JP2003268895A - 建築物外壁の防音装置 - Google Patents

建築物外壁の防音装置

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JP2003268895A
JP2003268895A JP2002068664A JP2002068664A JP2003268895A JP 2003268895 A JP2003268895 A JP 2003268895A JP 2002068664 A JP2002068664 A JP 2002068664A JP 2002068664 A JP2002068664 A JP 2002068664A JP 2003268895 A JP2003268895 A JP 2003268895A
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wall
building
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chlorinated paraffin
chlorine content
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JP2002068664A
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Takashi Sawara
敬 佐原
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防音装置の収まりが良く、設置のための施工
が容易であり、しかも、防音性に優れる建築物外壁の防
音装置を提供する。 【解決手段】 塩素化ポリエチレン100重量部と炭素
数14の塩素化パラフィン150重量部からなる厚さ
1.0mmの制振シートを得た。tan δは3.0。
制振シートに拘束部材として厚み0.4mmの鋼板を粘
着剤なしで貼り合わせ、防音装置8 を作製した。外壁材
1 としてコンクリート板(厚み100mm)を用い、内
装材10として石膏ボード(厚み12.5mm)を用い、
面材支持体2として、厚み0.6mm、奥行き20mm
×幅40mm角のスチールスタッドからなる長方形の枠
体3 を用いた。対向する外壁材1 および内装材10の面材
支持体側の面において、面材支持体空間部相当部分9 全
面に防音装置8 を制振シート6側で貼り付けた。こうし
て防音外壁を作製した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防音装置の収まり
が良く、設置のための施工が容易であり、しかも、防音
性に優れる建築物外壁の防音装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物外壁の防音装置としては、
外壁に発泡ウレタン層やグラスウール層を貼設したもの
が知られている。例えば特開平6−93674号公報に
は、プレキャストコンクリート板の裏面凹部に発泡ウレ
タンを貼設した防音装置が提案されている。
【0003】しかし、この構造では、発泡ウレタン層や
グラスウール層が十分な吸音効果を示すには50mm以
上もの厚みを必要とした。そのため、壁構造が厚くな
り、それだけ部屋面積が狭められた。
【0004】また、特開平9−32150号公報には、
一対の面材を枠体で一定間隔に対向配置し、少なくとも
一方の面材に、リブを他方の面材に接触しないように設
け、且つ一対の面材の剛性に差異を設けた防音装置が提
案されている。
【0005】しかし、この構造では面材支持体の奥行き
が広がり部屋面積が狭くなると共に、施工に手間が掛か
るという難点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、上
記の点に鑑み、防音装置の収まりが良く、設置のための
施工が容易であり、しかも、防音性に優れる建築物外壁
の防音装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による建築物外壁
の防音装置は、一対の面材間に面材支持体がサンドイッ
チされ、面材支持体が、面材に当接しない空間部を形成
するように、枠体または枠体と桟で構成されてなる外壁
において、面材の面材支持体側の面における面材支持体
空間部相当部分に設けられ、且つ、損失正弦(tan
δ)のピーク値が1.5以上である有機高分子材料から
なる制振シートと、同シートの上に設けられ、且つ、縦
