JP2003253839A - 階段の防音装置 - Google Patents

階段の防音装置

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JP2003253839A
JP2003253839A JP2002053802A JP2002053802A JP2003253839A JP 2003253839 A JP2003253839 A JP 2003253839A JP 2002053802 A JP2002053802 A JP 2002053802A JP 2002053802 A JP2002053802 A JP 2002053802A JP 2003253839 A JP2003253839 A JP 2003253839A
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chlorine
sheet
chlorinated paraffin
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JP2002053802A
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Hiroyuki Abe
裕幸 安部
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Steps, Ramps, And Handrails (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全体の厚みが比較的薄く、長期間にわたって
剥離することなく、しかも施工性に優れた階段の防音装
置を提供する。 【解決手段】 階段4の防音装置1は、階段4の踏面4a
および蹴上げ面4bに貼り合わせられ、且つ損失正弦(t
anδ)のピーク値が1.5以上であるとともに、剪断
接着強さが10N以上である有機高分子材料からなる厚
み0.1〜1.5mmの制振シート2と、同シート2に
おける踏面4aおよび蹴上げ面4bとは反対側の面に貼り合
わせられ、且つ縦弾性係数が1GPa以上であるシート
状拘束部材3とで構成されている。好ましい有機高分子
材料は、塩素含有量20〜70重量%の塩素系高分子材
料100重量部と、炭素数12〜16で且つ塩素含有率
30〜70重量%の第1塩素化パラフィンおよび炭素数
20〜50で且つ塩素含有率30〜70重量%の第2塩
素化パラフィンの混合物50〜300重量部とからな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人が階段を昇降す
る際に発生する騒音を軽減する防音装置に関する。
【0002】
【従来の技術】集合住宅や一戸建住宅の室内および室外
の階段、高層建築物の非常階段、講堂にある床と壇上を
つなぐ仮設階段、ならびに高所の状態を目視するのに使
用される持ち運び自在な仮設階段等において、人が階段
を昇降する際に発生する騒音や振動を軽減するために、
従来、特開平9−184266号公報に記載されている
ような防音装置が用いられていた。
【0003】この防音装置は、ポリ塩化ビニル等のビニ
ル系樹脂やポリプロピレン等のオレフィン系樹脂で形成
され、且つ階段の踏面および蹴上げ面に接着剤やブチル
ゴム系粘着剤により貼り合わせられた床シートと、硬質
合成樹脂やアルミニウム等の金属で形成され、且つ階段
のコーナ部と床シートとの間に介在させられて接着剤に
より階段および床シートに接着されたL形材とよりなる
ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の防音装置では、所望の騒音軽減効果や振動軽減
効果を得るためには、床シートの厚みを大きく、たとえ
ば5mm程度にしなければならず、リフォーム実施時に
階下および階上では比較的大きな段差が生じるという問
題がある。特に、床シートの貼り合わせをブチルゴム系
粘着剤で行う場合には、ブチルゴム系粘着剤によって衝
撃吸収性が低下するので、床シートの厚みを一層大きく
する必要があり、上記問題は顕著である。また、床シー
トをブチルゴム系粘着剤により階段の踏面および蹴上げ
面に貼り合わせた場合、比較的短期間の使用により剥離
し、人が昇降する際につまづいて危険である。また、床
シートを階段の踏面および蹴上げ面に接着剤や粘着剤に
よって貼り合わせるとともに、L形材を階段のコーナ部
および床シートのコーナ部に接着剤によって貼り合わせ
るので、施工性が悪い。しかも、階段のコーナ部と床シ
ートとの間にL形材が介在させられているので、床シー
トに段差が発生しないためには、床シートを貼り合わせ
る接着剤やブチルゴム系粘着剤の層の厚みをL形材の厚
みと同程度にしなければならず、これによっても施工性
が一層悪くなる。
【0005】本発明の目的は、上記問題を解決し、全体
の厚みを比較的薄くすることができるとともに長期間に
わたって剥離することなく、しかも施工性に優れた階段
の防音装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明による階
段の防音装置は、階段の踏面、または踏面および蹴上げ
面に貼り合わせられ、且つ損失正弦(tanδ)のピー
ク値が1.5以上であるとともに、剪断接着強さが10
N以上である有機高分子材料からなる厚み0.1〜1.
