098】センサ192によって検出された現在温度
は、式4および省略時の解像度とオフセットを用いてス
テップ842で計算され、ステップ844でモニタ34
から表示される。システムは、計算で求めた現在温度が
10℃に達していたかどうかを判断し、そのあと、測定
された温度が入力される(ステップ848)。ここで、
測定温度とは、電子サーモミタによって検知された温度
である。測定温度が入力され(ステップ850)、TL
OW としてストアされる(ステップ852)。次に、
温度が55℃になるようにセンサ出力SHIGHが計算
され(ステップ854)、計算出力SHIGHはストア
され(ステップ856)、ペルチエ・デバイス186は
コンピュータによって駆動され、センサ192からの出
力としてSHIGHが達成される(ステップ858)。
現在温度は式4から計算され(ステップ860)、セン
サ192の現在の出力がステップ862で表示される。
コンピュータは、計算した温度が55℃に達していたか
どうかを判断し(ステップ864)、そのあと、電子サ
ーモミタで測定された温度が入力され(ステップ86
6,868)、THIGHとしてストアされる(ステッ
プ870)。2つの測定温度値(TLOW とTHIG
H)および対応するセンサ出力(SLOW とSHIG
H)が得られたので、実際のオフセットbと解像度mを
計算することができ(ステップ872)、実際の値はセ
ンサ較正メモリにストアされ(ステップ874)、スト
アされている省略時の解像度とオフセットを置換する。 【0099】移動台温度センサ443は類似のプロシー
ジャを用いて較正される。この場合、低温度は35℃が
選択され、高温度は63℃が選択されている。 【0100】電気泳動電源64は類似のプロシージャを
用いて較正される。一次式中の変数は、センサ出力信号
ではなく、コンピュータ62からのコマンド値であり、
これはオフセットおよび解像度と一緒に使用されて、電
源64の制御信号が求められる。電源を較正するため
に、電圧計が電源の両端に接続される。電圧解像度と電
圧オフセットの省略時値は低電圧(200V)と高電圧
(1200V)が初期設定され、電源64の低電圧と高
電圧制御信号が計算される。電圧の測定値を使用する
と、実際のオフセットと解像度を求めることができる。 【0101】電源64の電流応答性は、同じ方法で較正
される。ミリアンペア計は5490オーム負荷抵抗に直
列に電源64の両端に接続される。電流解像度と電流オ
フセットの省略時値は、20ミリアンペア出力と91ミ
リアンペア出力のときの制御値を生成するために使用さ
れる。ミリアンペア計から得た実際値を、制御信号を計
算するためにコンピュータ64から得た制御値と一緒に
使用すると、実際のオフセットと解像度を計算すること
ができる。 【0102】次に、図16,図20,図40および図4
1〜図44に示すフローチャートを参照して、電気泳動
プラットフォーム48と移動台アセンブリ56を較正す
るためのプロシージャについて説明する。この較正プロ
シージャの目的は、プラットフォーム48と移動台アセ
ンブリ56があらかじめ決めた位置にあるとき、ホーム
・スイッチ392および396からの実際のエンコーダ
・パルス数を求めることである。 【0103】較正テンプレート876(図40)は、硬
質プラスチック製の薄い矩形プレートからなり、円形穴
878、スロット880、および矩形開口882,88
4が設けられている。較正プロシージャを実行する前
に、テンプレート876はトレイ130のくぼみ領域1
32(図5参照)に置き、位置合わせロッド150を穴
878に通し、位置合わせロッド148をスロット88
0に通す。これにより、テンプレート876は電気泳動
プラットフォーム48に対して正確な位置に置かれる。
電極146はテンプレート876の開口882を通り抜
け、電極144は開口884を通り抜ける。 【0104】テンプレート876の上面は黒になってお
り、紫外線放射を吸収する。蛍光位置合わせマークが黒
