JP2004332401A - 防・耐火パネル及び木製防火戸 - Google Patents
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Abstract
【課題】防・耐火性能に優れかつ軽量で厚みが薄く遮音性に優れ、なおかつ、反りが発生しにくい防・耐火パネル及び防火戸を提供する。
【解決手段】熱膨張性耐火材(3)と木質板(4)を組み合わせてなる防・耐火パネルにおいて、該熱膨張性耐火材(3)は、エポキシ樹脂及び/又はゴム状物質及び/又は熱可塑性樹脂100重量部に対し、無機充填剤を70〜500重量部含有し、該無機充填剤のうち少なくとも加熱時に膨張する層状無機物を10〜150重量部含有し、0.1〜4mm厚であり、該木質板(4)は、密度0.4g/cm3以上の框材(1)と、密度0.6g/cm3以下の芯材(2)で、框材の密度が芯材の密度より相対的に大きく、該框材(1)と該芯材(2)が、日の字状、目の字状、田の字状、ラダー状、格子状のいずれかに組まれてなり、該木質板(4)の少なくとも片面及び/又は内部に、該膨張性耐火材(3)が積層されてなる防・耐火パネル。及び、前記防・耐火パネルを備えた木製防火戸。
【選択図】 図4
【解決手段】熱膨張性耐火材(3)と木質板(4)を組み合わせてなる防・耐火パネルにおいて、該熱膨張性耐火材(3)は、エポキシ樹脂及び/又はゴム状物質及び/又は熱可塑性樹脂100重量部に対し、無機充填剤を70〜500重量部含有し、該無機充填剤のうち少なくとも加熱時に膨張する層状無機物を10〜150重量部含有し、0.1〜4mm厚であり、該木質板(4)は、密度0.4g/cm3以上の框材(1)と、密度0.6g/cm3以下の芯材(2)で、框材の密度が芯材の密度より相対的に大きく、該框材(1)と該芯材(2)が、日の字状、目の字状、田の字状、ラダー状、格子状のいずれかに組まれてなり、該木質板(4)の少なくとも片面及び/又は内部に、該膨張性耐火材(3)が積層されてなる防・耐火パネル。及び、前記防・耐火パネルを備えた木製防火戸。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は防・耐火パネル及び木製防火戸に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からドアとしては、木質材料、又は、金属材料が使われている。このうち木質材料からなるドアはその意匠性が優れていることから好適に用いられている。しかしながら、木質材料の場合、火災が発生したときにそれ自体が燃えやすく、類焼が発生するという問題があった。このため防・耐火性を付与するために木質板とケイ酸カルシウム板やセメント板を複合した防火戸が作られているが防・耐火性を発現するために厚みが厚くなると同時に重量が重くなるという問題があった。また、無機材料であるため音を伝搬しやすく遮音性に劣るという問題があった。
【0003】
このため、下記特許文献1では、加熱発泡剤と桐集成材と補強枠からなるドアを作成し、木製防火ドアを得ているが、これら加熱発泡剤は無機材料で構成されているため、上記ケイ酸カルシウム板等と同様に遮音性に劣っていた。また、芯材に木製材料を使用する場合、室内、室外間の温度差によって反りが発生し、接着が不十分である場合には表面の化粧板が剥がれるという問題があった。
【特許文献1】
特開平9−256746号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、厚みが薄く、軽量で、防・耐火性能に優れかつ軽量で厚みが薄く遮音性に優れ、なおかつ、反りが発生しにくい防・耐火パネル、及び、これを用いた防火戸を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究した結果、特定の熱膨張性耐火材を用い、かつ特定構造を有するパネル及び木製防火戸により、上記目的が達成されることを見出し本発明に至った。
【0006】
即ち、第1に、本発明は防・耐火パネルであり、熱膨張性耐火材と木質板を組み合わせてなる防・耐火パネルにおいて、該熱膨張性耐火材は、エポキシ樹脂及び/又はゴム状物質及び/又は熱可塑性樹脂100重量部に対し、無機充填剤を70〜500重量部含有し、該無機充填剤のうち少なくとも加熱時に膨張する熱膨張性層状無機物を10〜150重量部含有し、0.1〜4mm厚であり、該木質板は、密度0.4g/cm3以上の框材と、密度0.6g/cm3以下の芯材で、框材の密度が芯材の密度より相対的に大きく、該框材と該芯材が、日の字状、目の字状、田の字状、ラダー状、格子状のいずれかに組まれてなり、該木質板の少なくとも片面及び/又は内部に、該膨張性耐火材が積層されてなることを特徴とする。
第2に、本発明は上記防・耐火パネルを備えた木製防火戸である。
【0007】
以下に本発明を詳細に説明する。
上記熱膨張性耐火材の厚みは、0.1〜4mmに制限される。厚みが、0.1mm未満になると熱膨張によって十分な厚みの耐火断熱層が形成されないため、耐火性能が不十分となり、また遮音性も低くなる。4mmを超えると重量が重くなるとともに、燃焼時に形成される耐火断熱層の厚みが必要以上に厚くなり過ぎて過剰品質となる。
【0008】
上記熱膨張性耐火材は、エポキシ樹脂及び/又はゴム状物質及び/又は熱可塑性樹脂100重量部に対し、無機充填剤を70〜500重量部含有し、そのうち少なくとも加熱時に膨張する層状無機物を10〜150重量部含有する材料を用いることができる。
【0009】
上記エポキシ樹脂、ゴム状物質及び/又は熱可塑性樹脂と、熱膨張性層状無機物を含有する樹脂組成物からなるシートは、膨張後の熱膨張性耐火材が架橋構造をとるため、形状保持性に優れており、材料の厚みを薄くすることができ好適に用いられる。
上記エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、基本的にはエポキシ基を持つモノマーと硬化剤を反応させて得られる。
【0010】
エポキシ基を持つモノマーとしては、例えば、2官能のグリシジルエーテル型として、ポリエチレングリコール型、ポリプロピレングリコール型、ネオペンチルグリコール型、1,6−ヘキサンジオール型、トリメチロールプロパン型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、プロピレンオキサイド−ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型等が挙げられ、グリシジルエステル型としてヘキサヒドロ無水フタル酸型、テトラヒドロ無水フタル酸型、ダイマー酸型、p−オキシ安息香酸型等が挙げられ、多官能のグリシジルエーテル型として、フェノールノボラック型、オルトクレゾールノボラック型、DPPノボラック型、ジシクロペンタジエン・フェノール型等があげられる。これらは単独でも、2種類以上混合してもよい。上記硬化剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0011】
また、上記エポキシ樹脂に対する硬化剤には、重付加型として、脂肪族ポリアミン又はその変性アミン、芳香族ポリアミン、酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプタン等が、触媒型として、3級アミン、イミダゾール類、ルイス酸錯体等があげられる。これらエポキシ樹脂の硬化方法は特に限定されず、公知の方法により行うことができる。
【0012】
上記エポキシ基をもつモノマーと上記硬化剤は、任意の比で配合してもよいが、熱膨張性材料の力学物性の安定性から、エポキシ基をもつモノマーと硬化剤の当量が一致する配合比が望ましい。
【0013】
また、上記エポキシ樹脂には、他の樹脂が添加されてもよい。他の樹脂の添加量が多くなると、エポキシ樹脂の効果が発現されなくなるので、エポキシ樹脂1に対して他の樹脂の添加量は5(重量比)以下が好ましい。
【0014】
また、上記エポキシ樹脂には、上記熱膨張性耐火材料の物性を損なわない範囲で、難燃剤、酸化防止剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂等が添加されてもよい。
【0015】
さらに、上記エポキシ樹脂には、可撓性が付与されてもよく、可撓性を付与する方法としては、次の方法が挙げられる。
(1)架橋点間の分子量を大きくする。
(2)架橋密度を小さくする。
(3)軟質分子構造を導入する。
(4)可塑剤を添加する。
(5)相互侵入網目(IPN)構造を導入する。
(6)ゴム状粒子を分散導入する。
(7)ミクロポイドを導入する。
【0016】
上記(1)の方法は、予め分子鎖の長いエポキシモノマー及び/または硬化剤を用いて反応させることで、架橋点の間の距離が長くなり可撓性を発現させる方法である。硬化剤として、例えばプロピレンジアミン等が用いられる。
【0017】