5mmの制振シートと、同シートの踏面、または踏面お
よび蹴上げ面とは反対側の面に貼り合わせられ、且つ縦
弾性係数が1GPa以上であるシート状拘束部材とで構
成されていることを特徴とするものである。
【0007】請求項1の発明において、制振シートの厚
みは、薄すぎると制振性能が劣り、厚すぎると防音装置
全体の厚みが大きくなるので、0.1〜1.5mmとす
る。また、拘束部材の厚みは任意であるが、厚すぎると
防音装置全体の厚みが大きくなるので、0.1〜5mm
とすることが好ましい。縦弾性係数100GPa以上の
硬い拘束材料の場合は、厚みを0.05〜2mmとする
ことが好ましい。
【0008】請求項1の発明において、制振シート用の
有機高分子材料は、損失正弦(tanδ)のピーク値が
1.5以上であるとともに、剪断接着強さが10N以上
であるものであれば、特に限定されないが、極性基を有
する高分子材料が好ましい。このような高分子材料の例
として、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジ
エンゴム、フッ素系ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリビニルブチラール、クロロスルフォン化ポリエ
チレン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル系樹脂、塩素
化塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニ
ル−塩化ビニリデン共重合体、ハロゲン化ポリマー、フ
ッ素系ポリマー、臭素系ポリマー、ポリウレタン系熱可
塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマ
ー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどが挙げられ
る。
【0009】有機高分子材料のハロゲン含有量は、少な
すぎると制振性が低下し、多すぎると制振シートが硬く
なりすぎて成形が難しくなるので、好ましくは20〜6
5重量%である。
【0010】有機高分子材料には必要に応じて可塑剤が
添加されてもよい。特に有機高分子材料が硬過ぎる場
合、可塑剤を添加するのが好ましい。可塑剤としては、
通常、塩化ビニル系樹脂に使用されるものが使用でき、
例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジエチル、フタ
ル酸ジイソノニル、テトラブロモフタル酸ジ−2−エチ
ルヘキシル等のフタル酸系可塑剤;トリクレジンホスフ
ェート、トリス(1,3−ジシクロ−2−プロピル)ホ
スフェート等のリン酸エステル系可塑剤;トリ−2−エ
チルヘキシルトリメリテート等のトリメリット酸エステ
ル系可塑剤;エポキシ系可塑剤;ポリエステル系可塑剤
などが挙げられる。植物油系の可塑剤も好ましい。塩素
化パラフィンのブリードアウトを抑制するには、フタル
酸系可塑剤が好ましい。これらは単独で用いても、2種
類以上組み合わせ用いてもよい。フタル酸系可塑剤以外
の可塑剤を用いる場合には、これにフタル酸系可塑剤と
併用するのが好ましい。
【0011】可塑剤の配合量は、有機高分子材料100
重量部に対し50〜200重量部、好ましくは60〜1
80重量部、より好ましくは100重量部以下である。
この範囲でブリードアウトが抑制でき、制振効果も発現
できる。
【0012】有機高分子材料には必要に応じて充填材が
添加されてもよい。特に、樹脂組成物にある程度の硬さ
を付与したいときは、充填材を添加するのがよい。充填
材としては、鉄粉、アルミニウム粉、銅粉等の金属粉;
マイカ、カオリン、モンモリロナイト、シリカ、炭酸カ
ルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
リン酸マグネシウム、結晶性炭素(グラファイト等)、
バーミキュライト等の無機質充填材などが例示される。
これらは、単独で用いられても、2種類以上併用されて
もいい。充填材の量は、多すぎると樹脂組成物の制振性
が低下するので、有機高分子材料100重量部に対し
て、好ましくは300重量部以下である。
【0013】有機高分子材料からなる制振シートの作製
方法は、特に限定されず、例えば押出成形法、カレンダ
ー成形法、溶剤キャスト法等の一般的なシート成形方法
であってよい。得られたシートを所要サイズにカットし
て防音装置の構成に供する。
【0014】請求項1の発明において、防音装置のもう
1つの構成材であるシート状拘束部材は、縦弾性係数が
1GPa以上であるものであれば特に限定されないが、
制振シート用の有機高分子材料より縦弾性係数が大きい
材料がよい。
【0015】このようなシート状拘束部材の例として、
