JP2003301102A - 一液湿気硬化型ポリウレタン系組成物 - Google Patents
一液湿気硬化型ポリウレタン系組成物Info
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Abstract
ると共に、多くの材料に対して強力な接着効果を発揮
し、特に塩化ビニル樹脂系製品に対する優れた接着性を
示し、しかも有機ガスの発生が極めて少なく、一般室内
およびクリーンルームに求められる環境に対応でき、ク
リーンルーム内でデバイスの表面を汚染したりクリーン
ルームフィルターを劣化させることがない一液湿気硬化
型ウレタン系組成物を提供すること。 【解決手段】 ウレタンプレポリマーと希釈剤とからな
る一液湿気硬化型ポリウレタン系組成物において、上記
希釈剤がポリエーテルエステルとポリエーテルと不乾性
油の誘導体のうちの少なくともいずれか1つであること
を特徴とする。
Description
レタン系組成物及び該組成物を主成分とする接着剤に関
するものである。
イソシアネート基を有するウレタンポリマーを主成分と
し、そのイソシアネート基が空気中の水分や下地または
内装材の水分と反応して架橋硬化することにより強靭な
樹脂硬化物となって、各種プラスチック材料、木材、コ
ンクリートやスレート等の無機材料、或いはアルミニウ
ム、ステンレススチールなどの金属材料等に対して強固
な接着性能を示すことから、二液硬化型ウレタン系組成
物に替わって広く使用されるようになってきた。
は、クシ目コテなどによる塗布作業性や隙間への充填作
業がしやすくなるように、且つプラスチック等の被着体
との濡れ性が良くなるようにトルエンや酢酸エチル等の
有機溶剤を希釈剤として配合し、粘度を調整したものを
接着剤やシーリング剤等として利用していた。
ので、塗布作業時ないしは施工完了後における揮散によ
る臭気や施工作業者および居住者に与える健康に及ぼす
影響が問題となる。しかも、これらの有機溶剤は引火性
の危険物であることから火災防止への注意が必要になる
上、法規制対象となり貯蔵数量や輸送形態にも制限を受
けていた。
け有機溶剤を配合しない方向に進んでおり、例えば特開
昭59−113076号公報や特開平5−163477
号公報に開示された技術では、上記の有機溶剤に替わっ
てジオクチルフタレート等のフタル酸エステル類、ジオ
クチルアジペート等の脂肪族二塩基性酸エステル類、ト
リオクチルフォスフェート等のリン酸エステル類、アジ
ピン酸系ポリエステル、高沸点の炭化水素類、塩素化パ
ラフィン類等の可塑剤で粘度を下げた一液湿気硬化型ウ
レタン系接着剤組成物が提案されている。しかし、上記
のごとき可塑剤を添加してなる一液湿気硬化型ウレタン
系接着剤組成物の場合、塗布性は改善されるが、凝集力
および濡れ性が低下してしまうので、プラスチック等の
被着体に対する密着が低下して接着性に悪影響を与える
ことがある。また、特開平11−263962号公報で
は高沸点溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンで粘度
を下げた一液湿気硬化型ウレタン系接着剤が提案されて
いるが、このN−メチル−2−ピロリドンは常温におい
て揮散するので、健康に及ぼす影響の問題は解消されて
いない。
の微細化に伴い、その生産施設であるクリーンルームで
はガス状有機汚染物質の低減が重要な課題となってき
た。すなわち、接着剤や内装材等に含まれるジブチルヒ
ドロキシトルエンなどの酸化防止剤や、ジブチルフタレ
ート、ジオクチルフタレートなどの可塑剤、および各種
の有機溶剤は、クリーンルーム内に揮散してデバイスの
表面汚染やクリーンルームフィルターの劣化などの原因
となるため、それらの濃度をできるだけ低減する必要が
ある。
を解決するためになされたものであり、その目的とする
ところは、一液湿気硬化型ウレタン系組成物に特定の希
釈剤を使用することにより、塗布作業や充填作業を改善
することができると共に、各種プラスチック材料、木
材、コンクリートやスレート等の無機材料、或いはアル
ミニウム、ステンレス、スチールなどの金属材料等を強
固に接着し、特に塩化ビニル樹脂系製品に対する優れた
接着性を示し、しかも、有機ガスの発生が極めて少な
く、一般室内およびクリーンルームに求められる環境に
対応できる、すなわち、クリーンルーム内でデバイスの
