JPH11237386A - 生化学分析装置 - Google Patents

生化学分析装置

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JPH11237386A
JPH11237386A JP10040158A JP4015898A JPH11237386A JP H11237386 A JPH11237386 A JP H11237386A JP 10040158 A JP10040158 A JP 10040158A JP 4015898 A JP4015898 A JP 4015898A JP H11237386 A JPH11237386 A JP H11237386A
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JP
Japan
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sample
spotting
liquid
slide
chemical analysis
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JP10040158A
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English (en)
Inventor
Akihiro Komatsu
明広 小松
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血液等の試料液の成分を分析する生化学分析
装置において、生化学物質の光学濃度およびイオン活量
の測定を効率よく行う。 【解決手段】 呈色反応およびイオン活量の測定に使用
するサンプル収容部16を生化学分析装置に取り外し自在
に設ける。サンプル収容部16の参照液用チップ保持部16
a 、電解質検体用チップ16b 、参照液収容管16c 、希釈
液用チップ保持部16d 、希釈液カップ16e 、混合カップ
16f 、採血管保持部16g および検体用チップ保持部16h
などの消耗品を取付ける部分を、点着手段17の点着アー
ム88の旋回に伴う点着用ノズル91の旋回軌跡上に位置す
るように設定する。これにより、点着アーム88を旋回さ
せるのみで点着用ノズル91を消耗品が配設された位置に
移動させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液、尿等の試料
液が点着された化学分析素子を用いて、試料液中の所定
の生化学物質の物質濃度を求める生化学分析装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、試料液の小滴を点着供給する
だけでこの試料液中に含まれている特定の化学成分また
は有形成分を定量分析することのできるドライタイプの
化学分析素子が実用化されている。また、このような化
学分析素子を用いて試料液中の化学成分等の定量的な分
析を行うには、試料液を化学分析素子に点着させた後、
これをインキュベータ(恒温器)内で所定時間恒温保持
(インキュベーション)して呈色反応(色素生成反応)
させ、次いで試料液中の所定の生化学物質と化学分析素
子に含まれる試薬との組み合わせによりあらかじめ選定
された波長を含む測定用照射光をこの化学分析素子に照
射してその光学濃度を測定し、この光学濃度から、あら
かじめ求めておいた光学濃度と所定の生化学物質の物質
濃度との対応を表わす検量線を用いて試料液中の所定の
生化学物質の物質濃度を求めるように構成された生化学
分析装置が用いられる。
【0003】この生化学分析装置において、インキュベ
ータに対して化学分析素子を順次搬送し、測定が行われ
た化学分析素子をインキュベータから取り出して廃却処
分を行うものであるが、その搬送は、例えば、特開昭61
−26864 号公報、米国特許第4,296,069 号明細書等に見
られるように、円板型インキュベータに化学分析素子を
外周側から搬入するとともに、測定の終了した化学分析
素子は、インキュベータの内周側から外側に押し出す
か、外周側から取り出すことによって搬出し、廃却する
ように設けられている。
【0004】また、複数の化学分析素子を一つずつ収納
する収納部を有する回転式のインキュベータの収納部に
対して試料液を点着した化学分析素子を搬送手段によっ
て直線的に搬送して挿入し、この収納部内で所定のイン
キュベーションを行い、収納部底部から化学分析素子の
呈色反応を測定し、測定が完了した化学分析素子を搬送
手段によってさらにインキュベータの中心方向に搬送し
て、インキュベータの中心部分に開口した廃却孔に落と
し込んで廃却するようにした生化学分析装置も知られて
いる(特開平6-66818 号公報)。
【0005】一方、試料液に含まれる特定イオンのイオ
ン活量を測定することができるイオン活量測定装置が例
えば米国特許4,257,862 号、特公昭 58-4981号、特開昭
58-156848号、特開昭 58-211648号、特公平6-82113 号
等に開示されている。このような、イオン活量測定装置
に用いられる化学分析素子としては、特定イオンのイオ
ン活量に対応する電位を発生するイオン選択電極からな
る少なくとも1対のイオン選択電極対と、このイオン選
択電極対の両電極間を連絡するように配された多孔性ブ
リッジとを有するもので、特定イオンのイオン活量が既
知である参照液およびイオンのイオン活量が未知である
試料液をイオン選択電極対の一方および他方の電極にそ
れぞれ点着供給し、多孔性ブリッジの作用により両液の
界面を接触(液絡)させて電気的導通を成立させると両
電極間には参照液と試料液との間に存在するイオンのイ
オン活量の差に対応して電位差が生じるため、この電位
差を測定すれば予め求めておいた検量線(原理はネルン
ストの式による)に基づいて試料液中の特定イオンのイ
オン活量が求まるようになっている。
【0006】このような化学分析素子を用いてイオン活
量を測定する測定装置としては、参照液および試料液の
点着供給と、電位差の測定とを行う機能を備えたアナラ
イザーを使用することが好ましい。この種のアナライザ
ーは、参照液および試料液の点着後、化学分析素子を電
位差測定部へ送り、そこで電位測定用プローブを電極対
の両電極にそれぞれ接触させて、電極間の電位差を測定
するような構成になっている。
【0007】一方、上述したような生化学分析装置にお
いて、化学分析素子に試料液の点着を行うためには、装
置に設けられた点着手段の点着用ノズルに試料液を吸引
吐出するチップを取付け、このチップに試料液を吸引し
て化学分析素子に点着するようにしている。また、試料