弾性係数が1GPa以上である拘束部材とで構成されて
いることを特徴とするものである。
【0008】本明細書全体を通して、面材の面材支持体
側の面において、面材支持体空間部に対向して位置する
部分を「面材支持体空間部相当部分」という。
【0009】上記制振シートを構成する有機高分子材料
は、有機高分子材料が、塩素含有量20〜70重量%の
塩素系高分子材料と、炭素数12〜50で且つ塩素含有
量30〜70重量%の少なくとも1種の塩素化パラフィ
ンとからなる樹脂組成物であることが好ましい。
【0010】有機高分子材料は、塩素含有量20〜70
重量%の塩素系高分子材料と、炭素数12〜16で且つ
塩素含有率30〜70重量%の第1塩素化パラフィンお
よび炭素数20〜50で且つ塩素含有率30〜70重量
%の第2塩素化パラフィンの混合物(ただし第1塩素化
パラフィンの割合が第2塩素化パラフィンの割合より大
きい)とからなる樹脂組成物であることも好ましい。
【0011】本発明による建築物外壁の防音装置におい
て、制振シート用の有機高分子材料は、100Hzで計
測した損失正弦(tanδ)のピーク値が1.5以上で
あるものであれば、特に限定されないが、極性基を有す
る高分子材料が好ましい。このような高分子材料の例と
して、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエ
ンゴム、フッ素系ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリビニルブチラール、クロロスルフォン化ポリエ
チレン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル系樹脂、塩素
化塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニ
ル−塩化ビニリデン共重合体、ハロゲン化ポリマー、フ
ッ素系ポリマー、臭素系ポリマー、ポリウレタン系熱可
塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマ
ー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどが挙げられ
る。
【0012】有機高分子材料のハロゲン含有量は、少な
すぎると制振性が低下し、多すぎると制振シートが硬く
なりすぎて成形が難しくなるので、好ましくは20〜7
0重量%である。
【0013】有機高分子材料には必要に応じて可塑剤が
添加されてもよい。特に有機高分子材料が硬過ぎる場
合、可塑剤を添加するのが好ましい。可塑剤としては、
通常、塩化ビニル系樹脂に使用されるものが使用でき、
例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジエチル、フタ
ル酸ジイソノニル、テトラブロモフタル酸ジ−2−エチ
ルヘキシル等のフタル酸系可塑剤;トリクレジンホスフ
ェート、トリス(1,3−ジシクロ−2−プロピル)ホ
スフェート等のリン酸エステル系可塑剤;トリ−2−エ
チルヘキシルトリメリテート等のトリメリット酸エステ
ル系可塑剤;エポキシ系可塑剤;ポリエステル系可塑剤
などが挙げられる。植物油系の可塑剤も好ましい。塩素
化パラフィンのブリードアウトを抑制するには、フタル
酸系可塑剤が好ましい。これらは単独で用いても、2種
類以上組み合わせ用いてもよい。フタル酸系可塑剤以外
の可塑剤を用いる場合には、これにフタル酸系可塑剤を
併用するのが好ましい。
【0014】可塑剤の配合量は、有機高分子材料100
重量部に対し50〜200重量部、好ましくは60〜1
80重量部、より好ましくは100重量部以下である。
この範囲でブリードアウトが抑制でき、制振効果も発現
できる。
【0015】有機高分子材料には必要に応じて充填材が
添加されてもよい。特に、樹脂組成物にある程度の硬さ
を付与したいときは、充填材を添加するのがよい。充填
材としては、鉄粉、アルミニウム粉、銅粉等の金属粉;
マイカ、カオリン、モンモリロナイト、シリカ、炭酸カ
ルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
リン酸マグネシウム、結晶性炭素(グラファイト等)、
バーミキュライト等の無機質充填材などが例示される。
これらは、単独で用いられても、2種類以上併用されて
もいい。充填材の量は、多すぎると樹脂組成物の制振性
が低下するので、有機高分子材料100重量部に対し
