JP2003296023A - 情報入力表示装置 - Google Patents

情報入力表示装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の液晶ディスプレイ等の表示部上に配置さ
れるタッチパネルなどの入力部の表面に設けられている
フィルムが経時変化や温度・湿度変化により、膨れた
り、波打ってしまう問題があった。 【解決手段】本発明は、表示部の表面上に配置された透
過表示可能な入力部を装置の外装部材に取り付ける際
に、弾性によりフィルムに直接或いは間接に外向きに引
っ張る延伸力を発生させる延伸作用部を備えて、その延
伸力でフィルムの膨れや波打ちの発生を防止する情報入
力表示装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話、PHS
や電子手帳で代表される情報端末装置に搭載される表示
部と、その表示画面上に配置される入力部からなる情報
入力表示装置の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、情報等を表示するための液晶デ
ィスプレイが備えられた情報端末装置が知られている。
その液晶ディスプレイ上には、圧を掛けるように接触す
ることにより、表示事項からの選択指示や、文字・数字
等の入力を行うことができる入力部としてタッチパネル
が搭載されている装置がある。
【0003】このタッチパネルは、一般的には図9に示
すような構造を有している。このタッチパネル1は、絶
縁性を有する透明若しくは透過表示可能なガラス基板1
01(若しくは、樹脂基板)上に蒸着方法などの成膜技
術を用いて導電膜102を形成し、さらに、その上に銀
(Ag)等の抵抗率の低い材料を用いて配線103が形
成される。また別途、PET(ポリエチレンテレフタレ
ート)シート等からなる透明若しくは透過表示可能なフ
ィルム104の両面に耐久性を持たせるためのコーティ
ング膜105を形成し、一方のコーティング膜105上
には導電膜106を形成する。
【0004】上記ガラス基板101の配線103を形成
した面とフィルム104の導電膜106を形成した面を
対面させて、0.1mm程度の間隔が空くように周辺端部
どうしを両面テープなどの粘着剤107により接合して
いる。このような構造において、フィルム104の上面
から押圧をかけることにより、導電膜106と導電膜1
02とが接触して、種々の入力を行うことができる。
【0005】また、この情報端末装置は、携帯用に製造
された場合には小型軽量化されており、カバンやポケッ
トに入れられて持ち運ぶことができる。当然、携帯中や
手に取っている際に誤って下に落としたりするおそれが
あるため、落下時の衝撃を緩衝する対策が設けてあり、
破損を防止している。このタッチパネルを含む表示部に
おいてもゴム等の弾性部材で周囲を包み込み、衝撃のみ
ならず、水分が入り込まないように防水や静電気による
損傷防止が図られている。このような構造として、例え
ば、本出願人は、特開2001−175608号公報に
おいて、図10に示すような衝撃緩和及び防水を実現す
る構成を提案している。
【0006】これは、装置断面を示しており、タッチパ
ネル109と、液晶ディスプレイ(図示せず)とを重ね
合わせて、弾性を有し緩衝部材となる断面がコ字状のガ
スケット108が、その周囲から端部を包み込むように
填められる。このガスケット108を支持して外装部材
110に押さえ付けるようにして金属フレーム(図示せ
ず)で固定している。このような構成において、図10
に示すように、ガスケット108のタッチパネル109
に接触する端部をリング状に形成し、金属フレーム(図
示せず)に押された際に、タッチパネル109の表面と
外装部材110の内面との間で端部が潰れて、防水機能
を持ちつつ、適度な力によりタッチパネル109を押さ
えて固定することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述したタッチパネル
は、経時変化や温度・湿度変化によりパネル表面のフィ
ルム104が膨れたり、波打ってしまう場合がある。こ
れは、ガラス基板101上にフィルム104を粘着剤1