液を希釈して化学分析素子に点着する場合には、希釈液
が充填された希釈液用カップを設けるとともに、希釈液
と試料液とを混合する混合カップを設け、チップに試料
液を吸引して混合カップ内に吐出し、次いで希釈液をチ
ップに吸引して混合カップ内に吐出して試料液を希釈
し、希釈された試料液を化学分析素子に点着するように
している。さらに、上述したイオン活量の測定を行うア
ナライザーなどの装置においては、装置に設けられた試
料液用のチップと参照液用のチップとを用いて試料液お
よび参照液を吸引吐出して化学分析素子に点着するよう
にしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した生化学分析装
置やアナライザーなどにおいて、チップの取付けや試料
液、希釈液などの吸引吐出を行うためには、点着用ノズ
ルをチップや試料液などが配設された位置に移動させて
チップの取付けなどを行う必要がある。しかしながら、
このようなチップや試料液などが装置上にランダムに配
設されていては、点着手段を移動させるための機構が複
雑になるとともに、処理手順によっては無駄な移動を行
う必要があるため、非常に効率が悪いものとなる。
【0009】本発明は上記事情に鑑み、点着手段を移動
させるための構成を簡易なものとすることができる生化
学分析装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による生化学分析
装置は、試料液が点着された化学分析素子を用いて前記
試料液中の所定の生化学物質の濃度を求める生化学分析
装置において、前記試料液を希釈するための希釈液が充
填される希釈液用カップと、該希釈液と前記試料液とを
混合するための混合カップとを有する、前記試料液を希
釈するための希釈部と、前記試料液に含まれる所定の生
化学物質との化学反応により光学濃度変化を生じる試薬
と該試料液との呈色反応を測定する呈色反応測定部と、
少なくとも前記試料液を前記化学分析素子に点着させ
る、旋回自在に設けられた点着手段とを備え、前記希釈
部および前記呈色反応の測定に用いられる消耗品が前記
点着手段の旋回軌跡上に配設されてなることを特徴とす
るものである。
【0011】ここで、「少なくとも試料液を化学分析素
子に点着させる」とは、試料液のみならず、試料液の希
釈を行う場合には希釈された試料液を化学分析素子に点
着させることをも含むものである。
【0012】また、「消耗品」とは、具体的には試料液
が採取された採血管、試料液を吸引吐出するためのチッ
プ、希釈を行う場合には、希釈液を吸引吐出するための
チップ、希釈液が充填された希釈液用カップ、試料液と
希釈液とを混合するための混合カップなどのことをい
う。
【0013】なお、本発明による生化学分析装置におい
ては、前記希釈液用カップと前記混合カップとが一体的
に形成されてなることが好ましい。
【0014】また、本発明による生化学分析装置におい
ては、前記試料液のイオン活量を測定するためのイオン
活量測定部をさらに備えることが好ましく、この場合、
前記イオン活量の測定に用いられる消耗品が前記点着手
段の旋回軌跡上に配設されてなることをが好ましい。
【0015】ここで、「イオン活量の測定に用いられる
消耗品」とは、具体的には試料液を吸引吐出するための
チップ、参照液を吸引吐出するためのチップ、参照液が
充填された参照液用カップなどのことをいうものであ
る。
【0016】さらに、本発明においては、前記呈色反応
の測定に用いられる消耗品を取り外し自在な呈色反応検
体ラックに設けることが好ましく、また、前記イオン活
量の測定に用いられる消耗品を取り外し自在なイオン活
量検体ラックに設けることが好ましい。
【0017】
【発明の効果】本発明の生化学分析装置によれば、希釈
部および呈色反応の測定に用いられる消耗品を点着手段
の旋回軌跡上に設けたため、希釈部および消耗品を移動
させることなく単に点着手段を旋回するのみで点着手段
を希釈部および消耗品が配設された位置に移動させるこ
とができる。これにより、点着手段、希釈部または消耗
品に複雑な動きをさせる必要がなくなって、点着手段を
駆動させるための構成を簡易なものとすることができる
とともに、試料液の希釈および呈色反応の測定を効率よ
く行うことができる。
【0018】また、希釈を行うための希釈液用カップと
混合カップとを一体的に形成することにより、これらの
カップの製作を容易に行うことができる。
【0019】さらに、イオン活量の測定を行うイオン活
量測定部を設けることにより、同一の装置において呈色
反応およびイオン活量の双方を効率よく測定することが
できる。この際、イオン活量の測定に用いられる消耗品
も点着手段の回転軌跡上に配設することにより、イオン
活量の測定を効率よく行うことができる。
【0020】また、呈色反応の測定に用いられる消耗品
あるいはイオン活量の測定に用いられる消耗品を取り外
し自在な検体ラックに設けることにより、消耗品の各々
を個別に取り替える必要がなくなるため、検査項目など
に応じた消耗品の取り替えを効率よく行うことができ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って本発明の実施
形態を説明する。図1は本発明の実施形態による生化学
分析装置の概略平面構成を示す図である。
【0022】生化学分析装置10は、血液から血漿を分離
する血液濾過装置9と、未使用の化学分析スライド11を
収容するスライド待機部12と、化学分析スライド11に血
漿(全血、血清、尿なども可能であるが、本実施形態で
は血漿についてのみ説明する)の試料液を点着する点着
部13と、化学分析スライド11を収容して所定時間恒温保
持するインキュベータ14とを備え、搬送手段15によって
スライド待機部12から順次化学分析スライド11を点着部
13に搬送し、この点着部13に位置する化学分析スライド
11に対し、点着手段17(サンプラ)の点着用ノズル91の
先端にノズルチップ25(図9参照)を装着してからノズ
ルチップ25内にサンプル収容部16(検体ラック)から試
料液(血漿)を吸引してスライド11に所定量の点着を行
った後、この点着された化学分析スライド11を搬送手段
15によってインキュベータ14の収納部55に挿入し、この
インキュベータ14で恒温保持した化学分析スライド11の
呈色度合(反射光学濃度)を測定手段18の測光ヘッド27
で測定し、あるいは血漿のイオン活量測定のための化学
分析スライド11′を用いてアナライザ21によりイオン活
量を測定し、さらに、測定後の化学分析スライド11(ま
たは11′、以下11で代表させる)を搬送手段15によって
インキュベータ14の中心側の廃却孔56に落下排出するも