て、好ましくは300重量部以下である。
【0016】有機高分子材料からなる制振シートの作製
方法は、特に限定されず、例えば押出成形法、カレンダ
ー成形法、溶剤キャスト法等の一般的なシート成形方法
であってよい。得られたシートを所要サイズにカットし
て防音装置の構成に供する。
【0017】本発明による建築物外壁の防音装置のもう
1つの構成材である拘束部材は、縦弾性係数が1GPa
以上であるものであれば特に限定されないが、制振シー
ト用の有機高分子材料より縦弾性係数が大きい材料がよ
い。
【0018】このような拘束部材の例として、鉛、鉄、
鋼材(ステンレス鋼を含む)、アルミニウム等の金属材
料;コンクリート、石膏ボード、大理石、スレート板、
砂板、ガラス等の無機材料;ポリカーボネート、ポリサ
ルフォン等のビスフエノールA変性樹脂;ポリ(メタ)
アクリレートなどのアクリル樹脂;塩化ビニル系樹脂、
塩素化塩化ビニル系樹脂等の塩素系樹脂;アクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン系ゴム等のゴム系材料;ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
等の飽和ポリエステル;スチレン系樹脂;ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂;ナイロン
6、ナイロン66、アラミド(芳香族ポリアミド)等の
ポリアミド系樹脂;メラミン系樹脂;ポリイミド系樹
脂;ウレタン系樹脂;ジシクロペンタジエン、ベークラ
イト等の熱硬化性樹脂;木、紙等のセルロース系材料;
キチン、キトサンなどからなる板材またはシートが挙げ
られる。
【0019】これらは単独で用いても、2以上の組み合
わせで用いてもよい。拘束部材はガラス繊維、カーボン
繊維、液晶などで補強されていてもよく、互いに異なる
材料からなる複合板であってもよく、さらに、これらの
材料からなる発泡体であってもよい。
【0020】拘束部材の形状は特に限定されず、シート
状、板状、棒状、ブロック状などであってもよい。好ま
しくはシート状拘束部材が用いられる。金属製の拘束部
材にはメッキや塗装を施すのが好ましい。平滑な金属板
からなる拘束部材は反射率が大きくなる傾向を有するの
で、表面に凹凸を設ける、孔を開ける、拘束部材を無機
材にする、などにより反射率を低減させるのが好まし
い。孔径は、孔が汚れなどで塞がれないようにまた穴内
に水が浸透しないように、直径3〜20mm程度にする
のがよい。拘束部材が振動していても、拘束部材の縦弾
性係数があまり低下しなければ、表面の凹凸や孔開けな
どで防音効果は増す傾向にある。
【0021】制振シートを構成する有機高分子材料とし
ては、塩素含有量20〜70重量%の塩素系高分子材料
と、炭素数12〜16で且つ塩素含有率30〜70重量
%の第1塩素化パラフィンおよび炭素数20〜50で且
つ塩素含有率30〜70重量%の第2塩素化パラフィン
の混合物(ただし第1塩素化パラフィンの割合が第2塩
素化パラフィンの割合より大きい)とからなる樹脂組成
物が好ましい。
【0022】この塩素化パラフィン混合物を含む有機高
分子材料において、制振シート用の塩素系高分子材料
は、先に例示した制振シート用の有機高分子材料のうち
塩素系のものであってよく、例えば、塩化ビニル系樹
脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデ
ン共重合体、塩素化ポリエチレン系樹脂、塩素化塩化ビ
ニル系樹脂等が挙げられる。
【0023】塩素系高分子材料の塩素含有量は、少なす
ぎると制振性が低下し、多すぎると制振シートが硬くな
りすぎて成形が難しくなるので、20〜70重量%とす
るのがよい。
【0024】この塩素化パラフィン混合物を含む有機高
分子材料において、好ましい塩素化パラフィンは、炭素
数12〜16で且つ塩素含有率30〜70重量%の第1
塩素化パラフィンおよび炭素数20〜50で且つ塩素含
有率30〜70重量%の第2塩素化パラフィンの混合物
である。このように炭素数が互いに異なる2種の塩素化
パラフィンを用いることにより、損失正弦(tanδ)
のピーク値をより上昇させ、すぐれた制振性を得ること
ができる。
【0025】この場合、第1塩素化パラフィンの割合を
第2塩素化パラフィンの割合より大きくすると、損失正
弦(tanδ)のピーク値をより上昇させるとともに長
期に亘って維持することができ、且つ、塩素化パラフィ
ンの制振シートからのブリードアウトを抑制させること