鉛、鉄、鋼材(ステンレス鋼を含む)、アルミニウム
(アルミニウム合金を含む)等の金属材料;ポリカーボ
ネート、ポリサルフォン等のビスフエノールA変性樹
脂;ポリ(メタ)アクリレートなどのアクリル樹脂;塩
化ビニル系樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂等の塩素系樹
脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系ゴム等
のゴム系材料;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレート等の飽和ポリエステル;スチレン系樹
脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹
脂;ナイロン6、ナイロン66、アラミド(芳香族ポリ
アミド)等のポリアミド系樹脂;メラミン系樹脂;ポリ
イミド系樹脂;ウレタン系樹脂;ジシクロペンタジエ
ン、ベークライト等の熱硬化性樹脂;木、紙等のセルロ
ース系材料;キチン、キトサンなどからなる板材または
シートが挙げられる。
【0016】これらは単独で用いても、2以上の組み合
わせで用いてもよい。シート状拘束部材はガラス繊維、
カーボン繊維、液晶などで補強されていてもよく、互い
に異なる材料からなる複合板であってもよく、さらに、
これらの材料からなる発泡体であってもよい。
【0017】防音装置を屋外の階段に適用する場合、金
属製のシート状拘束部材にはメッキや塗装を施すのが好
ましい。平滑な金属板からなる拘束部材は反射率が大き
くなる傾向を有するので、表面に凹凸を設ける、孔を開
ける、などにより反射率を低減させるのが好ましい。孔
径は、孔が汚れなどで塞がれないようにまた孔内に水が
浸透しないように、直径3〜20mm程度にするのがよ
い。拘束部材が振動していても、拘束部材の縦弾性係数
があまり低下しなければ、表面の凹凸や孔開けなどで防
音効果は増す傾向にある。
【0018】請求項2の発明による階段の防音装置は、
請求項1の発明において、有機高分子材料が、塩素含有
量20〜65重量%の塩素系高分子材料100重量部
と、炭素数10〜50で且つ塩素含有量30〜70重量
%の少なくとも1種の塩素化パラフィン100〜350
重量部とからなる樹脂組成物であることを特徴とするも
のである。
【0019】請求項2の発明において、有機高分子材料
を構成する塩素系高分子材料は、請求項1の制振シート
用の有機高分子材料のうち塩素系のものであってよく、
たとえば、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、
塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩素化ポリエチ
レン系樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。
【0020】塩素系高分子材料の塩素含有量は、少なす
ぎると制振性が低下し、多すぎると制振シートが硬くな
りすぎて成形が難しくなるので、20〜65重量%とす
るのがよい。
【0021】請求項2の発明において、有機高分子材料
を構成する塩素化パラフィンは、炭素数が10〜50
で、塩素含有率が30〜70重量%であるものであれ
ば、限定されず、液状のものでも固体のものでもよい。
塩素化パラフィンは、単一物質からなるものでも、2以
上の物質の混合物でもよい。塩素化パラフィンは1種類
で単独使用されても、2種類以上併用されてもよい。
【0022】塩素化パラフィンの炭素数は、小さすぎる
と塩素化パラフィンがブリードアウトしてしまい、大き
すぎると十分な制振性が発現しないため、好ましくは1
2〜50であり、塩素化パラフィンが1種類で使用され
る場合、好ましくは12〜20、より好ましくは12〜
16である。
【0023】塩素化パラフィンの塩素含有量は、少なす
ぎると、充分な制振性が発現せず、且つ、塩素化パラフ
ィンが塩素系高分子材料と相溶しにくくブリードアウト
する恐れがあり、多すぎると、やはり塩素化パラフィン
が塩素系高分子材料と相溶しにくくブリードアウトする
恐れがあるので、30〜70重量%とするのがよい。塩
素化パラフィンの塩素含有量が塩素系高分子材料の塩素
含有量に近いほど、制振性が良くなるので、塩素系高分
子材料の塩素含有量に従って、塩素化パラフィンの塩素
含有量を決めればよい。
【0024】請求項2の発明の有機高分子材料におい
て、塩素系高分子材料に対する塩素化パラフィンの量
は、少なすぎると十分な制振性が得られず、多すぎると
強度が小さくなって樹脂組成物が形態を保持しにくくな
るため、塩素系高分子材料100重量部に対して100
〜350重量部である。