表面を汚染したりクリーンルームフィルターを劣化させ
ることがない一液湿気硬化型ウレタン系組成物を提供す
ることにある。
本発明の一液湿気硬化型ウレタン系組成物は、分子量の
ピークが30,000〜1,000,000のウレタンプ
レポリマーと希釈剤とからなる一液湿気硬化型ウレタン
系組成物において、ウレタンプレポリマーに添加される
希釈剤として、ポリエーテルエステルとポリエーテルと
不乾性油の誘導体(以下これらを総称して、「主たる希
釈剤」と称する。)から選ばれた1種又は2種以上を配
合してなるものを用いることを特徴としたものである。
は、主鎖成分にイソシアネート基を付加反応させたイソ
シアネート化合物をいい、通常はポリオールとポリイソ
シアネート類とを反応させて得られる。
コール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、活性水素を有するポリエーテルグリコールやポリエ
ステルグリコールやポリエーテルトリオール等、及びそ
の他変性ポリオールをいう。上記活性水素を有するポリ
エーテルグリコールとしては、ポリオキシエチレンジオ
ール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシブチ
レンジオール、ポリテトラメチレンジオール等やこれら
の共重合体を挙げることができる。また、活性水素を有
するポリエステルグリコールとしては、ポリ(エチレン
アジペート)グリコール、ポリ(プロピレンアジペー
ト)グリコール、ポリ(エチレンブチレンアジペート)
グリコール、ポリ(ネオペンチルセバケート)グリコー
ル等の多塩基酸と多価アルコールの共重合体を、上記活
性水素を有するポリエーテルトリオールとしては、ポリ
オキシエチレントリオール、ポリオキシプロピレントリ
オール等を、そして上記変性ポリオールとしては、ヒマ
シ油変性ポリオール、エポキシ変性ポリオール等を挙げ
ることができる。本発明で使用されるこれらポリオール
の分子量としては、平均分子量9,000以下、好まし
くは5,000以下である。分子量が9,000以下で
あればウレタンプレポリマーの凝集力が上がり、接着力
が向上する。
外でも末端部にイソシアネート基が付加できウレタン生
成反応を阻害しない構造のものであれば使用が可能であ
り、具体的には例えば、ポリアミンやポリアミド等を挙
げることができる。
リイソシアネート類としては、メチレンジイソシアネー
ト、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HD
I)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−
トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジ
イソシアネート(LDI)、1,3,6−ヘキサメチレ
ントリイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、水素
添加−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
(水添MDI)、水素添加−キシリレンジイソシアネー
ト(水添XDI)、1,4−シクロヘキサンジイソシア
ネート、水素添加−2,4−トリレンジイソシアネート
(水添TDI)、イソホロンジイソシアネート(IPD
I)等の脂環族イソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシア
ネート(TMXDI)等の芳香脂肪族イソシアネート
等、1,4−ジフェニルジイソシアネート、2,4又は
2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,4
又は4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、
3,3’−ジメチル−4,4’ジフェニルメタンジイソ
シアネート、O−トリジンジイソシアネート、粗製TD
I、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(粗製MD
I)、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス
(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート等の芳