ができるので好ましい。
【0026】この塩素化パラフィン混合物を含む有機高
分子材料において、塩素系高分子材料に対する塩素化パ
ラフィン混合物の量は、少なすぎると十分な制振性が得
られず、多すぎると強度が小さくなって樹脂組成物が形
態を保持しにくくなるため、塩素系高分子材料100重
量部に対して50〜400重量部である。
【0027】この塩素化パラフィン混合物を含む樹脂組
成物には必要に応じて可塑剤、充填材等が添加されても
よい。可塑剤、充填材の例示および添加量は上述したも
のと同じであってよい。
【0028】建築物の外壁を構成する一対の面材、例え
ば外壁材と内装材の材料は、特に限定されず、例えば、
鉛、鉄、鋼材(ステンレス鋼を含む)、アルミニウム等
の金属材料;コンクリート、石膏ボード、大理石、スレ
ート板、砂板、板ガラス等の無機材料;ポリカーボネー
ト、ポリサルフォン等のビスフェノールA変性樹脂;ポ
リメタクリレート等のアクリル樹脂;塩化ビニル系樹
脂、塩素化塩化ビニル系樹脂等の塩素系樹脂;アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン系ゴム等のゴム材料
系;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート等の飽和ポリエステル;スチレン系樹脂;ポリエ
チレン、ポリプレン等のオレフィン系樹脂;ナイロン
6、ナイロン66、アラミド(芳香族ポリアミド)等の
ポリアミド系樹脂;メラミン系樹脂;ポリイミド系樹
脂;ウレタン系樹脂;ジシクロペンタジエン、ベークラ
イト等の熱硬化樹脂;木、紙等のセルロース系材料;キ
チンケトサン等からなる板材ないしはシートが例示され
る。これらは、ガラス繊維、カーボン繊維等の補強繊
維、液晶などで補強されていてもよく、複数の材料から
なる複合材料であってもよいし、発泡されていてもよ
い。上記例示物のうち、価格面や入手の容易さなどから
木製の板材や石膏ボードが好ましい。石膏ボードは、市
販品をそのまま使用できるが、表面に厚紙が積層されて
いるものであってもよい。石膏ボードの比重は、小さす
ぎると遮音性能が小さく、大きすぎると耐荷重の面で構
造的な制約を受け易くなるので、0.7〜1.4が好ま
しい。
【0029】高層建築物、例えばビルディングまたはマ
ンション用の長方形の外壁を構成する外壁材としてはコ
ンクリート板等が良く用いられ、戸建住宅用の長方形の
外壁を構成する外壁材としては、セメント板、気泡コン
クリート等が良く用いられる。外壁を構成する内装材と
しては石膏ボードが良く用いられる。
【0030】一対の面材のそれぞれは、互いに同じ材質
からなっていてもよいし、異なる材質からなっていても
よい。
【0031】本発明で用いられる面材支持体は、枠体の
みで構成されていても、枠体と桟とで構成されていても
よい。桟は枠体の対向部に亘るように配され、枠体の長
手方向に向けられてもよいし、幅方向に向けられてもよ
く、格子状に設けられてもよい。桟の間隔は一定であっ
てもよいし、異なっていてもよい。また、面材支持体
は、面材を固定できるものであれば特に限定されず、例
えばアルミニウム、鋼材、鉄骨、スチールスタッド等の
金属材料、木材、コンクリートボンド等からなるものが
例示される。該面材支持体の厚みも特に限定されず、必
要に応じ適宜設計変更してよく、一般的には20〜10
0mmである。
【0032】枠体で囲まれている空間、または、枠体と
桟とで囲まれている空間、または、桟と桟とで囲まれて
いる空間、すなわち面材支持体において面材に当接しな
い部分には、グラスウール、ロックウールまたは連続気
泡発泡体などが配されていてもよい。
【0033】面材と面材支持体との固定は、木ネジ等の
ネジ止めや釘止め、両面テープ、接着剤によってなされ
てもよいが、コスト面、強度面からネジ止めや釘止めが
好ましい。
【0034】本発明による防音装置を建築物外壁に設置
する方法は任意であってよいが、現場での施工性を良く
するためには、予め制振シートと拘束部材を貼合して防
音装置を作製しておき、これを現場で建築物外壁の上記
設置位置内面に制振シートを設置面と拘束部材とで挟む
ようにして貼付けるのがよい。本発明による防音装置を
建築物外壁に多層状に設置することも好ましい。
【0035】制振シートおよび拘束材料の厚みは任意で
あってよいが、薄すぎると制振性能が劣り、厚すぎると
重量が重くなり施工性が悪くなるので、制振シートの厚
みは好ましくは50μm〜2mm、より好ましくは0.
