JP2003298862A - カラーマッチング方法およびその装置 - Google Patents

カラーマッチング方法およびその装置

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JP2003298862A
JP2003298862A JP2002095572A JP2002095572A JP2003298862A JP 2003298862 A JP2003298862 A JP 2003298862A JP 2002095572 A JP2002095572 A JP 2002095572A JP 2002095572 A JP2002095572 A JP 2002095572A JP 2003298862 A JP2003298862 A JP 2003298862A
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colorimetric
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Tetsunobu Muragata
哲伸 村形
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カラーマッチング精度を向上させるための色変
換テーブルの修正作業を一定のルーチンワークで実現す
ることのできるカラーマッチング方法およびその装置を
提供する。 【解決手段】デバイスに与える信号値と該デバイスから
の出力結果の測色値との変換を行うカラーマッチング方
法において、変換における信号値と測色値の対応表、い
わゆる変換テーブルを用い、基準とする色を特定のデバ
イスから出力するステップと、基準の色と出力結果との
ズレを定量化するステップ、および定量化されたズレ量
から一意的に決まる修正量に従って変換テーブルを修正
するステップ、とを有することを特徴とするカラーマッ
チング方法およびその装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーマッチング
方法およびその装置に関するものであり、さらに詳しく
は、カラーマッチング精度を向上させるための色変換テ
ーブルの修正作業を一定のルーチンワークで実現するこ
とのできるカラーマッチング方法およびその装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、グラフィックアーツ関連作業のデ
ジタル化の進展、およびカラー再現デバイスの低価格化
・高性能化により、異なるデバイス間で同じ色再現を実
現するカラーマネージメントシステム(Color M
anagement System、以下、CMSと称
する。)の必要性が増している。このようなシステムと
しては、アップルコンピューター社では「ColorS
ync」(商標)、マイクロソフト社では「ICM2.
0」(商標)と呼ばれるものがあり、それぞれのメーカ
ーのオペレーティングシステムの一標準機能として搭載
されている。なお、上記の2つを始め、多くのCMS
は、ICC(InternationalColor
Consortium)が定めた”ICC規格”に準じ
たものとなっている。
【0003】異なるデバイスに、同じ制御信号の値(以
下、デバイス値と称する。)を与えても、再現される色
は異なる。従って、異なるデバイス間で同じ色再現を実
現するためには、同じ色が再現できるよう然るべきデバ
イス値に変換する操作、いわゆるカラーマッチング操作
を行う。デバイス値としては、例えば、オフセット印刷
ならば、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロ
ー)、K(ブラック)の4版を形成する原稿フィルム上
の網点面積率、例えば、CRTモニターならば、R(レ
ッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3つの電子銃
に与える電圧がある。なお、デジタルプリンタにおいて
は、6色や7色のような特殊なインキが使われることが
あるが、このようなデバイスの制御は、プリンタ制御ソ
フトウエアであるプリンタドライバのみが行うのが一般
的であり、使用者にとってのデバイス値は通常、プリン
タドライバに与える信号値(C、M、Y、K、あるいは
R、G、B)になる。
【0004】カラーマッチングを行う手段としては、2
つのデバイス間で両者の色再現を一致させる、デバイス
値からデバイス値への変換方法を、何らかの形でパラメ
ータ化して記録しておく方法が広く使われてきた。ただ
し、変換用パラメータはデバイスの組み合わせ数だけ必
要になるため、対象とする色再現デバイスの数が増える
と、膨大な数のパラメータが必要になり効率的ではな
い。そのため、デバイス値を変換する際に一度デバイス
に依存しない客観的な色彩情報(CIE XYZ, C
IE LAB等、以下、測色値と称する。)に変換し、
次に測色値から他のデバイスのデバイス値に変換すると
いう方法が広く使われるようになっている。この方法で
は、与えるデバイス値と得られる測色値の関係を把握し
ておき、記録する作業、いわゆるプロファイリングを、
デバイス毎に行っておけば機能するため効率的である。
ICC規格ではこの方法が採用されており、デバイスの
プロファイリング情報はICCプロファイルと呼ばれる
フォーマットで記述することが定められている。
【0005】デバイスのプロファイリングを行う方法と
しては、各デバイスによる色再現を理論的にモデル化し
て、モデルの概要と必要なパラメーター値だけを記述す
る方法があり、モニターやスキャナ用のICCプロファ