香族イソシアネート等、更にこれらジイソシアネートの
2量体化、3量体化や、カルボジイミド変性等の変性イ
ソシアネート等があるが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
定は、GPC(ゲルパーミッションクロマトグラフ)に
より移動相としてテトラヒドロフランを用い、分子量既
知のポリスチレンと比較して平均値を測定した。本発明
において、分子量は全てこの方法によって測定した。本
発明で使用するウレタンプレポリマーのように分子量の
ピークがスチレン換算で30,000〜1,000,00
0と大きなプレポリマーは接着力が大きく、しかも分子
量が1,000,000未満であれば粘度が大きすぎるよ
うなこともないので、希釈剤を用いることでより使用し
やすいものとなる。この様なプレポリマーとしてはTD
I(トリレンジイソシアネート)系のプレポリマーが良
好であった。
エーテルエステルとしては、ジ(ジエチレングリコール
ブチルエーテル)アジペート、ジ(テトラエチレングリ
コールメチルエーテル)アジペート、ジ(ジプロピレン
グリコールブチルエーテル)アジペート等の脂肪族二塩
基性酸エーテルエステル類、ジ(ジエチレングリコール
ブチルエーテル)フタレート等のフタル酸エーテルエス
テル類、トリ(ジエチレングリコールブチルエーテル)
トリメリテート等のトリメリット酸エーテルエステル
類、テトラエチレングリコールジカプリレート等のポリ
アルキレングリコールなどのポリオールと脂肪族一塩基
性酸のエステル類、テトラエチレングリコールブチルエ
ーテルカプレート等のポリエチレングリコールアルキル
エーテルと脂肪族一塩基性酸のエステル類等が挙げられ
る。
エーテルとしては、ポリエチレングリコールジアルキ
ル、ポリプロピレングリコールジアルキル等のアルキル
化ポリエーテル類、ポリエチレングリコールアルキルア
リルエーテル、ポリアルキレングリコールジアリルエー
テル等のアリル化ポリエーテル類等が挙げられる。
性油の誘導体としては、オクチルアセチルリシノレー
ト、ブチルプロピオニルリシノレート、オクチル12−
アセトキシステアレート等のヒドロキシ脂肪酸の誘導体
類、ブチルオレート、オクチルステアレート、ドデシル
ステアレート等の高級脂肪酸の誘導体等が挙げられる。
上記例示したこれらの主たる希釈剤は単独で使用しても
よいし、2種類以上を併用してもよい。
時ないしは施工完了後における揮散による臭気や施工作
業者および居住者の健康に及ぼす影響並びにクリーンル
ームでのデバイスの表面汚染やクリーンルームフィルタ
ーの劣化などを考慮した場合250℃以上が好ましく、
更には300℃以上がより好ましい。主たる希釈剤の沸
点が250℃以上であれば、直射日光や機械の発熱など
でウレタン系組成物の温度が多少上昇しても揮散ガス量
が増加するようなことはない。
a・s(25℃)未満が好ましく、50mPa・s未満
がより好ましい。主たる希釈剤の粘度が100mPa・
s未満であれば、一液湿気硬化型ポリウレタン系組成物
としての粘度を低粘度にすることが可能である上に、濡
れ性が向上してプラスチック等の被着体と高い接着力が
得られるようになる。
レタン系組成物には、主たる希釈剤の他に、必要に応じ
て充填剤や、上記した主たる希釈剤以外の希釈剤(以
下、これを「従たる希釈剤」と称する。)、或いはチク
ソ剤、硬化触媒、接着性付与剤、酸化防止剤、安定剤、
粘着付与剤等の添加剤を単独または混合して使用するこ
とができる。その際、充填剤や、従たる希釈剤、チクソ
剤、硬化触媒、接着性付与剤、およびその他の添加剤の
沸点は、主たる希釈剤の場合と同様に健康上、クリーン
ルームでの使用上の観点から、いずれも揮散しないよう
に250℃以上、望ましくは300℃以上のものを使用
することが好ましい。
ム、表面疎水処理炭酸カルシウム、カーボンブラック、
マイカ、タルク、酸化チタン、ゼオライト、珪藻土、シ
リカ、ゴム粉末、有機及び無機バルーン等が挙げられ、
これらを単独または混合して使用することができる。
DP(ジイソデシルフタレート)等のフタル酸エステル
類、DIDA(ジイソデシルアジペート)等の脂肪族二
塩基性酸エステル類、リン酸エステル類、アジピン酸ポ
リエステル、エポキシ化大豆油等が挙げられる。これら
の従たる希釈剤は、単独または混合して使用することが
できるが、前記した主たる希釈剤と混合して用いられ