上記(2)の方法は、官能基の少ないエポキシモノマー及び/または硬化剤を用いて反応させることにより、一定領域の架橋密度を小さくして可撓性を発現させる方法である。硬化剤として、例えば2官能アミン、エポキシモノマーとして、例えば1官能エポキシ等が用いられる。
【0018】
上記(3)の方法は、軟質分子構造をとるエポキシモノマー及び/または硬化剤を導入して可撓性を発現させる方法である。硬化剤として、例えば脂肪族アミン、被素環状ジアミン、エポキシモノマーとして、例えばアルキレンジグリコールジグリシジルエーテル等が用いられる。
【0019】
上記(4)の方法は、可塑剤としての非反応性の希釈剤、例えば、DOP、タール、石油樹脂等を添加する方法である。
上記(5)の方法は、エポキシ樹脂の架橋構造に別の軟質構造をもつ樹脂を導入する相互侵入網目(IPN)構造で可撓性を発現させる方法である。
【0020】
上記(6)の方法は、エポキシ樹脂マトリックスに液状または粒状のゴム粒子を配合分散させる方法である。エポキシ樹脂マトリックスとしてエステルエーテル等が用いられる。
上記(7)の方法は、1μm以下のミクロポイドをエポキシ樹脂マトリックスに導入させることにより、可撓性を発現させる方法である。エポキシ樹脂マトリックスとして、分子量1000〜5000のポリエーテルが添加される。
上記(1)〜(7)の方法によってエポキシ樹脂の可撓性を調整することによって、柔軟性を有するシートの成形が可能となる。
【0021】
上記ゴム物質及び熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ(1−)ブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリブテン、ポリクロロプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ニトリルゴム、ブチルゴム、石油樹脂等が挙げられる。上記樹脂は、単独でも2種類以上混合してもよい。
【0022】
無機充填剤量が70重量部より少ないと、燃焼後の残渣量が減少するため、十分な耐火断熱層が得られない。また可燃物の比率が増加するため、難燃性が低下する。無機充填剤量が500重量部より多いと、樹脂バインダーの配合比率が減少するため、成形品としての強度が不足する。
【0023】
本発明において用いられる無機充填剤量としては、上記範囲内であれば特に限定はない。例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーンナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム・硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナィト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン・炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、無機系リン化合物等が挙げられる。これらは、単独でも、2種以上をさらに混合して用いてもよい。
【0024】
その中でも特に骨材的役割を果たす炭酸カルシウム、炭酸亜鉛で代表される金属炭酸塩、骨材的役割の他に加熱時に吸熱効果も付与する水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムで代表される含水無機物が好ましい。
【0025】
無機系リン化合物は難燃性を向上させるために好適に用いられる。上記無機系リン化合物としては特に限定されず、例えば、赤リン;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ボリリン酸アンモニウム類等が挙げられる。なかでも、ポリリン酸アンモニウム類が好ましい。
熱膨張性層状無機物としては、特に限定はないが、例えば、バーミキュライト、カオリン、マイカ、熱膨張性黒鉛等が挙げられる。
【0026】
これら熱膨張性層状無機物の中でも、発泡開始温度が低いことから、熱膨張性黒鉛が好ましい。熱膨張性黒鉛の粒度は20〜200メッシュが好ましい。粒度が200メッシュより小さくなると黒鉛の膨張度が小さく、十分な耐火断熱層が得られず、粒度が20メッシュより大きくなると黒鉛の膨張度が大きいという利点はあるが、樹脂と混練する際に分散性が悪くなる。
【0027】
熱膨張性黒鉛は、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤で処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。
【0028】
上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、さらにアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和したものを使用するのが好ましい。上記脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。上記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物・酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
このように中和処理した熱膨張性黒鉛の具体例としては、例えば、UCAR CARBON社製「GRAFGUARD」、東ソー社製「GREP−EG」等が挙げられる。
【0029】
熱膨張性耐火材料における、エポキシ樹脂組成物の各成分の配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対して、中和処理された熱膨張性黒鉛は10〜150重量部、および無機充填剤は30〜500重量部であり、中和処理された熱膨張性黒鉛と無機充填剤の合計量は、40〜500重量部である。より好ましくは、エポキシ樹脂100重量部に対して、中和処理された熱膨張性黒鉛は30〜120重量部、および無機充填剤は50〜300重量部であり、中和処理された熱膨張性黒鉛と無機充填剤の合計量は80〜400重量部である。
【0030】
さらにリン化合物を添加させる場合、エポキシ樹脂100重量部に対して、中和処理された熱膨張性黒鉛は10〜150重量部、無機充填剤は30〜300重量部、およびリン化合物は30〜300重量部であり、中和処理された熱膨張性黒鉛と無機充填剤とリン化合物の合計量は70〜500重量部である。より好ましくは、エポキシ樹脂100重量部に対して、中和処理された熱膨張性黒鉛は30〜120重量部、無機充填剤は50〜300重量部、およびリン化合物は50〜300重量部であり、中和処理された熱膨張性黒鉛と無機充填剤とリン化合物の合計量は80〜400重量部である。
【0031】
上記中和処理された熱膨張性黒鉛の配合量が下限値を下回ると、十分な膨張層厚みが確保できず耐火性能が低下する。また上限値を超えると、機械的物性の低下が大きくなり、使用に耐えられなくなる。
上記無機充填剤の配合量が下限値を下回ると、熱容量の低下に伴い十分な耐火性が得られず、上限値を越えると、機械的物性の低下が大きく使用に耐えられなくなる。
上記リン化合物の配合量が下限値を下回ると、膨張層の形状保持性を向上させる効果が発揮されず、また上限値を超えると、機械的物性の低下が大きく使用に耐えられなくなる。
【0032】
上記中和処理された熱膨張性黒鉛および無機充填剤、または上記中和処理された熱膨張性黒鉛、無機充填剤およびリン化合物の配合量が下限値を下回ると、熱容量の低下に伴い十分な耐火性が得られず、上限値を超えると、機械的物性の低下が大きく使用に耐えられなくなる。
【0033】
上記熱膨張性耐火材を構成する組成物には、その物性を損なわない範囲で、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤の他、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料等が添加されてもよい。
本発明の防・耐火パネル及び木製防火戸は、上記熱膨張性耐火材の表面及び/又は内部に無機系繊維材料及び/又は金属薄板が積層されてなることが好ましい。
【0034】
上記金属薄板としては、例えば、鉄板、ステンレス板、亜鉛メッキ鋼板、アルミ亜鉛合金メヅキ鋼板、アルミニウム板、アルミガラスクロス、アルミクラフト,錫箔、金箔等が挙げられる。金属薄板の厚みは、0.003〜1mmが好ましく用いることができる。厚みが1mm以上となると積層した防・耐火パネルが、木製材料として切断等の加工性が著しく低下する。積層した材料の中でも、アルミ箔と、ガラスクロス、ガラスマット、炭素繊維などを積層した材料はアルミの熱反射性に優れる点から耐火上有利であり、ガラスクロス、ガラスマット炭素繊維の耐熱性により、熱膨張性耐火材の保護を行うことができ、特に好適に用いることができる。上記アルミガラスクロスのアルミ箔の厚みは、取扱いを考慮すると5μm以上が好ましい。また、ガラスクロス、ガラスマット、炭素繊維などは単位面積当たりの重量が5g/m2以上が好ましく、5g/m2未満であると熱膨張性耐火材の保護という点で劣る。上記アルミ箔と、ガラスクロス、ガラスマット、炭素繊維はポリエチレンなどで熱ラミネートするか、不燃性のアクリル系接着剤等の接着剤を用いて積層される。
