JP3218020B2 - 建築部材の接合工法 - Google Patents

建築部材の接合工法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住居等の建築構造
体をつくる際に、壁部材、床部材、柱部材等の木製建築
部材を接着剤を用いて接着する工法に係り、詳しくは密
閉性に優れた壁面あるいは床面等を形成することのでき
る建築部材の接合工法に関する。
【0002】
【従来の技術】住居等の建築構造体を施工する場合、構
造体全体の十分な強度を確保するうえで壁部材や柱部材
などの建築部材間の接合強度が重要となっている。しか
し、特に寒冷地においては、暖房効率の点などから単に
強度の点だけでなくこれら建築部材間の気密性も極めて
重要な点となっている。ところで、従来住居等の建築構
造体を建てる際には、例えば壁部材と壁部材や柱部材と
壁部材、さらには壁部材と床部材などを接合する場合、
十分な接合強度を得るため主に釘が用いられているが、
このように単に釘打ちによる接合では十分な気密性が得
られず、寒冷地などでは継ぎ目にテープを貼ったりシー
リング剤を塗布するといった後工程が必要となってい
る。
【0003】また、近年では接着剤の改良などが進み、
接合強度に優れた新たな接着剤が提供されていることか
ら、釘に代わって接着剤を接合手段とする工法が増えつ
つある。そして、このような工法に用いられる接着剤と
しては、例えば酢酸ビニルエマルジョン接着剤、ゴム系
接着剤、エポキシ接着剤がある。また、これら接着剤の
ように接合箇所に塗布されて建築部材間を接着させるも
のとは用途が異なり、主に断熱材として用いられるウレ
タン樹脂もよく知られている。このウレタン樹脂は通常
揮発性ガスとともに密閉容器中に封入されて使用される
もので、容器から吐出した際直ちに発泡して膨張するよ
うに配合されたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た建築部材間の接合方法にあっては、釘打ちの場合特に
寒冷地等では後工程が必要になることから施工に手間が
かかりその短縮化が望めないといった不満がある。ま
た、酢酸ビニルエマルジョン接着剤、ゴム系接着剤、エ
ポキシ接着剤などによる接合では、建築部材が主に木や
合板などでできていることからその被着面が平滑でない
場合があり、また接合した際部材どうしがこすれて接着
剤層が薄くなったりするため、接着後部材間に空隙が生
じて気密性が損なわれ、これにより特に寒冷地では暖房
のロスを招くといった問題を生じる恐れがある。そし
て、このような問題に対処するため従来では、釘打ちの
場合と同様に継ぎ目にテープを貼ったりシーリング剤を
塗布するといった後工程がなされるが、その場合には前
述した不満が回避できない。
【0005】また、前記接着剤に代わって主に断熱材に
用いているウレタン樹脂を接着剤として使用するといっ
た試みもなされているが、その場合には、この樹脂が密
閉容器より吐出すると直ちに発泡するため部材どうしを
接合させた際発泡した接着剤がかき取られてしまい、接
着強度が損なわれてしまうとともに、部材間の空隙を埋
める効果が著しく失なわれて十分な気密性が得られない
といった不都合がある。
【0006】この発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、壁部材や床部材、柱部材
等の木製建築部材を十分な接着強度で接合し得るのはも
ちろん、簡略な施工で優れた気密性を付与できる建築部
材の接合工法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は前述した課題
を解決すべく鋭意研究を進めた結果、従来の接着剤に代
わり、水分により発泡硬化する一成分形湿気硬化型ウレ
タン発泡接着剤を使用すれば、気密性に優れた壁面や床
面等の建築構造体を提供できることを見出し、本発明を
完成した。すなわち本発明の建築部材の接合工法では、
水分により発泡硬化する一成分形湿気硬化型ウレタン接
着剤を壁部材や床部材などの木製建築部材どうしの接合
箇所に、この接合箇所が接合後に気密となるように塗布
し、該接合箇所と他の木製建築部材の被接合箇所とを接
した後に、前記接着剤を発泡硬化させることにより、
接合および断熱機能を付与したことを前記課題の解決手
段とした。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の建築部材の接合工
法を詳しく説明する。本発明に用いられる一成分形湿気
硬化型ウレタン接着剤(以下、ウレタン接着剤と略称す
る)は、ウレタンプレポリマーを主成分とし、このウレ