る。
イド状シリカ、水素添加ヒマシ油、有機ベントナイト等
が挙げられる。これらのチクソ剤は、単独または混合し
て使用することができる。
系硬化触媒としてはジブチルスズジラウレート、ナフテ
ン酸コバルト、塩化第1スズ、テトラ−n−ブチルスズ
等、アミン系硬化触媒としてはトリメチルアミン、トリ
エチレンジアミン、モルホリノエーテル系、イミダゾー
ル系等の通常のものが使用できる。これらの硬化触媒
は、単独または混合して使用することができる。
ば、チタネート系カップリング剤、シラン系カップリン
グ剤、カップリング剤とイソシアネート化合物との反応
生成物等が挙げられる。これらの接着性付与剤は、単独
または混合して使用することができる。
系組成物は、接着剤、シーリーング剤、コーキング剤、
塗膜剤等として使用することができ、且つその貯蔵数量
や輸送形態に制限を受けない。
レタン系組成物には、前記したウレタンプレポリマーと
主たる希釈剤に加えて、反応性希釈剤を添加することが
できる。この反応性希釈剤はウレタンプレポリマーなど
の系全体を希釈すると同時に接着剤が硬化した後の強度
を増大させるためのものであり、具体的には前記ポリイ
ソシアネート及びこれらとポリオール等を反応させたイ
ソシアネート化合物等を挙げることができるが、その中
で、分子量のピークがスチレン換算で10,000以
下、好ましくは1,000以下のものが良い。この反応
性希釈剤の分子量のピークが10,000以下であれば
希釈効果が大きくなって塗布または充填の作業性が向上
し、且つ被着体に対する濡れ性も良くなる。その際、前
記したポリオールとポリイソシアネートの種々の組み合
わせが可能であるが、中でもMDI(ジフェニルメタン
ジイソシアネート)系のものが好適であった。
および反応性希釈剤の混合比は特に限定されるものでは
ないが、それらの比率は、ウレタンプレポリマーと主た
る希釈剤と反応性希釈剤の和[(ウレタンプレポリマ
ー)/(主たる希釈剤+反応性希釈剤)]が、重量比で
10/1〜1/50の範囲、好ましくは2/1〜1/2
0の範囲が良い。主たる希釈剤と反応性希釈剤の和に対
するウレタンプレポリマーの比率が1/50より大きけ
れば、十分な接着力が得られる。また、主たる希釈剤と
反応性希釈剤の和に対するウレタンプレポリマーの比率
が10/1より小さければ粘度が低くなって作業性が良
好になると共に、被着体に対する濡れ性が良くなり被着
体との密着性が向上する。尚、これらウレタンプレポリ
マーと主たる希釈剤および反応性希釈剤は、いずれも単
独でも複数種類混合させてもよい。
レタン系組成物は、当該一液湿気硬化型ポリウレタン系
組成物を主成分とした接着剤とすることが可能であり、
その接着剤は有機溶剤の揮散がないので、臭気を含めて
屋内でも塗布作業時および施工完了後において作業者や
居住者の健康に悪影響を及ぼす心配がないと共に、引火
の危険もなく、クリーンルームではデバイスの表面汚染
やクリーンルームフィルターの劣化などを防ぐことが可
能となり、屋内、とりわけクリーンルームで使用するの
に好適なものとなる。
細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。本発明に係る一液湿気硬化型ポリウレタ
ン系組成物は、従来の一液湿気硬化型ポリウレタン系組
成物と同様に、以下のようにして得られる。すなわち、
先ずポリオールを反応容器に仕込み、減圧脱水した後に
過剰のイソシアネートを60〜100℃の温度で数時間
反応させて、末端にイソシアネート基を有するウレタン
プレポリマーを得る。冷却後、特定の主たる希釈剤を配
合して一液湿気硬化型ポリウレタン系組成物を作製す
る。この時、上記で得られたポリウレタン系組成物を一
層硬化促進させるための硬化促進剤や、減圧乾燥した充
填剤、接着性付与剤などを、窒素気流中などで配合して
目的とするウレタン組成物を得ることができる。
リウレタン系組成物は、窒素気流中でカートリッジ、ペ
ール缶などの密閉できる容器に収納し、使用時に容器か
ら絞り出し、へら取り等の方法で取り出して、被着体へ
の塗布や充填を行い、接着剤、シーリング剤、コーキン
グ剤、或いは塗膜剤等として使用する。
系接着剤組成物が適用可能な被着体としては、各種プラ
スック材料、木材、コンクリートやスレート等の無機材
料、およびアルミニウム、ステンレススチールなどの金
属材料等を挙げることができる。また、屋内において被