07で、ほぼ全周囲を貼り合わせて固定している。これ
らのフィルム104とガラス基板101には、熱膨張率
や吸湿による延びの差があるため、熱や湿度の影響によ
り、または粘着剤107が熱による変形を生じた場合な
どに発生し易くなっている。
【0008】このようにフィルム104が膨れたり、波
打った場合、入力の際に軽い力でサインしても正しく入
力されなくなったり、フィルム104の導電膜106と
ガラス基板101上の導電膜102がショートして、入
力ができなくなったりする問題が発生する。また、フィ
ルム104とガラス基板101との距離が非常に小さく
なった場合には、ニュートンリングが発生し表示された
情報が見づらくなるという問題も発生させる。
【0009】このタッチパネルは単体で使用されること
はほとんどなく、通常はディスプレイ画面上に配置され
て、装置に組み込まれて使用されている。前述した情報
端末装置に搭載されて、これが業務用であれば、過酷な
条件下(例えば、使用環境−20〜50℃、保存環境−
40〜70℃)で使用されることとなり、優れた耐久性
が求められている。
【0010】図10に示すような情報端末装置に搭載さ
れるタッチパネル(情報入力表示装置)は、衝撃緩和及
び防水を実現させるため、ガスケット108により固定
されている。図示するようなガスケット108でタッチ
パネル109の周囲を押さえている構造においては、タ
ッチパネル109のフィルム104が高い温度や吸湿で
延びた場合、ガスケットで押さえた箇所より内側へ引き
出されたフィルム部分は温度や湿度が下がり元に戻ろう
としてもガスケットの押圧により戻れずに、表示画面上
に留まってしまい、膨れや波打ちが発生することが想定
される。
【0011】また他にも、外装部材110への組み付け
の際や出荷後にタッチパネルが移動して、図11に示す
ようにガスケット108がタッチパネル109の端部を
押さえた状態になると、フィルム104を内側に移動さ
せる力(図11のFe)が発生し、接着された部分が内
側にずれて、フィルムを膨れたり、波打たせたりする。
また、防水やタッチパネル109の移動防止を図るため
に、ガスケット108の端部のつぶし量を増やして、フ
ィルム104を強く押さえつけるほど、顕著に膨れや波
打ちが現れやすくなる。これらのフィルムの膨れや波打
ちが発生すると、前述したと同様な問題が発生する。
【0012】そこで本発明は、液晶ディスプレイ等の表
示部上に配置される入力部のフィルムの膨れや波打ちの
発生を抑制する処理を行い、組み込まれて固定する際に
は、膨れや波打ちの発生をさらに防止する機構を有する
情報入力表示装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、情報を表示する表示部と、前記表示部の表
面上に配置され前記情報を透過表示可能な入力部と、前
記表示部と前記入力部とを収納する筐体とを備え、前記
入力部は、透過表示可能な基材と、透過表示可能なフィ
ルムと、このフィルムを前記基材に重ねて、その周囲部
分を貼付する粘着剤とからなり、前記筐体は、前記フィ
ルムに直接或いは間接に延伸力を加える延伸作用部を有
する情報入力表示装置を提供する。
【0014】また、情報を表示する表示部と、前記表示
部の表面に配置され前記情報を透過表示可能な入力部
と、前記表示部と前記入力部とを収納する筐体と、前記
入力部及び前記表示部の側面部全周を包囲する弾性部材
と、この弾性部材を介して、前記表示部及び入力部の周
囲を保護すると共に、前記筐体とを接続して指示するフ
レーム部材とを備え、前記入力部は、透過表示可能な基
材と、透過表示可能なフィルムと、このフィルムを前記
基材に重ねて、その周囲部分を貼付する粘着剤とからな
り、前記筐体は、前記フィルムに直接或いは間接に延伸
力を加える延伸作用部を有する情報入力表示装置を提供
する。
【0015】以上のような構成の情報入力表示装置は、
延伸作用部により、入力部のフィルムに外向きに引っ張
る延伸力が加えられており、フィルムに膨れや波打ちの
発生が防止される。また、延伸作用部を組付けの際に、
位置関係のずれがあっても、延伸作用部が適正な位置へ
誘導して、表示部の全周辺が均一に押さえられる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について詳細に説明する。まず、情報を透過表示