【0035】
上記不燃性繊維状材料からなるネットまたはマットとしては、無機繊維若しくは金属繊維状材料からなるものが好ましく、例えば、ガラス繊維の織布(ガラスクロス、ロービングクロス、コンティニュアスストランドマット等)若しくは不織布(チョップドストランドマット等)、セラミック繊維の織布(セラミッククロス等)若しくは不織布(セラミックマット等)、炭素繊維の織布若しくは不織布、ラスまたは金網から形成されるネットまたはマットが好適に用いられる。これらのネットまたはマットのうち、熱膨張性材料を製造する場合の容易さとコストの観点から、ガラス繊維の織布若しくは不織布が好ましく、製造時にガラスの飛散が少ないことから、ガラスクロスがより好ましい。さらに、取り扱い性が向上することおよびエポキシ樹脂との接着性がよくなることから、ガラスクロスをメラミン樹脂やアクリル樹脂等で処理されてもよい。
【0036】
上記不燃性繊維状材料からなるネットまたはマットは、上記エポキシ樹脂組成物からなるシート中に含浸されていても、表面に積層されていてもよい。
上記不燃性繊維状材料からなるネットまたはマットは、熱膨張性材料の膨張後の形状保持性を著しく向上させ、火災の際に膨張層の脱落や欠損を防止する効果を発揮する。
【0037】
上記不燃性繊維状材料からなるネットまたはマットの1m2当たりの重量は、5〜2000gである。1m2当たりの重量が5g未満であると、膨張断熱層の形状保持性を向上させる効果が低下し、2000gを超えるとシートが重くなって施工が困難になる。より好ましくは、10〜1000gである。
【0038】
上記不燃性繊維状材料からなるネットまたはマットの厚みは、0.05〜6mmが好ましい。厚みが0.05mm以下であると、熱膨張性材料が膨張する際にその膨張圧に耐えられなくなる。また、厚さが6mmを超えると、熱膨張性材料を施工する際に、切り欠きや曲げ等の変形が困難になる。より好ましくは、0.1〜4mmである。
【0039】
上記不燃性繊維状材料からなるネットの場合には、その開き目は0.1〜50mmであることが好ましい。開き目が0.1mm未満であると、熱膨張性材料が膨張する際にその膨張熱に耐えられなくなる。また、50mmを超えると膨張断熱層の形状保持性を向上させる効果が低くなる。より好ましくは、0.2〜30mmである。
【0040】
上記不燃性繊維状材料からなるネットまたはマットをエポキシ樹脂組成物に含浸させる場合、ネットまたはマットの位置は、熱膨張性材料の厚み方向においていずれの位置であってもよいが、膨張層の形状保持性をより高めることから、火災に曝される表面側であることが好ましい。
【0041】
上記熱膨張性材料の製造方法としては、エポキシ樹脂組成物の混練物を作製した後、成形する段階で不燃性繊維状材料からなるネットまたはマットと一体化する方法が挙げられる。
【0042】
上記エポキシ樹脂組成物の混練物は、上記各成分を単軸押出機、二軸押出機、バンパリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式攪拌機等公知の装置を用いて混連することにより得ることができる。
【0043】
また、エポキシ基をもつモノマーまたは硬化剤の充填剤の混練物を、上記方法により別々に作製しておき、プランジャーポンプ、スネークポンプ、ギアポンプ等でそれぞれの混練物を供給し、スタティックミキサー、ダイナミックミキサー等で混合を行ってもよい。
【0044】
上記成形方法としては、例えば、プレス成形、ロール成形、コーター成形等により、上記エポキシ樹脂混練物と不燃性繊維材料からなるネットまたはマットを、エポキシ樹脂に含浸または積層させた後、エポキシ樹脂を硬化させる方法が挙げられる。
【0045】
上記プレス成形による方法は、例えば、加圧プレス機を用いて、金型中に不燃性繊維状材料からなるネットまたはマットと上記エポキシ樹脂組成物を投入して、加圧して成形する方法が挙げられる。
【0046】
上記ロール成形による方法は、例えば、SMCを用いて、ロール間に上記エポキシ樹脂と不燃性繊維状材料からなるネットまたはマットを同時に挿入し、成形する方法が挙げられる。
【0047】
上記コーター成形による方法は、例えば、ロールコーターまたはブレードコーターを用いて、ロールまたはブレードとロールまたは台盤の間隙に、上記エポキシ樹脂と不燃性繊維状材料からなるネットまたはマットを同時に挿入し、成形する方法が挙げられる。
【0048】
上記エポキシ樹脂の硬化方法は、特に限定されず、上記プレスやロールによる過熱、または成形ライン中の加熱炉等成形と硬化を連続で行う方法、あるいは成形後過熱炉に投入する方法等、公知の方法によって行うことができる。
【0049】
上記熱膨張性材料の片面または両面には、施工性や膨張層の強度を改善する目的で基材層が積層されていてもよい。この基材層に用いられる材料としては、例えば、布、ポリエステルやポリプロピレン等からなる不織布、紙、プラスチックフィルム、割布、ガラスクロス、アルミガラスクロス、アルミ箔、アルミ蒸著フィルム、アルミニウム箔積層紙、及び、これらの材料の積層体等が挙げられる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート不織布のポリエチレンラミネートフィルム、アルミニウム箔積層紙、アルミガラスクロスである。また、上記基材層の厚みは、0.25m以下が好ましい。
【0050】
さらに、上記不燃性繊維材料からなるネットまたはマットと上記基材層との積層体を上記エポキシ樹脂組成物からなるシート表面に積層されてもよい、上記積層体としては、例えば、アルミガラスクロスあるいはポリフィルムとガラスクロスの積層体等が挙げられる。
【0051】
又、本発明の防・耐火パネル及び木製防火戸は、密度0.4g/cm3以上の框材と、密度0.6g/cm3以下の芯材で、框材の密度が芯材の密度より相対的に大きく、該框材と該芯材が、日の字状、目の字状、田の字状、ラダー状、格子状に組まれてなる木質板が、該膨張性耐火材が該木質板の少なくとも片面及び/又は内部に積層されてなることを特徴とする。
【0052】
図1に木質板の構造を示す。図1(a)〜(e)は本発明に用いられる木質板の構造を示し、図1(f)は通常の木質板の構造を示す。
本発明に用いられる木質板は、密度0.4g/cm3以上の框材1と、密度0.6g/cm3以下の芯材2で、框材1の密度が芯材2の密度より相対的に大きく、該框材と該芯材が、日の字状(図1(a))、目の字状(図1(c))、田の字状(図1(b))、ラダー状(図1(d))、格子状(図1(e))に組まれてなることで、通常の図1(f)のような框材1と芯材2の組まれ方と比べ、室内、室外間の温度差によって発生するそりが減少し、表面の化粧板がはがれるという問題が起こりにくくなる。また、框材を組むことで耐火試験時に発生するそりも抑制することができる。
【0053】
上記框材としては、密度が0.4g/cm3以上の材料からなる材料が用いられる。密度が0.4g/cm3未満であると目的とする補強効果が得られにくい。これらの材料としてはヒノキ、マツ、ツガ、タモ、カエデ、ナラ、ニヤトー、マコレ、モアビ、ケヤキ、ブナ、ラワン、チーク、アトピン、カシ、マカンバ、メープル、ブビンガなどの無垢材等があげられる。又、LVLなどの集成材、LVLと上記無垢材と組み合わせて用いても良い。これら材料を組み合わせることにより、よりそりが発生しにくくなるため好適に用いられる。
【0054】
上記芯材としては、密度が0.6g/cm3以下の材料が用いられる。芯材の密度が大きいとドア自体の重量が重くなり取り扱い性が悪くなることや、遮音性が低下する。これらの材料としては、杉、桐、檜葉、ポプラ、スプルース、バルサ、マツなどがあげられる。中でも特に桐の集成材を複数枚積層した材料が好適に用いられる。また、積層する枚数は奇数枚の方がそりを抑えるように干渉できることからより好適に用いられる。
【0055】
本発明の防・耐火パネル及び防火戸においては、上記木質板の少なくとも片面に熱膨張性耐火材を設けてなる。図2に防・耐火パネルの断面構造を示す。熱膨張性耐火材3を木質板4に対して、図2に示すように片面(図2(a))、両面(図2(b))、熱膨張性耐火材3に対して木質板4を両面(図2(c))というようにして防・耐火パネルは形成される。図示されないが、さらに化粧板を積層することができるが、本発明は、特にこれらに限定されない。
【0056】
本発明の防・耐火パネル壁及び防火戸は、火災等の加熱によって熱膨張性耐火材が膨張し、燃焼残渣が耐火断熱層を形成する。この耐火断熱層によって非加熱側の裏面温度の温度上昇を抑制するとともに、火炎の貫通を防止する。
【0057】