着対象となる材料としては、例えば長尺シート、タイ
ル、フローリング等の床材、巾木、腰壁材、壁パネル
材、間仕切り材、壁装材、天井材などの内装材、フリー
アクセスフロア等の脚、コンクリートスラブ,アスファ
ルト,合板,パーチィクルボード,石膏ボード,スレー
ト板,金属板,木根太等からなる下地、配管の継ぎ手等
があり、これらの材料の材質は塩化ビニル系、オレフィ
ン系、スチレン系、ポリエステル系、アクリル系、ウレ
タン系等の熱可塑性樹脂またはそれらの共重合体、熱可
塑性エラストマー、メラミン系、フェノール系、ウレア
系、エポキシ系、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂
等の各種プラスチック、天然ゴム、NBR、SBR、ネ
オプレン、クロロプレン等のゴム、コルク、各種木材、
リノリウム、各種金属等を挙げることができる。これら
の被着対象となる材料はガスの発生が極めて少ないもの
を使用することが健康上並びにクリーンルームでの使用
上の観点から、より有効なものとなる。
充填作業には、クシ目ゴテ、ロール刷毛、スプレー、カ
ートリッジ、チューブ等を使用し得、内装材または下地
のいずれか若しくはその両方に本発明に係る一液湿気硬
化型ポリウレタン系組成物を塗布して、両者を接着す
る。
系接着剤組成物は、有機溶剤の揮散がないので、臭気を
含めて屋内でも塗布作業時および施工完了後において作
業者や居住者の健康に悪影響を及ぼす心配がないと共
に、引火の危険もなく、クリーンルームではデバイスの
表面汚染やクリーンルーンフィルターの劣化などを防ぐ
ことが可能となる。
接着剤組成物の粘度は、20℃において100mPa・
s〜50,000mPa・s程度であると塗布作業が良
く、且つプラスチック等に対する密着性が良好である。
上記の効果を最も顕著に発揮する接着剤の粘度は500
mPa・s〜30,000mPa・sである。
細に説明する。なお、以下の実施例では、高い接着強さ
が求められる床材の接着剤用途についてのみ記載してあ
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
ピレングリコールジオール(分子量約2,000)20
0重量部と、ネオペンチルグリコール31.2重量部
と、2,4−トリレンジイソシアネート38.3重量部
とを1ショット100℃で反応させて、分子量のピーク
が異なる以下の4種のプレポリマーを得た。 プレポリマー1:分子量ピークが約15,000 プレポリマー2:分子量ピークが約100,000 プレポリマー3:分子量ピークが約300,000 プレポリマー4:分子量ピークが約1,500,000 <接着剤組成物の製造>得られたウレタンプレポリマー
に希釈剤、反応性希釈剤、充填剤、硬化促進剤をそれぞ
れ表1(実施例)及び表2(比較例)に示した割合(表中の
数字は、重量部を表す。)で窒素流通中で混練して、一
液湿気硬化型ポリウレタン系組成を作製し、接着剤組成
物とした。また、表1及び表2に、以下の試験方法より
得られた試験結果を併せて掲載した。尚、以下の試験は
すべて温度20℃、湿度65%の条件下において行った
ものである。
容器に入れ、BH型回転粘度計で20r/minにおけ
る粘度を測定した。 ○:100mPa・s〜50,000mPa・s ×:100mPa・s未満及び50,000mPa・s
を越える。 <塗布作業性>得られたポリウレタン系組成物を、大き
さ30×60mmの繊維強化スレート板面上にとり、ク
シ目山高さ2mmのクシ目ゴテで塗布し、そのときの塗
りやすさを評価した。 ○:良 ×:高粘度ではコテさばきが重く、低粘度では必要な塗
布厚みを確保しずらく、実用に供し得ない
物を、大きさ30×60mmの繊維強化スレート板面上
にとり、クシ目山高さ2mmのクシ目ゴテにて350g
/m2を塗布した後、10分間放置して幅25mm、長
さ200mmの塩ビシートを貼り付けた。これを48時
間養生を行い、試験片を作製した後に90℃剥離接着強
さを測定した。 ○:20N/25mm以上 △:10N/25mm以上〜20N/25mm未満 ×:10N/25mm未満
の繊維強化スレート板面上にとり、クシ目山高さ2mm
のクシ目ゴテにて350g/m2を塗布した後に、10
分間放置してVOC対策塩ビシート(ロンシール工業社
製、ロンクリーンリウムN)を貼り付けた。これを48