の表面に設けられている。このマークは6つのピペット
位置合わせドット886を含み、これらは、ホーム・ス
イッチ392からのエンコーダ・パルスの総数に対し
て、ピペット52の下に位置合わせされたプラットフォ
ーム48の正確な位置を求めるために使用される。ま
た、位置合わせマークは移動台位置合わせライン888
を含み、これは、ホーム・スイッチ392からのエンコ
ーダ・パルスの総数に対して、プラットフォーム48と
スリット282との正確な関係を求めるために使用され
る。移動台位置合わせライン888はスリット282に
平行になっており、テンプレート876上のその垂直位
置(図26において、位置合わせ穴878に対する)は
既知である。さらに、電気泳動プラットフォーム48が
位置エンコーダ372の2パルスの間に走行する距離も
既知である(例えば、パルス当たり1/1000インチ
といったように)。スリット282がライン888のす
ぐ上に位置合わせされ、ライン888から放出された蛍
光が光電子倍増管312によって検出されるまで、ライ
ン888を走査すると(つまり、プラットフォーム48
をプラットフォーム通路390上を移動させると)(図
16)、位置合わせピン150(図5)のロケーション
を求めることができる。サンプル添加や走査等のための
プラットフォーム通路30上のすべての位置はピン15
0に位置合わせされる。最後に、位置合わせマークは6
つのトラック位置合わせライン890,892,89
4,896,898そして900を含んでいる。これら
のラインは6トラック388(図16)の各々に1つ設
けられ、移動台アセンブリ56が、ホーム・スイッチ3
96からスリット282がそれぞれのトラック388の
すぐ上に位置合わせされる位置へ移動したとき、エンコ
ーダ・パルスの総数に対して各トラック388の正確な
位置を判断するために使用される。 【0105】フローチャート(図41〜図44)に示す
ように、コンピュータは移動台アセンブリ56がホーム
・スイッチ396の個所に置かれているかどうか判断し
(ステップ902)、必要ならば、ホーム・スイッチ3
96へ移動され(ステップ904)、移動台位置カウン
タがクリアされる(ステップ906)。コンピュータは
電気泳動プラットフォーム48がホーム・スイッチ39
2の個所に置かれているかどうかを判断し(ステップ9
08)、必要ならば、その位置へ移動され(ステップ9
10)、プラットフォーム位置カウンタがクリアされ
(ステップ912)、アプリケータ・アセンブリ50の
省略時位置がアプリケータ位置レジスタにロードされ
(ステップ914)、プラットフォーム48が省略時位
置へ移動される(ステップ916)。そのあと、ピペッ
ト52(図2参照)はテンプレート876の上方の位置
に下げられる(ステップ918)。 【0106】ピペット52がピペット位置合わせドット
886上に位置していなければ(ステップ920,92
2)、コンピュータは、ピペット52がドット886の
前にあるか、その後にあるか、位置合わせが必要である
かどうかを判断し、必要ならば、プラットフォーム48
が前後方向に移動される(ステップ926,928)。
アプリケータ位置レジスタの値が減少されるか(プラッ
トフォーム48を逆方向に移動する場合)、増加される
(プラットフォーム48を前方向に移動する場合)(ス
テップ930)。そのあと、処理はステップ916に戻
り、ピペット52が最終的にドット886上に位置合わ
せされると、アプリケータ位置レジスタの値が省略時値
の置換値としてストアされる(ステップ932)。 【0107】アプリケータ・アセンブリ50は、左右方
向に調節可能に取り付けられている。アプリケータ・ア
センブリは、必要ならば、ピペット52がドット886
上に位置合わせされるまでピペットを左右方向に移動す
るように、機械的に調節される(ステップ934)。そ
のあと(ステップ936)、移動台アセンブリ56は移
動台位置合わせ位置まで移動される(ステップ93
8)。 【0108】ステップ940で、電気泳動プラットフォ