【0025】請求項2の発明の樹脂組成物には必要に応
じて可塑剤、充填材等が添加されてもよい。可塑剤、充
填材の例示および添加量は請求項1におけるものと同じ
であってよい。
【0026】請求項3の発明による階段の防音装置は、
請求項1の発明において、有機高分子材料が、塩素含有
量20〜70重量%の塩素系高分子材料100重量部
と、炭素数12〜16で且つ塩素含有率30〜70重量
%の第1塩素化パラフィンおよび炭素数20〜50で且
つ塩素含有率30〜70重量%の第2塩素化パラフィン
の混合物50〜300重量部(ただし第1塩素化パラフ
ィンの割合が第2塩素化パラフィンの割合より大きい)
とからなる樹脂組成物であることを特徴とするものであ
る。
【0027】請求項3の発明において、有機高分子材料
を構成する塩素系高分子材料は、請求項1の制振シート
用の有機高分子材料のうち塩素系のものであってよく、
例えば、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩
化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩素化ポリエチレ
ン系樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。
【0028】塩素系高分子材料の塩素含有量は、少なす
ぎると制振性が低下し、多すぎると制振シートが硬くな
りすぎて成形が難しくなるので、20〜70重量%とす
るのがよい。
【0029】請求項3の発明の有機高分子材料におい
て、塩素化パラフィンは、炭素数12〜16で且つ塩素
含有率30〜70重量%の第1塩素化パラフィンおよび
炭素数20〜50で且つ塩素含有率30〜70重量%の
第2塩素化パラフィンの混合物である。このように炭素
数が互いに異なる2種の塩素化パラフィンを用いること
により、損失正弦(tanδ)のピーク値をより上昇さ
せ、すぐれた制振性を得ることができる。
【0030】この場合、第1塩素化パラフィンの割合を
第2塩素化パラフィンの割合より大きくすると、損失正
弦(tanδ)のピーク値をより上昇させるとともに長
期に亘って維持することができ、且つ、塩素化パラフィ
ンの制振シートからのブリードアウトを抑制させること
ができるので好ましい。
【0031】請求項3の発明の有機高分子材料におい
て、塩素系高分子材料に対する塩素化パラフィン混合物
の量は、少なすぎると十分な制振性が得られず、多すぎ
ると強度が小さくなって樹脂組成物が形態を保持しにく
くなるため、塩素系高分子材料100重量部に対して5
0〜300重量部である。
【0032】請求項3の発明の樹脂組成物には必要に応
じて可塑剤、充填材等が添加されてもよい。可塑剤、充
填材の例示および添加量は請求項1におけるものと同じ
であってよい。
【0033】請求項1〜3の発明による防音装置を階段
に設置する方法は任意であってよいが、現場での施工性
を良くするためには、予め制振シートと拘束部材を貼り
合せて防音装置を作製しておき、これを現場で階段の踏
面、または踏面および蹴上げ面に制振シートを内側にし
て貼付けるのがよい。また、階段には、踏面のみを有す
るものと、踏面および蹴上げ面を有するものとがある
が、前者の場合には踏面のみに防音装置を貼り合わせ、
後者の場合には踏面および蹴上げ面に防音装置を貼り合
わせる。
【0034】(作用)請求項1の発明による階段の防音
装置は、階段の踏面、または踏面および蹴上げ面に貼り
合わせられ、且つ損失正弦(tanδ)のピーク値が
1.5以上であるとともに、剪断接着強さが10N以上
である有機高分子材料からなる厚み0.1〜1.5mm
の制振シートと、同シートにおける踏面、または踏面お
よび蹴上げ面とは反対側の面に貼り合わせられ、且つ縦
弾性係数が1GPa以上である拘束部材とで構成されて
いるので、優れた制振性能を有する制振シートが、人が
階段を昇降する際の振動を吸収し、高い防音性能を有す
る。しかも、優れた防音効果を有するので、防音装置の
厚みを従来のものよりも薄くすることができ、その結果
リフォーム実施時に階下および階上に生じる段差が従来
の装置に比べて小さくなる。また、制振シートの剪断接
着強さが10N以上であるから、階段の踏面および蹴上
げ面に防音装置を制振シート側で貼り合わせる際、接着
剤や粘着剤を必要とせず、施工性が向上する。しかも、
長期間にわたって剥離が防止される。
【0035】また、請求項2の発明による階段の防音装
置では、有機高分子材料として、塩素含有量20〜65
重量%の塩素系高分子材料100重量部と、炭素数10
〜50で且つ塩素含有量30〜70重量%の少なくとも
1種の塩素化パラフィン100〜350重量部とからな
る樹脂組成物を用いると、一層優れた制振性能を有する
