JP2003295868A - 産業機械の防音装置 - Google Patents

産業機械の防音装置

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JP2003295868A
JP2003295868A JP2002099246A JP2002099246A JP2003295868A JP 2003295868 A JP2003295868 A JP 2003295868A JP 2002099246 A JP2002099246 A JP 2002099246A JP 2002099246 A JP2002099246 A JP 2002099246A JP 2003295868 A JP2003295868 A JP 2003295868A
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weight
chlorine
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Masahiro Nishii
雅宏 西井
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 産業機械から発せられる騒音を効果的に軽減
することができるとともに放熱性に優れ、しかも水分を
吸収することのない産業機械の防音装置を提供する。 【解決手段】 産業機械の防音装置は、産業機械の筐体
4の内面または外面に、損失正弦(tanδ)のピーク
値が1.5以上である有機高分子材料からなる制振シー
ト1を片面において貼り合わせ、同シート1の他面に、
縦弾性係数が1GPa以上である拘束部材2を貼り合わ
せたものである。好ましい有機高分子材料は、塩素含有
量20〜70重量%の塩素系高分子材料と、炭素数12
〜16で且つ塩素含有率30〜70重量%の第1塩素化
パラフィンおよび炭素数20〜50で且つ塩素含有率3
0〜70重量%の第2塩素化パラフィンの混合物とから
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は産業機械の防音装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、ルームエアコンの室外ユニッ
トには通常コンプレッサが装備されており、ルームエア
コンの運転時にはコンプレッサから大きな騒音が発生す
る。特に、夜間等周辺が静寂になった場合には、近隣に
迷惑をかけるおそれがあり、室外ユニットのコンプレッ
サから発生する騒音の防音対策が必要である。
【0003】ルームエアコンの室外ユニットのコンプレ
ッサから発生する騒音の軽減を目的とした防音装置とし
て、従来、耐熱性または防炎性を有する有機合成繊維を
50%以上含有する繊維材を、100〜180℃の温度
で10〜60分間加熱処理し、ニードルパンチングして
なる防音フェルトを、コンプレッサの筐体の外面に貼り
合わせたものが知られている(特開平7−42059号
公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の防音装置では、繊維材を、100〜180℃の
温度で10〜60分間加熱処理し、ニードルパンチング
することにより防音フェルトを作製しているため、作製
に手間がかかる。また、防音フェルトの熱伝導率が低い
ために、放熱性能が低下する。さらに、ルームエアコン
のコンプレッサの場合、コンプレッサの周辺が冷却され
ることにより筐体表面に結露水が発生し、これが防音フ
ェルトに吸収されて吸音率が低下する。
【0005】本発明の目的は、上記問題を解決し、産業
機械から発せられる騒音を効果的に軽減することができ
るとともに放熱性に優れ、しかも水分を吸収することの
ない産業機械の防音装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明による産
業機械の防音装置は、産業機械の筐体の内面または外面
に、損失正弦(tanδ)のピーク値が1.5以上であ
る有機高分子材料からなる制振シートが片面において貼
り合わせられ、同シートの他面に、縦弾性係数が1GP
a以上である拘束部材が貼り合わせられることを特徴と
するものである。
【0007】請求項1の発明において、制振シート用の
有機高分子材料は、損失正弦(tanδ)のピーク値が
1.5以上であれば、特に限定されないが、極性基を有
する高分子材料が好ましい。このような高分子材料の例
として、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジ
エンゴム、フッ素系ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリビニルブチラール、クロロスルフォン化ポリエ
チレン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル系樹脂、塩素
化塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニ
ル−塩化ビニリデン共重合体、ハロゲン化ポリマー、フ
ッ素系ポリマー、臭素系ポリマー、ポリウレタン系熱可
塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマ
ー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどが挙げられ
る。
【0008】有機高分子材料のハロゲン含有量は、少な
すぎると制振性が低下し、多すぎると制振シートが硬く
なりすぎて成形が難しくなるので、好ましくは20〜7
0重量%である。
【0009】有機高分子材料には必要に応じて可塑剤が
添加されてもよい。特に有機高分子材料が硬過ぎる場
合、可塑剤を添加するのが好ましい。可塑剤としては、
通常、塩化ビニル系樹脂に使用されるものが使用でき、
例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジエチル、フタ
ル酸ジイソノニル、テトラブロモフタル酸ジ−2−エチ
ルヘキシル等のフタル酸系可塑剤;トリクレジンホスフ
ェート、トリス(1,3−ジシクロ−2−プロピル)ホ
スフェート等のリン酸エステル系可塑剤;トリ−2−エ
チルヘキシルトリメリテート等のトリメリット酸エステ
ル系可塑剤;エポキシ系可塑剤;ポリエステル系可塑剤
などが挙げられる。植物油系の可塑剤も好ましい。塩素
化パラフィンのブリードアウトを抑制するには、フタル
酸系可塑剤が好ましい。これらは単独で用いても、2種
類以上組み合わせ用いてもよい。フタル酸系可塑剤以外
の可塑剤を用いる場合には、これにフタル酸系可塑剤と
併用するのが好ましい。
【0010】可塑剤の配合量は、有機高分子材料100
重量部に対し50〜200重量部、好ましくは60〜1
80重量部、より好ましくは100重量部以下である。
この範囲でブリードアウトが抑制でき、制振効果も発現
できる。
【0011】有機高分子材料には必要に応じて充填材が
添加されてもよい。特に、樹脂組成物にある程度の硬さ
を付与したいときは、充填材を添加するのがよい。充填
材としては、鉄粉、アルミニウム粉、銅粉等の金属粉;
マイカ、カオリン、モンモリロナイト、シリカ、炭酸カ
ルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
リン酸マグネシウム、結晶性炭素(グラファイト等)、
バーミキュライト等の無機質充填材などが例示される。
これらは、単独で用いられても、2種類以上併用されて
もいい。充填材の量は、多すぎると樹脂組成物の制振性
が低下するので、有機高分子材料100重量部に対し
て、好ましくは300重量部以下である。
【0012】有機高分子材料からなる制振シートの作製
方法は、特に限定されず、例えば押出成形法、カレンダ
ー成形法、溶剤キャスト法等の一般的なシート成形方法
であってよい。得られたシートを所要サイズにカットし
て防音装置の構成に供する。
【0013】請求項1の発明において、拘束部材は、縦
弾性係数が1GPa以上であるものであれば特に限定さ
れないが、制振シート用の有機高分子材料より縦弾性係
数が大きい材料がよい。
【0014】このような拘束部材の例として、鉛、鉄、
鋼材(ステンレス鋼を含む)、アルミニウム(アルミニ
ウム合金を含む)等の金属材料;コンクリート、石膏ボ
ード、大理石、スレート板、砂板、ガラス等の無機材
料;ポリカーボネート、ポリサルフォン等のビスフエノ
ールA変性樹脂;ポリ(メタ)アクリレートなどのアク
リル樹脂;塩化ビニル系樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂
等の塩素系樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン系ゴム等のゴム系材料;ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート等の飽和ポリエステル;
スチレン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のオ
レフィン系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、アラミド
(芳香族ポリアミド)等のポリアミド系樹脂;メラミン
系樹脂;ポリイミド系樹脂;ウレタン系樹脂;ジシクロ
ペンタジエン、ベークライト等の熱硬化性樹脂;木、紙
等のセルロース系材料;キチン、キトサンなどからなる
板材またはシートが挙げられる。
【0015】これらは単独で用いても、2以上の組み合
わせで用いてもよい。拘束部材はガラス繊維、カーボン
繊維、液晶などで補強されていてもよく、互いに異なる
材料からなる複合板であってもよく、さらに、これらの
材料からなる発泡体であってもよい。
【0016】拘束部材の形状は、好ましくはシート状で
ある。金属製の拘束部材が屋外に露出する場合には、メ
ッキや塗装を施すのが好ましい。平滑な金属板からなる