可能な入力部となる、前述した図9に示したような構造
のタッチパネルの単体におけるフィルムに膨れや波打ち
が発生することを抑制するためのアニール処理について
説明する。このアニール処理は、後述する各実施形態に
おいて、タッチパネルのフィルムの膨れや波打ちの発生
を防止する機構に組み付ける前に施している。
【0017】図4に示すように、タッチパネル1を平坦
なガラス板2の上に載置して、その上面に平坦なPET
シート3、さらにオモリとなる平坦なガラス板4を載せ
て、タッチパネル1に均等な荷重を掛ける。ここでは、
1枚のタッチパネルに例えば、240g程度の荷重で実
施している。そして、大気下で120℃、45分のアニ
ール処理を施す。このアニール処理は、ヒータ加熱やラ
ンプ加熱を用いて行う。
【0018】このようなアニール処理されたタッチパネ
ル1のフィルムにおける膨れや波打ちの防止効果につい
て説明する。上記アニール処理を行ったタッチパネルと
アニール処理を行っていないタッチパネルとを用意し、
タッチパネルの膨れ量を計測する。次に、経時変化でタ
ッチパネルの膨れ量がどう変化するかを見るために、加
速試験を行う。この加速試験は、例えば、温度70℃、
相対湿度85%の高温高湿の環境中に12時間放置す
る。表1に、この条件で加速試験を行ったアニール処理
済みのタッチパネルと未アニール処理のタッチパネルの
計測結果を示した。
【0019】
【表1】
【0020】この測定結果により、アニール処理済みの
タッチパネルでは、加速試験前後て、ほとんど数値の変
化はなく、タッチパネル単体で膨れが発生しないことが
わかる。一方、未アニール処理のタッチパネルでは、膨
れ量が最大で4.3倍、平均でも3.9倍に膨れが増え
ている。
【0021】このように、アニール処理を行うことによ
って、タッチパネルそのものが持っている膨れや波打ち
の発生要因を抑制することができる。
【0022】次に、第1の実施形態として、情報端末装
置に搭載したタッチパネルのフィルムに膨れや波打ちが
発生することを防止する機構について説明する。図1
は、アニール処理されたタッチパネルを情報端末装置へ
搭載する際の組付け構成を示している。この情報端末装
置は、携帯用に設計されており、落下時の破損防止、防
水、防塵及び静電気による損傷を防止する構造となって
いる。
【0023】この構成において、裏面側に駆動回路が実
装された液晶表示素子(LCD)11の表示画面上にタ
ッチパネル1が配置されて、これらの周囲を後述する弾
性を有して緩衝部材となる断面がコ字型の枠形状のガス
ケット12が嵌合される。このガスケット12は、金属
フレーム14で支持されつつ、外装部材13に押さえ付
けるようにして固定される。図2は、この構成におい
て、ガスケット12が外装部材13に固定されている状
態を拡大した断面構成を示している。このタッチパネル
1のフィルム1aの端部は、タッチパネル基板1bの端
面より内側に入り込むようにカットされている。これ
は、万一、タッチパネルが端面側から押された場合であ
っても、フィルムの端面側からは押されないように「に
げ」として設けられたものである。
【0024】ガスケット12は、弾性及び耐熱性を有
し、劣化しにくく容易に変形する部材からなる。その材
料としては、例えば、シリコーンゴム等のゴム類、防水
機能を有する独立発泡タイプのスポンジ等が考えられ
る。また、外装部材の内側には、ガスケット12の角部
分が当接するように傾斜部13aが設けられている。
【0025】図3(a)〜(c)を参照して、組み付け
時のガスケット12によるタッチパネル端面側(外向
き)への押す力の発生について説明する。図3(a)
は、図2を拡大して、外装部材13への組み付け前の状
態を示している。このタッチパネル1を外装部材13へ
押し付ける際には、図3(b)に示すように、金属フレ
ーム14を外装部材13に押し当てるようにすると、ガ
スケット12の内側角12aが外装部材の内側の傾斜部
13aに当接する。さらに、金属フレーム14を外装部
材13に押し付けると、内側角12aが傾斜部13aに
より凹みながら、外側に押し出されるように変形する。