防音装置が得られる。
【0036】さらに、請求項3の発明による階段の防音
装置では、有機高分子材料として、塩素含有量20〜7
0重量%の塩素系高分子材料100重量部と、炭素数1
2〜16で且つ塩素含有率30〜70重量%の第1塩素
化パラフィンおよび炭素数20〜50で且つ塩素含有率
30〜70重量%の第2塩素化パラフィンの混合物50
〜300重量部(ただし第1塩素化パラフィンの割合が
第2塩素化パラフィンの割合より大きい)とからなる樹
脂組成物を用いるので、損失正弦(tanδ)のピーク
値をより上昇させるとともに長期に亘って維持すること
ができ、且つ、塩素化パラフィンの制振シートからのブ
リードアウトを抑制させることができる。
【0037】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施形態を、図面を
参照して説明する。
【0038】図1において、本発明による防音装置(1)
は、損失正弦(tanδ)のピーク値が1.5以上であ
るとともに、剪断接着強さが10N以上である有機高分
子材料からなる厚み0.1〜1.5mmの制振シート
(2)と、制振シート(2)の片面に、制振シート(2)の粘着
性を利用して貼り合わせられ、且つ縦弾性係数が1GP
a以上であるシート状拘束部材(3)とで構成されてい
る。
【0039】防音装置(1)は、制振シート(2)が自身の粘
着性を利用して階段(4)の踏面(4a)および蹴上げ面(4b)
に貼り合わせられることにより、階段(4)に設置され
る。
【0040】なお、図1においては、防音装置(1)の制
振シート(2)および拘束部材(3)の厚みは、理解しやすく
するために、階段(4)に比して実際よりは極端に大きく
示されている。
【0041】以下、本発明の具体的実施例を比較例とと
もに説明する。
【0042】実施例1 塩素化ポリエチレン(昭和電工社製、商品名「エラスレ
ン402NA」、塩素含有量40重量%)100重量部
と塩素化パラフィン(旭電化社製、品番「E500」、
塩素含有量50重量%、平均炭素数14、炭素数12〜
16=99重量%)150重量部とをロール練り機で混
練し、得られた混練物を120℃でプレスして厚み1.
0mmの制振シート(2)を得た。樹脂混練物のtanδ
は3.0であった。
【0043】この制振シート(2)を使用し、JIS K68
50に基いて引張り剪断接着強さを測定した。試験片材
料としては、JIS SPCCとJIS SPTFSを用いた。
その結果、引張り剪断接着強さは18Nであった。
【0044】また、制振シート(2)に、シート状拘束部
材(3)として厚み0.4mmの鋼板(中村商事社製、縦
弾性係数250GPa)を、制振シート(2)の粘着性を
利用して貼り合わせ、防音装置(1)を作製した。
【0045】この防音装置(1) を、JIS SPCCからな
る3段の中空状階段の踏面および蹴上げ面に、制振シー
ト(2)を踏面および蹴上げ面側にして制振シート(2)の粘
着性を利用して貼り合わせた。この階段を屋外に1年間
放置し、目視により防音装置(1)の剥離状況を観察した
ところ、剥離は認められなかった。
【0046】さらに、上記階段の最上段の踏面に、タッ
ピングマシンを用いて振動を与え、階段内部の下端部に
おける衝撃音の適応等級を調べたところ、LL−60で
あった。
【0047】実施例2 塩素化ポリエチレン(昭和電工社製、商品名「エラスレ
ン402NA」、塩素含有量40重量%)100重量部
と塩素化パラフィン(旭電化社製、品番「E500」、
塩素含有量50重量%、平均炭素数14、炭素数12〜
16=99重量%)200重量部と塩素化パラフィン
(味の素ファインテクノ社製、商品名「エンパラ7
0」、塩素含有率70重量%、数平均炭素数26、炭素
数20〜50=99重量%)50重量部とをロール練り
機で混練し、得られた樹脂混練物を120℃でプレスし
て、厚み1.0mmの制振シート(2)を得た。樹脂混練
物のtanδは3.5であった。
【0048】この制振シート(2)を使用し、JIS K68
50に基いて引張り剪断接着強さを測定した。試験片材
料としては、JIS SPCCとJIS SPTFSを用いた。
その結果、引張り剪断接着強さは20Nであった。
【0049】また、制振シート(2)に、シート状拘束部
材(3)として厚み0.4mmの鋼板(中村商事社製、縦
弾性係数250GPa)を、制振シート(2)の粘着性を
利用して貼り合わせ、防音装置(1)を作製した。
【0050】この防音装置(1)を、JIS SPCCからな
る3段の中空状階段の踏面および蹴上げ面に、制振シー
ト(2)を踏面および蹴上げ面側にして制振シート(2)の粘
着性を利用して貼り合わせた。この階段を屋外に1年間
放置し、目視により防音装置(1)の剥離状況を観察した
