JP4559102B2 - 防音空調機器 - Google Patents

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Description

本発明は防音空調機器に関し、特に建物に設置される防音空調機器に関する。
建物に設置される空調機器としては、送風機、ダクト、サイレンサー、消音エルボ、消音チャンバーなどが挙げられるが、これらの空調機器においては、運転中に発生する例えば送風機等のモーター音、ファンの風切り音、空気の流れる音、板振動による音などが、上記空調器機の内面又は外面を伝って室内や通路など建物内に放射されるという騒音の問題があった。特に近年、建物内における居住環境や作業環境が向上するに伴って、上記空調機器の騒音問題が顕著になってきている。
上記騒音を防止する方法としては、一般に鉛シートや各種発泡シート若しくは塩化ビニル樹脂などの合成樹脂を用いた遮音シートなどの遮音材を空調機器に貼り付ける方法が考えられるが、特に上記のような空調機器の内面又は外面から放射される低周波音を低減することは非常に難しいため、通常、上記の中でも最も効果が高いとされる鉛シートなど鉛系の材料を用いた遮音材が多用されていた。
しかし、鉛系の遮音材は重量が重く、以下のような問題点があった。
1.運搬や施工の際(例えば天井裏に昇って、施工する際など)、作業者が疲労しやすく、また作業時間も長くかかる。
2.粘着層付きの鉛シート等のように遮音材を粘着剤で空調機器へ貼る付ける場合、遮音材が自重によりずり落ちることがある。その為ダクトなどの空調機器の内面や外面に鋲を接着剤で固定した上で遮音材を突き刺し先端を折り曲げる等の方法でずり落ち防止処置を必要とすることが多く施工に手間がかかる。
3.遮音材が貼り付けられた空調機器の総重量が重くなるので、特にダクトなどの空中配設部分などにおいては吊り具や支柱が必要になることがあり、施工に手間がかかるだけでなく、使用可能な建物空間が狭くなる。
また鉛系の遮音材は、鉛の重量によって騒音の放射を遮断する所謂「重量則」による防音方式であるため、その防音効果を十分に発揮するためには空調機器の内面又は外面の全面に隙間無く貼り付けることが望ましく、貼り付け面積が大きくなるという問題点とともに、隅部などの貼り付けに手間がかかるという問題点もあった。
更に、上記運搬性、施工性、建物空間、貼り付け面積の問題点に加え、鉛系の材料は人体に対して健康を害する恐れもあり、また、将来建物の解体・廃棄したときの環境への負荷が大きくなるという問題点もあるため、鉛系の材料を用いることなく空調機器の内面又は外面から放射される特に低周波音を有効に低減可能な防音空調機器が求められていた。
上記に関し、特許文献1には、鉛系の材料を用いないものとして、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の無機質粉を主原料とし、バインダー効果のある有機質を混入して高倍率で発泡成形してなる有機物混入無機高発泡板からなるダクトが開示されている。
しかし、上記無機高発泡板の場合は、空調機器として強度が不十分になりやすいばかりでなく、例えば角筒状のダクトを形成するために、複数の板状体の端面を接着剤で固定したり、短冊状の接着部材で巻回固定するなどの組立作業を要するほか、機器同士の接合においても、通常のフランジやネジによる接合が難しく、特殊な接合部材や補助部材若しくは接着剤による固定を要するなど、必ずしも良好な施工性を有するものではなかった。
特開2002−156152号公報
本発明の目的は、上記従来の問題点に鑑み、鉛系の材料を用いず軽量で運搬性、施工性に優れた空調機器であって、吊り具や支柱が不要で建物空間を広く使え、遮音材を必ずしも全面に貼り付けることなく高い防音性を発揮しうる防音空調機器を提供することにある。
請求項1記載の防音空調機器は、有機高分子材料が、塩素含有量20〜70重量%の塩素系高分子材料と炭素数12〜16で且つ塩素含有量30〜70重量%の第1塩素化パラフィンおよび炭素数20〜50で且つ塩素含有率30〜70重量%の第2塩素化パラフィンの混合物とからなる樹脂組成物を有し損失正接(tanδ)のピーク値が1.5以上である有機高分子材料からなる制振シートの片面に縦弾性係数が1GPa以上である拘束部材が積層された制振材が、空調機器の内面又は外面の少なくとも一部に貼り付けられていることを特徴とする。