上記木質板と熱膨張性耐火材との積層方法は、特に限定されないが、従来公知の接着剤を使用して接着することができる。また、エポキシ樹脂の硬化前に木質板と積層すれば硬化時に接着することができる。
【0058】
上記木質板と熱膨張性耐火材とを固定する方法としては、例えば、タッピンねじや、タッカーを用いて面材側から締着する方法が挙げられる。また、これらと接着剤を併用しても良い。
【0059】
図3に本発明の防火戸の断面構造例を示す。本発明における防火戸は上記防・耐火パネルを用いて作られ、例えば図3(a)のように芯材2と框材1からなる木質板の両面に熱膨張性耐火材3を配し、さらに化粧板5などを配する。木口部分にも熱膨張性耐火材を配した上に大手材を張り合わせて防火戸とすることができる。木口部分の熱膨張性耐火材は、隙間部を閉塞することが目的のため、ガラスクロスやアルミガラスクロスなどの基材を用いなくともよいし、用いてもよい。また、図3(b)のように熱膨張性耐火材3を中心に配しその両面に木質板を配し、化粧板5で仕上げても良い。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
[熱膨張性耐火材の調製]
エポキシ樹脂(油化シェル化学社製「E807」)40重量部、ジアミン系硬化剤(油化シェル化学社製「EKFL052」)60重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛(東ソー社製「フレームカットGREP−EG」100重量部、炭酸カルシウム(備北粉化社製「ホワイトンBF300」)100重量部、及び、ポリリン酸アンモニウム(クラリアント社製「EXOLIT AP422」)100重量部からなる樹脂組成物を遊星撹拌機で撹拌した後、ロールコーターにて塗工し、加熱硬化させることにより、所定厚のシート状に成形したA配合の熱膨張性耐火材を得た。
【0061】
エポキシ樹脂(油化シェル化学社製「E807」)40重量部、ジアミン系硬化剤(油化シェル化学社製「EKFL052」)60重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛(東ソー社製「フレームカットGREP−EG」130重量部、炭酸カルシウム(備北粉化社製「ホワイトンBF300」)100重量部、及び、ポリリン酸アンモニウム(クラリアント社製「EXOLIT AP422」)150重量部、水酸化アルミニウム(昭和電工社製「H−31」)100部からなる樹脂組成物を遊星撹拌機で撹拌した後、ロールコーターにて塗工し、加熱硬化させることにより、所定厚のシート状に成形したB配合の熱膨張性耐火材を得た。
【0062】
ブチルゴム(エクソン社製「ブチル065」)50重量部、ポリブテン(エクソン社製「エスコレッツ5320」)50重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛(東ソー社製「フレームカットGREP−EG」30重量部、炭酸カルシウム(備北粉化社製「ホワイトンBF300」)100重量部、及び、ポリリン酸アンモニウム(クラリアント社製「EXOLIT AP422」)100重量部、水酸化アルミニウム(昭和電工社製「H−31」)50部からなる樹脂組成物を二本ロールで溶融混練することにより、所定厚のシート状に成形したC配合の熱膨張性耐火材を得た。
これらA〜C配合の熱膨張性耐火材を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
(実施例1)
厚み30mmのラワン集成材(密度0.55g/cm3)を框材とし、厚み30mmの桐集成材(3層重ね、密度0.32g/cm3)を芯材とし、図1(d)のように組み木質板とした。この木質板と上記熱膨張性耐火材を張り合わせ、さらに、厚み3mmの化粧合板を張り合わせた。また、木口部にも熱膨張性耐火材を貼り付け大手材を張り合わせ、2000mm×900mmの木製防火戸を得た(図4(a))。
【0065】
(実施例2)
厚み25mmのナラ(密度0.65g/cm3)を框材とし、厚み25mmの桐集成材(3層重ね、密度0.32g/cm3)を芯材とし、図1(c)のように組み木質板とした。この木質板と上記熱膨張性耐火材とアルミガラスクロスを積層したものを張り合わせ、さらに、厚み3mmの化粧合板を張り合わせた。また、木口部にも熱膨張性耐火材を貼り付け大手材を張り合わせ、2000mm×900mmの木製防火戸を得た(図4(b))。
【0066】
(実施例3)
厚み25mmのニャトー(密度0.7g/cm3)を框材とし、厚み25mmの桐集成材(3層重ね、密度0.32g/cm3)を芯材とし、図1(a)の様に組み木質板とした。この木質板と上記熱膨張性耐火材を張り合わせ、さらに、厚み3mmの化粧合板を張り合わせた。また、木口部にも熱膨張性耐火材を貼り付け大手材を張り合わせ、2000mm×900mmの木製防火戸を得た(図4(a))。
【0067】
(実施例4)
厚み25mmのナラ(密度0.65g/cm3)とラワン集成材(密度0.55g/cm3)をナラを集成材2本で挟むようにしたものを框材とし、厚み25mmの桐集成材(3層重ね、密度0.32g/cm3)を芯材とし、図1(d)の様に組み木質板とした。この木質板と上記熱膨張性耐火材を張り合わせ、さらに、厚み3mmの化粧合板を張り合わせた。また、木口部にも熱膨張性耐火材を貼り付け大手材を張り合わせ、2000mm×900mmの木製防火戸を得た(図4(c))。
【0068】
(実施例5)
厚み30mmのヒノキ(密度0.43g/cm3)を框材とし、厚み30mmの杉(密度0.38g/cm3)を芯材とし、図1(e)の様に組み木質板とした。この木質板と上記熱膨張性耐火材を張り合わせ、さらに、厚み3mmの化粧合板を張り合わせた。また、木口部にも熱膨張性耐火材を貼り付け大手材を張り合わせ、2000mm×900mmの木製防火戸を得た(図4(a))。
【0069】
(実施例6)
厚み22mmのナラ(密度0.65g/cm3)を框材とし、厚み22mmの米松集成材(密度0.58g/cm3)を芯材とし、図1(f)の様に組み木質板とした。この木質板と上記熱膨張性耐火材を張り合わせ、さらに、厚み3mmの化粧合板を張り合わせた。また、木口部にも熱膨張性耐火材を貼り付け大手材を張り合わせ、2000mm×900mmの木製防火戸を得た(図4(a))。
(実施例7)
木口部に表1のC配合の熱膨張性耐火材を用いた他は実施例1と同様にして、木製防火戸を得た。
【0070】
(比較例1)
熱膨張性耐火材を面に使用しないこと以外は実施例1と同様の構成で木製防火戸を作成した。
(比較例2)
熱膨張性耐火材のかわりに、厚み6mmのケイ酸カルシウム板(密度1.0g/cm3)を用いた以外は実施例1と同様の構成で木製防火戸を作成した。
表2に、表1の各熱膨張性耐火材の上記実施例1〜7での使用状況を示す。
【0071】
【表2】
【0072】
[耐火性能の評価]
上記実施例1〜7及び比較例の防火戸について、下記耐火性能の評価を行った。なお、耐火性能は、防・耐火パネルについて、IS0834に準拠して耐火試験を行い、60分後の屋内側の火炎の貫通及び発炎がないものを合格(○)とした。
【0073】
[遮音性能の評価]
上部に450mm角の孔の開いた1000mm角の木製防音箱の穴を塞ぐように各パネルまたは戸を設置し、各パネルまたは戸の上部で音を鳴らした時の箱内部への音を集音し、耐火材がない場合の、評価値を基準に算出した音圧減少レベルを計測した。音圧減少レベルの最高値が5db以上のものを合格(○)とし、それ未満のものを不合格(×)とした。
【0074】
[反りに対する評価]
試験体は、各実施例、比較例の構造に従い、サイズのみ900mm×1000mmで作成した。0℃⇔80℃の冷熱繰り返し試験を100サイクル実施後、JIS A1527の平面度の測定法に従い測定し、曲がり3mm以下を合格(○)とした。
各防・耐火パネルの構成を表3に示す。また、耐火性能等の評価を表4に示す。
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
その結果、実施例1〜7は、60分間火炎の貫通など無く、甲種防火戸相当の性能を有していた。一方、比較例1の構成では、試験開始19分で火炎が貫通した。また、比較例2の構成では、48分で火災が貫通し、甲種防火戸相当の性能に不合格であった。遮音性は、実施例は全て合格であり、比較例は全て不合格であった。反りは、実施例、比較例とも全てが合格であった。
【0078】
【発明の効果】
本発明の防・耐火パネル及び防火戸は、上述の構成により、耐火性能を満足するとともに、従来の防・耐火パネル及び防火戸に比べて総厚みが薄肉化されることによって、軽量化が図られている。また、遮音性に優れ、かつ反りが発生しにくくなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)〜(e)は、本発明に用いられる木質板の構造を示し、図1(f)は通常の木質板の構造を示す。