つまり、ガスケット12が外装部材13に押し付けられ
ると、内側角12aへ傾斜部13aから斜め方向の力f
(水平方向の力f1、垂直方向の力f2)が加わり、こ
の力の水平水平方向の力(延伸力)f1がタッチパネル
1のフィルム1aを外向きに引っ張るように作用する。
また、垂直方向の力f2は、フィルム1aを押さえてタ
ッチパネル1を固定させ、且つ水分や埃の進入を防止す
るように作用している。
【0026】このフレーム14の上部14aは、組み付
けた際に外装部材13に接触しないように低くされてい
る。このフレーム14により支持されない部分を設ける
ことにより、ガスケット12が外側へ押し出された際に
変形しやすくなる。尚、このガスケット12の内側角部
12bには、ザグリ部分が設けられており、タッチパネ
ル1のフィルム1aの端部に接触しないように形成され
ている。
【0027】またガスケット12を外装部材13へ組み
付ける際に、誤差等により位置関係にずれが発生して、
内側角12aが最適な傾斜部13aに当接しない場合も
考えられる。これに対しては、図3(c)に示すよう
に、ガスケット12の上面が外装部材13の内側平坦部
13bに当接するまで、内側角12aが傾斜部13aを
移動することとなり位置関係が補正される。この補正に
より、当初組み付け位置関係がずれていたとしてもタッ
チパネル1の全周辺が均一に押さえられるように合わせ
込まれることとなる。
【0028】この第1の実施形態の構成によれば、タッ
チパネル1のフィルム1aに外向きに引っ張る延伸力が
加えられており、フィルムに膨れや波打ちが発生するこ
とを防止することができる。また、水分や埃の進入を防
止し、且つ外部から加わった衝撃に対して衝撃を緩和
し、損傷を防止することもできる。さらに、組付けの際
に位置関係のずれがあっても、ガスケットが適正な位置
へ誘導して、タッチパネルの全周辺が均一に押さえられ
る。
【0029】このような金属フレーム14で外装部材1
3に固定した場合、ガスケット12の内側角12aは、
外装部材13に傾斜部13aに当て付けられて、凹むよ
うに変形している。これは水や埃の進入を防止するため
に、ある程度の潰れが必要となっている。この潰れによ
るタッチパネル1のフィルム1aに膨れや波打ちへの影
響について説明する。[表2]を参照して、タッチパネ
ルを装置に組み込んだ際のガスケットの変形(つぶし
量)について説明する。[表2]は、本実施形態による
構造でタッチパネルを固定した時の計測した結果の一例
を示している。装置への組み付けた際に、当て付けられ
たガスケット12の内側角12aのつぶし量を0.2、
0.4、0.6、0.8(mm)として、組み付け直後の
フィルム1aの膨れ量と、組み付け後に加速試験(例え
ば、70℃、湿度85%の雰囲気中で12時間放置)し
たフィルム1aの膨れ量をそれぞれ計測した結果を示し
ている。また、比較のため従来の構造のもので加速試験
を行った結果をあわせて示している。
【0030】
【表2】
【0031】この結果から、本発明の構造では、加速試
験後の膨れ量は、組み付け直後の膨れ量よりも減少する
傾向があり、経時変化によるフィルムに膨れや波打ちの
発生が抑制されていることが示されている。また、つぶ
し量に対してフィルムの膨れ量は、ほとんど影響されて
いないことがわかる。従って、本実施形態の機構による
タッチパネルの装着によれば、水分や埃の内部進入を防
止するためにガスケットに圧を掛けたとしてもタッチパ
ネルのフィルムに膨れや波打ちが発生しないという効果
が得られる。
【0032】次に、第2の実施形態として、情報端末装
置に搭載したタッチパネルのフィルムに膨れや波打ちが
発生することを防止する機構について説明する。本実施
形態は、前述した第1の実施形態におけるガスケット1
2を変形したガスケットを用いた例であり、図5
(a)、(b)には、その断面構成を示している。前述
した第1の実施形態では、外装部材13の内側に傾斜部
が設けられていたが、本実施形態は、この傾斜部を設け
ずに、ガスケットのみで外向きに引っ張る延伸力を発生
させた構成である。
【0033】図5(a)に示すように、断面がコ字型の
ガスケット21の上面には、それぞれ枠状に一周するく
さび形状の突起部22(22a,22b)が設けられて