タンプレポリマー100重量部に対して界面活性剤を0
〜30重量部、増粘剤あるいは揺変付与剤を0.5〜5
00重量部配合してなるものである。ここでウレタンポ
リマーは、ポリエーテルポリオールまたはポリエステル
ポリオール等のポリオール(ポリヒドロキシ化合物)
と、過剰のポリイソシアネート化合物とを反応させて得
られるもので、分子末端に活性イソシアネート基を1重
量%以上含有するものである。(以下、このウレタンプ
レポリマーをNCO基含有ウレタンプレポリマーとい
う。)また、界面活性剤はNCO基含有ウレタンプレポ
リマーを均一に発泡させ、あるいはその発泡倍率を高め
るためのものであり、増粘剤(あるいは揺変付与剤)は
得られる発泡接着剤が被接着部材の垂直面に塗布された
とき流れ落ちないように揺変性を与えるためのものであ
る。
【0009】このような配合からなるウレタン接着剤
は、その活性イソシアネート基(以下、NCO基とい
う)と大気中の水分(湿気)あるいは被接着部材中の水
分とが反応したとき炭酸ガスを発生することによって発
泡し、膨張して見掛けの体積を増すものであり、発泡に
よる膨張が、水分と接触して反応を開始した後30分ぐ
らいで見え始め、約1日間経過した後ほぼ終了するよう
にその配合が調整されたものである。また、このウレタ
ン接着剤は、反応時の発泡倍率が元の体積に対して1.
3〜5倍、好ましくは1.5〜3倍になるようにその配
合が調整されている。ここで、発泡倍率を1.3〜5倍
にしたのは、1.3倍未満であるとこれを用いて建築部
材間を接着した際、発泡膨張による建築部材間の空隙を
埋める効果が十分でなくなり、一方5倍を越えると部材
間の接着強度が低下するとともに、接着剤が接合面より
はみ出す量が多くなって施工性が悪くなるといった不都
合を生じるからである。そして、この1.3〜5倍の発
泡倍率を得るためには、ウレタン接着剤中のNCO基含
有量を1重量%以上にする必要があるのである。
【0010】前記NCO基含有ウレタンプレポリマーの
合成に用いられるポリオールとしては、例えば、ポリオ
キシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオ
ール、ランダムまたはブロック共重合体のポリオキシエ
チレン−プロピレン共重合ポリオール、アミン化合物
(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、エチ
レンジアミン、プロピレンジアミン等)にエチレンオキ
サイドまたはプロピレンオキサイドを開環重合させて得
られるポリオール、ポリオキシテトラメチレングリコー
ル等のポリエーテルポリオール類、ジカルボン酸類(ア
ジピン酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸等)とグリ
コール類(エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジ
オール、ネオペンチルグリコール等)とを重縮合させて
得られるポリエチレンアジペートポリオール、ポリブチ
レンアジペートアジペートポリオール、ポリヘキサメチ
レンアジペートポリオール等のポリエステルポリオール
類、ポリラクトンポリオール類等があり、通常分子量が
200〜20,000のものが単独あるいは混合して用
いられる。また、低分子量のポリオールやポリアミンも
もちろん使用することができ、このようなものとして
は、例えばエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキ
サンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等
のポリオール類やエチレンジアミン、ジフェニルメタン
ジアミン、m−フェニレンジアミン等のポリアミン類等
があげられ、前記したものと同様に単独あるいは混合物
として用いられる。
【0011】また、NCO基含有ウレタンプレポリマー
の合成に用いられるポリイソシアネート化合物として
は、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート
(ポリメリックMDI)、カルボジイミド変性MDI、
ナフタレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシア
ネート類や、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMD
I)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(T
MDI)等の脂肪族系ポリイソシアネート類、さらには
イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4′−
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MD
I)等の脂環式系ポリイソシアネート類等があげられ、
これら化合物が単独あるいはこれらの混合物として用い
られる。なお、より好ましいポリイソシアネート化合物
としては芳香族系のポリイソシアネート類で、TDIま
たはMDI等があげられる。
【0012】そして、前記ポリオールのヒドロキシル基
に対して前記ポリイソシアネート化合物のNCO基が過
剰となるようそれぞれの量が用意されて反応せしめら
れ、接着剤全体としてNCO基含有濃度が1重量%以上
になるように合成されて本発明に用いられるNCO基含
有ウレタンプレポリマーが得られる。ここで、NCO基
含有濃度が1重量%未満であると、発泡度合が低くなっ
て空隙を埋める効果が少なくなるのは前述したとおりで
ある。
【0013】また、本発明に使用されるウレタン接着剤
においては、前述したように該接着剤を均一に発泡さ
せ、あるいはその発泡倍率を高めるため界面活性剤を使
用することができる。このような界面活性剤としては、
例えばポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック
共重合体、エチレンオキサイドを付加させたフェノール
系化合物等があげられ、前記NCO基含有ウレタンプレ
ポリマー100重量部に対して0〜30重量部、好まし
くは0.1〜10重量部添加される。増粘剤(あるいは
揺変付与剤)としては、コロイダルシリカ、微粉のカー
ボンブラック、脂肪酸処理炭酸カルシウム、ヒマシ油誘
導体、脂肪酸アミドや脂肪酸金属石ケン等があげられ、
前記NCO基含有ウレタンプレポリマー100重量部に
対し0.5〜500重量部、好ましくは1〜200重量
部配合される。
【0014】なお、前記ウレタン接着剤には、必要に応
じて不活性溶剤、可塑剤、フィラー、硬化促進触媒ある
いはその他の添加剤を配合してもよいのはもちろんであ
る。ここで、不活性溶剤は粘度の調節のために用いられ
るもので、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
系溶剤、酢酸セロソルブ等のセロソルブエステル系溶
剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶
剤、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系
あるいは石油系炭化水素溶剤類のような活性水素を持た
ない溶剤類が使用される。
【0015】可塑剤は粘度の調節や硬化後の物性の調節
のために用いられるもので、、例えばジオクチルアジペ
ート(DOA)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジ
ブチルフタレート(DBP)、トリクレジルホスフェー
ト(TCP)等の単量体可塑剤及びポリエステル、ウレ
タン化ポリエーテル等のオリゴマー可塑剤が使用され
る。フィラーは増量剤あるいは補強剤として用いられる
もので、例えば炭酸カルシウム、タルク、クレー、カー
ボン等の無機フィラー、ポリ塩化ビニル微粉末等の有機
フィラー、シラスバルーン、ガラスマイクロバルーン等
のマイクロバルーン類が使用される。
【0016】硬化促進触媒は接着剤の硬化速度を調節す
るために用いられるもので、ポリウレタン化学において
公知の触媒が使用でき、例えばオクチル酸錫、ナフテン
酸錫、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸亜鉛等の有
機酸とSn,Co,Ni,Fe,Zn,Pb等の金属塩類、
1,4−ジアザ2,2,2ビシクロオクタン、トリエチ
ルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ジ
アザ−ビシクロウンデセン、N,N−ジエチルベンジル
アミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン
等の3級アミン類が単独あるいはそれらの混合物として
使用される。
【0017】このようなウレタン接着剤は、密閉容器内
において硬化することなく安定に貯蔵される。そして、
本発明ではこのウレタン接着剤を壁部材や床部材などの
木製建築部材の接合箇所に塗布し、該接合箇所と他の
建築部材の被接合箇所とを接合するのである。ウレタ
ン接着剤の建築部材への塗布方法としては、建築部材の
接合箇所にビード状に塗布する方法や、あるいはヘラ等