拘束部材は反射率が大きくなる傾向を有するので、表面
に凹凸を設ける、孔を開ける、拘束部材を無機材にす
る、などにより反射率を低減させるのが好ましい。孔径
は、孔が汚れなどで塞がれないようにまた孔内に水が浸
透しないように、直径3〜20mm程度にするのがよ
い。拘束部材が振動していても、拘束部材の縦弾性係数
があまり低下しなければ、表面の凹凸や孔開けなどで防
音効果は増す傾向にある。
【0017】請求項1の発明において、制振シートおよ
び拘束部材の厚みは任意であってよいが、薄すぎると制
振性能が劣り、厚すぎると防音壁の厚みが大きくなるの
で、制振シートの厚みは好ましくは0.1〜10mm、
拘束部材の厚みは好ましくは0.01〜10mmであ
る。縦弾性係数100GPa以上の硬い拘束部材の場合
は、厚みは好ましくは0.05〜5mmである。
【0018】請求項2の発明による産業機械の防音装置
は、請求項1の発明において、有機高分子材料が、塩素
含有量20〜70重量%の塩素系高分子材料と、炭素数
10〜50で且つ塩素含有量30〜70重量%の少なく
とも1種の塩素化パラフィンとからなる樹脂組成物であ
ることを特徴とするものである。
【0019】請求項2の発明において、有機高分子材料
を構成する塩素系高分子材料は、請求項1の制振シート
用の有機高分子材料のうち塩素系のものであってよく、
たとえば、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、
塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩素化ポリエチ
レン系樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。
【0020】塩素系高分子材料の塩素含有量は、少なす
ぎると制振性が低下し、多すぎると制振シートが硬くな
りすぎて成形が難しくなるので、20〜70重量%とす
るのがよい。
【0021】請求項2の発明において、有機高分子材料
を構成する塩素化パラフィンは、炭素数が10〜50
で、塩素含有率が30〜70重量%であるものであれ
ば、限定されず、液状のものでも固体のものでもよい。
塩素化パラフィンは、単一物質からなるものでも、2以
上の物質の混合物でもよい。塩素化パラフィンは1種類
で単独使用されても、2種類以上併用されてもよい。
【0022】塩素化パラフィンの炭素数は、小さすぎる
と塩素化パラフィンがブリードアウトしてしまい、大き
すぎると十分な制振性が発現しないため、好ましくは1
2〜50であり、塩素化パラフィンが1種類で使用され
る場合、好ましくは12〜20、より好ましくは12〜
16である。
【0023】塩素化パラフィンの塩素含有量は、少なす
ぎると、充分な制振性が発現せず、且つ、塩素化パラフ
ィンが塩素系高分子材料と相溶しにくくブリードアウト
する恐れがあり、多すぎると、やはり塩素化パラフィン
が塩素系高分子材料と相溶しにくくブリードアウトする
恐れがあるので、30〜70重量%とするのがよい。塩
素化パラフィンの塩素含有量が塩素系高分子材料の塩素
含有量に近いほど、制振性が良くなるので、塩素系高分
子材料の塩素含有量に従って、塩素化パラフィンの塩素
含有量を決めればよい。
【0024】請求項2の発明の有機高分子材料におい
て、塩素系高分子材料に対する塩素化パラフィンの量
は、少なすぎると十分な制振性が得られず、多すぎると
強度が小さくなって樹脂組成物が形態を保持しにくくな
るため、塩素系高分子材料100重量部に対して100
〜400重量部であることが好ましい。
【0025】請求項2の発明の樹脂組成物には必要に応
じて可塑剤、充填材等が添加されてもよい。可塑剤、充
填材の例示および添加量は請求項1におけるものと同じ
であってよい。
【0026】請求項3の発明による産業機械の防音装置
は、請求項1の発明において、有機高分子材料が、塩素
含有量20〜70重量%の塩素系高分子材料と、炭素数
12〜16で且つ塩素含有率30〜70重量%の第1塩
素化パラフィンおよび炭素数20〜50で且つ塩素含有
率30〜70重量%の第2塩素化パラフィンの混合物
(ただし第1塩素化パラフィンの割合が第2塩素化パラ
フィンの割合より大きい)とからなる樹脂組成物である
ことを特徴とするものである。
【0027】請求項3の発明において、有機高分子材料
を構成する塩素系高分子材料は、請求項1の制振シート
用の有機高分子材料のうち塩素系のものであってよく、
例えば、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩
化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩素化ポリエチレ
ン系樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。
【0028】塩素系高分子材料の塩素含有量は、少なす
ぎると制振性が低下し、多すぎると制振シートが硬くな
りすぎて成形が難しくなるので、20〜70重量%とす
るのがよい。