請求項2記載の防音空調機器は、請求項1記載の防音空調機器であって、制振材が平面部に貼り付けられたことを特徴とする。
請求項3記載の防音空調機器は、請求項1又は2記載の防音空調機器であって、制振材の周囲に保護テープが貼り付けられたことを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、制振シート用の有機高分子材料は、損失正弦(tanδ)のピーク値が1.5以上であれば、特に限定されないが、極性基を有する高分子材料が好ましい。このような高分子材料の例として、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、フッ素系ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、クロロスルフォン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル系樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、フッ素系ポリマー、臭素系ポリマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
有機高分子材料のハロゲン含有量は、少なすぎると制振性が低下し、多すぎると制振シートが硬くなりすぎて成形が難しくなるので、好ましくは20〜70重量%である。
上記有機高分子材料が、塩素含有量20〜70重量%の塩素系高分子材料と、炭素数12〜50で且つ塩素含有量30〜70重量%の少なくとも1種の塩素化パラフィンとからなる樹脂組成物であると、得られる有機高分子材料の制振特性が向上する点で好ましい。
上記塩素系高分子材料としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩素化ポリエチレン系樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。
塩素系高分子材料の塩素含有量は、少なすぎると制振性が低下し、多すぎると制振シートが硬くなりすぎて成形が難しくなるので、20〜70重量%とするのがよい。
上記塩素化パラフィンは、炭素数が12〜50で、塩素含有量が30〜70重量%であるものであれば、限定されず、液状のものでも固体のものでもよい。塩素化パラフィンは、単一物質からなるものでも、2以上の物質の混合物でもよい。
塩素化パラフィンの炭素数は、小さすぎると塩素化パラフィンがブリードアウトしてしまい、大きすぎると十分な制振性が発現しないため、好ましくは12〜50であり、塩素化パラフィンが1種類で使用される場合、好ましくは12〜20、より好ましくは12〜16である。
塩素化パラフィンの塩素含有量は、少なすぎると、充分な制振性が発現せず、且つ、塩素化パラフィンが塩素系高分子材料と相溶しにくくブリードアウトする恐れがあり、多すぎると、やはり塩素化パラフィンが塩素系高分子材料と相溶しにくくブリードアウトする恐れがあるので、30〜70重量%とするのがよい。塩素化パラフィンの塩素含有量が塩素系高分子材料の塩素含有量に近いほど、制振性が良くなるので、塩素系高分子材料の塩素含有量に従って、塩素化パラフィンの塩素含有量を決めればよい。
上記塩素系高分子材料に対する塩素化パラフィンの量は、少なすぎると十分な制振性が得られず、多すぎると強度が小さくなって樹脂組成物が形態を保持しにくくなるため、塩素系高分子材料100重量部に対して100〜2000重量部であることが好ましい。
上記有機高分子材料が、塩素含有量20〜70重量%の塩素系高分子材料と、炭素数12〜16で且つ塩素含有量30〜70重量%の第1塩素化パラフィンおよび炭素数20〜50で且つ塩素含有量30〜70重量%の第2塩素化パラフィンの混合物とからなる樹脂組成物であると、得られる有機高分子材料の制振特性が更に向上する点で好ましい。
上記有機高分子材料においては、炭素数が互いに異なる2種の塩素化パラフィンを用いることにより、損失正接(tanδ)のピーク値が出現する温度を調整でき、広い温度範囲ですぐれた制振性を得ることができる。
この場合、第1塩素化パラフィンの割合を全塩素パラフィン中40重量%以上にすると、損失正弦(tanδ)のピーク値をより上昇させるとともに長期に亘って維持することができ、且つ、塩素化パラフィンの制振シートからのブリードアウトを抑制させることができるので好ましい。