時間養生して試験体とした。 (2)有機ガスのサンプリングと分析 サンプリングは、環境温度23℃の窒素流通下で試験体
表面を7日換気後に、吸着剤(Tenax-TA)で有機ガスを
捕集し、GC−MS分析装置で分析した。有機ガスの発
生量はトルエン換算法により求めた。 ○:100μg/m2・h以下 (塗布作業者や居住者の健康に悪影響を及ぼす心配が極
めて少なく、クリーンルームではデバイスの表面汚染よ
る不良が少なく、劣化によるフィルター交換回数の少な
いレベル。) ×:2,000μg/m2・h以上 (従来品のレベルであり、塗布作業者や居住者の健康に
悪影響を及ぼす心配があり、クリーンルームではデバイ
スの表面汚染よる不良が多く、フィルターも劣化による
交換が増加する。)
ル)アジペートホ゜リエーテルエステル 2:テトラエチレングリコールジカプリレー
トホ゜リエーテル 1 :デカエチレングリコールジメチルエーテ
ルホ゜リエーテル 2 :メトキシデカエチレングリコールアリル
エーテル 不乾性油誘導体:オクチルアセチルリシノレート 反応性希釈剤1:ポリメリックMDI(商品名MR−10
0:日本ポリウレタン工業社製) 反応性希釈剤2:イソシアネレート(商品名コロネートH
X:日本ポリウレタン工業社製) 反応性希釈剤3:ウレタン変性イソシアネート(ホ゜リフ゜ロヒ゜
レンク゛リコールシ゛オール(分子量約2,000)と4,4-シ゛フェニルメタンシ゛イソシアネ
ートとの重量比1:4の反応生成物) 炭酸カルシウム:商品名ホワイトンSB赤(白石カルシ
ウム社製) シリカ:商品名アエロジル♯200(日本アエロジル社
製) 安定剤:1官能イソシアネート(商品名アディティブT
I 住友バイエルウレタン社製)アシ゛ヒ゜ン 酸ホ゜リエステル:アジピン酸とク゛リコールとのホ゜リエステル(平均
分子量1,100)
は、塗布作業性および接着強さが良好で、且つ有機ガス
発生量は100μg/m2・h以下であり、本発明の接
着剤が優れていることがわかる。また、上記表2の結果
から、比較例2及び3のものはウレタンプレポリマーが
溶解しなかったり溶解したとしても、非常に高粘度とな
ってしまって塗布が困難であり、実用上塗布作業に耐え
得るものではなかった。また、比較例1、5及び6のも
のでは、比較例2及び3とは逆に低粘度のものが得られ
たが、接着強さが不足し接着剤として使用できず、比較
例7及び8のものでは低粘度のものが得られ且つ接着強
さも良好であったが、有機ガス発生量が多く室内やクリ
ーンルームでの使用に問題があることが分かった。
ン系組成物によれば、使用時(施工時)ないしは施工後に
おいて有機ガスの発生がほとんどなく環境対応型の硬化
性組成物として利用できる。しかも、本一液湿気硬化型
ポリウレタン系組成物を主成分としてなる接着剤は、多
くの材料に対して強力な接着効果を発揮し、特に塩化ビ
ニル樹脂系製品に対して優れた接着性を示すと共に、有
機溶剤の揮散がないので、臭気を含めて屋内でも塗布作
業時および施工完了後において作業者や居住者の健康に
悪影響を及ぼす心配がなく、且つ引火の危険もない。従
って、塗布作業や充填作業を改善し、一般室内およびク
リーンルームで使用する内装材用接着剤として有効であ
り、クリーンルームではデバイスの表面汚染やクリーン
ルームフィルターの劣化などを防ぐことが可能となる。
Claims (4)
- 【請求項1】 分子量のピークがスチレン換算で30,
000〜1,000,000のウレタンプレポリマーと希
釈剤とからなる一液湿気硬化型ポリウレタン系組成物に
おいて、上記希釈剤が、ポリエーテルエステルとポリエ
ーテルと不乾性油の誘導体のうちの少なくともいずれか
1つであることを特徴とする一液湿気硬化型ウレタン系
組成物。 - 【請求項2】 請求項1に記載の一液湿気硬化型ポリウ
レタン系組成物に反応性希釈剤を添加してなることを特
徴とする一液湿気硬化型ポリウレタン系組成物。 - 【請求項3】 前記反応性希釈剤が、分子量のピークが
スチレン換算で10,000以下のイソシアネート化合
物である請求項2記載の一液湿気硬化型ウレタン系組成
物。 - 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項に記載の
一液湿気硬化型ポリウレタン系組成物を主成分とするこ
とを特徴とする接着剤。
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