イルフォーマットで使われている。しかし、プリンタを
初めとする反射メディアデバイスにおいては、デバイス
値と測色値との間の非線形性が強く、一般的で有効な理
論モデルの構築は困難であるため、従来からテーブル変
換方式、すなわちデバイス値と測色値の対応を表にした
多次元のルックアップ変換テーブル(以下、単にテーブ
ルと称する。)から測色値を求める方法が使われてい
る。ICCプロファイルでは、反射デバイスのプロファ
イリングにテーブル変換方法が採用されている。
【0006】多次元の変換テーブルは、例えば、C、
M、Yの3変数デバイスにおいては、図1(A)に模式
的に示すように、3次元のデバイス値空間をN×N×N
の格子点で分割し、それぞれの格子点上のデバイス値に
対応する測色値を、表1のように列挙して構成され、任
意のデバイス値に対しては線形補間を使って測色値を求
める。なお、カラーマッチングは図1(A)に示したよ
うなデバイス値から測色値に変換する多次元テーブル1
だけでも可能であるが、図1(B)に模式的に示すよう
な、測色値からデバイス値へ変換する多次元テーブル2
を用意することにより、より変換作業を簡便化、高速化
することができるようになる。このようなテーブルでは
測色値空間をN’×N’×N’の格子点で分割し、それ
ぞれの格子点上の測色値に対応する信号値を表2によう
に列挙して構成され、任意の測色値に対応するデバイス
値は線形補間によって求められる。ICCプロファイル
は、この2つのテーブルを使うフォーマットになってお
り、デバイス値から測色値を求めるテーブルをAtoB
テーブル、測色値からデバイス値を求めるテーブルをB
toAテーブルと呼ぶ。本発明においてもこの用語を踏
襲する。
【0007】任意の測色値またはデバイス値を求めるた
めの線形補間方法は、4面体補間、8面体補間、プリズ
ム型補間等いくつか提案されている。いずれの場合も、
基本的に目的とするデバイス値近傍のm個の格子点を選
び、その中の格子点iと目的とするデバイス値との距離
関係から重み付け係数Viを決め、数式1のように格子
点iにおける測色値aiと重み付け係数Viの線形和を
とることにより対応する測色値aを求める。この場合、
重み付け係数Viは、数式2のように規格化されてい
る。
【0008】
【数1】
(数式1)
【0009】
【数2】
(数式2)
【0010】テーブルによる変換方法を、模式的に2次
元での4点補間を使って図3に示す。図3(A)ではデ
バイス値CとMによるデバイス値空間におけるテーブル
の形状を示し、図3(B)では該テーブルの測色値Xと
Yによる測色値空間における形状を示している。任意の
デバイス値d5に対応する測色値c5を求める場合、目
的とするデバイス値d5を囲む4つの格子点d1、d
2、d3、d4を検索し、それぞれの格子点に対応する
測色値c1、c2、c3、c4に重み付け計数v1、v
2、v3、v4を乗じて線形和をとる。この場合、重み
付け計数は、4点で構成されるデバイス値空間上の平面
を目的のデバイス値が分割した面積比で与えられる。
【0011】一般的に反射デバイスにおいては、デバイ
ス値と測色値の間に非線形性があるため、線形変換によ
って生じる誤差が十分に少なくなるよう多次元テーブル
の格子数を選択する。なお、非線形性の影響を含めた計
算を行う手段としては、図2に模式的に示すように、テ
ーブル変換の前後にデバイス値や測色値を、非線形性を
考慮した一次変換する方法も広く使われてきている。一
次変換には、何らかの数値モデルを使用する方法や、一
次元のテーブル変換方式を使う方法がある。ICCプロ
ファイルでは、多次元の変換テーブル1と、デバイス値
と測色値の各変数毎に一次変換テーブル3から、Ato
BテーブルおよびBtoAテーブルが構成される仕様に
なっている。
【0012】このようなカラーマッチング用テーブル
は、図5のようなフローチャートで作成される。ステッ
プST01で目的とするデバイスよりカラーパッチ画像
を出力する。カラーパッチとしては、図13に示すよう
なISO規格で規定されているパッチや、独自の色票を
使うことができる。次に、ST02で出力結果の測色値
を分光測色機器等を用いて測定し、その結果に非線形補
間等の何らかの処理を行い、任意のデバイス値に対応す
る測色値が計算可能な数値モデルをST03で作る。S
T04では、このモデルからデバイス値空間を格子状に
分割した格子点上の測色値を求めてAtoBテーブルを
作成する。次のST05では、数値モデル又はAtoB
テーブルを逆変換処理を行い、ST06でBtoAテー
ブルを作成する。逆変換処理には、四面体補間や八面体
補間を使う方法等、幾つかあるが、いずれも数学的に一
意的に求めることができる。なお、ST05では、逆変
換処理と同時に、デバイスでは再現できない色を別の再
現可能な色に変換する色域補正処理(Gamut Ma
pping)と、3変数の測色値からC、M、Y、Kの
ような4変数デバイスに変換するための解の不定性に対
処する墨生成処理も、同時に行う必要がある。最後のス
テップのST07で、作成したテーブルを、例えば、I
CC規格で規定されたフォーマットにより保存すること
により、ICC規格に準じたカラーマッチングを行うア
プリケーションから参照可能なICCプロファイルとし
て利用できるようになる。
【0013】このようなカラーマッチングは、プリプレ
ス業における校正用途にて有効に活用することができ
る。すなわち、プリンタデバイスにおいて、オフセット
印刷物と同じ色再現になるようカラーマッチングするこ
とにより、プリンタを最終印刷仕上がりを確認する、校
正手段として使用することができる。このような方法
は、試し印刷をして仕上がりを確認する従来型の校正方