のである。なお、点着手段17には、ノズルチップ25によ
る試料液の吸引吐出を行うシリンジ手段19が付設され、
使用後のノズルチップ25はインキュベータ14の近傍に配
設されたチップ抜取り部20で点着用ノズル91から外され
て下方に落下廃却される。
【0023】ここで、血漿の呈色度合を測定するために
使用される化学分析スライド11および血漿のイオン活性
を測定するために使用される化学分析スライド11′の構
成を図12に示す。図12に示すように、化学分析スライド
11は矩形状のマウント内に試薬層が配設されてなり、マ
ウントの表面に点着孔11a が形成されている。点着孔11
a には後述するように血漿が点着される。一方、化学分
析スライド11′は化学分析スライド11と略同一形状をな
し、2箇所の液供給孔11c ,11d が形成されている。液
供給孔11c には後述するように血漿が点着され、液供給
孔11d にはイオン活量が既知である参照液が点着され
る。また、化学分析スライド11′には、イオン活量を測
定するためにアナライザ21の電極と電気的に接続される
3対のイオン選択電極11e ,11f ,11g が形成されてい
る。各イオン選択電極対11e ,11f,11g はそれぞれCl
- ,K+ ,Na+ 用のイオン選択層を有するものとす
る。また、化学分析スライド11,11′の裏面には検査項
目などを特定するためのバーコードが取付けられてい
る。
【0024】各部の構造を説明すれば、まず血漿濾過装
置9は、図2および図3に示すように、サンプル収容部
16に収容される採血管7の開口部に取付けられるホルダ
1と、ホルダ1に接続して血液から血漿を分離するため
の負圧を作用させる吸引手段2とからなる。ホルダ1は
プラスチック製のホルダ本体1Aおよび蓋体1Bからなる。
ホルダ本体1Aは、採血管内部に挿入される挿入部1aと、
ガラス繊維からなるフィルタ3が挿入されるフィルタ保
持部1bと、蓋体1Bと超音波溶接などにより接合されるフ
ランジ部1cとからなる。蓋体1Bは、ホルダ本体1Aと接合
されるフランジ部1dと、フィルタ3により濾過された血
漿を保持するためのカップ1eと、カップ1eにフィルタ3
からの血漿を供給するノズル状供給口1fとからなる。
【0025】吸引手段2は、基台31に回転自在に支持さ
れる軸部材4に取付けられたアーム2aを備える。アーム
2aの先端下方側には、ホルダ1の蓋体1Bと当接する吸盤
部2bが設けられ、この吸盤部2bは不図示のポンプと接続
される負圧供給部2cと接続されている。また、負圧供給
部2cにはポンプからの負圧を解放するための解放弁が設
けられている。さらに吸盤部2b内には、カップ1eに供給
される血漿の液面を検出して血漿がカップ1eから溢れる
ことを防止するための液面検出センサ2dが設けられてい
る。軸部材4の外周部分にはタイミングベルト5(図1
参照)が巻き掛けられ、このタイミングベルト5が駆動
モータ6のプーリー6aに対しても巻き掛けられ、駆動モ
ータ6の正逆回転駆動によって軸部材4の往復回転駆動
を行うように構成されている。
【0026】また、図3に示すように、軸部材4は、基
台31に設置された支持部材63に対して回転自在に取付け
られている。支持部材63と基台31との間には、上下方向
に送りネジ64が回転自在に支承されている。送りネジ64
の下端部はプーリー65が固着されており、駆動モータ66
の駆動プーリー67との間にタイミングベルト68が巻き掛
けられている。さらに、送りネジ64は軸部材4に取付け
られた固定部材69を貫通し、その貫通部分には送りネジ
64に螺合するナット部材69a が設けられ、送りネジ64の
回転に応じて軸部材4が昇降作動するように構成されて
いる。
【0027】そして、血液から血漿を分離する際には、
サンプル収容部16に収容されている採血管7にホルダ1
の挿入部1aを挿入し、アーム2aを図1の実線で示す初期
位置から仮想線で示す位置に回転してアーム2aの吸盤部
2bをホルダ1と対向させ、さらにアーム2aを下降してホ
ルダ1の蓋体1Bとアーム2aの吸盤部2bとを互いに当接さ
せる。次いで、不図示のポンプを駆動して、蓋体1Bと吸
盤部2bとの間に形成された空間に負圧を作用させる。こ
れにより、採血管7内の全血が挿入部1aから吸い上げら
れフィルタ3により濾過されてノズル供給口1fを介して
カップ1eに血漿が供給される。
【0028】液面検出センサ2dは、カップ1eに供給され
る血漿の液面に光を照射し、その反射光を光学的に検出
するセンサであり、血漿液面がカップ1eの高さと略同一
となったときに最大信号値を出力するように設定され
る。したがって、液面検出センサ2dから最大信号値が出
力されたときに負圧供給部2cの解放弁を解放して血液の
吸引を停止する。その後、アーム2aを上昇して元の位置
(図1の実線参照)に移動して濾過を終了する。
【0029】次に、搬送手段15は、その断面正面構造を
図5に示すように、インキュベータ14の中心に向けて直
線状に延びる搬送台30が、その前後端の脚部30a が下方
の平板状の基台31に設置され、搬送台30には略中央部に
スライド待機部12が、それよりインキュベータ14側に点
着部13が配設されている。
【0030】スライド待機部12には、化学分析スライド
11を保持するスライドガイド32が形成されており、この
スライドガイド32に未使用の化学分析スライド11が通常
複数枚重ねられて保持される。スライドガイド32は、搬
送台30の搬送面と同一高さに最下端部の化学分析スライ
ド11が位置するように、搬送台30の凹部に装着され、最
下端部の前面側には1枚の化学分析スライド11のみが通
過し得る開口32a が形成されている。また、後面側には
後述の挿入部材が挿通可能な開口が形成され、底面には
搬送台30に形成された後述のスリット30b に連通する溝
32b が形成されている。なお、このスライドガイド32に
は、化学分析スライド11を複数枚重ねて収納したカート
リッジをセットするようにしてもよい。
【0031】スライド待機部12の前方の点着部13には、
円形の開口33a が形成されたスライド押え33が設置さ
れ、このスライド押え33が搬送台30の上方に固着された
カバー34内に若干上下動可能に収容され、カバー34の上
方に固着されたガラス板35にも点着用の開口35a が形成
されている。また、点着部13には化学分析スライド11に
設けられたバーコードを読み取るためのバーコードリー
ダー130 (図1参照)が取付けられている。このバーコ
ードリーダー130 は、検査項目などを特定するため、お
よび化学分析スライド11の搬送方向(前後、表裏)を検
出するために設けられている。