3〜1mm、拘束部材の厚みは好ましくは50μm〜1
mm、より好ましくは0.5〜1mmである。
【0036】塩素化パラフィンを含む樹脂組成物は適度
な粘着性を有し、建築物外壁に防音装置を制振シート側
で貼り合わせる際、粘着剤や両面テープが必要でなく施
工性が良い。
【0037】(作用)本発明による建築物外壁の防音装
置は、面材の面材支持体空間部相当部分に設けられ、且
つ、損失正弦(tanδ)のピーク値が1.5以上であ
る有機高分子材料からなる制振シートと、同シートの上
に設けられ、且つ、縦弾性係数が1GPa以上である拘
束部材とで構成されているので、優れた制振性能を有す
る制振シートが建築物外部の騒音を吸収し、高い防音性
能を示す。しかも、これは軽量(面密度約2.0)であ
って建築物外壁内部に安定的に設置することができ、設
置のための施工が容易である。
【0038】有機高分子材料として、塩素含有量20〜
70重量%の塩素系高分子材料と、炭素数12〜50で
且つ塩素含有量30〜70重量%の少なくとも1種の塩
素化パラフィンとからなる樹脂組成物を用いると、防音
性能を一層高めることができる。
【0039】また、有機高分子材料として、塩素含有量
20〜70重量%の塩素系高分子材料と、炭素数12〜
16で且つ塩素含有率30〜70重量%の第1塩素化パ
ラフィンおよび炭素数20〜50で且つ塩素含有率30
〜70重量%の第2塩素化パラフィンの混合物(ただし
第1塩素化パラフィンの割合が第2塩素化パラフィンの
割合より大きい)とからなる樹脂組成物を用いると、損
失正弦(tanδ)のピーク値をより上昇させるととも
に長期に亘って維持することができ、且つ、塩素化パラ
フィンの制振シートからのブリードアウトを抑制させる
ことができる。
【0040】さらに、塩素化パラフィンを含む樹脂組成
物からなる制振シートは適度な粘着性を有するので、建
築物外壁に防音装置を制振シート側で貼り合わせる際、
粘着剤や両面テープ、ネジ留め等が必要でない。
【0041】
【発明の実施の形態】本発明を実施例に基づいてさらに
詳しく説明する。
【0042】実施例1 塩素化ポリエチレン(昭和電工社製、商品名「エラスレ
ン402NA」、塩素含有量40重量%)100重量部
と塩素化パラフィン(旭電化社製、品番「E500」、
塩素含有量50重量%、炭素数12〜16=99重量
%)150重量部とをロール練り機で混練し、得られた
混練物を120℃でプレスして厚さ1.0mmのシート
を得た。これを所要サイズにカットして制振シートを得
た。樹脂混練物のtan δは3.0であった。
【0043】この制振シートに拘束部材として所要サイ
ズの厚み0.4mmの鋼板(中村商事社製、縦弾性係数
250GPa)を粘着剤なしで貼り合わせた。こうし
て、拘束部材(7) と制振シート(6) からなる防音装置
(8) を作製した。
【0044】図1において、高層建築物例えばビルディ
ングまたはマンション用の長方形の外壁(長辺2.4
m、短辺90cm)を構成する外壁材(1) として、コン
クリート板(厚み100mm)を用い、内装材(10)とし
て石膏ボード(吉野石膏社製、商品名「不燃タイガーボ
ード」、厚み12.5mm)を用い、面材支持体(2) と
して、厚み0.6mm、奥行き20mm×幅40mm角
のスチールスタッドからなる長方形の枠体(3) を用い
た。対向する外壁材(1) および内装材(10)の面材支持体
側の面において、枠体(3) が外壁材(1) および内装材(1
0)に当接しない部分(枠内空間部に相当する部分)すな
わち面材支持体空間部相当部分(9) 全面に、拘束部材
(7) と制振シート(6) からなる防音装置(8) を制振シー
ト(6) 側で貼り付けた。こうして防音外壁を作製した。
【0045】実施例2 図2において、戸建住宅用の長方形の外壁(長辺2.4
m、短辺90cm)を構成する外壁材(1) として、木片
セメント板(厚み16mm、積水化学社製「シンセライ
ト」)を用い、内装材(10)として石膏ボード(吉野石膏
社製、商品名「不燃タイガーボード」、厚み12.5m
m)を用いた。面材支持体(2) として、長方形の枠体
(3) (100mm角スチールスタッド、鉄鋼製、厚み
1.2mm)と、枠体(3) の両側垂直部に亘って水平に
設けられた3本の横桟(4) (木製、30mm角)とで構
成されたものを用いた。枠体(3) と横桟(4) とで囲まれ
ている4つの横長空間部(5) は、面材支持体が外壁材
(1) および内装材(10)に当接しない部分である。対向す
