JP2003299300A - モーターの防音装置 - Google Patents

モーターの防音装置

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JP2003299300A
JP2003299300A JP2002099244A JP2002099244A JP2003299300A JP 2003299300 A JP2003299300 A JP 2003299300A JP 2002099244 A JP2002099244 A JP 2002099244A JP 2002099244 A JP2002099244 A JP 2002099244A JP 2003299300 A JP2003299300 A JP 2003299300A
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Masahiro Nishii
雅宏 西井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な防音特性を発現しつつ、放熱性が高く
しかも省スペースのモーターの防音装置を提供する。 【解決手段】 モーターの防音装置1は、モーターフレ
ーム2aの外面側に設けられ、且つ、損失正弦(tan
δ)のピーク値が1.5以上である有機高分子材料から
なる制振シート3と、同シート3の外側面に設けられ、且
つ、縦弾性係数が1GPa以上である拘束部材4とで構
成されている。制振シート3の厚みは、例えば1mm、
拘束部材4の厚みは、例えば0.4mmとされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モーターの防音装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、モーターの防音装置としては、モ
ーターフレームの外面側にスポンジ等の防音材を設けた
ものが知られている。また、特開2001−8401号
公報には、モーターフレームを納める角筒状のケース
と、ケースの外面側に設けられた防音材とからなるモー
ターの防音装置が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】モーターフレームの外
面側にスポンジ等の防音材を設けたモーターの防音装置
では、スポンジ等の防音材の熱伝導率が小さいため、放
熱性が悪いという問題があった。
【0004】また、特開2001−8401号公報に記
載のモーターの防音装置では、角筒状のケースを必要と
する分、設置スペースを多く取るという問題があった。
【0005】本発明は、従来技術の上記諸問題に鑑み、
良好な防音特性を発現しつつ、放熱性が良くしかも省ス
ペースのモーターの防音装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1によるモーター
の防音装置は、モーターフレームの少なくとも片面に設
けられ、且つ、損失正弦(tanδ)のピーク値が1.
5以上である有機高分子材料からなる制振シートと、同
シートの外側面に設けられ、且つ、縦弾性係数が1GP
a以上である拘束部材とで構成されていることを特徴と
するものである。
【0007】請求項2によるモーターの防音装置は、請
求項1記載のモーターの防音装置において、有機高分子
材料が、塩素含有量20〜70重量%の塩素系高分子材
料と、炭素数10〜50で且つ塩素含有量30〜70重
量%の少なくとも1種の塩素化パラフィンとからなる樹
脂組成物であることを特徴とするものである。
【0008】請求項3によるモーターの防音装置は、請
求項1記載のモーターの防音装置において、有機高分子
材料が、塩素含有量20〜70重量%の塩素系高分子材
料と、炭素数12〜16で且つ塩素含有率30〜70重
量%の第1塩素化パラフィンおよび炭素数20〜50で
且つ塩素含有率30〜70重量%の第2塩素化パラフィ
ンの混合物(ただし第1塩素化パラフィンの割合が第2
塩素化パラフィンの割合より大きい)とからなる樹脂組
成物であることを特徴とするものである。
【0009】請求項1によるモーターの防音装置におい
て、制振シート用の有機高分子材料は、損失正弦(ta
nδ)のピーク値が1.5以上であるものであれば、特
に限定されないが、極性基を有する高分子材料が好まし
い。このような高分子材料の例として、クロロプレンゴ
ム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、フッ素系ゴ
ム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラ
ール、クロロスルフォン化ポリエチレン、塩素化ポリエ
チレン、塩化ビニル系樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂、
塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共