法に比べて、生産性と品質安定性を大幅に向上させるこ
とができるため、近年大きく普及し始めている。しか
し、校正用途の厳しい品質要求に対し、プリンタ出力を
カラーマッチングした出力結果では、必ずしも満足のい
く色再現が得られるとは限らないという、カラーマッチ
ングの精度限界の問題が指摘されている。
【0014】このような問題は、デバイスの変動要因と
それ以外の要因によって生じるものと考えられている。
デバイスの変動要因は、テーブルを作成するためのカラ
ーパッチ画像を出力した時点からの、デバイスの発色機
構やインキやメディアが時間の経過によって、あるいは
製造時のロット間のフレによって発生するものであり、
対策としてデバイスのキャリブレーション方法が各種提
案されている。一方、それ以外の要因としては、作成し
たテーブルの精度や線形変換時の誤差、チャートを実測
した際のデバイスや測定機器の誤差、そして測色値と肉
眼による「見え」とのズレ等が考えられている。ただ
し、これらの要因は必ずしも明確にとらえられているわ
けではなく、個別の対処方法は確立されていない。
【0015】このような問題に対処するため、カラーマ
ッチング結果を人間の目で確認し、精度を向上させるよ
うテーブルを修正する方法が公知である。すなわち、目
標にするデバイスと再現を行うデバイスにおいて、同一
画像をカラーマッチングして出力を行い、人間の目で確
認しながら両者の色のズレが少なくなるようにテーブル
内の数値に変更を加える。校正用途の場合は、オフセッ
ト印刷物を見ながら、プリンタから同じ再現がだせるま
で、テーブルを修正を加える。具体的な修正方法は幾つ
か提案されており、ICCプロファイル中のテーブルを
修正するものや、修正作業を前提にした専用のフォーマ
ットのテーブルを使用するものがある。このような修正
と再出力を繰り返すことで、校正用途に耐えうる精度の
カラーマッチングが可能になるものとされており、校正
用途のプリンタシステムとして実用化されている。
【0016】しかし、精度限界が生じる原因には、テー
ブルの精度や補間誤差といった計算によって生じるもの
と、測色値と「見え」とのズレのような人間の認知機構
によって生じるもの等が複数相互に影響しており、修正
方法を一意的に求めることは困難である。しかも、修正
を行うために作業者は色のズレを把握すると同時に、修
正する量および修正のおよぶ範囲を決める必要があり、
修正作業はテーブルを変更しては再出力する試行錯誤に
ならざるを得ない。そのため、作業者には熟練が要求さ
れ、作業にかかる労力も大きいという問題がある。ま
た、比較に使用した画像によって修正結果が大きく左右
されるという恣意性の問題も指摘されており、比較画像
や修正方法の如何によっては、不適切なテーブルになっ
てしまう危険性もある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カラ
ーマッチング精度を向上させるための色変換テーブルの
修正作業を一定のルーチンワークで実現することのでき
るカラーマッチング方法およびその装置を提供するもの
である。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記に鑑み
鋭意検討した結果、本発明のカラーマッチング方法およ
びその装置を発明するに至った。
【0019】すなわち、本発明のカラーマッチング方法
は、デバイスに与える信号値と該デバイスからの出力結
果の測色値との変換を行うカラーマッチング方法におい
て、変換における信号値と測色値の対応表、いわゆる変
換テーブルを用い、基準とする色を特定のデバイスから
出力するステップと、基準の色と出力結果とのズレを定
量化するステップ、および定量化されたズレ量から一意
的に決まる修正量に従って変換テーブルを修正するステ
ップ、とを有することを特徴とするものである。
【0020】本発明のカラーマッチング方法において、
ズレ量が、デバイスに与えた信号値から変換テーブルに
よって予測される測色値と、出力結果の実測された測色
値との差であり、かつ修正量が、ズレ量と、テーブル変
換時にテーブル内の各要素に乗ぜられる線形変換用の重
み係数から一意的に求まる量であることを特徴とするも
のである。
【0021】本発明のカラーマッチング方法において、
ズレ量が、基準色と出力結果の明度、色相、彩度の違い
を人間の目で観察し、その結果を数値で示したものであ
り、かつ修正量が、ズレ量と、テーブル変換時にテーブ
ル内の各要素に乗ぜられる線形変換用の重み係数から一
意的に求まる量であることを特徴とするものである。
【0022】本発明のカラーマッチング方法において、
ズレ量が、デバイスに与えた信号値から変換テーブルに
よって予測される測色値と、出力結果の実測された測色
値との差であり、かつ修正量が、ズレ量とデバイスに与
えた信号値との間で相関関係を有する関数で与えられる
ことを特徴とするものである。
【0023】本発明のカラーマッチング方法を、複数組
み合わせて行うことを特徴とするものである。
【0024】上記発明において、基準とする色が、測色
値から信号値への変換テーブルにおける測色値空間上で
の格子点を構成する測色値で与えられることを特徴とす
る。
【0025】また、本発明のカラーマッチング装置は、
上記発明のカラーマッチング方法を実施することを特徴
とするものである。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態につい
て、図を参照しながら説明する。
【0027】図6に本発明の全実施形態の概要をフロー
チャートにて示す。本発明は、まず最初のステップのS
T001とST002で、修正対象とする色変換用テー