ーム48は、スリット282が位置合わせライン888
を横切るまでホーム・スイッチ392方向へ移動され、
ホーム・スイッチ392からライン888の横断までに
カウントされたエンコーダ372のパルス数がストアさ
れている省略時値の置換値としてストアされる。プログ
ラムは、ホーム・スイッチ396からエンコーダ366
によって放出されたカウント・パルス数で表された、移
動台通路394上のトラックの正確な位置を判断する。 【0109】ステップ942で、トラック・カウンタは
1にセットされる。プラットフォーム48はトラック位
置合わせライン890を検出する位置、つまり、移動台
通路394が位置合わせライン890を横切る大体の位
置まで移動され(ステップ944)、そのあとで、移動
台アセンブリ56は、トラック位置合わせライン89
0,892,894,896,898そして900の右
側(図26中の)の移動台開始位置まで移動される(ス
テップ946)。次に、移動台アセンブリ56は、位置
合わせライン898を検出するまで右へ移動される(ス
テップ948)。位置合わせラインが検出されたときエ
ンコーダ366からのカウント・パルス数の値が省略時
値に代わってストアされる。 【0110】ステップ950で、トラック・カウンタは
インクリメントされ、コンピュータは、較正すべきトラ
ックがまだ残っているかどうかを判断する(ステップ9
51)。6番目のトラックの較正が終わると、電気泳動
プラットフォーム48は装置30の前面へ移動され(ス
テップ952)、較正プロシージャは完了する。 【0111】次に、図17,図20,図49を参照し
て、また図45〜図48に示すフローチャートを参照し
て、アプリケータ・アセンブリ50の較正プロシージャ
について説明する。 【0112】ステップ953で、コンピュータは、プレ
ート400が上方位置にあるかどうか、つまり、ホーム
・スイッチ416が閉じているかどうかを判断し、必要
ならば、モータ406が作動されてプレート400をそ
の上方位置へ移動し(ステップ954)、そのあと、バ
レル位置カウンタがクリアされる(ステップ955)。
コンピュータは、プランジャが上方位置にあるかどう
か、つまり、ホーム・スイッチ436が閉じているかど
うかを判断し(ステップ956)、必要ならば、モータ
430が作動されて(ステップ957)プランジャをそ
の上方位置へ移動し、プランジャ位置カウンタがクリア
される(ステップ958)。コンピュータは、電気泳動
プラットフォーム48が後方位置にあるかどうかを判断
し(ステップ959)、必要ならば、プラットフォーム
は後方位置へ移動され(ステップ960)、プラットフ
ォーム位置カウンタはクリアされる(ステップ96
1)。 【0113】プラットフォーム48はアプリケータ・ア
センブリ50の下に移動され(ステップ962)、ピペ
ット52は保護フィルム142(図5参照)の中央部の
上に位置合わせされる。装置30の製造時にストアされ
た省略時値は、そのあとピペット位置レジスタにロード
される(ステップ963)。省略時値が正しければ、省
略時値は、バレル422の下部チップがフィルム142
の上方の、0.027インチより大で、0.037より
小の位置に置かれているときエンコーダ408からのカ
ウント・パルス数に等しくなっている。ステップ964
で、モータ406が作動されて、ピペット52をピペッ
ト位置レジスタに示されている位置へ移動する。そのあ
と、バレル・フィーラ・ゲージが使用されて、バレル4
22の下部チップから保護フィルム142までの距離が
判断される(ステップ965)。図49に示すバレル・
フィーラ・ゲージ966は、0.027インチ厚の部分
967と0.037インチ厚の部分968をもつ継続/
中止(go/no-go) ゲージである。部分967はバレル4
22の下を滑り込むようになっており、部分968はバ
レル442の下を滑り込むようになっていない。フィー
ラ・ゲージ966を使用した結果はコンピュータに入力
され(ステップ969)、調整が必要であるかどうかが