【0032】そして、化学分析スライド11の搬送は、搬
送台30上に載置されたプレート状の挿入部材36の前進移
動によって行われる。すなわち、搬送台30の中央には前
後方向に延びるスリット30b が形成され、このスリット
30b 上に挿入部材36がスライド可能に載置され、この挿
入部材36の後端底部にスリット30b を通して下方からブ
ロック37が固定され、ブロック37がスリット30b に沿っ
て前後方向に摺動自在に設けられている。また、スライ
ドガイド32によるスライド待機部12より後方の位置にお
ける搬送台30の上には、挿入部材36を押える補助板38が
配設され、補助板38はカバー39内に若干上下動可能に保
持されている。
【0033】また、ブロック37の下部にはスライダ40が
取付けられ、このスライダ40は搬送台30に沿って配設さ
れたガイドロッド41によって前後方向に摺動自在に支持
されている。さらに、スライダ40には搬送台30の前後に
配設されたプーリー42,43 に巻き掛けられたベルト44の
一部が固着されている。そして、後方のプーリー43は搬
送モータ45によって回転駆動され、スライダ40と一体に
移動するブロック37によって挿入部材36が前後方向に移
動操作され、その先端部によってスライドガイド32の下
端部の化学分析スライド11の後端を押して、化学分析ス
ライド11を直線状に点着部13からインキュベータ14に搬
送するものである。
【0034】搬送モータ45の駆動によってスライドガイ
ド32の下端の化学分析スライド11を点着部13に搬送し、
試料液が点着された化学分析スライド11をさらにインキ
ュベータ14の収納部55に挿入し、さらに測定後の化学分
析スライド11をインキュベータ14の中心部の廃却孔56に
搬送するように、この搬送モータ45の駆動制御が行われ
る。
【0035】次に、インキュベータ14は、その断面正面
構造を図6に示すように、円盤状の回転部材50が下部中
心の回転筒51によってベアリング52を介して軸受部53に
対して回転自在に支持され、この回転部材50の上に上位
部材54が配設されている。上位部材54の底面は平坦であ
り、回転部材50の上面には円周上に所定間隔で複数(図
1の場合6個)の凹部が形成されて両部材51,54 間にス
リット状空間による収納部55が形成され、この収納部55
の底面の高さは搬送手段15の搬送台30の搬送面の高さと
同一に設けられ、搬送台30の先端部分に接近して回転部
材50の外周部分が位置している。
【0036】また、回転筒51の内孔は測定後の化学分析
スライド11の廃却孔56に形成され、この廃却孔56の径は
化学分析スライド11が通過可能な寸法に設定され、ま
た、回転部材50の中心部分には廃却孔56に連通する開口
50a が形成されている。そして、収納部55の中心側部分
は、収納部55と同一高さで中心側の開口50a に連通し、
収納部55に位置する化学分析スライド11がそのまま中心
側に移動すると廃却孔56に落下するように構成されてい
る。
【0037】上位部材54には図示しない加熱手段が配設
され、その温度調整によって収納部55内の化学分析スラ
イド11を恒温保持する一方、上位部材54には収納部55に
対応して化学分析スライド11のマウントを上から押えて
試料液の蒸発防止を行う押え部材57が配設されている。
上位部材54の上面にはカバー58が配設される一方、この
インキュベータ14は上方および側方が上部カバー59によ
って覆われ、底部が下部カバー60で覆われて遮光が行わ
れる。なお、加熱手段は、化学分析スライド11の呈色度
合を測定する部分はインキュベータ14内の収納部55にお
ける化学分析スライド11を37±0.2℃に、イオン活
量を測定する部分は30±1℃に加熱する。この加熱手
段は測定方法が異なる部分を異なる温度で保持しなけれ
ばならないが、本実施形態においては加熱手段を1つの
みしか具備していないため、イオン活量を測定する部分
は回転部材50および押え部材57′の形状を変えて温度が
上がらないようにしている。詳細については後述する。
【0038】さらに、回転部材50の化学分析スライド11
を収納する各収納部55の底面中央には測光用の開口55a
が形成され、この開口55a を通して図1に示す位置に配
設された測光ヘッド27による化学分析スライド11の反射
光学濃度の測定が行われる。また、収納部55のうち一つ
の収納部55b には、後述するイオン活量測定のための3
対の電極用孔55c ,55d ,55f (図1参照)が形成され
ており、イオン活量測定のための化学分析スライド11′
はこの収納部55b に収容される。
【0039】ここで、インキュベータ14の回転駆動は、
回転部材50を支持する回転筒51の外周部分に不図示のタ
イミングベルトが巻き掛けられ、このタイミングベルト
が駆動モータの駆動プーリー(共に不図示)に対しても
巻き掛けられ、駆動モータの正逆回転駆動によって回転
部材50の往復回転駆動を行うように構成されている。そ
して、インキュベータ14の回転操作は、インキュベータ
14の所定回転位置の下方に配設された測光ヘッド27に対
して、まず、白色基準板の濃度を検出し、続いて黒色基
準板の濃度を検出して校正を行った後に、順次収納部55
に挿入されている化学分析スライド11の呈色反応の光学
濃度の測定を行い、この一連の測定の後、逆回転して基
準位置に復帰し、次のスライド11またはスライド11′の
測定を行うように、所定角度範囲内で往復回転駆動を行
うように制御するものである。一方、イオン活量を測定
する場合は、収納部55b に化学分析スライド11′を収容
した後、アナライザ21に対応する位置に収納部55b を回
転させてイオン活量の測定を行い、この測定の後、逆回
転して基準位置に復帰し、次のスライド11′またはスラ
イド11の測定を行うように、所定角度範囲で往復回転駆
動を行うように制御するものである。
【0040】さらに、インキュベータ14の下方には測定
後の化学分析スライド11を回収する回収箱70が配設され
ている。この回収箱70は、回転筒51の中心の廃却孔56の
下方に臨んで収容室71が形成され、この回収箱70は他の
各種機器の配置との関係からその収容室71はインキュベ
ータ14の中心点に対して片方に広く形成されている。ま
た、収容室71の角部には、後述の点着手段17における試
料液毎に交換するノズルチップ25が落下される傾斜部72
が形成されている。この傾斜部72は、ノズルチップ25が
落下されるチップ抜取り部20の下方に位置し、その底面
が落下してくるノズルチップ25を倒して収容室71の中心
側に案内するように、収容室71側が低くなるような斜面
(20〜45°)に形成されている。