ブルと、基準とする色が規定されたパッチ、または複数
のパッチから構成されたチャートを用意する。その上
で、該変換テーブルを使って基準とする色を特定のデバ
イスから出力するステップST100と、基準とした色
と出力結果とのズレを定量化するステップST200、
および定量化されたズレ量から一意的に決まる修正量に
従ってテーブルを修正するステップST300から本発
明は構成される。
【0028】本発明の全ての実施形態において、最初の
ステップST001で修正対象とする変換テーブルを用
意する。通常はカラーマッチング環境で一般的に使用さ
れているICCプロファイルのテーブルが対象となる
が、測色値を経由したテーブル変換を使う色変換方式で
あれば、他の独自の規格によるものでもかまわない。一
般的に対象とするICCプロファイルは、カラーマッチ
ング環境を構築する際に市販アプリケーション等を使用
して作成することができる。
【0029】修正対象となるテーブルは、デバイス値か
ら測色値に変換するAtoBテーブルと、測色値からデ
バイス値に変換するBtoAテーブルの両方である。た
だし、BtoAテーブルは、図5に示したICCプロフ
ァイル作成ワークフローに従って、AtoBテーブルか
ら作成することを前提としており、直接の修正作業はA
toBテーブルに対してのみ行う。
【0030】以下、本発明の第1の実施形態について、
図9により説明する。この実施形態では、出力結果の実
測値でズレを定量化し、ズレ量と補間時の重み付け係数
によって決まる修正量だけテーブルを修正する。なお、
図9では、デバイス値としてCMY、測色値としてLa
bを使うものとしており、添え字の0は基準の色、1は
デバイス値と測色値の計算結果、2は実測の色を表す。
【0031】第1の実施形態における第1のステップで
は、予め測色値L0a0b0が規定された基準色パッチ
を用意(ST002)した上で、対象とするBtoAテ
ーブルを使って基準の色L0a0b0を再現することが
予想されるデバイス値C1M1Y1をもとめる。さら
に、対象とするデバイスから求めたデバイス値で出力を
行い(ST101)、分光測色計等を用いて出力結果の
測色値L2a2b2を実測し記録する(ST102)。
【0032】ST002で用意する基準色パッチは単数
でも良いが、複数の基準色パッチを並べた基準色チャー
トとして使用することが好ましい。基準色パッチは、色
再現の目標とするデバイス、例えば、色校正においては
オフセット印刷により、一定のデバイス値から構成され
たパッチを作成し、その結果を分光測色計等で実測して
作成することができる。また、色再現を評価する際に重
要となると思われる色の測色値を、過去の実測データや
理論的必然性によって求めて、その数値を与えるだけで
も良い。この場合、プリントされたサンプルとしての基
準色パッチは、存在しなくてもかまわない。またジャパ
ンカラー2001色標準のような、ISO12642チ
ャートの各色パッチ毎に規定された測色値を使うことも
できる。
【0033】第1の実施形態における第2のステップで
は、第1のステップで求めたデバイス値C1M1Y1か
ら、AtoBテーブルによって予測される測色値L1a
1b1を求め(ST201)、第1のステップで実測さ
れた測色値の差をズレ量として記録する。また、デバイ
ス値C1M1Y1も同時に記録しておく。
【0034】第2のステップで記録されるズレ量は、測
色値としてLabを使用した場合は、ΔL、Δa、Δb
で表されるベクトル量eとなる。ズレのベクトル量の絶
対値はテーブルの精度の指標となる。従って、複数のパ
ッチを使った際のズレの絶対値の平均が一定の閾値を下
回る場合、かつ/またはズレの絶対値の最大値が一定の
閾値を下回る場合は、使用したテーブルは十分精度が高
いものとみなすことができ、以降のテーブル修正ステッ
プにすすむ必要は無くなる。
【0035】第1の実施形態における第3のステップで
は、ズレ量と補間時の重み付け係数から一意的に修正量
を求め(ST301)、その修正量だけAtoBテーブ
ルを修正し(ST302)、できあがったAtoBテー
ブルからBtoAテーブルを作成(ST303)する。
【0036】第1の実施形態における、第3のステップ
を、模式的に2次元のデバイス値空間から2次元の測色
値空間へ変換するAtoBテーブルの場合として、図4
に示す。図4は、デバイス値d5からAtoBテーブル
によって予測された測色値がc5であるのに対し、実際
に出力結果を測定した測色値がcxで、両者が有意差で
ズレているケースである。この場合、ズレ量は実測値と
予測値との差、すなわち測色空間上での差分ベクトルe
xで示されている。本発明においては、exのような誤
差が発生する要因を、補間計算に使用したAtoBテー
ブルの精度、すなわち、格子点d1、d2、d3、d4
上の測色値c1、c2、c3、c4の不正確さに繰り込
んで取り扱う。従って、exの絶対値が小さくなるよう
これら測色値を変更することにより、テーブルの精度を
向上させる。
【0037】exの絶対値を下げるテーブル修正方法と
しては、例えば測色値c1、c2、c3、c4にベクト
ル量exを加えるやり方がある。このような修正をした
AtoBテーブルは、デバイス値からの計算値と実測値
との誤差が0になり、見かけ上は色予測精度を最大にす
ることができる。しかし例えば、予測するデバイス値d
5がd1の近傍にある場合、誤差はほとんどc1に起因
しているため、他のc2、c3、c4も等しく変更する
ことは不適切である可能性がある。また、実測値には一
定の出力誤差と測定誤差が含まれるため、計算誤差を0
にすることが最適であるとは限らない。従って、ズレの
発生への寄与に応じた格子点毎に異なる修正量e1、e