【図2】図2(a)〜(c)は、本発明の防・耐火パネルの実施例の断面構造を示す。
【図3】図3(a)、(b)は、本発明の木製防火戸の断面構造を示す。
【図4】図4(a)〜(c)は、本発明の木製防火戸の実施例の断面構造を示す。
【符号の説明】
1:框材、2:芯材、3:熱膨張性耐火材、4:木質板、5:化粧板。
【発明の属する技術分野】
本発明は防・耐火パネル及び木製防火戸に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からドアとしては、木質材料、又は、金属材料が使われている。このうち木質材料からなるドアはその意匠性が優れていることから好適に用いられている。しかしながら、木質材料の場合、火災が発生したときにそれ自体が燃えやすく、類焼が発生するという問題があった。このため防・耐火性を付与するために木質板とケイ酸カルシウム板やセメント板を複合した防火戸が作られているが防・耐火性を発現するために厚みが厚くなると同時に重量が重くなるという問題があった。また、無機材料であるため音を伝搬しやすく遮音性に劣るという問題があった。
【0003】
このため、下記特許文献1では、加熱発泡剤と桐集成材と補強枠からなるドアを作成し、木製防火ドアを得ているが、これら加熱発泡剤は無機材料で構成されているため、上記ケイ酸カルシウム板等と同様に遮音性に劣っていた。また、芯材に木製材料を使用する場合、室内、室外間の温度差によって反りが発生し、接着が不十分である場合には表面の化粧板が剥がれるという問題があった。
【特許文献1】
特開平9−256746号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、厚みが薄く、軽量で、防・耐火性能に優れかつ軽量で厚みが薄く遮音性に優れ、なおかつ、反りが発生しにくい防・耐火パネル、及び、これを用いた防火戸を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究した結果、特定の熱膨張性耐火材を用い、かつ特定構造を有するパネル及び木製防火戸により、上記目的が達成されることを見出し本発明に至った。
【0006】
即ち、第1に、本発明は防・耐火パネルであり、熱膨張性耐火材と木質板を組み合わせてなる防・耐火パネルにおいて、該熱膨張性耐火材は、エポキシ樹脂及び/又はゴム状物質及び/又は熱可塑性樹脂100重量部に対し、無機充填剤を70〜500重量部含有し、該無機充填剤のうち少なくとも加熱時に膨張する熱膨張性層状無機物を10〜150重量部含有し、0.1〜4mm厚であり、該木質板は、密度0.4g/cm3以上の框材と、密度0.6g/cm3以下の芯材で、框材の密度が芯材の密度より相対的に大きく、該框材と該芯材が、日の字状、目の字状、田の字状、ラダー状、格子状のいずれかに組まれてなり、該木質板の少なくとも片面及び/又は内部に、該膨張性耐火材が積層されてなることを特徴とする。
第2に、本発明は上記防・耐火パネルを備えた木製防火戸である。
【0007】
以下に本発明を詳細に説明する。
上記熱膨張性耐火材の厚みは、0.1〜4mmに制限される。厚みが、0.1mm未満になると熱膨張によって十分な厚みの耐火断熱層が形成されないため、耐火性能が不十分となり、また遮音性も低くなる。4mmを超えると重量が重くなるとともに、燃焼時に形成される耐火断熱層の厚みが必要以上に厚くなり過ぎて過剰品質となる。
【0008】
上記熱膨張性耐火材は、エポキシ樹脂及び/又はゴム状物質及び/又は熱可塑性樹脂100重量部に対し、無機充填剤を70〜500重量部含有し、そのうち少なくとも加熱時に膨張する層状無機物を10〜150重量部含有する材料を用いることができる。
【0009】
上記エポキシ樹脂、ゴム状物質及び/又は熱可塑性樹脂と、熱膨張性層状無機物を含有する樹脂組成物からなるシートは、膨張後の熱膨張性耐火材が架橋構造をとるため、形状保持性に優れており、材料の厚みを薄くすることができ好適に用いられる。
上記エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、基本的にはエポキシ基を持つモノマーと硬化剤を反応させて得られる。
【0010】
エポキシ基を持つモノマーとしては、例えば、2官能のグリシジルエーテル型として、ポリエチレングリコール型、ポリプロピレングリコール型、ネオペンチルグリコール型、1,6−ヘキサンジオール型、トリメチロールプロパン型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、プロピレンオキサイド−ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型等が挙げられ、グリシジルエステル型としてヘキサヒドロ無水フタル酸型、テトラヒドロ無水フタル酸型、ダイマー酸型、p−オキシ安息香酸型等が挙げられ、多官能のグリシジルエーテル型として、フェノールノボラック型、オルトクレゾールノボラック型、DPPノボラック型、ジシクロペンタジエン・フェノール型等があげられる。これらは単独でも、2種類以上混合してもよい。上記硬化剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0011】
また、上記エポキシ樹脂に対する硬化剤には、重付加型として、脂肪族ポリアミン又はその変性アミン、芳香族ポリアミン、酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプタン等が、触媒型として、3級アミン、イミダゾール類、ルイス酸錯体等があげられる。これらエポキシ樹脂の硬化方法は特に限定されず、公知の方法により行うことができる。
【0012】
上記エポキシ基をもつモノマーと上記硬化剤は、任意の比で配合してもよいが、熱膨張性材料の力学物性の安定性から、エポキシ基をもつモノマーと硬化剤の当量が一致する配合比が望ましい。
【0013】
また、上記エポキシ樹脂には、他の樹脂が添加されてもよい。他の樹脂の添加量が多くなると、エポキシ樹脂の効果が発現されなくなるので、エポキシ樹脂1に対して他の樹脂の添加量は5(重量比)以下が好ましい。
【0014】
また、上記エポキシ樹脂には、上記熱膨張性耐火材料の物性を損なわない範囲で、難燃剤、酸化防止剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂等が添加されてもよい。
【0015】
さらに、上記エポキシ樹脂には、可撓性が付与されてもよく、可撓性を付与する方法としては、次の方法が挙げられる。
(1)架橋点間の分子量を大きくする。
(2)架橋密度を小さくする。
(3)軟質分子構造を導入する。
(4)可塑剤を添加する。
(5)相互侵入網目(IPN)構造を導入する。
(6)ゴム状粒子を分散導入する。
(7)ミクロポイドを導入する。
【0016】
上記(1)の方法は、予め分子鎖の長いエポキシモノマー及び/または硬化剤を用いて反応させることで、架橋点の間の距離が長くなり可撓性を発現させる方法である。硬化剤として、例えばプロピレンジアミン等が用いられる。
【0017】
上記(2)の方法は、官能基の少ないエポキシモノマー及び/または硬化剤を用いて反応させることにより、一定領域の架橋密度を小さくして可撓性を発現させる方法である。硬化剤として、例えば2官能アミン、エポキシモノマーとして、例えば1官能エポキシ等が用いられる。
【0018】
上記(3)の方法は、軟質分子構造をとるエポキシモノマー及び/または硬化剤を導入して可撓性を発現させる方法である。硬化剤として、例えば脂肪族アミン、被素環状ジアミン、エポキシモノマーとして、例えばアルキレンジグリコールジグリシジルエーテル等が用いられる。
【0019】
上記(4)の方法は、可塑剤としての非反応性の希釈剤、例えば、DOP、タール、石油樹脂等を添加する方法である。
上記(5)の方法は、エポキシ樹脂の架橋構造に別の軟質構造をもつ樹脂を導入する相互侵入網目(IPN)構造で可撓性を発現させる方法である。
【0020】
上記(6)の方法は、エポキシ樹脂マトリックスに液状または粒状のゴム粒子を配合分散させる方法である。エポキシ樹脂マトリックスとしてエステルエーテル等が用いられる。
上記(7)の方法は、1μm以下のミクロポイドをエポキシ樹脂マトリックスに導入させることにより、可撓性を発現させる方法である。エポキシ樹脂マトリックスとして、分子量1000〜5000のポリエーテルが添加される。
上記(1)〜(7)の方法によってエポキシ樹脂の可撓性を調整することによって、柔軟性を有するシートの成形が可能となる。
【0021】
上記ゴム物質及び熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ(1−)ブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリブテン、ポリクロロプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ニトリルゴム、ブチルゴム、石油樹脂等が挙げられる。上記樹脂は、単独でも2種類以上混合してもよい。