判断される(ステップ970)。調整が必要ならば、バ
レル422が高すぎるか、低すぎるかが示され(ステッ
プ972)、そのあと、ピペット位置レジスタの値が必
要に応じてインクリメントまたはデクリメントされる
(ステップ973)。 【0114】ステップ974で、モータ406が作動さ
れ、ホーム・スイッチ916が閉じるまでプレート40
0を上昇させる。これにより、機械的バックラッシュが
原因で起こる誤結果を回避するために、試行と改善を行
っている間にエレメントを同じ方向に移動することによ
って、較正が確実に行われる。 【0115】フィーラ・ゲージ966の部分967がバ
レル422の下に滑り込むように、しかし、フィーラ・
ゲージ966の部分が滑り込まないように(ステップ9
70で“yes”と判定)距離が最終的に調整される
と、ストアされている省略時値は、ピペット位置カウン
タの値で置き換えられる(ステップ975)。 【0116】ステップ976で、第1プランジャ省略時
値は第1プランジャ位置レジスタにロードされる。省略
時値が正しければ、プランジャ440の下端がバレル4
22の下端と一致しているときのエンコーダ431から
のパルス数と同じである。これはゼロ・マイクロリッタ
位置である。ステップ977で、モータ430が作動さ
れ、プランジャ440を第1バレル位置レジスタの位置
に移し、第1バレル位置ゲージが使用されて、バー41
8と438間の距離がチェックされる(ステップ97
8)。第1バレル・フィーラ・ゲージは厚い部分と薄い
部分をもつ継続/中止ゲージであり、これは、図49に
示すバレル・フィーラ・ゲージ966と同じものであ
る。フィーラ・ゲージを使用したあと(ステップ97
9)、調整が必要かどうかが判断される(ステップ98
0)。必要ならば、キーボード32を使用して、プラン
ジャ440を下げるか、上げるかを指示し(ステップ9
81,982)、第1プランジャ位置レジスタはインク
リメントまたはデクリメントされ(ステップ983)、
モータ430が作動され、ホーム・スイッチ436が閉
じるまでヨーク424を上昇させる(ステップ98
4)。これにより、プランジャ440は較正プロシージ
ャ期間に同じ方向に移動されて、機械的バックラッシュ
が原因で起こる不整合な結果が防止される。プランジャ
が上昇されると、処理はステップ977に戻り、プラン
ジャ440が第1プランジャ・フィーラ・ゲージを用い
てゼロ・マイクロリッタ位置で較正されると、第1プラ
ンジャ位置レジスタの値で省略時値が置き換えられ(ス
テップ985)、そのあと、ステップ976〜985が
繰り返されて、第2バレル・フィーラ・ゲージを用いて
1マイクロリッタ位置が較正され、このゲージをもう一
度用いて、バー418と438間の距離が判断される
(ステップ986)。 【0117】上述した本発明は、種々態様の改良、変
更、および適応が可能であり、これらの改良等は本発明
の技術範囲に含まれることはもちろんである。 【0118】特許請求の範囲および/または添付図面に
おいて上述した説明に開示されている特徴は、個別的に
も、その任意の組合せにおいても、本発明を種々態様で
実現する上で重要なものである。 【0119】 【発明の効果】以上詳述したように本発明のクレアチン
・キナーゼ酵素を検定する方法により正確な検定ができ
る。 【0120】なお、本は発明に関連する別の目的および
別の側面を記せば以下の通りである。 【0121】本発明に関連する別の目的は、電気泳動プ
レート(electrophoresis plate) を第1の方向に移動可
能にし、電気泳動プレートを走査する光学手段を直交す
る第2の方向に移動可能にした電気泳動方法および装置
を提供することである。 【0122】本発明に関連する別の目的は、液体試薬を
電気泳動プレートの一方から他方へ向かって分散させ、
余剰の水分をプレートから除去して加熱空気をプレート
に向けて吹き付けて、プレートの乾燥を促進するために
使用できるエアー・ナイフ(air knife) を備えた電気泳