上記塩素系高分子材料に対する塩素化パラフィン混合物の量は、少なすぎると十分な制振性が得られず、多すぎると強度が小さくなって樹脂組成物が形態を保持しにくくなるため、塩素系高分子材料100重量部に対して50〜400重量部であることが好ましい。
本発明における有機高分子材料には必要に応じて可塑剤が添加されてもよい。特に有機高分子材料が硬過ぎる場合、可塑剤を添加するのが好ましい。可塑剤としては、通常、塩化ビニル系樹脂に使用されるものが使用でき、例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソノニル、テトラブロモフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等のフタル酸系可塑剤;トリクレジンホスフェート、トリス(1,3−ジシクロ−2−プロピル)ホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤;トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート等のトリメリット酸エステル系可塑剤;エポキシ系可塑剤;ポリエステル系可塑剤などが挙げられる。植物油系の可塑剤も好ましい。塩素化パラフィンのブリードアウトを抑制するには、フタル酸系可塑剤が好ましい。これらは単独で用いても、2種類以上組み合わせ用いてもよい。フタル酸系可塑剤以外の可塑剤を用いる場合には、これにフタル酸系可塑剤と併用するのが好ましい。
可塑剤の配合量は、有機高分子材料100重量部に対し50〜200重量部、好ましくは60〜180重量部、より好ましくは100重量部以下である。この範囲でブリードアウトが抑制でき、制振効果も発現できる。
有機高分子材料には必要に応じて充填材が添加されてもよい。特に、樹脂組成物にある程度の硬さを付与したいときは、充填材を添加するのがよい。充填材としては、鉄粉、アルミニウム粉、銅粉等の金属粉;マイカ、カオリン、モンモリロナイト、シリカ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、結晶性炭素(グラファイト等)、バーミキュライト等の無機質充填材などが例示される。これらは、単独で用いられても、2種類以上併用されてもいい。充填材の量は、多すぎると樹脂組成物の制振性が低下するので、有機高分子材料100重量部に対して、好ましくは300重量部以下である。
有機高分子材料からなる制振シートの作製方法は、特に限定されず、例えば押出成形法、カレンダー成形法、溶剤キャスト法等の一般的なシート成形方法であってよい。得られたシートを所要サイズにカットして防音空調機器の構成に供する。
本発明において、拘束部材は、縦弾性係数が1GPa以上であるものであれば特に限定されないが、制振シート用の有機高分子材料より縦弾性係数が大きい材料がよく、十分な制振効果を奏するためには、10GPa以上であることが好ましい。
このような拘束部材の例として、鉛、鉄、鋼材(ステンレス鋼を含む)、アルミニウム(アルミニウム合金を含む)等の金属材料;コンクリート、石膏ボード、大理石、スレート板、砂板、ガラス等の無機材料;ポリカーボネート、ポリサルフォン等のビスフエノールA変性樹脂;ポリ(メタ)アクリレートなどのアクリル樹脂;塩化ビニル系樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂等の塩素系樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系ゴム等のゴム系材料;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の飽和ポリエステル;スチレン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、アラミド(芳香族ポリアミド)等のポリアミド系樹脂;メラミン系樹脂;ポリイミド系樹脂;ウレタン系樹脂;ジシクロペンタジエン、ベークライト等の熱硬化性樹脂;木、紙等のセルロース系材料;キチン、キトサンなどからなる板材またはシートが挙げられる。
これらは単独で用いても、2以上の組み合わせで用いてもよい。拘束部材はガラス繊維、カーボン繊維、液晶などで補強されていてもよく、互いに異なる材料からなる複合板であってもよく、さらに、これらの材料からなる発泡体であってもよい。
拘束部材の形状は、好ましくはシート状である。金属製の拘束部材の場合には、メッキや塗装等の防錆処理を施すのが好ましい。