2、e3、e4を、実測値の誤差の影響を考慮しながら
求める必要がある。
【0038】本発明においては、格子点毎の誤差発生へ
の寄与率を見積もる指標として、補間計算に使用した重
み付け係数viを使う。より正確にはviに対する増加
関数f(vi)で寄与率を見積もり、式3の形で修正量
eiを求める。f(vi)としては、viが0のときに
は寄与率が0、viが1の時には寄与率が最大となる性
質を有した各種増加関数を使うことができる。f(v
i)の好ましい一態様としては、補間に使われるM個の
格子点の寄与率が全て等価である場合、すなわちviが
1/mの時に最大の寄与率αとなり、viがそれ以上の
値の時には一定、それ以下の時には単純な1次関数とな
る図7のようなものがある。最大寄与率αとしては、測
定時の誤差の影響を勘案して、0.5〜1.0の値を使
う。
【0039】
【数3】
(数式3)
【0040】上記のような補正作業を、色空間を網羅し
た複数の色パッチに対して行うことにより、AtoBテ
ーブルの色予測精度を向上させることができる。複数の
色パッチへの修正においては、同一の格子点に複数の修
正量が要求される可能性があるが、その場合は各修正量
の相加平均あるいは相乗平均をとる。なお、第2と第3
のステップは、デバイス値と測色値の対応関係のデータ
だけあれば実行できるため、第1のステップで使用した
色パッチとその実測値に加え、修正対象のテーブルを作
成するために使用した色パッチとその実測値も、テーブ
ル修正用に使用することで、実測値の数を増やして精度
向上を図ることができる。
【0041】第1の実施形態における第3のステップの
最後の操作として、修正を施したAtoBテーブルを逆
変換してBtoAテーブルを作成する(ST303)。
最後に得られたAtoBテーブルとBtoAテーブル
を、例えばICC規格に則ったフォーマットで保存する
(ST400)ことにより、修正された変換テーブルが
利用可能となる。
【0042】なお、第1の実施形態においては、第3の
ステップの後でステップST201に戻り、修正したテ
ーブルでの精度を見積もることもできる。さらに、精度
が一定の閾値に収まるまで、または修正による改善効果
が認められなくなるまで第2と第3のステップを繰り返
すこともできる。あるいは、予め定めた一定回数だけ第
2と第3のステップを繰り返すこともできる。
【0043】次に、本発明の第2の実施形態について、
図10により説明する。この実施形態では、人間の目で
観察した結果を明度、色相、彩度の違いとして数値で示
したものでズレを定量化し、ズレ量と補間時の重み付け
係数から求まる修正量だけテーブルを修正する。なお、
図10では、デバイス値としてCMY、測色値としてL
abを使用し、目視判定結果を模式的にLab’として
示し、添え字の0は基準の色、1はデバイス値と測色値
の計算結果、2は出力結果の色を表す。
【0044】第2の実施形態における第1のステップで
は、予め測色値L0a0b0が規定された基準色パッチ
を用意(ST002)した上で、対象とするBtoAテ
ーブルを使って基準の色L0a0b0を再現することが
予想されるデバイス値C1M1Y1を求める。さらに、
対象とするデバイスから求めたデバイス値で出力を行な
う(ST103)。
【0045】基準色パッチは単数でも良いが、複数のパ
ッチを並べた基準色チャートとして使用することもでき
る。基準色パッチは、色再現の目標とするデバイス、例
えば、色校正においてはオフセット印刷により、一定の
デバイス値から構成されたパッチを作成し、その結果を
分光測色計等で実測して作成する。第1の実施形態とは
異なり、必ずプリントされたサンプルとしての基準色パ
ッチを作成する。
【0046】第2の実施形態における第2のステップで
は、基準色パッチと第1のステップでの出力結果を、人
間の目で然るべき条件下で観察し、明度、色相、彩度の
主観的な違いを、数値で示したものをズレ量として記録
する(ST203)。
【0047】第2の実施形態における第2のステップに
おいて、記録されるズレ量は観察者に依存する。そのた
め、事前に測色値の微妙に異なるチャートを観察者が比
較して、明度、色相、彩度の違いを数値で示し、しかる
後に観察者のあげた数値と測色値との対応関係を決めて
おく。例えば、観察者が明度の違いを+2と記録した
時、測色値のL値が+6違っていた場合、明度+1をL
値+3に相当するものとみなす。現実には単純な関係が
得られることは稀だが、色領域毎に大まかな関係を決め
ておくだけで十分である。なお、測色値Labと明度、
色相、彩度との対応関係は、JIS規格で規定されたも
のを使うことができる。この対応関係を使って、観察に
よるズレ量を測色値のズレとして記録する。
【0048】第2の実施形態における第3のステップ
は、第1の実施形態と同等で、ズレ量と補間時の重み付
け係数の修正量を求め(ST301)、その修正量だけ
AtoBテーブルを修正し(ST302)、できあがっ
たAtoBテーブルからBtoAテーブルを作成する。
【0049】第2の実施形態においては、第3のステッ
プの後はテーブルを保存して(ST401)作業を終了
する。第2の実施形態において記録されたズレ量はごく
大まかなものであるため、修正を繰り返し行う作業は好
ましくない。このような実施形態によるテーブルの修正
は、大量の基準色パッチからなる基準色チャートを使っ
てテーブル全体を補正するよりも、肌色やニュートラル
グレー、明度と彩度の高い黄色のように、主観的な評価
因子や微妙な観察条件の影響をうけやすい特定の色再現
の補正用途に使うことが望ましい。
【0050】以下、本発明の第3の実施形態について、
図11により説明する。この実施形態では、出力結果の