で塗り広げる方法など周知の方法が採用される。なお、
該接合箇所と接合される被接合箇所にも、同様にして前
記ウレタン接着剤を塗布してもよいのはもちろんであ
る。このようにしてウレタン接着剤を塗布した面を他の
建築部材の被接着面に接合し、必要に応じて釘等で固定
する。
【0018】接合される建築部材としては、框材を矩形
枠状に組み、その表裏両面または片面に面材を貼着して
なる壁パネル等の木製の壁部材や、さらには木製の柱部
材や木製の天井部材など構造物の主に気密性を必要とさ
れる部分に位置する木製の部材が選択される。また、構
造材に限らず、木製の仕上材等の取付けにも使用するこ
とができる。さらに、建築部材どうしを直接接着するほ
かに、接合部の外にウレタン接着剤を塗りその上にビニ
ールシート等他の気密材を貼り付けて気密を図る使用法
もある。すなわち、これら建築部材は室内を気密に保つ
うえで特にその接合部の気密性が重要視されるからであ
る。
【0019】そして、このような接合箇所に前記ウレタ
ン接着剤を塗布して建築部材どうしを接合すれば、ウレ
タン接着剤はそのNCO基が大気中の水分または部材中
に含まれている水分と反応して硬化を開始する。する
と、このウレタン接着剤は硬化反応に伴って炭酸ガスを
発生し、これにより発泡膨張して単に接着を担うだけで
なく同時に部材間の空隙を埋め、その密閉性(気密性)
を高めるものとなる。また、硬化反応に伴う発泡膨張が
水分と接触後、すなわち塗布後30分ぐらいから見え始
め、24時間後ぐらいで終了するので、建築部材どうし
を接合した際接着剤がかき取られてしまうことがなく、
また発泡膨張して接合部よりはみ出した部分を翌日に取
り除くことによって接合処理を終了することができる。
【0020】このような建築部材の接合方法にあって
は、ウレタン接着剤が水分と反応して硬化するとともに
発泡膨張するため、建築部材間の空隙を埋めてその気密
性を高めることができる。また、ウレタン接着剤が一成
分形であるため二成分形のように主剤と硬化剤とを混合
する必要がなく、したがって使い易くかつ混合不良によ
る接着不良および発泡不良を生じないといった優れた効
果を奏する。さらに、ウレタン接着剤の硬化反応に伴う
発泡膨張が塗布後30分ぐらいで見え始め、24時間ぐ
らいで終了するので、接合の際接着剤がかき取られるこ
とによって接着強度、気密性が損なわれることがなく、
しかも硬化終了までの時間が比較的短いため工期の遅延
を招くおそれがない。
【0021】
【実施例】次に、実施例によって本発明を具体的に説明
する。まず、本発明に用いられるウレタン接着剤の製造
例を示す。 (製造例1)反応容器中に窒素ガスを流しながら、この
反応容器に平均分子量3200のポリオキシプロピレン
グリコール346重量部と、ポリメリックMDI(MR
−200、日本ポリウレタン工業株式会社製)453重
量部とを入れ、さらにこれらを攪拌しながら反応容器中
にオクチル酸ジルコニウム0.5重量部を添加し、80
〜90℃の温度で2時間反応させ、NCO基含有率1
6.0重量%、粘度3000cP(25℃において)の
NCO基含有ウレタンプレポリマーを得た。
【0022】次に、得られたNCO基含有ウレタンプレ
ポリマー100重量部に、乾燥した炭酸カルシウム30
重量部、ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロッ
ク共重合体界面活性剤(F−305、信越化学工業株式
会社製)0.5重量部、コロイダルシリカ5.4重量部を
加え、窒素ガスを流しながら十分混練した後、減圧下で
脱泡を行ない、淡褐色ペースト状の一成分形湿気硬化型
ウレタン接着剤を得た。
【0023】(製造例2)反応容器中に窒素ガスを流し
ながら、この反応容器に平均分子量2900でエチレン
オキサイド含有率40重量%のポリオキシエチレン−プ
ロピレン共重合ポリオール(ニューポールPE−64、
三洋化成工業社製)346重量部と、ポリメリックMD
I(前記MR−200)453重量部とを入れ、さらに
これらを攪拌しながら反応容器中にオクチル酸ジルコニ
ウム0.5重量部を添加し、80〜90℃の温度で2時
間反応させ、NCO基含有率15.5重量%、粘度29
50cP(25℃において)のNCO基含有ウレタンプ
レポリマーを得た。
【0024】次に、得られたNCO基含有ウレタンプレ
ポリマー100重量部に、乾燥した炭酸カルシウム30
重量部、コロイダルシリカ5.4重量部を加え、窒素ガ
スを流しながら十分混練した後、減圧下で脱泡を行な
い、淡褐色ペースト状の一成分形湿気硬化型ウレタン接
着剤を得た。
【0025】前記製造例1および2でそれぞれ得られた
一成分形湿気硬化型ウレタン接着剤を米松の表面に0.