【0041】また、収容室71の底部には廃却孔56の中心
から、収容室71の広くなっている部分とは反対側にずれ
た位置に突起73が立設されている。この突起73は先端が
球状もしくは針状に形成され、廃却孔56から落下してく
る化学分析スライド11に接触してその落下方向を変更し
て分散させる機能を有している。
【0042】また、図1に示すように、回転部材50の正
面側下方には、イオン活量を測定するためのアナライザ
21が配設されている。このアナライザ21は、例えば米国
特許第4,257,862 号、特公昭 58-4981号、特開昭 58-15
6848号、特開昭 58-211648号、特公平6-82113 号等に開
示されているものであり、その構成を図7および図7の
I−I線断面図である図8に示す。図7および図8に示
すように、アナライザ21の表面には3対の貫通孔110 ,
111 ,112 が形成されており、各貫通孔110 ,111 ,11
2 には、3対の電位測定用プローブ113 ,114 ,115 が
図8の上下方向に移動可能に配設されている。なお、各
プローブ113 ,114 ,115 の構成は同一であるため、図
8を参照してプローブ113 で代表させて説明する。
【0043】図8に示すように電位測定用プローブ113
は、基部150 に立設された固定部材120 に昇降自在に案
内される案内部材121 に固定されており、またアナライ
ザ21の測定部122 と電気的に接続されている。案内部材
121 には化学分析スライド11′を押え部材57′とともに
保持するための保持部材123 が設けられている。押え部
材57′は前述した押え部材57とは異なり、スライド11′
との接触を少なくするため、また参照液および試料液の
スライド11′からの盛り上がりと接触しないようにする
ために、スライド11′側に凹とされている。また、案内
部材121 は不図示のバネにより図8の下方に付勢されて
いる。案内部材121 の側方には駆動モータ124 が設けら
れており、駆動モータ124 の回転軸にはカム部材125 が
取付けられている。このカム部材125 は案内部材121 の
側部に設けられた当接部126 と対向するように設けられ
る。そして、駆動モータ124 が回転するとカム部材125
が図8の実線で示す位置から仮想線で示す位置に移動
し、これによりカム部材125が当接部126 に当接して案
内部材121 、すなわちプローブ113 および保持部材123
が上方へ移動する。カム部材125 が当接部126 に当接し
ていないときには、電位測定用プローブ113 ,114 ,11
5 の先端はアナライザ21の表面あるいは表面から内側に
位置しているが、カム部材125 が当接部126 に当接する
と、電位測定用プローブ113 ,114 ,115 の先端は、ア
ナライザ21の表面から若干突出し、これにより、プロー
ブ113 ,114 ,115 が化学分析スライド11′のイオン選
択電極対11e ,11f ,11g と電気的に接続する。
【0044】そして、血漿供給孔11c に血漿が、参照液
供給孔11d に参照液が点着された化学分析スライド11′
を収納部55b に収納して回転部材50を回転してアナライ
ザ21と収納部55b とを対向させ、化学分析スライド11′
の下方から、3対の電極用孔55c ,55d ,55f を介して
電位測定用プローブ113 ,114 ,115 および保持部材12
3 を上昇させる。この収容部55b の切欠の大きさは保持
部材123 が侵入する形状、大きさであると同時に、回転
部材50から化学分析スライド11′への熱の伝達を最小限
にして、化学分析スライド11′が上述した温度となるよ
うに形成されている。これにより、化学分析スライド1
1′は保持部材123 と押え部材57′との間に保持され
る。この際、化学分析スライド11′のイオン選択電極対
11e ,11f ,11g の間にそれぞれ参照液と試料液との間
のCl- ,K+ ,Na+ の各イオン活量の差に対応する
電位差が発生するため、電位測定用プローブ113 ,114
,115により各イオン選択電極対11e ,11f ,11g から
生ずる電位差を測定すれば血漿中の各イオン活量が測定
できる。このようにして測定されたイオン活量は、液晶
パネルなどの表示部において表示されたり、記録紙に記
録されたりする。
【0045】次に、サンプル収容部16は、その断面正面
構造を図9に示すように、参照液用チップ保持部16a 、
電解質検体用チップ保持部16b 、参照液収容管16c 、希
釈液用チップ保持部16d 、希釈液カップ16e 、混合カッ
プ16f 、採血管保持部16g および検体用チップ保持部16
h とが形成されており、参照液用チップ保持部16a 、電
解質検体用チップ保持部16b 、希釈液用チップ保持部16
d 、および検体用チップ保持部16h には、それぞれ参照
液用チップ25a 、電解質検体用チップ25b 、希釈液用チ
ップ25d および検体用チップ25h が保持される。ここ
で、希釈液カップ16e と混合カップ16f とは一体的に形
成されているため、これらのカップ16e ,16f の成形が
容易なものとなる。また、参照液用チップ保持部16a 、
電解質検体用チップ16b 、参照液収容管16c 、希釈液用
チップ保持部16d 、希釈液カップ16e 、混合カップ16f
、採血管保持部16g および検体用チップ保持部16h
は、図1に示すように後述する点着手段17の点着アーム
88の旋回に伴う点着用ノズル91a,91b の旋回軌跡上に
位置するように設定されている。なお、サンプル収容部
16は全体として消耗品であり、サンプル収容部16の全体
が本実施形態による生化学分析装置に対して交換可能と
されているものである。
【0046】次に、点着手段17は、その断面正面構造を
図10に示すように、基台31に設置された支持部材80に対
して不図示のベアリングを介してフランジ部材83が回転
自在に取付けられている。フランジ部材83の外周側の両
側にはそれぞれガイドロッド84,84 が立設され、この両
側のガイドロッド84,84 の上端部分は連結部材85に固着
されて、両ガイドロッド84,84 が上下方向に平行に配設
されている。また、連結部材85の回転中心部分には上下
方向に送りネジ86が配設され、送りネジ86の上端は連結
部材85に回転自在に支承され、下端部はフランジ部材83
の中心部分に回転自在に支承され、さらに先端部分はフ
ランジ部材83から突出してプーリー87が固着されてい
る。さらに、両側のガイドロッド84,84 によって昇降移
動自在に点着アーム88の基端部が支持され、その支持部
分の点着アーム88にはガイドロッド84,84 が嵌挿される