動装置を提供することである。これに関連する目的は、
電気泳動プラットフォーム(platform)を、空気がエアー
・ナイフを通って送られているときを除き、周囲の大気
から隔離するためのエアー・ダクト・バルブ(air duct
valve)を提供することである。 【0123】本発明に関連する別の目的は、自動電気泳
動装置において光電子倍増管に供給されるアノード電圧
を自動調節するための方法を提供することである。 【0124】本発明に関連する別の目的は、自動泳動装
置によって収集されたデータを、バックグラウンド・ノ
イズ(background noise)を減少するように自動的に編集
するための方法を提供することである。 【0125】本発明に関連する別の目的は、サンプルを
転送するピペット(pipette) をもつアプリケータ・アセ
ンブリ(applicator assembly) を較正するための改良方
法を提供することである。 【0126】本発明に関連する別の目的は、電気泳動プ
レートを第1通路に沿って移動させるプラットフォーム
と、電気泳動プレートを第1の通路に直交する第2通路
に沿って走査する光学的手段を移動させる移動台アセン
ブリ(gantry assembly) とを備えた電気泳動装置を較正
するための改良方法を提供することである。 【0127】本発明に関連する別の目的は、自動電気泳
動装置における温度センサと電源装置を較正するための
改良方法を提供することである。 【0128】本発明に関連する別の側面によれば、電気
泳動装置は、電気泳動媒質層を含む電気泳動プレートの
第1支持体と、第1直線通路に沿って第1支持体を移動
させる第1手段と、光検出器と、光検出器の第2支持体
と、第1直線通路にほぼ直交するように交差する第2直
線通路に沿って第2支持体を移動させる第2手段とを備
えている。 【0129】第1支持体は、電気泳動媒質層に接触する
電極をもつ電気泳動プラットフォームにすることが可能
である。 【0130】電気泳動装置には、さらに、少なくとも1
つの液体サンプルを電気泳動プレート上に乗せるための
第1直線通路の上方に配置されたアプリケータ・アセン
ブリと、第1直線通路の上方に配置された試薬注入ステ
ーションとを含めることが可能である。 【0131】第2支持体は、光検出器が装着されている
移動台アセンブリにすることが可能であり、エアー・ナ
イフがこの移動台アセンブリに装着されている。エアー
・ナイフは、モータで動作する1つまたは2つ以上のエ
アー・ダクト・バルブによって、周囲の大気から選択的
に隔離することが可能である。移動台アセンブリにヒー
タを含めておけば、エアー・ナイフから送られる空気を
加熱して電気泳動プレートの乾燥を促進することができ
る。 【0132】移動台アセンブリは、取外し可能なランプ
・アセンブリに内蔵できる紫外線ランプ用のランプ・ハ
ウジングを装備でき、ランプ・アセンブリは、ランプ・
アセブンリを解除可能にランプ・ハウジングにラッチす
るので、紫外線ランプを容易に交換することができる。 【0133】光検出器は光電子倍増管にすることができ
る。この場合、その利得(ゲイン)は、各トラックを走
査し、光電子倍増管の増幅器の出力が事前に決めた値を
越えるたびに、光電子倍増管に供給されるアノード電圧
を減少することで自動的に調節される。増幅器は調節可
能な利得と調節可能なオフセットをもっている。自動電
気泳動装置によって収集されたデータはメモリにストア
しておくことができるので、事前に決めた範囲外に現れ
たピークを無視し、事前に決めた範囲内にピークのベー
ス・ラインを設定することで自動的に編集することがで
きる。 【0134】本発明に関連する別の側面によれば、紫外
線光を発光するランプと、電気泳動プレートを受容する
支持体と、電気泳動プレートが紫外線光の照射を受けて
いる間に電気泳動プレートを走査する光検出器とを備え
た電気泳動装置を較正するための方法は、(a)第1と
第2の直交する蛍光ラインをもつ較正テンプレートを支