3mmの厚さとなるように塗布し、標準状態(20℃、4
5〜65%RH)で24時間放置して硬化させた後、接
着剤層の厚さを測定して発泡倍率を得た。なお、発泡倍
率は下式によって求めた。 発泡倍率=(硬化後の接着剤層の厚さ)÷0.3
【0026】また、これら一成分形湿気硬化型ウレタン
接着剤を被着体である一方の米松に0.3mmの厚さとな
るように塗布し、さらに被接着面間の空隙が0.6mmに
なるようにスペーサーを挟んで被着材となる他方の米松
を固定し、標準状態で7日間放置して反応硬化させた
後、圧縮剪断接着強度を測定した。測定はJIS K6
852(1976)に準拠して行なった。得られた測定
結果を表1に示す。
【0027】
【表1】 なお、表1中の圧縮剪断接着強度の単位は(kgf/cm2
である。表1に示す結果より、製造例1、2で得られた
ウレタン接着剤は、24時間経過後の発泡倍率が2.0
〜2.5と建築部材間を接合した際その空隙を埋めるの
に好適な倍率であることが確認された。また、圧縮剪断
接着強度についても建築部材間の接着として要求される
強度を有していることが確認された。
【0028】次に、このようにして得られたウレタン接
着剤を用いて壁、床等の木製建築部材間を接着し、平屋
の一室を試験的に作製してその気密状態を調べた。ここ
で、壁、床等の建築部材については予め工場等によって
組み立てた木製の壁パネル、床パネルなどを用いた。ま
た、比較のため壁パネル、床パネルなどを用い、従来の
酢酸ビニルエマルジョン接着剤によって各建築部材間を
接着し、同様の一室を作製してその気密状態を同一方法
で調べた。さらに、壁パネル、床パネルを用いることな
く、釘打ちにより各部材を接合する在来工法によっても
一室を作製し、同一方法でその気密状態を調べた。
【0029】このようにして三通りの工法に基づく一室
の気密状態を調べたところ、本発明の工法によって作製
された一室の気密状態は、壁パネル、床パネル等を用
い、かつ従来の接着剤を用いて作製された一室の約4
倍、在来工法の約20倍の良好な気密状態を保持するこ
とが確認された。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明の建築部材の
接合工法は、水分により発泡硬化する一成分形湿気硬化
型ウレタン接着剤を壁部材や床部材などの木製建築部材
どうしの接合箇所に、この接合箇所が接合後に気密とな
るように塗布し、該接合箇所と他の木製建築部材の被接
合箇所とを接合した後に、前記接着剤を発泡硬化させる
ことにより、接合および断熱機能を付与する工法である
から、ウレタン接着剤が水分と反応して硬化するととも
に発泡膨張するため、単に建築部剤間を接着するだけで
なく、建築部材間の空隙を埋めてその気密性を高めるこ
とができる。特に、木製建築部材のように被着面が平滑
でないときでもウレタン接着剤が発泡膨張するため、建
築部材間の空隙を確実に埋めることができる。したがっ
て、この工法を特に寒冷地における家屋の施工に適用す
れば、得られる家屋の暖房効率を高めることができる。
また、ウレタン接着剤が一成分形であるため二成分形の
ように主剤と硬化剤とを混合する必要がなく、したがっ
て使い易くかつ混合不良による接着不良および発泡不良
を生ずることがないため、熟練を要することなく容易に
実施することができる。さらに、ウレタン接着剤の硬化
反応が水分と接触してから始まり、これに伴って発泡膨
張が起こるため、建築部材に塗布した後瞬時に発泡膨張
するのでなく、したがって接合の際接着剤がかき取られ
ることによって建築部材間の接着強度、気密性が損なわ
れるといった不都合を回避することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/38 E04B 1/76 C09J 5/08 C09J 175/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分により発泡硬化する一成分形湿気硬
    化型ウレタン接着剤を壁部材や床部材などの木製建築部
    材どうしの接合箇所に、この接合箇所が接合後に気密と
    なるように塗布し、該接合箇所と他の木製建築部材の被
    接合箇所とを接合した後に、前記接着剤を発泡硬化させ
    ることにより、接合および断熱機能を付与したことを特
    徴とする建築部材の接合工法。
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