スリーブ89が介装されている。また、送りネジ86は点着
アーム88を貫通し、その貫通部分には送りネジ86に螺合
するナット部材90が設けられ、送りネジ86の回転に応じ
て点着アーム88が昇降作動するように構成されている。
【0047】そして、図10のA方向矢視拡大図である図
11にも示すように、点着アーム88の先端部分には、上下
方向に貫通して試料液の吸引吐出を行う2つの点着用ノ
ズル91a ,91b が配設されている。この点着用ノズル91
a ,91b は軸部分が点着アーム88に摺動自在に嵌挿さ
れ、スプリング92a ,92b によって下方に付勢されてい
る。なお点着用ノズル91a は検体用および電解質検体用
であり、点着用ノズル91b は希釈液用および参照液用の
ものである。また、点着用ノズル91a ,91b の先端には
上述したようなピペット状のノズルチップ25a,25b,25
d,25h(以下25で代表させる)が着脱自在に装着される
ものであって、未使用のノズルチップ25はサンプル収容
部16にセットされており、これを点着アーム88の下降移
動によって点着用ノズル91a ,91b の先端に嵌合保持
し、使用後は、チップ抜取り部20の係合溝20a にノズル
チップ25の上端を係合した状態での点着アーム88の上動
で嵌合を外し、チップ抜取り部20の開口20b から下方の
回収箱70に落下させて廃却するものである。
【0048】点着アーム88の旋回動作は、フランジ部材
83の外周部分にタイミングベルト94が係合され、このタ
イミングベルト94が旋回用モータの駆動プーリーに巻き
掛けられ(不図示)、この旋回用モータの正逆回転の駆
動制御によって所定位置に旋回移動される。また、点着
アーム88の昇降移動すなわち送りネジ86の回転駆動は、
下端部のプーリー87と昇降用モータの駆動プーリーとの
間にタイミングベルト99が巻き掛けられ、この昇降用モ
ータの正逆回転の駆動制御により所定高さに移動され
る。
【0049】次に、ノズルチップ25内への試料液の吸引
と吐出を行う機構は、点着用ノズル91a ,91b の中心部
には先端部に開口するエア通路101a,101bが形成され、
このエア通路101a,101bの上端部分にはエアパイプ110
a,110bが接続される。このエアパイプ110a,110bの他
端は、シリンジ手段19のシリンジ102 の右端部分(図1
参照)に接続される。シリンジ102 は注射器状のエアポ
ンプであり、シリンジ102 の操作によって吸引吐出を行
うように構成されている。なお、点着用ノズル91a ,91
b の吸引流路の切換は、シリンジ手段19に設けられた不
図示の電磁弁を切り換えることにより行う。
【0050】そして、点着手段17により、ノズルチップ
25先端が希釈液カップ16e あるいは血漿濾過装置9のカ
ップ1e内の希釈液あるいは血漿に浸漬された状態でシリ
ンジ102 のピストンを下降作動して吸引を行い、点着部
13に回動して化学分析スライド11に所定量の点着を行う
ものである。
【0051】次いで、本実施形態の動作について説明す
る。
【0052】図13から図18は本実施形態の動作を説明す
るためのフローチャートである。まず、図1に示すよう
に、分析を行う前に、スライド待機部12に化学分析スラ
イド11,11′をセットするとともに、消耗品であるサン
プル収容部16をセットし、その後分析処理をスタートす
る。この際、サンプル収容部16の参照液用チップ保持部
16a 、電解質検体用チップ16b 、参照液収容管16c 、希
釈液用チップ保持部16d 、採血管保持部16g および検体
用チップ保持部16h には、それぞれ参照液用チップ25a
、電解質検体用チップ25b 、参照液、希釈液用チップ2
5d 、分析するための血液を有する採血管7および検体
用チップ25h が保持される。
【0053】まず、ステップS1において、生化学分析
装置を初期化し、ステップS2において血液濾過装置9
により、採血管7内の全血を濾過して血漿成分を得る。
この血液濾過装置9において行われる処理のフローチャ
ートを図14に示す。まず、ステップS21において、液面
検出センサ2dの汚れをチェックするとともに、カップ1e
の高さ位置に基準板をセットして液面検出センサ2dのゲ
インの設定を行う。次いで、ステップS22において、ア
ーム2aの吸盤部2bをホルダ1と対向する位置(図1の仮
想線参照)に回転し、さらにアーム2aを下降してホルダ
1の蓋体1Bとアーム2aの吸盤部2bとを互いに当接させ
る。そして、ステップS23において、不図示のポンプを
駆動して、蓋体1Bと吸盤部2bとの間に形成された空間に
負圧を作用させる。これにより、フィルタ3により血液
が濾過されてノズル供給口1fを介してカップ1eに血漿が
供給される。この際、ポンプの圧力をチェックして、リ
ークや血液のヘマト量を検出するようにしてもよい。
【0054】次のステップS24においては、カップ1eに
所定量の血漿が供給されたことを液面検出センサ2dによ
り検出してポンプの駆動を停止する。この際、液面検出
センサ2dに代えて、一定の吸引時間が経過した後にポン
プの駆動を停止してもよい。次いで、ステップS25にお
いて、負圧供給部2cの解放弁を解放して減圧を終了し、
ステップS26において、アーム2aを上昇して蓋体1Bと吸
盤部2bとの当接を解除するとともに、アーム2aを元の位
置(図1の実線参照)に戻して処理を終了する。
【0055】図13に戻り、ステップS3において、搬送
手段15によりスライド待機部12からスライド11を点着部
13に搬送する。点着部13においてはバーコードリーダー
130によりスライド11に設けられたバーコードが読み取
られ、スライド11の検査項目などを検出する。読み取ら
れた検査項目がイオン活量測定の場合は後述するBに進
み、希釈依頼項目の場合は後述するA1に進む。読み取
られた検査項目が呈色度合の測定の場合は次のステップ
S4において、点着アーム88をサンプル収容部16に移動
して検体用チップ25h を点着用ノズル91a に装着する。
ステップS5においては、カップ1eに供給された検体
(血漿)の液面検出が行われ、液面位置および必要な血
漿がカップ1eに供給されているか否かを確認する。そし
て、ステップS6において点着アーム88を下降してカッ
プ1eから検体用チップ25h に検体を吸引し、ステップS
7において検体を吸引した検体用チップ25h を点着部13
に移動して、スライド11の点着孔11a に検体を点着す
る。この際、圧力変化を監視して所定値と比較すること
によりチップ25h の詰まりを検出するようにしてもよ
い。
【0056】そして、ステップS8において、検体が点
着されたスライド11がインキュベータ14に挿入される。