実測値でズレを定量化し、ズレ量と信号値との間で相関
関係を有する関数でテーブルを修正する。なお、図11
では、前記の実施形態の際の図と同様、デバイス値とし
てCMY、測色値としてLabを使うものとしており、
添え字の0は基準の色、1はデバイス値と測色値の計算
結果、2は実測の色を表す。
【0051】第3の実施形態における第1のステップと
第2のステップは、第1の実施形態と同等であり、ズレ
量を測色値の差で定量化し、その際のデバイス値を記録
しておく。
【0052】第3の実施形態における第3のステップで
は、ズレ量と信号値との間で相関関係を有する関数g
(C or M or Y)を探索し(ST304)、一定の相
関性認められた場合、求めた関数の逆関数を使ってA2B
テーブル内のデータを修正する(ST305)。
【0053】ズレ量とデバイス値との相関関係を有する
関数の一例を図7に示す。図7では横軸にデバイス値、
一例としてシアン色の網点%を、縦軸に定量化されたズ
レ量、一例としてΔL値をとって、複数の測定結果をプ
ロットしている。ズレ量としては他にΔaやΔbがある
が、さらにJIS規格で規定されているLab値から変
換可能な色相値H、彩度値Cを使うこともできる。相関
関係を有する関数は、2〜4次関数で最少自乗法を使用
する方法や、B−スプライン関数等を使用して求めるこ
とができる。なお、これらの関数は、デバイス値が0の
時には0になる、すなわち原点を通る形状であることが
好ましい。関数の妥当性、すなわち相関関係の有無は、
R二乗平均を使って評価することができる。妥当なR二
乗平均値としては少なくとも0.4以上が望ましい。
【0054】一定以上の相関性を有する関数gが存在し
た場合、変換テーブルに対して、求めた関数の逆変換、
g-1だけ変更することで、テーブルを修正することがで
きる。修正は、多次元テーブルの各要素に対して行うこ
ともでき、また一次変換テーブルに対して行うこともで
きる。
【0055】第3の実施形態における第3のステップの
最後の操作として、第1の実施形態と同様に修正を施し
たAtoBテーブルを逆変換してBtoAテーブルを作
成するST303。この実施形態は、通常経験的に行わ
れているトーン調整補正を、数値処理によって行うこと
に相当する。
【0056】以下、本発明における第4の実施形態につ
いて説明する。この実施形態では、前記した3つの実施
形態を組み合わせた態様をなす。
【0057】第4の実施形態では、前述した3つの実施
形態を組み合わせて実施して、それぞれの利点を生かし
た修正をテーブルにほどこす。すなわち、まず第3の実
施形態によりテーブル全体をトーンを修正し、次に第1
の実施形態により個別の色毎の修正、すなわちテーブル
内の局所的な修正を行い、最後に第2の実施形態により
微妙な人間の主観によるズレを修正する。
【0058】以下、本発明の第5の実施形態について、
図12により説明する。この実施形態は、行う作業の要
素は第1の実施形態と同様であり、出力結果の実測値で
ズレを定量化し、ズレ量と補間時の重み付け係数の修正
量だけテーブルを修正するが、チャートの態様と修正後
に再出力と再測定を行うことを特徴としている。なお、
図12では、前記の実施例の説明図と同様、デバイス値
としてCMY、測色値としてLabを使うものとしてお
り、添え字の0は基準の色、1はデバイス値と測色値の
計算結果、2は実測の色を表す。
【0059】第5の実施形態における第1のステップで
は、測色値から信号値への変換テーブル、すなわちBt
oAテーブルを構築する際の、図1(B)に示すような
テーブルの格子点となる測色値で構成されている基準色
パッチを用意する(ST003)。この場合、格子点を
構成する等間隔なLab値の集合を与えるだけでよく、
通常はプリントされたサンプルとしての基準色パッチは
存在しない。ただし、一連のLab値の中で、デバイス
で再現できない色のものは予め除外しておく。また、B
toAテーブルを構成する全ての格子点からチャートを
構成することもできるが、一定の間隔で間引かれた格子
点のみを使用することもでき、さらに肌色やニュートラ
ルグレー、デバイスの非線形性が生じやすい色の近辺
等、重要と思われる格子点のみを抽出して使用すること
もできる。
【0060】第5の実施形態における第2および第3の
ステップは、第1の実施形態と同等である。
【0061】第5の実施形態においては、第3のステッ
プの後で第1のステップまで戻る。すなわち、修正され
たBtoAテーブルからデバイス値を求めて(ST10
1)、デバイスから出力する(ST102)。このよう
な操作を繰り返して行った出力結果は、出力誤差および
測定誤差の範囲内で、正確にBtoAテーブルの格子点
をなす測色値を再現することが期待できる。従って、第
5の実施形態によって作成されたBtoAテーブルは、
実測値をそのまま使って作成したテーブルと同等とな
り、テーブル作成に伴う誤差の影響をほぼ排除すること
が可能になる。
【0062】
【実施例】以下、本発明の一実施例を説明するが、勿論
本発明はこれだけに限定されるものではない。
【0063】本発明による効果を評価するために、プリ
ンタによる印刷色シミュレート環境を用意し、モデルI
CCプロファイルを作成して、本発明の第1の実施形態
に基づく修正による精度向上効果を確認した。
【0064】プリンタにはエプソン社のインクジェット
プリンタPM3500Cと、純正ソフトウエアRIPで
あるCPSソフトリッパー出力環境を使用した。なお単
純化のため、プリンタはCMYデバイスと見なし、墨色
は常に0として取り扱った。プリンタ用紙としては、オ
フセット印刷用紙に近似させたインクジェット用紙、三
菱IJ−Proof−SG127を使い、出力条件とし