本発明において、制振シートおよび拘束部材の厚みは任意であってよいが、薄すぎると制振性能が劣り、厚すぎると防音空調機器の防水床や壁パネルの厚みが大きくなるので、制振シートの厚みは好ましくは0.1〜5.0mmである。
また、拘束部材の厚みは好ましくは0.05〜5.0mmであり、縦弾性係数が10GPa以上の硬い拘束部材の場合は、厚みは好ましくは0.05〜2.0mmである。
本発明の防音空調機器は、上記制振材が空調機器の内面又は外面の少なくとも一部に貼り付けられているものである。
また上記制振材が、平面部に貼り付けられたものであると、貼り付け作業が容易である点で好ましい。
制振材の貼り付け方法としては、特に限定されず、空調機器の内面又は外面に粘着剤や接着剤を用いて上記制振材を貼り付けてもよいし、予め制振材の片面に粘着剤や接着剤が積層された積層シートを上記空調機器の内面又は外面に貼り付ける方法でもよい。
また、制振材の周囲に保護テープが貼り付けられた場合には、制振材の端部が保護されるとともに、制振材が強固に貼り付けられる点で好ましい。
上記保護テープとしては、制振材の拘束部材(例えば鋼板)などにより破損し難い強度を有するもの、或いは、引張時の伸びが少ないものが好ましく、ガラス繊維で強化されたアルミテープ(例えば、スリオンテック社製「アルミガラスクロステープ」)などが好適である。
また、請求項4又は5記載の樹脂組成物は塩素化パラフィンを含むので、適度な粘着性を有し、制振シートと拘束部材とを積層する際や、制振シートと拘束部材との積層体からなる制振材を空調機器の内面又は外面に貼り付ける際に、粘着剤や接着剤を必ずしも要しない点で好適である。
上記制振材の貼り付け部位としては、空調機器の内面又は外面の全面に渡って貼り付けられてもよいが、要求される防音性能に応じて一部に貼り付けられたものであってもよい。
また、図1に示すように、例えば一枚の制振材1の周囲に保護テープ2,2・・が貼り付けられたものであってもよいが、貼り付け部の面積が大きい場合には、図2に示すように、複数の制振材1,1・・が隙間無く、或いは、図3に示すように隙間を空けて並べられ、周囲に保護テープ2,2・・が貼り付けられたものであってもよい。
制振材の貼り付け面積としては、面積が大きいほど高い制振効果が発揮されるが、その施工工数も増大するため、通常20〜80%であることが施工性と制振効果のバランスの点で好ましい。
また、ダクトなどの多面体に貼り付ける場合には、一面のみに貼り付けるより各面にほぼ均等に貼り付ける方が好ましい。
制振材の貼り付け方法としては、予め制振シートの片面に拘束部材が積層された制振材を用いて貼り付ける方法でもよいが、空調機器の内面又は外面に制振シートを貼り付け、残された片面に拘束部材を貼り付けて積層する方法でもよい。
また、本発明の防音空調機器を組み立てる方法は任意であってよい。すなわち、予め空調機器の内面又は外面に制振材を貼り付けておき、これを現場に搬入して組み立ててもよく、あるいは空調機器を現場に搬入した後に制振材を貼り付けてもよい。
本発明によれば、損失正接の高い有機高分子材料からなる制振シートの片面に特定の縦弾性係数を有する拘束部材が積層された制振材が貼り付けられているので、制振材が貼り付けられた部分において、空調機器の内面や外面を構成する材料と、制振シートを構成する拘束部材との間に特定の有機高分子材料が挟み込まれた所謂拘束型の制振構造が形成される。本発明者の知見によれば、空調機器の騒音源は、例えばブロアーをはじめとする伝搬振動に起因するものである。従って、制振材を必ずしも全面に貼り付けることなく高い防音性を発揮しうる防音空調機器を提供することができる。このため、鉛系の材料を用いる必要がなく、軽量で運搬性や施工性に優れた空調機器を提供することが可能となり、特に空中配管部分においては吊り具や支柱が不要で建物空間を広く使える空調機器を提供することが可能となる。
有機高分子材料が特定の塩素含有量の塩素系高分子材料と、特定の炭素数と塩素含有量を有する少なくとも1種の塩素化パラフィンとからなる場合には、上記効果は更に確実なものとなる。
また、有機高分子材料が特定の塩素含有量の塩素系高分子材料と、各々特定の炭素数と塩素含有量を有する第1塩素化パラフィンおよび第2塩素化パラフィンの混合物とからなる場合には、有機高分子材料の制振特性が向上し、上記効果は更に確実なものとなる。
以下に実施例および比較例を示すことにより、本発明を具体的に説明する。