いる。これらの突起部22は、外側が斜辺(鋭角)aと
し、内側は垂直辺bとして形成されている。尚、垂直辺
bは、斜辺aよりも角度が大きい(鈍角)で同じ傾き方
向の斜辺としてもよい。
【0034】そして図5(b)に示すように、外装部材
23に組み付けられる際に、突部22の先端部分が外装
部材13の内上面に当接した後、更に押し付けると、突
起部22が外側に押し出されるように変形して、ガスケ
ット21の上部を外向きに水平方向に引っ張る力f2が
発生する。
【0035】これにより、タッチパネル1のフィルム1
aに延伸力f1が加えられ外向きに引っ張られて、フィ
ルムの膨れや波打ちの発生が防止できる。また、水分や
埃の進入を防止し、且つ外部から加わった衝撃に対して
衝撃を緩和し、損傷を防止することもできる。さらに本
実施形態は、ガスケット単体で実施できるため、斜面部
を有していない従来の外装部にも容易に適用でき、従来
装置を改善する効果もある。
【0036】次に、第3の実施形態として、情報端末装
置に搭載したタッチパネルのフィルムに膨れや波打ちが
発生することを防止する機構について説明する。前述し
た第1、2の実施形態では、携帯用情報端末装置を対象
としていたため、搭載されるタッチパネルに対する衝撃
緩和を考慮して、枠形状で断面がコ字型のガスケットを
用いたが、本実施形態は、ガスケットによる衝撃緩和を
それほど重要視せず、防水や防塵を考慮した簡易な構成
である。
【0037】図6は、液晶表示素子(LCD)11の表
示画面上に配置されたタッチパネル1は、パネル上で周
囲を囲む枠形状のガスケット31を挟んで図示しない金
属フレームに支持されつつ、外装部材13に押さえ付け
るようにして固定される。
【0038】このガスケット31は、前述した第1の実
施形態と同様に、外装部材13から押さえ付けられた際
に、傾斜部13aから内側角12aへ力fが加わり、こ
の力fの水平方向の力(延伸力)f1がタッチパネル1
のフィルム1aを外側へ引っ張るように作用する。ま
た、力fの垂直方向の力f2は、フィルム1aを押さえ
てタッチパネル1を固定させ、且つ水分や埃の進入を防
止するように作用している。本実施形態によれば、簡易
な構成により、フィルムの膨れや波打ちの発生の防止、
及び水分や埃の進入の防止を実現することができる。
【0039】次に、第4の実施形態として、情報端末装
置に搭載したタッチパネルのフィルムに膨れや波打ちが
発生することを防止する機構について説明する。前述し
た第3の実施形態と同様に、ガスケットによる衝撃緩和
をそれほど重要視せず、防水や防塵を考慮した簡易な構
成である。
【0040】図7(a)、(b)に示すように、前述し
たガスケット12と同じ材料のゴムやスポンジにより形
成した、枠形状で断面がくさび形のガスケット42が装
置の外装部41の内面側に取り付けられている。また、
ガスケットの材料として、エラストマー等を用いて外装
部材41と一体的に形成することもできる。タッチパネ
ル1は、LCD11と共に図示しない金属フレームに支
持されて、外装部材41に押さえ付けるようにして固定
される。この時、ガスケット41は、先端部がフィルム
1aに当接した後、さらに押し付けられることにより、
外側に折れ曲がるように変形する。この変形により、フ
ィルム1aを外向きに引っ張るように作用する延伸力f
1が発生する。
【0041】本実施形態によれば、簡易な構成により、
延伸力f1を生じさせてフィルムの膨れや波打ちの発生
の防止し、さらに、水分や埃の進入の防止を実現するこ
とができる。
【0042】次に図8に第5の実施形態としての情報端
末装置に搭載した情報入力表示装置のタッチパネルのフ
ィルムに膨れや波打ちが発生することを防止する機構の
構成例を示し説明する。この構成は、この表示装置は、
駆動用回路素子が実装された回路基板61と、液晶表示
素子62と、接触(押圧)により入力を行うタッチパネ
ル63と、回路基板61と液晶表示素子62とタッチパ
ネル63とを一体的に支持する支持部64と、一体的と
なったこれらを周囲から嵌合する枠形状で断面がコ字型
のガスケット65と、ガスケット65に嵌合する際にタ
ッチパネル63とガスケット65との間に差し込まれる
シート66とで構成される。また、これらは、金属フレ