持体上に載置し、(b)第1位置カウンタをクリアし、
(c)第2位置カウンタをクリアし、(d)第1モータ
を作動し、センサが第1ラインを横切ってそれを検出す
るように、第1支持体とセンサを相互に対して相対移動
させ、第1モータに接続された第1位置エンコーダが第
1モータの回転と共に動作して、パルスを放出し、
(e)ステップ(d)が実行されている間、第1位置エ
ンコーダから放出されたパルスをカウントし、(f)セ
ンサが第1ラインを検出したとき、第1位置カウンタが
到達したカウントをストアし、(g)第2モータを作動
し、センサが第2ラインを横切ってそれを検出するよう
に、支持体とセンサを相互に対し相対移動させ、第2モ
ータに接続された第2位置エンコーダが第2モータの回
転と共に動作して、パルスを放出し、(h)ステップ
(g)が実行されている間、第2位置カウンタを使用し
て、第2位置エンコーダから放出されたパルスをカウン
トし、(i)センサが第2ラインを検出したとき、第2
位置カウンタが到達したカウントをストアするステップ
からなることを特徴としている。 【0135】本発明に関連する別の側面によれば、第1
部材と、第1部材上に垂直に取り付けられ、下端をもつ
バレルと、第2部材と、第2部材に垂直に取り付けら
れ、バレルに突入したプランジャとを備えたアプリケー
タ・アセンブリを較正するための方法は、(a)第1位
置カウンタをクリアし、(b)第2位置カウンタをクリ
アし、(c)モータを作動し、第1部材を支持体より上
方の高い位置まで移動させ、第1モータに接続された第
1位置カウンタが第1モータの回転と共に動作して、パ
ルスを放出し、第1位置エンコーダから放出されたパル
スを第1位置カウンタによってカウントし、(d)支持
体とバレルの下端間の距離を継続/中止(go/no-go)フィ
ーラ・ゲージでチェックして、バレルの下端が支持体か
らの第1のあらかじめ決めた距離範囲内に位置している
かどうかを判断し、(e)バレルの下端が支持体からの
第1のあらかじめ決めた距離範囲内に位置していなけれ
ば、第1モータを再び作動し、第1部材を支持体より上
方の別の位置まで移動させ、(f)バレルの下端が支持
体からの第1のあらかじめ決めた距離範囲内に位置する
までステップ(d)と(e)を繰り返し、(g)バレル
の下端が支持体からの第1のあらかじめ決めた距離範囲
内に位置したとき、第1位置カウンタが到達したカウン
トをストアし、(h)第2モータを作動し、第2部材を
第1部材より上方の高い位置まで移動させ、第2モータ
は第1部材に対して固定的に取り付けられ、第2モータ
に接続された第2位置エンコーダが第2モータの回転と
共に動作して、パルスを放出し、第2位置カウンタから
放出されたパルスを第2位置カウンタによってカウント
し、(i)第1部材と第2部材間の距離を継続/中止(g
o/no-go)フィーラ・ゲージでチェックし、部材間の距離
が第2のあらかじめ決めた範囲内にあるかどうかを判断
し、(j)第1部材と第2部材間の距離が第2のあらか
じめ決めた範囲内になければ、第2モータを再び作動
し、第1部材と第2部材間の距離を変更し、(k)第1
部材と第2部材間の距離が第2のあらかじめ決めた範囲
内になるまでステップ(i)と(j)を繰り返し、
(l)第1部材と第2部材間の距離が第2のあらかじめ
決めた範囲内になったとき、第2位置カウンタが到達し
たカウントをストアするステップからなることを特徴と
している。 【0136】本発明の別の側面によれば、液体サンプル
を分析する方法は、(a)サンプルを電気泳動媒質層上
に乗せ、(b)試薬を電気泳動媒質層上に加え、(d)
エアー・ナイフ・スロットと電気泳動媒質層を相互に対
して移動している間に、空気をエアー・ナイフ・スロッ
トから電気泳動媒質層に吹き付けることによって試薬を
分散させ、(e)紫外線光を電気泳動媒質層上に照射
し、(f)光センサで電気泳動媒質層を走査するステッ
プからなることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】 【図1】電気泳動装置を示す斜視図である。 【図2】装置のハウジング内部の主要コンポーネントを