重合体、ハロゲン化ポリマー、フッ素系ポリマー、臭素
系ポリマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポ
リエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可
塑性エラストマーなどが挙げられる。
【0010】有機高分子材料には必要に応じて可塑剤が
添加されてもよい。特に有機高分子材料が硬過ぎる場
合、可塑剤を添加するのが好ましい。可塑剤としては、
通常、塩化ビニル系樹脂に使用されるものが使用でき、
例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジエチル、フタ
ル酸ジイソノニル、テトラブロモフタル酸ジ−2−エチ
ルヘキシル等のフタル酸系可塑剤;トリクレジンホスフ
ェート、トリス(1,3−ジシクロ−2−プロピル)ホ
スフェート等のリン酸エステル系可塑剤;トリ−2−エ
チルヘキシルトリメリテート等のトリメリット酸エステ
ル系可塑剤;エポキシ系可塑剤;ポリエステル系可塑剤
などが挙げられる。植物油系の可塑剤も好ましい。塩素
化パラフィンのブリードアウトを抑制するには、フタル
酸系可塑剤が好ましい。これらは単独で用いても、2種
類以上組み合わせ用いてもよい。フタル酸系可塑剤以外
の可塑剤を用いる場合には、これにフタル酸系可塑剤と
併用するのが好ましい。
【0011】可塑剤の配合量は、有機高分子材料100
重量部に対し50〜200重量部、好ましくは60〜1
80重量部、より好ましくは100重量部以下である。
この範囲でブリードアウトが抑制でき、制振効果も発現
できる。
【0012】有機高分子材料には必要に応じて充填材が
添加されてもよい。特に、樹脂組成物にある程度の硬さ
を付与したいときは、充填材を添加するのがよい。充填
材としては、鉄粉、アルミニウム粉、銅粉等の金属粉;
マイカ、カオリン、モンモリロナイト、シリカ、炭酸カ
ルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
リン酸マグネシウム、結晶性炭素(グラファイト等)、
バーミキュライト等の無機質充填材などが例示される。
これらは、単独で用いられても、2種類以上併用されて
もいい。充填材の量は、多すぎると樹脂組成物の制振性
が低下するので、有機高分子材料100重量部に対し
て、好ましくは300重量部以下である。
【0013】有機高分子材料からなる制振シートの作製
方法は、特に限定されず、例えば押出成形法、カレンダ
ー成形法、溶剤キャスト法等の一般的なシート成形方法
であってよい。得られたシートを所要サイズにカットし
てモーターの防音装置の構成に供する。
【0014】請求項1によるモーターの防音装置のもう
1つの構成材である拘束部材は、縦弾性係数が1GPa
以上であるものであれば特に限定されないが、制振シー
ト用の有機高分子材料より縦弾性係数が大きい材料がよ
い。
【0015】このような拘束部材の例として、鉛、鉄、
鋼材(ステンレス鋼を含む)、アルミニウム等の金属材
料;コンクリート、石膏ボード、大理石、スレート板、
砂板、ガラス等の無機材料;ポリカーボネート、ポリサ
ルフォン等のビスフエノールA変性樹脂;ポリ(メタ)
アクリレートなどのアクリル樹脂;塩化ビニル系樹脂、
塩素化塩化ビニル系樹脂等の塩素系樹脂;アクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン系ゴム等のゴム系材料;ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
等の飽和ポリエステル;スチレン系樹脂;ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂;ナイロン
6、ナイロン66、アラミド(芳香族ポリアミド)等の
ポリアミド系樹脂;メラミン系樹脂;ポリイミド系樹
脂;ウレタン系樹脂;ジシクロペンタジエン、ベークラ
イト等の熱硬化性樹脂;木、紙等のセルロース系材料;
キチン、キトサンなどからなる板材またはシートが挙げ
られる。
【0016】これらは単独で用いても、2以上の組み合
わせで用いてもよい。拘束部材はガラス繊維、カーボン
繊維、液晶などで補強されていてもよく、互いに異なる
材料からなる複合板であってもよく、さらに、これらの
材料からなる発泡体であってもよい。
【0017】拘束部材の形状は特に限定されず、シート
状、板状、棒状、ブロック状などであってもよい。好ま
しくはシート状拘束部材が用いられる。金属製の拘束部
材の場合には、メッキや塗装を施すのが好ましい。平滑
な金属板からなる拘束部材は反射率が大きくなる傾向を
有するので、表面に凹凸を設ける、孔を開ける、拘束部
材を無機材にする、などにより反射率を低減させるのが
好ましい。孔径は、孔が汚れなどで塞がれないように、
直径3〜20mm程度にするのがよい。拘束部材が振動