【0022】
無機充填剤量が70重量部より少ないと、燃焼後の残渣量が減少するため、十分な耐火断熱層が得られない。また可燃物の比率が増加するため、難燃性が低下する。無機充填剤量が500重量部より多いと、樹脂バインダーの配合比率が減少するため、成形品としての強度が不足する。
【0023】
本発明において用いられる無機充填剤量としては、上記範囲内であれば特に限定はない。例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーンナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム・硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナィト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン・炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、無機系リン化合物等が挙げられる。これらは、単独でも、2種以上をさらに混合して用いてもよい。
【0024】
その中でも特に骨材的役割を果たす炭酸カルシウム、炭酸亜鉛で代表される金属炭酸塩、骨材的役割の他に加熱時に吸熱効果も付与する水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムで代表される含水無機物が好ましい。
【0025】
無機系リン化合物は難燃性を向上させるために好適に用いられる。上記無機系リン化合物としては特に限定されず、例えば、赤リン;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ボリリン酸アンモニウム類等が挙げられる。なかでも、ポリリン酸アンモニウム類が好ましい。
熱膨張性層状無機物としては、特に限定はないが、例えば、バーミキュライト、カオリン、マイカ、熱膨張性黒鉛等が挙げられる。
【0026】
これら熱膨張性層状無機物の中でも、発泡開始温度が低いことから、熱膨張性黒鉛が好ましい。熱膨張性黒鉛の粒度は20〜200メッシュが好ましい。粒度が200メッシュより小さくなると黒鉛の膨張度が小さく、十分な耐火断熱層が得られず、粒度が20メッシュより大きくなると黒鉛の膨張度が大きいという利点はあるが、樹脂と混練する際に分散性が悪くなる。
【0027】
熱膨張性黒鉛は、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤で処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。
【0028】
上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、さらにアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和したものを使用するのが好ましい。上記脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。上記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物・酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
このように中和処理した熱膨張性黒鉛の具体例としては、例えば、UCAR CARBON社製「GRAFGUARD」、東ソー社製「GREP−EG」等が挙げられる。
【0029】
熱膨張性耐火材料における、エポキシ樹脂組成物の各成分の配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対して、中和処理された熱膨張性黒鉛は10〜150重量部、および無機充填剤は30〜500重量部であり、中和処理された熱膨張性黒鉛と無機充填剤の合計量は、40〜500重量部である。より好ましくは、エポキシ樹脂100重量部に対して、中和処理された熱膨張性黒鉛は30〜120重量部、および無機充填剤は50〜300重量部であり、中和処理された熱膨張性黒鉛と無機充填剤の合計量は80〜400重量部である。
【0030】
さらにリン化合物を添加させる場合、エポキシ樹脂100重量部に対して、中和処理された熱膨張性黒鉛は10〜150重量部、無機充填剤は30〜300重量部、およびリン化合物は30〜300重量部であり、中和処理された熱膨張性黒鉛と無機充填剤とリン化合物の合計量は70〜500重量部である。より好ましくは、エポキシ樹脂100重量部に対して、中和処理された熱膨張性黒鉛は30〜120重量部、無機充填剤は50〜300重量部、およびリン化合物は50〜300重量部であり、中和処理された熱膨張性黒鉛と無機充填剤とリン化合物の合計量は80〜400重量部である。
【0031】
上記中和処理された熱膨張性黒鉛の配合量が下限値を下回ると、十分な膨張層厚みが確保できず耐火性能が低下する。また上限値を超えると、機械的物性の低下が大きくなり、使用に耐えられなくなる。
上記無機充填剤の配合量が下限値を下回ると、熱容量の低下に伴い十分な耐火性が得られず、上限値を越えると、機械的物性の低下が大きく使用に耐えられなくなる。
上記リン化合物の配合量が下限値を下回ると、膨張層の形状保持性を向上させる効果が発揮されず、また上限値を超えると、機械的物性の低下が大きく使用に耐えられなくなる。
【0032】
上記中和処理された熱膨張性黒鉛および無機充填剤、または上記中和処理された熱膨張性黒鉛、無機充填剤およびリン化合物の配合量が下限値を下回ると、熱容量の低下に伴い十分な耐火性が得られず、上限値を超えると、機械的物性の低下が大きく使用に耐えられなくなる。
【0033】
上記熱膨張性耐火材を構成する組成物には、その物性を損なわない範囲で、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤の他、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料等が添加されてもよい。
本発明の防・耐火パネル及び木製防火戸は、上記熱膨張性耐火材の表面及び/又は内部に無機系繊維材料及び/又は金属薄板が積層されてなることが好ましい。
【0034】
上記金属薄板としては、例えば、鉄板、ステンレス板、亜鉛メッキ鋼板、アルミ亜鉛合金メヅキ鋼板、アルミニウム板、アルミガラスクロス、アルミクラフト,錫箔、金箔等が挙げられる。金属薄板の厚みは、0.003〜1mmが好ましく用いることができる。厚みが1mm以上となると積層した防・耐火パネルが、木製材料として切断等の加工性が著しく低下する。積層した材料の中でも、アルミ箔と、ガラスクロス、ガラスマット、炭素繊維などを積層した材料はアルミの熱反射性に優れる点から耐火上有利であり、ガラスクロス、ガラスマット炭素繊維の耐熱性により、熱膨張性耐火材の保護を行うことができ、特に好適に用いることができる。上記アルミガラスクロスのアルミ箔の厚みは、取扱いを考慮すると5μm以上が好ましい。また、ガラスクロス、ガラスマット、炭素繊維などは単位面積当たりの重量が5g/m2以上が好ましく、5g/m2未満であると熱膨張性耐火材の保護という点で劣る。上記アルミ箔と、ガラスクロス、ガラスマット、炭素繊維はポリエチレンなどで熱ラミネートするか、不燃性のアクリル系接着剤等の接着剤を用いて積層される。
【0035】
上記不燃性繊維状材料からなるネットまたはマットとしては、無機繊維若しくは金属繊維状材料からなるものが好ましく、例えば、ガラス繊維の織布(ガラスクロス、ロービングクロス、コンティニュアスストランドマット等)若しくは不織布(チョップドストランドマット等)、セラミック繊維の織布(セラミッククロス等)若しくは不織布(セラミックマット等)、炭素繊維の織布若しくは不織布、ラスまたは金網から形成されるネットまたはマットが好適に用いられる。これらのネットまたはマットのうち、熱膨張性材料を製造する場合の容易さとコストの観点から、ガラス繊維の織布若しくは不織布が好ましく、製造時にガラスの飛散が少ないことから、ガラスクロスがより好ましい。さらに、取り扱い性が向上することおよびエポキシ樹脂との接着性がよくなることから、ガラスクロスをメラミン樹脂やアクリル樹脂等で処理されてもよい。
【0036】
上記不燃性繊維状材料からなるネットまたはマットは、上記エポキシ樹脂組成物からなるシート中に含浸されていても、表面に積層されていてもよい。
上記不燃性繊維状材料からなるネットまたはマットは、熱膨張性材料の膨張後の形状保持性を著しく向上させ、火災の際に膨張層の脱落や欠損を防止する効果を発揮する。
【0037】
上記不燃性繊維状材料からなるネットまたはマットの1m2当たりの重量は、5〜2000gである。1m2当たりの重量が5g未満であると、膨張断熱層の形状保持性を向上させる効果が低下し、2000gを超えるとシートが重くなって施工が困難になる。より好ましくは、10〜1000gである。