【0029】請求項3の発明の有機高分子材料におい
て、塩素化パラフィンは、炭素数12〜16で且つ塩素
含有率30〜70重量%の第1塩素化パラフィンおよび
炭素数20〜50で且つ塩素含有率30〜70重量%の
第2塩素化パラフィンの混合物である。このように炭素
数が互いに異なる2種の塩素化パラフィンを用いること
により、損失正弦(tanδ)のピーク値をより上昇さ
せ、すぐれた制振性を得ることができる。
【0030】この場合、第1塩素化パラフィンの割合を
第2塩素化パラフィンの割合より大きくすると、損失正
弦(tanδ)のピーク値をより上昇させるとともに長
期に亘って維持することができ、且つ、塩素化パラフィ
ンの制振シートからのブリードアウトを抑制させること
ができるので好ましい。
【0031】請求項3の発明の有機高分子材料におい
て、塩素系高分子材料に対する塩素化パラフィン混合物
の量は、少なすぎると十分な制振性が得られず、多すぎ
ると強度が小さくなって樹脂組成物が形態を保持しにく
くなるため、塩素系高分子材料100重量部に対して5
0〜400重量部であることが好ましい。
【0032】請求項3の発明の樹脂組成物には必要に応
じて可塑剤、充填材等が添加されてもよい。可塑剤、充
填材の例示および添加量は請求項1におけるものと同じ
であってよい。
【0033】請求項1〜3の発明による防音装置は、ル
ームエアコンのコンプレッサのみならず、クーリングタ
ワー、ブロワなどの種々の産業機械に用いられる。
【0034】請求項1〜3の発明による防音装置を産業
機械に設置する方法は任意であってよいが、現場での施
工性を良くするためには、予め制振シートと拘束部材を
貼り合せて貼り合わせ体を作製しておき、この貼り合わ
せ体を現場で産業機械の筐体の所定の面に、制振シート
側の面で貼付けるのがよい。
【0035】(作用)請求項1の発明による産業機械の
防音装置は、産業機械の筐体の内面または外面に、損失
正弦(tanδ)のピーク値が1.5以上である有機高
分子材料からなる制振シートが片面において貼り合わせ
られ、同シートの他面に、縦弾性係数が1GPa以上で
ある拘束部材が貼り合わせられるので、優れた制振性能
を有する制振シートが、産業機械の運転の際に発生する
振動を吸収し、高い防音性能を有する。しかも、優れた
防音効果を有するので、制振シートおよび拘束部材を合
わせた厚みを薄くすることができる。また、制振シート
が水分を吸収することはないので、結露水などに起因す
る防音性能の低下が防止される。また、制振シートは、
一般的なシート成形法により作製することができるの
で、作製の手間がかからない。さらに、熱伝導率が防音
フェルトよりも高いので、防音フェルトを用いた従来の
防音装置に比べて放熱性も優れたものになる。
【0036】請求項2の発明による産業機械の防音装置
では、有機高分子材料として、塩素含有量20〜70重
量%の塩素系高分子材料と、炭素数10〜50で且つ塩
素含有量30〜70重量%の少なくとも1種の塩素化パ
ラフィンとからなる樹脂組成物を用いるので、一層優れ
た制振性能を有する防音装置が得られる。
【0037】請求項3の発明による産業機械の防音装置
では、有機高分子材料として、塩素含有量20〜70重
量%の塩素系高分子材料と、炭素数12〜16で且つ塩
素含有率30〜70重量%の第1塩素化パラフィンおよ
び炭素数20〜50で且つ塩素含有率30〜70重量%
の第2塩素化パラフィンの混合物(ただし第1塩素化パ
ラフィンの割合が第2塩素化パラフィンの割合より大き
い)とからなる樹脂組成物を用いるので、損失正弦(t
anδ)のピーク値をより上昇させるとともに長期に亘
って維持することができ、且つ、塩素化パラフィンの制
振シートからのブリードアウトを抑制させることができ
る。
【0038】請求項2および3の樹脂組成物は塩素化パ
ラフィンを含むので、適度な粘着性を有し、制振シート
と拘束部材とを貼り合わせる際、および制振シートと拘
束部材との貼り合わせ体を、産業機械の筐体の適当な部
位に制振シート側で貼り合わせる際、粘着剤や両面テー
プが必要でなく施工性が良い。
【0039】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施形態を、図面を
参照して説明する。
【0040】図1において、産業機械の防音装置は、損
失正弦(tanδ)のピーク値が1.5以上である有機
高分子材料からなる制振シート(1)と、制振シート(1)の
片面に貼り合わされ、且つ縦弾性係数が1GPa以上で
あるシート状拘束部材(2)とよりなる貼り合わせ体(3)
が、制振シート(1)側において産業機械の筐体(4)の外面
に貼り合わせられたものである。
【0041】以下、本発明の具体的実施例を比較例とと
もに説明する。
【0042】実施例 塩素化ポリエチレン(昭和電工社製、商品名「エラスレ
ン402NA」、塩素含有量40重量%)100重量部
と塩素化パラフィン(旭電化社製、品番「E500」、
塩素含有量50重量%、平均炭素数14、炭素数12〜