していても、拘束部材の縦弾性係数があまり低下しなけ
れば、表面の凹凸や孔開けなどで防音効果は増す傾向に
ある。
【0018】制振シートおよび拘束材料の厚みは任意で
あってよいが、薄すぎると制振性能が劣り、厚すぎると
重量が重くなり施工性が悪くなるので、制振シートの厚
みは好ましくは100μm〜10mm、拘束部材の厚み
は好ましくは50μm〜10mmである。縦弾性係数1
00GPa以上の硬い拘束材料の場合は、厚みは好まし
くは50μm〜5mmである。
【0019】モーターフレームの少なくとも片面とは、
モーターフレームの外周面、同内周面、モーターフレー
ムの上底面の外面、同内面、モーターフレームの下底面
の外面および同内面のうちの少なくとも1カ所を意味す
る。施工性、防音性および放熱性をバランスよく得るた
めには、制振シートおよび拘束部材は、モーターフレー
ムの外周面だけ、または、モーターフレームの外周面お
よび上下底面の外面に設けることが好ましい。
【0020】つぎに、請求項2の有機高分子材料におい
て、制振シート用の塩素系高分子材料は、請求項1の制
振シート用の有機高分子材料のうち塩素系のものであっ
てよく、例えば、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系
樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩素化ポ
リエチレン系樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂等が挙げら
れる。
【0021】塩素系高分子材料の塩素含有量は、少なす
ぎると制振性が低下し、多すぎると制振シートが硬くな
りすぎて成形が難しくなるので、20〜70重量%とす
るのがよい。
【0022】請求項2の有機高分子材料において、塩素
化パラフィンは、炭素数が10〜50で、塩素含有率が
30〜70重量%であるものであれば、限定されず、液
状のものでも固体のものでもよい。塩素化パラフィン
は、単一物質からなるものでも、2以上の物質の混合物
でもよい。塩素化パラフィンは1種類で単独使用されて
も、2種類以上併用されてもよい。
【0023】塩素化パラフィンの炭素数は、小さすぎる
と塩素化パラフィンがブリードアウトしてしまい、大き
すぎると十分な制振性が発現しないため、好ましくは1
2〜50であり、塩素化パラフィンが1種類で使用され
る場合、好ましくは12〜20、より好ましくは12〜
16である。
【0024】塩素化パラフィンの塩素含有量は、少なす
ぎると、充分な制振性が発現せず、且つ、塩素化パラフ
ィンが塩素系高分子材料と相溶しにくくブリードアウト
する恐れがあり、多すぎると、やはり塩素化パラフィン
が塩素系高分子材料と相溶しにくくブリードアウトする
恐れがあるので、30〜70重量%とするのがよい。塩
素化パラフィンの塩素含有量が塩素系高分子材料の塩素
含有量に近いほど、制振性が良くなるので、塩素系高分
子材料の塩素含有量に従って、塩素化パラフィンの塩素
含有量を決めればよい。
【0025】請求項2の有機高分子材料において、塩素
系高分子材料に対する塩素化パラフィンの量は、少なす
ぎると十分な制振性が得られず、多すぎると強度が小さ
くなって樹脂組成物が形態を保持しにくくなるため、塩
素系高分子材料100重量部に対して100〜400重
量部が好ましい。
【0026】請求項2の樹脂組成物には必要に応じて可
塑剤、充填材等が添加されてもよい。可塑剤、充填材の
例示および添加量は請求項1におけるものと同じであっ
てよい。
【0027】つぎに、請求項3の有機高分子材料におい
て、制振シート用の塩素系高分子材料は、請求項1の制
振シート用の有機高分子材料のうち塩素系のものであっ
てよく、例えば、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系
樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩素化ポ
リエチレン系樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂等が挙げら
れる。
【0028】塩素系高分子材料の塩素含有量は、少なす
ぎると制振性が低下し、多すぎると制振シートが硬くな
りすぎて成形が難しくなるので、20〜70重量%とす
るのがよい。
【0029】請求項3の有機高分子材料において、塩素
化パラフィンは、炭素数12〜16で且つ塩素含有率3
0〜70重量%の第1塩素化パラフィンおよび炭素数2
0〜50で且つ塩素含有率30〜70重量%の第2塩素
化パラフィンの混合物である。このように炭素数が互い
に異なる2種の塩素化パラフィンを用いることにより、
損失正弦(tanδ)のピーク値をより上昇させ、すぐ
れた制振性を得ることができる。
【0030】この場合、第1塩素化パラフィンの割合を
第2塩素化パラフィンの割合より大きくすると、損失正
弦(tanδ)のピーク値をより上昇させるとともに長