ーム67により、外装部材68に固定される。
【0043】図8(a)に示すように、液晶表示素子6
2が側端に照明等が配置されている構造であった場合
に、ガスケット65でカバーする部分がタッチパネル自
体に充分掛からない構成となる場合があり、前述したガ
スケット65による延伸力が作用しないことが考えられ
る。また、図8(b)に示すように、タッチパネル63
と支持部64との間に僅かでも隙間があった場合、ガス
ケット65がタッチパネル63に充分に接触しないこと
があり、防水機能が作用し難くなることが考えられる。
【0044】そこで本実施形態では、タッチパネル63
にシート66を貼着して、支持部64とタッチパネル6
3のフィルム63aと隙間を無くし、且つシート66と
フィルム63aを貼着することにより、ガスケット65
で発生した延伸力をフィルム63aへ充分に作用させて
いる。尚、このシート66は、例えば、ボリエチレンテ
レフタレート(PET)等の樹脂材料を使用できるが、
勿論、限定されるものではない。本実施形態では、0.
3mm程度の厚さのシートにより、ガスケット65からフ
ィルム63aへ充分な延伸力が伝達されたことを確認し
ている。従って、本実施形態によれば、タッチパネルに
ガスケットとの間にシートを挟むことで密着性を高め
て、発生された延伸力が作用するように構成して、フィ
ルムの膨れや波打ちの発生の防止し、さらに、水分や埃
の進入の防止を実現することができる。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、液
晶ディスプレイ等の表示部上に配置される入力部のフィ
ルムの膨れや波打ちの発生を抑制する処理を行い、組み
込まれて固定する際には、膨れや波打ちの発生をさらに
防止する機構を有する情報入力表示装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】タッチパネルを情報端末装置へ搭載する際の組
付け構成例を示す図である。
【図2】第1の実施形態におけるタッチパネルを情報端
末装置へ搭載する際の組付け構成例の詳細な断面構成を
示す図である。
【図3】第1の実施形態における組み付け時のガスケッ
トにより発生する延伸力について説明するための図であ
る。
【図4】タッチパネルのアニール処理について説明する
ための図である。
【図5】第2の実施形態におけるタッチパネルを情報端
末装置へ搭載する際の組付け構成例の詳細な断面構成を
示す図である。
【図6】第3の実施形態におけるタッチパネルを情報端
末装置へ搭載する際の組付け構成例の詳細な断面構成を
示す図である。
【図7】第4の実施形態におけるタッチパネルを情報端
末装置へ搭載する際の組付け構成例の詳細な断面構成を
示す図である。
【図8】第5の実施形態におけるタッチパネルを情報端
末装置へ搭載する際の組付け構成例の詳細な断面構成を
示す図である。
【図9】タッチパネルの一般的な構成例を示す図であ
る。
【図10】携帯型情報端末装置に搭載するタッチパネル
における従来の衝撃緩和及び防水機能を備えた組付け機
構の例を示す図である。
【図11】従来の衝タッチパネルの組付け機構における
問題について説明するための図である。
【符号の説明】
1…ガスケット 1a…フィルム 1b…タッチパネル基板 11…液晶表示素子(LCD) 12…ガスケット 13…外装部材 14…金属フレーム
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 5/02 H05K 5/02 A (72)発明者 望主 英伸 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 清水 徳生 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 鈴木 隆 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 ヘンリー・グロスフェルド アメリカ合衆国、ニューヨーク州 11021、 グレート・ネック、ナサウ・ロード 50 (72)発明者 ジョアネ・カラマーリ アメリカ合衆国、ニューヨーク州 11563、 リンブルック、メルローズ・アベニュー 