てスーパーファイン紙モード720dpiを選択した。
カラーマッチング環境としては、アドビ社のフォトショ
ップVer6.0を使用し、標準で搭載されているIC
Cプロファイルを使った画像変換機能を利用した。
【0065】モデルICCプロファイルは、図5のワー
クフローに従い、以下の条件で作成した。まず、プリン
タよりデバイス値CMYをそれぞれ6段階で変化させた
6x6x6のパッチの組み合わせからなるチャートを色
補正なしの条件で出力し(ST01)、グレタグ社の分
光測色計のSpctrolinoで測色値を測定した。
次に、線形計算時の精度を向上させるため、ラグランジ
ュ補間を使って実測値を非線形補間して格子数を17x
17x17に増やし(ST03)、このテーブルをデバ
イス値から測色値を求めるモデル系とした(ST0
2)。また、このテーブルをそのままAtoBテーブル
とした(ST04)。次に、AtoBテーブルを四角錐
補間を使って逆変換して(ST05)、LAB空間を格
子数33X33X33に分割させたBtoAテーブルを
作成した(ST06)。なお、LAB空間中でプリンタ
からは完全には再現できない色は、再現可能な色の中で
最も色差が少ないものに変換した。また、CMYデバイ
スと見なすことで墨版生成操作は行わなかった。最後
に、このAtoBテーブルとBtoAテーブルを、IC
C規格で要求される諸情報を付け加えて保存し、ICC
プロファイルとした。
【0066】この様にして作成したプリンタ用ICCプ
ロファイルを、よりカラーマッチング精度が向上するよ
うに修正するため、図6および図9で模式的に示された
ワークフローにて、プロファイルを構成するAtoBテ
ーブルおよびBtoAテーブルの修正を行った。
【0067】まず最初のステップST002の基準色パ
ッチとして、日本印刷学会が制定したジャパンカラー2
001標準色のタイプ3を選んだ。ジャパンカラー標準
色では、ISO12642チャートの928個の色パッ
チのLAB値が定められており、これをそのまま基準色
L0a0b0のチャートとした。具体的には、アドビ社
のフォトショップのプロファイル変換機能を使い、CM
YK作業スペースにジャパンカラー標準色に添付されて
いるICCプロファイルを選択した上で、CMYK画像
であるISO12642チャートデータを、LAB画像
に変換する操作を行った。なお、その際の設定として
は、変換エンジンにはアップル社のカラーシンク、変換
する際の条件には測色値優先(紙白補正無し)を選択し
た。
【0068】ステップST101の、プリンタからチャ
ートの色を再現させるデバイス値C1M1Y1を求める
作業として、ST002で作成したジャパンカラーのL
AB値のISO12642チャート画像を、BtoAテ
ーブルを使ってプリンタCMYK画像データに変換し
た。具体的には、フォトショップにてCMYK作業スペ
ースに作成したプリンタ用ICCプロファイルを選択し
た上で、ST002でLAB画像に変換しておいたIS
O12642チャートを、再びCMYK画像に変換し
た。
【0069】ステップST102では、ST101で作
成したCMYK画像をプリンタから出力し、出力画像上
の928色のパッチを全て測色して、L2a2b2を求
めた。なお、出力時の設定条件はICCプロファイル作
成用に出力した際と同様、スーパーファインモード72
0dpiで色補正無しを選択した。その上で、出力結果
をグレタグ社の分光測色計のSpctrolinoで実
測し、L2a2b2を求めた。
【0070】ステップST201では、デバイス値C1
M1Y1から、AtoBテーブルによって予測される測
色値L1a1b1を求めた。実際の作業としては、ST
101で作成したCMYK画像データを、フォトショッ
プにてCMYK作業スペースに作成したプリンタ用IC
Cプロファイルを選択したままで、再びLAB画像に変
換した。
【0071】ステップST202では、ST201で求
めたL1a1b1と、ステップ102で実測したL2a
2b2の差、ΔL、Δa、Δbを928色全てにわたっ
て記録した。また、ΔL、Δa、Δbをベクトル量eと
したときの、eの絶対値、すなわちL1a1b1とL2
a2b2との平均色差ΔEを928色間でとったとこ
ろ、ΔE=3.5という数値が得られた。色差値は、
6.5以下ならば同系統の色、3.0以下ならば離して
見れば区別がつかない色、1.0以下ならば肉眼ではほ
とんど区別がつかない色、というのが大まかな目安とさ
れており、平均色差3.5は一定レベルのカラーマッチ
ングができていることを示している。しかし校正用途に
おいては可能な限り高い精度が求められるため、テーブ
ルの修正作業を行った。
【0072】修正作業としては、まずデバイス値空間を
AtoBテーブルと同等に格子状に分割した修正量テー
ブルを用意した。次に、基準色を再現するデバイス値C
1M1Y1に対し、デバイス値から測色値を求める際に
使用する各格子点i毎の重み付け係数Viを求め、図7
に示すような関数値f(vi)を計算した。なお線形補
間には6面体補間を使用し、補間時に8個の格子点を使
って計算したため、f(vi)におけるm値は8を使用
した。また、係数αには0.8を使用した。その上で、
チャート上の各928色に対し、ズレ量ΔL、Δa、Δ
bにf(vi)を乗じ、修正量テーブルに記録した。な
お、同一の格子点に対し複数の修正量が与えられたとき
は、各修正量の相加平均値を記録した。
【0073】次に、ステップST302にて、AtoB
テーブルの各格子点上に記録された各測色値に対し、修
正量テーブルの対応する格子点上の修正量を加え、修正
AtoBテーブルとした。
【0074】最後にステップST303にて、モデルI