示す概略斜視図である。 【図3】ハウジング内部のエア・ダクト系を示す概略斜
視図である。 【図4】電気泳動装置と一緒に使用できる電気泳動プレ
ートを示す斜視図である。 【図5】装置における電気泳動プラットフォームを示す
上面図であり、さらに、プラットフォーム上のサンプル
・トレイを示している。 【図6】電気泳動プラットフォーム、プラットフォーム
を移動させる移送アセンブリおよびプラットフォームが
後退位置にあるとき電気泳動のための動力を伝達するイ
ンタロックを示す一部断面側面図である。 【図7】図3に示すエア・ダクト系の1つにおけるエア
・バルブを示す正面図である。 【図8】試薬アプリケータ・アセンブリを示す分解斜視
図である。 【図9】移動台アセンブリを示す正面図である。 【図10】移動台アセンブリを示す背面図である。 【図11】移動台アセンブリを示す底面図である。 【図12】移動台アセンブリのランプ・ハウジング内に
取外し自在に受け入れられるランプ・アセンブリを示す
一部破切分解斜視図である。 【図13】移動台アセンブリ内の紫外線ランプで電気泳
動プレートに照射し、その結果発生する蛍光を移動台ア
センブリ内の光電子倍増管で測定する様子を示す図であ
る。 【図14】移動台アセンブリに設けられたエア・ガイド
を示す断面図である。 【図15】ハウジングのパネルの一部を省略した電気泳
動装置を示す背面図である。 【図16】プラットフォーム・アセンブリがアプリケー
タ・アセンブリ,試薬注入ステーション,および移動台
アセンブリと作用し合う様子を示す概略上面図である。 【図17】アプリケータ・アセンブリを示す概略斜視図
である。 【図18】電気泳動装置の電気回路を示すブロック図で
ある。 【図19】電気泳動装置の電気回路を示すブロック図で
ある。 【図20】電気泳動装置の電気回路を示すブロック図で
ある。 【図21】電気泳動装置の通常オペレーションのフロー
チャートを示す図である。 【図22】電気泳動装置の通常オペレーションのフロー
チャートを示す図である。 【図23】電気泳動装置の通常オペレーションのフロー
チャートを示す図である。 【図24】電気泳動装置の通常オペレーションのフロー
チャートを示す図である。 【図25】電気泳動装置の通常オペレーションのフロー
チャートを示す図である。 【図26】電気泳動装置の通常オペレーションのフロー
チャートを示す図である。 【図27】電気泳動装置の通常オペレーションのフロー
チャートを示す図である。 【図28】電気泳動装置の通常オペレーションのフロー
チャートを示す図である。 【図29】電気泳動装置の通常オペレーションのフロー
チャートを示す図である。 【図30】電気泳動装置の通常オペレーションのフロー
チャートを示す図である。 【図31】電気泳動装置の通常オペレーションのフロー
チャートを示す図である。 【図32】電気泳動装置の通常オペレーションのフロー
チャートを示す図である。 【図33】電気泳動装置の通常オペレーションのフロー
チャートを示す図である。 【図34】自動編集の前に電気泳動装置によって収集さ
れたデータの例を示すグラフである。 【図35】縦軸に国際単位を示すようにスケールされた
編集データを示すグラフである。 【図36】最も有力なイソ酵素が100%フルスケール
で表示されるようにスケールされた編集データを示すグ
ラフである。 【図37】電気泳動装置内の温度センサを較正するため
のフローチャートを示す図である。 【図38】電気泳動装置内の温度センサを較正するため
のフローチャートを示す図である。 【図39】電気泳動装置内の温度センサを較正するため
のフローチャートを示す図である。 【図40】較正テンプレートを示す上面図である。 【図41】図40のテンプレートを使用した較正プロシ
ージャのフローチャートを示す図である。 【図42】図40のテンプレートを使用した較正プロシ