28 (72)発明者 ロバート・コワルスキー アメリカ合衆国、ニューヨーク州 11725、 コンマック、エドショー・レーン 8 Fターム(参考) 2H089 HA18 HA40 JA10 QA04 TA06 UA09 2H092 GA62 NA25 PA05 RA10 4E360 AA02 AB04 AB05 BA12 BA15 BC06 BC07 BD03 CA03 ED17 ED23 ED27 FA08 GA22 GA36 GA53 GB04 GB26 GC08 GC12 5B087 CC12 5G435 AA12 AA14 BB12 EE10 LL07 LL11

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報を表示する表示部と、前記表示部の
    表面上に配置され前記情報を透過表示可能な入力部と、
    前記表示部と前記入力部とを収納する筐体とを備え、 前記入力部は、透過表示可能な基材と、透過表示可能な
    フィルムと、このフィルムを前記基材に重ねて、その周
    囲部分を貼付する粘着剤とからなり、 前記筐体は、前記フィルムに直接或いは間接に延伸力を
    加える延伸作用部を有することを特徴とする情報入力表
    示装置。
  2. 【請求項2】 前記入力部の少なくとも前記周囲部分に
    接する弾性部材を備え、 前記延伸作用部は、前記基材の面方向に前記フィルムを
    延伸させるように、前記弾性部材を介して、延伸力を加
    えるものであることを特徴とする請求項1に記載の情報
    入力装置。
  3. 【請求項3】 前記延伸作用部は、前記基材の面方向に
    前記フィルムを延伸させるように、前記筐体と一体成形
    により設けられた斜面であることを特徴とする請求項1
    に記載の情報入力装置。
  4. 【請求項4】 前記延伸作用部は、前記基材の面方向に
    前記フィルムを延伸させるように、前記筐体と一体成形
    により設けられた突起部であることを特徴とする請求項
    1に記載の情報入力装置。
  5. 【請求項5】 前記弾性部材は、前記延伸作用部に接触
    する突起部を備えたことを特徴とする請求項2に記載の
    情報入力表示装置。
  6. 【請求項6】 情報を表示する表示部と、 前記表示部の表面に配置され前記情報を透過表示可能な
    入力部と、 前記表示部と前記入力部とを収納する筐体と、 前記入力部及び前記表示部の側面部全周を包囲する弾性
    部材と、 この弾性部材を介して、前記表示部及び入力部の周囲を
    保護すると共に、前記筐体とを接続して支持するフレー
    ム部材と、 を備え、 前記入力部は、透過表示可能な基材と、透過表示可能な
    フィルムと、このフィルムを前記基材に重ねて、その周
    囲部分を貼付する粘着剤とからなり、 前記筐体は、前記フィルムに直接或いは間接に延伸力を
    加える延伸作用部を有することを特徴とする情報入力表
    示装置。
  7. 【請求項7】 前記延伸作用部は、前記筐体と一体成形
    により設けられた斜面であり、前記基材の面方向に前記
    フィルムを延伸させるように、前記弾性部材の角部と接
    触させること特徴とする請求項6に記載の情報入力表示
    装置。
  8. 【請求項8】 前記延伸作用部は、前記筐体と一体成形
    により設けられた突起部であり、前記基材の面方向に前
    記フィルムを延伸させるように、前記弾性部材と接触さ
    せること特徴とする請求項6に記載の情報入力表示装
    置。
  9. 【請求項9】 前記フレーム部材は、少なくとも前記筐
    体の接触面側において前記弾性部材に接触しないよう
    に、前記表示部及び入力部の厚みよりも前記フレーム部
    材の支持部の高さを小さくしたことを特徴とする請求項
    6に記載の情報入力表示装置。
  10. 【請求項10】 前記弾性部材は、前記延伸作用部に接
    触する突起部を備えたことを特徴とする請求項6に記載
    の情報入力表示装置。
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