インキュベータ14は呈色度合の測定のために、内部温度
が37±0.2℃に設定されている。この際、スライド
11がインキュベータ14に確実に挿入されたか否かを検出
してもよい。連続して処理する場合は、ステップS13に
おいて、別なスライド11を点着部13に搬送し、さらにバ
ーコードを読み取ってステップS6からステップS8の
処理を行う。この際、読み取られた検査項目がイオン活
量測定の場合は、ステップS14において後述するように
検体用チップ25h を廃却して後述するBに進み、希釈依
頼項目の場合は後述するA2に進む。
【0057】スライド11がインキュベータ14に挿入され
ると、インキュベータ14の収納部55を回転して、挿入さ
れたスライド11を順次測光ヘッド27と対向する位置に移
動する。そして次のステップS9において、測光ヘッド
27によるスライド11の反射光学濃度の測定が行われる。
測定終了後、スライド11をインキュベータ14に挿入する
搬送手段15によって測定後の化学分析スライド11をイン
キュベータ14の中心側に押し出して廃却する。そしてス
テップS11において測定結果を出力し、さらにステップ
S12において使用済みの検体用チップ25h をチップ抜取
り部20で点着用ノズル91a から外して下方に落下廃却
し、処理を終了する。
【0058】次いで、検査項目が希釈依頼項目の場合に
ついて図15および図16に示すフローチャートを参照して
説明する。この希釈依頼項目は、例えば血液の濃度が濃
すぎて正確な検査を行うことができないような場合に行
われるものである。まず、ステップS31において、図13
のステップS4と同様に、点着アーム88をサンプル収容
部16に移動して検体用チップ25h を点着用ノズル91a に
装着する。ステップS32においては、カップ1eに供給さ
れた検体(血漿)の液面検出が行われ、液面位置および
必要な血漿がカップ1eに供給されているか否かを確認す
る。なお、図13におけるA2はステップS33からの処理
が行われることとなる。そして、ステップS33において
点着アーム88を下降してカップ1eから検体用チップ25h
に検体を吸引する。この際、圧力変化を監視して所定値
と比較することによりチップ25hの詰まりを検出するよ
うにしてもよい。
【0059】次のステップS34においては、吸引した検
体を検体用チップ25h から混合カップ16f に分注する。
検体の分注後、ステップS35において、使用済みの検体
用チップ25h をチップ抜取り部20で点着用ノズル91a か
ら外して下方に落下廃却する。次いで、ステップS36に
おいて、点着アーム88をサンプル収容部16に移動して希
釈液用チップ25d を点着用ノズル91b に装着する。ステ
ップS37においては、希釈液カップ16e に供給された希
釈液の液面検出が行われ、液面位置および必要な希釈液
が希釈液カップ16e に供給されているか否かを確認す
る。そして、ステップS38において点着アーム88を下降
して希釈液カップ16e から希釈液用チップ25d に希釈液
を吸引する。この際、圧力変化を監視して所定値と比較
することによりチップ25d の詰まりを検出するようにし
てもよい。
【0060】次のステップS39においては、吸引した希
釈液を希釈液用チップ25d から混合カップ16f に吐出す
る。そして、ステップS40において希釈液用チップ25d
を混合カップ16f 内に挿入して吸引と吐出とを繰り返し
て攪拌を行う。攪拌を行った後、ステップS41において
希釈した検体を検体用チップ25h に吸引し、ステップS
42において希釈した検体を吸引した点着アーム88を点着
部13に移動して、スライド11の点着孔11a に検体を点着
する。この際、圧力変化を監視して所定値と比較するこ
とによりチップ25d の詰まりを検出するようにしてもよ
い。また、連続して処理する場合は、ステップS43にお
いてスライド搬送およびバーコードの読取りを行ってス
テップS41およびステップS42の処理を行う。
【0061】そして、ステップS45からステップS49に
おいて、図13のフローチャートのステップSステップS
8からステップS12と同様に、測光、スライド廃却、結
果出力およびチップ廃却を行って処理を終了する。
【0062】次いで、検査項目がイオン活量の測定の場
合について図17および図18に示すフローチャートを参照
して説明する。なお、イオン活量の測定の場合は、図13
のステップS3において搬送されるスライドは、イオン
活量測定用の化学分析スライド11′である。まず、ステ
ップS51において、図13のステップS4と同様に、点着
アーム88をサンプル収容部16に移動して電解質検体用チ
ップ25b を点着用ノズル91a に装着する。ステップS52
においては、カップ1eに供給された検体(血漿)の液面
検出が行われ、液面位置および必要な血漿がカップ1eに
供給されているか否かを確認する。そして、ステップS
53において点着アーム88を下降してカップ1eから電解質
検体用チップ25b に検体を吸引する。この際、圧力変化
を監視して所定値と比較することによりチップ25b の詰
まりを検出するようにしてもよい。
【0063】次のステップS54においては、シリンジ手
段19の電磁弁を切り換えて、点着用ノズル91b 側に圧力
の流路を切り換える。そして、ステップS55において、
点着アーム88をサンプル収容部16に移動して参照液用チ
ップ25a を点着用ノズル91bに装着する。ステップS56
においては、参照液収容管16c に供給された参照液の液
面検出が行われ、液面位置および必要な参照液が参照液
収容管16c に供給されているか否かを確認する。そし
て、ステップS57において点着アーム88を下降して参照
液収容管16c から参照液用チップ25a に参照液を吸引す
る。この際、圧力変化を監視して所定値と比較すること
によりチップ25a の詰まりを検出するようにしてもよ
い。
【0064】次いで、ステップS58において、シリンジ
手段19の電磁弁により点着用ノズル91a 側に圧力の流路
を切り換え、ステップS59において電解質検体用チップ
25bに吸引した検体をスライド11′の液供給孔11c に点
着する。さらに、ステップS60において、シリンジ手段
19の電磁弁により点着用ノズル91b 側に圧力の流路を切
り換え、ステップS61において参照液用チップ25a に吸
引した参照液をスライド11′の液供給孔11d に点着す
る。
【0065】そして、ステップS62において、検体およ
び参照液が点着されたスライド11′がインキュベータ14
の収納部55b に挿入される。インキュベータ14の収納部
55bはイオン活量の測定のために、内部温度が30±1