16=99重量%)200重量部と塩素化パラフィン
(味の素ファインテクノ社製、商品名「エンパラ7
0」、塩素含有率70重量%、平均炭素数26、炭素数
20〜50=99重量%)100重量部とをロール練り
機で混練し、得られた樹脂混練物を120℃でプレスし
て、厚み1.0mmの制振シート(1)を得た。樹脂混練
物のtanδは3.5であった。
【0043】制振シート(1)に、シート状拘束部材(2)と
して厚み0.4mmの鋼板(中村商事社製、縦弾性係数
250GPa)を、制振シート(1)の粘着性を利用して
貼り合わせ、貼り合わせ体(3)を作製した。
【0044】この貼り合わせ体(3)を、コンプレッサ、
クーリングタワーおよびブロワにおける厚み1mmの鋼
板で形成された筐体の外面に、制振シート(1)を筐体側
にして制振シート(1)の粘着性を利用して貼り合わせ
た。
【0045】比較例 コンプレッサ、クーリングタワーおよびブロワにおける
厚み1mmの鋼板で形成された筐体の内面に、厚み10
mmの発砲ポリウレタンを貼り合わせた。
【0046】評価試験 そして、各筐体の周壁から10mm離れた地点におい
て、JIS Z8731に準拠し、コンプレッサ、クーリン
グタワーおよびブロワの駆動開始時から5秒間の等価騒
音レベルLAeqを、全透過音のA特性音圧レベルを測定
することにより求めた。なお、コンプレッサ、クーリン
グタワーおよびブロワが停止している際の暗騒音は57
dBであった。その結果を表1にまとめて示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、優れた制振性
能を有する制振シートが、産業機械の運転時に発生する
振動を吸収し、高い防音性能を有する。しかも、優れた
防音効果を有するので、制振シートおよび拘束部材を合
わせた厚みを薄くすることができる。また、制振シート
が水分を吸収することはないので、結露水などに起因す
る防音性能の低下が防止される。また、制振シートは、
一般的なシート成形法により作製することができるの
で、作製の手間がかからない。さらに、熱伝導率が防音
フェルトよりも高いので、防音フェルトを用いた従来の
防音装置に比べて放熱性も優れたものになる。
【0049】請求項2の発明によれば、一層優れた制振
性能を有する防音装置が得られる。
【0050】請求項3の発明によれば、損失正弦(ta
nδ)のピーク値をより上昇させるとともに長期に亘っ
て維持することができ、且つ、塩素化パラフィンの制振
シートからのブリードアウトを抑制させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による防音装置を適用した産業機械の筐
体の一部分を示す部分水平断面図である。
【符号の説明】
(1):制振シート (2):拘束部材 (4):筐体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 産業機械の筐体の内面または外面に、損
    失正弦(tanδ)のピーク値が1.5以上である有機
    高分子材料からなる制振シートが片面において貼り合わ
    せられ、同シートの他面に、縦弾性係数が1GPa以上
    である拘束部材が貼り合わせられることを特徴とする産
    業機械の防音装置。
  2. 【請求項2】 有機高分子材料が、塩素含有量20〜7
    0重量%の塩素系高分子材料と、炭素数10〜50で且
    つ塩素含有量30〜70重量%の少なくとも1種の塩素
    化パラフィンとからなる樹脂組成物であることを特徴と
    する請求項1記載の産業機械の防音装置。
  3. 【請求項3】 有機高分子材料が、塩素含有量20〜7
    0重量%の塩素系高分子材料と、炭素数12〜16で且
    つ塩素含有率30〜70重量%の第1塩素化パラフィン
    および炭素数20〜50で且つ塩素含有率30〜70重
    量%の第2塩素化パラフィンの混合物(ただし第1塩素
    化パラフィンの割合が第2塩素化パラフィンの割合より
    大きい)とからなる樹脂組成物であることを特徴とする
    請求項1記載の産業機械の防音装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006011356A (ja) * 2004-01-05 2006-01-12 Sekisui Chem Co Ltd 音響機器の音質改善構造
JP2006132908A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Sekisui Chem Co Ltd 空気調和機の防音構造

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JP2006011356A (ja) * 2004-01-05 2006-01-12 Sekisui Chem Co Ltd 音響機器の音質改善構造
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