期に亘って維持することができ、且つ、塩素化パラフィ
ンの制振シートからのブリードアウトを抑制させること
ができるので好ましい。
【0031】請求項3の有機高分子材料において、塩素
系高分子材料に対する塩素化パラフィン混合物の量は、
少なすぎると十分な制振性が得られず、多すぎると強度
が小さくなって樹脂組成物が形態を保持しにくくなるた
め、塩素系高分子材料100重量部に対して50〜30
0重量部が好ましい。
【0032】請求項3の樹脂組成物には必要に応じて可
塑剤、充填材等が添加されてもよい。可塑剤、充填材の
例示および添加量は請求項1におけるものと同じであっ
てよい。
【0033】制振シートは、例えば、塩素化ポリエチレ
ン100重量部に対して、塩素含有量50重量%の塩素
化パラフィン200重量部および塩素含有量70%の塩
素化パラフィン100重量部の樹脂配合で厚みが1.0
mmとされ、拘束部材は、例えば、厚み0.4mmの鋼
板とされる。
【0034】本発明によるモーターの防音装置を製作す
る方法は任意であってよいが、施工性を良くするために
は、予め制振シートと拘束部材を貼合して防音装置を作
製しておき、これをモーターのモーターフレームに制振
シートを内側にして貼付けるのがよい。制振シートおよ
び拘束部材からなる防音装置を多層状に設置してもよ
い。
【0035】塩素化パラフィンを含む樹脂組成物は適度
な粘着性を有し、モーターフレームに制振シートを貼り
合わせる際、粘着剤や両面テープが必要でなく施工性が
良い。
【0036】(作用)請求項1の発明によるモーターの
防音装置は、モーターフレームの少なくとも片面に設け
られ、且つ、損失正弦(tanδ)のピーク値が1.5
以上である有機高分子材料からなる制振シートと、同シ
ートの外面側に設けられ、且つ、縦弾性係数が1GPa
以上である拘束部材とで構成されていることを特徴とす
るので、優れた制振性能を有する制振シートがモーター
から発せられる音を吸収し、高い防音性能を有する。し
かも、これは軽量でモーターフレーム面に安定的に設置
することができ、優れた防音効果を長期に亘って維持す
ることができる。
【0037】また、請求項2の発明によるモーターの防
音装置では、有機高分子材料として、塩素含有量20〜
70重量%の塩素系高分子材料と、炭素数10〜50で
且つ塩素含有量30〜70重量%の少なくとも1種の塩
素化パラフィンとからなる樹脂組成物を用いると、一層
優れた防音性能を有するモーターの防音装置が得られ
る。
【0038】さらに、請求項3の発明によるモーターの
防音装置では、有機高分子材料として、塩素含有量20
〜70重量%の塩素系高分子材料と、炭素数12〜16
で且つ塩素含有率30〜70重量%の第1塩素化パラフ
ィンおよび炭素数20〜50で且つ塩素含有率30〜7
0重量%の第2塩素化パラフィンの混合物(ただし第1
塩素化パラフィンの割合が第2塩素化パラフィンの割合
より大きい)とからなる樹脂組成物を用いるので、損失
正弦(tanδ)のピーク値をより上昇させるとともに
長期に亘って維持することができ、且つ、塩素化パラフ
ィンの制振シートからのブリードアウトを抑制させるこ
とができる。
【0039】請求項2および3の樹脂組成物は塩素化パ
ラフィンを含むので、適度な粘着性を有し、車両の対象
箇所に制振シートを貼り合わせる際、粘着剤や両面テー
プが必要でなく施工性が良い。
【0040】請求項1〜3のモーターの防音装置は、ス
ポンジ等の防音材に比べ、制振シートと拘束部材を合わ
せ厚さを大幅に薄くできるため、スペースをほとんど増
加させずに防音機能を高めることができ、しかも、放熱
性にも優れている。
【0041】省スペースでかつ防音性および放熱性に優
れたモーターの防音装置を得るためには、拘束部材の材
質は、鋼、アルミニウムなどが好ましく、拘束部材の厚
みは、0.1〜10mmが好ましい。
【0042】
【発明の実施の形態】本発明を実施例に基づいてさらに
詳しく説明する。
【0043】実施例1 塩素化ポリエチレン(昭和電工社製、商品名「エラスレ
ン402NA」、塩素含有量40重量%)100重量部
と塩素化パラフィン(旭電化社製、品番「E500」、
塩素含有量50重量%、平均炭素数14、炭素数12〜
16=99重量%)200重量部と塩素化パラフィン
(味の素ファインテクノ社製、商品名「エンパラ7
0」、塩素含有率70重量%、平均炭素数26、炭素数
20〜50=99重量%)100重量部とをロール練り
機で混練し、得られた樹脂混練物を120℃でプレスし
て、厚さ1.0mmのシートを得た。
【0044】防音装置を設けるモーター(2)として、図
1に示すように、駆動部を納めている有底円筒状モータ
ーフレーム(2a)と、モーターフレーム(2a)の一方の底面
から突出している回転軸(2b)とを有しているものを選択
し、上記シートをこのモーターフレーム(2a)の外周面お
よび上下の底面にその面積に応じた面積にカットして制
振シート(3)を作製した。樹脂混練物のtanδは3.