尚、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
塩素化ポリエチレン(昭和電工社製、商品名「エラスレン402NA」、塩素含有量40重量%)100重量部と塩素化パラフィン(旭電化社製、商品名「E500」、塩素含有量 50重量%、平均炭素数14、炭素数12〜16=99重量%)200重量部とをロール練り機で混練し、得られた混練物を120℃でプレスして、厚さ1.0mmの制振シートを得た。樹脂混練物のtanδは3.5であった。この制振シートを所要サイズにカットしてその片面に拘束部材として0.2mmの鋼板(中村商事社製、縦弾性係数250GPa)を、粘着剤を用いずに制振シートの粘着性を利用して貼り合わせ積層した。こうして、制振シートと拘束部材からなる全厚1.2mmの制振材を作製した。
得られた制振材を送風機(3800m3/hr、静圧122kPa)が接合されたダクト(500×250×1000)の外面中央部分に、該ダクト外面の面積に対して70%の割合で貼り合わせて防音ダクトを作製した。
得られた防音ダクトの運転時の防音性能、及び、防音ダクト外面の表面積1m2当たりに付加される重量を測定した。
(比較例1)
ダクトの外面に鋲を接着剤で固定し、実施例1の制振材に替えて鉛シート(東邦亜鉛社製、商品名「ソフトカーム」、厚み=0.5mm)を突き刺し、ずり落ちないようにし、粘着剤を用いてダクト外面の全面に貼り付けたこと以外は実施例1と同様にして防音ダクトを作製し評価した。
(比較例2)
実施例1の制振材に替えて塩ビ系シート(ゼオン化成社製、商品名「サンダムDM、厚み=1.5mm」)を、粘着剤を用いてダクト外面の全面に貼り付けたこと以外は実施例1と同様にして防音ダクトを作製し評価した。
評価方法及び評価結果は以下の通りであった。
(損失正接測定)
粘弾性スペクトロメータ(岩本製作所社製)を用いて、測定周波数100Hz、資料長15mm、歪み量20μmの条件で測定温度−80℃〜80℃の範囲で昇温速度6℃/minにて測定を行った。得られた損失引張弾性率(E”)を貯蔵引張弾性率(E’)で除する事で損失正接を算出し、ピーク値を求めた。その結果、実施例1では3.5、比較例2では0.5であった。
(防音性能測定)
空調機器を運転し、測定時間を5秒とし、等価騒音レベルLAeqで評価した。マイクロフォンは、ダクト外面中央から20cm離れた地点に設置した。この測定結果によると、比較例1では57dB、比較例2では60dBであったものが、実施例1では56dBまで低下した。
(重量測定)
[制振材又は遮音材の重量]を[ダクト外面の全面積]で除してダクト外面1m2当たりに付加される重量を求めた。その結果、比較例1では5.8kg、比較例2では2.6kgであったものが、実施例1では2.4kgと軽量であった。
以上のように、本発明の実施例においては、制振材がダクト外面の全面に貼り付けられたものでなくても良好な防音性能が得られること、粘着剤を用いずとも制振シートの粘着性を利用して貼り付けることが可能なこと、及び軽量であることが判明した。このため、本発明によれば、極めて良好な防音性、軽量性及び施工性を発揮し得ることが判った。
制振材の周囲に保護テープが貼り付けられたものを例示する説明図である。 複数の制振材が隙間無く並べられ、周囲に保護テープが貼り付けられたものを例示する説明図である。 複数の制振材が隙間を空けて並べられ、周囲に保護テープが貼り付けられたものを例示する説明図である。
1 制振材
2 保護テープ

Claims (3)

  1. 有機高分子材料が、塩素含有量20〜70重量%の塩素系高分子材料と炭素数12〜16で且つ塩素含有量30〜70重量%の第1塩素化パラフィンおよび炭素数20〜50で且つ塩素含有率30〜70重量%の第2塩素化パラフィンの混合物とからなる樹脂組成物を有し損失正接(tanδ)のピーク値が1.5以上である有機高分子材料からなる制振シートの片面に縦弾性係数が1GPa以上である拘束部材が積層された制振材が、空調機器の内面又は外面の少なくとも一部に貼り付けられていることを特徴とする防音空調機器。
  2. 制振材が平面部に貼り付けられたことを特徴とする請求項1記載の防音空調機器。
  3. 制振材の周囲に保護テープが貼り付けられたことを特徴とする請求項1又は2記載の防音空調機器。
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