【0038】
上記不燃性繊維状材料からなるネットまたはマットの厚みは、0.05〜6mmが好ましい。厚みが0.05mm以下であると、熱膨張性材料が膨張する際にその膨張圧に耐えられなくなる。また、厚さが6mmを超えると、熱膨張性材料を施工する際に、切り欠きや曲げ等の変形が困難になる。より好ましくは、0.1〜4mmである。
【0039】
上記不燃性繊維状材料からなるネットの場合には、その開き目は0.1〜50mmであることが好ましい。開き目が0.1mm未満であると、熱膨張性材料が膨張する際にその膨張熱に耐えられなくなる。また、50mmを超えると膨張断熱層の形状保持性を向上させる効果が低くなる。より好ましくは、0.2〜30mmである。
【0040】
上記不燃性繊維状材料からなるネットまたはマットをエポキシ樹脂組成物に含浸させる場合、ネットまたはマットの位置は、熱膨張性材料の厚み方向においていずれの位置であってもよいが、膨張層の形状保持性をより高めることから、火災に曝される表面側であることが好ましい。
【0041】
上記熱膨張性材料の製造方法としては、エポキシ樹脂組成物の混練物を作製した後、成形する段階で不燃性繊維状材料からなるネットまたはマットと一体化する方法が挙げられる。
【0042】
上記エポキシ樹脂組成物の混練物は、上記各成分を単軸押出機、二軸押出機、バンパリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式攪拌機等公知の装置を用いて混連することにより得ることができる。
【0043】
また、エポキシ基をもつモノマーまたは硬化剤の充填剤の混練物を、上記方法により別々に作製しておき、プランジャーポンプ、スネークポンプ、ギアポンプ等でそれぞれの混練物を供給し、スタティックミキサー、ダイナミックミキサー等で混合を行ってもよい。
【0044】
上記成形方法としては、例えば、プレス成形、ロール成形、コーター成形等により、上記エポキシ樹脂混練物と不燃性繊維材料からなるネットまたはマットを、エポキシ樹脂に含浸または積層させた後、エポキシ樹脂を硬化させる方法が挙げられる。
【0045】
上記プレス成形による方法は、例えば、加圧プレス機を用いて、金型中に不燃性繊維状材料からなるネットまたはマットと上記エポキシ樹脂組成物を投入して、加圧して成形する方法が挙げられる。
【0046】
上記ロール成形による方法は、例えば、SMCを用いて、ロール間に上記エポキシ樹脂と不燃性繊維状材料からなるネットまたはマットを同時に挿入し、成形する方法が挙げられる。
【0047】
上記コーター成形による方法は、例えば、ロールコーターまたはブレードコーターを用いて、ロールまたはブレードとロールまたは台盤の間隙に、上記エポキシ樹脂と不燃性繊維状材料からなるネットまたはマットを同時に挿入し、成形する方法が挙げられる。
【0048】
上記エポキシ樹脂の硬化方法は、特に限定されず、上記プレスやロールによる過熱、または成形ライン中の加熱炉等成形と硬化を連続で行う方法、あるいは成形後過熱炉に投入する方法等、公知の方法によって行うことができる。
【0049】
上記熱膨張性材料の片面または両面には、施工性や膨張層の強度を改善する目的で基材層が積層されていてもよい。この基材層に用いられる材料としては、例えば、布、ポリエステルやポリプロピレン等からなる不織布、紙、プラスチックフィルム、割布、ガラスクロス、アルミガラスクロス、アルミ箔、アルミ蒸著フィルム、アルミニウム箔積層紙、及び、これらの材料の積層体等が挙げられる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート不織布のポリエチレンラミネートフィルム、アルミニウム箔積層紙、アルミガラスクロスである。また、上記基材層の厚みは、0.25m以下が好ましい。
【0050】
さらに、上記不燃性繊維材料からなるネットまたはマットと上記基材層との積層体を上記エポキシ樹脂組成物からなるシート表面に積層されてもよい、上記積層体としては、例えば、アルミガラスクロスあるいはポリフィルムとガラスクロスの積層体等が挙げられる。
【0051】
又、本発明の防・耐火パネル及び木製防火戸は、密度0.4g/cm3以上の框材と、密度0.6g/cm3以下の芯材で、框材の密度が芯材の密度より相対的に大きく、該框材と該芯材が、日の字状、目の字状、田の字状、ラダー状、格子状に組まれてなる木質板が、該膨張性耐火材が該木質板の少なくとも片面及び/又は内部に積層されてなることを特徴とする。
【0052】
図1に木質板の構造を示す。図1(a)〜(e)は本発明に用いられる木質板の構造を示し、図1(f)は通常の木質板の構造を示す。
本発明に用いられる木質板は、密度0.4g/cm3以上の框材1と、密度0.6g/cm3以下の芯材2で、框材1の密度が芯材2の密度より相対的に大きく、該框材と該芯材が、日の字状(図1(a))、目の字状(図1(c))、田の字状(図1(b))、ラダー状(図1(d))、格子状(図1(e))に組まれてなることで、通常の図1(f)のような框材1と芯材2の組まれ方と比べ、室内、室外間の温度差によって発生するそりが減少し、表面の化粧板がはがれるという問題が起こりにくくなる。また、框材を組むことで耐火試験時に発生するそりも抑制することができる。
【0053】
上記框材としては、密度が0.4g/cm3以上の材料からなる材料が用いられる。密度が0.4g/cm3未満であると目的とする補強効果が得られにくい。これらの材料としてはヒノキ、マツ、ツガ、タモ、カエデ、ナラ、ニヤトー、マコレ、モアビ、ケヤキ、ブナ、ラワン、チーク、アトピン、カシ、マカンバ、メープル、ブビンガなどの無垢材等があげられる。又、LVLなどの集成材、LVLと上記無垢材と組み合わせて用いても良い。これら材料を組み合わせることにより、よりそりが発生しにくくなるため好適に用いられる。
【0054】
上記芯材としては、密度が0.6g/cm3以下の材料が用いられる。芯材の密度が大きいとドア自体の重量が重くなり取り扱い性が悪くなることや、遮音性が低下する。これらの材料としては、杉、桐、檜葉、ポプラ、スプルース、バルサ、マツなどがあげられる。中でも特に桐の集成材を複数枚積層した材料が好適に用いられる。また、積層する枚数は奇数枚の方がそりを抑えるように干渉できることからより好適に用いられる。
【0055】
本発明の防・耐火パネル及び防火戸においては、上記木質板の少なくとも片面に熱膨張性耐火材を設けてなる。図2に防・耐火パネルの断面構造を示す。熱膨張性耐火材3を木質板4に対して、図2に示すように片面(図2(a))、両面(図2(b))、熱膨張性耐火材3に対して木質板4を両面(図2(c))というようにして防・耐火パネルは形成される。図示されないが、さらに化粧板を積層することができるが、本発明は、特にこれらに限定されない。
【0056】
本発明の防・耐火パネル壁及び防火戸は、火災等の加熱によって熱膨張性耐火材が膨張し、燃焼残渣が耐火断熱層を形成する。この耐火断熱層によって非加熱側の裏面温度の温度上昇を抑制するとともに、火炎の貫通を防止する。
【0057】
上記木質板と熱膨張性耐火材との積層方法は、特に限定されないが、従来公知の接着剤を使用して接着することができる。また、エポキシ樹脂の硬化前に木質板と積層すれば硬化時に接着することができる。
【0058】
上記木質板と熱膨張性耐火材とを固定する方法としては、例えば、タッピンねじや、タッカーを用いて面材側から締着する方法が挙げられる。また、これらと接着剤を併用しても良い。
【0059】
図3に本発明の防火戸の断面構造例を示す。本発明における防火戸は上記防・耐火パネルを用いて作られ、例えば図3(a)のように芯材2と框材1からなる木質板の両面に熱膨張性耐火材3を配し、さらに化粧板5などを配する。木口部分にも熱膨張性耐火材を配した上に大手材を張り合わせて防火戸とすることができる。木口部分の熱膨張性耐火材は、隙間部を閉塞することが目的のため、ガラスクロスやアルミガラスクロスなどの基材を用いなくともよいし、用いてもよい。また、図3(b)のように熱膨張性耐火材3を中心に配しその両面に木質板を配し、化粧板5で仕上げても良い。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
[熱膨張性耐火材の調製]
エポキシ樹脂(油化シェル化学社製「E807」)40重量部、ジアミン系硬化剤(油化シェル化学社製「EKFL052」)60重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛(東ソー社製「フレームカットGREP−EG」100重量部、炭酸カルシウム(備北粉化社製「ホワイトンBF300」)100重量部、及び、ポリリン酸アンモニウム(クラリアント社製「EXOLIT AP422」)100重量部からなる樹脂組成物を遊星撹拌機で撹拌した後、ロールコーターにて塗工し、加熱硬化させることにより、所定厚のシート状に成形したA配合の熱膨張性耐火材を得た。