5であった。
【0045】そして、図1に示すように、制振シート
(3)に拘束部材として0.4mmの鋼板(4)を貼付け、防
音装置(1)を作製した。ただし、貼付けは粘着剤なしで
行った。この防音装置(1)を市販のモーター(2)の外面に
貼付けた。この貼付けも粘着剤なしで行った。性能評価
用のモーター(2)には、マブチモーター社製FA−13
0RAを使用した。
【0046】性能評価試験 防音装置(1)が設けられていないモーターを比較例1と
し、また、防音材として約2mmのグラスウールを設け
たものを実施例2とし、実施例および比較例のモーター
の防音装置に対し、下記の項目について性能評価を行っ
た。
【0047】a.防音性能 音評価法としては、測定時間を5秒とし、A特性の最大
レベル値で評価した。マイクロフォンは、モーター(2)
の外周から10mm離れた位置に設置した。周囲の音
(暗騒音)は、33dBであった。この測定結果による
と、比較例1では、Lmax=74dBであったもの
が、実施例1では、Lmax=64dBまで低下した。
【0048】上記の測定結果から明らかなように、実施
例1のモーターの防音装置(1)は極めて良好な防音性を
示すものである。
【0049】b.温度評価 モーター(2)を所定時間駆動し、防音装置(1)表面の温度
を測定したところ、比較例2では、34.4℃であった
のに対し、実施例1のものでは、33.4℃であった。
【0050】この結果から明らかなように、実施例1の
モーターの防音装置(1)は、優れた放熱効果を示すもの
である。
【0051】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、優れた制振性
能を有する制振シートがモーターから発生する音を吸収
し、高い防音性能を有する。しかも、これは軽量でモー
ターフレームに安定的に設置することができ、優れた防
音効果を長期に亘って維持することができる。
【0052】請求項2の発明によれば、一層優れた制振
性能を有するモーターの防音装置が得られる。
【0053】請求項3の発明によれば、損失正弦(ta
nδ)のピーク値をより上昇させるとともに長期に亘っ
て維持することができ、且つ、塩素化パラフィンの制振
シートからのブリードアウトを抑制させることができ
る。
【0054】請求項2および3の樹脂組成物は塩素化パ
ラフィンを含むので、適度な粘着性を有し、モーターフ
レームに制振シートを貼り合わせる際、粘着剤や両面テ
ープが必要でなく施工性が良い。
【0055】請求項1〜3のモーターの防音装置は、従
来の遮音材に比べ、制振シートと拘束部材を合わせた厚
さが大幅に薄いものを使用できるため、モーターの過剰
な設置スペースを必要とすることなく、防音性能を向上
させることができ、しかも、放熱性も向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1によるモーターの防音装置の
一部を切り欠いた斜視図である。
【符号の説明】
(1) :防音装置 (2) :モーター (2a):モーターフレーム (3) :制振シート (4) :拘束部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モーターフレームの少なくとも片面に設
    けられ、且つ、損失正弦(tanδ)のピーク値が1.
    5以上である有機高分子材料からなる制振シートと、同
    シートの外側面に設けられ、且つ、縦弾性係数が1GP
    a以上である拘束部材とで構成されていることを特徴と
    するモーターの防音装置。
  2. 【請求項2】 有機高分子材料が、塩素含有量20〜7
    0重量%の塩素系高分子材料と、炭素数10〜50で且
    つ塩素含有量30〜70重量%の少なくとも1種の塩素
    化パラフィンとからなる樹脂組成物であることを特徴と
    する請求項1記載のモーターの防音装置。
  3. 【請求項3】 有機高分子材料が、塩素含有量20〜7
    0重量%の塩素系高分子材料と、炭素数12〜16で且
    つ塩素含有率30〜70重量%の第1塩素化パラフィン
    および炭素数20〜50で且つ塩素含有率30〜70重
    量%の第2塩素化パラフィンの混合物(ただし第1塩素
    化パラフィンの割合が第2塩素化パラフィンの割合より
    大きい)とからなる樹脂組成物であることを特徴とする
    請求項1記載のモーターの防音装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20160190895A1 (en) * 2014-12-26 2016-06-30 Jtekt Corporation Motor

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