る外壁材(1) および内装材(10)の面材支持体側の面にお
ける4つの面材支持体空間部相当部分(9) 全面に、実施
例1で作製した、拘束部材(7) と制振シート(6) からな
る防音装置(8) を制振シート(6) 側で貼り付けた。こう
して防音外壁を作製した。
【0046】実施例3 図1に示す、実施例1と同じ構成の建築物外壁におい
て、実施例1で作製した、拘束部材(7) と制振シート
(6) からなる防音装置(8) を、内装材(10)のみにおい
て、枠体(3) が内装材(10)に当接しない部分に全面に、
制振シート(6) 側で貼り付けた。その他の構成は実施例
1と同じである。こうして防音外壁を作製した。
【0047】実施例4 塩素化ポリエチレン(昭和電工社製、商品名「エラスレ
ン402NA」、塩素含有量40重量%)100重量部
と塩素化パラフィン(旭電化社製、品番「E500」、
塩素含有量50重量%、平均炭素数14、炭素数12〜
16=99重量%)200重量部と塩素化パラフィン
(味の素ファインテクノ社製、商品名「エンパラ7
0」、塩素含有率70重量%、平均炭素数26、炭素数
20〜50=99重量%)50重量部とをロール練り機
で混練し、得られた樹脂混練物を120℃でプレスし
て、厚さ1.0mmのシートを得た。これを所要サイズ
にカットして厚さ1.0mmの制振シートを作製した。
樹脂混練物のtan δは3.5であった。
【0048】制振シートとして上記のものを用いた点を
除いて、実施例1と同じ操作を行い、防音外壁を作製し
た。
【0049】比較例1 図1に示す、実施例1と同じ構成の建築物外壁におい
て、拘束部材と制振シートからなる防音装置を外壁材
(1) および内装材(10)に貼り付けなかった。その他の構
成は実施例1と同じにした。
【0050】比較例2 図2に示す、実施例2と同じ構成の建築物外壁におい
て、拘束部材と制振シートからなる防音装置を外壁材
(1) および内装材(10)に貼り付けなかった。その他の構
成は実施例2と同じにした。
【0051】比較例3 図1に示す、実施例1と同じ構成の建築物外壁におい
て、対向する外壁材(1)および内装材(10)の面材支持体
側の面において、枠体(3) が外壁材(1) および内装材(1
0)に当接しない部分(枠内空間部に相当する部分)すな
わち面材支持体空間部相当部分(9) 全面に、拘束部材と
制振シートからなる防音装置の代わりに、鉛シート(厚
み1mm、東邦亜鉛社製「ソフトカームAP−3」)を
貼り付けた。その他の構成は実施例1と同じにして防音
外壁を作製した。
【0052】比較例4 図1に示す、実施例1と同じ構成の建築物外壁におい
て、面材支持体(2) として、奥行き20mm×幅40m
m角のスチールスタッドからなる長方形の枠体の代わり
に、奥行き65mm×幅40mm角のスチールスタッド
からなる長方形の枠体(3) を用い、対向する外壁材(1)
および内装材(10)の面材支持体側の面において、枠体
(3) が外壁材(1) および内装材(10)に当接しない部分
(枠内空間部に相当する部分)すなわち面材支持体空間
部相当部分(9) 全面に、拘束部材と制振シートからなる
防音装置の代わりに、樹脂フォーム層(厚み50mm、
アキレス社「アキレスボード」)を貼り付けた。その他
の構成は実施例1と同じにして防音外壁を作製した。
【0053】防音評価試験 a) 実施例1〜3および比較例1〜4で作製した防音
外壁に対し、下記の方法で防音性能評価を行った。
【0054】JIS A1416に準拠して、音響透過
損失を測定した。すなわち、建築物の外壁から3m外方
の位置にスピーカーを設置し、ノイズジェネレーター
(RION社製、型式「SF−05」)を用い、100
dBのオールパスのピンクノイズを発生させた。建築物
内部にマイクロホンを設置し、オクターブバンド精密騒
音計(RION社製、型式「NA−29」)を用いて、
建築物内部で音圧レベルを測定し、音響透過損失を求め
た。まず、音源側の音圧レベルを測定し、その後、透過
側の音圧レベルを評価指標として測定した。評価は63
Hzから4kHzまでのオクターブバンド中心周波数の
音圧レベル差の相加平均で求めた。
【0055】これらの測定結果を表1にまとめて示す。
【0056】b) 防音外壁の全厚を併せて表1に示
す。
【0057】
【表1】
【0058】表1から明らかなように、実施例で作製し
た防音外壁はいずれも良好な遮音性を示すものである。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、優れた制振性能を有す