ージャのフローチャートを示す図である。 【図43】図40のテンプレートを使用した較正プロシ
ージャのフローチャートを示す図である。 【図44】図40のテンプレートを使用した較正プロシ
ージャのフローチャートを示す図である。 【図45】アプリケータ較正プロシージャのフローチャ
ートを示す図である。 【図46】アプリケータ較正プロシージャのフローチャ
ートを示す図である。 【図47】アプリケータ較正プロシージャのフローチャ
ートを示す図である。 【図48】アプリケータ較正プロシージャのフローチャ
ートを示す図である。 【図49】アプリケータ較正プロシージャのとき使用さ
れる継続/中止フィーラ・ゲージを示す側面図である。 【符号の説明】 30 電気泳動装置 48 第1支持体(プラットフォーム) 50 アプリケータアセンブリ 52 ピペット 54 試薬注入ステーション 56 第2支持体(移動台アセンブリ) 64 バイポーラ電気永動電源 74 空気取入れ部 78 空気入口 80 ファン 82 エア・ダクト・バルブ 110 電気泳動プレート 114 電気泳動媒質層 144 電極 146 電極 284 ランプ・ハウジング 286 ラッチプレート 288 ラッチ 290 ランプ・アセンブリ 296 紫外線ランプ 312 光検出器(光電子倍増管) 328 エア・ナイフ・ガイド 338 エア・ナイフ・スロット 340 移動台ブロワー 342 ヒータ 363 移動台駆動モータ 366 回転位置エンコーダ 370 プラットフォーム駆動モータ 372 回転位置エンコーダ 406 ピペット・バレル・モータ 408 位置決めエンコーダ 418 ピペット・バー 422 ピペット・バレル 430 ピペット・プランジャ・モータ 431 エンコーダ 438 プランジャ・バー 440 プランジャ 520 増幅器 876 較正テンプレート 888 移動台位置合わせライン 890 トラック位置合わせライン 966 継続/中止フィーラ・ゲージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/26 315G (72)発明者 ヘンリー エイ. ガーシー アメリカ合衆国 77625 テキサス州 コ ウンツェレッドウッド 410 (72)発明者 チャールズ ディー. ケリー アメリカ合衆国 77706 テキサス州 ビ ューモント ウエストゲート ドライブ 8280 (72)発明者 マイケル ティー. エベリット アメリカ合衆国 77713 テキサス州 ビ ューモント ルート 7 ボックス 137 (72)発明者 アール ダヴリュ. ブーン アメリカ合衆国 77707 テキサス州 ビ ューモント ロング ロード 354 (72)発明者 フィリップ エイ. グアダグノ アメリカ合衆国 77662 テキサス州 ヴ ィドーコンコード 465 (72)発明者 エリック エイチ. ピーターセン アメリカ合衆国 77706 テキサス州 ビ ューモント モンテレイ 1150 (72)発明者 ティプトン エル. ゴリアス アメリカ合衆国 77706 テキサス州 ビ ューモント トーマス ロード 1290 Fターム(参考) 4B063 QA01 QQ03 QQ27 QS16 QX02

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 液体サンプルに含まれるクレアチン・キ
    ナーゼ酵素を検定する方法であって、 (a)液体サンプルをレセプタクル内に乗せ(50)、 (b)サンプルを電気泳動媒質層へ移し(52)、 (c)電気泳動媒質層の両端に電場を発生し(64)、 (d)試薬を電気泳動媒質層上に乗せ(54)、 (e)電気泳動媒質層に向けて紫外線光を照射し(29
    6)、 (f)電気泳動媒質層を光センサ(312)で走査し、 (g)走査を行うステップの前に、サンプルをpH指示
    薬染料に曝しておくステップからなることを特徴とする
    方法。
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