ところ、剥離は認められなかった。
【0051】さらに、上記階段の最上段の踏面に、タッ
ピングマシンを用いて振動を与え、階段内部の下端部に
おける衝撃音の適応等級を調べたところ、LL−60で
あった。
【0052】比較例1 厚み5.0mmの軟質塩化ビニル樹脂製シートとブチル
ゴム系粘着剤とを用意した。
【0053】ブチルゴム系粘着剤を使用し、上記実施例
2の制振シートの場合と同様な方法で、引張り剪断接着
強さを測定したところ、7Nであった。
【0054】また、ブチルゴム系粘着剤を使用して、軟
質塩化ビニル樹脂製シートJIS SPCCからなる3段の
中空状階段の踏面および蹴上げ面に貼り付けた。そし
て、上記階段の最上段の踏面に、タッピングマシンを用
いて振動を与え、階段内部の下端部における衝撃音の適
応等級を調べたところ、LL−65であった。
【0055】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、優れた制振性
能を有する制振シートが、人が階段を昇降する際の振動
を吸収し、高い防音性能を有する。しかも、優れた防音
効果を有するので、防音装置の厚みを従来のものよりも
薄くすることができ、その結果リフォーム実施時に階下
および階上に生じる段差が従来の装置に比べて小さくな
る。また、階段の踏面および蹴上げ面に防音装置を制振
シート側で貼り合わせる際、接着剤や粘着剤を必要とせ
ず、施工性が向上する。しかも、長期間にわたって剥離
が防止される。
【0056】請求項2の発明によれば、一層優れた制振
性能を有する防音装置が得られる。
【0057】請求項3の発明によれば、損失正弦(ta
nδ)のピーク値をより上昇させるとともに長期に亘っ
て維持することができ、且つ、塩素化パラフィンの制振
シートからのブリードアウトを抑制させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による防音装置の設置状態を示す階段の
垂直断面図である。
【符号の説明】
(1):防音装置 (2):制振シート (3):シート状拘束部材 (4):階段 (4a):踏面 (4b):蹴上げ面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 23/28 G10K 11/16 D 27:00)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 階段の踏面、または踏面および蹴上げ面
    に貼り合わせられ、且つ損失正弦(tanδ)のピーク
    値が1.5以上であるとともに、剪断接着強さが10N
    以上である有機高分子材料からなる厚み0.1〜1.5
    mmの制振シートと、同シートにおける踏面、または踏
    面および蹴上げ面とは反対側の面に貼り合わせられ、且
    つ縦弾性係数が1GPa以上であるシート状拘束部材と
    で構成されていることを特徴とする階段の防音装置。
  2. 【請求項2】 有機高分子材料が、塩素含有量20〜6
    5重量%の塩素系高分子材料100重量部と、炭素数1
    0〜50で且つ塩素含有量30〜70重量%の少なくと
    も1種の塩素化パラフィン100〜350重量部とから
    なる樹脂組成物であることを特徴とする請求項1記載の
    階段の防音装置。
  3. 【請求項3】 有機高分子材料が、塩素含有量20〜7
    0重量%の塩素系高分子材料100重量部と、炭素数1
    2〜16で且つ塩素含有率30〜70重量%の第1塩素
    化パラフィンおよび炭素数20〜50で且つ塩素含有率
    30〜70重量%の第2塩素化パラフィンの混合物50
    〜300重量部(ただし第1塩素化パラフィンの割合が
    第2塩素化パラフィンの割合より大きい)とからなる樹
    脂組成物であることを特徴とする請求項1記載の階段の
    防音装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005066933A1 (ja) * 2004-01-05 2005-07-21 Sekisui Chemical Co., Ltd. 制振材料用樹脂組成物、制振材料、拘束型制振材およびその用途
JP2005307077A (ja) * 2004-04-23 2005-11-04 Sekisui Chem Co Ltd 制振材料用樹脂組成物、それを用いた制振シート及び制振積層体
JP2006118227A (ja) * 2004-10-22 2006-05-11 Hayakawa Rubber Co Ltd 金属製階段用防音マット

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