CCプロファイルを作成した時と同じ逆写像変換処理を
使って、修正AtoBテーブルから修正BtoAテーブ
ルを作成し、修正ICCプロファイルを作成した。
【0075】その上でステップST201に戻り修正I
CCプロファイルを使って、ST202までの操作を行
ったところ、928色の平均色差は1.9に改善され
た。さらにST301からST303までの操作をもう
一度繰り返したところ、平均色差は0.8まで改善する
ことができた。最後に、修正をほどこしたICCプロフ
ァイルを使って、ISOで定められた標準画像SCID
を、ジャパンカラーにカラーマッチングして上記プリン
タ条件より出力したところ、高い精度でオフセット印刷
見本を再現したサンプルが得られた。
【0076】
【発明の効果】本発明のカラーマッチング方法およびそ
の装置により、カラーマッチング精度を向上させるため
の色変換テーブルの修正作業が一定のルーチンワークで
実現することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象である、色変換テーブルの態様の
模式図。
【図2】本発明の対象である、一次変換テーブルを有す
る、色変換テーブルの態様の模式図。
【図3】本発明の対象である、変換テーブルを使った線
形補間の模式図。
【図4】本発明の一実施形態である、重み付け係数を使
った変換テーブルの修正工程の模式図。
【図5】変換テーブルの一例としてICCプロファイル
を作成するフローチャート。
【図6】本発明における実施形態のフローチャートの概
要。
【図7】本発明の一実施態様である、各格子点の誤差の
寄与率を見積もる、重み付け係数viへの増加関数f
(vi)の一例。
【図8】本発明の一実施態様である、目的とした色との
ズレ量と信号値との間で相関関係を有する関数の模式
図。
【図9】本発明の第1の実施形態におけるフローチャー
ト。
【図10】本発明の第2の実施形態におけるフローチャ
ート。
【図11】本発明の第3の実施形態におけるフローチャ
ート。
【図12】本発明の第5の実施形態におけるフローチャ
ート。
【図13】ISO12642チャート。
フロントページの続き Fターム(参考) 2C187 AF03 BF10 GA01 GA03 2C262 AB17 BA01 BA16 BA18 BA19 BC01 BC03 BC11 BC13 BC17 FA12 GA02 5B057 AA11 BA02 CA01 CA08 CA12 CA16 CB01 CB08 CB12 CB16 CC01 CE17 CE18 CH07 CH08 5C077 LL11 MM27 MP08 PP32 PP33 PP36 PP37 PQ12 PQ18 PQ23 TT02 5C079 HB01 HB02 HB08 HB11 HB12 LB02 MA05 MA10 MA11 NA03 NA18 PA03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デバイスに与える信号値と該デバイスか
    らの出力結果の測色値との変換を行うカラーマッチング
    方法において、変換における信号値と測色値の対応表、
    いわゆる変換テーブルを用い、基準とする色を特定のデ
    バイスから出力するステップと、基準の色と出力結果と
    のズレを定量化するステップ、および定量化されたズレ
    量から一意的に決まる修正量に従って変換テーブルを修
    正するステップ、とを有することを特徴とするカラーマ
    ッチング方法。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載のカラーマッチング
    方法において、ズレ量が、デバイスに与えた信号値から
    変換テーブルによって予測される測色値と、出力結果の
    実測された測色値との差であり、かつ修正量が、ズレ量
    と、テーブル変換時にテーブル内の各要素に乗ぜられる
    線形変換用の重み係数であることを特徴とするカラーマ
    ッチング方法。
  3. 【請求項3】 前記請求項1に記載のカラーマッチング
    方法において、ズレ量が、基準色と出力結果の明度、色
    相、彩度の違いを人間の目で観察し、その結果を数値で
    示したものであり、かつ修正量が、ズレ量と、テーブル
    変換時にテーブル内の各要素に乗ぜられる線形変換用の
    重み係数から一意的に求まる量であることを特徴とする
    カラーマッチング方法。
  4. 【請求項4】 前記請求項1に記載のカラーマッチング
    方法において、ズレ量が、デバイスに与えた信号値から
    変換テーブルによって予測される測色値と、出力結果の
    実測された測色値との差であり、かつ修正量が、ズレ量
    とデバイスに与えた信号値との間で相関関係を有する関
    数で与えられることを特徴とするカラーマッチング方
    法。
  5. 【請求項5】 前記請求項2〜4記載のカラーマッチン
    グ方法を、複数組み合わせて行うことを特徴とするカラ
    ーマッチング方法。
  6. 【請求項6】 前記請求項1および2に記載のカラーマ
    ッチング方法において、基準とする色が、測色値から信
    号値への変換テーブルにおける測色値空間上での格子点
    を構成する測色値で与えられることを特徴とするカラー
    マッチング方法。
  7. 【請求項7】 前記請求項1〜6のいずれか1項に記載
    のカラーマッチング方法を実施することを特徴とするカ
    ラーマッチング装置。
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