【0061】
エポキシ樹脂(油化シェル化学社製「E807」)40重量部、ジアミン系硬化剤(油化シェル化学社製「EKFL052」)60重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛(東ソー社製「フレームカットGREP−EG」130重量部、炭酸カルシウム(備北粉化社製「ホワイトンBF300」)100重量部、及び、ポリリン酸アンモニウム(クラリアント社製「EXOLIT AP422」)150重量部、水酸化アルミニウム(昭和電工社製「H−31」)100部からなる樹脂組成物を遊星撹拌機で撹拌した後、ロールコーターにて塗工し、加熱硬化させることにより、所定厚のシート状に成形したB配合の熱膨張性耐火材を得た。
【0062】
ブチルゴム(エクソン社製「ブチル065」)50重量部、ポリブテン(エクソン社製「エスコレッツ5320」)50重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛(東ソー社製「フレームカットGREP−EG」30重量部、炭酸カルシウム(備北粉化社製「ホワイトンBF300」)100重量部、及び、ポリリン酸アンモニウム(クラリアント社製「EXOLIT AP422」)100重量部、水酸化アルミニウム(昭和電工社製「H−31」)50部からなる樹脂組成物を二本ロールで溶融混練することにより、所定厚のシート状に成形したC配合の熱膨張性耐火材を得た。
これらA〜C配合の熱膨張性耐火材を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
(実施例1)
厚み30mmのラワン集成材(密度0.55g/cm3)を框材とし、厚み30mmの桐集成材(3層重ね、密度0.32g/cm3)を芯材とし、図1(d)のように組み木質板とした。この木質板と上記熱膨張性耐火材を張り合わせ、さらに、厚み3mmの化粧合板を張り合わせた。また、木口部にも熱膨張性耐火材を貼り付け大手材を張り合わせ、2000mm×900mmの木製防火戸を得た(図4(a))。
【0065】
(実施例2)
厚み25mmのナラ(密度0.65g/cm3)を框材とし、厚み25mmの桐集成材(3層重ね、密度0.32g/cm3)を芯材とし、図1(c)のように組み木質板とした。この木質板と上記熱膨張性耐火材とアルミガラスクロスを積層したものを張り合わせ、さらに、厚み3mmの化粧合板を張り合わせた。また、木口部にも熱膨張性耐火材を貼り付け大手材を張り合わせ、2000mm×900mmの木製防火戸を得た(図4(b))。
【0066】
(実施例3)
厚み25mmのニャトー(密度0.7g/cm3)を框材とし、厚み25mmの桐集成材(3層重ね、密度0.32g/cm3)を芯材とし、図1(a)の様に組み木質板とした。この木質板と上記熱膨張性耐火材を張り合わせ、さらに、厚み3mmの化粧合板を張り合わせた。また、木口部にも熱膨張性耐火材を貼り付け大手材を張り合わせ、2000mm×900mmの木製防火戸を得た(図4(a))。
【0067】
(実施例4)
厚み25mmのナラ(密度0.65g/cm3)とラワン集成材(密度0.55g/cm3)をナラを集成材2本で挟むようにしたものを框材とし、厚み25mmの桐集成材(3層重ね、密度0.32g/cm3)を芯材とし、図1(d)の様に組み木質板とした。この木質板と上記熱膨張性耐火材を張り合わせ、さらに、厚み3mmの化粧合板を張り合わせた。また、木口部にも熱膨張性耐火材を貼り付け大手材を張り合わせ、2000mm×900mmの木製防火戸を得た(図4(c))。
【0068】
(実施例5)
厚み30mmのヒノキ(密度0.43g/cm3)を框材とし、厚み30mmの杉(密度0.38g/cm3)を芯材とし、図1(e)の様に組み木質板とした。この木質板と上記熱膨張性耐火材を張り合わせ、さらに、厚み3mmの化粧合板を張り合わせた。また、木口部にも熱膨張性耐火材を貼り付け大手材を張り合わせ、2000mm×900mmの木製防火戸を得た(図4(a))。
【0069】
(実施例6)
厚み22mmのナラ(密度0.65g/cm3)を框材とし、厚み22mmの米松集成材(密度0.58g/cm3)を芯材とし、図1(f)の様に組み木質板とした。この木質板と上記熱膨張性耐火材を張り合わせ、さらに、厚み3mmの化粧合板を張り合わせた。また、木口部にも熱膨張性耐火材を貼り付け大手材を張り合わせ、2000mm×900mmの木製防火戸を得た(図4(a))。
(実施例7)
木口部に表1のC配合の熱膨張性耐火材を用いた他は実施例1と同様にして、木製防火戸を得た。
【0070】
(比較例1)
熱膨張性耐火材を面に使用しないこと以外は実施例1と同様の構成で木製防火戸を作成した。
(比較例2)
熱膨張性耐火材のかわりに、厚み6mmのケイ酸カルシウム板(密度1.0g/cm3)を用いた以外は実施例1と同様の構成で木製防火戸を作成した。
表2に、表1の各熱膨張性耐火材の上記実施例1〜7での使用状況を示す。
【0071】
【表2】
【0072】
[耐火性能の評価]
上記実施例1〜7及び比較例の防火戸について、下記耐火性能の評価を行った。なお、耐火性能は、防・耐火パネルについて、IS0834に準拠して耐火試験を行い、60分後の屋内側の火炎の貫通及び発炎がないものを合格(○)とした。
【0073】
[遮音性能の評価]
上部に450mm角の孔の開いた1000mm角の木製防音箱の穴を塞ぐように各パネルまたは戸を設置し、各パネルまたは戸の上部で音を鳴らした時の箱内部への音を集音し、耐火材がない場合の、評価値を基準に算出した音圧減少レベルを計測した。音圧減少レベルの最高値が5db以上のものを合格(○)とし、それ未満のものを不合格(×)とした。
【0074】
[反りに対する評価]
試験体は、各実施例、比較例の構造に従い、サイズのみ900mm×1000mmで作成した。0℃⇔80℃の冷熱繰り返し試験を100サイクル実施後、JIS A1527の平面度の測定法に従い測定し、曲がり3mm以下を合格(○)とした。
各防・耐火パネルの構成を表3に示す。また、耐火性能等の評価を表4に示す。
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
その結果、実施例1〜7は、60分間火炎の貫通など無く、甲種防火戸相当の性能を有していた。一方、比較例1の構成では、試験開始19分で火炎が貫通した。また、比較例2の構成では、48分で火災が貫通し、甲種防火戸相当の性能に不合格であった。遮音性は、実施例は全て合格であり、比較例は全て不合格であった。反りは、実施例、比較例とも全てが合格であった。
【0078】
【発明の効果】
本発明の防・耐火パネル及び防火戸は、上述の構成により、耐火性能を満足するとともに、従来の防・耐火パネル及び防火戸に比べて総厚みが薄肉化されることによって、軽量化が図られている。また、遮音性に優れ、かつ反りが発生しにくくなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)〜(e)は、本発明に用いられる木質板の構造を示し、図1(f)は通常の木質板の構造を示す。
【図2】図2(a)〜(c)は、本発明の防・耐火パネルの実施例の断面構造を示す。
【図3】図3(a)、(b)は、本発明の木製防火戸の断面構造を示す。
【図4】図4(a)〜(c)は、本発明の木製防火戸の実施例の断面構造を示す。
【符号の説明】
1:框材、2:芯材、3:熱膨張性耐火材、4:木質板、5:化粧板。
Claims (4)
- 熱膨張性耐火材と木質板を組み合わせてなる防・耐火パネルにおいて、
該熱膨張性耐火材は、エポキシ樹脂及び/又はゴム状物質及び/又は熱可塑性樹脂100重量部に対し、無機充填剤を70〜500重量部含有し、該無機充填剤のうち少なくとも加熱時に膨張する層状無機物を10〜150重量部含有し、0.1〜4mm厚であり、
該木質板は、密度0.4g/cm3以上の框材と、密度0.6g/cm3以下の芯材で、框材の密度が芯材の密度より相対的に大きく、該框材と該芯材が、日の字状、目の字状、田の字状、ラダー状、格子状のいずれかに組まれてなり、
該木質板の少なくとも片面及び/又は内部に、該膨張性耐火材が積層されてなることを特徴とする防・耐火パネル。 - 前記熱膨張性耐火材の表面及び/又は内部に無機系繊維材料及び/又は金属薄板が積層されてなることを特徴とする請求項1に記載の防・耐火パネル。
- 前記框材がLVL及び/又は無垢材を組み合わせてなり、上記芯材が、桐集成材からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の防・耐火パネル。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の防・耐火パネルを備えたことを特徴とする木製防火戸。
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