る制振シートが建築物外壁内部の騒音を吸収し、高い防
音性能を示す。しかも、これは軽量(面密度約2.0)
であって建築物外壁内部に安定的に設置することがで
き、設置のための施工が容易である。また、防音装置の
厚みが薄いので、外壁内部への収まりがよく、部屋面積
を広くできる。
【0060】有機高分子材料として、請求項2記載の樹
脂組成物を用いると、防音性能を一層高めることができ
る。
【0061】有機高分子材料として、請求項3記載の塩
素化パラフィンの混合物を含むものを用いると、損失正
弦(tanδ)のピーク値をより上昇させるとともに長
期に亘って維持することができ、且つ、塩素化パラフィ
ンの制振シートからのブリードアウトを抑制させること
ができる。
【0062】塩素化パラフィンを含む樹脂組成物からな
る制振シートは適度な粘着性を有するので、建築物外壁
に防音装置を制振シート側で貼り合わせる際、粘着剤や
両面テープ、ネジ留め等が必要でなく施工性が良い施工
が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は実施例1による建築物外壁の防音装置
の設置状態を示す建築物外壁の分解状態を示す斜視図で
ある。
【図2】 図2は実施例2による建築物外壁の防音装置
の設置状態を示す建築物外壁の分解状態を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
(1) :外壁材 (2) :面材支持体 (3) :枠体 (4) :横桟 (5) :横長空間部 (6) :制振シート (7) :拘束部材 (8) :防音装置 (9) :面材支持体空間部相当部分 (10):内装材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の面材間に面材支持体がサンドイッ
    チされ、面材支持体が、面材に当接しない空間部を形成
    するように、枠体または枠体と桟で構成されてなる外壁
    において、 面材の面材支持体側の面における面材支持体空間部相当
    部分に設けられ、且つ、損失正弦(tanδ)のピーク
    値が1.5以上である有機高分子材料からなる制振シー
    トと、 同シートの上に設けられ、且つ、縦弾性係数が1GPa
    以上である拘束部材とで構成されていることを特徴とす
    る建築物外壁の防音装置。
  2. 【請求項2】 有機高分子材料が、塩素含有量20〜7
    0重量%の塩素系高分子材料と、炭素数12〜50で且
    つ塩素含有量30〜70重量%の少なくとも1種の塩素
    化パラフィンとからなる樹脂組成物であることを特徴と
    する請求項1記載の建築物外壁の防音装置。
  3. 【請求項3】 有機高分子材料が、塩素含有量20〜7
    0重量%の塩素系高分子材料と、炭素数12〜16で且
    つ塩素含有率30〜70重量%の第1塩素化パラフィン
    および炭素数20〜50で且つ塩素含有率30〜70重
    量%の第2塩素化パラフィンの混合物(ただし第1塩素
    化パラフィンの割合が第2塩素化パラフィンの割合より
    大きい)とからなる樹脂組成物であることを特徴とする
    請求項1記載の建築物外壁の防音装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1985533A1 (en) * 2007-02-09 2008-10-29 Sekisui Chemical Co., Ltd. Vibration damping material and vibration damping structure

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1985533A1 (en) * 2007-02-09 2008-10-29 Sekisui Chemical Co., Ltd. Vibration damping material and vibration damping structure
EP1985533A4 (en) * 2007-02-09 2011-03-09 Sekisui Chemical Co Ltd SHOCK ABSORBENT MATERIAL AND SHOCK ABSORBENT STRUCTURE

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