℃に設定されている。この際、スライド11′がインキュ
ベータ14の収納部55b に確実に挿入されたか否かを検出
してもよい。スライド11′がインキュベータ14に挿入さ
れると、インキュベータ14の収納部55を回転して、収納
部55b に挿入されたスライド11′をアナライザ21と対向
する位置に移動する。そして次のステップS63におい
て、アナライザ21によるイオン活量の測定が行われる。
測定終了後、ステップS64において、スライド11′をイ
ンキュベータ14に挿入する搬送手段15によって測定後の
化学分析スライド11′をインキュベータ14の中心側に押
し出して廃却する。そしてステップS65において測定結
果を出力し、さらにステップS66において使用済みの参
照液用チップ25a および電解質検体用チップ25b をチッ
プ抜取り部20で点着用ノズル91a ,91b から外して下方
に落下廃却し、処理を終了する。
【0066】このように、本実施形態では、参照液用チ
ップなどの消耗品を保持する参照液用チップ保持部16a
、電解質検体用チップ16b 、参照液収容管16c 、希釈
液用チップ保持部16d 、希釈液カップ16e 、混合カップ
16f 、採血管保持部16g および検体用チップ保持部16h
を、点着アーム88の旋回に伴う点着用ノズル91a ,91b
の旋回軌跡上に配設するようにしたため、単に点着アー
ム88を旋回するのみで点着用ノズル91a ,91b を消耗品
が配設された位置に移動させることができる。これによ
り、点着アーム88または消耗品に複雑な動きをさせる必
要がなくなって、点着アーム88を駆動させるための構成
を簡易なものとすることができるとともに、呈色反応お
よびイオン活量の測定を効率よく行うことができる。
【0067】また、サンプル収容部16を生化学分析装置
に対して取り外し自在に設けたため、参照液用チップ25
a などの消耗品の各々を個別に取り替える必要がなくな
り、これにより検査項目などに応じて消耗品の取り替え
を効率よく行うことができる。
【0068】なお、上記実施形態においては、呈色反応
の測定に用いる消耗品である希釈液用チップ25d および
検体用チップ25h を保持する希釈液用チップ保持部16d
および検体用チップ保持部16h と、イオン活量の測定に
用いる消耗品である参照液用チップ25a および電解質検
体用チップ25b を保持する参照液用チップ保持部16aお
よび電解質検体用チップ保持部16b とを同一のサンプル
収容部16に設けているが、呈色反応測定用の消耗品を保
持するサンプル収容部と、イオン活量測定用の消耗品を
保持するサンプル収容部とを別個に設けるようにしても
よい。また、サンプル収容部を生化学分析装置に対して
固定して設けるようにしてもよく、呈色反応測定用の消
耗品を保持するサンプル収容部およびイオン活量測定用
の消耗品を保持するサンプル収容部のいずれか一方のみ
を生化学分析装置に対して取り外し自在に設けるように
してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の生化学分析装置の要部機
構の概略平面図
【図2】血漿濾過装置の構成を示す図
【図3】血漿濾過装置の構成を示す図
【図4】血液の濾過状態を説明するための図
【図5】搬送手段の部分の断面正面図
【図6】インキュベータの部分の断面正面図
【図7】アナライザの構成を示す図
【図8】図7のI−I線断面図
【図9】サンプル収容部の構成を示す図
【図10】点着手段の部分の断面正面図
【図11】図10の矢印A方向拡大図
【図12】化学分析スライドの構成を示す図
【図13】呈色度合の測定処理を示すフローチャート
【図14】血液濾過装置における処理を示すフローチャ
ート
【図15】希釈動作を行う処理を示すフローチャート
(その1)
【図16】希釈動作を行う処理を示すフローチャート
(その2)
【図17】イオン活量測定処理を示すフローチャート
(その1)
【図18】イオン活量測定処理を示すフローチャート
(その2)
【符号の説明】
9 血液濾過装置 10 生化学分析装置 11,11′ 化学分析スライド 13 点着部 14 インキュベータ 15 搬送手段 16 サンプル収容部 17 点着手段 21 アナライザ 25 ノズルチップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 27/414 G01N 27/30 301R 35/10 35/06 C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料液が点着された化学分析素子を用い
    て前記試料液中の所定の生化学物質の濃度を求める生化
    学分析装置において、 前記試料液を希釈するための希釈液が充填される希釈液
    用カップと、該希釈液と前記試料液とを混合するための
    混合カップとを有する、前記試料液を希釈するための希
    釈部と、 前記試料液に含まれる所定の生化学物質との化学反応に
    より光学濃度変化を生じる試薬と該試料液との呈色反応
    を測定する呈色反応測定部と、 少なくとも前記試料液を前記化学分析素子に点着させ
    る、旋回自在に設けられた点着手段とを備え、 前記希釈部および前記呈色反応の測定に用いられる消耗
    品が前記点着手段の旋回軌跡上に配設されてなることを
    特徴とする生化学分析装置。
  2. 【請求項2】 前記希釈液用カップと前記混合カップと
    が一体的に形成されてなることを特徴とする請求項1記
    載の生化学分析装置。
  3. 【請求項3】 前記試料液のイオン活量を測定するため
    のイオン活量測定部をさらに備え、 前記イオン活量の測定に用いられる消耗品が前記点着手
    段の旋回軌跡上に配設されてなることを特徴とする請求
    項1または2記載の生化学分析装置。
  4. 【請求項4】 前記呈色反応の測定に用いられる消耗品
    が取り外し自在な呈色反応検体ラックに設けられている
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の
    生化学分析装置。
  5. 【請求項5】 前記イオン活量の測定に用いられる消耗
    品が取り外し自在なイオン活量検体ラックに設けられて
    いることを特徴とする請求項3または4記載の生化学分
    析装置。
JP10040158A 1998-02-23 1998-02-23 生化学分析装置 Withdrawn JPH11237386A (ja)

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